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明細書 :ブロック共重合体からなるナノディスク

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5216995号 (P5216995)
登録日 平成25年3月15日(2013.3.15)
発行日 平成25年6月19日(2013.6.19)
発明の名称または考案の名称 ブロック共重合体からなるナノディスク
国際特許分類 C08J   3/14        (2006.01)
C08F 293/00        (2006.01)
FI C08J 3/14 CER
C08F 293/00
請求項の数または発明の数 10
全頁数 21
出願番号 特願2007-556924 (P2007-556924)
出願日 平成19年2月2日(2007.2.2)
国際出願番号 PCT/JP2007/051760
国際公開番号 WO2007/088957
国際公開日 平成19年8月9日(2007.8.9)
優先権出願番号 2006026944
優先日 平成18年2月3日(2006.2.3)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成22年1月18日(2010.1.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
発明者または考案者 【氏名】藪 浩
【氏名】樋口 剛志
【氏名】下村 政嗣
個別代理人の代理人 【識別番号】100105050、【弁理士】、【氏名又は名称】鷲田 公一
【識別番号】100131587、【弁理士】、【氏名又は名称】飯沼 和人
審査官 【審査官】▲吉▼澤 英一
参考文献・文献 特表2001-515522(JP,A)
特開2004-067883(JP,A)
特開2002-347107(JP,A)
調査した分野 C08J 3/14
C08F 293/00
特許請求の範囲 【請求項1】
2分子のブロック共重合体が主鎖方向に直列してなる基本単位が平面方向に集合して形成されており
厚み1nm~100nm、直径10nm~5μmならびにアスペクト比が1以上であり、
下記式(I)で表される構造を有する
ナノディスク。
【化1】
JP0005216995B2_000017t.gif
式中、( )は2分子のブロック共重合体S1-S2が主鎖方向に直列してなる基本単位を表し、S1は1種のブロック又は2種以上のブロックの集合を表し、S2はS1とは異なるブロックを表し、………はブロック間のファンデルワールス結合を表し、-は共有結合を表し、・・・・・は繰り返しを表し、*にはファンデルワールス結合が存在していてもよく、S1とS2の溶解度パラメータ差が2以上であり、かつS2/(S1+S2)は0.3~0.8である。
【請求項2】
S1がメチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、スチレンスルホン酸、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、ビニルピリジン及びこれらの重合性誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成される1種のブロック又は2種以上のブロックであり、かつS2がスチレン、イソプレン、ブタジエン、ビスフェノールA、ポリイミド、エチレン、プロピレン、α-メチルスチレン、ビニルカルバゾール及びこれらの重合性誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成されるブロックである、請求項1に記載のナノディスク。
【請求項3】
S1がスチレン、イソプレン、ブタジエン、ビスフェノールA、ポリイミド、エチレン、プロピレン、α-メチルスチレン、ビニルカルバゾール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成される1種のブロック又は2種以上のブロックであり、かつS2を構成するモノマー単位がメチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、スチレンスルホン酸、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、ビニルピリジン及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成されるブロックである、請求項1に記載のナノディスク。
【請求項4】
以下の工程a)~c)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のナノディスクの製造方法。
a)式S1-S2で表されるブロック共重合体と該ブロック共重合体に対する良溶媒とを含む高分子溶液に、該良溶媒と相溶する前記ブロック共重合体に対する貧溶媒を添加して混合溶液を調製する工程、ここでS1は1種のブロック又は2種以上のブロックの集合を表し、S2はS1とは異なるブロックを表す、
b)前記混合溶液から良溶媒を除去して前記ブロック共重合体からなるラメラ層構造を有する微粒子を形成させる工程、
c)ラメラ層構造中で互いに隣接するS1間のファンデルワールス力を解消することのできる溶媒中に前記微粒子を置いて、ナノディスクを形成させる工程
