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明細書 :毛乳頭細胞を活性化するためのサイトカイン

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3985046号 (P3985046)
公開番号 特開2006-045098 (P2006-045098A)
登録日 平成19年7月20日(2007.7.20)
発行日 平成19年10月3日(2007.10.3)
公開日 平成18年2月16日(2006.2.16)
発明の名称または考案の名称 毛乳頭細胞を活性化するためのサイトカイン
国際特許分類 C07K  14/52        (2006.01)
A61K   8/00        (2006.01)
A61Q   5/00        (2006.01)
C12N   5/06        (2006.01)
A61P  17/14        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61K  38/00        (2006.01)
FI C07K 14/52 ZNA
A61K 7/06
C12N 5/00 E
A61P 17/14
A61P 43/00 107
A61K 37/02
請求項の数または発明の数 12
全頁数 9
出願番号 特願2004-226985 (P2004-226985)
出願日 平成16年8月3日(2004.8.3)
審査請求日 平成16年8月3日(2004.8.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人 北海道大学
発明者または考案者 【氏名】早川 洋一
【氏名】相沢 智康
【氏名】河野 敬一
【氏名】多田 雅人
個別代理人の代理人 【識別番号】100058479、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100091351、【弁理士】、【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100088683、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 誠
【識別番号】100108855、【弁理士】、【氏名又は名称】蔵田 昌俊
【識別番号】100075672、【弁理士】、【氏名又は名称】峰 隆司
【識別番号】100109830、【弁理士】、【氏名又は名称】福原 淑弘
【識別番号】100084618、【弁理士】、【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100092196、【弁理士】、【氏名又は名称】橋本 良郎
審査官 【審査官】田村 明照
参考文献・文献 特開平05-065296(JP,A)
Biochem.Biophys.Res.Commun., Vol.250,pp.194-199 (1998)
J.Biol.Chem., Vol.276, No.41, pp.37974-37979 (2001)
調査した分野 C07K 14/52
C12N 5/00
A61K 7/06
A61P 17/14
UniProt/Geneseq
JSTPlus(JDream2)
CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN)

特許請求の範囲 【請求項1】
毛乳頭細胞を培養するための培地であって、配列番号1記載のアミノ酸配列からなる化学合成可能なサイトカインを含有することを特徴とする培地。
【請求項2】
毛乳頭細胞を培養するための培地であって、配列番号1記載のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列からなる化学合成可能なサイトカインを含有することを特徴とする培地。
【請求項3】
請求項1または2に記載の培地であって、前記毛乳頭細胞が哺乳動物の毛乳頭細胞である培地
【請求項4】
請求項1または2に記載の培地であって、前記毛乳頭細胞がヒトの毛乳頭細胞である培地
【請求項5】
毛乳頭細胞を増殖させるための細胞増殖剤であって、配列番号1記載のアミノ酸配列からなる化学合成可能なサイトカインを含有することを特徴とする細胞増殖剤。
【請求項6】
毛乳頭細胞を増殖させるための細胞増殖剤であって、配列番号1記載のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列からなる化学合成可能なサイトカインを含有することを特徴とする細胞増殖剤。
