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明細書 :ぬいぐるみロボット

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5044762号 (P5044762)
公開番号 特開2009-291328 (P2009-291328A)
登録日 平成24年7月27日(2012.7.27)
発行日 平成24年10月10日(2012.10.10)
公開日 平成21年12月17日(2009.12.17)
発明の名称または考案の名称 ぬいぐるみロボット
国際特許分類 A63H  11/00        (2006.01)
B25J  13/08        (2006.01)
B25J  18/06        (2006.01)
A63H   3/02        (2006.01)
FI A63H 11/00 Z
B25J 13/08 Z
B25J 18/06
A63H 3/02
請求項の数または発明の数 6
全頁数 18
出願番号 特願2008-146284 (P2008-146284)
出願日 平成20年6月3日(2008.6.3)
審査請求日 平成23年4月12日(2011.4.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
発明者または考案者 【氏名】椎名 美奈
【氏名】長谷川 晶一
個別代理人の代理人 【識別番号】100122884、【弁理士】、【氏名又は名称】角田 芳末
【識別番号】100133824、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 仁恭
審査官 【審査官】植野 孝郎
参考文献・文献 特開平3-178684(JP,A)
実開平4-103198(JP,U)
実開平4-4294(JP,U)
特開2003-136460(JP,A)
調査した分野 A63H 1/00-37/00
B25J13/08
B25J18/06
特許請求の範囲 【請求項1】
弾力性を有する充填材料からなる動作部と、
前記充填材料の内部を貫通するように、又は前記充填材料の外側に沿うように配設された少なくとも1本の糸と、
前記糸の巻き取り、巻出しを行うアクチュエータと、
前記糸の長さを検出する第1のセンサと、
前記糸の張力を検出する第2のセンサと、
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサから検出された値に基づいて、アクチュエータを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記動作部の動作を選択する動作切替部と、
前記動作切替部からの信号に基づいて、前記糸の目標の長さを決定する動作生成部と、
前記第1のセンサで検出された糸の長さと、前記動作生成部で決定された糸の目標の長さを比較する第1の比較部と、
前記糸の長さと、前記糸の張力との対応関係が記憶されたテーブルを参照し、前記第1のセンサで検出された糸の長さに対応する糸の張力を出力するテーブル参照部と、
前記テーブル参照部から出力された張力と、前記第2のセンサで検出された張力とを比較する第2の比較部と、
前記第2の比較部において比較された前記テーブル参照部から出力された張力と、前記第2のセンサで検出された張力との差分により、前記動作部に、外力が加えられているか判断する外力判断部と
から構成されるぬいぐるみロボット。
【請求項2】
前記充填材料は、形状維持袋に充填され、前記充填材料の外側に沿うように配設される前記糸は、前記形状維持袋の外側に配設される
請求項1に記載のぬいぐるみロボット。
【請求項3】
前記充填材料は、前記充填材料よりも大きい弾力性を有する動作補助部を被覆して充填され、前記糸は、所望の位置において、前記動作補助部内を貫通して配設される
請求項2に記載のぬいぐるみロボット。
【請求項4】
前記充填材料は、綿で構成され、前記動作補助部は、スポンジで構成される
請求項3に記載のぬいぐるみロボット。
【請求項5】
前記第2のセンサは、前記糸に発生する張力に対応して幅が変化する可動溝と、前記可動溝に埋め込まれた、光源と受光部を有するフォトリフレクタと、から構成される
請求項4に記載のぬいぐるみロボット。
【請求項6】
弾力性を有する充填材料からなる動作部と、
前記充填材料の内部を貫通するように、又は前記充填材料の外側に沿うように配設された少なくとも1本の糸と、
前記糸の巻き取り、巻出しを行うアクチュエータと、
前記糸の長さを検出する第1のセンサと、
前記糸の張力を検出する第2のセンサであって、前記糸に発生する張力に対応して幅が変化する可動溝と、前記可動溝に埋め込まれた、光源と受光部を有するフォトリフレクタとを含む第2のセンサと、
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサから検出された値に基づいて、アクチュエータを制御する制御部とを備える
ぬいぐるみロボット。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、動くぬいぐるみ、すなわち、ぬいぐるみロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、共存・共生を目指したロボットの研究が注目されている。例えば、家庭や、公共施設などで人間と同居し、人間とコミュニケーションを行いながら、人間相手の物理的な作業支援を行うことのできる、人間共差棲ロボットが提案されている。
