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明細書 :電動車椅子の方向操作用の操作装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4491614号 (P4491614)
公開番号 特開2007-283089 (P2007-283089A)
登録日 平成22年4月16日(2010.4.16)
発行日 平成22年6月30日(2010.6.30)
公開日 平成19年11月1日(2007.11.1)
発明の名称または考案の名称 電動車椅子の方向操作用の操作装置
国際特許分類 A61G   5/04        (2006.01)
FI A61G 5/04 504
A61G 5/04 502
請求項の数または発明の数 3
全頁数 11
出願番号 特願2007-064332 (P2007-064332)
出願日 平成19年3月14日(2007.3.14)
優先権出願番号 2006077685
優先日 平成18年3月20日(2006.3.20)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成21年9月25日(2009.9.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591282205
【氏名又は名称】島根県
発明者または考案者 【氏名】米田 和彦
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100081673、【弁理士】、【氏名又は名称】河野 誠
審査官 【審査官】山口 賢一
参考文献・文献 特許第3663916(JP,B2)
仏国特許出願公開第02321267(FR,A1)
米国特許第03892231(US,A)
特開平05-170004(JP,A)
調査した分野 A61G 5/04
特許請求の範囲 【請求項1】
電動走行する車椅子(2)のフットレスト(2a)上に装着され、該フットレスト(2a)に対して前後及び左右のX軸・Y軸方向にスライドさせ又は水平方向に回動させて駆動操作される足載せ台(3)と、該足載せ台(3)の操作方向と操作量に応じて車椅子(2)の操向を制御出力する制御装置と、該制御装置の制御出力により移動方向を駆動制御されるモータその他のアクチュエータとを備えた電動車椅子の方向操作用の操作装置において、上記足載せ台(3)上に載置される足の踵を位置決めする踵ストッパ(33)と、足先を位置決めする足先ストッパ(36)からなり、且つ踵ストッパ(33)と足先ストッパ(36)との間隔を調節自在に構成し、足載せ台(3)の前記駆動操作時に足載せ台(3)に対する足の外れ移動を規制する規制手段を前記足載せ台(3)に設け、該規制手段を載置する足のサイズ又は形状その他の身体的条件に応じて変更可能に構成した電動車椅子の方向操作用の操作装置。
【請求項2】
フットレスト(2a)上に取付支持され、足載せ台(3)のX軸・Y軸方向のスライド移動を案内する操作ユニット(1a)を設け、上記フットレスト(2a)に対しX軸方向のスライド機構(6a)を介してX軸方向に移動可能とするX軸操作台(38)と、X軸操作台(38)に対しY軸方向のスライド機構(5a)を介してY軸方向に移動可能とするY軸操作台(37)と、方向操作に基づくX軸操作台(38)のX軸方向とY軸操作台(37)のY軸方向のスライド方向とスライド量をそれぞれ検出する検出手段(7),(8)とを設け、検出されたスライド方向とスライド量に基づき車椅子(2)の操向操作を行う請求項1の電動車椅子の方向操作用の操作装置。
【請求項3】
使用者の足のサイズに応じた複数のサイズからなる規制手段を予め複数種類準備し、使用者の足のサイズに応じて交換取付可能に構成した請求項1又は2の電動車椅子の方向操作用の操作装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、足載せ台を平面的に方向操作する電動車椅子の方向操作用の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動走行型車椅子のアームレスト部又はフットレスト部に選択可能に装着され、操作レバーを前後左右に操作することにより前進,後進,左右旋回等の操縦を行う操作ユニット(操作ボックス)は既に知られている(例えば特許文献1。)。
