TOP > 国内特許検索 > 方向操作用の操作ユニット構造 > 明細書

明細書 :方向操作用の操作ユニット構造

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4630984号 (P4630984)
公開番号 特開2006-280498 (P2006-280498A)
登録日 平成22年11月26日(2010.11.26)
発行日 平成23年2月9日(2011.2.9)
公開日 平成18年10月19日(2006.10.19)
発明の名称または考案の名称 方向操作用の操作ユニット構造
国際特許分類 A61G   5/04        (2006.01)
FI A61G 5/04 501
A61G 5/04 504
請求項の数または発明の数 5
全頁数 12
出願番号 特願2005-102285 (P2005-102285)
出願日 平成17年3月31日(2005.3.31)
審査請求日 平成20年3月31日(2008.3.31)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591282205
【氏名又は名称】島根県
発明者または考案者 【氏名】米田 和彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100081673、【弁理士】、【氏名又は名称】河野 誠
審査官 【審査官】鈴木 洋昭
参考文献・文献 特開2000-242409(JP,A)
特開2000-14713(JP,A)
特開2003-178653(JP,A)
実開平6-43731(JP,U)
調査した分野 A61G 5/02
A61G 5/04
H01H 25/00
特許請求の範囲 【請求項1】
取付用ベース(33)に対し旋回するための左右方向であるX軸方向のスライド機構(30a)を介して上記X軸方向に移動可能とするX軸方向操作台(32)を設けると共に、X軸方向操作台(32)に対し前後進するための前後方向であるY軸方向のスライド機構(30b)を介して上記Y軸方向に移動可能とするY軸方向操作台(31)を設け、該Y軸方向操作台(31)側に操作部材(3)を設け、且つ操作部材(3)の操作に基づくX軸方向操作台(32)のX軸方向とY軸方向操作台(31)のY軸方向のスライド量をそれぞれ検出する検出手段(7),(8)を設け、X軸方向のスライド機構(30a)のスライダー(36)と、Y軸方向のスライド機構(30b)のスライダー(36)を、上記スライド機構(30a),(30b)にそれぞれに設けたスプリング(40)によって操作中立位置に復帰させるように付勢する方向操作用の操作ユニット構造。
【請求項2】
取付用ベース(33)とX軸方向操作台(32)の中間部を、X軸方向のスライド機構(30a)のスライダー(36)と該スライダー(36)にスライド案内されるガイド(35)によって取付支持し、X軸方向操作台(32)とY軸方向操作台(31)の中間部を、Y軸方向のスライド機構(30b)のスライダー(36)と該スライダー(36)にスライド案内されるガイド(35)によって取付支持し、且つ取付用ベース(33)の両側にX軸方向操作台(32)をX軸方向に移動可能に支持すると共に、X軸方向操作台(32)の両側にY軸方向操作台(31)をY軸方向に移動可能に支持した請求項1の操作ユニット構造。
【請求項3】
手操作用のグリップからなる操作部材(3a)と足操作用の足載せ板からなる操作部材(3b)を、Y軸方向操作台(31)又はY軸方向のスライド機構(30b)のスライダー(36)に選択可能に設ける請求項1又は2の方向操作用の操作ユニット構造。
【請求項4】
足載せ板からなる操作部材(3b)を設けた操作ユニット(1)を、電動走行型の車椅子(2)のフットレスト(15)に設ける請求項1又は2又は3の方向操作用の操作ユニット構造。
【請求項5】
足載せ板からなる操作部材(3b)を備えた操作ユニット(1)をフットレスト(15)に載置し、フットレスト(15)を操作ユニット(1)と補助取付座(25)によって挟持して固定する請求項1又は2又は3又は4の方向操作用の操作ユニット構造。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部材を平面的にスライド移動させる方向操作用の操作ユニット構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動走行型の車椅子のアームレスト部又はフットレスト部に選択可能に装着され、操作レバーを前後左右に操作することにより車体の前進,後進,左右旋回等の操縦を行う操作ユニット(操作ボックス)は既に知られている(例えば特許文献1)。