こうした人間共棲ロボットは、物を対象として、工場の中で加工・組み立て・運搬等の作業を行う産業ロボットと比較し、人間の傍らで緊密に、かつ長時間はたらくという特徴を持つ。このような人間共棲ロボットが、実世界で人間と安定したインタラクションを行うためには、安全性以外に、人間に対して親和的な印象を与えることが重要となり、人間からの主観的評価が重視される。
【0003】
このように、人間に対して親和的な印象を与える人間共棲ロボットとして、非特許文献1では、ぬいぐるみロボットが提案されている。この非特許文献1に記載されているぬいぐるみロボットは、くまのぬいぐるみを用いたぬいぐるみロボットであり、離れた場所にある二体のロボットのジェスチャを情報として伝えることができるものである。非特許文献1では、ぬいぐるみロボットの両腕と首が可動部とされ、この可動部の動きの記録再生も可能とされている。このぬいぐるみロボットにおいては、首、及び両腕の内部には、モータが一つずつ構成されており、また、胴部には、外部のコンピュータに接続される駆動装置が構成されている。外部のコンピュータにより、駆動装置に指令値を入力することにより、首、及び両腕に構成されたモータがそれぞれ駆動される。これにより、首部、両腕部が動く構成とされている。
【0004】
このぬいぐるみロボットは、一般的に、視覚、聴覚情報によって行われるテレコミュニケーションに、触覚情報を取り入れた新しいインターフェースを実現している。
【0005】
また、非特許文献2には、かわいさや、心地良さといった人からの主観的評価を重視し、人との相互作用によって人に楽しみや安らぎなどの精神的な働きかけを行うことを目的とした、メンタルコミットロボットが記載されている。このメンタルコミットロボットは、タテゴトアザラシの赤ちゃんをモデルとしており、また、視覚、聴覚、触覚、運動感覚を機能させるセンサを備えている。このようなメンタルコミットロボットは、癒しの効果を奏するものであり、ロボットセラピーとして役立つ可能性が高い。
【0006】
しかしながら、非特許文献1、及び2に記載されたぬいぐるみロボットは、可動部となる首部や、両腕部に、モータが構成されているために、触り心地は硬い。このため、ぬいぐるみという親和的な印象を有する外見に反して、実際にさわったときには、機械的な印象を有する。
【0007】
また、一般的に市販されている、動くぬいぐるみにおいても、可動部が、プラスチックのような硬い材料で作られており、また、駆動装置も、プラスチックからなるケースに入れられており、その可動部やケースを、毛皮で覆う構造となっている。
【0008】
このように、従来の動くぬいぐるみロボットは、見た目の印象に反し、触り心地の硬いものが多く、本来、柔らかく、触り心地がよいというぬいぐるみの特徴が失われている。ぬいぐるみの柔らかい触り心地は、人間にとって、癒しの効果を奏することもあり、触り心地の良さは、重要といえる。

【非特許文献1】Dairoku Sekiguchi,Masahiko Inami,SusumuTachi,RobotoPHONE:RUI For Interpersonal Comunication CHI 2001,Extended Abstracts,pp.277-278,2001
【非特許文献2】Takanori Shibata,An Overview of Human Interactive Robots for Psychological Enrichment,PROCEEDINGS OF TKE IEEE,Vol.92,No.11,pp1749-1758,2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の点に鑑み、本発明は、玩具としてだけでなく、人間にとって癒しの効果を有し、かつ、人間とコミュニケーションをとることのできるぬいぐるみロボットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のぬいぐるみロボットは、弾力性を有する充填材料からなる動作部と、充填材料の内部を貫通するように、又は充填材料の外側に沿うように配設された少なくとも1本の糸と、糸の巻き取り、巻出しを行うアクチュエータと、糸の長さを検出する第1のセンサと、糸の張力を検出する第2のセンサと、第1のセンサ及び第2のセンサから検出された値に基づいて、アクチュエータを制御する制御部とを備え、制御部は、動作部の動作を選択する動作切替部と、動作切替部からの信号に基づいて、糸の目標の長さを決定する動作生成部と、第1のセンサで検出された糸の長さと、動作生成部で決定された糸の目標の長さを比較する第1の比較部と、糸の長さと、糸の張力との対応関係が記憶されたテーブルを参照し、第1のセンサで検出された糸の長さに対応する糸の張力を出力するテーブル参照部と、テーブル参照部から出力された張力と、第2のセンサで検出された張力とを比較する第2の比較部と、第2の比較部において比較されたテーブル参照部から出力された張力と、第2のセンサで検出された張力との差分により、動作部に、外力が加えられているか判断する外力判断部とから構成される。
また、本発明のぬいぐるみロボットは、弾力性を有する充填材料からなる動作部と、充填材料の内部を貫通するように、又は充填材料の外側に沿うように配設された少なくとも1本の糸と、糸の巻き取り、巻出しを行うアクチュエータと、糸の長さを検出する第1のセンサと、糸の張力を検出する第2のセンサであって、糸に発生する張力に対応して幅が変化する可動溝と、可動溝に埋め込まれた、光源と受光部を有するフォトリフレクタとを含む第2のセンサと、第1のセンサ及び第2のセンサから検出された値に基づいて、アクチュエータを制御する制御部とを備える。
