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明細書 :核医学診断用医薬

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5196561号 (P5196561)
公開番号 特開2009-132701 (P2009-132701A)
登録日 平成25年2月15日(2013.2.15)
発行日 平成25年5月15日(2013.5.15)
公開日 平成21年6月18日(2009.6.18)
発明の名称または考案の名称 核医学診断用医薬
国際特許分類 A61K  49/04        (2006.01)
A61P  25/00        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61P   9/10        (2006.01)
C07D 473/00        (2006.01)
FI A61K 49/04 J
A61P 25/00
A61P 35/00
A61P 9/10
C07D 473/00
請求項の数または発明の数 4
全頁数 14
出願番号 特願2008-285430 (P2008-285430)
出願日 平成20年11月6日(2008.11.6)
優先権出願番号 2007290024
優先日 平成19年11月7日(2007.11.7)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成22年8月12日(2010.8.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301032942
【氏名又は名称】独立行政法人放射線医学総合研究所
発明者または考案者 【氏名】張 明栄
【氏名】鈴木 和年
個別代理人の代理人 【識別番号】100064414、【弁理士】、【氏名又は名称】磯野 道造
【識別番号】100111545、【弁理士】、【氏名又は名称】多田 悦夫
審査官 【審査官】宮坂 隆
参考文献・文献 特表2007-524677(JP,A)
特開2001-048882(JP,A)
国際公開第07/057705(WO,A1)
Neurosci Let,2007年10月 2日,Vol.428,pp.59-63,on line publication
Nucl Med Biol,2006年,Vol.33,pp.971-5
調査した分野 A61K 49/00-49/22
CA/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
PubMed
特許請求の範囲 【請求項1】
-ベンジル-N-エチル-2-7,8-ジヒドロ-7-(2-[18F]フルオロエチル)-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イル)アセトアミドを有効成分とする核医学診断用医薬。
【請求項2】
N-ベンジル-N-[18F]フルオロエチル-2-(7,8-ジヒドロ-7-メチル-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イル)アセトアミドを有効成分とする核医学診断用医薬。
【請求項3】
末梢性ベンゾジアゼピン受容体の高密度化を伴う疾患の診断薬である請求項1または請求項2に記載の核医学診断用医薬。
【請求項4】
前記疾患が、アルツハイマー型痴呆、前頭側頭葉型痴呆、瀰漫性レビー小体病、血管障害、パーキンソン病関連疾患、大脳基底核変性症、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、多系統萎縮症、多発性硬化症、てんかん、髄膜炎、脳炎、末梢神経損傷、喉頭がん、乳癌、卵巣腫瘍、肝癌、大腸がん、胃癌、腎癌、副腎腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、繊維芽腫、神経肉腫、肺がん、子宮癌、リンパ腫、前立腺癌、メラノーマ、精巣腫瘍、アストロサイトーマ、異所性ホルモン産生腫瘍又は虚血性心疾患である請求項に記載の核医学診断用医薬。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、PET、SPECTなどの核医学診断を行う際に使用される核医学診断用医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
ベンゾジアゼピン(BZ)受容体は、中枢性ベンゾジアゼピン受容体と末梢性ベンゾジアゼピン受容体(以下、PBRという。)に分類される。PBRは発見当初、末梢組織で確認され、副腎、腎臓、肺、心臓などに高密度で存在している。PBRは、その後の研究により中枢組織にもその存在が認められている。中枢組織のPBRは、脳内のグリア細胞に高密度に存在している。さらに、さまざまな疾患に伴って、脳内のグリア細胞の活性化が引き起こされ、PBRの密度が上昇することも知られている。
【0003】
これまでの研究により、PBRは、アルツハイマー型痴呆、前頭側頭葉型痴呆、瀰漫性レビー小体病、血管障害、パーキンソン病関連疾患、大脳基底核変性症、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、多系統萎縮症、多発性硬化症、てんかん、髄膜炎、脳炎、末梢神経損傷、喉頭がん、乳癌、卵巣腫瘍、肝癌、大腸がん、胃癌、腎癌、副腎腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、繊維芽腫、神経肉腫、肺がん、子宮癌、リンパ腫、前立腺癌、メラノーマ、精巣腫瘍、アストロサイトーマ、異所性ホルモン産生腫瘍、虚血性心疾患等の疾患と関わることが報告されている。
