TOP > 国内特許検索 > 触覚に作用する方法およびそれを実現する触覚デバイス、屈曲可変機構 > 明細書

明細書 :触覚に作用する方法およびそれを実現する触覚デバイス、屈曲可変機構

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5108485号 (P5108485)
公開番号 特開2008-171409 (P2008-171409A)
登録日 平成24年10月12日(2012.10.12)
発行日 平成24年12月26日(2012.12.26)
公開日 平成20年7月24日(2008.7.24)
発明の名称または考案の名称 触覚に作用する方法およびそれを実現する触覚デバイス、屈曲可変機構
国際特許分類 G06F   3/01        (2006.01)
FI G06F 3/01 310A
請求項の数または発明の数 10
全頁数 9
出願番号 特願2007-320676 (P2007-320676)
出願日 平成19年12月12日(2007.12.12)
優先権出願番号 2006335015
優先日 平成18年12月12日(2006.12.12)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成22年7月19日(2010.7.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
発明者または考案者 【氏名】佐野 明人
【氏名】田中 由浩
【氏名】藤本 英雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100103894、【弁理士】、【氏名又は名称】家入 健
審査官 【審査官】遠藤 尊志
参考文献・文献 特開2001-265522(JP,A)
調査した分野 G06F 3/01
G06F 3/03
G06F 3/033
G06F 3/038
G06F 3/048


特許請求の範囲 【請求項1】
触覚を変化させ、かつ触覚情報を取得できる方法であって、
対象物との直接の接触を妨げず、触覚デバイスにより爪を変形させて当該爪を備える指の触覚を可変にする触覚可変工程と、
該触覚デバイスを介して触覚情報を検出する触覚検出工程と、
からなることを特徴とする、触覚に作用する方法。
【請求項2】
前記触覚可変工程は、触覚を鋭敏または鈍感にすることを特徴とする、請求項1に記載の触覚に作用する方法。
【請求項3】
前記触覚可変工程は、爪の湾曲を増大または減少させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の触覚に作用する方法。
【請求項4】
前記触覚検出工程は、前記触覚デバイスの歪を検出することを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の触覚に作用する方法。
【請求項5】
触覚を変化させ、かつ触覚情報を取得できる装置であって、
対象物との直接の接触を妨げず、爪を変形させて当該爪を備える指の触覚を可変にする触覚可変部と、
触覚情報を検出する触覚検出部と、
から構成されることを特徴とする、触覚デバイス。
【請求項6】
前記触覚可変部は、
可撓性を有するプレート部と、
と該プレート部とを接着する吸着部と、
該プレート部を変形させ、該吸着部により該プレート部ととを接着する装着手段と、
から構成されることを特徴とする、請求項に記載の触覚デバイス。
【請求項7】
前記変形部は、
可撓性を有するプレート部と、
前記プレート部と接合された弾性板と、
前記弾性板と前記プレート部との距離を調節し、前記弾性板の湾曲を増大又は減少させる調節部と、
と前記弾性板とを接着する吸着部と、
を備える請求項に記載の触覚デバイス。
【請求項8】
前記触覚検出部は、前記触覚可変部の歪を検出する歪検出素子を有する、請求項5~7のいずれかに記載の触覚デバイス。
【請求項9】
前記歪検出素子は、歪ゲージである、請求項に記載の触覚デバイス。
【請求項10】
前記歪検出素子は、前記触覚可変部に貼付されている、請求項8または9に記載の触覚デバイス。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、触覚を変化させ、かつ触覚情報を取得できる触覚に作用する方法およびそれを実現する触覚デバイス、並びに屈曲可変機構に関する。
【背景技術】
【0002】
