TOP > 国内特許検索 > 光スイッチアレイ > 明細書

明細書 :光スイッチアレイ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4926768号 (P4926768)
公開番号 特開2008-224534 (P2008-224534A)
登録日 平成24年2月17日(2012.2.17)
発行日 平成24年5月9日(2012.5.9)
公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
発明の名称または考案の名称 光スイッチアレイ
国際特許分類 G01D   5/353       (2006.01)
G02B   6/02        (2006.01)
G01V   8/16        (2006.01)
FI G01D 5/353 A
G02B 6/10 C
G01V 9/04 F
請求項の数または発明の数 6
全頁数 12
出願番号 特願2007-065502 (P2007-065502)
出願日 平成19年3月14日(2007.3.14)
審査請求日 平成22年3月12日(2010.3.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】598123138
【氏名又は名称】学校法人 創価大学
発明者または考案者 【氏名】渡辺 一弘
【氏名】佐々木 博幸
【氏名】西山 道子
【氏名】伊藤 優子
個別代理人の代理人 【識別番号】100094053、【弁理士】、【氏名又は名称】佐藤 隆久
審査官 【審査官】岡田 卓弥
参考文献・文献 特開2007-40738(JP,A)
特開2005-338361(JP,A)
特開2003-232702(JP,A)
特開平9-198590(JP,A)
伊藤 優子、外4名,タンデム接続されたヘテロコア光ファイバセンサのLD-PD計測,電子情報通信学会 2006年ソサイエティ大会 講演論文集2,日本,社団法人電子情報通信学会,2006年 9月 7日,p.313
調査した分野 G01D 5/26- 5/38
G01B11/00-11/30
G01K 1/00-19/00
G01J 3/00- 4/04
G01J 7/00- 9/04
G01M11/00-11/08
G01V 8/16
G02B 6/00- 6/036
G02B 6/10
G02B 6/44
G02B26/00-26/08
H03K17/00-17/70
特許請求の範囲 【請求項1】
コアおよびコアの外周に設けられたクラッドを備えた光ファイバと、
伝送する光の一部の外界との相互作用を可能にするセンサ部を有する光スイッチであって、前記光ファイバに光学的に結合して直列に設けられた複数個の光スイッチと、
前記光ファイバの入射端に対してセンサ光を出射する光源と、
複数個の前記光スイッチを介して前記光ファイバの出射端から出射される前記センサ光を検出する受光部と
を有し、
前記光スイッチの状態が変化するときに前記センサ部の近傍部分の光ファイバが形成する形状の曲率半径を変化させる速度が光スイッチごとに異なり、前記センサ光のロス量変化速度が前記光スイッチごとに異なっており、
前記光スイッチ間での前記ロス量変化速度の差が、前記受光部で得られる信号の分解能以上である
光スイッチアレイ。
【請求項2】
前記光スイッチを構成するセンサ部は、前記光ファイバのコア径と異なるコア径を有するヘテロコア部であり、前記光ファイバの中途部に接合されてなる構成である
請求項1に記載の光スイッチアレイ。
【請求項3】
前記光スイッチを構成するセンサ部は、前記光ファイバのコアの屈折率あるいはクラッドの屈折率と同等の屈折率を持つ光透過部材が前記光ファイバの中途部に接合されてなる構成である
請求項1に記載の光スイッチアレイ。
【請求項4】
前記光スイッチの状態に応じた前記センサ部の近傍部分の光ファイバが形成する形状の曲率半径が前記複数個の光スイッチごとに異なり、前記光スイッチの状態に応じた前記センサ光のロス量が前記光スイッチごとに異なっている
請求項1~3のいずれかに記載の光スイッチアレイ。
【請求項5】
前記複数個の光スイッチごとに前記光スイッチを構成するセンサ部の長さが異なり、前記光スイッチの状態に応じた前記センサ光のロス量が前記光スイッチごとに異なっている
請求項1~3のいずれかに記載の光スイッチアレイ。
【請求項6】