上記操作ユニットは、アームレストに設置し手で操作することを前提として製作されたものであるため、上端に球形状グリップを形成した縦向き棒状の操作レバー(ジョイスティック)をボックス本体内に回動可能に支持し、下端部を支点に上端の球形状グリップを前後左右に移動させる構成となっている。
【0003】
また操作ユニットはフットレストに装着するとき、足操作部材(足載せ台)を備えた足操作部材支持部材によって覆った状態で装着される。この際足操作部材は、裏側に一体的に形成された下向突出部を足操作部材支持部材の上板面に穿設した係合連結孔に挿入し、操作レバーの球形状グリップに遊嵌させて操作連携させる構成となっている。
これにより使用者が足操作部材に足を載せて前後左右に足操作すると、下向突出部を介して操作レバーを同方向に回動することができ、その回動方向及び回動角度に応じ前記アームレスト部に装着したものと同様に車椅子を操縦することができる。

【特許文献1】特許第3663916号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の操作ユニットは、手操作を前提として製作したものをフットレストに装着して足操作を可能とするように兼用構成することができる利点がある。然し、使用者が滑り易い靴底の靴を履いた足を、足操作部材の平坦なスライド部に載せて、前後左右に素早く動かして操向操作を行うような場合、或いは直進走行から咄嗟に方向変更をする場合等に、足がスライド部から滑って外れ易いこと、及び足先を方向変更したい側に向けて足操作部材を操作しようとしても、足が滑るためスムーズな操作感覚を得ることが困難な問題がある。
【0005】
またフットレストに装着した操作ユニットは、平面的に操作される足操作部材の平面スライド量に対し、ボックス本体内で下端部を支点として上部が球面的に回動される操作レバーの回転量に差異を生ずるため、機構の大型化、複雑化を招き装置高さが高くなるほか、使用者が足操作部材をスライド移動させる操作感覚と現実の操向量とが一致せず操縦性を損なう欠点がある。このため足操作部材の平面的なスライド量を操作レバーの回転量に変換して検出する等の変換検出手段が付設される。
【0006】
その他上記変換検出手段は、機械的に構成しようとすると構造が複雑化し実用に困難性を伴うので、操作レバーの回動角度を補正し足操作部材の平面移動と一致させるように電気的なソフト制御によって構成されるが、この場合にも変換補正のために煩雑なソフトを必要としコスト高になる等の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の電動車椅子の方向操作用の操作装置は、第1に、電動走行する車椅子2のフットレスト2a上に装着され、該フットレスト2aに対して前後及び左右のX軸・Y軸方向にスライドさせ又は水平方向に回動させて駆動操作される足載せ台3と、該足載せ台3の操作方向と操作量に応じて車椅子2の操向を制御出力する制御装置と、該制御装置の制御出力により移動方向を駆動制御されるモータその他のアクチュエータとを備えた電動車椅子の方向操作用の操作装置において、上記足載せ台3上に載置される足の踵を位置決めする踵ストッパ33と、足先を位置決めする足先ストッパ36からなり、且つ踵ストッパ33と足先ストッパ36との間隔を調節自在に構成し、足載せ台3の前記駆動操作時に足載せ台3に対する足の外れ移動を規制する規制手段を前記足載せ台3に設け、該規制手段を載置する足のサイズ又は形状その他の身体的条件に応じて変更可能に構成したことを特徴としている。
【0008】
に、フットレスト2a上に取付支持され、足載せ台3のX軸・Y軸方向のスライド移動を案内する操作ユニット1aを設け、上記フットレスト2aに対しX軸方向のスライド機構6aを介してX軸方向に移動可能とするX軸操作台38と、X軸操作台38に対しY軸方向のスライド機構5aを介してY軸方向に移動可能とするY軸操作台37と、方向操作に基づくX軸操作台38のX軸方向とY軸操作台37のY軸方向のスライド方向とスライド量をそれぞれ検出する検出手段7,8とを設け、検出されたスライド方向とスライド量に基づき車椅子2の操向操作を行うことを特徴としている。