爪は皮膚の一部が高度に分化したものである。医学的には、ヒトの指先を保護すると同時に、触覚を鋭敏にする重要な役割を担っていると言われている。健康な爪でないと(爪が薄くなったり、損傷した場合)、触覚が鈍化することがある。
【0003】
嶋田らは、人指腹部の摩擦に対する爪の効果を検証するために、爪を含む人工指を試作して摩擦測定実験を行っている(非特許文献1参照)。その中で、ヒト指の摩擦係数は指姿勢や摩擦方向に依存することを見出した。
【0004】
マニキュアはもともと爪につやを出すものであるが、近年、ファッションの一つ(美爪術)となっている。また、野球の投手などは爪の保護や補強のために使用している。
【0005】
ここで、マニキュアを塗ると感触の違いを感じることがある。人によっては、マニキュアを塗ると息苦しい感覚や自己の手でないような感覚(違和感)を抱くことがある。したがって、マニキュアが爪および触覚に何らかの影響を及ぼしている可能性がある。
【0006】
上記を鑑みると、爪に何らかの作用を加えることで、触覚に影響を与えることができると考えられる。同様に、皮膚に何らかの作用を加えることで、触覚に影響を与えることができると考えられる。特に、このような方法は、対象物との直接の接触を妨げないという特徴を有している。
【0007】
佐野らは、手掌で表面をなぞる際に生じている力学的作用を簡単な物理現象を利用して増幅させ、手掌で物体表面の凹凸をなぞった際に得られる触感を増幅して呈示することができるデバイスを開発している(特許文献1)。ただし、このデバイスは対象物と手掌の間に介在して使用される。したがって、対象物を直接触ることはできない。
【0008】
ところで、触覚を使った官能評価では、手指で対象(たとえば、車の内装品)の性状を取得することが様々行われている。また、コネクタなどに代表される機器では、勘合に際しての節度感が求められる。
【0009】
これらの触覚情報を検出するために、指腹部に何らかの触覚センサを装着することが考えられる。しかしながら、対象物を直接触ることができなくなるために、本来の触状態とは似て非なるものになってしまう。
【0010】
上記の問題を解決するために、爪にセンサを搭載することにより、指腹部の力覚情報を検出する装置が報告されている(非特許文献2および特許文献2参照)。Asadaらによって研究開発されたセンサは、爪の色の変化を検出するものである。即ち、物体に指が触れた時、指が変形し、その変形に伴い爪直下の皮膚の色が変化する。この色の変化を計測することによって、指先が物体に接触したことを検出するものである(非特許文献2参照)。
【0011】
前野らは、爪表面の複数箇所の歪を複数の歪ゲージで検出することによって、指に作用する接線力の大きさと方向を検出する触覚センサを考案している(特許文献2参照)。しかしながら、これらのセンサは、基本的に力覚情報を対象としており、手触り感や節度感などの上記のような触覚情報の取得を行っていない。

【特許文献1】特開2005-195342号公報
【特許文献2】特開2001-265522号公報
【非特許文献1】嶋田明広,韓鉉庸,川村貞夫,人間の手指の摩擦特性の解析,計測自動制御学会論文集,32-12,pp. 1581-1587,1996.
【非特許文献2】S. Mascaro and H. Asada,Photoplethysmograph Fingernail Sensors for Measuring Finger Forces Without Haptic Obstruction,IEEE Trans. on Robotics and Automation,17-5,pp. 698-708,2001.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記事情に鑑み、ヒトの触覚に関わる身体の機能に注目し、簡単な原理で触覚を変化させ、かつ触覚情報を取得できる触覚に作用する方法およびそれを実現する触覚デバイス、並びに屈曲可変機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の触覚に作用する方法は、触覚を変化させ、かつ触覚情報を取得できる方法であって、対象物との直接の接触を妨げず、触覚デバイスにより触覚を可変にする触覚可変工程と、該触覚デバイスを介して触覚情報を検出する触覚検出工程と、からなることを特徴とする。
【0014】
また、前記触覚可変工程では、触覚を鋭敏または鈍感にする効果を有していても良い。
【0015】
また、前記触覚可変工程は、皮膚または爪を変形させる変形工程とすることができる。
【0016】