【0004】
PBRに特異的に結合するリガンド(PBRリガンド)として、N-メチル-N-(1-メチルプロピル-)-1-(2-クロロフェニル)-イソキノリン-3-カルボキサミド(以下、PK11195という。)が知られており、Positron emission tomograph(PET)などの核医学診断装置によって、生きたヒトの脳内のPBRの分布を画像化する際は、PK11195を11Cで標識した[11C]PK11195が広く用いられている。
【0005】
他方、特許文献1には、N-(2,5-ジメトキシベンジル)-N-(5-フルオロ-2-フェノキシフェニル)アセトアミド(以下、DAA1106という。)や、N-[2-(2-フルオロ)エチル-5-メトキシベンジル]-N-(5-フルオロ-2-フェノキシフェニル)アセトアミド(以下、FEDAA1106という。)がPBRに対して強い親和性と高い選択性を有することが記載されており、これらの化合物の放射性標識体、例えば、11Cで標識した[11C]DAA1106や、18Fで標識した[18F]FEDAA1106が、脳内のPBRの分布を画像化するトレーサーとして用いられている。
【0006】
また、特許文献2には、N-(2-[131I]ヨード-5-メトキシベンジル)-N-(5-フルオロ-2-フェノキシフェニル)アセトアミド(以下、IDAA1106という。)等もPBRリガンドとして機能する旨が記載されている。現在、IDAA1106をSingle photon emission computed tomography(SPECT)などの核医学診断装置に用いるための研究が行われている。
【0007】
さらに、特許文献3には、N-ベンジル-N-エチル-2-(7,8-ジヒドロ-7-メチル-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イン)アセトアミド(以下、AC-5216という。)がPBRに対して強い親和性を示すことが記載されている。そのため、AC-5216を、例えば、11Cで標識した[11C]AC-5216なども体内のPBRを画像化できると考えており、現在研究が行われている。
【0008】

【特許文献1】特開平11-171844号公報
【特許文献2】特開2004-231647号公報
【特許文献3】特開2001-48882号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、[11C]PK11195はPBRに対する親和性は強いものの、例えば、脳内に取り込まれにくく、脳内に極めて集積されにくいため、高い信号強度を得ることができない。そのため、定量解析が困難であるという問題がある。
【0010】
また、[11C]DAA1106及び[18F]FEDAA1106は、PBRに対する親和性が強すぎてしまうため、脳内に入った後、脳内からの排出が極めて遅く、定量解析が比較的困難であるという問題がある。また、長時間にわたって被験者への放射線被ばくをもたらし続けるという問題もある。
【0011】
そして、AC-5216([11C]AC-5216)は、前記した[11C]DAA1106や[18F]FEDAA1106と同程度の親和性を有し、動物評価の段階で[11C]DAA1106や[18F]FEDAA1106と同様の脳内動態を示した。したがって、脳内からの排出が極めて遅く、定量解析が比較的困難であることや、長時間にわたって被験者への放射線被ばくをもたらし続けることが強く示唆された。
【0012】
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、PBRに対して適度な親和性と高い選択性を有する核医学診断用医薬を提供することを課題とする。また、脳のみならず、心臓、肺などもイメージングできる核医学診断用医薬を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決した本発明に係る核医学診断用医薬は、N-ベンジル-N-エチル-2-7,8-ジヒドロ-7-(2-[18F]フルオロエチル)-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イル)アセトアミドを有効成分とする。
【0014】
また、前記課題を解決した本発明に係る核医学診断用医薬は、N-ベンジル-N-[18F]フルオロエチル-2-(7,8-ジヒドロ-7-メチル-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イル)アセトアミドを有効成分とする。
【0019】
本発明に係る核医学診断用医薬は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の高密度化を伴う疾患の診断薬であり、前記疾患は、アルツハイマー型痴呆、前頭側頭葉型痴呆、瀰漫性レビー小体病、血管障害、パーキンソン病関連疾患、大脳基底核変性症、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、多系統萎縮症、多発性硬化症、てんかん、髄膜炎、脳炎、末梢神経損傷、喉頭がん、乳癌、卵巣腫瘍、肝癌、大腸がん、胃癌、腎癌、副腎腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、繊維芽腫、神経肉腫、肺がん、子宮癌、リンパ腫、前立腺癌、メラノーマ、精巣腫瘍、アストロサイトーマ異所性ホルモン産生腫瘍、又は虚血性心疾患である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の核医学診断用医薬は、PBRに対して適度な親和性と高い選択性を有する。そのため、本発明の核医学診断用医薬は、脳内からの排出が適切に行われるので定量解析が容易であり、長時間にわたって被験者に放射線被ばくさせることもない。