【0009】
に、使用者の足のサイズに応じた複数のサイズからなる規制手段を予め複数種類準備し、使用者の足のサイズに応じて交換取付可能に構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は次のような効果を奏することができる。方向操作用の操作装置を備えた電動車椅子に設置される足載せ台に対し、足の踵を位置決めする踵ストッパと、足先を位置決めする足先ストッパを設け、両者の間隔を調節し使用者の足の大きさに合わせることができるので、例えば使用者が滑り易い靴を履いた足を足載せ台に載せて方向操作した場合でも、踵ストッパと足先ストッパが足の滑り外れを防止するので操作を確実に行うことができる。
また足載せ台を前後左右に素早く動かしたり、咄嗟に方向変更をする際にも、足載せ台から足の外れ防止をするので操作性を向上させることができる。
【0011】
取付用ベースとX軸操作台とY軸操作台をX軸方向とY軸方向のスライド機構を介して上下段に積層した状態で、操作部材のX軸方向とY軸方向の平面的な操作量をそれぞれ検出手段によって検出するので、操作台を高くすることなく操作部材の平面的な移動量を大きくすることができる。また操作部材の平面スライド量がそのまま操作量になるので、正確な操作を行うことができる。また操作台を簡潔で廉価な構成によってコンパクトに纏めることができるから、車椅子のフットレスト等に対し足載せ台を高さを抑えて操作し易い位置に設け、且つ大きな足踏み操作力を強度を有して支持することができるので、平面的な操作を行い易くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1において符号1は、走行車両の一例として示す電動走行型の車椅子2に設置した方向操作装置(操作装置)であり、本発明に係わる足載せ台3を備えている。この方向操作装置1は後述する取付手段によってフットレスト部2aに操作ユニット1aを介して装着される。そして、足載せ台3を前後左右並びにその複合方向に操作することにより、図示しないマイコンを備えた制御装置(コントロールボックス)及び電動モータ(アクチュエータ)と電気的に接続する操作ユニット1aを介して、車椅子2の操向操作を以下のように行うことができる。
【0013】
即ち、車椅子2に着座した使用者が足によって、足載せ台3を前後方向(Y軸方向)に操作すると、車輪4,4が正逆回転され前後方向と操作量に基づく速度を変更自在に設定することができる。また足載せ台3を左右方向(X軸方向)に操作すると、旋回方向及び操作量に基づく速度を設定することができる。この場合操作ユニット1aが車輪4,4を制御回転させる制御手段は、操作部材3がY軸方向に操作される平面的な移動操作量に比例して前後進速度を高低変換変速することができ、該速度の高低変速制御の設定を任意に変更可能に構成することが望ましい。このようにX,Y軸方向(二次元方向)にそれぞれ独立に動かすことができ、且つ組み合わせることによって360°任意の方向に移動できること。またY成分なしにX軸方向に動かすことによって左右の車輪4,4が逆転してその場で旋回する。
【0014】
そして、実施形態の操作ユニット1aは図4で示すように、足載せ台3の操作に基づきY軸方向にスライド移動可能なY軸操作部(第1操作部)5と、Y軸操作部5を介しX軸方向にスライド移動可能なX軸操作部(第2操作部)6とからなる。またY軸操作部5とX軸操作部6の操作によるY軸とX軸の方向(二次元方向)及びスライド量(移動量)を検出する検出手段としての検出器7,8は、Y軸操作部5とX軸操作部6にそれぞれ設けている。各検出器7,8はその検出値を図示しないコントロールボックス(制御装置)に送り、コントロールボックスは後述するような制御によって電動モータを介し車輪4,4を回転制御する。
【0015】
次に各部の構成について詳細に説明する。先ず図示例の車椅子2は一般的な手押し型の車椅子に対し、方向操作装置1とコントロールボックスと電動モータを後付け作業によって構成することができる。この車椅子2は左右の車輪4,4及びキャスター4a,4aを有するシャーシフレーム9に座席10を設けている。座席10の後方左右に立設されるハンドル杆11,11の中途部には、座席10のアームレスト10aを形成し前側で下向きに屈曲させてキャスター4aを装着する縦フレーム12,12を接続している。