この車椅子用の操作ユニットは、アームレストに装着し手で操作することを前提として製作されているため、上端に縦向き棒状の操作レバーをボックス本体内に回動可能に支持し、下端部を支点に上端の球形状グリップが球面上を前後左右に移動させる構成となっている。
【0003】
上記操作ユニットはフットレストに装着するとき、足操作部材を備えた足操作部材支持部材によって覆った状態で装着される。この際足操作部材は、裏側に一体的に形成された下向突出部を足操作部材支持部材の上板面に穿設した係合連結孔に挿入し、操作レバーの球形状グリップに遊嵌させて操作連携させる構成となっている。
これにより使用者が足操作部材に足を載せて前後左右に足操作すると、下向突出部を介して操作レバーを同方向に回動することができ、その回動方向及び回動角度に応じ前記アームレスト部に装着したものと同様に車椅子を操縦することができる。

【特許文献1】特開2000-14713公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記手操作を前提として製作される操作ユニットは、足操作を可能とするようにフットレストに装着することもできる利点がある。然し、操作レバーは球面回動操作を行い易くする上で長く形成されているので、操作ユニットを足操作部材支持部材で覆う構造が大型化し、また足操作部材と操作レバーの連携構造が複雑化する欠点がある。さらに座面を低くしたい座席に対し、足操作部材の位置が高くなって不自由な足載せ姿勢になること、及び足による足操作部材の微小な操向操作が行い難い等の欠点がある。
【0005】
またフットレストに装着した操作ユニットは、平面的に操作される足操作部材の平面スライド量に対し、ボックス本体内で下端部を支点として上部が球面的に回動される操作レバーの回転量に差異を生ずるため、使用者が足操作部材をスライド移動させる操作感覚と現実の操向量とが一致せず操縦性を損なう欠点がある。このため足操作部材の平面的なスライド量を操作レバーの回転量に変換して検出する等の変換検出手段が付設される。
【0006】
また上記変換検出手段は、機械的に構成しようとすると構造が複雑化し実用に困難性を伴うので、操作レバーの回動角度を補正し足操作部材の平面移動と一致させるように電気的なソフト制御によって構成されるが、この場合にも変換補正のために煩雑なソフトを必要としコスト高になる等の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の方向操作用の操作ユニット構造は、第1に、取付用ベース33に対し旋回するための左右方向であるX軸方向のスライド機構30aを介して上記X軸方向に移動可能とするX軸方向操作台32を設けると共に、X軸方向操作台32に対し前後進するための前後方向であるY軸方向のスライド機構30bを介して上記Y軸方向に移動可能とするY軸方向操作台31を設け、該Y軸方向操作台31側に操作部材3を設け、且つ操作部材3の操作に基づくX軸方向操作台32のX軸方向とY軸方向操作台31のY軸方向のスライド量をそれぞれ検出する検出手段7,8を設け、X軸方向のスライド機構30aのスライダー36と、Y軸方向のスライド機構30bのスライダー36を、上記スライド機構30a,30bにそれぞれに設けたスプリング40によって操作中立位置に復帰させるように付勢することを特徴としている。
【0008】
第2に、取付用ベース33とX軸方向操作台32の中間部を、X軸方向のスライド機構30aのスライダー36と該スライダー36にスライド案内されるガイド35によって取付支持し、X軸方向操作台32とY軸方向操作台31の中間部を、Y軸方向のスライド機構30bのスライダー36と該スライダー36にスライド案内されるガイド35によって取付支持し、且つ取付用ベース33の両側にX軸方向操作台32をX軸方向に移動可能に支持すると共に、X軸方向操作台32の両側にY軸方向操作台31をY軸方向に移動可能に支持したことを特徴としている。
【0009】
に、手操作用のグリップからなる操作部材3aと足操作用の足載せ板からなる操作部材3bを、Y軸方向操作台31又はY軸方向のスライド機構30bのスライダー36に選択可能に設けることを特徴としている。
【0010】
に、足載せ板からなる操作部材3bを設けた操作ユニット1を、電動走行型の車椅子2のフットレスト15に設けることを特徴としている。
【0011】
