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明細書 :地図表示装置およびシステム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5058905号 (P5058905)
公開番号 特開2009-043252 (P2009-043252A)
登録日 平成24年8月10日(2012.8.10)
発行日 平成24年10月24日(2012.10.24)
公開日 平成21年2月26日(2009.2.26)
発明の名称または考案の名称 地図表示装置およびシステム
国際特許分類 G06T  11/60        (2006.01)
G09B  29/00        (2006.01)
G09B  29/10        (2006.01)
FI G06T 11/60 300
G09B 29/00 Z
G09B 29/10 A
請求項の数または発明の数 18
全頁数 37
出願番号 特願2008-186572 (P2008-186572)
出願日 平成20年7月17日(2008.7.17)
優先権出願番号 2007185889
優先日 平成19年7月17日(2007.7.17)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成22年12月13日(2010.12.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
発明者または考案者 【氏名】高橋 直久
【氏名】小関 章太郎
【氏名】浅見 宗広
個別代理人の代理人 【識別番号】100090169、【弁理士】、【氏名又は名称】松浦 孝
【識別番号】100147762、【弁理士】、【氏名又は名称】藤 拓也
審査官 【審査官】千葉 久博
参考文献・文献 特開2006-138791(JP,A)
特開2004-077174(JP,A)
特開2003-250039(JP,A)
特開2002-056400(JP,A)
特開2000-193468(JP,A)
特開平11-265441(JP,A)
特開平02-061690(JP,A)
国際公開第2006/128020(WO,A1)
小関章太郎, 外1名,”focus+context+glueマップのglue領域における道路ネットワーク総描法”,FIT2007 第6回情報科学技術フォーラム 一般講演論文集 第2分冊 データベース 自然言語・音声・音楽 人工知能・ゲーム 生体情報科学,2007年 8月22日,p.61-62
坪沼潤,”複数縮尺同時表示による任意地点指定方法”,CASIO DISCLOSURE JOURNAL,カシオ計算機株式会社,2000年 2月25日,第171巻,p.5092
調査した分野 G06T 11/60,17/05
G09B 23/00-29/14
特許請求の範囲 【請求項1】
地図上における第1の領域を第1の縮尺率で表示するフォーカスエリアと、前記第1の領域の周辺にある第2の領域を第2の縮尺率で表示するグルーエリアと、前記第2の領域の周辺にある第3の領域を前記第1の縮尺率よりも小さな縮尺率である第3の縮尺率で表示するコンテキストエリアとを有する地図表示部と、
人間が通行可能、又は交通手段を介して通行可能な経路であるパスの地図上における位置から前記グルーエリア内におけるパスの位置を表す表示画像を作成する地図処理部とを備え、
前記パスが、基準パスと、前記基準パスと接続される中間パスと、前記中間パスと接続される延伸パスとを有し、かつ前記基準パスと前記延伸パスとが成す劣角の角度が第1の角度以上であって、かつ前記中間パスの長さが第1の長さ以下であるとき、前記基準パス、前記延伸パス、および前記中間パスの位置のみを表す表示画像を前記地図処理部が作成し、
前記パスが、基準パスと、前記基準パスに接続される延伸パスとを有し、かつ前記基準パスと前記延伸パスとが成す劣角の角度が前記第1の角度以上となるような前記延伸パスが存在せず、かつ前記基準パスと前記延伸パスとが成す劣角の角度が前記第1の角度よりも小さく、かつ前記第1の角度より小さい第2の角度以上であるとき、前記基準パスおよび前記延伸パスの位置のみを表す表示画像を前記地図処理部が作成し、
前記地図表示部は、前記グルーエリアに前記表示画像を表示する地図表示装置。
【請求項2】
前記地図処理部は、第1の関数を用いて地図上における地物の位置から前記フォーカスエリア内における地物の位置を算出する第1の算出手段と、前記第1の関数と異なる第2の関数を用いて地図上における地物の位置から前記グルーエリア内における地物の位置を算出する第2の算出手段と、前記第1および第2の関数と異なる第3の関数を用いて地図上における地物の位置から前記コンテキストエリア内における地物の位置を算出する第3の算出手段とを有する請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項3】
前記第2の縮尺率は、前記フォーカスエリアの基準点からの距離によって変化する請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項4】
前記第2の縮尺率が前記第1の縮尺率以下の縮尺率である請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項5】
前記第1の関数は、sf・r (r≦rf)、
前記第2の関数は、g(r-rf) (rf<r<rc)、
前記第3の関数は、g(rc-rf)+sc・(r-rc) (r≧rc)
により定められる請求項2に記載の地図表示装置。
ここで、前記第1の縮尺率をsf、前記第2の縮尺率をsc、前記フォーカスエリアの中心をOとしたときのOからの距離をr、フォーカスエリアとグルーエリアの境界点からOまでの距離をrf、グルーエリアとコンテキストエリアの境界点からOまでの距離をrcとする。
【請求項6】
前記パスに対して重要度が定められ、
前記地図処理部は、所定値以上の重要度が定められているパスの位置のみを表す表示画像を作成する請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項7】
前記地図処理部は、前記フォーカスエリアからコンテキストエリアまでつながるパスの位置のみを表す表示画像を作成する請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項8】
前記パスは、基準パスと、前記基準パスに接続される延伸パスとを有し、
前記地図処理部は、前記基準パスと前記延伸パスとが成す劣角の角度が第1の角度以上であるとき、前記基準パスおよび前記延伸パスの位置のみを表す表示画像を作成する
請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項9】
前記地図処理部は、前記基準パスと前記延伸パスとの接続点から一定の長さだけ伸びる前記延伸パスを表す表示画像を作成する請求項8に記載の地図表示装置。
【請求項10】
前記基準パスおよび前記延伸パスにより構成される複数のパスが前記フォーカスエリアから前記コンテキストエリアまで伸びるとき、前記パスどうしを接続する接続パスの位置を表す表示画像を前記地図処理部が作成する請求項8に記載の地図表示装置。
【請求項11】
前記グルーエリアに表示される複数のパスの密度が一定値以下であるとき、前記複数のパスの位置を示す表示画像に、前記複数のパスどうしを接続する接続パスを加えた表示画像を前記地図処理部が作成する請求項8に記載の地図表示装置。
【請求項12】
前記フォーカスエリアに描画され、前記フォーカスエリアと前記グルーエリアとの境界において第1の端部を有する第1のパスと、
前記コンテキストエリアに描画され、前記コンテキストエリアと前記グルーエリアとの境界において第2の端部を有する第2のパスと、
前記第1のパスと前記第2のパスとが連続となるように、前記第1の端部と前記第2の端部とが連続な曲線で接続することにより、前記地図処理部が表示画像を作成する請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項13】
前記曲線は、前記第1の端部と前記第2の端部とを制御点とするベジエ曲線である請求項12に記載の地図表示装置。
【請求項14】
前記曲線は、第1、第2、第3、第4の制御点を有するベジエ曲線であり、
前記第1の制御点は前記第1の端部に設けられ、
前記第2の制御点は、前記第1のパスと連続となるように前記第1の端部から延びる、前記第1のパスの延長線上であって、前記グルーエリアの間に設けられ、
前記第3の制御点は、前記第2のパスと連続となるように前記第2の端部から延びる、前記第2のパスの延長線上であって、前記グルーエリアの間に設けられ、
前記第4の制御点は前記第2の端部に設けられるベジエ曲線である請求項13に記載の地図表示装置。