前記複数個の光スイッチごとに前記光スイッチを構成するセンサ部の前記コア径が異なり、前記光スイッチの状態に応じた前記センサ光のロス量が前記光スイッチごとに異なっている
請求項2に記載の光スイッチアレイ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は光スイッチアレイに関し、特に、センサ部を有する複数個の光スイッチが光ファイバに直列に設けられた光スイッチアレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバセンサは、建築物のセキュリティシステム用センサや圧力センサなどとして広く用いられている。
【0003】
特許文献1には、FBG(fiber bragg grating)と呼ばれる光ファイバセンサについて記載されている。
FBGは、光ファイバの伝送路上で、ブラッグの原理に従って特定の波長の光を透過あるいは反射するように構成した可変光学フィルタである。
【0004】
また、非特許文献1には、上記のFBGを光ファイバ上に用いた実験についての報告がなされている。
【0005】
しかし、非特許文献1に記載のようにFBG光ファイバセンサを光ファイバ上に用いた場合、FBGは波長シフトを計測するため、FBGをスイッチとして用いると装置全体が複雑かつ高価になる。
また、FBGは特性が温度に依存するので温度補償も必要で、実際に使用するには種々の課題を克服する必要がある。
【0006】
上記の光ファイバセンサに関して、いわゆるヘテロコア部をセンサとして用いる構成が特許文献2および特許文献3に記載されている。
しかし、特許文献2および特許文献3には、光ファイバセンサを有する複数個の光スイッチの状態を一度に識別することについての記載はない。

【特許文献1】特公表2003-532140号公報
【特許文献2】国際公開97/48994号パンフレット
【特許文献3】特開2003-214906号公報
【非特許文献1】Multifunctional fiber-optics networks for composite structure, Proceedings of SPIE, Vol.5391, pp.741-752
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、複数個のセンサ部を同一の光ファイバ上に設け、各センサ部を有する光スイッチの状態を一度に識別することが困難であるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光スイッチアレイは、コアおよびコアの外周に設けられたクラッドを備えた光ファイバと、伝送する光の一部の外界との相互作用を可能にするセンサ部を有する光スイッチであって、前記光ファイバに光学的に結合して直列に設けられた複数個の光スイッチと、前記光ファイバの入射端に対してセンサ光を出射する光源と、複数個の前記光スイッチを介して前記光ファイバの出射端から出射される前記センサ光を検出する受光部とを有し、前記光スイッチの状態に応じた前記センサ光のロス量または前記光スイッチの状態が変化するときの前記センサ光のロス量変化速度が、前記光スイッチごとに異なっており、前記光スイッチ間での前記ロス量または前記ロス量変化速度の差が、前記受光部で得られる信号の分解能以上である。
【0009】
上記の本発明の光スイッチアレイは、コアおよびコアの外周に設けられたクラッドを備えた光ファイバに、複数個の光スイッチが直列に設けられている。
光スイッチは、伝送する光の一部の外界との相互作用を可能にするセンサ部を有し、光ファイバに光学的に結合している。
また、光ファイバの入射端に対してセンサ光を出射する光源と、複数個の光スイッチを介して光ファイバの出射端から出射されるセンサ光を検出する受光部とを有する。
ここで、光スイッチの状態に応じたセンサ光のロス量または光スイッチの状態が変化するときのセンサ光のロス量変化速度が、光スイッチごとに異なっている。
さらに、光スイッチ間でのロス量またはロス量変化速度の差が、受光部で得られる信号の分解能以上である。
【0010】
上記の本発明の光スイッチアレイは、好適には、前記光スイッチを構成するセンサ部は、前記光ファイバのコア径と異なるコア径を有するヘテロコア部であり、前記光ファイバの中途部に接合されてなる構成である。
【0011】
