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明細書 :検索システムにおける反復フュージョン型検索方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5376625号 (P5376625)
公開番号 特開2010-039731 (P2010-039731A)
登録日 平成25年10月4日(2013.10.4)
発行日 平成25年12月25日(2013.12.25)
公開日 平成22年2月18日(2010.2.18)
発明の名称または考案の名称 検索システムにおける反復フュージョン型検索方法
国際特許分類 G06F  17/30        (2006.01)
FI G06F 17/30 340Z
G06F 17/30 340B
請求項の数または発明の数 17
全頁数 30
出願番号 特願2008-201434 (P2008-201434)
出願日 平成20年8月5日(2008.8.5)
審査請求日 平成23年8月1日(2011.8.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】800000068
【氏名又は名称】学校法人東京電機大学
発明者または考案者 【氏名】鶴田 節夫
【氏名】櫻井 義尚
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
【識別番号】100100712、【弁理士】、【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
【識別番号】100100929、【弁理士】、【氏名又は名称】川又 澄雄
【識別番号】100095500、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 正和
【識別番号】100101247、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 俊一
【識別番号】100098327、【弁理士】、【氏名又は名称】高松 俊雄
審査官 【審査官】久々宇 篤志
参考文献・文献 特開2007-286852(JP,A)
特開2002-358323(JP,A)
特開2007-304744(JP,A)
特開2001-184356(JP,A)
調査した分野 G06F 17/30
特許請求の範囲 【請求項1】
検索される対象の情報を保存した検索対象データベース、検索者についての情報を保存した検索者情報データベース、検索者に検索するための情報としてキーワードと感性イメージを入力させ、入力された情報及び検索結果を表示する検索インターフェイス、前記検索インターフェイスにて入力された情報から前記検索対象データベースと検索者情報データベースを検索し、該当対象を抽出して前記検索インターフェイスに表示させる検索エンジン及び前記検索対象データベース及び検索者情報データベースのデータ登録、更新を管理するデータベース管理部から構成される検索システムにおいて、
前記検索インターフェイスは、感性イメージを入力するため複数の感性イメージ特徴パラメータそれぞれを数値設定するためのパラメータ数値設定欄を表示し、キーワードを入力するためテキスト入力欄及びキーワード選択欄を表示し、
前記検索エンジンは、前記検索インターフェイスにて入力された検索者の検索入力に対して、入力されたキーワードに基づき前記検索対象データベースを検索して該当する対象を抽出し、入力された感性イメージに基づき該当する対象の優先順位を決めて、前記検索インターフェイスに検索結果として送信するものであり、かつ、
前記検索エンジンは、
(1)前記検索インターフェイスにて設定された検索入力の選択されていない検索パラメータの内で検索パラメータ重視度が高い検索パラメータを最も利用頻度の高い値に設定して検索し該当する対象を抽出して検索結果の第1の代替案として前記検索インターフェイスに送信し、
(2)前記検索インターフェイスにて設定された検索入力にては選択されていない検索パラメータの内で検索パラメータ重視度が高い検索パラメータを2番目に利用頻度の高い値に設定して検索し該当する対象を抽出して検索結果の第2の代替案として前記検索インターフェイスに送信し、
(3)前記検索結果の第1の代替案と検索結果の第2の代替案のうち、前記検索インターフェイスにて検索者により選択された代替案の検索入力を新たな検索入力として、
(4)当該新たな検索入力に対して、前記(1)の検索結果の第1の代替案と前記(2)の検索結果の第2の代替案を検索して前記検索インターフェイスに送信する処理を繰り返すことにより検索対象を絞り込んでいくことを特徴とする検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項2】
検索される対象の情報を保存した検索対象データベース、検索者についての情報を保存した検索者情報データベース、検索者に検索するための情報としてキーワードと感性イメージを入力させ、入力された情報及び検索結果を表示する検索インターフェイス、前記検索インターフェイスにて入力された情報から前記検索対象データベースと検索者情報データベースを検索し、該当対象を抽出して前記検索インターフェイスに表示させる検索エンジン及び前記検索対象データベース及び検索者情報データベースのデータ登録、更新を管理するデータベース管理部から構成される検索システムにおいて、
前記検索インターフェイスは、感性イメージを入力するため複数の感性イメージ特徴パラメータそれぞれを数値設定するためのパラメータ数値設定欄を表示し、キーワードを入力するためテキスト入力欄及びキーワード選択欄を表示し、
前記検索対象者データベースは、検索者毎の過去の検索入力と対象選択の履歴を保存し、
前記検索エンジンは、前記検索インターフェイスにて入力された検索者の検索入力に対して、入力されたキーワードに基づき前記検索対象データベースを検索して該当する対象を抽出し、入力された感性イメージに基づき該当する対象の優先順位を決めて、前記検索インターフェイスに検索結果として送信するものであり、かつ、
前記検索エンジンは、前記検索インターフェイスにて入力された検索者の検索入力に対して、前記検索対象者データベースに保存されている当該検索者の過去の検索入力と対象選択の履歴から感性イメージ特徴パラメータ設定基準差と検索パラメータ重視度との検索者検索傾向情報を推定し、当該推定結果を用いて検索入力を調整し、または検索入力と検索対象との適合度計算を調整して前記検索対象データベースを検索し、該当する検索対象を抽出して前記検索インターフェイスに送信することを特徴とする検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項3】
前記検索エンジンは、ある検索対象が選択される度に当該選択された検索対象に設定されている各検索パラメータと前記検索入力の各検索パラメータとの差から、当該選択された検索対象に対する各検索パラメータの感性イメージ特徴パラメータ設定基準差を推定することを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項4】
前記検索エンジンは、ある検索対象が選択される度に当該選択された検索対象に設定された各検索パラメータと前記検索入力の各検索パラメータとの一致度合いを判定し、一致する検索パラメータの重視度を上げることにより各検索パラメータの検索パラメータ重視度を推定することを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項5】
前記検索エンジンは、前記検索者情報データベースに保存されている検索者毎の検索履歴に基づいて検索者毎の検索入力の分散を求め、前記検索入力の分散が大きい検索パラメータほど重視度を低く、前記検索入力の分散の小さい検索パラメータほど重視度を高く設定することにより、検索者毎の各検索パラメータの検索パラメータ重視度を推定することを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項6】
前記検索エンジンは、前記検索者情報データベースに保存されている検索者毎の検索履歴に基づいて検索者毎の検索入力の入力確率を求め、最も確率の高い検索入力をその検索者の嗜好検索入力と推定することを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項7】
前記検索エンジンは、前記検索者情報データベースに保存されている検索者毎の検索対象選択履歴に基づいて過去に選択された検索対象に設定された検索パラメータの統計値を求め、その平均となる検索パラメータを嗜好検索入力と推定することを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項8】
前記検索エンジンは、検索者の検索作業開始から終了までの1セッション内での情報を短期記憶に保存し、セッション単位での情報をセッション終了時に長期記憶に保存することを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項9】
前記検索エンジンは、検索者の検索作業開始から終了までの1セッション内での情報を短期記憶に保存し、セッション単位での情報をセッション終了時に長期記憶に保存し、セッション単位での過去の検索者傾向情報の時系列から長期記憶における最新の検索者傾向情報を推定することを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項10】
前記検索インターフェイスは、複数の感性イメージ特徴パラメータそれぞれを数値設定するためのパラメータ数値設定欄を表示し、
前記検索エンジンは、前記パラメータ数値設定欄にて設定された感性イメージ特徴パラメータ毎の数値設定に対して、前記検索対象データベースを検索して前記入力された感性イメージ特徴パラメータ毎の数値設定に近い基準値が設定されている検索対象を抽出して前記検索インターフェイスに送信し、