【請求項5】
2分子のブロック共重合体が主鎖方向に直列してなる基本単位が平面方向に集合して形成されており、
厚み1nm~100nm、直径10nm~5μmならびにアスペクト比が1以上であり、
下記式(II)で表される構造を有する
ナノディスク
【化2】
JP0005216995B2_000018t.gif
式中、( )は2分子のブロック共重合体S3-S4が主鎖方向に直列してなる基本単位を表し、S3は1種のブロック又は2種以上のブロックの集合を表し、S4は不飽和結合を有するモノマー単位からなるブロックを表し、………はブロック間のファンデルワールス結合を表し、・・・・・・は繰り返しを表し、-は共有結合を表し、XはOsO、RuOまたは式(III)
【化3】
JP0005216995B2_000019t.gif
で表される二官能性エポキシ樹脂とS2を構成するモノマー単位の不飽和結合とによって形成され得る架橋構造を表し、ここでRはビスフェノールA誘導体またはその重合体であり、*にはファンデルワールス結合が存在していてもよく、S4ブロックには架橋構造を有するモノマー単位と架橋構造を有しないモノマー単位とがランダムに存在していてもよく、かつS4/(S3+S4)は0.3~0.8である。
【請求項6】
S3がスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、イソブチレン、クロロスチレン、εカプロラクトン、D-及び/又はL-乳酸、ジメチルシロキサン、ジアセチレンアセチレン及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成されるブロックである、請求項5に記載のナノディスク。
【請求項7】
S4がイソプレンもしくはブタジエンから構成されるブロックである、請求項5に記載のナノディスク。
【請求項8】
以下の工程1)~4)を含む、請求項5に記載のナノディスクの製造方法。
1)式S3-S4で表されるブロック共重合体と該ブロック共重合体に対する良溶媒とを含む高分子溶液に、該良溶媒と相溶する前記ブロック共重合体に対する貧溶媒を添加して混合溶液を調製する工程、ここでS3は1種のブロック又は2種以上のブロックの集合を表し、S4は不飽和結合を有するモノマー単位からなるブロックを表し、
2)前記混合溶液から良溶媒を除去して前記ブロック共重合体からなるラメラ層構造を有する微粒子を形成させる工程、
3)前記微粒子にOsO、RuOまたは式(III)
【化4】
JP0005216995B2_000020t.gif
で表される二官能性エポキシ樹脂を添加してS4間に架橋構造を形成させる工程、ここでRはビスフェノールA誘導体またはその重合体である、
4)ラメラ層構造中で互いに隣接するS3間に生じるファンデルワールス力を解消することのできる溶媒中に前記微粒子を置いて、ナノディスクを形成させる工程
【請求項9】
S3がスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、イソブチレン、クロロスチレン、εカプロラクトン、D-及び/又はL-乳酸、ジメチルシロキサン、ジアセチレンアセチレン及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成される1種のブロック又は2種以上のブロックの集合である、請求項8に記載のナノディスクの製造方法。
【請求項10】
S4がイソプレンもしくはブタジエンから構成されるブロックである、請求項8に記載のナノディスクの製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック共重合体からなるナノディスクとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノテクノロジーと呼ばれる技術分野において、ナノメートルスケールの微粒子(ナノ微粒子)の種々の技術分野への応用、例えば電子材料、光学材料、触媒、バイオテクノロジー、医療あるいは光結晶等が、ここ数年に渡って益々注目されるようになってきた。
【0003】
従来のナノ微粒子、特に有機ポリマーからなるナノ微粒子の製造の殆どは、適当なポリマーを有機溶媒に乳化あるいは分散させて微粒子を形成させる方法に基づいている。この液中でのポリマーの分散を基にする方法では、必然的に微粒子の形状は概ね球状粒子となり、非球形の、特に平板状のナノ微粒子すなわちナノディスクは、単に溶媒中にポリマーを分散するだけでは容易に製造することはできない。
【0004】
平板状のナノ微粒子は、主に写真乳剤の分野において注目されているが、その様な微粒子はいずれもハロゲン化銀、特に塩化銀を有する平板状粒子であり、その構成成分並びに用途は限定的である(例えば特許文献1、特許文献2)。
【0005】
また、特許文献3は熱可塑性樹脂を用いた偏平板形状の有機フィラーとその製造方法を開示しているが、この方法は熱可塑性樹脂を含む層と、該熱可塑性樹脂よりも低い融点を有する熱可塑性樹脂を含む層との少なくとも2層が積層された積層体を繰り返し積層して超多層積層体を形成するなどの複雑な工程を必要とする(特許文献3)。
【0006】

【特許文献1】特開2000-56419(P2000-56419A)
【特許文献2】特開平10-319528
【特許文献3】特開平11-199706