上記の本発明の光スイッチアレイは、好適には、前記光スイッチを構成するセンサ部は、前記光ファイバのコアの屈折率あるいはクラッドの屈折率と同等の屈折率を持つ光透過部材が前記光ファイバの中途部に接合されてなる構成である。
【0012】
上記の本発明の光スイッチアレイは、好適には、前記光スイッチの状態に応じた前記センサ部の近傍部分の光ファイバが形成する形状の曲率半径が前記複数個の光スイッチごとに異なり、前記光スイッチの状態に応じた前記センサ光のロス量が前記光スイッチごとに異なっている。
【0013】
上記の本発明の光スイッチアレイは、好適には、前記複数個の光スイッチごとに前記光スイッチを構成するセンサ部の長さが異なり、前記光スイッチの状態に応じた前記センサ光のロス量が前記光スイッチごとに異なっている。
【0014】
上記の本発明の光スイッチアレイは、好適には、前記複数個の光スイッチごとに前記光スイッチを構成するセンサ部の前記コア径が異なり、前記光スイッチの状態に応じた前記センサ光のロス量が前記光スイッチごとに異なっている。
【0015】
上記の本発明の光スイッチアレイは、好適には、前記光スイッチの状態が変化するときに前記センサ部の近傍部分の光ファイバが形成する形状の曲率半径を変化させる速度が光スイッチごとに異なり、前記センサ光のロス量変化速度が前記光スイッチごとに異なっている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光スイッチアレイは、光スイッチの状態に応じたセンサ光のロス量または光スイッチの状態が変化するときのセンサ光のロス量変化速度が、光スイッチごとに異なっており、光ファイバから出射されるセンサ光の測定により、これらの光スイッチの状態を一度に識別することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明のスイッチアレイの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
第1実施形態
図1は本実施形態に係る光ファイバ上に複数個のセンサ部を有する光スイッチが設けられた光スイッチアレイの模式構成図である。
例えば、コアおよびコアの外周に設けられたクラッドを備えた光ファイバ10の光入射端に、半導体レーザや発光ダイオードなどのセンサ光を出射する光源11が設けられ、光出射端に、フォトダイオードやパワーメータなどの光出射端から出射されるセンサ光を検出する受光部12が設けられている。
【0019】
また、例えば、光ファイバ10に光学的に結合して、直列に複数個の光スイッチSW,SW,・・SWが設けられている。
例えば、各光スイッチSW,SW,・・SWは、コアおよびコアの外周に設けられたクラッドを備え、伝送する光の一部の外界との相互作用を可能にするセンサ部SP,SP,・・SPを有している。
また、例えば、受光部12は、複数個の光スイッチSW,SW,・・SWを経たセンサ光を検出する。
ここで、上記の光スイッチにおいて、光スイッチのON/OFFなどの状態に応じたセンサ光のロス量、または光スイッチの状態が変化するときのセンサ光のロス量変化速度が、光スイッチごとに異なっている。
【0020】
上記の光スイッチアレイを構成する光ファイバと光スイッチを構成するセンサ部について説明する。
図2(a)は、本実施形態に係る光スイッチアレイの一つの光スイッチ部分に相当するセンサ部SP近傍の斜視図であり、図2(b)はセンサ部SP近傍の長手方向の断面図である。
例えば、本実施形態に係る光スイッチアレイを構成する1つの光スイッチとして、コア径9μmのシングルモードファイバである一方の光ファイバ20aと他方の光ファイバ20bの間に、センサ部SPが設けられている。
光ファイバ(20a,20b)は、コア21と、その外周部に設けられたクラッド22とを有する。光源から伝送されたセンサ光は、光ファイバの光入射端からコア21に入射され、センサ部SPを経て光出射端のコア21から受光部へと出射される。
【0021】
図2(a)および(b)に示すセンサ部SPは、光ファイバ(20a,20b)のコア径と異なるコア径を有するヘテロコア部3であり、コア31と、その外周部に設けられたクラッド32とを有する。
ヘテロコア部3におけるコア31の径blは、光ファイバ(20a,20b)のコア21の径alより小さく、例えばal=9μm、bl=5μmである。また、ヘテロコア部3の長さclは1mm~数cmであり、例えば1mm程度である。
