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明細書 :植物生長調節剤及び植物生長調節方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4565018号 (P4565018)
公開番号 特開2009-001558 (P2009-001558A)
登録日 平成22年8月6日(2010.8.6)
発行日 平成22年10月20日(2010.10.20)
公開日 平成21年1月8日(2009.1.8)
発明の名称または考案の名称 植物生長調節剤及び植物生長調節方法
国際特許分類 A01N  43/90        (2006.01)
A01P  21/00        (2006.01)
FI A01N 43/90 106
A01P 21/00
請求項の数または発明の数 9
全頁数 10
出願番号 特願2008-133506 (P2008-133506)
出願日 平成20年5月21日(2008.5.21)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成19年3月5日 日本農芸化学会発行の「日本農芸化学会2007年度(平成19年度)大会講演要旨集」に発表
優先権出願番号 2007135356
優先日 平成19年5月22日(2007.5.22)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成22年6月1日(2010.6.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
発明者または考案者 【氏名】河岸 洋和
【氏名】森田 明雄
【氏名】小林 文男
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100079049、【弁理士】、【氏名又は名称】中島 淳
【識別番号】100084995、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 和詳
【識別番号】100085279、【弁理士】、【氏名又は名称】西元 勝一
【識別番号】100099025、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 浩志
審査官 【審査官】今井 周一郎
参考文献・文献 特開平5-111389(JP,A)
特開昭63-165385(JP,A)
D. W. WOOLLEY and Elliott SHAW,Some imidazo-1,2,3-triazines and their biological relationship to the purines,Journal of Biological Chemistry,1951年,Vol.189, No.1,p.401-410
Michael K. BACH and J. FELLIG,Ubiquity of stimulation of endogenous respiration by purines & purine analogs,Plant Physiology,1961年,Vol.36, No.1,p.85-88
調査した分野 A01N 43/90
CA/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
2-アザヒポキサンチンを含む植物生長調節剤。
【請求項2】
イネ科、ナス科、ツバキ科及びキク科の植物の少なくとも1種に対して用いられることを特徴とする請求項1に記載の植物生長調節剤。
【請求項3】
イネ科植物種子の発芽抑制用の2-アザヒポキサンチン濃度が、5mM以上の接触濃度となる濃度である請求項1に記載の植物生長調節剤。
【請求項4】
イネ科植物種子の発芽促進用の2-アザヒポキサンチン濃度が、5μM以上100μM以下の接触濃度となる濃度である請求項1に記載の植物生長調節剤。
【請求項5】
イネ科植物の根の生長促進用の2-アザヒポキサンチン濃度が、5μM以上100μM以下の接触濃度となる濃度である請求項1に記載の植物生長調節剤。
【請求項6】
イネ科植物のシュートの生長促進用の2-アザヒポキサンチン濃度が、0.5mM以上50mM以下の接触濃度となる濃度である請求項1に記載の植物生長調節剤。
【請求項7】
植物と、2-アザヒポキサンチンを含む植物生長調節剤とを接触させる接触工程を含む植物生長調節方法。
【請求項8】
前記植物が、イネ科、ナス科、ツバキ科及びキク科の植物の少なくとも1種である請求項7に記載の植物生長調節方法。