【0011】
本発明のぬいぐるみロボットでは、糸の巻き取り、巻出しを行うことにより、動作部を動作させることができる。また、その動作部に外部から加えられた力を検出することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、触り心地の良さを維持しながら、動作部が動作するぬいぐるみロボットを得ることができる。また、ぬいぐるみロボットに、外部から加えられた力に対応して動作する機能を付すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1に、本発明の一実施形態に係るぬいぐるみロボットの外観図を示す。本実施形例のぬいぐるみロボット1は、姿形は、くま型のぬいぐるみ、いわゆるテディベア(登録商標)であり、頭部30、胴部32、2本の腕部2、2本の脚部31から構成されている。このぬいぐるみロボット1の姿形、そして、触ったときの感触は、一般的なぬいぐるみと同じである。しかしながら、本実施形態例のぬいぐるみロボット1は、腕部2、脚部31、首部など、所定の部位を動かすことのできる構成とすることができるものであり、本実施形態例では、例として片方の腕部2を動かすことのできるぬいぐるみロボット1とする。すなわち、本実施形態例では、片方の腕部2を動作部とする。
【0015】
図2に、本実施形態例のぬいぐるみロボット1の内部概略構成を示す。図2に示すように、本実施形態例のぬいぐるみロボット1は、向って左側の腕部2内部に、腕部2の動作に寄与する3本の糸3a,3b,3cが配設され、また、その胴部32には、腕部2に配設された糸3a,3b,3cを駆動するための駆動装置9が内蔵されている。動作部である腕部2と、腕部2を駆動するための駆動装置9以外の構成は、通常のぬいぐるみと同様であり、所望の形をした毛被10に、弾力性を有する充填材料4が詰められることにより形成されている。本実施形態例では、充填材料4として、通常のぬいぐるみと同様に、綿を用いる例とした。
【0016】
[動作部の構成]
以下に、本実施形態例のぬいぐるみロボット1の動作部である、腕部2の構成を詳述する。
まず、図3A,Bに、本実施形態例のぬいぐるみロボット1の動作可能な腕部2の内部の概略断面構成を示す。図3Aは、腕部2において、ぬいぐるみロボット1の肩部から手先方向へ沿う平面の概略断面構成であり、図3Bは、図3Aに示す断面に直交する方向(図3AにおけるB-B線上)に沿う平面の概略断面構成である。図3Aにおいては、紙面左側が腕部2の手先に相当する部分であり、右側が腕部2の肩部に相当する部分である。図3Bにおいては、紙面上側が、ぬいぐるみロボット1の頭部30側に相当する上方とし、紙面下側が、ぬいぐるみロボット1の脚部31側に相当する下方とする。また、紙面左側が、ぬいぐるみロボット1の背中側に相当する後方とし、紙面右側が、ぬいぐるみロボット1の腹側に相当する前方とする。
【0017】
図3A,Bに示すように、ぬいぐるみロボット1の腕部2は、特に、腕部2の形状を構成する充填材料4と、その充填材料4の形状を維持するための形状維持袋7と、駆動機構を構成する複数本の糸3a,3b,3cとから構成される。充填材料4は、前述したように、弾力性を有する材料であり、本実施形態例では、一般的なぬいぐるみと同材料の綿を用いる例とする。また、形状維持袋7は、例えば、やわらかい布の袋を用いる例とする。
【0018】
そして、本実施形態例では、腕部2の形状は、肩部から手先に架けて長細く、棒状に構成され、その形状は、形状維持袋7に充填材料4である綿が充填されることにより維持される。さらに、本実施形態例では、腕部2の中心には、細い棒状のウレタンスポンジからなる動作補助部5が、肩部から手先に架けて配設されており、その動作補助部5を被覆して充填材料4が充填された構成とされている。
【0019】
糸3a,3b,3cの本数は、腕部2を動作させるときの自由度により設定可能であり、1以上であればよく、本実施形態例では3本の糸3a、3b、3cを構成する例とする。
【0020】
糸3aは、腕部2を上方に上げる動作をさせるための糸であり、腕部2上方であって、形状維持袋7の外側に沿うように肩部から手先に配設される。
また、糸3bは、腕部2を前方に曲げる動作をさせるための糸であり、腕部2前方であって、形状維持袋7の外側に沿うように肩部から手先に配設される。
糸3cは、腕部2の手先部分を主に、前方に曲げる動作をさせるための糸であり、腕部2の途中、例えば、手先から肩部方向に、腕部2の約1/3の長さに相当する位置までは、糸3bと同様に、腕部2前方であって、形状維持袋7の外側に沿うように配設される。そして、糸3cは、腕部の手先から1/3を過ぎてからは、腕部2の中心に構成された動作補助部5内に配設位置が変化され、そこから、肩部までは、動作補助部5内を貫通するように配設される。本実施形態例においては、腕部2の手先から1/3の長さ部分を、手先部分とし、また、残りの、肩部にかけた2/3の長さ部分を、上腕部分と言うこととする。
また、本実施形態例では、糸3cは、動作補助部5内において、例えば摩擦の少ないサテン生地からなる摩擦低減部材6により被覆されながら、肩部方向に配設される。
【0021】