また、放射性ハロゲン核種で標識しているので、例えば、PET、SPECT、蛍光及び化学発光のイメージング剤とすることができる。特に、アルツハイマー型痴呆、前頭側頭葉型痴呆、瀰漫性レビー小体病、血管障害、パーキンソン病関連疾患、大脳基底核変性症、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、多系統萎縮症、多発性硬化症、てんかん、髄膜炎、脳炎、末梢神経損傷、喉頭がん、乳癌、卵巣腫瘍、肝癌、大腸がん、胃癌、腎癌、副腎腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、繊維芽腫、神経肉腫、肺がん、子宮癌、リンパ腫、前立腺癌、メラノーマ、精巣腫瘍、アストロサイトーマ、異所性ホルモン産生腫瘍、虚血性心疾患などの早期診断が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意探索研究した結果、特開2001-48882号公報に記載の化合物のアルキル基に放射性ハロゲン原子の導入、またベンゼン環に放射性ハロゲン原子を導入することによりPBRに対する親和性を示しながら、体外と体内においてPBRを描出できること、また、従来の[11C/18F]DAA1106誘導体及び[11C]AC-5216の欠点を改善し、体内動態、具体的には脳内動態を改善できることを見出した。また、新たに心筋及び肺についてイメージングできることを見出して、本発明を完成するに至った。
なお、体外においてPBRを描出するとは、皮膚、唾液、髄液、体液等を事前に採取してPBRリガンドとの結合実験を行ったり、例えば、皮膚などの組織を採取し、その中から細胞を取り出してPBRリガンドとの結合実験を行ったり、動物組織の切片を使用して放射性のPBRリガンドを用いて、切片あるいは細胞の画像化を行うことをいう。
また、体内においてPBRを描出するとは、直接、生体に放射性のPBRリガンドを注射し、放射線などの計測によって核医学の診断を行うことをいう。
【0022】
以下、本発明に係る核医学診断用医薬について詳細に説明する。
本発明に係る核医学診断用医薬は、下記式(1)で表される放射性ハロゲン標識N-ベンジル-N-(8-オキソ-2-アリール-9H-プリン-9-イル)アセトアミド誘導体を有効成分とする。
【0023】
【化2】
JP0005196561B2_000002t.gif

【0024】
ただし、前記式(1)中、R、Rは水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、置換もしくは非置換のフェニル基又は121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子であり、R3、R4は、同一若しくは異なって、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、フェノキシ基、トリフルオロメチル基、カルバモイル基、アミノスルホニル基、ハロゲン原子又は121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子であり、R1、R2、R3、R4のうちの少なくとも1つは、121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子である。
【0025】
好ましくは、前記式(1)において、R1、R2は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子であり、R3、R4は、同一若しくは異なって、水素原子、炭素数1~5のアルコキシ基、ハロゲン原子又は121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子であり、R1、R2、R3、R4のうちの少なくとも1つは、121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子である核医学診断用医薬である。
【0026】
より好ましくは、前記式(1)において、R1、R2が炭素数1~10のアルキル基又は121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子であり、R3、R4は、それぞれ炭素数1~5のアルコキシ基又は121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子であり、R1、R2、R3、R4のうちの少なくとも1つは、121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子である核医学診断用医薬である。
【0027】
さらに好ましくは、前記式(1)において、R1、R2が炭素数1~10のアルキル基又は121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子であり、R3、R4は、同一若しくは異なって、炭素数1~5のアルコキシ基又は121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子であり、R1、R2、R3、R4のうちの少なくとも1つは、121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子である核医学診断用医薬である。
【0028】