前記検索エンジンは、前記検索インターフェイスにて前記検索対象が選択されたときに、当該検索対象の各感性イメージ特徴パラメータの設定基準値と前記入力された感性イメージ特徴パラメータ毎の設定数値との設定基準差を求め、各感性イメージ特徴パラメータ毎の差を前記検索者情報データベースに保存し、
前記検索エンジンは、新たに入力された感性イメージ特徴パラメータ毎の数値設定入力に対して、前記検索者情報データベースの該当検索者の前記各感性イメージ特徴パラメータ毎の設定基準差を呼び出して前記新たに入力された感性イメージ特徴パラメータ毎の数値設定に加算して補正し、当該感性イメージ特徴パラメータ毎の補正後の数値設定を検索条件にして前記検索対象データベースを検索し該当する対象を抽出して前記検索インターフェイスに送信することを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項11】
前記検索インターフェイスは、複数の検索パラメータそれぞれを設定する設定欄を表示し、
前記検索エンジンは、検索パラメータ毎に計算された検索入力と検索対象に設定された検索パラメータとの差値に対して、前記検索パラメータ重視度により重み付けを行った後に合計することによって各検索対象の適合度を計算し、適合度の高い検索対象から順に前記検索インターフェイスに表示させることを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項12】
前記検索エンジンは、入力された検索値である検索入力に一致する検索対象がない場合、前記検索パラメータ重視度の低い項目から検索条件を順次に緩めて検索を繰り返し、該当する検索対象を抽出することを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項13】
前記検索エンジンは、前記検索者情報データベースの該当検索者の検索履歴に基づいて当該検索者の過去の検索傾向を割り出し、割り出した過去の検索傾向に基づいて検索対象として選択される可能性の高い検索対象を抽出して前記検索インターフェイスに送信し、前記検索インターフェイスから送られてきた検索者の応答を受信し、当該応答の内容に基づいて前記検索者情報データベースの当該検索者の検索傾向を更新することを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項14】
前記検索エンジンは、検索者毎の検索履歴に基づいて各検索入力の入力確率を求め、最も確率の高い検索入力をその検索者の嗜好検索入力と推定し、前記嗜好検索入力にて前記検索対象データベースを検索し、検索結果をおすすめ対象として前記検索インターフェイスに送信して表示させることを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項15】
前記検索エンジンは、検索者の検索作業開始から終了までの1セッションにおける検索者の検索設定の仕方を学習して前記検索者情報データベースに登録し、当該検索者の検索要求に対して前記検索者情報データベースを参照して該当検索時間帯で最も利用頻度の高い検索条件の設定を計算し、当該検索条件の設定に基づいて前記検索対象データベースを検索し、検索結果をおすすめ対象として前記検索インターフェイスに送信して表示させることを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項16】
前記検索エンジンは、検索過程における複数の状況をあらかじめ定義情報として保持していて、検索者の前記複数の状況それぞれでの検索条件の設定傾向を学習して前記検索者情報データベースに登録し、当該検索者の検索要求に対して前記定義情報のいずれの検索状況に該当するかを判断し、該当する検索状況に対して前記検索者情報データベースを参照して当該検索者の設定傾向を抽出し、当該設定傾向に基づいて前記検索対象データベースを検索し、検索結果をおすすめ対象として前記検索インターフェイスに送信して表示させることを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
【請求項17】
前記検索エンジンは、検索対象の特徴を複数の特徴項目に分け、前記検索インターフェイスに各特徴項目毎に数値を設定するための特徴パラメータそれぞれのパラメータ数値設定欄を表示させ、検索者が前記検索インターフェイスの前記特徴項目毎のパラメータ数値設定欄に対して設定し送信してきた特徴パラメータ毎の設定数値を読み取り、
前記検索エンジンは、前記検索者の特徴パラメータ毎の設定数値に対して、前記検索者情報データベースの当該検索者の検索履歴に基づいて当該システム側の特徴パラメータ毎の設定基準値との差を推定し、
前記検索者の特徴パラメータ毎の設定数値とシステム側の特徴パラメータ毎の設定基準値との差を補正した特徴パラメータの修正設定数値を求め、
前記特徴パラメータ毎の修正設定数値を検索条件にして前記検索対象データベースを検索して対象を抽出し、当該検索対象の情報をおすすめ対象として前記検索インターフェイスに送信して表示させることを特徴とする請求項に記載の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、検索システムにおける反復フュージョン型検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧品の店頭販売では、販売員が顧客と対面し、顧客の要望を聞き出し、顧客の要望にマッチする商品に提案する方式が広く採られている。ところが、この販売方式の場合、顧客の要望に近い商品の提案ができる反面、必ず販売員が顧客と対面しなければならず、その分販売員の人件費が必要であり、商品が高額になりがちな問題点がある。また、販売員には勤務時間帯があり、24時間いつでもどこでも顧客が必要とする商品が購入できるわけではない。
【0003】
一方、データ検索には、主にテキストでのキーワード検索、また感性イメージ特徴パラメータ毎に数値付けを行って検索する感性イメージ検索がある。そこで、例えば化粧品の販売をオンラインで行う場合、顧客の要望をきめ細かく把握してその要望にベストマッチした商品を抽出して顧客に提案し、購入させる必要がある。ところが、上のようなキーワード検索と感性イメージ検索にて顧客の要望を細かに聞き出し、その情報に基づいて顧客の要望にベストマッチする商品を抽出して提案するには限界があり、顧客満足度の高いオンライン販売を実現するのは困難であった。特に、従来の感性イメージ検索では、顧客のイメージによる各感性イメージ特徴パラメータの設定基準とデータベース作成者の設定基準とに差があり、必ずしも顧客が望む結果が得られなかった。例えば、利用者にとってある商品について「明るい色のもの」と指定しても、この明るい色がメーカー側の「明るい色」とは必ずしも一致しないことがある。
【0004】
さらに、オンライン販売のためのレコメンドシステムが知られている。(特開2004-341784号公報:特許文献1)この従来のレコメンドシステムでは、ある利用者が商品検索しても該当するような商品が抽出できない場合にもその利用者にその人の好みに合いそうな商品を提案するのに、過去に同じような商品を選択した他の利用者がチェックした他の商品を提案する。しかしながら、従来のレコメンドシステムでは、検索した結果に関連する商品を表示するだけで、利用者自身の好みその他の属性情報を考慮していないため、あくまで関連する商品を提案するにとどまり、利用者にベストマッチする商品を提案できない問題点があった。また、顧客との対話による顧客の好みの把握などができないため、適切な商品の絞り込みができない問題点があった。
【特許文献1】特開2004-341784
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、オンラインでの商品検索の際に利用者のイメージによる各特徴パラメータの設定基準とデータベース作成者の設定基準との差を、これまでの利用履歴から推定することによって解消し、利用者の要望に近い商品の抽出が可能な検索システムにおける反復フュージョン型検索方法を提供することを目的とする。
【0006】
また本発明は、利用者が入力した検索値だけでなく、それまでの利用者の利用履歴から利用者の潜在的なニーズを推定したり、システムからの提案とそれに対する利用者の反応の反復から利用者の要望を引き出したりして、利用者にとっては想定外であるにもかかわらず利用者に有益な商品を提案できる検索システムにおける反復フュージョン型検索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの特徴は、検索される対象の情報を保存した検索対象データベース、検索者についての情報を保存した検索者情報データベース、検索者に検索するための情報としてキーワードや感性イメージを入力させ、入力された情報及び検索結果を表示する検索インターフェイス、前記検索インターフェイスにて入力された情報から前記検索対象データベースと検索者情報データベースを検索し、該当対象を抽出して前記検索インターフェイスに表示させる検索エンジン及び前記検索対象データベース及び検索者情報データベースのデータ登録、更新を管理するデータベース管理部から構成される検索システムにおいて、前記検索インターフェイスは、感性イメージを入力するため複数の感性イメージ特徴パラメータそれぞれを数値設定するためのパラメータ数値設定欄を表示し、キーワードを入力するためテキスト入力欄及びキーワード選択欄を表示し、前記検索エンジンは、前記検索インターフェイスにて入力された検索者の検索入力に対して、入力されたキーワードに基づき前記検索対象データベースを検索して該当する対象を抽出し、入力された感性イメージに基づき該当する対象の優先順位を決めて、前記検索インターフェイスに検索結果として送信する検索システムにおける反復フュージョン型検索方法である。