【0016】
フットレスト部2aは、左右の縦フレーム12から前側に向けて延設されるフットアーム13の下部に、フットレスト15をジョイント部16を介して足載せ角度調節及び姿勢切換な構成によって取付けている。図示例のジョイント部16は、フットレスト15を上下方向に回動可能に支持する縦軸17と、フットレスト15を前後方向に回動調節可能に支持する横軸19から構成される。これによりフットレスト15は、縦軸17を中心に略水平姿勢にする足載せ姿勢と、上方に回動退避させた非足載せ姿勢の切り換えを行うことができ、また足載せ姿勢において横軸19を中心に前後方向の傾斜調節して使用することができる。
【0017】
この実施形態では右側のフットレスト部2aは図1~図3で示すように、フットアーム13の下部に設けたジョイント部16に方向操作装置1を設けてフットレストを兼用する構成としている。
即ち、方向操作装置1の装着手段は、操作ユニット1aを取付固定する取付座(基材)21をフットレスト15又はジョイント部16の縦軸17に枢支される取付ベース22に載置した状態で、長孔23に複数のボルト24を挿入し前後方向に位置調節自在で且つ着脱自在に取付けている。
【0018】
そして、足載せ台3は取付ベース22に取付固定される操作ユニット1aに突設した台取付部(ボルト)25に取付けられる。
操作ユニット1aの装着手段は、上記取付ベース22に限ることなく、左側のフットレスト15と同様なものに、取付座21とフットレスト挟持用の補助取付座等からなる取付具を用いて装着することもできる。
【0019】
足載せ台3は図2,図3で示すように、操作ユニット1aの台取付部25に挿入して取付支持される支持ガイド26と、該支持ガイド26に前後方向にスライド移動自在に取付支持される踵側操作部材27と足先側操作部材28とからなる。
図示例の支持ガイド26は長方形状の平板の前側中央部に前記台取付部25に挿入するセンタ孔29と、該センタ孔29の左右前後に取付ネジ30を螺挿するネジ孔31を穿設し、且つ平板の両側に踵側操作部材27と足先側操作部材28を重ねた状態で嵌挿し案内するガイド片32を立設している。
【0020】
支持ガイド26はセンタ孔29を台取付部25に挿入した状態でナット25aを締めることにより、上方への抜け止めをしながら二次元方向回動(水平回動)自在に取付支持される。
この際に支持ガイド26は、裏面を操作ユニット1aの後述するユニットカバー50の上面に摺動自在に支持し、且つ裏面に水平回転時の滑りをスムーズにするためのテープ或いは塗料等の滑動部材50aを設けている。
【0021】
これにより操作ユニット1aを利用し支持ガイド26,滑動部材50aを介し足載せ台3の操作負荷に対する耐久性を向上させると共に、装置高さを大きくすることなく、使用者が走行方向側へ足先を向けて行う足載せ台3の水平方向回動を行い易くしている。
尚、滑動部材50aはテープや潤滑剤に限ることなく支持ガイド26と操作ユニット1aの間に介装されるベアリング構造にすることもできる。
【0022】
踵側操作部材27は、平板の後端部に靴の踵部の後方移動を規制する踵ストッパ33を突設し、前側の中央部にナット25aを嵌挿する長孔34と、該長孔34の左右に前記各取付ネジ30を嵌挿させる調節孔35を前後方向に穿設している。
足先側操作部材28は、平板の前端部に靴の爪先部の前方移動を規制する足先ストッパ36を突設し、後側の中央部にナット25aを嵌挿する長孔34と、該長孔34の左右に前記各取付ネジ30を嵌挿させる調節孔35を前後方向に穿設している。
【0023】
そして、足載せ台3は例えば支持ガイド26に踵側操作部材27と足先側操作部材28を両側のガイド片32,32の間に重ね、互いに重合する踵側操作部材27の調節孔35と足先側操作部材28の調節孔35に上方から4本の取付ネジ30を挿入し支持ガイド26の各ネジ孔31に締着する。これにより支持ガイド26と踵側操作部材27と足先側操作部材28は予めユニット構造に組み立てた状態で、台取付部25に支持ガイド26のセンタ孔29を挿入し上方からナット25aを締着すると、フットレスト部2aに対し方向操作装置1の設置を簡単に行うことができる。
【0024】