【請求項7】
請求項5または6に記載の細胞増殖剤であって、前記毛乳頭細胞が哺乳動物の毛乳頭細胞である細胞増殖剤
【請求項8】
請求項5または6に記載の細胞増殖剤であって、前記毛乳頭細胞がヒトの毛乳頭細胞である細胞増殖剤
【請求項9】
毛乳頭細胞の細胞増殖を誘導して毛髪の状態を良好に保つための養毛剤であって、配列番号1記載のアミノ酸配列からなる化学合成可能なサイトカインを含有することを特徴とする養毛剤。
【請求項10】
毛乳頭細胞の細胞増殖を誘導して毛髪の状態を良好に保つための養毛剤であって、配列番号1記載のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列からなる化学合成可能なサイトカインを含有することを特徴とする養毛剤。
【請求項11】
請求項9または10に記載の養毛剤であって、前記毛乳頭細胞が哺乳動物の毛乳頭細胞である養毛剤
【請求項12】
請求項9または10に記載の養毛剤であって、前記毛乳頭細胞がヒトの毛乳頭細胞である養毛剤
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、毛乳頭細胞に作用するサイトカインに関する。
【背景技術】
【0002】
サイトカインは、タンパク質性のホルモン様物質であり、細胞の増殖、分化、機能発現などの様々な生体の機能を調節している。上皮成長因子(Epidermal Growth Factor, 以下、EGFと略称する)などの増殖因子の発見を端緒に、これまで多種類のサイトカインが、主に哺乳動物から発見されている。一般的に、サイトカインは、そのサイトカインに対応する受容体(サイトカイン受容体)を介して、その受容体を発現する細胞に作用する。
【0003】
毛乳頭細胞は、毛髪の成長に関わる細胞であることから、養毛剤、育毛剤、発毛剤などの薬剤を開発している製薬業界および化粧品業界が注目している細胞である。これまで前記薬剤に使用されてきた活性物質は、植物由来の物質であった。生体において直接的に毛乳頭細胞に作用しているサイトカインは、前記薬剤に使用される活性物質の好ましい形態であると思われる。しかし、毛乳頭細胞に作用するサイトカインに関しては解明されていない点が多く、かかるサイトカインを含有する前記薬剤の開発には至っていない。
【0004】
成長阻害ペプチド(Growth-Blocking Peptide、以下、GBPと略称する)は、カリヤコマユバチ(Cotesia kariyai)に寄生されたアワヨトウ(Pseudaletia separate)の終令幼虫の体液から単離された昆虫のサイトカインである。GBPは、低分子量のペプチドからなるサイトカインであり、当初は鱗翅目昆虫の幼虫の発育を阻害するサイトカインとして公開された(特許文献1)。その後、GBPは、細胞増殖を誘導する作用(ヒトケラチノサイト、昆虫のSf9細胞)、昆虫の血球を活性化させる作用などの複数の作用を示すサイトカインであることが明らかとなった(非特許文献1)。また、GBPを変異させた変異ペプチドの作用なども報告された(非特許文献2)。更に、ヒトケラチノサイトを用いた研究において、GBPはEGFの受容体を介して作用する可能性が報告された(非特許文献3)。
【0005】
本発明は、毛乳頭細胞に対するGBPの新たな用途を見出した。

【特許文献1】特開平5-65296号公報
【非特許文献1】バイオケミカル アンド バイオフィジカル リサーチ コミュニケーションズ(BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONS),250巻,1998年,p.194-199
【非特許文献2】ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY),(米国),276巻,34号,2001年8月24日,p.31813-31818
【非特許文献3】ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY),(米国),276巻,41号,2001年10月12日,p.37974-37979
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
毛乳頭細胞を活性化するためのサイトカインの提供。
【課題を解決するための手段】
【0007】
配列番号1記載のアミノ酸配列からなる化学合成可能な、毛乳頭細胞を活性化するためのサイトカインを提供する。