センサ部SPを構成するヘテロコア部3と光ファイバ(20a,20b)は、長手方向に直交する界面4でコア同士が接合するようにほぼ同軸に、例えば汎用化されている放電による融着などにより、接合されている。
【0022】
図2(a)および(b)に示す光ファイバ(20a,20b)の中途部にヘテロコア型のセンサ部SPが接合されてなる構成において、ヘテロコア部3におけるコア31の径blと光ファイバ(20a,20b)のコア21の径alとが界面4で異なっており、このコア径の差に起因して光の一部のヘテロコア部3のクラッド32へのリークWが発生する。
【0023】
リークWが小さくなるようにコア21とコア31の径の組み合わせを設定すると、大部分の光は再びコア21に入射し、伝送される。コア21とコア31の径の組み合わせによっては、リークWが大きくなり、伝送するセンサ光のロスも大きくなる。リークWが小さくなれば、ロスも小さくなる。
ヘテロコア型のセンサ部において、リークWの大きさ、即ちセンサ光のロス量は、センサ部近傍の光ファイバの屈曲の変化により鋭敏に変化する。
【0024】
例えば、上記の光スイッチにおいては、ONとOFFの状態に応じてセンサ光のロス量を変化させるように、光ファイバの屈曲の程度を2段階に変化させるスイッチ部材が設けられ、光スイッチが構成されている。
【0025】
本実施形態の光スイッチアレイは複数個の光スイッチを有しており、光スイッチのON/OFFなどの状態に応じたセンサ光のロス量または光スイッチの状態が変化するときのセンサ光のロス量変化速度が、光スイッチごとに異なっている。
さらに、光スイッチ間でのロス量またはロス量変化速度の差が、受光部で得られる信号の分解能以上である。
【0026】
以下、光スイッチごとに異なるロス量である場合について説明する。
例えば、3つの光スイッチを有する構成において、第1光スイッチのON/OFFにおけるセンサ光のロス量をk、第2光スイッチのON/OFFにおけるセンサ光のロス量を2k、第3光スイッチのON/OFFにおけるセンサ光のロス量を4kとする。
このとき、センサ光の全ロス量が0の場合には第1~第3スイッチがOFF、全ロス量がkであるときには第1スイッチのみがON、全ロス量が2kであるときには第2スイッチのみがON、全ロス量が3kであるときには第1及び第2スイッチがON、全ロス量が4kであるときには第3スイッチのみがON、全ロス量が5kであるときには第1及び第3スイッチがON、全ロス量が6kであるときには第2及び第3スイッチがON、全ロス量が7kであるときには第1~第3スイッチがON、というように、各光スイッチの状態を一度に識別することが可能である。
例えば、上記のkはセンサ光のロス量の分解能程度に設定できる。分解能は0.1~0.2dB程度であり、例えば上記のk=0.125dBと設定すると、1dB以内の変化で上記の3つの光スイッチの状態を一度に識別できる。
【0027】
本実施形態の光スイッチアレイは、光スイッチの状態に応じたセンサ光のロス量または光スイッチの状態が変化するときのセンサ光のロス量変化速度が、複数個の光スイッチごとに異なっており、センサ光を測定することで、これらの光スイッチの状態を一度に識別することが可能ある。
【0028】
上記においては、光スイッチの状態(全ての光スイッチのON/OFFの組み合わせ)に、受光部の信号が1対1で対応する。複数の光スイッチの状態間で受光部の信号に分解能以下の差しかない場合には、いずれかの光スイッチのON/OFF時のロス量を調整することなどにより、光スイッチの状態に受光部の信号が1対1で対応するようにする。
上記のように、複数個の光スイッチを経たロス量の総計が、全ての光スイッチの状態の組み合わせにおいて、分解能以上の差をもって異なる構成となっているものである。
【0029】
また、光スイッチの状態が変化するときのセンサ光のロス量変化速度を測定する場合には、ロス量の変化が観測されるたびに、いずれの光スイッチの状態が変化したのか1対1で対応させるようにして、光スイッチの状態を識別する。
【0030】
第2実施形態
センサ部SPとしては、第1実施形態に記載の構成以外の構成を採用することも可能である。
図3(a)及び(b)は、本実施形態に係る光スイッチアレイの一部分に相当するセンサ部SP近傍の長手方向の断面図である。
図3(a)では、センサ部SPを構成するヘテロコア部3のコア31の径blが、光ファイバ(20a,20b)のコア21の径alよりも大きな構成となっている。