糸3a,3b,3cの材料は、大きな加重に耐えられる強度を有し、切れにくく、また、他の布等に接触したときの摩擦が少ない材料であることが好ましい。本実施形態例では、糸3a,3b,3cの材料として、高密度ポリエチレンからなる釣り糸を用いた。この糸3a,3b,3cは、手先端部において、形状維持袋7端部に固定されており、また、肩部側方向に延びる糸3a、3b、3cは、胴部32に内蔵された駆動装置9内に導入される。さらに、これらの糸3a~3cは、それぞれ、配設される位置が変化しないように、途中2カ所程度において、形状維持袋7に固定されている。
【0022】
そして、本実施形態例では、糸3a~3cが固定された形状維持袋7を、摩擦の少ない低摩擦袋8で被覆する。本実施形態例において、動作部となる腕部2は、通常のぬいぐるみと同様に、最後に、毛被10で被覆されて完成されるが、毛被10と形状維持袋7との間における摩擦で、糸3a~3cが劣化する場合がある。本実施形態例では、糸3a~3cが固定された形状維持袋7全体を、摩擦の少ない生地からなる、低摩擦袋8で覆うことにより、糸3a~3cが劣化するのを防止される。また、本実施系形態例では、駆動装置9にて、この糸3a~3cの長さを変化させることにより、腕部2を動作させることができるものであるが、低摩擦袋8を構成することにより、糸3a~3cに張力をかけて、長さを変化させる場合にも、余分な力が発生するのを防ぐことができる。
【0023】
図4A,Bに、腕部2の形状維持袋7を、リング7aの集合体とみなし、形状維持袋7内部の充填材料4及び動作補助部5を、それぞれ、バネ定数k1、k2のバネとみなしたモデル図を示す。すなわち、本実施形態例の腕部2は、リング7aの間を、バネの効果を有する充填材料4及び動作補助部5が繋いでいるというモデルで表すことができる。
【0024】
バネの式F=kx(k:バネ定数、x:バネの移動距離、F:力)を考えると、バネを同じ距離だけ縮ませたとき、バネ定数kが小さいほうが、力Fも小さい。そうすると、小さな力Fで腕部2を動作させるためには、バネ定数の小さな材料を用いるほうがよいといえる。また、動作した腕部2が元に戻りやすい材料について考える。すなわち、これは、材料のヒステリシスを考えるということになる。ヒステリシスは、バネ定数kの大きな材料程小さく、元の形状に戻りやすいという性質を有する。
【0025】
本実施形態例では、腕部2中心部の動作補助部5に、バネ定数k2のウレタンスポンジを用い、その動作補助部5を被覆するように構成される充填材料4に、バネ定数k1の綿を用いる例とする。ウレタンスポンジのバネ定数k2は、綿のバネ定数k1よりも大きい。すなわち、腕部2の中心がバネ定数の大きなバネ、外側がバネ定数の小さなバネで構成されているとみることができる。
【0026】
このような構成の腕部2において、図4Bに示すように、腕部2の側面に配設された糸3を力Fで引張ると、糸3が配設された面の充填材料4が縮む。そうすると、腕部2は、糸が配設された方向(図4Bにおいては、紙面上方)に動作する。また、糸3への力Fの印加をやめると、充填材料4の有する復元力により、縮んだ充填材料4が元に戻り、腕部2が元の位置に戻る。
【0027】
図5,6を用いて、本実施形態例の腕部2の具体的な動作を説明する。図5,6では、糸3,形状維持袋7、動作補助部5等の要部のみを図示し、他の構成の図示は省略する。
【0028】
まず、図5A,Bを用い、糸3a又は3bを引張ったときの腕部2の動作を説明する。図5Aは、糸3a(3b)を引張っていない状態である。その状態から、図5Bに示すように、腕部2に配設された糸3a(3b)を肩側方向に、力Fで引張る。そうすると、主に、糸3aが配設された面の充填材料4が縮む。糸3aを引張った場合は、腕部2全体は、上方に引張られるように、上がる動作がなされ、糸3bを引張った場合は、腕部2全体が、前方に引張られるように、腕部2を前に閉じる動作がなされる。また、逆に、糸3aへの力Fの印加をやめると、上がった腕部2、は下がる方向に動作し、また、糸3bへの力Fの印加をやめると、前に閉じた腕部2は、閉じた腕部2を開く方向に動作される。
【0029】
次に、図6A,Bを用い、糸3cを引張ったときの腕部2の動作をする。図6Aは、糸3cを引張っていない状態である。その状態から、図6Bに示すように、糸3cを肩側に力Fで引張る。そうすると、途中までは、糸3bと同様に、腕部2の前方に配設されているので、糸3bを引張ったときと同様に、腕部2を前に閉じる動作がなされる。それと同時に、糸3cは、途中から肩部に架けて、動作補助部5を構成するウレタンスポンジからなる動作補助部5の内部を貫通するように配設されている。そうすると、この動作補助部5を構成するウレタンスポンジのバネ定数k1は、周辺部を構成する充填材料4である綿のバネ定数k2よりも大きい。このため、図6Bに示すように、糸3cが動作補助部5の内部に配設された部分からは、腕部2が前方に曲がりにくくなる。その代わり、糸3cが腕部2の前方に配設された、手先部分に、上腕部分よりも先に力が働き、手先が曲がるように動作する。すなわち、糸3cを引張ると、腕部2は、前に閉じる動作ともに、手先部分が主に曲がるように動作する。
そして、逆に、糸3cへの力Fの印加をやめると、手先部分は、元の通りまっすぐに戻り、また、前方に閉じた腕部2も開く方向に動作される。
【0030】
このように、バネ定数kの異なる材料を組み合わせて腕部2の内部の性質を部分的に変えることにより、動作部の動作方向を調整することができる。
【0031】
[駆動装置の構成]
次に、本実施形態例のぬいぐるみロボット1に用いられる駆動装置9について説明する。図7は、本実施形態例のぬいぐるみロボット1に用いられる駆動装置9の概略構成である。