【発明の効果】
【0008】
化学合成可能で且つ生物に由来する夾雑物の混入が回避または低減された、毛乳頭細胞を活性化するためのサイトカインを提供し得る。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、前記GBPの毛乳頭細胞に対する用途を見出した。従って、本発明によって提供されるサイトカインは、前記GBP及びそのアナログである。以下、本発明により提供されるサイトカインを「本サイトカイン」と称する。
【0011】
本サイトカインが対象とする毛乳頭細胞は、特に限定されないが、好ましくは哺乳動物の毛乳頭細胞、より好ましくはヒトの毛乳頭細胞である。毛根には、毛球というふくらんだ部分があり、その中にある毛母細胞は盛んに分裂をくり返して毛髪を形成している。成長期の毛球の内側には、毛乳頭組織があり、毛髪を成長させる栄養分が毛細血管から送りこまれる。毛髪の成長には、毛乳頭細胞の活性、毛母細胞の増殖が重要な役割を担っている。従って、これらの細胞の細胞増殖を誘導することにより毛髪の状態を良好に保つことが可能である。
【0012】
<本サイトカインの特長>
前記EGFは、アミノ酸50残基程度からなるものである。このような50残基程度のサイトカインを化学合成によって大量に調製することは、現在の技術では不可能である。このような技術的背景から、一般的にサイトカインは、生合成に基づく手段により生産される。その手段の代表的な例として、遺伝子組換え技術を利用し、宿主生物(例えば、宿主となる生物の個体または細胞)に所望のサイトカインを生産させる手段がある。このような生合成に基づく手段により前記サイトカインを生産する場合、生合成された前記サイトカインを、その生物に由来する夾雑物から精製する精製工程が必要となる。しかし、複数の精製工程を施して、生産物中の前記サイトカインの純度を上げても、夾雑物を完全に生産物から除去することは困難である。特に、タンパク質性の夾雑物は、同様にタンパク質であるサイトカインと物理化学的な特性が同じなので、除去することは困難である。以上のように、従来のサイトカインには夾雑物の混入という問題があった。
【0013】
一方、本サイトカインは、低分子量(アミノ酸25残基からなるペプチド)であることを特長とするサイトカインである。25残基のアミノ酸配列からなるペプチドは、化学合成法による合成が可能である。化学合成によりサイトカインを合成できれば、生物に由来する夾雑物の混入を回避または低減できる。
【0014】
以上のように、本サイトカインは、従来のサイトカインの問題を克服したサイトカインである。
【0015】
<本サイトカインの配列>
本サイトカインは、配列番号1記載のアミノ酸配列からなるサイトカインである。
また、本サイトカインは、配列番号1記載のアミノ酸配列からなるサイトカインのアナログ(類似体)であってもよい。前記アナログは、例えば、配列番号1記載のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つ配列番号1記載のアミノ酸配列からなるサイトカインと同じ活性を有するサイトカインであってもよい(このようなサイトカインの例は、例えば上記の非特許文献2などに例示されている)。また、前記アナログは、例えば、これらのサイトカインにおいて、いくつかの官能基が他の官能基で置換され、且つ配列番号1記載のアミノ酸配列からなるサイトカインと同じ活性を有するサイトカインであってもよい(このようなサイトカインの例は、例えば上記の特許文献1などに例示されている)。
【0016】
配列番号1記載のアミノ酸配列は、図1においても示される25残基からなる配列、即ちアミノ酸の一文字表記により、ENFSGGCVAGYMRTPDGRCKPTFYQで表される配列である。
【0017】
<本サイトカインの調製>
本サイトカインは、当業者であれば、例えばt-Boc法、F-moc法などの公知のペプチドの化学合成法に従って合成することができる。また、本サイトカインは、上記の特許文献1の記載にしたがって合成することも可能である。更に、本サイトカインは、ペプチドを化学合成する会社に委託して合成することも可能である。
【0018】
<本サイトカインの作用>
本サイトカインは、毛乳頭細胞を活性化する。