図3(b)では、ヘテロコア部の代わりに、センサ部SPとして、光ファイバ(20a,20b)のコア21の屈折率あるいはクラッド22の屈折率と同等の屈折率を持つ光透過部材30が光ファイバ(20a,20b)の中途部に接合されてなる構成となっている。
【0031】
第3実施形態
図4~図9は、本実施形態に係る光スイッチを構成するセンサ部の構造を示す模式図である。
本実施形態においては、光スイッチのON/OFFなどの状態に応じたセンサ光のロス量または光スイッチの状態が変化するときのセンサ光のロス量変化速度が、光スイッチごとに異ならせるためのより具体的な構成について説明する。
例えば、図4(a)及び(b)に示すように、光スイッチを構成するヘテロコア型のセンサ部SPの長さl,lが、光スイッチごとに異なっている。
上記のようにセンサ部の長さが異なっていることにより、光ファイバの屈曲の程度が同程度であっても、ON/OFF間でのセンサ光のロス量の変化を光スイッチごとに異ならせることができる。
【0032】
あるいは、例えば、図5(a)及び(b)に示すように、光スイッチを構成するスイッチ部材の移動距離ΔL,ΔLが、光スイッチごとに異なっている。
上記のようにスイッチ部材の移動距離が異なっていることにより、ON/OFF間での光ファイバの屈曲の程度、即ち、センサ部の近傍部分の光ファイバが形成する形状の曲率半径が異なり、センサ光のロス量の変化を光スイッチごとに異ならせることができる。例えば、ONまたはOFF時のスイッチ部材の移動距離ΔL,ΔLが異なることで、そのときの光ファイバの曲率半径R,Rが異なる。
【0033】
図6(a)及び(b)は、上記のようにスイッチ部材の移動距離が異なっていることにより光ファイバの曲率半径を異ならせることを可能にする光スイッチの構成の模式図である。
例えば、センサ部SPを挟む位置で光ファイバ20がクランパ13,14で固定されている。一方のクランパ13は固定され、他方のクランパ14は可動構造となっており、押圧部材15で押されると光ファイバが形成する形状の曲率半径を変化させるように移動する。
【0034】
OFF時において、長さLの押圧部材15とクランパ14は距離L’離間している。押圧部材15はクランプ14の反対側の面が基準面となっており、スイッチのON/OFF時における基準面の位置が所定の決められた位置となっている。従って、押圧部材15の長さLを変えたときでも、長さL+距離L’は一定となり、OFF時の光ファイバの曲率半径Roffは一定となる。
【0035】
上記の構成において、スイッチをOFFからONとすると、押圧部材15がΔAだけクランパ14側に移動し、クランパ14を押圧して移動させる。このときのクランパ14の移動距離ΔBは、ΔA-L’に相当する距離となる。
従って、ΔAが一定であったとしても、押圧部材15の長さLを長くするとL’が小さく、ΔBは大きくなる。逆に、押圧部材15の長さLを短くするとL’が大きく、ΔBは小さくなる。ここで、上記の押圧部材15の長さを変えることでクランパ14の移動距離ΔBを変化させることが可能となるので、したがってON時の曲率半径Ronは、押圧部材15の長さを短くするほど大きくなり、押圧部材15の長さを長くするほど小さくなる。
【0036】
あるいは、例えば、図7(a)及び(b)に示すように、光スイッチを構成するヘテロコア型のセンサ部SPのコア径(B,B)が異なる。あるいは、センサ部と光ファイバのコア径比(B/A,B/A)が異なる。
上記のようにコア径またはコア径比が異なっていることにより、光ファイバの屈曲の程度が同程度であっても、ON/OFF間でのセンサ光のロス量の変化を光スイッチごとに異ならせることができる。
【0037】
あるいは、例えば、図8(a)及び(b)に示すように、上記の光スイッチのOFFからON(あるいはONからOFF)に状態が変化するときのセンサ光のロス量変化速度が、光スイッチごとに異なっており、これによって、一定量のロス量が変化するのにかかる時間T,Tが異なる。
上記のスイッチ部材の状態がOFFからON(あるいはONからOFF)に変化するときのスイッチ部材の移動速度を異ならせることにより、ON/OFF間での状態の変化速度が異なり、センサ光のロス量の変化速度を光スイッチごとに異ならせることができる。
【0038】
図9(a)及び(b)は、上記のスイッチ部材の移動速度が異なっていることにより、センサ光のロス量の変化速度を異ならせることを可能にする光スイッチの構成の模式図である。