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、写真乳剤などの用途に限定されることなく、幅広い材料からなり、かつ応用性の高いナノディスクと、その製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、特願2004-260844で開示した2種以上の性質の異なる微細領域からなる相分離構造を有する高分子微粒子を基にして、その微粒子の相構造を剥離させることによって、ナノディスクが形成可能であることを見いだし、以下の各発明を完成した。
【0009】
(1)2分子のブロック共重合体が主鎖方向に直列してなる基本単位が平面方向に集合して形成されている、厚み1nm~100nm、直径10nm~5μmならびにアスペクト比が1以上であるナノディスク。
【0010】
(2)下記式(I)で表される構造を有する、(1)に記載のナノディスク:
【化1】
JP0005216995B2_000002t.gif

【0011】
式中、( )は2分子のブロック共重合体S1-S2が主鎖方向に直列してなる基本単位を表し、S1は1種のブロック又は2種以上のブロックの集合を表し、S2はS1とは異なるブロックを表し、………はブロック間のファンデルワールス結合を表し、-は共有結合を表し、・・・・・は繰り返しを表し、*にはファンデルワールス結合が存在していてもよく、S1とS2の溶解度パラメータ差が2以上であり、かつS2/(S1+S2)は0.3~0.8である。
【0012】
(3)S1がメチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、スチレンスルホン酸、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、ビニルピリジン及びこれらの重合性誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成される1種のブロック又は2種以上のブロックであり、かつS2がスチレン、イソプレン、ブタジエン、ビスフェノールA、ポリイミド、エチレン、プロピレン、α-メチルスチレン、ビニルカルバゾール及びこれらの重合性誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成されるブロックである、(2)に記載のナノディスク。
【0013】
(4)S1がスチレン、イソプレン、ブタジエン、ビスフェノールA、ポリイミド、エチレン、プロピレン、α-メチルスチレン、ビニルカルバゾール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成される1種のブロック又は2種以上のブロックであり、かつS2を構成するモノマー単位がメチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、スチレンスルホン酸、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、ビニルピリジン及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成されるブロックである、(2)に記載のナノディスク。
【0014】
(5)(2)~(4)のいずれかのナノディスクが2~100枚重なってなる集積体。
【0015】
(6)以下の工程a)~c)を含む、(2)~(4)のいずれかに記載のナノディスクの製造方法。
【0016】
a)式S1-S2で表されるブロック共重合体と該ブロック共重合体に対する良溶媒とを含む高分子溶液に、該良溶媒と相溶する前記ブロック共重合体に対する貧溶媒を添加して混合溶液を調製する工程、ここでS1は1種のブロック又は2種以上のブロックの集合を表し、S2はS1とは異なるブロックを表す、
b)前記混合溶液から良溶媒を除去して前記ブロック共重合体からなるラメラ層構造を有する微粒子を形成させる工程、
c)ラメラ層構造中で互いに隣接するS1間のファンデルワールス力を解消することのできる溶媒中に前記微粒子を置いて、ナノディスクを形成させる工程。
【0017】
(6)下記式(II)で表される構造を有する、(1)に記載のナノディスク:
【化2】
JP0005216995B2_000003t.gif

【0018】
式中、( )は2分子のブロック共重合体S3-S4が主鎖方向に直列してなる基本単位を表し、S3は1種のブロック又は2種以上のブロックの集合を表し、S4は不飽和結合を有するモノマー単位からなるブロックを表し、………はブロック間のファンデルワールス結合を表し、・・・・・・は繰り返しを表し、-は共有結合を表し、XはOsO、RuOまたは式(III)
【化3】
JP0005216995B2_000004t.gif

【0019】
で表される二官能性エポキシ樹脂とS2を構成するモノマー単位の不飽和結合とによって形成され得る架橋構造を表し、ここでRはビスフェノールA誘導体またはその重合体であり、*にはファンデルワールス結合が存在していてもよく、S4ブロックには架橋構造を有するモノマー単位と架橋構造を有しないモノマー単位とがランダムに存在していてもよく、かつS4/(S3+S4)は0.3~0.8である。
【0020】