このとき足載せ台3は、取付ネジ30を緩めた状態で踵側操作部材27を後退させ、且つ足先側操作部材28を前方移動させると、載置される足の二次元方向の移動を規制する(足を係止する)規制手段である踵ストッパ33と足先ストッパ36との距離を最大足裏長さにすることができる。この状態において使用者は利き足(図示例では右足)に履いた靴を足先側操作部材28と踵側操作部材27の上に置き、足先側操作部材28及び踵側操作部材27を各足先ストッパ36,踵ストッパ33が靴に接当する位置に移動させ各取付ネジ30を締着する。これにより踵側操作部材27と足先側操作部材28を、使用者の足裏長さに適応した足固定間隔を以て、支持ガイド26に取付固定することができる。上記規制手段は左右方向に調節可能に設けて足を左右から挟持させるように足形状や幅等に応じて調節できるようにすることもできる。
【0025】
また各取付ネジ30の締着は、前記踵ストッパ33と足先ストッパ36との足固定間隔を維持した状態で、踵側操作部材27と足先側操作部材28を共に前後方向に移動すると、体格の異なる使用者が座席10に座った状態で最も操作を行い易い足載せ位置、即ち操作セット位置に位置決めし取付ネジ30を締着することができる。
さらに、支持ガイド26はセンタ孔29を台取付部25に挿入した状態で、ナット25aを更に締着するか、又は図示しない回動固定構造によって使用者が好む足載せ台3の水平回動姿勢を選択して、左右方向の回動角を定めて固定することもできる。
【0026】
尚、踵ストッパ33及び足先ストッパ36の平断面視の形状は、踵と足先の滑り外れを防止する湾曲形状にすることが望ましい。また必要により使用者の足を固定自在にするバンドや紐類を付設することもできる。
図示例において足載せ台3は、支持ガイド26に対し踵側操作部材27と足先側操作部材28で構成したが、踵側操作部材27又は足先側操作部材28の何れかを省略した構成にすることもできる。この場合には省略した操作部材に突設される踵又は足先のストッパは支持ガイド26側に設けて足載せ台3を構成することができる。
【0027】
次に図4を参照し操作ユニット1aについて説明する。この操作ユニット1aのY軸操作部5とX軸操作部6は、それぞれ同様な構成からなるスライド機構5a,6aを備え、足載せ台3をY軸方向とX軸方向に平面的にスライド移動できるように支持している。
即ち、Y軸方向のスライド機構5aは、Y軸操作部5のY軸操作台37とX軸操作部6のX軸操作台38の間に設置され、X軸方向のスライド機構6aは、X軸操作台38と前記取付座21に取付け可能に構成される取付用ベース39の間に設けられる。
これにより取付用ベース39に対しX軸操作部6とY軸操作部5は、上下段に重ねられた積層構造で十分な強度を備え、薄型でコンパクトな操作ユニット1aを構成することができる。
【0028】
尚、スライド機構5a,6aは、X軸操作台38及び取付用ベース39側の所定位置に溶着又はネジ止め等の取付手段によって取付固定されるガイド40と、上部がY軸操作台37或いはX軸操作台38側に取付固定され、下部が上記ガイド40に案内されてスライド移動するスライダー41と、該スライダー41をガイド40に穿設した長孔状のガイド部42で案内される支持ピン43を介し操作中立位置に復帰させるように引っ張り付勢するスプリング45,45等から構成される。
上記取付用ベース39は裏側の4隅にゴム等からなる防振部材で形成した脚部46を介して取付座21に取付支持することにより、操作ユニット1aを取付座21に防振可能に支持している。
【0029】
X軸操作台38は平板部材によって側面視で下向きコ字状に形成され、下向きに屈曲された両脚の下部にローラ47,47を上下に軸支しており、両者の間に取付用ベース39の前後辺を挿入しスライド可能に支持される。これによりX軸操作台38はスライド機構6aによって中間部が、また両側がローラ47,47・・を介して取付用ベース39によって支持され、安定性のある3点支持構造によって異方向に傾くことなく正確にスライド移動する。スライド機構6aのスライダー41は、その上端面をX軸操作台38の裏側に取付固定している。
【0030】