【請求項9】
前記植物が、イネ科植物であって、前記植物生長調節剤が、請求項3~請求項6のいずれか1項に記載の植物生長調節剤である請求項7に記載の植物生長調節方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、植物生長調節剤及び植物生長調節方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物の生長を調節する化学物質としては、いわゆる植物ホルモンが知られている。一般に植物ホルモンは植物自体に由来する化学物質であり、微量で植物の生長、分化等を調節する物質である。また、植物自体に由来する化学物質ではないが、植物の生長を調節する化学物質も種々知られている。
【0003】
一方、2-アザヒポキサンチンはプリン骨格を有するヒポキサンチンの2-アザ置換体であり、抗癌剤であるダカルバジン(DTIC)の分解産物として知られている。2-アザヒポキサンチンは核酸塩基に類似することから、これを含むヌクレオシド誘導体には、抗ウイルス活性等が期待されている(例えば、特許文献1参照)。

【特許文献1】特開平05-111389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、2-アザヒポキサンチン自体については、その生理活性、特に、植物に対する生理活性について、なんら知見が得られていないのが現状である。
本発明は、2-アザヒポキサンチンの新たな用途を見出すことと、新規な植物生長調節剤及びこれを用いた植物生長調節方法を提供することとを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、2-アザヒポキサンチンを含む植物生長調節剤である。
また、本発明の第2の態様は、植物と、2-アザヒポキサンチンを含む植物生長調節剤とを接触させる接触工程を含む植物の生長調節方法である。
前記植物は、イネ科、ナス科、ツバキ科及びキク科の植物の少なくとも1種であることが好ましい。
また、イネ科植物種子の、発芽抑制用としては、2-アザヒポキサンチン濃度が5mM以上の接触濃度となる濃度であることが好ましく、発芽促進用としては、2-アザヒポキサンチン濃度が5μM以上100μM以下の接触濃度となる濃度であることが好ましい。
また、イネ科植物の、根の生長促進用としては、2-アザヒポキサンチン濃度が5μM以上100μM以下の接触濃度となる濃度であることが好ましく、シュートの生長促進用としては、2-アザヒポキサンチン濃度が0.5mM以上50mM以下の接触濃度となる濃度であることが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、2-アザヒポキサンチンについて植物生長調節剤という新たな用途を見出すことができる。また、新規な植物生長調節剤及びこれを用いた植物生長調節方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の植物生長調節剤は2-アザヒポキサンチンを含む。本発明における植物の生長には、植物細胞の通常の分化又は増殖を伴う現象であれば特に限定されず、植物体を構成する器官の伸長、拡大のみならず、種子からの発芽なども含まれる。
また、2-アザヒポキサンチン(以下、「AHX」ということがある)は、下記化学式で表される構造を有している。
【0008】
【化1】
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【0009】
本発明におけるAHXは植物に対する生長調節作用を有する。この作用機構の詳細は不明であるが、対象となる植物の種類、AHXの接触部位及びAHXの接触濃度によって、植物の生長を抑制又は促進させることができる。従って、本発明の植物生長調節剤は、対象植物と目的に応じて、種々の形態で用いることができる。
【0010】
本発明における植物としては、AHXによる生長調節作用が認められる植物であれば特に制限はなく、裸子植物であっても、被子植物であってもよく、被子植物としては、単子葉植物であっても、双子葉植物であってもよい。
具体的には、イネ科、ナス科、ツバキ科、キク科、バラ科、ユリ科等の植物を挙げることができる。
【0011】
本発明における植物としては、より効果的な生長調節作用の点から、イネ科、ナス科、ツバキ科及びキク科の植物の少なくとも1種であることが好ましくイネ科、ナス科及びキク科の植物の少なくとも1種であることがより好ましく、イネ科及びキク科の植物の少なくとも1種であることが更に好ましい。
【0012】