(8)S3がスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、イソブチレン、クロロスチレン、εカプロラクトン、D-及び/又はL-乳酸、ジメチルシロキサン、ジアセチレンアセチレン及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成されるブロックである、(7)に記載のナノディスク。
【0021】
(9)S4がイソプレンもしくはブタジエンから構成されるブロックである、(7)に記載のナノディスク。
【0022】
(10)(7)~(9)のいずれかのナノディスクが2~100枚重なってなる集積体。
【0023】
(11)以下の工程1)~4)を含む、(7)~(9)のいずれかに記載のナノディスクの製造方法。
【0024】
1)式S3-S4で表されるブロック共重合体と該ブロック共重合体に対する良溶媒とを含む高分子溶液に、該良溶媒と相溶する前記ブロック共重合体に対する貧溶媒を添加して混合溶液を調製する工程、ここでS3は1種のブロック又は2種以上のブロックの集合を表し、S4は不飽和結合を有するモノマー単位からなるブロックを表し、
2)前記混合溶液から良溶媒を除去して前記ブロック共重合体からなるラメラ層構造を有する微粒子を形成させる工程、
3)前記微粒子にOsO、RuOまたは式(III)
【化4】
JP0005216995B2_000005t.gif

【0025】
で表される二官能性エポキシ樹脂を添加してS4間に架橋構造を形成させる工程、ここでRはビスフェノールA誘導体またはその重合体である、
4)ラメラ層構造中で互いに隣接するS3間に生じるファンデルワールス力を解消することのできる溶媒中に前記微粒子を置いて、ナノディスクを形成させる工程
(12)S3がスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、イソブチレン、クロロスチレン、εカプロラクトン、D-及び/又はL-乳酸、ジメチルシロキサン、ジアセチレンアセチレン及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成される1種のブロック又は2種以上のブロックの集合である、(11)に記載のナノディスクの製造方法。
【0026】
(13)S4がイソプレンもしくはブタジエンから構成されるブロックである、(11)に記載のナノディスクの製造方法。
【発明の効果】
【0027】
本発明のナノディスクの厚みは100nm以下であり、可視領域の光に対して透過性を有する。また、架橋構造部分に金属元素を持たせることことによって、磁性や導電性を有するナノディスク、あるいは触媒作用や高屈折率を有するナノディスクとして利用することが可能である。
【0028】
従って、本発明の高分子微粒子は、微粒子粉体工学、コロイド界面科学、電子材料、光学材料等の広範な分野に応用されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
<ナノディスク>
本発明は、2分子のブロック共重合体が主鎖方向に直列してなる基本単位が平面方向に集合して形成されている、厚み1nm~100nm、直径10nm~5μmならびにアスペクト比が1以上であるナノディスクを提供する。
【0030】
本発明のナノディスクの基本構造を、最も単純な構造である2つのブロックS1とS2とからなるブロック共重合体Aを例にして以下に説明すると共に、模式図を図1に示す。
【0031】
この例におけるナノディスクは、ブロック共重合体Aの2分子が、共重合体の一方の端にあるブロックS2を介して主鎖方向に直列してなる基本単位を有する。2本のブロック共重合体Aを直列につなぎ止めているものは、S2間に生ずるファンデルワールス結合あるいはS2間に形成される架橋構造である。そしてこの基本単位が、主鎖に対して垂直方向(最終的に形成されるナノディスクの面方向に同じ)に集合して、円盤(ディスク)を形成するのである。基本単位同士を前記垂直方向に集合させているものは、一の基本単位におけるS2と他の基本単位におけるS2との間に生ずるファンデルワールス結合である。従って、上記基本単位を構成する2本のブロック共重合体の主鎖方向の長さが概ねナノディスクの厚みを定め、前記垂直方向に集合している基本単位の繰り返し数が、ナノディスクの大きさ(直径)を定めるものとなる。
【0032】
上記に説明されるナノディスクの構造において、基本単位を構成する2本のブロック共重合体を主鎖方向につなぎ止める力がファンデルワールス結合である本発明のナノディスクは、次の式(I)で表すことができる。
【化5】
JP0005216995B2_000006t.gif

【0033】
ここで、式中、( )は2分子のブロック共重合体S1-S2が主鎖方向に直列してなる基本単位であり、………はブロック間のファンデルワールス結合を表し、-は共有結合を表している。また・・・・・・は上記構造が繰り返されていることを示す。*にはファンデルワールス結合が存在していてもよい。
【0034】
また、S1は1種のブロックでも2種以上のブロックの集合であってもよいが、S2はS1とは異なるブロックであり、かつS1とS2の溶解度パラメータ差が2以上であり、基本単位に含まれるS2の比率(S2/(S1+S2))は0.3~0.8である。
【0035】