に、足載せ板からなる操作部材3bを備えた操作ユニット1をフットレスト15に載置し、フットレスト15を操作ユニット1と補助取付座25によって挟持して固定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は次のような効果を奏することができる。取付用ベースとX軸方向操作台とY軸方向操作台をX軸方向とY軸方向のスライド機構を介して、操作部材のX軸方向とY軸方向の平面的な操作量をそれぞれ検出手段によって検出するので、操作ユニット1を高くすることなく操作部材の平面的な移動量を大きくすることができる。また操作部材の平面スライド量がそのまま操作量になるので、正確な操作を行うことができる。
従って、微小量の操作を正確に行うことが困難な使用者でも操作し易い操作ユニットを提供することができる。また操作ユニットを簡潔で廉価な構成によってコンパクトに纏めることができるから、車椅子のフットレスト等に対しても、操作部材を操作し易い位置に設けることができ、平面的な操作をスムーズに行うことができる。
【0013】
X軸方向操作台及びY軸方向操作台は、それぞれ中間部をスライド機構によって支持した状態で、その両側がスライド支持されるので、操作部材によるX軸方向とY軸方向の操作を安定性のよいスライド支持構造によってスムーズに行うことができる。またX軸方向のスライド機構とY軸方向のスライド機構によって、X軸方向操作台及びY軸方向操作台の異方向のガタつきを防止し、操作部材の操作を正確に行うことができる。
【0014】
X軸方向のスライド機構のスライダーとY軸方向のスライド機構のスライダーを、それぞれスプリングによって操作中立位置に復帰させるように設けたことにより、X軸方向及びY軸方向に操作した位置から手又は足を離しても、操作部材を操作中立位置に自動的に復帰させ操作を行い易くすることができる。
【0015】
手操作用のグリップからなる操作部材又は足操作用の足載せ板からなる操作部材を、Y軸方向操作台又はY軸方向のスライド機構のスライダーに直接的に設けることにより、各操作部材の取付構造を簡潔な構成にすることができ、また操作部材の高さを低くすることができる。
【0016】
足載せ板からなる操作部材を設けた操作ユニットを車椅子のフットレストに設けるとき、フットレストに足載せ板を操作し易い高さに設けることができ、また大きな足踏み操作力を強度を有して支持することができるので、足載せ板の平面的な操作をスムーズに行うことができる。
【0017】
足載せ板を備えた操作ユニットをフットレストに載置し、フットレストを操作ユニットと補助取付座によって挟持固定することにより、車椅子に既設のフットレストに対しても取付け加工を要することなく、後付け作業によって操作ユニットを簡単に取付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1の符号1は、移動車両の一例として示す電動走行型の車椅子2に設置可能な、発明に係わる操作ユニット(方向操作装置)である。この操作ユニット1は後述する取付手段によってアームレスト部2a又はフットレスト部2bに装着することができ、マイコンを有する制御装置(コントロールボックス)及び電動モーターと電気的に接続されて、操作部材3を前後左右並びにその複合方向に操作することにより、車椅子2の操向操作を以下のように行うことができる。
【0019】
上記操作ユニット1が備える操作部材3を手又は足によって前後方向(Y軸方向)に操作すると、車輪4,4が正逆回転され前後方向の操作量に基づき速度を変更可能に設定することができる。また操作部材3を左右方向(X軸方向)に操作すると、旋回方向及び操作量に基づき速度が設定される。
この操作ユニット1の車輪4,4を制御回転させる制御手段は以下のように構成することが望ましい。即ち、操作ユニット1の制御構造は、操作部材3がY軸方向に操作される平面的な移動操作量に比例して前後進速度を高低変換変速することができ、該速度の高低変速制御の設定を任意に変更可能に構成することができる。
【0020】
このようにX,Y軸それぞれ独立に動かすことができかつ組み合わせることによって360°任意の方向に移動できること。またY成分なしにX軸方向に動かすことによって左右の車輪が逆転してその場で旋回する。
【0021】
この操作ユニット1は操作部材3の操作に基づき、Y軸方向にスライド移動可能なY軸操作部5(第1操作部)と、Y軸操作部5を介しX軸方向にスライド移動可能なX軸操作部(第2操作部)6とからなり、第1操作部5とX軸操作部6の操作によるY軸とX軸の方向及びスライド量(移動量)を検出する検出手段として、検出器7,8をY軸操作部5とX軸操作部6にそれぞれ設けている。各検出器7,8はその検出値をコントロールボックスに送り、コントロールボックスは後述するような制御手段によって、駆動モーターを介し車輪4,4を回転制御する。