なお、本発明において、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、好ましくはフッ素原子、ヨウ素原子又は臭素原子であり、さらに好ましくはフッ素原子又はヨウ素原子である。
【0029】
また、本発明において、炭素数1~10のアルキル基とは、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、1-エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、1-エチルブチル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などである。
【0030】
本発明において、炭素数1~10の置換アルキル基とは、「水酸基、アルカノイルオキシ基、アルカノイル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アジド基、アミノ基、カルボキシル基」で置換されたアルキル基であり、例えば、ヒドロキシメチル基、アセチルオキシメチル基、メトキシメチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、アジドメチル基、アミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、ピロリジノメチル基などである。
【0031】
本発明において、炭素数1~10のアルコキシ基とは、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、シクロプロピルメトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基などである。
【0032】
本発明において、置換フェニル基とは、炭素数1~10のアルキル基、「ハロゲン原子、水酸基、炭素数1~10のアルカノイルオキシ基、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基」で置換された炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のアルキルチオ基、式-O-Z-R(当該式中、Zは分岐鎖を有するか、又はこれを有さない炭素数1~10のアルキレン基であり、Rはアミノ基、炭素数1~7のアルキル基の1若しくは2個で置換されたアミノ基、炭素数2~7の環状アミノ基、水酸基、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基である。)で表される基、炭素数2~10のアルカノイル基若しくはそのケタール体、ホルミル基若しくはそのアセタール体、カルボキシル基、炭素数2~10のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、窒素原子が炭素数1~10のアルキル基の1若しくは2個で置換されたカルバモイル基、アミノスルホニル基、窒素原子が炭素数1~10のアルキル基の1若しくは2個で置換されたアミノスルホニル基、ハロゲン原子及びニトロ基から任意に選択された基の1~3個で置換されたフェニル基であり、例えば、2-メチルフェニル基、2-プロピルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、2-シクロペンチルフェニル基、2-(1-ヒドロキシエチル)フェニル基、2-カルボキシメチルフェニル基、2-メトキシカルボニルフェニル基、2-ビニルフェニル基、2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、2-ヘキシルオキシフェニル基、2-イソプロポキシフェニル基、2-シクロペントキシフェニル基、2,5-ジメトキシフェニル基、2,4,6-トリメトキシフェニル基、4-メチルチオフェニル基、2-イソプロピルチオフェニル基、4-シクロヘキシルチオフェニル基、2-(2-ジメチルアミノエトキシ)フェニル基、2-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル基、2-カルボキシメトキシフェニル基、2-メトキシカルボニルメトキシフェニル基、2-アセチルフェニル基、2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)フェニル基、2-ホルミルフェニル基、2-(1,3-ジオキソラン-2-イル)フェニル基、2-カルボキシルフェニル基、2-(N-メチルアミノカルボニル)フェニル基、2-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)フェニル基、2-アミノカルボニルフェニル基、2-アミノスルホニルフェニル基、4-アミノスルホニルフェニル基、2-メチルアミノスルホニルフェニル基、2-ジメチルアミノスルホニルフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2-ブロモフェニル基、3-ブロモフェニル基、4-ブロモフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、2-ニトロフェニル基、2-アミノフェニル基、2-ピロリジノフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル基などである。
【0033】
本発明に係る核医学診断用医薬は、特開2001-48882号公報に記載の方法と同様に製造される化合物から、下記反応式(2)または下記反応式(3)で示される方法で製造することができる。なお、反応式(2)および反応式(3)中、R、R、R、Rは、前記と同意義であり、Qは置換基である。
【0034】
【化3】