また、前記変形工程では、爪の湾曲を増大または減少させることを有していても良い。
【0017】
また、前記触覚検出工程では、前記触覚デバイスの歪を検出しても良い。
【0018】
本発明の触覚デバイスは、触覚を変化させ、かつ触覚情報を取得できる装置であって、対象物との直接の接触を妨げず、触覚を可変にする触覚可変部と、触覚情報を検出する触覚検出部と、から構成されることを特徴とする。
【0019】
また、前記触覚可変部は、皮膚または爪を変形させる変形部とすることができる。
【0020】
また、前記変形部は、可撓性を有するプレート部と、皮膚または爪と該プレート部とを接着する吸着部と、該プレート部を変形させ、該吸着部により該プレート部と皮膚または爪とを接着する装着手段と、から構成されることが望ましい。これにより、前記の皮膚または爪に変形を加えることができる。
【0021】
また、前記変形部は、可撓性を有するプレート部と、前記プレート部と接合された弾性板と、前記弾性板と前記プレート部との距離を調節し、前記弾性板の湾曲を増大又は減少させる調節部と、皮膚又は爪と前記弾性板とを接着する吸着部とを備えることが望ましい。これにより、皮膚又は爪に与える変形量を調節することができる。
【0022】
また、前記触覚検出部は、前記触覚可変部の歪を検出する歪検出素子を有することが望ましい。
【0023】
また、前記歪検出素子は、歪ゲージであることが望ましい。
【0024】
また、前記歪検出素子は、前記触覚可変部に貼付されていることが望ましい。
【0025】
本発明の屈曲可変機構は、可撓性を有するプレート部と、前記プレート部と接合された弾性板と、前記弾性板と前記プレート部との距離を調節し、前記弾性板の湾曲を増大又は減少させる調節部と、皮膚又は爪と前記弾性板とを接着する吸着部とを備えるものである。これにより、皮膚又は爪に与える変形量を調節することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ヒトの触覚に関わる身体の機能に注目し、簡単な原理で触覚を変化させ、かつ触覚情報を取得できる触覚に作用する方法およびそれを実現する触覚デバイス、並びに屈曲可変機構を提供できる。
【0027】
特に、本発明の触覚に作用する方法およびそれを実現する触覚デバイスでは、対象物との直接の接触を妨げず、該触覚デバイスにより触覚を可変にし、かつ該触覚デバイスを介して触覚情報を検出する。これにより、対象物を直接触りながら触覚を可変にすることができる。また、対象物を直接触りながら触覚情報を検出することができ、かつその触覚も可変にできることから、触覚情報の検出を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の触覚に作用する方法および触覚デバイスの実施の形態を説明する。
【0029】
本発明の触覚に作用する方法は、触覚を変化させ、かつ触覚情報を取得できる方法であって、対象物との直接の接触を妨げず、該触覚デバイスにより触覚を可変にする触覚可変工程と、該触覚デバイスを介して触覚情報を検出する触覚検出工程と、からなることを特徴とする。また、該触覚デバイスは、対象物との直接の接触を妨げず、触覚を可変にする触覚可変部と、触覚情報を検出する触覚検出部と、から構成されることを特徴とする。ここで、図1は、本発明の触覚に作用する方法および触覚デバイスの実施例を示したものである。図1では爪に触覚デバイスを装着しており、図1の触覚可変部により、指の触覚を可変にすることができ、かつ図1の触覚検出部により、触覚情報を取得することができる。
【0030】
ここで、前述したように、マニキュアを塗ると感触の違いを感じることがある。人によっては、マニキュアを塗ると息苦しい感覚や自己の手でないような感覚(違和感)を抱くことがある。そこで、マニキュアを平らなポリプロピレンシート(厚さ0.174[mm])に塗布した際の変形の様子を調べた。なお、実験ではフラットに塗ったもの、中央部分を盛り上げたもの(高さ約0.3[mm])の2種類の試料を作成した。実験の結果、フラットなものはシートの変形がほとんど見られなかった。一方、盛り上げて塗ったものはシートが大きく屈曲変形し、塗布面の背面に凹みができた。したがって、マニキュアを爪に比較的厚めに塗ると、爪を内側に屈曲変形させることがわかる。そして、これが触覚にも何らかの影響を与えていると考えられる。
【0031】