X軸操作部6は上記X軸操作台38の上部にスライド機構5aを設けて前記Y軸操作台37を重ねた状態で構成される。即ち、正面視で下向きコ字状をなすように形成されるY軸操作台37は、裏側の左右方向の中心部がX軸操作台38に取付固定されたスライド機構6aの操作中立位置にあるスライダー41の上面に取付固定される。この支持状態においてY軸操作台37は、下向き両脚部の下部に軸支したローラ49を、X軸操作台38の左右側辺の裏側に転動可能に接当させることにより、3点支持構造によって上下方向の位置決めをなしY軸方向のスライド移動を行うことができる。
【0031】
この構成において、Y軸操作台37とX軸操作台38の間に、X軸操作台38に対するY軸操作台37のY軸方向のスライド量を検出する検出器7を設けている。また取付用ベース39とX軸操作台38の間に、取付用ベース39に対するX軸操作台38のX軸方向のスライド量を検出する検出手段としての検出器8を設けている。
【0032】
そして、Y軸操作台37の中心部にはボルト状の前記台取付部25を上方に向けて突設し、足載せ台3の支持ガイド26を着脱及び回動自在に装着することができる。
また上記構造からなる操作ユニット1aは、箱蓋形状のユニットカバー50をY軸操作台37の上方から被せ、下側辺を取付用ベース39に固定して全体が覆われる。ユニットカバー50はその上面中央部に、台取付部25を全操作方向に移動可能とする操作孔51を穿設している。
【0033】
次に、以上のように構成される操作ユニット1a及び足載せ台3からなる方向操作装置1を車椅子2のフットレスト部2aに装着した使用例について説明する。この場合は使用者が座席10に座りアームレスト部2aに手をおき、右足を足載せ台3に置いた状態で前後左右に足操作をすることができる。
足載せ台3を操作中立位置からY軸方向の前側に操作すると、スライド機構5aを介しY軸操作台37がX軸操作台38に対し前側にスライド移動し、検出器7が検出したスライド方向及びスライド量の信号に基づきアクチュエータを作動し車輪4,4を回転制御し、車椅子2を任意の操作速度で前進走行させることができる。
【0034】
また足載せ台3を操作中立位置から後側に操作すると、検出器7が検出したスライド方向及びスライド量に基づき車輪4,4が回転し、車椅子2を操作速度で後進走行させることができる。そして、足載せ台3を左方又は右方に操作すると、取付用ベース39にガイド40が取付固定されたスライド機構5aを介し、X軸操作台38が左方又は右方に移動され、検出器8が検出したスライド方向及びスライド量の信号に基づき左右の車輪4,4を差動回転し、車椅子2を操作方向に旋回操縦することができる。
【0035】
また検出器7,8で検出される操作部材3の平面スライド量は、従来のもののように操作量の補正ソフト等を要することなく、そのまま操作量にすることができるので、正確な操作を簡単に行うことができる。また微小量の操向操作を正確に行うことが困難な使用者でも操作し易くなる。
【0036】
上記操作ユニット1aは、取付用ベース39とX軸操作台とY軸操作台を、X軸方向とY軸方向のスライド機構を介して上下段に積層した状態で、足載せ台3(操作部材)のX軸方向とY軸方向の平面的な操作量をそれぞれ検出器7,8によって検出するので、操作ユニット1aを高くすることなく足載せ台3の平面的な移動量を大きくすることができる。従って、Y軸操作台37に足載せ台3を設けた場合に、微小量の操作を正確に行うことが困難な使用者でも操作し易くすることができる。また操作ユニットを簡潔で廉価な構成によってコンパクトに纏めることができると共に、大きな足踏み操作力を強度を有して支持することができる等の特徴がある。
【0037】
また操作ユニット1aの台取付部25に取付けた足載せ台3に対し、踵ストッパ33と足先ストッパ36を設けると共に、両者の足固定間隔を調節自在に構成したので、体格や足の大きさを様々に異にする使用者が、滑り易い靴を履いた足を足載せ台3に載せて操作した場合でも、踵ストッパ33と足先ストッパ36が足の前後移動を規制して滑りや外れを防止することができる。また足載せ台3を前後左右に素早く動かしたり、咄嗟に方向変更をしたい場合に、足載せ台3から足の滑り外れを生ずる憂いなく、車椅子2の方向操作性を向上させ走行を楽に行うことができる。尚、上記足載せ台3の構成は、従来のジョイスティック型の操作ユニットを備えた足操作機構にも使用することができる。
【0038】