好ましくは、ブロックS1が、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、スチレンスルホン酸、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、ビニルピリジン及びこれらの重合性誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成される1種のブロック又は2種以上のブロックである場合、S1とは異なりかつ溶解度パラメータ差が2以上であるブロックS2としては、スチレン、イソプレン、ブタジエン、ビスフェノールA、ポリイミド、エチレン、プロピレン、α-メチルスチレン、ビニルカルバゾール及びこれらの重合性誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成されるブロックとすればよい。
【0036】
また、上記の構造において、S1とS2を構成するブロックは互いに置き換えることもできる。すなわち、スチレン、イソプレン、ブタジエン、ビスフェノールA、ポリイミド、エチレン、プロピレン、α-メチルスチレン、ビニルカルバゾール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成される1種のブロック又は2種以上のブロックをS1としてもよい。この場合のS2は、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、スチレンスルホン酸、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、ビニルピリジン及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成されるブロックとすることができる。
【0037】
また、基本単位を構成する2本のブロック共重合体を主鎖方向につなぎ止める力が架橋構造である本発明のナノディスクは、次の式(II)で表すことができる。
【化6】
JP0005216995B2_000007t.gif

【0038】
式中、( )は2分子のブロック共重合体S3-S4が主鎖方向に直列してなる基本単位を表し、………はブロック間のファンデルワールス結合を表し、-は共有結合を表している。また・・・・・・は上記構造が繰り返されていることを示す。*にはファンデルワールス結合が存在していてもよい。
【0039】
S3は1種のブロック又は2種以上のブロックの集合であってよいが、S4は不飽和結合を有するモノマー単位からなるブロックであり、かつS4/(S3+S4)は0.3~0.8である。
【0040】
好ましくは、ブロックS3はスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、イソブチレン、クロロスチレン、εカプロラクトン、D-及び/又はL-乳酸、ジメチルシロキサン、ジアセチレンアセチレン及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれるモノマー単位から構成される1種のブロック又は2種以上のブロックである。またS4はイソプレンもしくはブタジエンから構成されるブロックである。
【0041】
Xは、OsO、RuOまたは式(III)
【化7】
JP0005216995B2_000008t.gif

【0042】
で表される二官能性エポキシ樹脂とS4を構成するモノマー単位の不飽和結合とによって形成され得る架橋構造を表す。ここでRはビスフェノールA誘導体またはその重合体である。OsOあるいはRuOと不飽和結合との反応によって形成される架橋構造は下式のように表すことができる。
【化8】
JP0005216995B2_000009t.gif

【0043】
また、式(III)
【化9】
JP0005216995B2_000010t.gif

【0044】
で表される二官能性エポキシ樹脂と不飽和結合との反応によって形成される架橋構造は、下式にように表すことができる。
【化10】
JP0005216995B2_000011t.gif

【0045】
なお、ブロックS4には架橋構造Xを有するモノマー単位と架橋構造Xを有しないモノマー単位とがランダムに存在していてもよい。
【0046】
上記の基本単位を構成するブロック共重合体S1-S2あるいはS3-S4は、一般的な共重合体の製造方法に従って、それぞれモノマー単位を上記の中から選択して合成することができる。また一部の共重合体、例えばS1がビニルピリジンでS2がスチレンであるブロック共重合体や、S3がスチレンでS4がイソプレンであるブロック共重合体は、米国ポリマーソース社などから市販されており、本発明ではこれら市販のブロック共重合体も使用することができる。
【0047】
また、本発明のナノディスクは、2~100枚が互いに集積して集積体を形成することができ、この集積体もまた本発明として提供される。集積体の模式図を図4に示す。
【0048】
<ナノディスクの製造方法>
本発明は、上記で説明したナノディスクの製造方法も提供する。
【0049】
本発明であるナノディスクの基本単位を構成する2本のブロック共重合体を主鎖方向につなぎ止める力がファンデルワールス力である該ナノディスクの製造方法は、下記の工程a)~c)を含む。
【0050】
a)式S1-S2で表されるブロック共重合体と該ブロック共重合体に対する良溶媒とを含む高分子溶液に、該良溶媒と相溶する前記ブロック共重合体に対する貧溶媒を添加して混合溶液を調製する工程、ここでS1とS2は前記ナノディスクの構造で説明したとおりである、