前記イネ科植物としては、例えば、マダケ属、オオムギ属、コムギ属、イネ属、コヌカグサ属、シバ属、サトウキビ属、トウモロコシ属等を挙げることができる。またナス科植物としては、例えば、ナス属、トウガラシ属、タバコ属等を挙げることができる。またツバキ科植物としては、例えば、ツバキ属、サカキ属等を挙げることができる。更にキク科植物としては、例えば、ゴボウ属、キク属、アキノノゲシ属、タンポポ属等を挙げることができる。
【0013】
また、本発明における植物体としては、種子、発芽種子、植物体のいずれであってもよく、種子全体、根、茎、葉、花等の各部分が該当する。本発明における植物体としては、より効果的な生長調節作用の点から、好ましくは、種子全体、根、茎又は葉を挙げることができる。
【0014】
本発明の植物生長調節剤において、植物と接触させるAHXの接触濃度は、植物の種類、直接的な接触部位となる器官、目的等により任意に変更可能であり、接触方法もまた任意に選択可能である。
【0015】
例えば、植物の種子の発芽を抑制又は促進させるには、AHXの接触濃度として、発芽抑制用又は発芽促進用の接触濃度をそれぞれ選択することができる。
種子の発芽抑制又は発芽促進のために、例えば、イネ科植物を対象植物として用いる場合、好ましいイネ科植物として、例えば、コヌカグサ属、シバ属、イネ属等を挙げることができる。具体的には、クリーピングベントグラス、ノシバ、イネ等を好適に挙げることができる。
【0016】
イネ科植物を対象植物とした場合、発芽抑制用のAHX接触濃度は、好ましくは5mM以上、より好ましくは7mM以上、さらに好ましくは10mM以上の濃度とすることができる。また、発芽抑制用のAHX接触濃度の上限値としては特に制限はないが、200mM以下であることが好ましく、100mM以下であることがより好ましい。
一方、発芽促進用のAHX接触濃度は、好ましくは5μM以上100μM以下、より好ましくは50μM以上90μM以下の濃度とすることができる。
従って、本発明の植物生長調節剤は、発芽抑制用の接触濃度又は発芽促進用の接触濃度となるAHXを含んでいればよい。
【0017】
また、上記種子の発芽調節と同様に、植物体の部位の生長を抑制又は促進させるには、AHXの接触濃度として、生長抑制用又は生長促進用の接触濃度をそれぞれ選択することができる。
この目的のためにイネ科植物を用いる場合のイネ科植物は、上記発芽抑制又は発芽促進の場合と同様である。このとき用いられる接触濃度は、一般に、5μM以上200mM以下の濃度とすることができる。また、好ましくは植物体の対象部位に応じてAHXの接触濃度を選択することができる。
【0018】
例えば、イネ科植物の根を対象器官とした場合、生長促進用のAHX接触濃度は、好ましくは5μM以上100μM以下、より好ましくは5μM以上80μM以下の濃度とすることができる。前記範囲の接触濃度であることによりイネ科植物の根の生長を促進させることができる。一方、イネ科植物の根の生長抑制用のAHX接触濃度は、好ましくは1mM以上100mM以下、より好ましくは5mM以上100mM以下の濃度とすることができる。前記範囲の接触濃度であることによりイネ科植物の根の生長を抑制させることができる。
一方、イネ科植物のシュートを対象器官とした場合、生長促進用のAHX接触濃度は、例えば、コヌカグサ属の場合、好ましくは0.5mM以上50mM以下、より好ましくは0.7mM以上10mM以下の濃度とすることができる。また例えばイネ属場合、好ましくは2μM以上100μM以下、より好ましくは5μM以上50μM以下とすることができる。
前記範囲の接触濃度であることによりイネ科植物のシュートの生長を促進させることができる。
【0019】
また、植物体の部位の生長を抑制又は促進させる目的で、例えば、キク科植物を用いる場合、好ましいキク科植物として、例えば、アキノノゲシ属等を挙げることができる。具体的には、レタス等を好適に挙げることができる。
キク科植物を対象植物とした場合、例えば、キク科植物の根の生長抑制用のAHX接触濃度は、好ましくは50μM以上、より好ましくは70μM以上の濃度とすることができる。前記範囲の接触濃度であることによりキク科植物の根の生長を抑制させることができる。
一方、キク科植物の植物体の生長促進作用のAHX接触濃度は、好ましくは30μM以上、より好ましくは100μM以上の濃度とすることができる。前記範囲の接触濃度であることによりキク科植物の植物体の生長を促進させることができる。
【0020】
本発明においては、対象植物として植物の培養細胞を用いることができる。培養細胞の生長を抑制又は促進させるには、AHXの接触濃度として、生長抑制用又は生長促進用の接触濃度をそれぞれ選択することができる。