【0022】
次に上記各部の構成について詳細に説明する。図示例の車椅子2は一般的な手押し式のものに操作ユニット1と関連する図示しないコントロールボックスと駆動モーターを付設した電動走行型としている。この車椅子2は左右の車輪4,4及びキャスター4a,4aを有するシャーシフレーム9に座席10を設けている。
前記アームレスト部2aは、シャーシフレーム9から座席10の後方に延長される左右のハンドル杆11,11と接続し、前側に向けて屈曲される縦フレーム12の水平部分に構成される。
【0023】
フットレスト部2bは、縦フレーム12から前側に向けて延設されるフットアーム13の下部に、フットレスト15をジョイント部16を介して取付ける構成となっている。図示例のジョイント部16は、フットレスト15を上下方向に回動可能に支持する縦軸17と、フットレスト15を前後方向に回動可能に支持する横軸19を備えている。
これによりフットレスト15は、縦軸17を中心に略水平姿勢にする足載せ姿勢と、上方に回動退避させた非足載せ姿勢の切り換えを行うことができ、また足載せ姿勢において横軸19を中心に前後方向に傾斜調節し使用し易い角度に設定することができる。
【0024】
以上の構成からなる車椅子2への操作ユニット1の装着手段は、アームレスト部2aに対し取付座(基材)21を有する取付杆22等からなる取付具23を用いて装着することができる。またフットレスト15に対する操作ユニット1の装着手段は、上記取付座21とフットレスト挟持用の補助取付座25等からなる取付具23aを用いて装着することが望ましい。
【0025】
即ち、図示例の取付具23は取付杆22を縦フレーム12の縦杆部に対し位置調節可能に取付けることができ、アームレスト部2aに肘を掛けた状態で操作部材3の操作を行い易くすることができる。また取付座21と取付杆22は図示しない自在継手によって、操作ユニット1の取付け角度を調節可能に連結することができる。
一方、取付具23aは図7に示すように、フットレスト15に載置した状態の取付座21と、フットレスト15の裏側に接当させる補助取付座25を複数のボルト26とナット26aで締着することによりフットレスト15を挟持し、操作ユニット1を安定よく取付支持することができる。
【0026】
尚、操作ユニット1が備える例えばネジ杆或いは取付孔等からなる後述する操作取付部56には、手操作用の球状ジョイスティック型の操作部材3aと、足操作用の平板状の操作部材3bが、上記使用態様に応じ選択的に取付けられる。またY軸操作部5のY軸方向操作台31に対しても、手操作部材3aと足操作部材3bを上記使用態様に応じて選択的に取付けることができる。
【0027】
操作ユニット1のY軸操作部5とX軸操作部6は、それぞれ同様な構成からなるスライド機構30a,30bが設けられ、操作部材3をY軸方向とX軸方向に平面的にスライド移動できるように支持する。即ち、Y軸方向のスライド機構30aは、Y軸操作部5のY軸方向操作台31とX軸操作部6のX軸方向操作台32の間に設置され、X軸方向のスライド機構30bは、X軸方向操作台32と前記取付座21に取付け可能に構成される取付用ベース33の間に設けられる。これにより取付用ベース33に対しX軸操作部6とY軸操作部5は、上下段に重ねられた積層構造となって、十分な強度を備え簡潔で廉価な構成にすることができる。また操作ユニット1を厚くすることなく薄型でコンパクトなユニット構造にすることができる等の特徴がある。
【0028】
次にスライド機構30a,30bについて説明する。両スライド機構30a,30bは、X軸方向操作台32及び取付用ベース33側の所定位置に溶着又はネジ止め等の取付手段によって取付固定されるガイド35と、上部がY軸方向操作台31或いはX軸方向操作台32側に取付固定され、下部が上記ガイド35に案内されてスライド移動するスライダー36と、該スライダー36をガイド35に穿設した長孔状のガイド部37で案内される支持ピン39を介し、図4,図5に示される状態の操作中立位置に復帰させるように引っ張り付勢するスプリング40,40等から構成される。
【0029】
図示例のガイド35は上向きコ字状に形成された内部に、プラスチック材によって長方形のブロック状に形成されたスライダー36をスライド移動可能に遊嵌している。
またガイド35はスライダー36が長手方向の略中心に位置した状態を操作中立位置として定め、且つ起立した両片に操作中立位置の長手方向両側において、支持ピン39を挿入しスライド移動させる長孔状のガイド部37が形成される。