【請求項15】
地図上における第1の領域を第1の縮尺率で表示するフォーカスエリアと、前記第1の領域の周辺にある第2の領域を第2の縮尺率で表示するグルーエリアと、前記第2の領域の周辺にある第3の領域を前記第1の縮尺率よりも小さな縮尺率である第3の縮尺率で表示するコンテキストエリアと、人間が通行可能又は交通手段を介して通行可能な経路であるパスの地図上における位置に基づいて前記グルーエリア内におけるパスの位置を示す表示画像とを表示する表示画面を有するクライアントに、前記表示画像を送信する地図表示サーバであって、
前記表示画像を作成する地図処理部を備え、
前記パスが、基準パスと、前記基準パスと接続される中間パスと、前記中間パスと接続される延伸パスとから成り、かつ前記基準パスと前記延伸パスとが成す劣角の角度が第1の角度以上であって、かつ前記中間パスの長さが第1の長さ以下であるとき、前記基準パス、前記延伸パス、および前記中間パスの位置のみを表す表示画像を前記地図処理部が作成し、
前記パスが、基準パスと、前記基準パスに接続される延伸パスとを有し、かつ前記基準パスと前記延伸パスとが成す劣角の角度が前記第1の角度以上となるような前記延伸パスが存在せず、かつ前記基準パスと前記延伸パスとが成す劣角の角度が前記第1の角度よりも小さく、かつ前記第1の角度より小さい第2の角度以上であるとき、前記基準パスおよび前記延伸パスの位置のみを表す表示画像を前記地図処理部が作成する地図表示サーバ。
【請求項16】
人間が通行可能、又は交通手段を介して通行可能な経路であるパスの地図上における位置を地図処理部が情報記憶部から読み出すステップと、
地図上における第1の領域を第1の縮尺率で表示するフォーカスエリアを表示画面が表示するステップと、
前記第1の領域の周辺にある第2の領域を第2の縮尺率で表示するグルーエリアに、前記パスの地図上における位置を用いて、前記パスを表示画面が表示するステップと、
前記第2の領域の周辺にある第3の領域を前記第1の縮尺率よりも小さな縮尺率である第3の縮尺率でコンテキストエリアを表示画面が表示するステップと、
前記パスが、基準パスと、前記基準パスと接続される中間パスと、前記中間パスと接続される延伸パスとから成り、かつ前記基準パスと前記延伸パスとが成す劣角の角度が第1の角度以上であって、かつ前記中間パスの長さが第1の長さ以下であるとき、前記基準パス、前記延伸パス、および前記中間パスの位置のみを表す表示画像を前記地図処理部が作成するステップと、
前記パスが、基準パスと、前記基準パスに接続される延伸パスとを有し、かつ前記基準パスと前記延伸パスとが成す劣角の角度が前記第1の角度以上となるような前記延伸パスが存在せず、かつ前記基準パスと前記延伸パスとが成す劣角の角度が前記第1の角度よりも小さく、かつ前記第1の角度より小さい第2の角度以上であるとき、前記基準パスおよび前記延伸パスの位置のみを表す表示画像を前記地図処理部が作成するステップと、
前記地図表示部が前記グルーエリアに前記表示画像を表示するステップと
を備える地図表示方法。
【請求項17】
前記パスは基準パスと、前記基準パスに接続される延伸パスを有し、
前記基準パスおよび前記延伸パスの位置を用いて、前記基準パスと前記延伸パスとが成す劣角の角度が第1の角度以上であるとき、前記基準パスおよび前記延伸パスの位置のみを表す表示画像を前記地図処理部が作成するステップをさらに備える請求項16に記載の地図表示方法。
【請求項18】
請求項17に記載の前記地図表示方法を地図表示装置に実行させるためのプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、地図における任意の範囲を拡大して表示する地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地図を表示する画面を有し、地図における一部を利用者の要求に応じ拡大縮小して表示する地図表示装置が知られている。拡大縮小部分の配置に応じた形状を有する曲面に地図をマッピングし、これにより得られたマップドイメージを平面状の仮想スクリーンに投影して投影イメージを得る。そして投影イメージを画面に表示することにより、地図の一部を拡大、縮小して表示する(特許文献1)。

【特許文献1】特開2002-56400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この構成によると、画面に表示される地図が歪むことがある。この歪みのために、並行な位置関係にある道路が並行でない位置関係で表示されたり、道路どうしの交わる角度が現実の角度と異なる角度で表示されたりする。これにより、地物どうしの実際の関係を利用者が正確に把握することが困難になる。
【0004】
さらに、拡大縮小される領域とされない領域との縮尺の違いが大きくなると、領域どうしの間に表示される地図の歪みが大きくなる。この歪みにより、道路等のパスを判別することが困難になる。
【0005】
本発明はこれらの問題を鑑みてなされたものであり、拡大縮小される領域とされない領域との間に位置するパスの位置関係を、利用者が把握可能な地図表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願第1の発明による地図表示装置は、地図上における第1の領域を第1の縮尺率で表示するフォーカスエリアと、第1の領域の周辺にある第2の領域を第2の縮尺率で表示するグルーエリアと、第2の領域の周辺にある第3の領域を第1の縮尺率よりも小さな縮尺率である第3の縮尺率で表示するコンテキストエリアとを有する地図表示部と、人間が通行可能、又は交通手段を介して通行可能な経路であるパスの地図上における位置からグルーエリア内におけるパスの位置を表す表示画像を作成する地図処理部とを備え、地図表示部は、グルーエリアに前記表示画像を表示することを特徴とする。
【0007】
地図処理部は、第1の関数を用いて地図上における地物の位置からフォーカスエリア内における地物の位置を算出する第1の算出手段と、第1の関数と異なる第2の関数を用いて地図上における地物の位置からグルーエリア内における地物の位置を算出する第2の算出手段と、第1および第2の関数と異なる第3の関数を用いて地図上における地物の位置からコンテキストエリア内における地物の位置を算出する第3の算出手段とを有することが好ましい。
【0008】
第2の縮尺率は、フォーカスエリアの基準点からの距離によって変化してもよく、第2の縮尺率が第1の縮尺率以下の縮尺率であってもよい。
【0009】
第1の関数は、sf・r (r≦rf)、第2の関数は、g(r-rf) (rf<r<rc)、第3の関数は、g(rc-rf)+sc・(r-rc) (r≧rc)により定められることが好ましい。ここで、前記第1の縮尺率をsf、前記第2の縮尺率をsc、前記フォーカスエリアの中心をOとしたときのOからの距離をr、フォーカスエリアとグルーエリアの境界点からOまでの距離をrf、グルーエリアとコンテキストエリアの境界点からOまでの距離をrcとする。
【0010】
パスに対して重要度が定められ、地図処理部は、所定値以上の重要度が定められているパスの位置のみを表す表示画像を作成してもよい。
【0011】
地図処理部は、フォーカスエリアからコンテキストエリアまでつながるパスの位置のみを表す表示画像を作成することが好ましい。
【0012】
パスは、基準パスと、基準パスに接続される延伸パスとを有し、地図処理部は、基準パスと延伸パスとが成す劣角の角度が第1の角度以上であるとき、基準パスおよび延伸パスの位置のみを表す表示画像を作成することが好ましい。利用者が一般的に有する道なりの概念に最も近いパスリンクを、道なりのパスとして選択できる。
【0013】
パスは、基準パスと、基準パスと接続される中間パスと、中間パスと接続される延伸パスとから成り、基準パスと延伸パスとが成す劣角の角度が第1の角度以上であって、中間パスの長さが第1の長さ以下であるとき、基準パス、延伸パス、および中間パスの位置のみを表す表示画像を地図処理部が作成してもよい。利用者が一般的に有する道なりの概念に最も近いパスリンクを、道なりのパスとして選択できる。
【0014】
パスは、基準パスと、基準パスに接続される延伸パスとを有し、基準パスと延伸パスとが成す劣角の角度が第1の角度以上となるような延伸パスが存在せず、かつ基準パスと延伸パスとが成す劣角の角度が第1の角度よりも小さく、かつ第1の角度より小さい第2の角度以上であるとき、基準パスおよび延伸パスの位置のみを表す表示画像を地図処理部が作成してもよい。道なりの概念に近いパスリンクが存在しない場合、次善のパスリンクを道なりのパスとして選択できる。
【0015】
地図処理部は、前記基準パスと前記延伸パスとの接続点から一定の長さだけ伸びる延伸パスを表す表示画像を作成してもよい。利用者が、交差点の状態を容易に把握できる。
【0016】