b)前記混合溶液から良溶媒を除去して前記ブロック共重合体からなるラメラ層構造を有する微粒子を形成させる工程、
c)ラメラ層中で互いに隣接するS1間のファンデルワールス力を解消することのできる溶媒中に前記微粒子を置いて、ナノディスクを形成させる工程。
【0051】
また、本発明であるナノディスクの基本単位を構成する2本のブロック共重合体を主鎖方向につなぎ止める力が架橋構造である該ナノディスクの製造方法は、下記の工程1)~4)を含む。
【0052】
1)式S3-S4で表されるブロック共重合体と該ブロック共重合体に対する良溶媒とを含む高分子溶液に、該良溶媒と相溶する前記ブロック共重合体に対する貧溶媒を添加して混合溶液を調製する工程、ここでS3とS4は前記ナノディスクの構造で説明したとおりである、
2)前記混合溶液から良溶媒を除去して前記ブロック共重合体からなるラメラ層構造を有する微粒子を形成させる工程、
3)前記微粒子にOsO、RuOまたは式(III)
【化11】
JP0005216995B2_000012t.gif

【0053】
で表される二官能性エポキシ樹脂を添加してS4間に架橋構造を形成させる工程、ここでRはビスフェノールA誘導体またはその重合体である、及び
4)ラメラ層中で互いに隣接するS3間に生じるファンデルワールス力を解消することのできる溶媒中に前記微粒子を置いて、ナノディスクを形成させる工程。
【0054】
上記工程a)b)並びに1)2)によって形成される微粒子は、ブロック共重合体S1-S2又はS3-S4(S1~S4は前記の通り、以下同じ)から構成される、表面部にラメラ構造を有する高分子微粒子(以下、ラメラ微粒子とする)である。
【0055】
ラメラ微粒子と工程a)b)並びに1)2)の基本となる、ブロック共重合体からなる高分子微粒子とその製造方法は、特願2004-260844(高分子微粒子及びその製造方法)として特許出願されている。この方法は、ブロック共重合体とこの共重合体に対する溶解性の高い溶媒(良溶媒)とを含む高分子溶液を用意し、かかる良溶媒とは相溶するが前記ブロック共重合体に対する溶解性の低い溶媒(貧溶媒)を前記高分子溶液に加えて両溶媒の混合液を調製した後、良溶媒を選択的に混合液から蒸発等させて除去することで、高分子微粒子を形成する方法である。
【0056】
特願2004-260844に記載された方法で形成される高分子微粒子は、粒径が通常100μm以下、好ましくは10nm~10μmである。またその表面部に、ブロック共重合体のブロック間の物性の相違或いは斥力、より特定的には各ブロック間の斥力に基づいて形成されるラメラ構造を有している。すなわちこのラメラ構造を構成する各層は、ブロック共重合体を構成するブロックがそれぞれ寄り集まって形成されるものである。このラメラ微粒子の一例の模式図を図2に示す。
【0057】
本発明のナノディスクの製造方法における工程a)b)並びに1)2)は、特願2004-260844に記載された方法において、それぞれ前記の特徴を有するブロック共重合体S1-S2並びにS3-S4を利用したものに相当する。上記ブロック共重合体の良溶媒ならびに貧溶媒としては、用いるブロック共重合体の種類、両溶媒の相溶性を考慮して適宜選択し組み合わせればよい。その際、良溶媒としては適当な極性を有し、貧溶媒に比べて低沸点のものを、貧溶媒としては極性の高い溶媒を用いることが好ましい。
【0058】
例えばS1-S2の一方が芳香族炭化水素系ブロックであり、他方が脂肪族炭化水素系ブロックであるブロック共重合体に対する良溶媒としてはテトラヒドロフラン、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、エタノール等が挙げられる。またS3-S4の場合には、良溶媒としてはテトラヒドロフラン、アセトン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
【0059】
高分子溶液中のブロック共重合体の濃度は、S1-S2、S3-S4共に飽和濃度以下であれば特に限定されないが、好ましくは飽和濃度から飽和濃度の1/1 0 0程度の濃度である。
【0060】
これらの良溶媒に対して組み合わせて利用可能な貧溶媒の具体例は、S1-S2の一方が芳香族炭化水素系ブロックであり、他方が脂肪族炭化水素系ブロックであるブロック共重合体に対する貧溶媒としては水あるいはエタノールやブタノール等の低級アルコールが挙げられる。S3-S4の場合も水あるいはエタノールやブタノール等の低級アルコールを貧溶媒として挙げることができる。
【0061】
高分子溶液に添加される貧溶媒の量は、ブロック共重合体の種類、良溶媒の種類並びに製造しようとする微粒子の粒径などを考慮して適宜選択されるが、一般的には高分子溶液の量に対して0.5~10倍の量の貧溶媒を添加ればよい。貧溶媒の添加によって混合液を調製する、換言すれば高分子溶液を貧溶媒の添加によって希釈する操作を行う際の温度は特に限定されず、例えば0~90℃の範囲の任意の温度で行うことができ、好ましくは室温で行うことができる。また、高分子溶液への貧溶媒の添加速度は特に限定されない。
【0062】