【0030】
上記ガイド35の長手方向の両側に形成されるガイド部37とガイド部37の内端距離は、スライダー36の長さと略等しくしている。また各ガイド部37,37・・に挿入される支持ピン39,39は、スライダー36の両端面に形成した横凹溝に係脱可能に係合させる。そして、支持ピン39,39は各ガイド部37の外側に突出する両端に、引っ張り用のスプリング40,40の両端が掛け止めされて互いに連結される。
【0031】
上記構成されるスライド機構30a,30bは、操作部材3の操作によってスライダー36が一方向にスライド移動されると、他方向の支持ピン39はガイド部37の内端に接当係止したままとなり、この状態で移動される側の支持ピン39は両端のスプリング40,40を伸ばすことができる。これにより使用者はスプリング40,40の張力に抗して操作部材3を平面スライド操作することができる。また任意位置で操作を止めると、スライダー36はスプリング40,40の張力によって元の操作中立位置に自動的に復帰するので、操作部材3の戻し操作を容易にすることができる。
【0032】
次にY軸操作部5及びX軸操作部6について図2~図6を参照し説明する。先ずX軸操作部6は、平面視で略正方形状の取付用ベース33の前側寄り中間部に、前記構成からなるX軸方向操作用のスライド機構30aをガイド35側を固定して設けている。取付用ベース33は裏側の4隅にゴム等からなる防振部材で形成した脚部45を設けており、該脚部45を介して操作ユニット1を前記取付座23や任意の取付基材等に防振可能に支持することができる。
【0033】
X軸方向操作台32は平板部材によって側面視で下向きコ字状に形成され、下向きに屈曲された両脚の下部にローラ46,46を上下に軸支しており、取付用ベース33の前後辺をローラ46,46の間に挿入してスライド可能に支持される。これによりX軸方向操作台32はスライド機構30aによって中間部が、両側がローラ46,46を介して取付用ベース33によって支持された、安定性のある3点支持構造によってX軸方向及びY軸方向の異方向にも傾くことなく正確にスライド移動することができる。
また上記スライド機構30aのスライダー36は、その上端面がX軸方向操作台32の裏側に取付固定される。そして、操作部材3は操作中立位置におけるスライダー36の中央部に取付固定される。
【0034】
この構成において、取付用ベース33とX軸方向操作台32の間に、取付用ベース33に対するX軸方向操作台32のX軸方向のスライド量を検出する検出手段としての検出器8が設けられる。この検出器8は図4,図6で示すように、取付用ベース33の表面にスライド機構30と略平行状に取付固定されるラック50と、X軸方向操作台32側に装着されて該ラック50に噛合するピニオン51を有するポテンショメータ52とから構成される。53はポテンショメータ52が有する端子であり前記コントロールボックスに接続される。
【0035】
X軸操作部6は上記X軸方向操作台32の上部にスライド機構30bを介し前記Y軸方向操作台31を重ねた状態で構成される。即ち、正面視で下向きコ字状をなすように形成されるY軸方向操作台31は、裏側の左右方向の中心部がX軸方向操作台32に取付固定されたスライド機構30の操作中立位置にあるスライダー36の上面に取付固定される。この支持状態においてY軸方向操作台31は、下向き両脚部の下部に軸支したローラ46a,46aを、X軸方向操作台32の左右側辺の裏側に転動可能に接当させることにより、3点支持構造によって上下方向の位置決めをなしY軸方向のスライド移動を安定よく正確に行うことができる。
【0036】
そして、X軸方向操作台32にガイド35が取付固定されるスライド機構30bのスライダー36は、その下部からボルト状の操作部(操作杆)56が嵌挿され、そのネジ部をY軸方向操作台31の通し孔から上方に突出させている。そして、操作取付部56のネジ部に頭部が球形状に形成された把持操作用の操作部材3aを装着する。
この構成において、Y軸方向操作台31とX軸方向操作台32の間に、X軸方向操作台32に対するY軸方向操作台31のY軸方向のスライド量を検出する検出器7を前記検出器8と同様な構成によって設けている。
【0037】
検出器7はY軸方向操作台31の裏側に、ラック50をスライダー36に沿って取付固定し、該ラック50に噛合するピニオン51を有するポテンショメータ52をX軸方向操作台32に取付固定した構成となっている。
