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明細書 :小動物用生体磁気計測用シールドボックスおよび小動物用生体磁気計測装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5182750号 (P5182750)
公開番号 特開2009-233210 (P2009-233210A)
登録日 平成25年1月25日(2013.1.25)
発行日 平成25年4月17日(2013.4.17)
公開日 平成21年10月15日(2009.10.15)
発明の名称または考案の名称 小動物用生体磁気計測用シールドボックスおよび小動物用生体磁気計測装置
国際特許分類 A61B   5/05        (2006.01)
FI A61B 5/05 A
請求項の数または発明の数 3
全頁数 8
出願番号 特願2008-085063 (P2008-085063)
出願日 平成20年3月28日(2008.3.28)
審査請求日 平成23年3月17日(2011.3.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
発明者または考案者 【氏名】河合 淳
【氏名】足立 善昭
個別代理人の代理人 【識別番号】100095511、【弁理士】、【氏名又は名称】有近 紳志郎
審査官 【審査官】湯本 照基
参考文献・文献 特開2007-313143(JP,A)
特開2006-340936(JP,A)
特開2002-136496(JP,A)
特開平05-264693(JP,A)
特開2007-311523(JP,A)
調査した分野 A61B 5/05
特許請求の範囲 【請求項1】
磁気・電波シールド材料製であり且つ小動物(S)を内部に収容しうる内容器(1)と、前記内容器(1)を内部に収容する磁気シールド材料製の外容器(2)とからなり、前記内容器(1)は小動物(S)を出し入れ可能な内容器開口(1a)を有し、前記外容器(2)は小動物(S)を出し入れ可能な外容器開口(2a)を有し且つ回転して前記内容器開口(1a)と外容器開口(2a)とが重なる位置および重ならない位置のいずれをもとりうる構造であり、前記外容器の回転の中心軸を上下方向とした小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)と、前記小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)の下に設置されたデュワ(51)と、前記デュワ(51)から上方へ突出し前記小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)の底部を突き抜けて前記小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)の中央辺りまで突出した外径10cm以下のセンサ管(52)と、前記センサ管(52)の先端部に設置された超伝導磁気センサ(53)と、前記センサ管(52)の先端近傍に小動物を置くための小動物支持手段(60)とを具備し、前記小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)の内部に伏臥姿勢で載置した小動物の心磁を該小動物の胸側から測定可能としたことを特徴とする小動物用生体磁気計測装置(100)
【請求項2】
請求項1に記載の小動物用生体磁気計測装置(100)において、前記小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)の前記内容器(1)および外容器(2)が円筒形であり、同心に置かれることを特徴とする小動物用生体磁気計測装置(100)
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の小動物用生体磁気計測装置(100)において、前記小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)の前記内容器開口(1a)および前記外容器開口(2a)の面積が5cm×5cmよりも大きいことを特徴とする小動物用生体磁気計測装置(100)
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、小動物用生体磁気計測用シールドボックスおよび小動物用生体磁気計測装置に関し、さらに詳しくは、構成を簡単化することが出来る小動物用生体磁気計測用シールドボックスおよび小動物用生体磁気計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マウスのような小動物の心磁や脳磁を測定するのに適した構成の小動物用生体磁気計測装置が知られている(例えば、特許文献1、2、3参照。)。

【特許文献1】特開2007-313143号公報
【特許文献2】特開2007-313147号公報
【特許文献3】特開2007-313152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の小動物用生体磁気計測装置では、計測対象の小動物を収容する小動物室が磁気・電波をシールドするシールドボックスになっており、観音開きの扉が設けられていた。
しかし、シールドボックスに観音開きの扉を設けるのは、構成が複雑になる問題点があった。
そこで、本発明の目的は、構成を簡単化することが出来る小動物用生体磁気計測用シールドボックスおよび小動物用生体磁気計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の観点では、本発明は、磁気・電波シールド材料製であり且つ小動物(S)を内部に収容しうる内容器(1)と、前記内容器(1)を内部に収容する磁気シールド材料製の外容器(2)とからなり、前記内容器(1)は小動物(S)を出し入れ可能な内容器開口(1a)を有し、前記外容器(2)は小動物(S)を出し入れ可能な外容器開口(2a)を有し且つ回転して前記内容器開口(1a)と外容器開口(2a)とが重なる位置および重ならない位置のいずれをもとりうることを特徴とする小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)を提供する。