【0032】
本実施形態例で用いられる駆動装置9は、ぬいぐるみロボット1の胴部32内に収納可能な大きさの筐体25内に、第1~第3の駆動部本体10a,10b,10cと、図示しない制御部と、図示しない電源部とが構成されている。この筐体25は、ぬいぐるみロボット1の胴部32内に収納されて、筐体25外部は、綿からなる充填材料4により被覆される。そのため、外部からぬいぐるみロボット1を触ったときには、この筐体25の硬い感触は低減されている。この第1~第3の駆動部本体10a~10cには、肩側から延びる糸3a~3cが1本ずつ接続されている。すなわち、糸の本数だけ駆動部本体が構成される。また、本実施形態例で用いられる第1~第3の駆動部本体10a~10cは、全て同じ仕様とされており、以下、第1~第3の駆動部本体10a~10cを区別しないときは、駆動部本体10として記載する。同様に、糸3a~3cを区別しないときは、糸3として記載する。
【0033】
図8に、本実施形態例に用いられる駆動部本体10の概略構成図を示す。本実施形態例の駆動部本体10は、糸3の長さを調整するためのアクチュエータであるモータ11と、糸3の長さを検出する第1のセンサであるエンコーダと、糸3に掛かる張力を検出する第2のセンサである力センサ24と、それらを固定するモータマウント13とから構成される。
【0034】
まず、本実施形態例で用いられるモータ11は、図9に示すように、モータ本体11aと、モータ本体11aから延びる回転可能なモータ軸18と、モータ軸18に直接固定される、溝部16aを有するプーリ16とから構成されている。また、本実施形態例のモータ本体11aは、第1のセンサであるエンコーダを内蔵したものである。
【0035】
モータ本体11aは、ぬいぐるみロボット1の胴部32内に構成される筐体25に収納されるため、極力小さく、軽量で、かつ、必要なトルクが出力できるものである必要がある。本実施形態例では、モータ本体11aとしてエンコーダとギアとが予め付いているモータ(maxson製、モータRE10)を用いた。このモータ本体11aは、減速比16:1のプーリギアヘッドと、256カウントエンコーダが付いたものである。このモータ本体11aは、ギアとエンコーダが付いて、1個あたり、全長44.6mmの円柱型で、質量17.2gと小さく、軽量なため、本実施形態例に好適に用いることができる。また、このモータ本体11aの最大連続トルクは、1.5mNmであるため、16:1のギアがついて、24mNmである。事前に、バネばかりを用いて、本実施形態例のぬいぐるみロボット1の腕部2を動かすのに必要な力を計測した際、その大きさは、動かし方により異なるが、0.5kgから0.7kgf程度であった。
【0036】
そして、モータ軸18に固定されるプーリ16は、半径が2.3mmであるものを用いた。半径が2.3mmであるとすると、前述した最大連続トルクを有するモータ本体11aを用いれば、ぬいぐるみロボット1の腕部2を動作させるのに必要なトルクが出力できる。
【0037】
そして、このプーリ16の溝部16aに糸3が巻かれており、プーリ16が回転することにより、糸3の巻き取り、巻出しがなされ、糸3の長さが調整される。モータ軸18とプーリ16とは、図示しないイモネジにより固定され、また、プーリ16の外側には、プーリケース12が取り付けられている。このプーリケース12は、プーリ16全体を覆うように取り付けられる物であり、プーリケース12に設けられた小さな開口から糸3がプーリ16外部に導出される。すなわち、プーリケース12は、糸3の出口方向へのガイドの役割と、糸3をプーリ16の溝部16aに巻いたときに、糸3がプーリ16から外れてモータ軸18に絡まってしまう現象を防ぐものである。本実施形態例で仕様するモータ本体11aの外形が、10mmであるから、プーリケース12の外形も10mmに揃えることで、組み立てが容易になり、他の部品との干渉が起こりにくくなる。
【0038】
そして、本実施形態例においては、このように構成されたモータ11は、モータマウント13に固定される。このモータマウント13は、例えばプラスチック樹脂から構成されるものであり、筐体25内部に固定するための固定部13bと、前述したモータ11を固定するためのモータ固定部13aと、モータ固定部13aとの間に構成されたセンサ部21を構成するための可動溝13cから構成されている。モータ固定部13aは上下に貫通する開口を有しており、その開口に、前述した円柱型のモータ11を、割溝を介して狭持できる構成とされている。そして、開口にモータ11を狭持した状態で、モータ固定部13aを両側から例えばネジ15により固定することにより、モータ固定部13aに、モータ11を固定することができる。また、固定部13bとモータ固定部13aとの間に形成される可動溝13cには、フォトリフレクタ20が埋設され、さらに、そのフォトリフレクタ20が埋設された可動溝13cを埋め込むように、ウレタンスポンジからなる光拡散部材14が構成されている。すなわち、本実施形態例では、可動溝13cと、フォトリフレクタ20と、光拡散部材14により、第2のセンサである、力センサ24が構成される。
【0039】
ところで、フォトリフレクタとは、発光素子と受光素子とが一体となったセンサであり、光によって物体の有無や位置を検出できる小型のセンサである。本実施形態例においては、反射型のフォトリフレクタ(KODENSHI製、SG105)を用いた。
【0040】