また上記構造からなる操作ユニット1は、箱蓋形状のユニットカバー57をY軸方向操作台31の上方から被せ、下側辺を取付用ベース33に固定して全体が覆われる。ユニットカバー57はその上面中央部に、操作取付部56に取付けた操作部材3aを全操作方向に移動可能とする操作孔59を穿設している。
【0038】
次に、以上のように構成される操作ユニット1を車椅子2のアームレスト部2aに装着した使用例について説明する。この場合は使用者が座席10に着座し肘をアームレスト部2aにおいた状態で手で操作部材3を握り操作する。
操作部材3aを操作中立位置からY軸方向の前側に操作すると、スライド機構30bを介しY軸方向操作台31がX軸方向操作台32に対し前側にスライド移動し、検出器7が検出したスライド方向及びスライド量の信号に基づき車輪4,4を回転し、車椅子2を任意の操作速度で前進走行させることができる。
【0039】
また操作部材3を操作中立位置から後側に操作すると、検出器7が検出したスライド方向及びスライド量に基づき車輪4,4が回転し、車椅子2を操作速度で後進走行をすることができる。そして、操作部材3を左方又は右方に操作すると、取付用ベース33にガイド35が取付固定されたスライド機構30aを介し、X軸方向操作台32が左方又は右方に移動され、検出器8が検出したスライド方向及びスライド量の信号に基づき左右の車輪4,4を差動回転し、車椅子2を操作方向に旋回操縦することができる。
【0040】
このとき操作ユニット1は、取付用ベース33に対しX軸方向のスライド機構30aを介してX軸方向操作台32を設けたX軸操作部6と、X軸方向操作台32に対しY軸方向のスライド機構30bを介してY軸方向操作台31を設けたY軸操作部5とを重ねて構成しているので、操作部材3のX軸方向及びY軸方向の操作量を大きくしたい場合に、ユニット高さ(厚さ)並びに操作部材3を長大にすることなく、上記各部材を平面的に伸ばすだけの簡潔な構成によって、操作部材3の操作量を容易に大きくすることができる。
【0041】
また検出器7,8で検出される操作部材3の平面スライド量は、従来のもののように操作量の補正ソフト等を要することなく、そのまま操作量にすることができるので、正確な操作を簡単に行うことができる。また微小量の操向操作を正確に行うことが困難な使用者でも操作し易くなる。
従って、操作ユニット1をアームレスト部2aやフットレスト部2bに対し操作し易い位置に自由に設けることができ、手や足を載せかけて支持した楽な操作姿勢をとることができる等の利点がある。
【0042】
尚、操作部材3aは図5の点線で示すように、中心上部の把持高さ位置に形成した小球状の把持部3cの下方に、該把持部3cを把持した手を受け止め支持することができる径大鍔状の手受部3dを一体的に形成したものにすることができる。この場合には把持部3cを常時把持することが困難であったり握力が弱い使用者でも、手を浮かせることなく手受部3dに載せた状態で把持部3cを掴むことができるので、操作部材3aの操作を楽に行うことができる。また手受部3dは操作孔59を上方から覆うように形成することができる等の特徴がある。
【0043】
次に、操作ユニット1を車椅子2のフットレスト部2bに装着する使用例について説明する。尚、前記実施形態のものと同様な構成及び作用については説明を省略する。
この場合のY軸操作部5に設ける足載せ操作用の操作部材3bは、平坦な表面に凹凸等の滑り防止手段が付設される。この操作部材3bは操作取付部56に取付けるか、図7で示すように操作取付部56を外したY軸方向操作台31に、操作部材3bの基部に一体的に形成した円盤状の取付ブラケット60をネジ止めして直接的に取付固定される。
【0044】
そして図7で示すように、操作部材3bを有する操作ユニット1は、取付座21をフットレスト15に載置し、且つフットレスト15の裏側に補助取付座25を接当させ、両者にフットレスト15の外周側の複数箇所から、ボルト26を挿入しナット26aを介し締着しフットレスト15に取付固定される。
この取付手段によれば、フットレスト15には取付孔等の加工を施すことなく、フットレスト15を取付座21と補助取付座25で挟持し、操作ユニット1を既製の車椅子2に対して後付け作業によっても簡単な構成によって強固に取付固定することができる。尚、取付座21を省略し取付用ベース33を取付座に兼用して設けることもできる。
【0045】
また足の重量を受けて足操作可能に形成される操作部材3bを有する操作ユニット1は、操作荷重をX軸方向操作台32に取付固定された広巾な取付ブラケット60、及び平面的にスライド移動するY軸操作部5とX軸操作部6で受けるので、大きな足踏み操作力を十分な強度を有して支持し、操作部材3bの平面的な操作をスムーズに行うことができる等の特徴がある。