上記構成において「小動物」とは、体重が7kg以下の動物を意味する。
上記第1の観点による小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)では、外容器(2)を回転して内容器開口(1a)と外容器開口(2a)とが重なる位置にすると、両開口(1a,2a)を通して外部から内容器(1)の内部にアクセスでき、例えば小動物(S)を内容器(1)の内部に入れたり、内容器(1)の内部から出したりすることが出来る。また、外容器(2)を回転して内容器開口(1a)と外容器開口(2a)とが重ならない位置にすると、磁気・電波が外部から内容器(1)の内部までほとんど入らなくなり、外部ノイズに妨げられずに内容器(1)の内部で微弱な磁気を計測することが出来る。そして、観音開きの扉を設けないから、構成を簡単化することが出来る。
【0005】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点による小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)において、前記内容器(1)および外容器(2)が円筒形であり、同心に置かれることを特徴とする小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)を提供する。
上記第2の観点による小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)では、外容器(2)を円筒形の中心軸で回転することにより、内容器開口(1a)と外容器開口(2a)とが重なる位置と重ならない位置とを容易に切り替えることが出来る。
【0006】
第3の観点では、本発明は、前記第1または第2の観点による小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)において、前記内容器開口(1a)および前記外容器開口(2a)の面積が5cm×5cmよりも大きいことを特徴とする小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)を提供する。
上記第3の観点による小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)では、内容器開口(1a)および外容器開口(2a)を通してマウスを内容器(1)の内部に入れたり、内容器(1)の内部から出したりすることが出来る。
【0007】
第4の観点では、本発明は、前記第1から第3のいずれかの観点による小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)と、前記小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)の下または上に設置されたデュワ(51)と、前記デュワ(51)から突出し前記小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)の底部または天部を突き抜けて前記小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)の中央辺りまで突出した外径10cm以下のセンサ管(52)と、前記センサ管(52)の先端部に設置された超伝導磁気センサ(53)と、前記センサ管(52)の先端近傍に小動物を置くための小動物支持手段(60)とを具備したことを特徴とする小動物用生体磁気計測装置(100)を提供する。
上記第4の観点による小動物用生体磁気計測装置(100)では、小動物生体磁気計測用シールドボックス(10)の内部でマウスのような小動物(S)の心磁や脳磁を好適に測定できる。なお、センサ管(52)の外径を10cm以下とするのは、センサ管を通す孔を通じてデュワ(51)側からノイズが侵入するのを抑制するためである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の小動物生体磁気計測用シールドボックスによれば、観音開きの扉を設けないから、構成を簡単化することが出来る。
また、本発明の小動物用生体磁気計測装置によれば、マウスのような小動物の心磁や脳磁を好適に測定できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
図1は、実施例1に係る小動物生体磁気計測用シールドボックス10を示す正面図である。図2は、図1のA-A’断面図である。
この小動物生体磁気計測用シールドボックス10は、磁気・電波シールド材料製であり且つマウスのような小動物を内部に収容しうる内容器1と、内容器1を内部に収容する磁気・電波シールド材料製の外容器2とからなる。
磁気・電波シールド材料は、2層のパーマロイと1層の銅板の積層材からなる。
【0011】
内容器1は、天井および床を有する円筒形であり、小動物を出し入れ可能な内容器開口1aを側面部に有している。
内容器1の外径は例えば500mm、高さは例えば500mm、肉厚は例えば3mmである。
【0012】
外容器2は、天井を有し床を有しないシルクハット状の外容器筒体2bと、外容器筒体2bと別体であり且つ外容器2の床となる外容器底板2cとからなる。外容器筒体2bを外容器底板2cの上に置けば、外容器2は、天井および床を有する円筒形となる。
外容器筒体2bは、小動物を出し入れ可能な外容器開口2aを側面部に有している。
外容器2の外径は例えば600mm、高さは例えば600mm、肉厚は例えば0.5mmである。
なお、シールド効果上、内容器1の周壁と外容器2の周壁の間に10mm~100mmの空隙を空けるのが好ましい。