この目的で、例えば、ナス科植物を用いる場合、好ましいナス科植物として、例えば、タバコ属、ツバキ属等を挙げることができる。具体的には、タバコ、チャ等を好適に挙げることができる。
ナス科植物を対象植物とした場合、ナス科植物の培養細胞の生長抑制用のAHX接触濃度は、好ましくは50μM以上、より好ましくは70μM以上の濃度とすることができる。前記範囲の接触濃度であることによりナス科植物の培養細胞の生長を抑制することができる。
【0021】
本発明における2-アザヒポキサンチンは、例えば、シバの病気の1種であるフェアリーリング病の原因菌の菌体培養液から、例えば、抽出、クロマトグラフィー等の通常用いられる方法で単離精製することができる。前記原因菌としては、コムラサキシメジ、チビホコリタケ、シバフタケ等を挙げることができる。
また、例えば、Magn. Reson. Chem., 40, 300-302(2002)等に記載の方法に基づいて、5-アミノイミダゾール-4-カルボキサミドをジアゾ化した後、閉環することで化学的に合成することができる。
【0022】
本発明の植物生長調節剤は、AHXに加えて、公知の製剤用添加剤を含むことができる。公知の製剤用添加剤としては、賦形剤、乳化剤、湿潤剤等を挙げることができる。
また、本発明の植物生長調節剤の形態は特に限定されず、当業界で利用可能な形態であればいかなる形態であってもよい。例えば、乳剤、液剤、油剤、水溶液、水和剤、フロアブル、粉剤、微粒剤、粒剤、エアゾール又はペースト剤等の形態とすることができる。
【0023】
本発明の植物の生長調節方法は、2-アザヒポキサンチンを含む植物生長調節剤と植物とを接触させることを特徴とする。接触させる方法については特に制限はなく、植物の種類、対象器官、植物生長調節剤の剤型等に応じて、浸漬、添加、塗布散布等、公知の方法を好適に適用することができる。
【実施例】
【0024】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0025】
(参考例)
コムラサキシメジの菌を生育させた寒天片(5×5×3mm)5つを、PYG液体培地(0.3%ポリペプトン、0.3%イースト抽出物、1%グルコースを含む)12L中で25℃、120rpmで4週間振とう培養した。この培養液をヘキサン、続いて酢酸エチルで溶媒分画を行い、ヘキサン可溶部、酢酸エチル可溶部、水可溶部を得た。5-6日間発芽させたシバ(Agrostis stolonifera)に対する生長促進活性を指標として、酢酸エチル可溶部をフラッシュクロマトグラフィー(silica gel 60N、φ4×60cm、CHCl:MeOH=95:5、85:15、70:30、40:60、100%MeOH、各1.2L)、分取TLC(CHCl:MeOH=80:20)、HPLC(Develosil C30-UG-15/30カラム)にて順次精製し、生長促進活性を有する化合物を単離した。メタノールから再結晶し、X線構造解析により、2-アザヒポキサンチンであることを確認した。
【0026】
(実施例1)
クリーピングベントグラス(Agrostis stolonifera)の種子をエタノールで5分間、次いで1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液で10分間処理して滅菌し、滅菌水で3回洗浄した。
シャーレに置いたろ紙に、種々の濃度の2-アザヒポキサンチン水溶液を1mlずつ含ませた。上記により滅菌した種子を25個ずつ、ろ紙上に置いて、25℃、16h/日で照明し、4日後、5日後、6日後のそれぞれの発芽数を計数し、発芽率を算出した。尚、コントロールとしては滅菌水を用いた。結果を図1に示した。
【0027】
図1から、AHXの濃度が7.29mM以上ではクリーピングベントグラス種子の発芽率が低下することが分かる。また、AHXの濃度が72.9μMでは発芽率が上昇することが分かる。
【0028】
(実施例2)
実施例1と同様にして滅菌したクリーピングベントグラスの種子を、0.729μM~7.29mMの2-アザヒポキサンチン水溶液を含ませたろ紙に、25個ずつ置いて、25℃、16h/日で照明し、12日後のシュートと根の長さをそれぞれ計測した。結果を図2に示した。
【0029】
図2から、AHXの濃度が7.29mMでは、クリーピングベントグラスのシュートの生長が促進されていることが分かる。一方、AHXの濃度が7.29μMでは、根の生長が促進されていることが分かる。
【0030】
(実施例3)