【0046】
また足操作用の足載せ板3bは図示例のようにY軸方向操作台31に近接して設けることができるので、足載せ板3bを操作し易い低い位置にすることができる。
尚、足載せ板3bの外周からユニットカバー57に代えるスカート状のカバーを垂設する場合には、上記ユニットカバー57を省略することができる。
【0047】
以上のように使用することができる操作ユニット1は、断面コ字状のガイド35内にブロック状のスライダー36をスライド移動させるスライド機構30a,30bによって、操作部材3を平面方向に方向操作させる実施形態を図示したが、これに限定されるものではない。即ち、スライド機構30a,30bは、例えばX軸方向及びY軸方向に設ける丸棒状のガイドに、スライダーをベアリング等の滑動手段を介してスライド移動させる構成にすることもできる。また取付用ベース33に対するX軸方向操作台32及びX軸方向操作台32に対するY軸方向操作台31のスライド支持構造は、ローラ46,46aを用いない係合手段による滑り支持構造にすることもできる。
【0048】
また操作ユニット1の方向操作に基づき車輪4,4を制御回転させる制御手段は、以下のように構成することが望ましい。即ち、操作ユニット1の制御構造は、操作部材3がY軸方向に操作される平面的な移動操作量に比例して前後進速度を高低変換変速すると共に、該速度の高低変速制御の設定を任意に変更できるように構成する。
【0049】
またX軸方向及びY軸方向の各位置検出は、図示例ではラック50に噛合するピニオン51の回転に基づくポテンショメータ52の出力を検出信号としたが、この手段に限ることなくX軸方向操作台32及びY軸方向操作台31或いは操作部材3の位置検出を、光学的に読み取り検出したり、リニアポテンショメータその他変位計によるアナログ検出力、或いはリニアエンコーダー,ロータリーエンコーダー等によるデジタル出力によって行うこともできる。この場合には各軸方向の変位量をA/D変換その他インターフェイスによりマイコンに入力し、予め設定した入力出力特性に応じた電圧モーター駆動回路に出力する。
【0050】
この場合のマイコンの入力出力特性は、特定の基本関数がプログラムされた図示しないパソコンとマイコン双方にプログラムしておき、それぞれを通信ケーブル或いは無線通信手段によって接続し、パソコンの特性設定用プログラムによって、画面上のグラフをみながら使用者毎に適合するように個別関数を設定し、その定数をマイコンに書き込んでおく。このプログラムは前回マイコンに設定した定数も書き込むことができる。
【0051】
このように制御特性をパソコンにより設定する方式とすることにより、各使用者が車椅子2を運転使用する都度、上記設定をファイルとし保存しておけば、使用者毎の制御特性の経時的な変化に対しても記録を残すことができる。また使用者が車両の操作に習熟するなど状態の変化に応じて特性を変更することができる等の利点がある。
以上のように構成される方向操作用の操作ユニット構造は、車椅子2の他に低速で移動する車両一般の操向操作装置として広く利用することができる。また移動車両のみでなく各種アクチュエーターのリモートコントロラー等としても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係わる操作ユニットを備えた車椅子の全体を示す斜視図である。
【図2】図1の操作ユニットの構成を示す前方斜視図である。
【図3】図2の操作ユニットを一部破断をして示す平面図である。
【図4】図3の背面図である。
【図5】図3の操作ユニットを一部破断をして示す側面図である。
【図6】図3の第1操作部を外し一部破断をして示す平面図である。
【図7】操作ユニットをフットレストに装着する構造例を一部破断をして示す正面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 操作ユニット
2 車椅子
3 操作部材
5 Y軸操作部
6 X軸操作部
7,8 検出器(検出手段)
10 座席
21 取付座
23,23a 取付具
25 補助取付座
30b Y軸方向のスライド機構
30a X軸方向のスライド機構
31 Y軸方向操作台
32 X軸方向操作台
33 取付用ベース
35 ガイド
36 スライダー
37 ガイド部
39 支持ピン
40 スプリング
50 ラック
51 ピニオン
52 ポテンショメータ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6