JP0005196561B2_000003t.gif

【0035】
【化4】
JP0005196561B2_000004t.gif

【0036】
すなわち、前記反応式(2)または前記反応式(3)のそれぞれの左辺に表される化合物を下記に示す様々なアルキル試薬および放射性ハロゲン原子を有するアルキル試薬と反応させること、又は、ベンゼン環にアルキルスズ誘導体を様々の放射性ハロゲン試薬と反応させることにより、前記反応式(2)又は前記反応式(3)のそれぞれの右辺に表される、ハロゲン原子で標識した2-アリール-8-オキソジヒドロ誘導体を得ることができる。なお、前記したようにハロゲン原子は121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子を用いることができる。ただし、R1、R2、R3、R4のうちの少なくとも1つは、121I、123I、124I、125I、131I、76mBr、77Br、82Br、34mCl及び18Fの群から選ばれる放射性ハロゲン原子である。
【0037】
なお、前記した様々なアルキル試薬とは、例えば、エチルジヨウダイド、トシルメチルブロミド、エチルジブロミド、トシルエチルブロミド、トシルエチルヨウダイドなどを挙げることができる。
また、前記した放射性ハロゲン原子を有するアルキル試薬とは、例えば、[18F]フルオロメチルヨウダイド、[18F]フルオロメチルブロミド、[18F]フルオロエチルブロミド、[34mCl]フルオロエチルブロミド、[124I]エチルジヨウダイドなどを挙げることができる。
また、前記したアルキルスズ誘導体とは、例えば、ヘキサブチルジチン((C496Sn2)、ヘキサメチルジチン((CH36Sn2)などを挙げることができる。
そして、前記した放射性ハロゲン試薬とは、例えば、[18F]F、[34mCl]Cl、[76Br]Br、[124I]Iなどのハロゲンのイオンを挙げることができる。
【0038】
以上に説明した本発明に係る核医学診断用医薬は、末梢性ベンゾジアゼピン受容体の高密度化を伴う疾患、例えば、アルツハイマー型痴呆、前頭側頭葉型痴呆、瀰漫性レビー小体病、血管障害、パーキンソン病関連疾患、大脳基底核変性症、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、多系統萎縮症、多発性硬化症、てんかん、髄膜炎、脳炎、末梢神経損傷、喉頭がん、乳癌、卵巣腫瘍、肝癌、大腸がん、胃癌、腎癌、副腎腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、繊維芽腫、神経肉腫、肺がん、子宮癌、リンパ腫、前立腺癌、メラノーマ、精巣腫瘍、アストロサイトーマ又は異所性ホルモン産生腫瘍、又は虚血性心疾患を、核医学診断装置を用いて好適に画像化することのできる診断薬である。なお、虚血性心疾患としては、例えば、狭心症、心筋梗塞、心不全、及び不整脈などが挙げられる。
【0039】
本発明に係る核医学診断用医薬を前記した疾患の診断薬として用いる場合は、生理食塩水に溶解することにより被験者に投与することができるがこれに限定されるものではなく、常用の増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調節剤、溶解剤などを添加したり、常用の製剤技術によって錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤などに調製したりすることができる。
【0040】
本発明に係る核医学診断用医薬は、成人の患者に対して0.1~20mCi/回を1日1回又は数回に分けて経口又は非経口で投与することができる。この投与量は疾患の種類、患者の年齢、体重、症状により適宜増減することができる。
【実施例】
【0041】
次に、本発明に係る核医学診断用医薬の実施例について説明する。
[実験例1]N-ベンジル-N-エチル-2-(7,8-ジヒドロ-7-(2-フルオロエチル)-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イル)アセトアミド(FEAC-5216)の合成
N-ベンジル-N-エチル-2-(7,8-ジヒドロ-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イル)アセトアミド(100mg,0.258mmol)をDMF(1.4mL)に溶解させ、水素化ナトリウム(60% in oil,12mg)を加えて室温で10分間撹拌した。
ここに、ブロモフルオロエタン(14.4μL,0.194mmol)を加え、室温で3時間撹拌した後、50℃にて5時間撹拌した。
反応混合物を減圧濃縮し、残渣に水と酢酸エチルを加えて分層後、水層より酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。
残渣をシリカゲルカラム(ジクロロメタン:メタノール=100:1~50:1)にて精製し、目的物の粗結晶を得た。得られた粗結晶をヘキサンで洗浄し、目的物(63.9mg,0.147mmol)を得た(収率57%)。
得られた目的物をH-NMR(300MHz,CDCl)を用いて分析した。
1H-NMR(300MHz, CDCl3): δ=1.15, 1.36(3H, t, J=7.2Hz), 3.47, 3.48(2H, q, J=7.2Hz), 4.21, 4.30(2H, dt, J=9.1, 4.5Hz), 4.67 (2H, d, J=13.2Hz), 4.63-4.73 (1H, m), 4.79-4.90 (1H, m), 4.90 (2H, d, J=19.7Hz), 7.30-7.60 (8H, m), 8.25-8.45 (3H, m).