マニキュアによる触覚感度の変化を確かめるために、次のような心理物理実験を行った。藁半紙の下に10[mm]角に切り揃えたアルミホイル(厚さ15[μm])を1~4枚重ねて置き、わずかな凸面を形成する。被験者には、アルミホイルの位置と高さ(重ねた枚数)を答えさせた。5名の被験者の中で、2名はマニキュアを塗ることにより検出精度が向上し、3名は検出精度に変化が見られなかった。しかし、その3名の内1名は指先の感触に何らかの変化を感じていた。なお、各被験者の爪形状には個人差がかなりあり、その結果マニキュアによる変形も個人により異なる可能性がある。触感変化が現れた者は爪が比較的平らな形状をしており、逆に現れない者は湾曲している傾向がある。
【0032】
上記に鑑み、触覚可変工程は、皮膚または爪を変形させる変形工程とすることができ、また、触覚可変部は、皮膚または爪を変形させる変形部とすることができる。ここで、前記変形部は、可撓性を有するプレート部と、皮膚または爪と該プレート部とを接着する吸着部と、該プレート部を変形させ、該吸着部により該プレート部と皮膚または爪とを接着する装着手段と、から構成されることが望ましい。これにより、前記の皮膚または爪に変形を加えることができる。
【0033】
図2は本発明の触覚可変工程および触覚可変部に関する、変形工程および変形部の実施例を示している。触覚デバイスを爪に使用する場合の実施例であり、可撓性を有するプレート部として、付爪(ネイルチップ)を用い、吸着部に両面テープを用いている。また装着手段として、爪の曲率に対して小さい曲率の付爪を加圧して、爪に接着している。これにより、爪を内側に湾曲変形させることができる。したがって、マニキュアを爪に比較的厚めに塗った状態、すなわち爪を内側に屈曲変形させた状態を実現することができ、上述したマニキュアを爪に比較的厚めに塗った状態における触覚感度の向上の効果が期待される。
【0034】
触覚検出部には、歪ゲージ等の歪検出素子を用いることができる。図3は、本発明の触覚検出工程および触覚検出部の実施例を示し、図2で示した触覚可変部の表面に歪検出素子として歪ゲージを貼付している。
【0035】
本実施例の触覚可変工程および触覚可変部に関する触覚を可変する効果を実験的に確認するために、図2に示した触覚デバイスを被験者に使用してもらい、触対象を指腹部でなぞってもらった。その結果、爪側に「もわっ」とした感触が表出した。これは、違和感とも取れる不思議な感覚である。また、感じるエリアも被験者あるいは状況で異なることがあった。被験者によっては、爪からわずかに離れた位置で感じる時もあったようである。現時点ではこれらの発生メカニズムはよく分かっていないが、触覚に何らかの影響を及ぼしていることが確認できる。また、触覚感度を向上させるポジティブな効果(鋭敏)はさることながら、不健康な爪では感度が低下するなどの見地も勘案して、ネガティブな効果(鈍化)の生成も重要だと考えている。
【0036】
また、本実施例の触覚検出工程および触覚検出部に関する触覚情報取得の効果を実験的に確認するために、図3に示した触覚デバイスを被験者に使用してもらい、勘合における触覚情報取得の実験を試みた。具体的には、LANケーブルのコネクタ(爪あり、爪なし)およびマウスのUSBコネクタの勘合動作を行った際の信号を取得した。なお、比較のために、爪形状に合った付爪を用意し、同様に歪ゲージを貼付した。爪形状に合った付爪では、爪に変形をそれほど与えないため、触覚を可変する効果が小さいと考えられる。
【0037】
実験の結果を図4、5に示す。ただし、図4は図3に示した触覚デバイスを使用した時の結果であり、図5は歪ゲージを貼付した爪形状に合った付爪を使用した時の結果である。図4からわかるように、本実施例の触覚デバイスからは普通の付爪の2~10倍近くの感度で触覚情報(スパイク状の高周波振動)が得られている。爪を折ったLANケーブルでは「カチィ」といった節度感に関わる振動情報は発生しておらず、逆にマウスのUSBコネクタが一番大きな振動が生じていることがわかる。以上より、本実施例の触覚デバイスにより、触覚を感じながら触覚情報を高感度で取得できることが確認できる。将来的に、官能評価とセンサ信号とを直接結びつけることができ得ると考えられる。
【0038】
図6を参照して、本発明の触覚可変工程および触覚可変部に関する、変形工程および変形部の他の実施例について説明する。図6は、本実施例に係る触覚デバイスの変形部として用いられる屈曲可変機構10の構成を示す図である。図6に示すように、本実施例に係る屈曲可変機構10は、プレート11、弾性柱12、弾性板13、調整部14を備えている。本実施例は、図2に示した実施例と同様に、触覚デバイスを爪に使用する場合の実施例である。
【0039】