【0008】
上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、(1)前記検索インターフェイスにて設定された検索入力の選択されていない検索パラメータの内で検索パラメータ重視度が高い検索パラメータを最も利用頻度の高い値に設定して検索し該当する対象を抽出して検索結果の第1の代替案として前記検索インターフェイスに送信し、(2)前記検索インターフェイスにて設定された検索入力の選択されていない検索パラメータの内で検索パラメータ重視度が高い検索パラメータを2番目に利用頻度の高い値に設定して検索し該当する対象を抽出して検索結果の第2の代替案として前記検索インターフェイスに送信し、(3)前記検索結果の第1の代替案と検索結果の第2の代替案のうち、前記検索インターフェイスにて検索者により選択された代替案の検索入力を新たな検索入力として、(4)前記(1)の検索結果の第1の代替案と前記(2)の検索結果の第2の代替案の提案を繰り返すことにより検索対象を絞り込んでいくものとすることができる。
【0009】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索対象者データベースは、検索者毎の過去の検索入力と対象選択の履歴を保存し、前記検索エンジンは、前記検索インターフェイスにて入力された検索者の検索入力に対して、前記検索対象者データベースに保存されている当該検索者の過去の検索入力と対象選択の履歴から感性イメージ特徴パラメータ設定基準差と検索パラメータ重視度との検索者検索傾向情報を推定し、当該推定結果を用いて検索入力を調整し、または検索入力と検索対象との適合度計算を調整して前記検索対象データベースを検索し、該当する検索対象を抽出して前記検索インターフェイスに送信するものとすることができる。
【0010】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、ある検索対象が選択される度に当該選択された検索対象に設定されている各検索パラメータと前記検索入力の各検索パラメータとの差から、当該選択された検索対象に対する各検索パラメータの感性イメージ特徴パラメータ設定基準差を推定するものとすることができる。
【0011】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、ある検索対象が選択される度に当該選択された検索対象に設定された各検索パラメータと前記検索入力の各検索パラメータとの一致度合いを判定し、一致する検索パラメータの重視度を上げることにより各検索パラメータの検索パラメータ重視度を推定するものとすることができる。
【0012】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、前記検索者情報データベースに保存されている検索者毎の検索履歴に基づいて検索者毎の検索入力の分散を求め、前記検索入力の分散が大きい検索パラメータほど重視度を低く、前記検索入力の分散の小さい検索パラメータほど重視度を高く設定することにより、検索者毎の各検索パラメータの検索パラメータ重視度を推定するものとすることができる。
【0013】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、前記検索者情報データベースに保存されている検索者毎の検索履歴に基づいて検索者毎の各検索入力の入力確率を求め、最も確率の高い検索入力をその検索者の嗜好検索入力と推定するものとすることができる。
【0014】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、前記検索者情報データベースに保存されている検索者毎の検索対象選択履歴に基づいて過去に選択された検索対象に設定された検索パラメータの統計値を求め、その平均となる検索パラメータを嗜好検索入力と推定するものとすることができる。
【0015】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、検索者の検索作業開始から終了までの1セッション内での情報を短期記憶に保存し、セッション単位での情報をセッション終了時に長期記憶に保存するものとすることができる。
【0016】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、検索者の検索作業開始から終了までの1セッション内での情報を短期記憶に保存し、セッション単位での情報をセッション終了時に長期記憶に保存し、セッション単位での過去の検索者傾向情報の時系列から長期記憶における最新の検索者傾向情報を推定するものとすることができる。
【0017】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索インターフェイスは、複数の感性イメージ特徴パラメータそれぞれを数値設定するためのパラメータ数値設定欄を表示し、前記検索エンジンは、前記パラメータ数値設定欄にて設定された感性イメージ特徴パラメータ毎の数値設定に対して、前記検索対象データベースを検索して前記入力された感性イメージ特徴パラメータ毎の数値設定に近い基準値が設定されている検索対象を抽出して前記検索インターフェイスに送信し、前記検索エンジンは、前記検索インターフェイスにて前記検索対象が選択されたときに、当該検索対象の各感性イメージ特徴パラメータの設定基準値と前記入力された感性イメージ特徴パラメータ毎の設定数値との設定基準差を求め、各感性イメージ特徴パラメータ毎の差を前記検索者情報データベースに保存し、前記検索エンジンは、新たに入力された感性イメージ特徴パラメータ毎の数値設定入力に対して、前記検索者情報データベースの該当検索者の前記各感性イメージ特徴パラメータ毎の設定基準差を呼び出して前記新たに入力された感性イメージ特徴パラメータ毎の数値設定に加算して補正し、当該感性イメージ特徴パラメータ毎の補正後の数値設定を検索条件にして前記検索対象データベースを検索し該当する対象を抽出して前記検索インターフェイスに送信するものとすることができる。
【0018】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索インターフェイスは、複数の検索パラメータそれぞれを設定する設定欄を表示し、前記検索エンジンは、検索パラメータ毎に計算された検索入力と検索対象に設定された検索パラメータとの差値に対して、前記検索パラメータ重視度により重み付けを行った後に合計することによって各検索対象の適合度を計算し、適合度の高い検索対象から順に前記検索インターフェイスに表示させるものとすることができる。
【0019】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、入力された検索値である検索入力に一致する検索対象がない場合、前記検索パラメータ重視度の低い項目から検索条件を順次に緩めて検索を繰り返し、該当する検索対象を抽出するものとすることができる。
【0020】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、前記検索者情報データベースの該当検索者の検索履歴に基づいて当該検索者の過去の検索傾向を割り出し、割り出した過去の検索傾向に基づいて検索対象として選択される可能性の高い検索対象を抽出して前記検索インターフェイスに送信し、前記検索インターフェイスから送られてきた検索者の応答を受信し、当該応答の内容に基づいて前記検索者情報データベースの当該検索者の検索傾向を更新するものとすることができる。
【0021】
まは、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、検索者毎の検索履歴に基づいて各検索入力の入力確率を求め、最も確率の高い検索入力をその検索者の嗜好検索入力と推定し、前記嗜好検索入力にて前記検索対象データベースを検索し、検索結果をおすすめ対象として前記検索インターフェイスに送信して表示させるものとすることができる。
【0022】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、検索者の検索作業開始から終了までの1セッションにおける検索者の検索設定の仕方を学習して前記検索者情報データベースに登録し、当該検索者の検索要求に対して前記検索者情報データベースを参照して該当検索時間帯で最も利用頻度の高い検索条件の設定を計算し、当該検索条件の設定に基づいて前記検索対象データベースを検索し、検索結果をおすすめ対象として前記検索インターフェイスに送信して表示させるものとすることができる。
【0023】
また、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、検索過程における複数の状況をあらかじめ定義情報として保持していて、検索者の前記複数の状況それぞれでの検索条件の設定傾向を学習して前記検索者情報データベースに登録し、当該検索者の検索要求に対して前記定義情報のいずれの検索状況に該当するかを判断し、該当する検索状況に対して前記検索者情報データベースを参照して当該検索者の設定傾向を抽出し、当該設定傾向に基づいて前記検索対象データベースを検索し、検索結果をおすすめ対象として前記検索インターフェイスに送信して表示させるものとすることができる。
【0024】