例えば、センサ部SPを挟む位置で光ファイバ20がクランパ13,14aで固定されている。一方のクランパ13は固定され、他方のクランパ14aは可動構造となっており、押圧部材15aで押されると光ファイバが形成する形状の曲率半径を変化させるように移動する。
ここで、クランパ14aと押圧部材15aは、クランパ14aの移動方向とに対して角度αで傾きを有する面14bと、押圧部材15aの同じ角度αで傾いた面15bとで接し、押圧部材15aはクランパ14aの移動方向に直行する方向に移動する構成である。従って、押圧部材15aが移動すると、面14bと面15bとですべり、クランパ14aが押圧部材15aの移動方向と直行する方向に押され、移動する。
【0039】
OFFからONにスイッチの状態を変化させるとき、押圧部材15aの移動速度が一定であるとすると、上記の傾きαに応じてクランパ14aの移動速度、即ち、センサ光のロス量の変化速度が変わってくる。従って、傾きαを大きくすると、センサ光のロス量の変化速度が遅くなり、傾きαを小さくすると、センサ光のロス量の変化速度が早くなる。
【0040】
本実施形態の光スイッチアレイは、光スイッチの状態に応じたセンサ光のロス量または光スイッチの状態が変化するときのセンサ光のロス量変化速度が、複数個の光スイッチごとに異なっており、センサ光を測定することで、これらの光スイッチの状態を一度に識別することが可能ある。
【0041】
本発明は上記の説明に限定されない。
例えば、上記のおいては1つの光スイッチがON/OFFの2値のスイッチである場合について説明しているが、3値以上の多値スイッチであってもよい。この場合には、各光スイッチの値に応じて、光ファイバの屈曲の程度を多段階に変化させるスイッチ部材が設けられ、光スイッチが構成されている。また、いずれの光スイッチの状態においても、センサ光が受光部の分解能以上の差をもって1対1で対応するように設定する。
光ファイバ部分の長さについては特に限定はなく、1m以下でもよく、数kmでも対応できる。光ファイバ部分を長くすることで、広い領域に点在する光スイッチの状態を一度に識別することが可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の光スイッチアレイは、セキュリティシステム、環境モニタリングシステム、建造物モニタリングシステムなどを構築する光ファイバを利用したセンサアレイとして適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は本発明の第1実施形態に係る光ファイバ上に複数個のセンサ部を有する光スイッチが設けられた光スイッチアレイの模式構成図である。
【図2】図2(a)は、本発明の第1実施形態に係る光スイッチアレイの一つの光スイッチ部分に相当するセンサ部SP近傍の斜視図であり、図2(b)はセンサ部SP近傍の長手方向の断面図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、本発明の第2実施形態に係る光スイッチアレイの一部分に相当するセンサ部SP近傍の長手方向の断面図である。
【図4】図4(a)及び(b)は、本発明の第4実施形態に係る光スイッチの構成をするセンサ部の構造を示す模式図である。
【図5】図5(a)及び(b)は、本発明の第4実施形態に係る光スイッチの構成をするセンサ部の構造を示す模式図である。
【図6】図6(a)及び(b)は、本発明の第4実施形態に係る光スイッチの構成をするセンサ部の構造を示す模式図である。
【図7】図7(a)及び(b)は、本発明の第4実施形態に係る光スイッチの構成をするセンサ部の構造を示す模式図である。
【図8】図8(a)及び(b)は、本発明の第4実施形態に係る光スイッチの構成をするセンサ部の構造を示す模式図である。
【図9】図9(a)及び(b)は、本発明の第4実施形態に係る光スイッチの構成をするセンサ部の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
【0044】
3…ヘテロコア部
4…界面
10…光ファイバ
11…光源
12…受光部
20a,20b…光ファイバ
21,31…コア
22,32…クラッド
30…光透過部材
SP,SP,SP,…,SP…センサ部
SW,SW,…,SW…光スイッチ
W…リーク
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8