上記貧溶媒の添加の後、上記良溶媒を除去、好ましくは蒸発させてブロック共重合体の溶解度を低下させることで、ラメラ微粒子が析出される。図2に示されるように、このラメラ微粒子は、S1ブロックから形成される層とS2ブロックから形成される層とが交互に重なり合った微細構造を有している。
【0063】
上記の工程a)b)並びに1)2)によって調製されるラメラ微粒子の粒径は、良溶媒に溶解した高分子溶液中のブロック共重合体の濃度、及び添加する貧溶媒の量(良溶媒量に対する比率)を調整することによって制御することができる。一般に、高分子溶旅中のブロック共重合体の濃度が高ければ微粒子の粒径は大きくなり、該濃度が低ければ微粒子の粒径は小さくなる。また添加する貧溶媒の量(良溶媒量に対する比率)が多くなれば微粒子の粒径は小さくなり、添加する貧溶媒の量(良溶媒量に対する比率)が少なくなれば微粒子の粒径は大きくなる。また、良溶媒ならびに貧溶媒として互いによく混和する溶媒を選択し、貧溶媒の添加による高分子溶液の希釈を短い時間に均等に行うことによって、粒径分布のより狭い微粒子を製造することができる。
【0064】
ナノディスクの基本単位を構成する2本のブロック共重合体を主鎖方向につなぎ止める力が架橋構造である場合に必要となる工程3)は、OsO、RuOあるいは式(III)
【化12】
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【0065】
で表される二官能性エポキシ樹脂(RはビスフェノールA誘導体またはその重合体)を工程1)2)で形成されたラメラ微粒子に加えて、S4ブロック間に下記式で表される架橋構造を形成させる工程である。
【化13】
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【0066】
この反応工程によって、ラメラ微粒子を構成するブロック共重合体中の不飽和結合が互いに架橋され、基本単位を構成する2分子のブロック共重合体が共有結合によってつなぎ止められることとなる。
【0067】
なお、S4ブロックの不飽和結合の全てが架橋剤によって架橋される必要はなく、S4ブロックには架橋構造が形成されたモノマー単位と架橋構造が形成されていないモノマー単位とがランダムに存在していてもよい。また架橋構造が形成されたモノマー単位と架橋構造が形成されていないモノマー単位の配列ないし順序にも制限はない。従って、S4内部における架橋構造が形成されたモノマー単位と架橋構造が形成されていないモノマー単位はランダムに存在していてよい。
【0068】
OsO、RuOあるいは式(III)
【化14】
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【0069】
で表される二官能性エポキシ樹脂のラメラ微粒子に対する添加量は、工程1)2)で形成されるラメラ微粒子中に存在する不飽和結合に対して、モル比で同程度もしくは過剰量とすればよい。また、架橋構造を形成させる反応には、メチル-5-ノルボネン-2,3-ジカルボン酸無水物、ドデセニルこはく酸無水物、ヨードニウムカチオン系硬化剤等の硬化剤を、架橋剤に対して0.1%~10%程度添加すればよい。工程3)の架橋形成反応の処理温度や時間等に格別の制限はないが、好ましくは20℃~100℃で0.05時間~10時間の範囲で設定することができる。
【0070】
本発明の方法における工程c)並びに4)は、上記工程a)b)あるいは工程1)~3)により調製され貧溶媒中に分散しているラメラ微粒子を、あるいは該貧溶媒から遠心分離操作等によって回収して再び適当な溶媒に分散させたラメラ微粒子を、ラメラ層中で互いに隣接するS1間あるいはS3間のファンデルワールス力を解消することのできる溶媒中に置いて、ナノディスクを形成させる工程である。ラメラ微粒子のラメラ層は、前記溶媒にラメラ微粒子が置かれることで、S1ブロック間あるいはS3ブロック間に生じていたファンデルワールス結合が解かれることになり、S1ブロックあるいはS3ブロックから形成される層がその中間から分離されることになる。その結果、ラメラ微粒子から先に説明した本発明のナノディスクが生じる。ラメラ微粒子から本発明のナノディスクが形成される過程の模式図を図3に示す。
【0071】
工程c)で用いられるS1間のファンデルワールス力を解消することのできる溶媒溶媒としては、工程a)で利用した良溶媒を利用すればよい。例えば、S1ブロックがスチレンの様な芳香族炭化水素系のブロックである場合には、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。特にテトラヒドロフランの利用が好ましい。また、S1ブロックが脂肪族炭化水素系のブロックである場合には、テトラヒドロフラン、アセトン、ジオキサン等が挙げられる。
【0072】
工程4)で用いられるS3間のファンデルワールス力を解消することのできる溶媒溶媒としては、工程1)で利用した良溶媒、例えばテトラヒドロフラン、クロロホルムなどをを利用することができる。
【0073】
また、ラメラ微粒子を工程c)あるいは4)で使用する溶媒中に置いている間、当該溶媒に対して超音波処理や加熱処理を行ってもよい。これらの操作を加えることによって、ラメラ微粒子からのナノディスクの生成を促進することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明のナノディスクを模式的に表した図である。