【0013】
図1,図2に示すように、内容器1と外容器2とは同心に配置され、内容器開口1aと外容器開口2aとが重なる位置をとりうる。
【0014】
他方、図3,図4に示すように、円筒形の中心軸で外容器筒体2bを回転させれば、内容器開口1aと外容器開口2aとが重ならない位置にすることが出来る。
【0015】
図5は、内容器1の断面図である。図6は、図5のB-B’断面図である。
内容器1の床には、センサ挿入孔1dと、配線孔1eが穿設されている。
内容器開口1aの面積は、少なくともマウスを通すために5cm×5cmより大きい。また、外容器2の周壁で十分に塞がれるようにするため、内容器開口角度θ1は、120度よりも小さくされる。
【0016】
図7は、外容器2の断面図である。図8は、図7のB-B’断面図である。なお、図8では、外容器筒体2bと外容器底板2cとを分離して示している。
外容器開口2aの面積は、少なくともマウスを通すために5cm×5cmより大きい。また、内容器2の周壁で十分に塞がれるようにするため、外容器開口角度θ2は、120度よりも小さくされる。
【0017】
例えば内容器開口角度θ1を90度とし、外容器開口角度θ2を90度とすると、開口1a,2aが重ならない位置においたとき、開口1a,2aの両側90度の角度範囲では、内容器1の周壁および外容器2の周壁の二重シールドになる。
【0018】
外容器底板2cには、センサ挿入孔2dと、配線孔2eが穿設されている。また、内容器1を支持するための内容器支持台2fが設置されている。さらに、外容器筒体2bの位置を規制するための筒体ガイド2gが設置されている。
【0019】
図9は、小動物生体磁気計測用シールドボックス10を用いた小動物用生体磁気計測装置100を示す正面図である。なお、小動物生体磁気計測用シールドボックス10は断面で示している。
この小動物用生体磁気計測装置100は、小動物生体磁気計測用シールドボックス10と、小動物生体磁気計測用シールドボックス10の下に設置されたデュワ台50と、デュワ台50内に設置されたデュワ51と、デュワ51から上方へ突出しデュワ台50の天井から小動物生体磁気計測用シールドボックス10の外容器2および内容器1の床を突き抜けて内容器1の中央辺りまで突出した外径6cmのセンサ管52と、センサ管52の先端部に設置された超伝導磁気センサ53と、内容器1の内部に設置されたXYZステージ60と、XYZステージ60に置かれた小動物Sに光や音の刺激を与えるための刺激付与装置61と、刺激付与装置61からデュワ台50へと導出された配線62と、超伝導磁気センサ53や刺激付与装置61を駆動する電子回路を含むと共に超伝導磁気センサ53からの信号を処理し生体磁気情報を抽出する情報処理装置70とを具備している。
【0020】
デュワ台50は、1層のパーマロイと1層のアルミ板の積層材からなる磁気・電波シールドで囲繞されている。
【0021】
センサ管52は、フッ素樹脂製である。
【0022】
XYZステージ60は、プラスチックや真鍮のような非磁性材料により構成され、センサ管52の先端部が入る孔が中央に穿設されている。
XYZステージ60の上に薄いシートを敷いて小動物Sを置き、ツマミを操作してXYZステージ60を上下・前後・左右に移動し、小動物Sと超伝導磁気センサ53の位置関係を調整する。
【0023】
情報処理装置70は、小動物Sの心磁や脳磁を測定し、データを記録し、ディスプレイに表示する。脳磁を測定するときは、刺激付与装置61により小動物Sに刺激を与える。
【0024】
実施例1の小動物生体磁気計測用シールドボックス10によれば、観音開きの扉を設けないから、構成を簡単化することが出来る。
また、実施例1の小動物用生体磁気計測装置100によれば、マウスのような小動物Sの心磁や脳磁を好適に測定できる。
【実施例2】
【0025】
図10に示すように、小動物生体磁気計測用シールドボックス10を跨ぐようにデュワ室支持台55を置き、デュワ室支持台55の上にデュワ室56を設置し、デュワ室56内のデュワ51からセンサ管52を下方へ突出しデュワ室56の床から小動物生体磁気計測用シールドボックス10の外容器2および内容器1の天井を突き抜けて内容器1の中央辺りまで突出させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
例えばマウスのような小動物から発せられる磁場を測定するのに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例1に係る小動物生体磁気計測用シールドボックスを示す正面図(内容器開口と外容器開口が重なっている状態)である。
【図2】図1のA-A’断面図である。
【図3】実施例1に係る小動物生体磁気計測用シールドボックスを示す正面図(内容器開口と外容器開口が重なっていない状態)である。
【図4】図3のA-A’断面図である。
【図5】内容器を示す断面平面図である。
【図6】図5のB-B’断面図である。
【図7】外容器を示す断面平面図である。
【図8】図7のB-B’断面図である。
【図9】実施例1に係る小動物用生体磁気計測装置を示す一部破断正面図である。
【図10】実施例2に係る小動物用生体磁気計測装置を示す一部破断正面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 内容器
1a 内容器開口
2 外容器
2a 外容器開口
2b 外容器筒体
2c 外容器床板
10 小動物生体磁気計測用シールドボックス
51 デュワ
52 センサ管
53 超伝導磁気センサ
60 XYZステージ
70 情報処理装置
100 小動物用生体磁気計測装置
S 小動物
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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【図9】
8
【図10】
9