そして、足載せ台3を水平方向に回転自在に支持した方向操作装置1は、使用者が座席10等の定位置に居ながら片足を前後左右に動かしY軸方向或いはX軸方向に操作するとき、足載せ台3は足に捻り等の無理な力を掛けないように回動し操作姿勢を使用者毎に整えるので、足の負担を軽減すると共に足の滑りも防止することができる。
また実施形態のように、足載せ台3の水平方向の回転に基づきX軸方向の操作を行うことができる構成にした方向操作装置1は、使用者が選択するX軸方向に対し足載せ台3を回動させて予め足先をおおよその方向に向け、同時に前側に送り出すように移動操作する自然な動作でX軸方向操作を行い易くすることができる。
【0039】
さらに、足載せ台3はその回動方向及び回動量を角度センサ(図示しない)等によって検出し、その出力に応じて電動モータの作動制御を行うようにすることもできる。この場合には足先を進みたいおおよその方向に向けた足載せ台3の簡単な回動操作によって、X軸操作台38或いはY軸操作台37を移動させることなく向きを変え、又はこれらの移動値より足載せ台3の回動値を優先させた制御を行うことができる。従って、車椅子2等の方向操作において、足載せ台3を横方向に移動操作することが苦手であったり、足が弱い使用者の場合でもX軸方向の操作を簡単に行うことができる等の特徴がある。また移動方向は回動角度により、移動の速度又は移動量等をX,Yの座標位置によりそれぞれ制御させることも可能である。
【0040】
また操作ユニット1aの方向操作に基づき車輪4,4を制御回転させる制御手段は、以下のように構成することが望ましい。即ち、操作ユニット1aの制御構造は、操作部材3がY軸方向に操作される平面的な移動操作量に比例して前後進速度を高低変換変速すると共に、該速度の高低変速制御の設定を任意に変更できるように構成する。
【0041】
またX軸方向及びY軸方向の各位置検出手段は、X軸操作台38及びY軸操作台37或いは足載せ台3の位置を、光学的に読み取り検出したり、リニアポテンショメータその他変位計によるアナログ検出、或いはリニアエンコーダー,ロータリーエンコーダー等によるデジタル出力によって行うこともできる。この場合には各軸方向の変位量をA/D変換その他インターフェイスによりマイコンに入力し、予め設定した入力出力特性に応じた電動モータ駆動回路に出力することができる。
【0042】
以上のように構成される方向操作装置1は、車椅子2の他に農業機械,建設機械,娯楽用車両等の低速で移動する車両用の操向操作装置として広く利用することができる。また走行車のみでなく足載せ台3の操作によって油圧機器やゲーム機器等の各種アクチュエータ、または画像の動作制御や設定等を足操作するリモートコントローラ等にも便利に使用することができる。
【0043】
なお本発明装置の規制手段は、利用者の足のサイズや形状に応じた複数種類のものを予め用意しておき、それぞれを取換え着脱可能な機構として変更可能なものにすることもできる。その他装置の操作や作動機構等についても、例えば二次元方向に駆動する力の個人差等に応じて調節や変更可能に構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係わる方向操作用の操作装置を備えた車椅子の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1の車椅子に装着される足載せ台の構成を示す平面図である。
【図3】図2の足載せ台の構成を分解して示す斜視図である。
【図4】足載せ台を装着する操作ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
1 方向操作装置(操作装置)
1a 操作ユニット
2 車椅子
3 足載せ台(足操作部)
5 Y軸操作部
5a Y軸方向のスライド機構
6 X軸操作部
6a X軸方向のスライド機構
7,8 検出器(検出手段)
10 座席
21 取付座
25 台取付部(ボルト)
26 支持ガイド
27 踵側操作部材
28 足先側操作部材
29 センタ孔
32 ガイド片
33 踵ストッパ(規制手段)
36 足先ストッパ(規制手段)
37 Y軸操作台
38 X軸操作台
39 取付用ベース
40 ガイド
50 ユニットカバー
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3