このフォトリフレクタ20は、モータマウント13の可動溝13cの幅を測定することができるものである。本実施形態例においては、可動溝13cにフォトリフレクタ20を埋設し、そのフォトリフレクタ20を被覆して、ウレタンスポンジからなる光拡散部材14が埋め込まれている。このウレタンスポンジからなる光拡散部材14には、多くの気泡が構成されているため、光を拡散させる作用がある。このため、フォトリフレクタ20の発光部から出射した光は、光拡散部材14による光拡散により回り込み、フォトリフレクタ20の受光部に入る。すなわち、光拡散部材14により拡散されて回り込んだ光量をフォトリフレクタ20の受光部で検出することにより、モータマウント13の可動溝13cの溝幅の変化を検出することができる。また、本実施形態例では、モータマウント13を黒色の樹脂で構成することにより、効率良く光を検出することができる。
【0041】
そして、この可動溝13cの溝幅は、糸3に張力がかかり、引張られることで変化するものである。すなわち、可動溝13cの溝幅の変化を検出することで、糸3にかかる張力を検出することができる。そして、この糸3にかかる張力は、モータにかかる力である。
【0042】
以上の構成を有する駆動装置本体10の動作を説明する。
【0043】
図10Aに示すように、プーリ16から延びる糸3が、一定の張力を有して張られているとする。このとき、糸3には、モータマウント13の可動溝13cを動かす張力は発生しておらず、この状態を初期状態とする。
【0044】
そして、図10Aに示す初期状態から、糸3に、張力を増大させる方向に、外力Fを負荷する。そうすると、図10Bに示すように、糸3に張力Faが印加され、プーリ16が、糸3に引張られる方向に力が働く。これにより、モータ11全体が傾くともに、モータマウント13の可動溝13cの溝幅Wが縮まる。すなわち、モータ固定部13aが、固定部13bに対して、可動溝13cが縮まる方向に傾く。そうすると、可動溝13cに埋め込まれたウレタンスポンジからなる光拡散部材14が潰れる。これにより、埋設されたフォトリフレクタ20から出射される光の、光拡散部材14内で回り込む量が減少し、フォトリフレクタ20の受光部で検出される光の光量が減少する。
【0045】
そして、フォトリフレクタ20の受光部において、この光量を検出することにより、モータマウント13の可動溝13cの溝幅Wの変化を検出し、糸3にかかる張力Fa、さらには、モータ11にかかる力を計測することができる。
【0046】
また、モータ11には、前述したように、エンコーダが内蔵されている。このエンコーダは、位置の検出ができるものであり、本実施形態例では、糸3の長さを検出する。エンコーダにより、糸3の長さを検出することにより、腕部2に配設された糸3に、どの程度張力が印加されているかを検出することができる。
【0047】
以上のように、駆動装置本体10では、糸3の巻き取り、巻出しを行うと共に、糸3の長さや、張力、そして、モータ11にかかる力の検出が行われる。
【0048】
図11に、上述の駆動装置本体10を用いた、本実施形態例の駆動装置9を構成するブロック図を示す。
制御部22は、モータ11の回転を制御するものであり、例えば制御部22において、予め設定された所定の指令値に基づいて、モータ11の回転を制御する。また、制御部22には、フォトリフレクタ20によって検出されたモータ11にかかる力や、エンコーダ21によって検出された糸の長さ等の測定値がフィードバックされる。そして、制御部11により、予め設定された指令値と、そのフィードバックされた測定値とを比較し、適切な値によりモータ11が駆動される。
また、電源部23は、制御部22及びモータ11に所望の電源を供給するものである。
【0049】
以上のような構成を有する駆動装置9において、駆動部本体のモータ11を制御することにより、ぬいぐるみロボット1の腕部2を動作させることができる。
以下に、モータ11を駆動して糸3の長さを変化させたときの、ぬいぐるみロボット1の動作を具体的に説明する。
【0050】
[動作説明]
図12は、本実施形態例のぬいぐるみロボット1における駆動装置本体10のうち、糸3aに接続された駆動装置本体10aと、糸3cに接続された駆動装置本体10cのモータ11を駆動したときの、時間に対する、糸3a,3cの長さの変化図である。そして、図13は、その糸3a,3cの長さの変化に対応したぬいぐるみロボット1の動作を図示したものである。
【0051】
図12の時間M1~M5における糸3a,3cの長さに対応するぬいぐるみロボット1の動作を、図13のM1~M5に示す。この動作例では、糸3a,3cの長さを制御する指令値は、予め制御部22に入力されているものとする。すなわち、制御部22に入力された指令値に基づいて、制御部22が、モータ11の駆動を制御し、糸3a,3cの巻き取り、巻出しを行っている。
【0052】
まず、時間M1では、糸3a,3cの長さは初期状態とされており、ぬいぐるみロボット1の腕部2は、図13のM1に示すように、まだ、動作していない状態である。
次に、図12に示すように、時間M1~M2にかけて、糸3cのみ巻き取られるようにモータ11を駆動し、糸3cの長さを短くする。そうすると、図13のM2に示すように、ぬいぐるみロボット1の腕部2が、前側に閉じると共に、腕部2の手先部分が曲がる動作がなされる。
続いて、図12に示すように、時間M2~M3にかけて、糸3aのみ巻き取られるようにモータ11を駆動し、糸3aの長さを短くする。そうすると、図13のM3に示すように、ぬいぐるみロボット1の腕部2が、上方に上がるように動作される。このとき、糸3cの長さはほとんど変化されていないので、腕部2は、図13のM2の状態を保ったままで、上方に上がるように動作されることとなる。