本発明において「活性化」の用語は、毛乳頭細胞に関して用いられる場合、細胞増殖を誘導することを意味する。また、本発明において「細胞増殖」の用語は、他に特に説明がない場合、本サイトカインの作用(または存在)する条件下で毛乳頭細胞の細胞分裂を生じ、本サイトカインが作用(または存在)しない条件下と比較して細胞数が増加することを意味している。細胞分裂は、細胞分裂に至るシグナル伝達経路が活性化し、前記経路の活性化の途上で生じるDNA複製などを経た後に達成される現象である。従って、前記用語は、本サイトカインが作用(または存在)する条件下でDNA複製を生じ、本サイトカインが作用(または存在)しない条件下と比較して細胞内のDNA量が増加することをも意味している。
【0019】
また、本発明において「細胞増殖を誘導する」とは、他に特に説明がない場合、細胞増殖を生じさせること及び既に生じている細胞増殖を促進(または延長)することを意味している。
【0020】
<発明の態様>
以下、本発明の代表的な態様について説明する。
【0021】
[培 地]
一態様において、本発明は、本サイトカインを増殖因子として含有する培地(以下、このような培地を本培地と称する)として具現化されてもよい。この培地の組成は、増殖因子として本サイトカインを用いる以外は、毛乳頭細胞を培養する場合に用いられる通常の組成を使用すればよい。
【0022】
培養時の本サイトカインの濃度は、予備実験を行って決定すればよいが、例えば、10-7~10-3mMの範囲、好ましくは10-7~10-4mMの範囲、より好ましくは10-6~10-5mMの範囲、最も好ましくは10-5mMを使用すればよい。或いは、例えば、10-11~10-4mMの範囲、好ましくは10-11~10-7mMの範囲、より好ましくは10-10~10-7mMの範囲、更に好ましくは10-9~10-8mMの範囲、最も好ましくは10-9mMまたは10-8mMの濃度を使用すればよい。
【0023】
本サイトカインは、上述のように夾雑物の混入が回避または低減し得るという特長を具備する。従って、本サイトカインを増殖因子として含有する培地も、血清や従来のサイトカインを増殖因子として含有する従来の培地と比較して、夾雑物の混入が回避または低減され得る。このような特長から、本培地は、例えば、次のような用途に好適である。
【0024】
(a)基礎研究用:本培地は、基礎研究において、研究対象となる毛乳頭細胞を継代培養する用途に好適である。この理由として、一般にサイトカインは低濃度で細胞に作用しえるので、培地に増殖因子として添加したサイトカインに加えて夾雑物として他のサイトカインが含まれている場合、この他のサイトカインが毛乳頭細胞に作用して実験結果に影響する可能性があることなどが挙げられる。本培地は、夾雑物の混入が回避または低減されているため、夾雑物が実験結果に影響する可能性が少ない。
【0025】
(b)再生医療用:再生医療において、細胞をインビトロで増殖させるための培地は不可欠である。再生医療において、被験者から採取された細胞は、インビトロで増殖され、被検者の体に戻され、被験者の組織、器官などを再生する。このように、再生医療においては、培養された細胞が身体に戻されることから、その戻される細胞が培養中に病原体に汚染することがないように管理する必要がある。培養中に細胞が病原体で汚染された場合、その細胞のみならず、その細胞を移植された被検者がその病原体に感染する危険性が高くなる。本培地は、夾雑物の混入が回避または低減されているため、夾雑物として混入し得る病原体(例えば、プリオン、ウイルス、細菌、真菌、原虫など)に、細胞が感染する可能性を回避または低減し得る。
【0026】
[細胞増殖剤および養毛剤]
また、別の態様において、本発明は、本サイトカインを主成分(活性成分)として含有する細胞増殖剤として具現化されてもよい。この細胞増殖剤を投与することにより、投与部位に存在する毛乳頭細胞が活性化して増殖する。更に、別の態様において、本発明は、本サイトカインを主成分(活性成分)として含有する養毛剤として具現化されてもよい。この養毛剤により、上記に記載したように、投与部位に存在する毛乳頭細胞が活性化して増殖し、結果的に毛髪の状態を良好に保つことが可能である。
【0027】
当業者であれば、本サイトカインを含有するこれらの薬剤を、皮膚(例えば、頭皮、頭髪)などの投与部位に応じて、各種の担体、賦形剤などを加えて適切な製剤(例えば、軟膏剤、噴霧剤)に製剤化できる。なお、「養毛剤」の用語は、適切な場合には発毛剤、育毛剤などの他の用語に置き換えてもよいだろう。
【0028】
本発明を以下の実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【実施例】
【0029】
<実施例1>
GBPの増殖活性