基準パスおよび延伸パスにより構成される複数のパスがフォーカスエリアからコンテキストエリアまで伸びるとき、パスどうしを接続する接続パスの位置を表す表示画像を地図処理部が作成することが好ましい。パスどうしの接続関係を利用者が容易に把握できる。
【0017】
グルーエリアに表示される複数のパスの密度が一定値以下であるとき、複数のパスの位置を示す表示画像に、複数のパスどうしを接続する接続パスを加えた表示画像を地図処理部が作成してもよい。グルーエリアに多数のパスが表示されることを防ぎ、パスの位置関係を利用者が容易に把握できる。
【0018】
フォーカスエリアに描画され、フォーカスエリアとグルーエリアとの境界において第1の端部を有する第1のパスと、コンテキストエリアに描画され、コンテキストエリアとグルーエリアとの境界において第2の端部を有する第2のパスと、第1のパスと第2のパスとが連続となるように、第1の端部と第2の端部とが連続な曲線で接続することにより、地図処理部が表示画像を作成してもよい。パスを滑らかに接続することができる。
【0019】
曲線は、第1の端部と第2の端部とを制御点とするベジエ曲線が好適である。パスを滑らかに接続することができる。
【0020】
曲線は、第1、第2、第3、第4の制御点を有するベジエ曲線であり、第1の制御点は第1の端部に設けられ、第2の制御点は、第1のパスと連続となるように第1の端部から延びる、第1のパスの延長線上であって、グルーエリアの間に設けられ、第3の制御点は、第2のパスと連続となるように第2の端部から延びる、第2のパスの延長線上であって、グルーエリアの間に設けられ、第4の制御点は第2の端部に設けられるベジエ曲線であることが好ましい。パスを滑らかに接続することができる。
【0021】
本願第2の発明による地図表示サーバは、地図上における第1の領域を第1の縮尺率で表示するフォーカスエリアと、第1の領域の周辺にある第2の領域を第2の縮尺率で表示するグルーエリアと、第2の領域の周辺にある第3の領域を第1の縮尺率よりも小さな縮尺率である第3の縮尺率で表示するコンテキストエリアとを表示可能な表示画面に対し、人間が通行可能、又は交通手段を介して通行可能な経路であるパスの地図上における位置からグルーエリア内におけるパスの位置を表す表示画像を作成する地図処理部を備えることを特徴とする。
【0022】
本願第3の発明による地図表示方法は、人間が通行可能、又は交通手段を介して通行可能な経路であるパスの地図上における位置を情報記憶部から読み出すステップと、地図上における第1の領域を第1の縮尺率で表示するフォーカスエリアに地図を表示するステップと、第2の領域の周辺にある第3の領域を第1の縮尺率よりも小さな縮尺率である第3の縮尺率でコンテキストエリアに地図を表示するステップと、第1の領域の周辺にある第2の領域を第2の縮尺率で表示するグルーエリアに、パスの地図上における位置を用いて、パスを表示するステップとを備えることを特徴とする。
【0023】
また、パスは基準パスと、基準パスに接続される延伸パスを有し、基準パスおよび延伸パスの位置を用いて、基準パスと延伸パスとが成す劣角の角度が第1の角度以上であるとき、基準パスおよび延伸パスの位置のみを表す表示画像を作成するステップをさらに備えてもよい。利用者が一般的に有する道なりの概念に最も近いパスリンクを、道なりのパスとして選択できる。
本願第4の発明によるプログラムは、前記地図表示方法を地図表示装置に実行させるものである。
【発明の効果】
【0024】
以上のように本発明によれば、拡大縮小される領域とされない領域との間に位置するパスの位置関係を、利用者が把握可能な地図表示装置を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明による地図表示装置における第1の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は地図表示装置110とデータベース121を概念的に示した図である。地図表示装置110とデータベース121は通信回線により接続される。
【0026】
データベース121は、地図情報を記憶する。地図情報は、地図を画像、例えばラスターデータとして表す地図画像データと、パスを位置座標および大きさで表すパスリンクデータとを含む。地図画像データは複数の縮尺率毎に作成される。パスは、道路、鉄道、橋、河川など、人間が通行可能、又は交通手段を介して通行可能な経路である。地図上のパスは、パスリンクと呼ばれる単位に細分化される。パスが道路であるとき、例えば交差点ごとにパスリンクに細分化される。言い換えると、パス、例えば道路、河川、および線路は、パスリンクを複数用いることにより地図上に表示される。
【0027】
図2を用いてパスリンクデータについて説明する。パスリンクデータは、地図の縮尺率ごとに作成される要素定義シート200により定義される。要素定義シート200は、パスリンクを定義するパスリンク定義表211、パスを定義するパス定義表212、およびパスとパスリンクとの対応関係を定義するパス・パスリンク対応表213とから成る。
【0028】
パスリンク定義表211は、パスリンクの各々に割り当てられたパスリンクIDと、要素定義表が対応する縮尺率でパスリンクを表示するときのパスリンク端部の位置座標、大きさ、および形状とを用いて、パスリンクごとに定義される。
【0029】
パス定義表212は、パスごとに定義されるパスID、分類コード及びパス名を関連付ける表である。分類コードは、大項目、中項目及び小項目に分かれて定義され、例えば、大項目は道路又は線路といった種別を示し、中項目は高速道路、または一般道といった種別を示す。パス名は、パスが対応する地物の名称を定義する。
【0030】
パス・パスリンク対応表213は、パスIDとパスリンクパスリンクIDとを対応付ける表である。
【0031】
地図表示装置110は、入力部111、地図検索部112、地図処理部113、および地図表示部114を備える。
【0032】
入力部111は、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置であり、利用者はこれらを用いて地図表示装置110にデータを入力する。
【0033】
地図検索部112は、入力部111を介して入力されたデータに従い、データベース121から地図情報およびパスリンクデータを取得し、地図処理部113に送信する。
【0034】
地図処理部113は、地図処理部113から地図情報およびパスリンクデータを受信し、これらのデータを用いて後述する処理を実行することにより、地図表示部114に表示する表示画像を生成する。
【0035】
図3を用いて地図表示部114について説明する。地図表示部114は、地図上における第1の領域を第1の縮尺率で表示するフォーカスエリア301と、第1の領域の周辺にある第2の領域を第2の縮尺率で表示するグルーエリア302と、第2の領域の周辺にある第3の領域を第1の縮尺率よりも小さな縮尺率である第3の縮尺率で表示するコンテキストエリア303とを有し、地図処理部113から表示画像を受信して地図およびパスのいずれか一方、もしくは両方を各エリアに表示する。グルーエリア302は、コンテキストエリア303とフォーカスエリア301の間をつなぐ領域である。コンテキストエリアの外縁にも設けられ得る。地図表示部114は、複数のコンテキストエリア、フォーカスエリア、およびグルーエリアを表示することが可能である。その場合、グルーエリア302は、コンテキストエリア303とフォーカスエリア301の間、2つのコンテキストエリア303どうしの間、又は2つのフォーカスエリア301どうしの間をつなぐ。
【0036】
次に、地図表示装置110が地図をコンテキストエリア303に表示する処理について説明する。
【0037】
利用者が入力部111を用いて所望の地域と所望の縮尺率とを入力すると、入力部111は所望の地域および所望の縮尺率を含むデータを地図検索部112に送信する。データを受信した地図検索部112は、所望の地域を所望の縮尺率で表す地図情報をデータベース121に要求する。地図検索部112は、所望の縮尺率で表された所望の地域に関する地図情報をデータベース121から読み出し、地図処理部113に送信する。地図情報を受信した地図処理部113は、コンテキスト生成処理を実行して地図情報から表示画像を作成し、地図表示部114に送信する。コンテキスト生成処理は、コンテキストエリア303に表示する表示画像を第3の縮尺率で生成する処理である。地図表示部114は、所望の縮尺率で表された所望の地域の地図をコンテキストエリア303に表示する(図3参照)。このとき、地図情報は、地図を表すラスターデータである。
【0038】
次に、フォーカスエリア301およびグルーエリア302に地図を表示する処理について説明する。
【0039】