さらに、上記発明の検索システムにおける反復フュージョン型検索方法において、前記検索エンジンは、検索対象の特徴を複数の特徴項目に分け、前記検索インターフェイスに各特徴項目毎に数値を設定するための特徴パラメータそれぞれのパラメータ数値設定欄を表示させ、検索者が前記検索インターフェイスの前記特徴項目毎のパラメータ数値設定欄に対して設定し送信してきた特徴パラメータ毎の設定数値を読み取り、前記検索エンジンは、前記検索者の特徴パラメータ毎の設定数値に対して、前記検索者情報データベースの当該検索者の検索履歴に基づいて当該システム側の特徴パラメータ毎の設定基準値との差を推定し、前記検索者の特徴パラメータ毎の設定数値とシステム側の特徴パラメータ毎の設定基準値との差を補正した特徴パラメータの修正設定数値を求め、前記特徴パラメータ毎の修正設定数値を検索条件にして前記検索対象データベースを検索して対象を抽出し、当該検索対象の情報をおすすめ対象として前記検索インターフェイスに送信して表示させるものとすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、オンラインでの商品検索の際に利用者からキーワードによる検索と感性イメージによる検索を融合することにより、キーワードによる絞り込みと感性イメージによる漠然とした感覚からの検索を同時に行うことを可能とし、これらの検索を用いて利用者に提案し、その反応を観測することを繰り返すことにより、利用者の要望をより正確に把握しておすすめ商品提案することが可能な検索システムにおける反復フュージョン型検索方法が提供できる。
【0026】
また本発明によれば、オンラインでの商品検索の際に利用者のイメージによる各特徴パラメータの設定基準とデータベース作成者の設定基準との差を、これまでの利用履歴から推定することによって解消し、利用者の要望に近い商品の抽出が可能な検索システムにおける反復フュージョン型検索方法が提供できる。
【0027】
また本発明によれば、利用者が入力した検索値だけでなく、それまでの利用者の利用履歴から利用者の潜在的なニーズを推定し、利用者にとっては想定外であるにもかかわらず利用者に有益な商品を提案できる検索システムにおける反復フュージョン型検索方法が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0029】
図1は、本発明の1つの実施の形態の検索システムの機能構成を示している。本発明の検索システムは、スタンドアローンのコンピュータシステムにて、あるいはネットワークにて接続された複数台のコンピュータシステム、例えば、検索端末装置としてのパーソナルコンピュータとこれにインターネットを介して接続される外部の検索用サーバで構成され、後述する諸機能を実行するソフトウェアプログラムを組み込み、また大容量記憶装置内のデータベースに諸データを登録することにより実現される。
【0030】
図1に示したように、本実施の形態の検索システムは、検索値と検索者情報を用いて検索者に最適な検索対象を提案する検索システムであり、検索される情報を保存した検索対象データベース11、検索者についての情報を保存した検索者情報データベース12、検索するための情報を入力し、また入力情報や検索結果を表示するキーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ等の検索インターフェイス20、検索インターフェイス20にて入力された情報から検索対象データベース11と検索者情報データベース12を検索し、該当事項を抽出して検索インターフェイス20に表示させる検索エンジン13、データベース11、12を管理するデータベース管理部14から構成される。
【0031】
尚、本実施の形態では、検索インターフェイス20には利用者個々のパーソナルコンピュータを利用し、データベース11、12と検索エンジン13はインターネット30のようなネットワークにて接続されている商品メーカーやオンラインショッピングサイトのサーバーシステム10上に構築されているものとする。
【0032】
データベース11、12は大容量記憶装置15上に構築される。検索対象データベース11は、各検索項目に対応した情報を持つ検索対象データを登録、保持している。検索対象データは、商品情報、サービス情報などである。検索者情報データベース12は、検索者情報を登録、保持している。検索者情報は、各検索者の該検索システムの利用履歴、個人情報、アンケート情報などである。この検索者情報データベース12に保持される検索システムの利用履歴は、検索値と検索結果と選択結果の時系列情報である。そして、この利用履歴には、最近の履歴をまとめた短期履歴とシステム利用開始から現在までの長期間に渡る履歴をまとめた長期履歴があり、短期履歴により長期履歴を少しずつ更新していく。検索者の個人情報は、検索者の識別番号、氏名、職業、年齢、性別、住所などの情報を含む。アンケート情報は、適用分野により異なるが、香水の商品検索を例とすると、好きなメーカーなどの検索者の嗜好に関連する情報を含む。これらのデータベース11、12のデータ登録、データマージ、履歴管理はデータベース管理部14が行う。
【0033】
検索インターフェイス20は、電話番号、IPアドレス、MACアドレスのような検索者の使用する端末を識別して特定するための検索者識別装置21、検索項目を入力する入力装置22、検索結果を表示する表示装置23を備えている。この検索インターフェイス20は、検索者の識別装置21、入力装置22から取得した検索項目情報をネットワーク30を通じてサーバーシステム10の検索エンジン13に送信し、また、検索エンジン13が実行した検索結果等の情報をネットワーク30を通じて受信して表示装置23にて表示する。
【0034】
検索者識別装置21は、検索者に識別番号(ID)の入力を求める方式、検索者を自動識別する方式がある。後者の例としては、ネットワーク30を通じて検索サーバーシステム10にアクセスする場合、サーバーシステム10側で接続元の検索インターフェイス20から送られてくるクッキーやIPアドレスなどから検索者の自動判別を行うシステムがある。ただし、この場合、検索者識別装置21はサーバーシステム10側に備えることになる。
【0035】
図2に示したように、入力装置22にて入力される検索値は、テキスト、数値(属性値、特徴量など)、選択項目などであり、検索入力インターフェイス画面28にはこれらを入力するためにテキスト入力欄24、特徴パラメータ毎にパラメータ数値を設定するための数値設定用スライダー25、項目選択欄26が用意され、検索にはこれらの全て又は一部を利用する。例えば、感性イメージ検索の場合、入力値は数値になるため、数値入力のためには検索パラメータの数値設定用スライダー25を利用する。検索入力を送信するために検索ボタン27も用意してある。
【0036】
サーバーシステム10側の検索エンジン13は、検索インターフェイス20から送られてくる情報に基づいて、検索者情報データベース12から検索者情報を引き出し、受信した検索値と引き出された検索者情報とを用いて、検索対象データベース11から該当する対象を検索し、検索結果を検索インターフェイス20に送る。
【0037】
検索方式は、以下の方式の全て又は一部を複合的に用いる。検索方式は以下から成る。
【0038】
(i)反復フュージョン検索
キーワード検索と感性イメージ検索との融合検索を用いて、検索者の検索入力と一部異なる検索入力で検索することにより、検索者に提案を行い、それに対する検索者の反応により検索対象の絞り込みを繰り返すことにより対話的に検索者の要求を引き出す検索手法。
【0039】
フュージョン検索:キーワード検索により該当する対象を抽出して、感性イメージ検索により該当する対象の優先順位を決める。
【0040】
反復検索:検索入力の一部を変えて検索し、該当する対象を抽出してA種代替案として、前記とは異なる一部を変えて検索し該当する対象を抽出してB種代替案として、検索者からの応答により検索対象を絞り込んでいく検索手法である。もしくは、利用頻度の高い検索設定、もしくは検索者の検索設定から検索パラメータ重視度の低い設定を過去の設定されたことのある値に変えた検索設定、もしくは検索者の検索設定の設定されていない項目の内で検索パラメータ重視度の高い設定を最も利用頻度の高い設定に設定した検索設定での検索結果を代替案として検索結果と同時に表示し、これに対する検索者の応答から代替案の検索設定を更新していく。
【0041】
(ii)検索者傾向情報を用いた検索
過去の検索と選択の履歴から設定基準差や項目重視度などの検索者の特性を推定する。そして、これらを用いて、検索入力を調整したり検索入力と検索対象との適合度計算を調整したりして検索者の潜在的な要望を反映した検索を行う。セッション単位で、設定基準差や項目重視度を求め、これをセッション単位の短期記憶に記憶し、セッション終了時に長期記憶を更新する。
【0042】
「検索者傾向情報の推定手法」
感性イメージ特徴パラメータ設定基準差推定:感性イメージ特徴パラメータ設定基準差とは、システムの感性イメージ特徴パラメータ毎の設定基準と検索者の主観的な感性イメージ特徴パラメータ毎の設定基準との差であり、ある検索対象が選択される度に選択された検索対象に設定された感性イメージ特徴パラメータと検索入力との差から、各感性イメージ特徴パラメータ設定基準差を推定する。
【0043】
検索パラメータ重視度推定:検索パラメータ重視度は、検索者が各検索パラメータをどのくらい重視しているかを数値で表現したものであり、選択された対象の検索パラメータと検索入力との一致度合いを判定し、一致する検索パラメータの重視度を上げることにより各検索パラメータの検索パラメータ重視度を推定する。又は、検索者毎の検索履歴に基づいて検索入力の分散を求め、検索入力の分散が大きい検索パラメータほど重視度を低く、検索入力の分散の小さい検索パラメータほど重視度を高く設定することにより推定する。
【0044】
嗜好検索入力推定:嗜好検索入力とは、検索者が最も好んでいる検索入力であり、検索者毎の検索履歴に基づいて各検索入力の入力確率を求め、最も確率の高い検索入力をその検索者の嗜好検索入力と推定する。又は、検索者毎の検索対象選択履歴に基づいて過去に選択された検索対象に設定された検索パラメータの統計値を求め、その平均となる検索パラメータを嗜好検索入力と推定する。
【0045】