そして、図12に示すように、時間M3~M5にかけては、糸3a,3cを巻出すようにモータ11を駆動し、糸3a,3cの長さを長くしていく。そうすると、図13のM4に示すように、腕部2は、下方に下がりながら、後方に開いて行き、かつ、曲げられた手先部分がまっすぐに戻る動作がなされる。そして、糸3a,3cの長さが初期状態にもどされたときに、図13のM5に示すように、腕部2も、もとの位置に戻る。
【0053】
図12に示す図では、この動作を2回繰り返して行っている。
【0054】
ところで、本実施形態例のぬいぐるみロボット1においては、糸3の長さを検出するエンコーダ21と、糸3にかかる張力を検出するフォトリフレクタ20が構成されている。このため、例えば、腕部2に、外部から力を加えたときには、糸3にかかる張力が変化するので、外部から印加された力を検出することもできる。
【0055】
図14は、腕部2に外力を加えた場合Aと、加えなかった場合Bとにおける、フォトリフレクタ20からの出力電圧を計測したものである。図14からわかるように、外力を加えた場合Aには、外力を加えなかった場合Bよりも、出力電圧が大きくなっていることがわかる。これにより、糸3を巻取る際に糸3にかかる張力以外に、腕部2に加えられた外力を検出できているといえる。本実施形態例では、腕部2に、外力が加えられた場合においても、制御部22において、外力を考慮した制御を行う構成とすることにより、外力に基づいた動作が為される構成とすることができる。
【0056】
図15は、腕部2に触らない、すなわち、腕部2に外力を加えない場合の機能構成例であり、図16は、腕部2に触ったとき、すなわち、腕部2に外力が加えられた場合の機能構成例である。図15、16に示すように、制御部22は、動作切替部50、動作生成部51、第1の比較部52、モータドライバ53、テーブル参照部54、第2の比較部55、外力判断部56を有する。また、駆動装置本体10は、前述したように、モータ11、エンコーダ21、力センサ24を有する。
【0057】
動作切替部50は、ぬいぐるみロボット1に命令する動作をランダムに選択するものである。ここで選択された動作命令は、動作生成部51に送られる。
動作生成部51は、動作切替部50からの命令に基づいて、糸3の長さの目標値を決定するものである。ここで決定された糸3の長さの目標値が第1の比較部52に送られる。
第1の比較部52は、動作生成部51から送られてきた糸3の長さの目標値と、エンコーダ21から送られてきた、現在の糸3の長さとを比較するものである。目標値よりも、現在の糸3の長さが長いか、短いかが検出され、その糸3の長さの差分が、モータドライバ53に送られる。
モータドライバ53は、第1の比較部52から送られてきた情報を元に、モータ11を必要な分だけ駆動するものである。これにより、動作生成部51で決定された目標値と、現在の糸3の長さから求められた差分に対応して、モータ11が駆動され、糸3の長さが調整される。
【0058】
テーブル参照部54は、エンコーダ21から送られてくる現在の糸3の長さを、予め制御部22の、糸3の長さと、対応する糸3の張力との関係が記憶されたテーブルに照らし合わせることにより、現在の糸3の長さに対応する張力を求めるものである。ここにおいて求められた張力は、第2の比較部55に送られる。
【0059】
第2の比較部55は、力センサ24から送られてくる現在の糸3の張力と、テーブル参照部54から送られてくる張力とを比較するものである。ここにおいて、現在の糸3の張力と、テーブル参照部54から送られてきた張力との差分が求められ、この差分が、外力判断部56に送られる。
【0060】
外力判断部56は、第2の比較部55において求められ張力の差分により、腕部2に、外力が加えられているか、加えられていないかを判断する。現在の糸3の張力が、テーブル参照部54から得られた張力の値とあまり違わない、すなわち、差分が小さければ、外力が加えられていないと判断され、差分が大きければ、外力が加えられていると判断される。
【0061】
そして、外力判断部56からの出力に基づき、次の動作が、動作切替部50により選択される。
【0062】
図16に示すように、腕部2に、例えば、人が触れる等して、腕部2に外力が与えられており、第2の比較部55において、現在の糸3の張力と、糸3の長さに対応して糸3に通常発生する張力との差分があった場合には、その求められた値が、動作生成部51に送られて、次の動作にその値が寄与される。
【0063】
以上のように、本実施形態例のぬいぐるみロボット1では、外力を検知し、その外力に基づいた制御が可能となるので、例えば、使用者が、外部から与える外力に基づいて動作されるように構成することができ、その動作は、プログラムの設定により、種々の変更が可能である。
【0064】
図17に、外力に基づいて、腕部2が動作されるようなプログラム構成とした場合のフローチャートを示す。
使用者が、ぬいぐるみロボット1と握手する(S1)とする。そうすると、腕部2内の糸3の張力が増加したかが判断される(S2)。増加していない場合には、動作は行われず(S3)、糸3の張力が増加したと判断された場合は、制御部22に伝達される(S4)。そして、制御部22から、「握り返す」という命令が駆動部本体10に送信され(S5)、モータ11が駆動される。そうすると、腕部2内の糸3の長さが変化され(S6)、腕部1において、使用者の手を握り返すような動作がなされる。