コンテキストエリア303に表示された地図上における任意の点を利用者が入力部111、例えばマウスを用いてクリックすると、クリックされた点の座標を入力部111が地図検索部112に送信する。座標を受信した地図検索部112は、点の座標を中心とし、かつ所定の半径を有する円形の範囲の地図情報をデータベース121から取得する。所定の半径は、コンテキストエリア303に表示された地図の縮尺率、およびコンテキストエリア303の大きさ等によって決定される。取得された地図情報の縮尺率は、コンテキストエリア303に表示された地図の縮尺率よりも大きい。地図情報は地図検索部112により地図処理部113へ送信される。地図情報を受信した地図処理部113は、フォーカス生成処理を実行してクリックされた点を中心とする円形の表示画像を生成し、地図表示部114に送信する。フォーカス生成処理は、フォーカスエリア301に表示する表示画像を第1の縮尺率を用いて生成する処理である。第1の縮尺率は第3の縮尺率よりも大きい。円形の表示画像はフォーカスエリア301として地図表示部114に表示される。このとき、地図情報は、地図を表すラスターデータである。
【0040】
さらに、地図検索部112は、フォーカスエリア301の周囲であって所定の幅を有するリング状の範囲に存在するパスデータをデータベース121から取得する。このリング状の範囲がグルーエリア302である。そして、地図検索部112は、取得したパスデータを用いてグルー生成処理を行い、グルーエリア302に表示するパス画像を作成する。グルー生成処理は、グルーエリア302に表示する表示画像を第2の縮尺率を用いて生成する処理である。パス画像は、コンテキストエリア303に表示されるパスとフォーカスエリア301に表示されるパスとを繋げるように作成される。このパス画像は、地図表示部114に送信され、グルーエリア302に表示される(図3参照)。
【0041】
コンテキストエリア303に表示されるパスとフォーカスエリア301に表示されるパスとを繋げるようにパスをグルーエリア302に表示させることによって、フォーカスエリア301に表示された地図とコンテキストエリア303に表示された地図との連続性を利用者が容易に認識できる。
【0042】
なお、複数のフォーカスエリア301およびグルーエリア302を地図表示部114に表示することも可能である。これにより、利用者は、地図表示部114上において離間する複数の領域を同時かつ詳細に認知することが可能になる。また、複数のフォーカスエリア301の間にコンテキストエリア303とグルーエリア302とを表示することにより、複数のフォーカスエリア301どうしの関係を利用者が直感的に把握することが可能になる。
【0043】
次に、コンテキスト生成処理、フォーカス生成処理、およびグルー生成処理において縮尺率を決定するために用いられる配置関数f(r)について図4を用いて説明する。図4は、配置関数f(r)を用いて変換された表示画像および縮尺率を表す。
【0044】
ra’=f(ra)とすると、配置関数f(r)は、地図上におけるフォーカスエリアの中心点Oから任意の地点Aまでの距離raに応じて、地図表示部114における点Oに対応する点O’から地点Aに対応する点A’までの距離ra’を算出する関数である。
r-scale関数は、中心点Oから距離rの位置における配置関数f(r)の傾きを表し、中心点Oから距離rの位置における地図の縮尺率sを与える。r’-scale関数は、距離r’に対応する距離rの位置における配置関数f(r)の傾きであり、地図表示部114における点O’から距離r’の位置における地図の縮尺率を表す。
【0045】
r-scale関数及びr’-scale関数は、コンテキストエリアにおいて縮尺率が一定となり、かつコンテキストエリアからグルーエリアに入ると単調に減少するように定められる。さらに、グルーエリアにおいて単調に減少した後、フォーカスエリアに一定の距離まで近づくと縮尺率が増加する。そして、グルーエリアとフォーカスエリアとの境界に至るまで単調に増加し、フォーカスエリアに入ると縮尺率が一定となるように定められる。このように縮尺率を定める理由について、以下に説明する。
【0046】
フォーカスエリアの縮尺率は、コンテキストエリアの縮尺率よりも大きい。そのため、地図表示部114におけるフォーカスエリアの大きさは、フォーカスエリアに表示される地図をコンテキストエリアの縮尺率で表示するときの大きさよりも大きい。すなわち、フォーカスエリアに表示される地図をコンテキストエリアの縮尺率で表示したときの領域の外縁からフォーカスエリアの外縁までに位置する地図を、利用者が視認出来なくなる。これを防止するため、その視認出来ない領域をグルーエリアが表示する。さらに、グルーエリアの幅が十分に大きくない場合、視認されない領域はグルーエリアの幅方向に圧縮されて表示、つまり小縮尺率で表示される。そのため、縮尺率はコンテキストエリアからグルーエリアに入ると単調に減少するように定められる。
【0047】
一方、グルーエリアのうちフォーカスエリアに近接する領域ではグルーエリアからフォーカスエリアに向かって縮尺率が単調増加し、フォーカスエリアとグルーエリアとの境界では両者の縮尺率が一致するように定められる。これによりフォーカスエリアとグルーエリアに表示される地物どうしがなめらかに接続され、利用者が容易に地図を認知することができる。
【0048】
配置関数f(r)は、フォーカスエリア、グルーエリア、コンテキストエリアの3種類の領域ごとに設けられる子配置関数から成る。グルーエリアの子配置関数をg(r)、フォーカスエリアとコンテキストエリアの縮尺率をそれぞれsf、scとし、地図座標におけるフォーカスエリアの中心をO、フォーカスエリアとグルーエリアの境界点をrf、グルーエリアとコンテキストエリアの境界点をrcとする。このとき、配置関数f(r)は、以下の式により示される。
【0049】
【数1】
JP0005058905B2_000002t.gif

【0050】
この配置関数f(r)を用いてパスリンクの位置座標を変換することにより、コンテキストエリア、フォーカスエリア、およびグルーエリアにおけるパスリンクの位置を算出することができる。
【0051】
次に、グルーエリアに表示するパスを決定する第1のパス決定処理について図5を用いて説明する。以下、パスの一例として道路を用いる。第1のパス決定処理は、地図表示部114においてグルーエリアの位置が決定した後に地図処理部113により実行される。
【0052】
まず、ステップS501において、グルーエリアに少なくとも一部が存在するパスリンクを示すグルー内パスリンク情報、パスリンクどうしが成す角度を示すパスリンク角度θ、主要道路に該当するパスリンクを示す主要道路情報、およびフォーカスエリアおよびグルーエリアの範囲を示す情報が入力される。主要道路情報は、パスの重要度を示すものであり、パス定義表から取得される。一級河川、新幹線、高速道路等、高規格のパスとなるにつれてパスの重要度が高くなる。
【0053】
次に、ステップS502において、主要道路情報に含まれるパスリンクをDL化して描画集合Sに格納する。パスリンクの始端部と終端部を決定する処理をDL化という。描画集合Sは、グルーエリアに表示されるパスリンクの集合である。
【0054】
次のステップS503では、フォーカスエリアとグルーエリアに跨るパスリンクを、フォーカスエリア内に位置する端部を始端部、グルーエリア内に位置する端部を終端部としてDL化し、描画集合Sおよび候補集合Kに格納する。候補集合Kは、グルーエリアに表示されるパスリンクであって、その端部に接続されるパスリンクがグルーエリアに表示されるかが決定していないパスリンクを集めた集合である。
【0055】
ステップS504では、後述する道なり分類処理が実行される。道なり分類処理は、候補集合Kに格納されたパスリンクと道なりの関係にあるパスリンクをグルー内パスリンク情報から探索して描画集合Sに追加し、道なりの関係にないパスリンクの集合で隣接集合Rを更新する処理であり、地図処理部113において実行される。道なり分類処理には、描画集合S、候補集合K、隣接集合R、グルーエリアに少なくとも一部が存在するパスリンクを示すグルー内パスリンク情報、パスリンクどうしが成す角度を示すパスリンク角度θ、およびフォーカスエリアおよびグルーエリアの範囲を示す情報が渡される。そして、道なり分類処理は、描画集合S、候補集合K、および隣接集合Rを更新して第1のパス決定処理に返す。隣接集合Rは、描画集合Sに属するパスリンクの端部に接する端部を有し、かつ描画集合Sに格納されないパスリンクの集合である。すなわち、描画集合Sに格納されたパスリンクの端部に接する端部を有し、描画集合Sに格納されたパスリンクと道なりの関係にないパスリンクが隣接集合Rに格納される。
【0056】
ステップS505では、グルーエリアを小領域に分割する。分割された各小領域の面積は略等しい。
【0057】
そして、ステップS506からステップS516まで、各小領域に対し小領域ループが実行される。