「検索者傾向情報の更新」
長期記憶と短期記憶:検索者の検索作業開始から終了までの1セッション内での情報を短期記憶に保存し、セッション単位での情報をセッション終了時に長期記憶に保存する。
【0046】
「検索者傾向情報を用いた検索」
感性イメージ特徴パラメータ設定基準差解消検索:検索入力に対して、感性イメージ特徴パラメータ設定基準差を自動調整して検索する。
【0047】
検索パラメータ重視度を用いた条件緩和検索:入力された検索値に一致する対象がない場合でも、システムが検索パラメータ重視度の低い項目から検索条件を自動的に緩めることにより該当する対象を必ず表示する。
【0048】
検索パラメータ重視度を用いた重み付け適合度による並べ替え:検索入力と検索対象に設定された検索パラメータとの差を計算し、検索パラメータ重視度により重み付けを行うことにより、各対象の適合度を計算し、適合度の高い対象から表示する。
【0049】
嗜好検索入力に基づいた推薦:嗜好検索入力を検索入力として検索した結果から代替案を提案する。
【0050】
検索状態に対応した検索パラメータの設定:検索者の検索作業開始から終了までの1セッションにおける検索者の検索設定の仕方を学習し、各検索時間帯で最も利用頻度の高い設定を計算し、おすすめ対象として提案する。検索過程における状況をいくつか定義し、各状況における検索者の設定傾向を学習し、その状況に適した対象をおすすめ対象として提案する。
【0051】
似た検索者傾向情報を持つ検索者からの推薦:検索者情報データベース12から似た特徴を持つ検索者を検索し、それらの検索者が検索・選択した対象を提案する。
【0052】
[設定基準解消検索]
感覚的な検索方法としては感性イメージ検索と呼ばれる検索する対象の特徴パラメータを特徴項目毎に数値で表し、この数値の近い対象を検索する手法がある。しかしながら、従来の感性イメージ検索方式の場合、検索者のイメージによる特徴パラメータ毎の設定基準とデータベース作成者の設定基準とに差があり、利用者が望む結果を得られないことがある。そこで、本実施の形態の検索方法では、この設定基準の差をこれまでの利用履歴から推定することにより、設定基準の差を解消して検索者の意図した検索結果を得る。
【0053】
[項目重視度反映検索]
多項目での検索の場合、全ての項目が検索値と一致している対象だけを表示するのではなく、完全には一致していなくても近い対象を表示する。この場合、どのように近さを定義するかが問題になる。また、各項目の近さを定義しても、各項目の差を同列に扱うと検索者が最も求める対象が、それほどでもない対象より下に表示されることがあり得る。そこで、本実施の形態の検索方式では、各項目の検索者の重視度を推定し、これにより重み付けを行うことにより、検索者の重視する項目が一致している対象が上位に表示されるようにする。
【0054】
[検索者の設定傾向の解析による推薦提案]
従来からレコメンドシステムが知られているが、検索した結果に関連する対象を表示するだけで、従来のレコメンドシステムでは検索者自身に対する情報を考慮していないため、あくまで関連する対象を提案するにとどまっている。そこで、本実施の形態の検索方式では、これまでの利用履歴から利用頻度の高い設定や検索者の各検索値の重視度を推定し、これに基づいて利用者の潜在的なニーズを推定し、それに応じた検索結果を利用者に提案する。これにより、利用者にとっては想定外であるにもかかわらず、利用者にとって有益な情報を提供する。また、このような提案に対する検索者の応答からより正確に検索者の傾向を把握する。
【0055】
反復フュージョン検索について、詳しく説明する。検索のアルゴリズムを図3に示す。
【0056】
ステップST1:検索者が検索インターフェイス20であるパーソナルコンピュータあるいは携帯電話のようなPDAを用い、検索パラメータ入力インターフェイスを表示させる。尚、このためには、検索インターフェイス20から検索サーバーシステム10がインターネットのようなネットワーク30上に展開する検索サイトにアクセスして検索画面をダウンロードして表示し、検索開始操作を実行する。
【0057】
ステップST2:検索者は、この検索入力パラメータインターフェイスの画面から特徴パラメータ毎のパラメータ数値を入力する。この特徴パラメータ毎の数値設定には、図2に示した該当する特徴パラメータの数値設定用スライダー25においてカーソルを左右にスライド操作することで行う。
【0058】
ステップST3:検索エンジン13は、入力された検索パラメータを用いて反復フュージョン検索を実行する。そして検索結果を検索インターフェイス20に送信する。
【0059】
ステップST4:検索インターフェイス20では受信した検索結果を表示する。
【0060】
上記ステップST3の反復フュージョン検索のアルゴリズムを図4に示す。また、反復フュージョン検索の検索結果表示インターフェイスを図5に示す。
【0061】
ステップST301:検索エンジン13は、入力された検索パラメータを受け取る。
【0062】
ステップST302:入力された検索パラメータによりフュージョン検索を行う。
【0063】
ステップST303、ST304:入力された検索パラメータの一部を緩和してフュージョン検索を行い、検索結果をA種代替案とする。または、選択されていない検索パラメータの内で項目重視度が高い項目を最も利用頻度の高い値に設定してフュージョン検索を行い、検索結果をA種代替案とする。
【0064】
ステップST305、ST306:入力された検索パラメータの内、ステップST7で緩和されたパラメータとは異なる他の一部を緩和してフュージョン検索を行い、検索結果をB種代替案とする。または、選択されていない検索パラメータの内で項目重視度が高い項目を2番目に利用頻度の高い値に設定してフュージョン検索を行い、検索結果をB種代替案とする。
【0065】
ステップST307:検索インターフェイス20は、ステップST302による検索結果を本案として検索結果表示欄201に表示し、ステップST305による検索結果をA種代替案として検索結果表示欄203に表示し、ステップST306による検索結果をB種代替案として検索結果表示欄205に表示する。尚、202はA種代替案ボタン、204はB種代替案ボタンを示している。
【0066】
ステップST308、ST309:ステップST305によるA種代替案ボタン202が選択された場合、検索入力をA種代替案の検索パラメータ設定に変更し、ステップST301に戻り、検索を繰り返す。
【0067】
ステップST310、ST311:ステップST306によるB種代替案ボタン204が選択された場合、B種代替案の検索パラメータ設定に変更し、ステップST301に戻り、検索を繰り返す。そうでない場合は反復フュージョン検索を終了する。
【0068】
ステップST302、ST305、ST306にて行ったフュージョン検索のアルゴリズムを図6に示す。
【0069】
ステップST320:検索パラメータを受け取る。
【0070】
ステップST321、ST322:検索パラメータにテキスト入力欄24や項目選択欄26による検索パラメータが設定されていた場合、キーワード(テキスト)検索を行う。
【0071】
ステップST323、ST324、ST325:該当する検索対象がある場合は、キーワード検索により該当した検索対象のみに検索対象を限定する。該当する検索対象がない場合は、検索結果は該当情報なしとして終了する。
【0072】
ステップST326~ST329:検索パラメータに感性イメージ情報(特徴パラメータ)を設定するための数値設定用スライダー25による検索パラメータが設定されていた場合、感性イメージ検索を行い、検索結果を返して終了する。数値設定用スライダー25による検索パラメータが設定されていない場合は、全ての検索対象を検索結果として終了する。
【0073】
ステップST328の感性イメージ検索のアルゴリズムを図7に示す。
【0074】
ステップST331:検索対象と感性イメージ情報つまり数値設定用スライダー25により設定された特徴パラメータを受け取る。
【0075】
ステップST332:検索対象全てについて、各検索対象に設定された感性イメージを表現する数値パラメータと検索パラメータとして設定された感性イメージを表現する数値パラメータとの差(の合計値)を計算する。
【0076】
ステップST333~ST335:差の小さい順に検索対象を並び替え、結果を返す。
【0077】
次に、検索・選択履歴に基づいた検索者傾向情報の推定と、長期記憶と短期記憶による情報更新のアルゴリズムを図8に示す。このアルゴリズムでは、1セッションでの履歴を短期記憶に記憶し、1セッション単位で検索者傾向情報推定値を推定し、長期記憶に記憶する。長期記憶に記憶された過去の検索者傾向情報推定値の時系列から現在の検索者傾向情報推定値を推定する。
【0078】
ステップST31:長期記憶から検索者傾向情報推定値を引き出し、短期記憶に記憶する。
【0079】
ステップST32:検索パラメータ入力インターフェイスを表示する。
【0080】
ステップST33:これに対して、検索者が検索パラメータ入力して送信する。
【0081】
ステップST34:データベース管理部14は検索パラメータに基づき検索者情報データベース12の短期記憶から検索者傾向情報推定値を引き出す。
【0082】
ステップST35:検索エンジン13では、入力された検索パラメータと検索者傾向情報を用いて検索を行い、結果を検索インターフェイス20に送信する。
【0083】
ステップST36、ST37:検索インターフェイス20は受信した検索結果を表示する。これに対して、検索者は検索結果のいずれかを選択し、検索エンジン13に送信する。あるいは、検索者が検索結果を選択しなければセッション終了判断のステップST41に移行する。
【0084】