【0042】
[実験例2]N-ベンジル-N-(2-フルオロエチル)-2-(7,8-ジヒドロ-7-メチル-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イル)アセトアミド(FAC-5216)の合成
N-ベンジル-2-(7,8-ジヒドロ-7-メチル-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イル)アセトアミド(373mg,1.00mmol)をDMF(15mL)に溶解させ、水素化ナトリウム(60% in oil,80mg)を加えて室温で5分撹拌した。
ここに、ブロモフルオロエタン(112μL,1.50mmol)を加え、50℃にて5時間撹拌した(途中約1時間おきにブロモフルオロエタン0.5~1.0mmolと水素化ナトリウム1.0mmolを加えた)。
反応混合物を減圧濃縮し、残渣に水と酢酸エチルを加えて分層後、水層より酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。
残渣にメタノールを加えて析出物を濾取(メタノール、ジエチルエーテルにて洗浄)し、得られた粗結晶をメタノールより二度再結晶させ、目的物(182mg,0.433mmol)を得た(収率43%)。
得られた目的物をH-NMR(300MHz,CDCl)を用いて分析した。
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6): δ= 3.45 (3H, d, J=4.4Hz), 3.63 (1H, dt, J=5.0, 20.7Hz), 3.84 (1H, dt, J=5.0, 27.2Hz), 4.40-4.65 (1H, m), 4.55-4.80 (1H, m), 4.75 (1H, d, J=79.8Hz), 4.95 (1H, d, J=37.1Hz), 7.20-7.30 (3H, m), 7.37-7.62 (5H, m), 8.27-8.40 (2H, m), 8.56( 1H, d, J=4.4Hz).
MS(FAB):m/z 420 (M+H).
【0043】
[実施例1]N-ベンジル-N-エチル-2-(7,8-ジヒドロ-7-(2-[18F]フルオロエチル)-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イル)アセトアミド([18F]FEAC-5216)の製造
まず、[18F]フッ素([18F]F)を生産した。[18F]Fは、20atom%H218Oを用い、18MeVプロトンの照射によって生産した(照射条件:15分間、15μA)。照射後、[18F]Fをターゲットから回収し、Dowex 1-X8アニオン交換樹脂(バイオ・ラッド社製)により[18O]HOから分離した後、クリプトフィックス2.2.2.(メルク社製)(25mg)を含有したアセトニトリル(CH3CN)(1.5mL)と混合した後、照射室から合成セルに移送した。
合成セルで[18F]Fを乾燥した後、130℃でブロモエチルトリフレート(bromoethyltriflate)を反応容器に注入した。注入と同時にヘリウムガスによって生成した[18F]フルオロエチルブロミド([18F]fluoroethyl bromide)を、N-ベンジル-N-エチル-2-(7,8-ジヒドロ-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イル)アセトアミドのデスメチル体(デスメチルAC-5216(desmethyl AC-5216))(1mg)とともに水素化ナトリウム(6.8μL,0.5g/20mL)のDMF(N,N-ジメチルホルムアミド、300mL)溶液に加えてバブリングした。
バブリングを2分以内で終了し、混合物を100℃で10分間加熱した後、反応混合物を逆相セミ分離HPLC(YMCJ’sphere ODS-H80カラム、10mmID×250mm)に注入した。移動相がCH3CN/H2O(6/4)、流速が6mL/分で[18F]FAC-5216のフラクションを取得した。
本フラクションに対し、減圧下で溶媒を除去し、生理食塩水(10mL)に溶解し、0.22μmミリポアフィルター(ミリポア社製)を通過し、[18F]FEAC-5216(150MBq、3回繰り返し製造)を最終製剤として得ることができた。なお、合成時間は照射終了時から約45分間を要した。
【0044】
[実施例2]N-ベンジル-N-[18F]フルオロエチル-2-(7,8-ジヒドロ-7-メチル-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イル)アセトアミド([18F]FAC-5216)の製造
まず、[実施例1]と同様にして[18F]を生産した。そして、[実験例2]で述べたように、N-ベンジル-2-(7,8-ジヒドロ-7-メチル-8-オキソ-2-フェニル-9H-プリン-9-イル)アセトアミドを標識前駆体として用いて、[実施例1]と同様の操作を行うことにより、[18F]FAC-5216(150MBq、3回繰り返し製造)を最終製剤として得ることができた。なお、合成時間は照射終了時から約45分間を要した。
【0045】
[PBRに対する親和性]
Zhang, M.-RらのNucl.Med. Biol. 2002,29, 469.及びJ. Med.Chem. 2004, 47, 2228に記載の従来法により、インビトロにおけるPBRに対する親和性は下記の通りである。