【0058】
ステップS507では、小領域に占める道路面積の割合rが以下の数式により算出される。
r=(小領域中に存在し、かつ描画集合Sに属する道路の合計面積)/(小領域の面積)
【0059】
ステップS508では、割合rが閾値γよりも小さいか否かが判断される。閾値γは、利用者が指定する数値であり、小領域に占める道路面積の割合の最大値である。割合rが閾値γ以上であるとき、処理はステップS516へ進み、次の小領域に対して小領域ループを実行する。割合rが閾値γよりも小さいとき、処理はステップS509へ進む。
【0060】
ステップS509では、複数のパスリンクを接続して成るパスリンク列の端部に接続される接続パスリンクについて判断する。接続パスリンクのうち、端部が小領域の中にあり、かつ描画集合Sに属さないものを選択する。
【0061】
ステップS510において、パスリンクが選択されたか否かを判断する。パスリンクが選択されなかった場合、処理はステップS511に進む。パスリンクが選択された場合、処理はステップS513へ進む。
【0062】
ステップS511では、端部が小領域の中にあり、かつ隣接集合Rに属するパスリンクを選択する。ステップS509において選択されない場合にステップS511を実行することにより、パスリンク列の端部に接続されるパスリンクを優先的に選択できる。
【0063】
ステップS512において、パスリンクが選択されたか否かを判断する。パスリンクが選択されなかった場合、処理はステップS516に進み、次の小領域に対して小領域ループを実行する。パスリンクが選択された場合、処理はステップS513へ進む。
【0064】
ステップS513では、フォーカスエリアの重心BからパスリンクLの始端Fまで伸びる直線とパスリンクLとが成す角度υが最も小さいパスリンクLを、ステップS509において選択されたパスリンクから1つだけ選択する(図6参照)。選択したパスリンクをパスリンクPとする。角度υが最も小さいパスリンクLを選択することにより、コンテキストエリア方向に伸びる傾向があるパスリンクを選択できる。そのため、パスリンクをDL化するにつれて、フォーカスエリアからコンテキストエリアに向けてパスリンクが伸びやすくなる。
【0065】
ステップS514では、パスリンクPを要素として候補集合Kを作成し、描画集合SにパスリンクPを追加し、隣接集合RからパスリンクPを削除する。
【0066】
ステップS515では、後述する道なり分類処理を実行する。描画集合S、候補集合K、隣接集合R、小領域内に少なくとも一部が存在するパスリンクを示す小領域内パスリンク情報、パスリンクどうしが成す角度を示すパスリンク角度θ、およびフォーカスエリアおよびグルーエリアの範囲を示す情報が道なり分類処理に渡される。そして、道なり分類処理は、描画集合S、候補集合K、および隣接集合Rを更新して第1のパス決定処理に返す。描画集合Sに格納されたパスリンクの端部に接する端部を有し、描画集合Sに格納されたパスリンクと道なりの関係にないパスリンクが隣接集合Rに格納される。
【0067】
ステップS515において道なり分類処理が実行された後、処理はステップS507に戻る。そして、小領域に占める道路面積の割合rが閾値γ以上となるまで、ステップS507からS515までの処理を反復する。これにより、小領域に占める道路面積の割合rが閾値γ以上となるまで、小領域中のパスリンクが描画集合Sに格納される。前述のように描画集合Sに属するパスリンクを地図表示部114に描画することにより、小領域に占める道路面積の割合rが閾値γ以上となる。
【0068】
なお、小領域に占める道路面積の割合rが閾値γ以上となる前に、小領域中において表示すべきパスリンクがなくなった場合、次の小領域に対して処理を実行する。
【0069】
そして、全ての小領域に対して小領域ループを反復した後、ステップS517において描画集合Sを出力して第1のパス決定処理が終了する。
【0070】
これにより、グルーエリア内に存在する全てのパスを表示せず、表示されるパスの密度を利用者の要求に応じて適切に保つことができる(図7参照)。
【0071】
次に道なり分類処理について図8および9を用いて説明する。
【0072】
まず、ステップS701では、描画集合S、候補集合K、隣接集合R、グルーエリアに少なくとも一部が存在するパスリンクを示すグルー内パスリンク情報、パスリンクどうしが成す角度を示すパスリンク角度θ、およびフォーカスエリアおよびグルーエリアの範囲を示す情報を受け取る。
【0073】
次のステップS702では、候補集合Kからパスリンクを1つ選択する。選択されたパスリンクをパスリンクPとし、パスリンクPに対して以下のステップS703からS708までの処理を実行する。
【0074】
ステップS703では、パスリンクPの終端がグルーエリアの外にあるか否かを判断する。以下のステップでは、このパスリンクPの終端に接続されるパスリンクのうち、パスリンクPに対して道なりとなるものを選択する。パスリンクPの終端がグルーエリア外にある場合、パスリンクPの終端に接続されるパスリンクを表示する必要がないため、処理はステップS708に進み、候補集合KからパスリンクPを削除する。パスリンクPの終端がグルーエリア内にある場合、処理はステップS704に進む。
【0075】
ステップS704では、パスリンクPの終端に接するパスリンクの中から、パスリンクPとのパスリンク角度θがαよりも小さく、かつ描画集合Sに含まれないものを選択する。そして、選択されたパスリンクの端部のうちパスリンクPと接する端部を始端として、選択されたパスリンクをDL化して候補集合Kおよび描画集合Sに格納する。すなわち、パスリンクPの終端に接する複数のパスリンクの中から、パスリンクPとのパスリンク角度θがαよりも小さいものを選択する(図9参照)。これにより、利用者が一般的に有する道なりの概念に近いパスリンクを、道なりのパスとして選択できる。
【0076】
次に、ステップS705において、ステップS704の処理において1つ以上のパスリンクが選択されたか否かを判断する。選択された場合、次のステップS706を実行せずにステップS707に進む。選択されなかった場合、次のステップS706を実行する。
【0077】
ステップS706では、パスリンクPの終端に接するパスリンクの中から、パスリンクPとのパスリンク角度θがβよりも小さく、かつ描画集合Sに含まれないものを選択する。そして、選択されたパスリンクの端部のうちパスリンクPと接する端部を始端として、選択されたパスリンクをDL化して候補集合Kおよび描画集合Sに格納する。すなわち、パスリンクPの終端に接する複数のパスリンクの中から、パスリンクPとのパスリンク角度θがβよりも小さいものを選択する(図9参照)。これにより、道なりの概念に近いパスリンクが存在しない場合、次善のパスリンクを道なりのパスとして選択できる。
【0078】
ステップS707では、パスリンクPの終端に接するパスリンクの中から、候補集合Kおよび描画集合Sに格納されなかったパスリンクを選択する。そして、選択されたパスリンクの端部のうちパスリンクPと接する端部を始端として、選択されたパスリンクをDL化して隣接集合Rに格納する。すなわち、パスリンクPの終端に接する複数のパスリンクの中から、パスリンクPとのパスリンク角度θがβ以上であるものを選択する(図9参照)。前述のように、隣接集合Rは第1のパス決定処理において用いられる。
【0079】
なお、DL化されたパスリンクが隣接集合Rに既に格納されていた場合には、新たにDL化されたパスリンクは格納されない。ループ構造を有するパスが重畳して隣接集合Rに格納されることを防ぐ。
【0080】
ステップS708では、候補集合KからパスリンクPが削除される。そして、候補集合Kが空であるか否かをステップS709において判断する。候補集合Kが空でない場合、処理はステップS702に進み、候補集合Kか空になるまでステップS702からS708までの処理を反復する。候補集合Kが空である場合、処理はステップS710に進む。
【0081】
ステップS710では、描画集合S、隣接集合R、および候補集合Kを第1のパス決定処理に返して、道なり分類処理が終了する。
【0082】
これにより、道なりとなるパスを得ることができると共に、道なりとならないパスをも得ることができる。
【0083】
本実施形態によれば、主要なパスだけでなく、小さなパスも表示できる。また、フォーカスエリアからコンテキストエリアに向けてパスリンクを伸ばすことができる。さらに、グルーエリアに表示されるパスの密度を適切に保つことにより、利用者が適切にパスを認知できる。
【0084】
本発明による第2の実施形態について、図10および11を用いて説明する。第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0085】