ステップST38、ST39:検索エンジン13は、選択した対象のパラメータ値と検索者の入力したパラメータ値との差を計算する。そして新しい検索者傾向情報推定値を計算してデータベース管理部14に渡す。データベース管理部14は、これにより、検索者情報データベース12の短期記憶の検索者傾向情報推定値の更新し、また選択された検索対象の詳細情報を検索インターフェイス20に送信する。
【0085】
ステップST40:検索インターフェイス20は受信した選択された検索対象の詳細な情報を表示する。この時、検索者傾向情報推定値の更新を許可するかどうかの質問を表示させ、許可された場合にのみ更新する、又は、質問せずに自動的に更新するなどの方法が可能である。
【0086】
ステップST41:検索者は、検索インターフェイス20の表示を見てセッション終了、パラメータの再入力を判断する。パラメータの再入力を選択すれば、ステップST32に移行する。パラメータの再設定が行われた場合、前の検索に使われたパラメータ設定との差から新しい検索者傾向情報推定値を求めることもできる。例えば、再検索の時、設定基準差推定値と同じ方向にパラメータを前回より動かした場合、設定基準差推定値を同じ方向に増加させる。逆に、設定基準差推定値と逆の方向にパラメータを前回より動かした場合、設定基準差推定値を逆の方向に減少させる。他方、セッション終了と判断すれば、セッション終了を検索インターフェイス20からデータベース管理部14に送信する。
【0087】
ステップST42~ST44:データベース管理部14は、セッション終了を受信すれば、検索者情報データベース12の短期記憶の検索者傾向情報推定値を長期記憶に記憶する。また検索エンジン13は、新しい長期記憶の検索者傾向情報推定値を計算する。そして計算結果をデータベース管理部14に渡し、データベース管理部14は検索者情報データベース12の長期記憶の検索者傾向情報推定値を更新し、処理を完了する。この時、終了する前に今回のセッションにより得られた検索者傾向情報推定値を長期記憶に反映させることを許可するかどうかの質問を表示させ、許可された場合にのみ更新する、又は、質問せずに自動的に更新するなどの方法が可能である。
【0088】
検索者傾向情報推定値には、感性イメージ特徴パラメータ設定基準差推定値、検索パラメータ重視度推定値、嗜好検索入力推定値などがある。
【0089】
設定基準差推定値はステップST38において、次の計算式により求める。
【0090】
設定基準差推定値=旧基準差推定値+α×(観測された基準差-旧基準差推定値)
ただし、観測された基準誤差=検索者が選択した対象の特徴パラメータ値-検索者が入力した特徴パラメータ値である。また、αは学習率であり、0以上1以下の実数値である。
【0091】
またさらに、推定精度を向上させるために、各特徴パラメータに対して1つの設定基準差推定値を設定するのではなく、各特徴パラメータの設定数値に対応して設定基準差推定値を求める設定基準差推定関数を求めることもできる。例えば各特徴パラメータの設定領域を幾つかに分割し、領域毎に設定基準差推定値を求める。この特徴パラメータの設定基準差推定関数は、この各領域の設定基準差推定値を線形結合するなどして近似関数として表現できる。
【0092】
以下にファジィモデリングにより、この設定基準差推定関数を求めた場合の例を示す。図9のようにパラメータをS、MS、M、ML、Lの5つの基底関数で分割する。検索者がパラメータを0.85に設定したが、選択した対象のパラメータは0.9だった場合、基底関数Lの適合値は0.4、基底関数MLの適合値は0.6、他の基底関数の適合値は0になる。
【0093】
(1)観測された基準差=検索者が選択した対象の特徴パラメータ値-検索者が入力した特徴パラメータ値=0.9-0.85=0.05
(2)基底関数Lの基準差推定値=基底関数Lの旧基準差推定値+基底関数Lの値(=0.4)×α×(観測された基準差(=0.05)-基底関数Lの旧基準差推定値)
(3)基底関数MLの基準差推定値=基底関数MLの旧基準差推定値+基底関数MLの値(=0.6)×α×(観測された基準差(=0.05)-基底関数MLの旧基準差推定値)
(4)S、MS、Mの基底関数については、これらの適合値は0なので更新しない。
【0094】
以上のようにして、各基底関数の基準差推定値を更新する。
【0095】
また、長期記憶の基準差推定値の推定はステップST43において、記憶された過去の基準差推定値を時系列として、これを自己回帰移動平均モデルで表現するなどの時系列予測手法を用いて求める。
【0096】
項目重視度の計算の一例は、ステップST38において、これまで選択された対象を記録しておき、検索値の分散が大きい項目ほど重視度を低く、分散の小さい項目ほど重視度を高く設定する方法である。別の計算例は、対象が選択される度にステップST38において、選択された対象と検索値との一致する項目の重視度を上げる方法である。
【0097】
また、長期記憶の項目重視度推定値の推定はステップST43において、記憶された過去の項目重視度推定値を時系列として、これを自己回帰移動平均モデルで表現するなどの時系列予測手法を用いて求める。
【0098】
ステップST35の検索者傾向情報を用いた検索の一つである設定基準差解消検索のアルゴリズムを図10に示す。
【0099】
ステップST351:検索パラメータと設定基準差推定値を受信する。
【0100】
ステップST352:入力された検索パラメータを自動調整する。特徴パラメータの自動修正は、以下の式により行う。
【0101】
調整済特徴パラメータ値=特徴パラメータ値+設定基準誤差推定値
ステップST353、ST354:調整された検索パラメータによりフュージョン検索を行い、検索結果を送信する。
【0102】
次に、ステップST35の検索者傾向情報を用いた検索の一つ項目重視度反映検索の例を、図11、図12を用いて説明する。図11に示すアルゴリズムは、条件緩和する項目重視度反映検索手法であり、入力された検索値に一致する対象がない場合でも、システムが重視度合いの低い項目から検索条件を自動的に緩和することにより該当する対象を必ず表示する。
【0103】
ステップST3501:検索パラメータと項目重視度推定値を受信する。
【0104】
ステップST3502~ST3506:フュージョン検索を行い、該当する対象を発見できなければ、該当する対象が見つかるまで項目重視度の低いパラメータから検索条件を順次に緩和し、該当する対象が見つかるまで検索を繰り返す。
【0105】
ステップST3507、ST3508:該当する対象を初回の検索で発見した場合、また検索条件を緩和した結果として該当する対象を発見した場合のいずれであっても、検索結果を検索者入力値とシステム設定値との差が小さい順に並び替え、検索結果を送信する。
【0106】
図12に示すアルゴリズムは適合度判定に基づく項目重視度反映検索手法であり、検索値と対象の設定値との差を計算し、項目重視度により重み付けを行うことにより、各対象の適合度を計算し、適合度の高い対象から表示する。
【0107】
ステップST3511、ST3512:検索パラメータと項目重視度推定値を受信し、該当する対象をフュージョン検索により検索する。
【0108】
ステップST3513~ST3516:検索値と対象の設定値との差を計算し、項目重視度による重み付け計算から適合度を求め、さらに求めた適合度の高い順に対象を並び替える。そして検索結果を送信する。
【0109】
対象の適合度は次のようにして求める。
【0110】
対象の適合度=検索項目1の対象の設定値との差×検索項目1の重視度+検索項目2の対象の設定値との差×検索項目2の重視度+……+検索項目nの対象の設定値との差×検索項目nの重視度
ここで、nは検索項目の数である。
【0111】
また、検索項目の重視度は次のようになる。
【0112】
Σ検索項目の重視度=1.0
0≦各検索項目の重視度≦1.0
また、各検索項目の対象の設定値との差は、完全に一致するときは1.0、一致しない時には0.0、中間値は0以上1以下になるように正規化する。
【0113】
次に、サーバーシステム10側で検索者の設定傾向を解析し、解析結果により当該検索者推薦提案する処理について説明する。
【0114】
検索者の意図とは異なるが、過去の検索者の傾向から有望であると推測される対象を提案し、それに対する検索者の反応から、より確実に項目重視度を推定する。そしてシステム側にて提案した対象が検索者により選択された場合は、項目重視度反映検索と同様に項目重視度を更新する。提案手法には、検索者の検索値を一部変えた提案、検索者の設定傾向に基づいた提案がある。また、同時に検索者のアンケート結果をもとに検索者の嗜好を設定し、これに基づいた検索結果を推薦提案することも可能である。
【0115】
[検索者の検索値を一部変えた提案]
検索値は検索者が入力した値を用い、現在推定されている項目重視度の設定の一部を変えて検索し、その結果を提案する手法である。提案された対象が選択された場合は、変えた一部の項目の重視度が低い可能性が高く、該当する項目重視度を下げるなどの処理を行う。選択されなかった場合は何もしない。
【0116】
[検索者の設定傾向に基づいた提案]
検索者の過去の検索履歴から各検索項目の最も利用頻度の高い設定を計算し、おすすめ対象として提案する。図13A、図13Bにアルゴリズムを示す。
【0117】
ステップST61~ST62:初めての利用の場合は、検索インターフェイス20にてアンケート入力インターフェイス画面を表示し、検索者はこの画面からアンケートの答えを入力してサーバーシステム10に送信する。2回目以降の利用の場合は、直接ステップST63に行く。
【0118】
ステップST63、ST64:検索インターフェイス20にて検索パラメータ入力インターフェイス画面を表示し、検索者はこの画面から検索パラメータを入力してサーバーシステム10に送信する。
【0119】
ステップST65:データベース管理部14は検索者情報データベース12から過去の検索履歴を引き出し、新たな履歴を保存する。
【0120】