ヒト頭髪毛乳頭細胞(Toyobo社製)を、毛乳頭細胞増殖培地(毛乳頭細胞増殖培地(PCGM) Code No.TPGM-250、Toyobo社製)に増殖用添加物(1%牛脳下垂体抽出液、1%牛胎児血清、0.5%インシュリン・トランスフェリン・トリヨードサイロニン混液、0.5%サイプロテインアセテートを添加した培養液を用いて培養した。96ウェルプレートを使い100μL/ウェルの培養液で、ヒト頭髪毛乳頭細胞を1500細胞/ウェルの細胞濃度で蒔き、37℃、5%CO、加湿状態で1日培養する。培養液を吸い取り、100μL/ウェルの毛乳頭細胞増殖培地に0.5%牛胎児血清を添加した培養液(以下、この組成の培養液を血清含有培地と称する)を用いて1回洗浄して、さらに100μL/ウェルの血清含有培地を加え37℃、5%CO、加湿状態で1日培養する。
【0030】
血清含有培地にGBP(図1)を10-9~100mMの濃度で添加した培養液を作製し、前記プレート中の培養液をこのGBPを添加した培養液に交換し、37℃、5%CO、加湿状態で3日間培養する。
【0031】
3日後の1ウェル当たりの細胞数を、細胞内のアデノシン3燐酸(ATP)量を測定することによって比較した。この測定は、Vialight HS(LumiTech社製)を用いて、この製品に添付された説明書に従い以下のようにおこなった。3日間培養した各ウェルにヌクレオチド放出試薬100μLを加え5分間室温で静置し、ATPを抽出した。蛍光測定用の白色プレート中の各ウェルに、上記で抽出した各々のATP抽出液180μLを移しかえ、その各々の抽出液に20μLのATPモニタリング試薬を加え、蛍光/発光/吸光マルチプレートリーダー:Genios(テカン社製)を用いて、その蛍光強度を測定した。この結果を図2のグラフに示す。
【0032】
図2において、コントロールは、GBPを添加していない培養液で培養した陰性コントロールの増殖活性を示す。この陰性コントロールの蛍光強度を100%として、他のサンプルの蛍光強度を%に変換してグラフ中に示した。この実施例の結果、10-8~10-4 mMのGBPによって、陰性コントロール(GBP無添加)と比較して約110~140%の細胞増殖が観察された(図2)。
【0033】
<実施例2>
無血清培地におけるGBPの増殖活性
ヒト頭髪毛乳頭細胞(Toyobo社製)を、毛乳頭細胞増殖培地(Toyobo社製)+増殖用添加物(1%牛脳下垂体抽出液、1%牛胎児血清、0.5%インシュリン・トランスフェリン・トリヨードサイロニン混液、0.5%サイプロテロンアセテート溶液)を添加した培養液を用いて培養した。96ウェルプレートを使い100μL/ウェルの培養液で、ヒト頭髪毛乳頭細胞を1500細胞/ウェルで蒔き37℃、5% CO、加湿状態で1日培養する。培養液を吸い取り、100μL/ウェルの毛乳頭細胞増殖培地に0.5%牛胎児血清を添加した培養液で1回洗浄して、100μL/ウェルの毛乳頭細胞増殖培地(血清なし)を加え37℃、5% CO、加湿状態で1日培養する。
【0034】
毛乳頭細胞増殖培地(血清なし)にGBPを10-9~10mM添加した培養液を作製し、前記プレート中の培養液をこのGBPを添加した培養液に交換し、37℃、5% CO、加湿状態で3日培養する。
【0035】
3日後の1ウェル当たりの細胞数を細胞内ATP量の量を測定することによって比較した。その測定はVialight HS(LumiTech社製)を用いて、この製品に添付された説明書に従い以下のようにおこなった。3日培養した各ウェルにヌクレオチド放出試薬100μLを加え5分間室温で静置し、ATPを抽出した。蛍光測定用の白色プレート中の各ウェルに、上記で抽出した各々のATP抽出液180μLを移しかえ、その各々の抽出液に20μLのATPモニタリング試薬を加え、蛍光/発光/吸光マルチプレートリーダー:Genios(テカン社製)を用いてその蛍光を測定した。本実施例の結果を図3に示す。
【0036】
図3において、血清を添加しない毛乳頭細胞増殖培地で培養した陰性コントロールの蛍光強度を100%として、他のサンプルの蛍光強度を%に変換してグラフ中に示した。GBP濃度が10-4~10-7 mMの間で100%以上の活性を示した(図3)。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】GBPのアミノ酸配列を表わす図である。
【図2】GBPの増殖活性を示すグラフである。
【図3】GBPの増殖活性を示すグラフである。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2