地図表示装置110の構成は第1の実施形態と同様である。本実施形態による地図表示装置110は、パスリンクの端部に接触するパスリンクがグルーエリア内に存在する限り、パスリンクを描画する処理を行う。すなわち、パスリンクがグルーエリア内で途切れることがない。この処理は、第2の描画パス決定処理により実行される。
【0086】
グルーエリアに表示するパスを決定する第2の描画パス決定処理について、図10を用いて説明する。以下、パスの一例として道路を用いる。第2のパス決定処理は、地図表示部114においてグルーエリアの位置が決定した後に地図処理部113により実行される。
【0087】
まず、ステップS1001において、グルーエリアに少なくとも一部が存在するパスリンクを示すグルー内パスリンク情報、パスリンクどうしが成す角度を示すパスリンク角度θ、主要道路に該当するパスリンクを示す主要道路情報、およびフォーカスエリアおよびグルーエリアの範囲を示す情報が入力される。主要道路情報は、パス定義表から取得される。
【0088】
次に、ステップS1002において、主要道路情報に含まれるパスリンクのうち、互いの端部が接するものどうしをDL化し、新たなパスリンクを作成する。作成されたパスリンクは、描画集合Sに格納される。
【0089】
次のステップS1003では、フォーカスエリアとグルーエリアに跨るパスリンクを、フォーカスエリア内に位置する端部を始端部、グルーエリア内に位置する端部を終端部としてDL化し、描画集合Sおよび候補集合Kに格納する。
【0090】
ステップS1004では、前述の道なり分類処理が実行される。道なり分類処理は、描画集合S、候補集合K、および隣接集合Rを更新して第2のパス決定処理に返す。
【0091】
ステップS1005では、描画集合Sに含まれるパスリンクのうち、互いの端部が接するものどうしをDL化し、新たなパスリンクを作成する。互いの端部が接触するパスリンクどうしを全てDL化し、互いの端部が接触するパスリンクどうしが存在しなくなるまで、新たなパスリンクが作成される。作成されたパスリンクは、描画集合Sに格納される。
【0092】
ステップS1006では、候補集合Kを空にしてから、描画集合Sに含まれるパスリンクを全て候補集合Kにコピーする。
【0093】
ステップS1007からS1011では、候補集合Kに属する全てのパスリンクについて、ステップS1008からS1010までの処理を実行する。この一連の処理は、グルーエリア内において接続されない端部を有するパスリンクを検索するために実行される。例えば、グルーエリア内で行き止まりになっている道路がこれに該当する。
【0094】
ステップS1007では、候補集合Kからパスリンクを1つ選択してパスリンクPとする。
【0095】
ステップS1008では、パスリンクPの終端がグルーエリアの内にあるか否かを判断する。
【0096】
パスリンクPの終端がグルーエリア内にある場合、パスリンクPの端部に接触するパスリンクがないとして、処理はステップS1009に進み、中断集合K’にパスリンクPを格納する。パスリンクPの終端がグルーエリア内にない場合、フォーカスエリアからコンテキストエリアまでパスリンクPが繋がったと考えられるため、処理はステップS1010に進む。
【0097】
ステップS1010では、候補集合KからパスリンクPを削除し、その後のステップS1011では、候補集合Kが空であるか否かを判断する。候補集合Kが空でない場合、処理はステップS1007に戻り、候補集合Kに属する他のパスリンクについて、ステップS1008からS1010を実行する。候補集合Kが空である場合、処理はステップS1012に進む。
【0098】
ステップS1012では、中断集合K’が空であるか否かを判断する。中断集合K’が空でない場合、処理はステップS1013に進む。中断集合K’が空である場合、グルーエリア内で中断、つまり行き止まりとなっているパスが存在しないと考えられるため、処理はステップS1022に進み、更新された描画集合S、隣接集合R、および候補集合Kを出力する。
【0099】
ステップS1013からS1018までの処理では、中断集合K’の端部に接続されるパスリンクが存在するかを探索し、存在する場合にはDL化を行う。ステップS1013では、中断集合K’からパスリンクを1つ選択してパスリンクPとする。
【0100】
ステップS1014では、パスリンクPの端部に隣接する端部を有するパスリンクを、隣接集合Rから選択する。隣接集合Rは、描画集合Sに属するパスリンクの端部に接する端部を有し、かつ描画集合Sに属さないパスリンクの集合である。
【0101】
ステップS1015では、ステップS1014において選択できたか否かを判断する。選択できた場合、処理はステップS1016に進む。選択できない場合、処理はステップS1016を実行せずにステップS1017へ進む。
【0102】
ステップS1016では、フォーカスエリアの重心Bからパスリンクの始端まで伸びる直線とパスリンクとが成す角度υが最も小さいパスリンクを、ステップS509において選択されたパスリンクから1つだけ選択する(図6参照)。選択したパスリンクをパスリンクP’とする。そして、パスリンクP’を描画集合Sおよび候補集合Kに格納する。角度υが最も小さいパスリンクP’を選択することにより、コンテキストエリア方向に伸びる傾向があるパスリンクを選択できる。そのため、パスリンクをDL化していくに従って、フォーカスエリアからコンテキストエリアに向けてパスリンクが伸びやすくなる。
【0103】
ステップS1017では、中断集合K’からパスリンクPを削除する。そして、中断集合K’が空であるか否かをステップS1018において判断する。中断集合K’が空でない場合、処理はステップS1013に進み、中断集合K’か空になるまでステップS1013からS1017までの処理を反復する。中断集合K’が空である場合、処理はステップS1019に進む。
【0104】
ステップS1019では、候補集合Kが空であるか否かを判断する。候補集合Kが空である場合、パスリンクPから伸びるパスリンクが存在しなかったということであるから、処理はステップS1021へ移行して終了する。候補集合Kが空でない場合、パスリンクPから伸びるパスリンクが存在することであるから、ステップS1020において道なり分類処理を実行する。
【0105】
ステップS1020において道なり分類処理を実行することにより、パスリンクPから伸びるパスリンクのうち、利用者が一般的に有する道なりの概念に最も近いパスリンクを道なりのパスとして選択できる。ステップS1020が終了すると、処理はステップS1005に戻る。
【0106】
再度ステップS1005からS1012までの処理を実行し、中断集合K’が空になると、ステップS1022において更新された描画集合S、隣接集合R、および候補集合Kを出力する。これにより、パスリンクPの端部に接続されるパスリンクを描画集合Sおよび候補集合Kに蓄積することができる。
【0107】
そして、描画集合Sに格納されたパスリンクを地図処理部113がグルーエリア内に描画する。
【0108】
ステップS1005以下の処理を繰り返し実行することにより、グルーエリア内に存在するパスリンクどうしを、現実のパスの存在に応じて接続することが可能になる(図11参照)。
【0109】
本発明による第3の実施形態について、図12および13を用いて説明する。第1および第2の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0110】
地図表示装置110の構成は第1の実施形態と同様である。本実施形態による地図表示装置110は、グルーエリア内に存在するパスリンクの端部に接触するパスリンクを1つだけ描画する処理を行う。すなわち、パスリンクが分岐する状態を描画する。この処理は、第3の描画パス決定処理により実行される。
【0111】
グルーエリアに表示するパスを決定する第3の描画パス決定処理について、図12を用いて説明する。以下、パスの一例として道路を用いる。第3のパス決定処理は、地図表示部114においてグルーエリアの位置が決定した後に地図処理部113により実行される。
【0112】
ステップS1201からステップS1217までの処理、およびステップS1222の処理は、第2のパス決定処理におけるステップS1001からステップS1017までの処理、およびステップS1022の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0113】
ステップS1218では、中断集合K’が空であるか否かを判断する。中断集合K’が空でない場合、処理はステップS1213に進み、中断集合K’が空になるまでステップS1213からS1217までの処理を反復する。中断集合K’が空である場合、処理はステップS1219に進む。
【0114】
その後、ステップS1219で処理が終了する。これにより、パスリンクPの端部から伸びるパスリンクを描画集合Sおよび候補集合Kに蓄積することができる。