【0065】
このように、本実施形態例のぬいぐるみロボット1においては、制御部11において、外力から力が加わった場合に、動作するようなプログラム構成をしておくことにより、使用者と、所定のコミュニケーションをとることを可能とするように構成することもできる。
【0066】
本実施形態例においては、動作部を腕部2としたが、これに限定されるものではない。例えば、脚部31に糸を構成して、脚部31を動作させる例としても良いし、また、首部に糸を構成して、首部を動作させる例としても良い。
【0067】
図18A,B,Cに、ぬいぐるみロボット1において、首部を動作させる場合の糸の構成例を示す。図18A~Cにおいて、図1に対応する部分には、同一符号を付し重複説明を省略する。図18Aは、ぬいぐるみロボット1を正面から見たときの構成図であり、図18B,18Cは、それぞれ、ぬいぐるみロボット1を左右から見たときの構成図である。
【0068】
図18A~Cに示すように、首部を動作させる場合には、2本の糸17a,17bを、ぬいぐるみロボット1の頭部30と、胴部32との付け根部分であって、右側と、左側に、左右対象となるように配設する。この2本の糸17a,17bは、後方から前方にかけて、クロスするように配設する。このように、4本の糸17a,17bを配設することで、首の動作が可能となる。そして、これらの糸17a,17bも、胴部内に収納された図示しない駆動装置に接続されて、モータにより巻き取り、巻出しがなされる。これにより、首の動作が可能となる。
【0069】
また、本実施形態例では、アクチュエータとして、モータ11を用いる例としたが、これに限られる物ではなく、糸の巻取り、巻出しのできる構成であればよい。また、第1のセンサとして、エンコーダを用いる例としたが、これに限られるものではなく、糸の長さを検出できる構成であればよい。さらに、第2のセンサとなる力センサ24を、フォトリフレクタ20で構成する例としたが、これに限られるものではない。糸にかかる張力を測定し、検出できる構成であれば良く、従来用いられている方法を用いることができる。さらに、制御部22及び電源部23を筐体内部に構成する例としたが、ぬいぐるみロボットの外部に構成する例としてもよい。
【0070】
[本実施形態例の効果]
本実施形態例によれば、動作部は、通常のぬいぐるみと同素材の綿等の柔らかい素材を用いることができる。また、動作部を動作させるための構成としては、糸を配設するのみでよいので、動作部において、触った感触は、通常のぬいぐるみと同じ感触を保つことができる。すなわち、従来の動くぬいぐるみでは、動作部に硬い素材が用いられていたが、本実施形態例では、やわらかい感触を維持された状態で、動作が可能なぬいぐるみロボット1が提供される。
また、本実施形態例によれば、力センサ24において、糸3の張力を検出することにより、外部から加えられた力を検出することができる。これにより、外力が加えられたときの動作を制御部22においてプログラミングしておくことにより、使用者とのコミュニケーションをとることのできるぬいぐるみロボット1を提供することができる。
このように、やわらかい感触を維持したままで、かつ、使用者とのコミュニケーションが可能とされるので、より癒しの効果を有するメンタルコミットロボットとして、使用者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態におけるぬいぐるみロボットの概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるぬいぐるみロボットの概略内部構成図である。
【図3】A,Bぬいぐるみロボットの動作部(腕部)の概略断面構成図である。
【図4】A,B ぬいぐるみロボットの動作部(腕部)の構成におけるモデル図である。
【図5】A,B ぬいぐるみロボットの動作部(腕部)の動作説明図である。
【図6】A,B ぬいぐるみロボットの動作部(腕部)の動作説明図である。
【図7】ぬいぐるみロボットの駆動装置の概略構成図である。
【図8】ぬいぐるみロボットの駆動部本体の概略構成図である。
【図9】駆動部本体のモータの概略構成図である。
【図10】A,B ぬいぐるみロボットの駆動部本体の動作説明図である。
【図11】駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図12】ぬいぐるみロボットの糸の長さを変化させたときの図である。
【図13】ぬいぐるみロボットの糸の長さを変化させたときの動作部(腕部)の動きを説明する図である。
【図14】ぬいぐるみロボットの動作部(腕部)に外力を加えたときと、しないときの、センサ部によって検出される出力電圧を測定した図である。
【図15】ぬいぐるみロボットの機能構成を示したブロック図である。
【図16】ぬいぐるみロボットの機能構成を示したブロック図である。
【図17】ぬいぐるみロボットの制御部に所望の動作プログラムを入力した場合の動作を説明するフローチャートである。
【図18】A,B,C ぬいぐるみロボットの糸の配設位置の他の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0072】
1・・ぬいぐるみロボット、2・・腕部、3・・糸、4・・胴部、5・・動作補助部、9・・駆動装置、10・・駆動部本体、11・・モータ、20・・フォトリフレクタ、24・・力センサ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17