ステップST66~ST69:また、検索エンジン13は、入力された検索パラメータにて検索対象データベース11を検索し、また、ステップST65で引き出された検索履歴から最も良く検索する設定で同様に検索し、また、アンケート結果に基づいて検索する。そして、検索結果について、検索者の入力値とシステム設定値との差が小さい順に並び替え、結果を検索インターフェイス20に送信する。
【0121】
ステップST70~ST73:検索インターフェイス20は受信した検索結果を表示する。入力された検索パラメータによる検索結果と最も良く検索する設定での検索結果とアンケート結果に基づいた検索結果は別々の列に同時に表示、同じ列に表示、別々の枠に表示、別々のウインドウに表示などが可能である。
【0122】
これに対して検索者が、表示されている検索結果を見て、検索結果のいずれかを選択すれば、検索インターフェイス20からサーバーシステム10にその選択結果が送信される。検索者が検索結果を見て再検索と判断すればステップST64に戻ることになる。
【0123】
ステップST74~ST77:検索結果の選択が送信されてくると、データベース管理部14は検索者情報データベース12に検索パラメータと関連づけて選択された対象を記録する。検索エンジン13は、パラメータの重要度と最も良く検索する設定を更新する。そしてデータベース管理部14は検索者情報データベース12のこの最も良く検索する設定を更新する。また、検索エンジン13は選択された検索対象の詳細情報を検索インターフェイス20に送信し、詳細を表示させる。尚、一部の検索項目をランダムに設定することにより、想定外の提案も行うことも可能である。
【0124】
ステップST73、ST78、ST79:検索を続ける場合は、検索インターフェイスに戻る。セッションを終了する場合は、そのまま終了する場合と最後にアンケートに答える場合がある。
【0125】
このようにして、本アルゴリズムにより検索することにより、検索者の検索作業開始から終了までの1セッションにおける検索者の検索設定の仕方を学習し、各検索時間帯で最も利用頻度の高い設定を計算し、おすすめ対象として表示することができる。また、検索過程における状況をいくつか定義し、各状況における検索者の設定傾向を学習し、その状況に適した対象をおすすめ対象として表示するようにすることもできる。
【実施例】
【0126】
次に、本発明の検索システムについて、香水検索サイトの例を説明する。本実施例の検索システムの構成は、図1に示したものであり、サーバーシステム10は化粧品検索サイトにあり、検索者である利用者はパーソナルコンピュータのようなクライアントマシンを検索インターフェイス20として用いてこのサーバーシステム10にインターネット30を通じてアクセスする。
【0127】
図14に示すように、サーバーシステム10の検索対象データベース11には、多数種の香水それぞれについて、商品情報として製品名、商品番号、メーカー名、愛用している有名人、発売時期、価格帯、フリーワード、感性イメージ検索のための特徴パラメータとして、スイート度、スパイシー度、フルーティー度、セクシー度、フレッシュ度が登録されている。
【0128】
また図15に示すよう、検索者情報データベース12には、オンラインあるいは郵便にて収集された利用者の諸情報、氏名、性別、年齢、住所、嗜好、職業等を登録している。また利用者毎に検索システムの利用履歴を短期履歴と長期履歴に分けて登録している。利用者がオンラインにて送信してきた検索パラメータも登録している。
【0129】
検索インターフェイス20には、図16に示したような検索画面28を表示する。この検索画面28は、テキスト入力欄24、パラメータ(属性値、特徴量など)を数値入力するためのスライダー25、メーカー名、使用している有名人、発売時期等を選択させる選択欄26などであり、検索にはこれらの全て又は一部を利用する。例えば、感性イメージ検索の場合、入力値は数値になるため、特徴パラメータ毎にパラメータ数値を設定するための数値設定用スライダー25を利用する。メーカー名、愛用している有名人、発売時期、価格帯などは選択欄26を利用する。フリーワードはテキスト入力欄24に入力する。フリーワードでは、商品名、メーカー名などに限らず、商品説明文など、利用者の思いつく言葉や文章を入力する。
【0130】
検索者情報データベース検索項目は、メーカー名、愛用している有名人、発売時期、価格帯、フリーワード、感性イメージ検索のための特徴パラメータとして、スイート度、スパイシー度、フルーティー度、セクシー度、フレッシュ度が設定されている。
【0131】
メーカー名、愛用している有名人、発売時期、価格帯などは選択式になっている。メーカー名、愛用している有名人の各検索値は○○系などのようにグループ分割されている。フリーワードは商品名、メーカー名などに限らず、商品説明文などから自由に検索できる。感性イメージ検索のためのパラメータはスライダーによる数値入力になっており、検索に用いない特徴パラメータはチェックをはずすことができる。
【0132】
次に、上記の香水検索システムによる香水検索手順について説明する。利用者が検索インターフェイス20を利用して香水検索サーバーシステム10にインターネット30を通じてアクセスし、ログイン手続を済ませることで、この検索インターフェイス20の表示装置23に、図16の検索画面28が表示される。
【0133】
そこで、利用者は各項目を入力して検索ボタン27を押すと、図17に示すように検索サーバーシステム10側で検索エンジン13が利用者の入力した検索パラメータを自動調整し、利用者が実際に設定したパラメータ値と比較できるようにスライドカーソル25Aとは異なる色のバー25Bで自動調整結果を示し、また検索対象表示欄29に検索結果を特徴パラメータの検索条件に近い順に表示する。これと同時にシステムの提案する商品が右側に表示される。
【0134】
以上の香水検索処理を、図18A、図18Bのフローチャートを用いて説明する。
【0135】
ステップST121~ST123:利用者から香水検索サイトにアクセスがあると、サーバーシステム10のデータベース管理部14は、検索者情報データベース12に対して長期記憶から設定基準差推定値と項目重視度を引き出し、短期記憶に記憶する前処理を行い、検索パラメータ入力インターフェイス20に検索入力インターフェイス画面28を表示させる。利用者が検索入力インターフェイス画面28にて諸パラメータを入力すると、検索インターフェイス20を通じてサーバーシステム10に送信される。
【0136】
ステップST124~ST128:サーバーシステム10の検索エンジン13は検索パラメータを受信し、検索者情報データベース12の短期記憶から設定基準差推定値と項目重視度を引き出す。そして入力された検索パラメータを自動調整して検索を実行する。そして検索値と対象の設定値との差を計算し、項目重視度による重み付け計算から適合度を求め、適合度の高い順に並び替える。
【0137】
ステップST129:また、サーバーシステム10の検索エンジン13は検索パラメータを受信すると、検索者情報データベース12の利用者履歴から最もよく検索する設定で検索を行う。
【0138】
ステップST130:検索エンジン13は検索結果を検索インターフェイス20に送信して表示させる。この表示は、図11に示したようなものとなる。
【0139】
ステップST131:この検索結果に対して利用者は抽出された香水のいずれかを選択する操作をすれば、この選択情報が検索インターフェイス20を通してサーバーシステム10の検索エンジン13に送信される。選択操作をしない場合、ステップST135に移行する。
【0140】
ステップST132~ST134:検索エンジン13は新しい設定基準差推定値と項目重視度を計算し、データベース管理部14に渡す。データベース管理部14は計算結果を受けて、検索者情報データベース12の該当検索者情報の短期記憶の設定基準差推定値と項目重視度を更新する。また検索エンジン13は選択された検索対象の詳細情報を検索インターフェイス20に送信し、表示させる。
【0141】
ステップST135:利用者は検索結果の表示を見てセッション終了と判断すれば終了操作をし、検索を継続するのであれば再検索操作を行い、ステップST122に戻る。
【0142】
ステップST136~ST138:利用者がセッション終了を指示すれば、検索インターフェイス20からサーバーシステム10に送信され、データベース管理部14は検索者情報データベース12の該当検索者情報の短期記憶の設定基準差推定値と項目重視度を長期記憶に記憶させる。また検索エンジン13は新しい長期記憶の設定基準差推定値と項目重視度を計算してデータベース管理部14に渡し、データベース管理部14は検索者情報データベース12の該当項目のデータを更新する。
【0143】
次に、上記の香水検索システムによる反復フュージョンを用いた香水検索手順について説明する。利用者が検索インターフェイス20を利用して香水検索サーバーシステム10にインターネット30を通じてアクセスし、ログイン手続を済ませることで、この検索インターフェイス20の表示装置23に、図16の検索画面28が表示される。
【0144】
そこで、利用者は各項目を入力して検索ボタン27を押すと、図19に示すように検索サーバーシステム10側で検索エンジン13が利用者の入力した検索パラメータを自動変更した2つの代替案設定を作り、検索対象表示欄41に利用者の入力した検索パラメータによる検索結果を特徴パラメータの検索条件に近い順に表示し、検索対象表示欄42に代替案設定による検索結果を特徴パラメータの検索条件に近い順に表示し、検索対象表示欄43にもう一つの代替案による検索結果を特徴パラメータの検索条件に近い順に表示する。また、それぞれの代替案表示欄の上に、検索パラメータの変更条件を表示する。
【0145】
以上の香水検索処理を、図20A、図20Bのフローチャートを用いて説明する。
【0146】