【0115】
そして、描画集合Sに格納されたパスリンクを地図処理部113がグルーエリア内に描画する。第2のパス決定処理におけるステップS1020の処理、すなわち道なり分類処理を反復しないため、グルーエリア内に存在するパスリンクの端部に接触するパスリンクを1つだけ描画する(図13参照)。
【0116】
本実施形態によれば、パスリンクが分岐する状態をグルーエリアに表示することが可能になる。
【0117】
また、ステップS1216では、角度υが最も小さいパスリンクを選択せずに、ステップS1214で選択された全てのパスリンクを描画集合Sおよび候補集合Kに格納してもよい。これにより、全てのパスリンクを描画できる。
【0118】
本発明による第4の実施形態について、図14および15を用いて説明する。第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0119】
地図表示装置110の構成は第1の実施形態と同様である。本実施形態による地図表示装置110は、グルーエリア内に存在するパスリンクどうしを互いに接続するパスリンクを描画する処理を行う。この処理は、第4の描画パス決定処理により実行される。
【0120】
グルーエリアに表示するパスを決定する第4の描画パス決定処理について、図14を用いて説明する。以下、パスの一例として道路を用いる。第4のパス決定処理は、地図表示部114においてグルーエリアの位置が決定した後に地図処理部113により実行される。
【0121】
ステップS1401からステップS1406までの処理は、第2のパス決定処理におけるステップS1001からステップS1006までの処理と同じであるため、説明を省略する。
【0122】
ステップS1407からS1411では、候補集合Kに属する全てのパスリンクについて、ステップS1408からS1410までの処理を実行する。この一連の処理は、グルーエリア内において接続されない端部を有するパスリンクを検索するために実行される。例えば、グルーエリア内で行き止まりになっている道路がこれに該当する。
【0123】
ステップS1407では、候補集合Kからパスリンクを1つ選択してパスリンクPとする。
【0124】
ステップS1408では、パスリンクP以外の描画集合Sに属するパスリンクとパスリンクPが交わっているか否かを判断する。
【0125】
パスリンクPが他のパスリンクと交わらない場合、処理はステップS1409に進み、中断集合K’にパスリンクPを格納する。これにより、中断集合K’に他のパスリンクと交わらないパスリンクPが集められる。そして、処理はステップS1410に進む。
パスリンクPが他のパスリンクと交わる場合、パスリンクどうしを互いに接続するパスリンクを描画する必要がないため、処理はステップS1410に進み、候補集合KからパスリンクPを削除する。
【0126】
ステップS1411では、候補集合Kが空であるか否かを判断する。候補集合Kが空でない場合、処理はステップS1407に戻り、候補集合Kに属する他のパスリンクについて、ステップS1408からS1410を実行する。候補集合Kが空である場合、処理はステップS1412に進む。
【0127】
ステップS1412からS1416までの処理では、中断集合K’に属するパスリンクの中間点と他のパスリンクとを接続するパスリンクを探索し、発見されたパスリンクを描画集合Sに格納する処理を行う。パスリンクの中間点は中間ノードと呼ばれ、DL化により接続されたパスリンクとパスリンクとの接続点を指す。
【0128】
ステップS1412では、中断集合K’からパスリンクを1つ選択してパスリンクPとする。
【0129】
ステップS1413では、パスリンクPの終端に最も近接する、描画集合Sに属するパスリンクの終端をEとする。
【0130】
ステップS1414では、出発点を中間ノードC、目的地を終端Eとして、公知の経路探索法、例えばダイクストラ法を用いて、中間ノードCから終端Eまでの経路を構成するパスリンクを探索する。そして、得られたパスリンクを描画集合Sに格納する。
【0131】
ステップS1415では、中断集合K’からパスリンクPを削除する。そして、中断集合K’が空であるか否かをステップS1416において判断する。中断集合K’が空でない場合、処理はステップS1412に戻り、中断集合K’か空になるまでステップS1412からS1415までの処理を反復する。中断集合K’が空である場合、全てのパスリンクPが他のパスリンクと交わると考えられるため、処理はステップS1417に進み、更新された描画集合S、隣接集合R、および候補集合Kを出力する。これにより、グルーエリア内に存在するパスリンクどうしを互いに接続するパスリンクを描画集合Sに蓄積することができる。
【0132】
そして、描画集合Sに格納されたパスリンクを地図処理部113がグルーエリア内に描画する。
【0133】
これにより、グルーエリア内に存在するパスリンクどうしを互いに接続するパスリンクを地図表示部114に表示することができる(図15参照)。
【0134】
本実施形態によれば、パスリンクどうしを接続するパスリンクをグルーエリアに表示することが可能になる。
【0135】
本発明による第5の実施形態について、図16から18を用いて説明する。第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0136】
地図表示装置110の構成は第1の実施形態と同様である。本実施形態による地図表示装置110は、フォーカスエリアとグルーエリアとの境界上、およびコンテキストエリアとグルーエリアとの境界上において、パスを滑らかに表示する。このために地図処理部113が行う処理をパス平滑化処理という。以下、パス平滑化処理を用いて、フォーカスエリアとグルーエリアの境界上におけるパスの端点p1と、コンテキストエリアとグルーエリアの境界上におけるパスの端点p4とを接続する実施例について説明する。
【0137】
パス平滑化処理が実行されずに地図表示部114に表示されたパスを図17に示す。フォーカスエリアとグルーエリアとの境界上、およびコンテキストエリアとグルーエリアとの境界上では、地図の縮尺率が変化するため、パスが鋭角的に変化する。この鋭角的な変化を補正するため、パス平滑化処理を実行する。
【0138】
端点p1における、フォーカスエリアに表示されるパスl1の接線をm1とし、端点p4における、コンテキストエリアに表示されるパスl2の接線をm2とする。第1の制御点p2を接線m1上であって、グルーエリアの略中間点に置く。第2の制御点p3を接線m2上であって、グルーエリアの略中間点に置く。そして、第1および第2の制御点p2、p3を制御点として端点p1、p4どうしを接続するベジエ曲線を描画する。
【0139】
パス平滑化処理を実行した後、地図表示部114に表示されたパスを図18に示す。フォーカスエリアとグルーエリアとの境界からコンテキストエリアとグルーエリアとの境界まで、パスはベジエ曲線に従って描画される。そのため、グルーエリアに表示されるパスは滑らかに表示される。
【0140】
本実施形態によれば、縮尺率の変化により生じるパスの歪みが低減される。
【0141】
なお、第1および第2の制御点p2、p3はグルーエリアの略中間点でなくても良く、パスが滑らかに表示されていると利用者が感じる位置であれば良い。
【0142】
第6の実施形態による地図表示システムについて、図19を用いて説明する。第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0143】
地図表示システムは、地図表示サーバ1910とクライアント1930nとから成る。地図表示サーバ1910は、情報記憶部であるデータベース1921、地図検索部1912、地図処理部1913、およびサーバ制御部1914を備える。クライアント1930nは、クライアント制御部1932n、入力部1933n、および地図表示部1931nを備える。地図表示サーバ1910とクライアント1930nはネットワークにより接続される。
【0144】
入力部1933nは、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置であり、利用者はこれらを用いてクライアント1930nにデータを入力する。クライアント制御部1932nは、入力されたデータを地図表示サーバ1910に送信する。
【0145】
サーバ制御部1914は、クライアント1930nから入力データを受信して、地図検索部1912に送信する。地図検索部1912は、受信した入力データに従い、データベース1921から地図情報およびパスリンクデータを取得し、地図処理部1913に送信する。
【0146】
地図処理部1913は、地図検索部1912から地図情報およびパスリンクデータを受信し、これらのデータを用いて前述の処理を実行することにより、地図表示部1931nに表示する表示画像を生成する。そして、サーバ制御部1914が表示画像をクライアント1930nに送信する。