エーテル麻酔下で雄Sprague-Dawlayラット(250-300g,4匹)を屠殺後、脳を素早く切断し、ドライアイス中で凍結させた。Cryostat microtome(MICROM HM560, Carl Zeise GmbH, Germany)を使い、ラットの矢状型切片を28枚作製した。これらの切片を50mMトリス緩衝液(pH7.4)中で30分間あらかじめインキュベーションを行った。その後、これらの切片を取り出し、下記の種々の試薬を含めた50mMトリス緩衝液(pH7.4)中に個別に入れ、25℃、30分間で同時に再びインキュベーションを行った。
【0046】
試薬:
1. [11C]PK11195(1 nM)
2. [11C]PK11195 (1 nM) + FEAC-5216 (0.1 nM)
3. [11C]PK11195 (1 nM) + FEAC-5216 (0.33 nM)
4. [11C]PK11195 (1 nM) + FEAC-5216 (1 nM)
5. [11C]PK11195 (1 nM) + FEAC-5216 (3.3 nM)
6. [11C]PK11195 (1 nM) + FEAC-5216 (10 nM)
7. [11C]PK11195 (1 nM) + FEAC-5216 (33 nM)
8. [11C]PK11195 (1 nM) + FEAC-5216 (100 nM)
9. [11C]PK11195 (1 nM) + FEAC-5216 (1 mM)
10. [11C]PK11195 (1 nM) + FEAC-5216 (10 mM)
11. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (0.1 nM)
12. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (0.33 nM)
13. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (1 nM)
14. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (3.3 nM)
15. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (10 nM)
16. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (33 nM)
17. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (100 nM)
18. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (1 mM)
19. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (10 mM)
20. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (0.1 nM)
21. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (0.33 nM)
22. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (1 nM)
23. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (3.3 nM)
24. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (10 nM)
25. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (33 nM)
26. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (100 nM)
27. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (1 mM)
28. [11C]PK11195 (1 nM) + FAC-5216 (10 mM)
【0047】
2回目のインキュベーションが終了した後、それぞれ切片を取り出し、氷冷した50mMトリス緩衝液中に2分間2回浸した。そして、これらの切片を氷冷した蒸留水に浸した後、乾燥した。これらの切片をイメージングプレート(BAS-SR 127,富士写真フィルム社製)に1時間コンタクトした後、FUJIX BAS 1800 bioimaging analyzer(富士写真フィルム工業社製)にて切片上の放射能分布を調べた。関心領域(ROI)を嗅球と定め、放射能をphoto-stimulated-luminescence(PSL)/mm2regionに表した。異なる濃度のFEAC-5216及びFAC-5216存在下の[11C]PK11195の特異結合を求め、プロビット法によってこれらの薬物のIC50(nM)を算出した。その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
JP0005196561B2_000005t.gif

【0049】
表1に示したように、FEAC-5216及びFAC-5216は共にAC-5216よりやや弱いながら、強いPBR親和性を示した。
【0050】
[エクスビボオートラジオグラフィー]
図1に[18F]FEAC-5216(37MBq)をDDYラット(雄、7-8週齢)の尾静脈へ投与した後、30分間経過したときの脳のエクスビボオートラジオグラム画像を示す。