【図2】本発明の製造法において形成されるラメラ微粒子の構造を模式的に表した図である。
【図3】本発明の製造法によってラメラ微粒子からナノディスクが形成される過程を模式的に表した図である。
【図4】本発明のナノディスクの集積体を模式的に表した図である。
【図5】本発明の製造法によって形成される架橋構造を有するラメラ微粒子の走査型透過電子顕微鏡写真を示す。
【図6】本発明のナノディスクの走査型透過電子顕微鏡写真を示す。
【図7】本発明の製造法によって形成される架橋構造を有するラメラ微粒子の走査型透過電子顕微鏡写真を示す。
【図8】本発明のナノディスクの走査型透過電子顕微鏡写真を示す。
【図9】本発明の製造法によって形成される架橋構造を有するラメラ微粒子及びナノディスクの透過率測定結果を示す。縦軸が透過率を、横軸が波長を、それぞれ示す。

【0075】
以下、実施例により本発明の具体的態様をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0076】
<ナノディスクの製造>
工程a):次式で表されるポリ(スチレン-ブロック-イソプレン)をテトラヒドロフラン(THF、安定剤含有、和光純薬工業製EP級)中に溶解させて、0.20mg/mLの濃度の高分子溶液を調製した。
【化15】
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【0077】
この高分子溶液1mLに対して2mLの純水を加えて混合溶液とした。
【0078】
工程b):上記混合溶液を常圧下、25℃で静置し、THFを蒸発させてラメラ微粒子を形成させた。動的光散乱により形成された微粒子の粒径を測定したところ、450nmであった。
【0079】
工程c):純水中のラメラ微粒子0.2mgに4.0mgの四酸化オスミウムを加え、20℃で120分間反応させた。反応後の微粒子を走査型透過電子顕微鏡(STEM、図5)で観察した。微粒子内部にラメラ状の相分離構造が形成されていることを確認した。
【0080】
工程d):遠心分離(5℃、13000rpm、15分)により微粒子を回収した後、2mLのTHFを加え、超音波(トミー精工社製UD-200、出力50~100W、20分間)を照射した。その後再びSTEMにより観察したところ、厚みが21nm程度、直径が300~500nmのディスク状ブロック共重合体(ナノディスク)を得た(図6)。
【実施例2】
【0081】
工程a)ポリスチレンとポリイソプレンからなるブロック共重合体(Poly(styrene-b-isoprene)、Mn(PSt):141,500、Mn(PI):80,600、Mw/Mn:1.07)をTHFに溶解させて、0.1mg/mlの濃度の高分子溶液を調製した。この高分子溶液1mLに対し2mLの純水を加えて混合溶液とした。
【0082】
工程b)上記混合溶液を常圧下、10℃で静置し、THFを蒸発させてラメラ微粒子を形成させた。
【0083】
工程c)純水中のラメラ微粒子0.2mgに4.0mgの四酸化オスミウムを加え、20℃で120分間反応させ、ポリイソプレンの二重結合部位を架橋・染色した。反応後の微粒子を走査型透過電子顕微鏡(STEM、図7)で観察したところ、微粒子内部に周期55nmのラメラ状相分離構造が形成されていることを確認した。
【0084】
工程d)遠心分離(5℃、12,000rpm、15分)により微粒子を沈殿させ、水分を除去した後、THFを加え、超音波(トミー精工社製UD-200、出力50~100W、20分間)を照射した。その後再びSTEMにより観察したところ、厚みが54nm程度、直径が300~500nmのディスク状ブロック共重合体(ナノディスク)を得た(図8)。
【実施例3】
【0085】
ポリスチレンとポリイソプレンからなるブロック共重合体(Poly(styrene-b-isoprene)、Mn(PSt):17,800、Mn(PI):12,000、Mw/Mn:1.02)をTHFに溶解させて、0.1mg/mLの高分子溶液を調製した。この高分子溶液1mLに対し2mLの純水を加えて混合溶液とした。この常圧下、25℃で静置し、THFを蒸発させてラメラ微粒子を含む微粒子分散液を形成させた。微粒子分散液を全量3mlになるよう水を加えて希釈し、この微粒子分散液の400-700nmの可視光領域における透過率を測定した。
【0086】
その後、全微粒子溶液に四酸化オスミウムを加え、20℃で120分間反応させ、ポリイソプレンの二重結合部位を架橋・染色した。反応後の微粒子を遠心分離(5℃、12,000rpm、15分)により沈殿させ、余剰の四酸化オスミウムを取り除くため純水で2回洗浄を行った。その後、微粒子分散液を全量3mLになるよう調製し、同様に透過率測定を行った。
【0087】
さらに、遠心分離(5℃、12,000rpm、15分)により微粒子を再沈殿させ、水分を除去した後、THFを加え、超音波(トミー精工社製UD-200、出力50~100W)を4時間照射した。その後、このTHF溶液を全量3mlになるよう調製し、同様に透過率測定を行った。
【0088】
その結果、ラメラ微粒子の透過率が25%~50%程であるのに対して、本発明のナノディスクの透過率は95%以上であることが確認された(図9)。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図9】
4
【図5】
5
【図6】
6
【図7】
7
【図8】
8