実施例1と同様にして滅菌したレタス(L.sativa)の種子を、滅菌水を含ませたろ紙上に置いて、25℃、暗所にて20時間で根端約3mmの状態にまで発芽させた。次いで、7.29μM~14.58mMの2-アザヒポキサンチン水溶液を含ませたろ紙上に移し、25℃、暗所にて24時間放置した後、根の長さを計測した。結果を図3に示した。
【0031】
図3から、AHXの濃度が72.9μM以上では、レタスの根の生長が抑制されていることが分かる。
【0032】
(実施例4)
植物ホルモン(インドール酢酸:17.4μM、ナフタレン酢酸:16.2μM、カイネチン:0.5μM)を含むMS培地で培養したタバコ細胞を、植物ホルモンフリーMS培地で洗浄した。植物ホルモンフリーMS培地(30ml)にタバコ細胞(Nicotiana tabacum L.cv.Burley21)約2g、2-アザヒポキサンチンを0.24μM~240μMで添加した。それぞれを、25℃、暗所にて1週間振とう培養後、タバコ細胞の質量(Fresh Weight)を測定した。結果を図4に示した。
【0033】
図4から、AHXの濃度が72μM以上ではタバコ細胞の生長が抑制されていることが分かる。
【0034】
(実施例5)
蓋付発泡スチロ-ル製長方形容器(15cm×20.5cm×深さ7cm)にAHX濃度がそれぞれ37.5μM、75μMおよび150μMになるよう調製したAHX溶液1500ml入れ、蓋に穴を開けて各5本の苗について、レタスの苗の根の部分が浸るように挿入した。これを窓辺に置いて23℃の条件下で18日間培養した。
初日と18日後についてレタス苗全体の重量をそれぞれ測定した。初日の重量の平均値Pと、18日後の重量の平均値Qを算出し、PとQに基づいて重量増加率を算出した。その結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
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【0036】
表1から明らかなとおり、AHXを添加しなかったコントロールの苗の重量増加率は34.4倍に留まったのに対し、実施例の苗の重量増加率は、45.5~61.3倍を示し、AHXによる植物成長の活性効果が確認された。
【0037】
(実施例6)
イネ(Oryzae Sativa)の種子の籾を取って70%エタノ-ルにて3分間滅菌し、次に1.3%次亜塩素酸ナトリウム溶液中で15分間滅菌し、その後滅菌水で5回洗浄した。
下記組成の稲培地を用いて、AHX濃度がそれぞれ2~100μMになるよう稲培地溶液を調製した。各稲培地溶液を200mlずつdish(110×110mm)に入れ、滅菌した種子を40個ずつ置いて16h/dで白色灯に曝し、24℃で培養した。
各濃度の溶液をそれぞれ毎日交換し、2週間培養を継続した。その後発芽した10本の苗のシュートと根の重量と伸長をそれぞれ測定し、その平均値を算出した。結果を表2に示す。
【0038】
<稲培地の組成>
NHNO(4.0mg)、NaHPO・2HO(4.7mg)、KSO(2.6mg)、CaCl・2HO(2.2mg)、MgCl・6HO(6.1mg)、Fe-EDTA(1.95mg)、HBO(1.5mg)、MnSO(0.1mg)、CuSO・5HO(3.75μg)、ZnSO・7HO(10μg)、NaMoO・2HO(1.2μg)を1Lの蒸留水に溶解した。
【0039】
【表2】
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【0040】
表2から明らかな通り、2-アザヒポキサンチン(AHX)を含む稲培地溶液を使用したものは、AHXを含まない稲培地溶液を使用したコントロールに比べて植物成長の活性効果が顕著であることが確認された。
【0041】
以上の実施例1~実施例6より、本発明の植物生長調節剤は対象植物に対して種々の濃度で用いることにより、生長促進又は成長抑制作用を示すことができた。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例1におけるAHX濃度に対するシバ種子の発芽率の変化を示すグラフである。
【図2】実施例2におけるAHXの濃度に対するシバのシュート及び根の生長調節作用を示すグラフである。
【図3】実施例3におけるAHXの濃度に対するレタスの根の生長調節作用を示すグラフである。
【図4】実施例4におけるAHX濃度に対するタバコ細胞の生長抑制作用を示すグラフである。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3