図1に示すように、[18F]FEAC-5216が比較的高い脳移行性を示し、優れた放射性リガンドの必須条件を満たした。比較的高い放射能分布が嗅球、脈絡叢、脳室及び小脳に存在し、この分布様式がPBRの脳内分布と一致しており、[18F]FEAC-5216がPBRを画像化できることが示唆された。
【0051】
[マイクロPET]
図2に[18F]FEAC-5216(37MBq)を片側線条体が薬物によって破壊されたDDYラット(雄、7-8週齢、4匹)の尾静脈へ投与し、マイクロPETにて90分間計測定したときの線状体における時間放射能曲線を示す。なお、図2中、横軸は、時間[分]を表し、縦軸は、SUV(Standard Uptake Value(標準摂取率))[%ID・kg/ml]を表す。
なお、薬物による線条体の破壊は、事前に手術して線条体に管を差し込んだラットの線条体に、カイニン酸の生理食塩液を直接注入し、脳内で炎症を引き起こすことで行った。このような手法によって線条体を破壊することで、線条体におけるグリア細胞の活性が上昇し、PBR密度が上昇することは既に本発明者らの実験によって明らかにされており、例えば、D.T. Stephenson, D.A. Schober, E.B. Smalstig, R.E. Mincy, D.R. Gehlert, J.A. Clemens, Peripheral benzodiazepine receptors are colocalized with activated microglia following transient global forebrain ischemia in the rat, J. Neurosci. 15 (1995) 5263-5274.、Y.F. Tai, N. Pavese, A. Gerhard, S.J. Tabrizi, R.A. Barker, D.J. Brooks, P. Piccini, Imaging microglial activation in Huntington's disease, Brain Res. Bull. 72 (2007) 148-151.、S. Marty, I. Dusart, M. Peschanski, Glial Changes following an excitotoxic lesion in the CNS--I. microglia/macrophages, Neuroscience 45 (1991) 529-539.、J.C. Debruyne, J. Versijpt, K.J. Van Laere, F. De Vos, J. Keppens, K. Strijckmans, E. Achten, G. Slegers, R.A. Dierckx, J. Korf, J.L. De Reuck, PET visualization of microglia in multiple sclerosis patients using [11C]PK11195, Eur. J. Neurol. 10 (2003) 257-264.などにも報告されている。
【0052】
図2示すように、対照として示された線条体(未破壊)に対し、線条体(破壊)には、高い放射能の集積がみられた。さらに、非放射性AC-5216を付加することによって、線条体(破壊)と線条体(未破壊)の放射能レベルがほぼ同様になった。この結果から、[18F]FEAC-5216が脳内のPBRを画像化し、グリア細胞の活性を測定できることが示唆された。
【0053】
[マイクロPET]
図3に[18F]FEAC-5216(15MBq)をDDYラット(雄、7-8週齢、4匹)の尾静脈へ投与し、マイクロPETにて60分間計測したときの心臓と肺のPET集積撮影画像を示す。図3(a)は[18F]FEAC-5216のみを注射した後のPET集積撮影画像であり、図3(b)は[18F]FEAC-5216を注射してから30分経過したのち、同じラットにAC-5216 (1mg/kg) を注射し、さらに30分経過し、合計60分間計測したときの心臓と肺のPET集積撮影画像である。
【0054】
図3(a)に示すように、心筋に高い放射能の集積がみられている。また、肺にも放射能の取り込みが認められた。さらに、図3(b)に示すように、非放射性AC-5216を負荷することによって、心筋と肺における放射能濃度が明らかに減少され、ほぼ同様なレベルまで低下した。それぞれの器官における放射能レベルの減少率は約90%と75%であった。この結果から、心筋と肺に高い[18F]FEAC-5216とPBRとの特異結合が存在することが証明された。したがって、[18F]FEAC-5216が心筋及び肺のPBRを画像化することができ、心筋及び肺における疾患などの診断を測定できることが示唆された。
【0055】
以上、本発明の核医学診断用医薬について、発明を実施するための最良の形態および実施例により詳細に説明したが、本発明の趣旨はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならないことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】エクスビボオートラジオグラム画像を示す図である。
【図2】時間放射能曲線を示す図である。なお、図中、横軸は、時間[分]を表し、縦軸は、SUV[%ID・kg/ml]を表す。
【図3】マイクロPET集積撮影画像であって、(a)は[18F]FEAC-5216のみを注射した後の画像である。(b) は[18F]FEAC-5216を注射してから30分後、非放射性AC-5216を負荷した後の画像である。
図面
【図2】
0
【図1】
1
【図3】
2