【0147】
地図表示部1931nは、地図上における第1の領域を第1の縮尺率で表示するフォーカスエリアと、第1の領域の周辺にある第2の領域を第2の縮尺率で表示するグルーエリアと、第2の領域の周辺にある第3の領域を第1の縮尺率よりも小さな縮尺率である第3の縮尺率で表示するコンテキストエリアとを有し、地図表示サーバ1910から表示画像を受信して地図およびパスのいずれか一方、もしくは両方を各エリアに表示する。
【0148】
次に、地図表示システムにより、クライアント1930nがコンテキストエリアに地図を表示する処理について説明する。
【0149】
利用者が入力部1933nを用いて所望の地域と所望の縮尺率とを入力すると、所望の地域および所望の縮尺率を含むデータを、ネットワークを介してクライアント制御部1932nが地図表示サーバ1910に送信する。データを受信した地図表示サーバ1910は、サーバ制御部1914を介してデータを地図検索部1912に送信する。地図検索部1912は、所望の地域を所望の縮尺率で表す地図情報をデータベース1921に要求する。地図検索部1912は、所望の縮尺率で表された所望の地域に関する地図情報をデータベース1921から読み出し、地図処理部1913に送信する。地図情報を受信した地図処理部1913は、コンテキスト生成処理を実行して地図情報から表示画像を作成する。サーバ制御部1914は、ネットワークを介してクライアント1930nに表示画像を送信する。データを受信したクライアント1930nは、クライアント制御部1932nを介してデータを地図表示部1931nに送信する。地図表示部1931nは、所望の縮尺率で表された所望の地域の地図をコンテキストエリアに表示する(図3参照)。
【0150】
次に、フォーカスエリアおよびグルーエリアに地図を表示する処理について説明する。
【0151】
コンテキストエリアに表示された地図上における任意の点を利用者が入力部1933n、例えばマウスを用いてクリックすると、クリックされた点の座標を、ネットワークを介してクライアント制御部1932nが地図表示サーバ1910に送信する。データを受信した地図表示サーバ1910は、サーバ制御部1914を介してデータを地図検索部1912に送信する。座標を受信した地図検索部1912は、点の座標を中心とし、かつ所定の半径を有する円形の範囲の地図情報をデータベース1921から取得する。所定の半径は、コンテキストエリアに表示された地図の縮尺率、およびコンテキストエリアの大きさ等によって決定される。取得された地図情報の縮尺率は、コンテキストエリアに表示された地図の縮尺率よりも大きい。地図情報は地図検索部1912により地図処理部1913へ送信される。地図情報を受信した地図処理部1913は、フォーカス生成処理を実行してクリックされた点を中心とする円形の表示画像を生成する。サーバ制御部1914は、ネットワークを介してクライアント1930nに表示画像を送信する。表示画像を受信したクライアント1930nは、クライアント制御部1932nを介して表示画像を地図表示部1931nに送信する。地図表示部1931nは、表示画像をフォーカスエリアに表示する(図3参照)。
【0152】
さらに、地図検索部1912は、フォーカスエリアの周囲であって所定の幅を有するリング状の範囲に存在するパスデータをデータベース1921から取得する。このリング状の範囲がグルーエリアである。そして、地図検索部1912は、取得したパスデータを用いてグルー生成処理を行い、グルーエリアに表示するパス画像を作成する。パス画像は、コンテキストエリアに表示されるパスとフォーカスエリアに表示されるパスとを繋げるように作成される。このパス画像は、サーバ制御部1914によりネットワークを介してクライアント1930nに送信される。パス画像を受信したクライアント1930nは、クライアント制御部1932nを介してパス画像を地図表示部1931nに送信する。地図表示部1931nは、パス画像をグルーエリアに表示する(図3参照)。
【0153】
本実施形態によれば、利用者がネットワークを介して地図を参照することが可能になる。
【0154】
なお、クライアント1930nは3台に限定されない。
【0155】
なお、道なり分類処理において、パスリンクの長さに応じて道なりか否かを判断しても良い。これを判断するため、ステップS703とS704との間において以下の処理を行う。図20を参照して説明する。まず、パスリンクPの終端に接するパスリンクが1つである場合、パスリンクPとの接続点を始端部として、そのパスリンクをDL化し候補集合Kおよび描画集合Sに格納する。そして、ステップS708に進む。パスリンクPの終端に接するパスリンクが1つでない場合、パスリンクPの終端に接するパスリンク-Qの中から、長さlが所定値以下であって、かつ描画集合Sに含まれないパスリンクを選択する。次に、パスリンクの終端に接するパスリンク-Rの中から、パスリンクPとなす角度θが所定値以下であって、かつ描画集合Sに含まれないパスリンクを選択する。そして、選択たパスリンクおよびパスリンクをDL化し、候補集合Kおよび描画集合Sに格納する。そして、選択たパスリンクをパスリンクPとしてステップS704以下の処理を実行する。すなわち、パスリンクPに接続されるパスリンク-Qのうち、長さが短いパスリンクを道なりと判断する。このようなパスリンクが複数ある場合、全てのパスリンクについてこれらの処理を行う。これにより、利用者が一般的に有する道なりの概念に近いパスリンクを、道なりのパスとして選択できる。
【0156】
また、道なり分類処理を実行せずに、重要度の高いパスリンクのみを描画集合Sに格納し、それらのパスリンクのみをグルーエリア2102に表示しても良い(図21参照)。重要度の高いパスリンクは、フォーカスエリアに存在するパスとコンテキストエリアに存在するパスとを接続する。これにより、利用者が重要度の高い道路を容易に認知できる。
【0157】
主要道路情報は、パス定義表から検索されるものでなく、利用者が指定するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】第1の実施形態による地図表示装置の概略を示したブロック図である。
【図2】パスリンクデータのデータ構造を示す図である。
【図3】地図表示部に表示されたフォーカスエリア、グルーエリア、およびコンテキストエリアを示す図である。
【図4】配置関数と縮尺率との関係を示したグラフである。
【図5】第1のパス決定処理を示すフローチャートである。
【図6】角度υを示すフローチャートである。
【図7】グルーエリアに描画されるパスリンクを模式的に示す図である。
【図8】道なり分類処理を示すフローチャートである。
【図9】パスリンクPの終端に接続されるパスリンクを示す図である。
【図10】第2のパス決定処理を示すフローチャートである。
【図11】第2のパス決定処理を用いてグルーエリアに描画されるパスリンクを模式的に示す図である。
【図12】第3のパス決定処理を示すフローチャートである。
【図13】第3のパス決定処理を用いてグルーエリアに描画されるパスリンクを模式的に示す図である。
【図14】第4のパス決定処理を示すフローチャートである。
【図15】第4のパス決定処理を用いてグルーエリアに描画されるパスリンクを模式的に示す図である。
【図16】ベジエ曲線により接続されるパスリンクを模式的に示す図である。
【図17】ベジエ曲線を用いずに接続されるパスリンクを示す図である。
【図18】ベジエ曲線により接続されるパスリンクを示す図である。
【図19】地図表示システムを概略的に示す図である。
【図20】所定値以下のパスリンクが接続されるパスリンクPを模式的に示す図である。
【図21】主要パスのみをグルーエリアに表示した地図表示部を示す図である。
【符号の説明】
【0159】
110 地図表示装置
111 入力部
112 地図検索部
113 地図処理部
114 地図表示部
121 データベース
1910 地図表示サーバ
1911 入力部
1912 地図検索部
1913 地図処理部
1914 サーバ制御部
1921 データベース
1930n クライアント
1931n 地図表示部
1932n クライアント制御部
1933n 入力部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図5】
2
【図8】
3
【図9】
4
【図10】
5
【図12】
6
【図14】
7
【図3】
8
【図4】
9
【図6】
10
【図7】
11
【図11】
12
【図13】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
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