ステップST139~ST141:利用者から香水検索サイトにアクセスがあると、サーバーシステム10のデータベース管理部14は、検索者情報データベース12に対して長期記憶から設定基準差推定値と項目重視度を引き出し、短期記憶に記憶する前処理を行い、検索パラメータ入力インターフェイス20に検索入力インターフェイス画面28を表示させる。利用者が検索入力インターフェイス画面28にて諸パラメータを入力すると、検索インターフェイス20を通じてサーバーシステム10に送信される。
【0147】
ステップST142~ST144:サーバーシステム10の検索エンジン13は検索パラメータを受信し、検索者情報データベース12の短期記憶から設定基準差推定値と項目重視度を引き出す。そして入力された検索パラメータの感性イメージ情報に設定基準差推定値を足すことにより検索パラメータを自動調整してフュージョン検索を実行する。そして検索値と対象の設定値との差を計算し、項目重視度による重み付け計算から適合度を求め、適合度の高い順に並び替える。
【0148】
ステップST145~ST148:また、サーバーシステム10の検索エンジン13は検索パラメータを受信すると、最も項目重視度の低い検索パラメータを最も多く設定する条件に変更したA種代替案の場合と、2番目に多く設定する条件に変更したB種代替案の場合で、反復フュージョン検索を行い、検索値と対象の設定値との差を計算し、項目重視度による重み付け計算から適合度を求め、適合度の高い順に並び替える。
【0149】
ステップST149:検索エンジン13は検索結果を検索インターフェイス20に送信し、3つの異なる条件での検索結果を別々に表示させる。この表示は、図19に示したようなものとなり、ステップST144による検索結果を本案として検索結果表示欄31に表示し、ステップST145による検索結果をA種代替案として検索結果表示欄32に表示し、ステップST147による検索結果をB種代替案として検索結果表示欄33に表示する。
【0150】
ステップST150、ST151:A種代替案ボタン44が選択された場合、検索入力をA種代替案の検索パラメータ設定に変更し、ステップST301に戻り、検索を繰り返す。
【0151】
ステップST152、ST153:B種代替案ボタン45が選択された場合、B種代替案の検索パラメータ設定に変更し、ステップST143に戻り、検索を繰り返す。そうでない場合は反復フュージョン検索を終了する。
【0152】
ステップST154:この検索結果に対して利用者は抽出された香水のいずれかを選択する操作をすれば、この選択情報が検索インターフェイス20を通してサーバーシステム10の検索エンジン13に送信される。選択操作をしない場合、ステップST158に移行する。
【0153】
ステップST155~ST157:検索エンジン13は新しい設定基準差推定値と項目重視度を計算し、データベース管理部14に渡す。データベース管理部14は計算結果を受けて、検索者情報データベース12の該当検索者情報の短期記憶の設定基準差推定値と項目重視度を更新する。また検索エンジン13は選択された検索対象の詳細情報を検索インターフェイス20に送信し、表示させる。
【0154】
ステップST158:利用者は検索結果の表示を見てセッション終了と判断すれば終了操作をし、検索を継続するのであれば再検索操作を行い、ステップST140に戻る。
【0155】
ステップST159~ST161:利用者がセッション終了を指示すれば、検索インターフェイス20からサーバーシステム10に送信され、データベース管理部14は検索者情報データベース12の該当検索者情報の短期記憶の設定基準差推定値と項目重視度を長期記憶に記憶させる。また検索エンジン13は新しい長期記憶の設定基準差推定値と項目重視度を計算してデータベース管理部14に渡し、データベース管理部14は検索者情報データベース12の該当項目のデータを更新する。
【0156】
このようにして、本実施例の香水検索システムでは、次の諸事項を行うことができる。
【0157】
(i)検索者毎に検索システムの利用履歴を記憶し蓄積していくことにより、利用するほど検索者の傾向を正確に把握して、検索者に最適な検索対象を提案する。
【0158】
(ii)検索者毎に検索システムの利用履歴を短期履歴と長期履歴に分け、長期履歴から検索者の不変的な傾向である長期特性を読み取り、短期履歴から最近の傾向である短期特性を読み取り、長期特性と短期特性から検索者に最適な検索対象を提案する。
【0159】
(iii)複数の数値検索パラメータによる感性イメージ検索において、検索者の独自基準とシステムが定義している基準との差を検索者情報から同定することにより、システムが検索パラメータ自動調整する。
【0160】
(iv)複数の検索項目による複合検索において、検索者の各検索項目の重視度合を検索者情報から同定することにより、検索者に最適な検索対象を提案する。尚、この場合、入力された検索値に一致する対象がない場合でも、システムが重視度合いの低い項目から検索条件を自動的に緩めることにより該当する対象を必ず表示する。また、他の検索項目が合致しなくても、重要度合の最も高い検索項目が一致する検索対象を提案する。
【0161】
(v)検索結果と共に検索者への質問を表示し、この質問に対する反応を観測するやりとりを繰り返し行うことにより、検索者の求める対象を表示する。
【0162】
(vi)検索者情報データベース12から似た特徴を持つ検索者を検索し、それらの検索者が検索した対象を提案する。例えば、同じメーカーの商品を多く選択する傾向が高い場合、「このメーカーの商品ではこのようなものがありますが表示しますか。」と聞くことで好みを再確認し、利用者である検索者個々に相応した情報を提案する。そしてクリックされたという情報を重み付けしたデータを保存していくことにより、より精度の高いシステムとすることができる。例えば、オンラインショップであれば重み付けには購入、資料請求、クリックなどの順に10:5:1でポイント付けすることで、より実態を反映したものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】本発明の1つの実施の形態の検索システムのブロック図。
【図2】上記実施の形態の検索システムにて用いる検索入力インターフェイス画面の説明図。
【図3】上記実施の形態の検索システムにおける検索アルゴリズムのフローチャート。
【図4】上記実施の形態の検索システムにおける反復フュージョン検索アルゴリズムのフローチャート。
【図5】上記実施の形態の反復フュージョン検索システムにて用いる検索結果表示インターフェイス画面の説明図。
【図6】上記実施の形態の検索システムにおけるフュージョン検索アルゴリズムのフローチャート。
【図7】上記実施の形態の検索システムにおける感性イメージ検索アルゴリズムのフローチャート。
【図8】上記実施の形態の検索システムにおける検索・選択履歴に基づいた検索者傾向情報の推定と、長期記憶と短期記憶による情報更新のアルゴリズムのフローチャート。
【図9】上記実施の形態の検索システムにおけるパラメータ領域の基底関数による分割を示す説明図。
【図10】上記実施の形態の検索システムにおける検索者傾向情報を用いた検索の一つである設定基準差解消検索アルゴリズムのフローチャート。
【図11】上記実施の形態の検索システムにおける検索者傾向情報を用いた検索の一つである条件緩和する項目重視度反映検索アルゴリズムのフローチャート。
【図12】上記実施の形態の検索システムにおける検索者傾向情報を用いた検索の一つである項目重視度を用いた重み付け適合度による並べ替えを用いた項目重視度反映検索アルゴリズムのフローチャート。
【図13A】上記実施の形態の検索システムにおける検索者の設定傾向に基づいた提案アルゴリズムのフローチャートの前半部。
【図13B】上記実施の形態の検索システムにおける検索者の設定傾向に基づいた提案アルゴリズムのフローチャートの後半部。
【図14】本発明の実施例の香水検索システムにおける検索対象データベースの登録データ内容の説明図。
【図15】上記実施例の香水検索システムにおける検索者情報データベースの登録データ内容の説明図。
【図16】上記実施例の香水検索システムにて用いる検索入力インターフェイスの画面の説明図。
【図17】上記実施例の香水検索システムにおける検索結果表示画面の説明図。
【図18A】上記実施例の香水検索システムの香水検索アルゴリズムのフローチャートの前半部。
【図18B】上記実施例の香水検索システムの香水検索アルゴリズムのフローチャートの後半部。
【図19】本発明の実施例の香水検索システムによる反復フュージョンを用いた香水検索のための検索入力インターフェイスの画面の説明図。
【図20A】上記実施例の香水検索システムによる反復フュージョンを用いた香水検索のアルゴリズムのフローチャートの前半部。
【図20B】上記実施例の香水検索システムによる反復フュージョンを用いた香水検索のアルゴリズムのフローチャートの後半部。
【符号の説明】
【0164】
10 検索サーバーシステム
11 検索対象データベース
12 検索者情報データベース
13 検索エンジン
14 データベース管理部
15 大容量記憶装置
20 検索インターフェイス
21 検索者識別装置
22 入力装置
23 表示装置
24 テキスト入力欄
25 スライダー
26 項目選択欄
27 検索ボタン
28 検索入力インターフェイス画面
29 検索結果表示欄
30 インターネット
201 検索結果本案表示欄
202 A種代替案選択ボタン
203 A種代替案表示欄
204 B種代替案選択ボタン
205 B種代替案表示欄
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13A】
12
【図13B】
13
【図14】
14
【図15】
15
【図16】
16
【図17】
17
【図18A】
18
【図18B】
19
【図19】
20
【図20A】
21
【図20B】
22