プレート11は、可撓性を有する部材であり、例えば、アクリル樹脂等からなる板バネを用いることができる。プレート11の下面側には、弾性板13が対向して配置されている。プレート11と弾性板13との間には、弾性柱12が設けられている。プレート11と弾性板13は、それぞれの略中央部において弾性柱12を介して弾性板13と接合されている。弾性柱12は、プレート11と弾性板13の距離を規定するものである。弾性柱12、弾性板13としては、ゴムやアクリル樹脂等を用いることができる。
【0040】
弾性板13の弾性柱12が接合されている領域の外側には、プレート11と弾性板13との間の距離を調整するための、調整部14が設けられている。本実施例では、2つの調節部14が、弾性柱12を中心として対称に配置されている。調整部14は、固定部15、ピン16を有している。固定部15は、弾性板13に固定されている。ピン16には、ネジきり加工がなされており、その先端部は固定部15内に挿入され、抜けないようになっている。ピン16を回転させることで、弾性板13とプレート11との距離を変化させることができ、可撓性を有するプレート11及び弾性板13が変形する。
【0041】
弾性板13の下面側には、皮膚又は爪に接着するための吸着部17が設けられる。従って、弾性板13の下面側が接着対象である爪に接着する接着面となる。吸着部17としては、両面テープ等を用いることができる。
【0042】
図7は、屈曲変形を与えたときの屈曲可変機構10の状態を示す図である。なお、図7においては、吸着部17の図示を省略している。図7(a)に示す例では、調節部14により、プレート11と弾性板13との距離を増大させている。また、弾性柱12が設けられている箇所のプレート11と弾性板13との距離は、調節部14が設けられている箇所よりも短くなっている。すなわち、屈曲可変機構10は、凹面状に屈曲している。このため、屈曲可変機構10を爪に装着した場合、爪を内側に屈曲変形させる負荷を与えることができる。
【0043】
したがって、マニキュアを爪に比較的厚めに塗った状態、すなわち爪を内側に屈曲変形させた状態を実現することができ、上述したマニキュアを爪に比較的厚めに塗った状態における触覚感度の向上の効果が期待される。
【0044】
図7(b)に示す例では、調節部14により、プレート11と弾性板13との距離を減少させている。また、弾性柱12が設けられている箇所のプレート11と弾性板13との距離は、調節部14が設けられている箇所よりも長くなっている。すなわち、屈曲可変機構10は、凸面状に屈曲している。このため、屈曲可変機構10を爪に装着した場合、爪を外側に屈曲変形させる負荷を与えることができる。
【0045】
このように、本発明によれば、プレート11と弾性板13の距離を調節することにより可撓性を有するプレートが変形し、それに応じて、本機構を貼り付けた対象(爪)に対して内側又は外側に屈曲変形させる負荷を与えることができる。すなわち、本機構を用いることで、対象に対して内側又は外側に屈曲変形させる負荷を調節して与えることができる。本機構は外部に支えを必要とせず、シンプルな構造で屈曲変形を対象に対して自由に調節して与えることができる。本実施例に係る屈曲可変機構10を爪に適用することで、触覚ネイルチップ10を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の触覚に作用する方法および触覚デバイスの実施例の概略図である。
【図2】本発明の触覚可変工程および触覚可変部に関する、変形工程および変形部の実施例を示し、爪を内側に湾曲変形させるために、爪の曲率に対して小さい曲率の付爪を加圧して、爪に両面テープで接着した時の概略図である。
【図3】本発明の触覚検出工程および触覚検出部の実施例を示し、図2で示した触覚可変部の表面に触覚検出部として歪ゲージを貼付した時の触覚デバイスの概略図である。
【図4】図3の触覚デバイスを用いた勘合動作における実験結果である。
【図5】歪ゲージを貼付した爪形状に合った付爪を用いた勘合動作における実験結果である。
【図6】本発明の屈曲可変機構の構成を示す概略図である。
【図7】屈曲変形を与えたときの屈曲可変機構の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10 屈曲可変機構
11 プレート
12 弾性柱
13 弾性板
14 調節部
15 固定部
16 ピン
17 吸着部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6