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明細書 :植物の鮮度保持剤およびそれを用いた植物の鮮度保持方法および植物のエチレン発生抑制剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4284393号 (P4284393)
公開番号 特開2004-083493 (P2004-083493A)
登録日 平成21年4月3日(2009.4.3)
発行日 平成21年6月24日(2009.6.24)
公開日 平成16年3月18日(2004.3.18)
発明の名称または考案の名称 植物の鮮度保持剤およびそれを用いた植物の鮮度保持方法および植物のエチレン発生抑制剤
国際特許分類 A01N   3/00        (2006.01)
A01N   3/02        (2006.01)
FI A01N 3/00
A01N 3/02
請求項の数または発明の数 4
全頁数 9
出願番号 特願2002-247725 (P2002-247725)
出願日 平成14年8月27日(2002.8.27)
審査請求日 平成17年8月26日(2005.8.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明者または考案者 【氏名】田中 敬一
【氏名】朝倉 利員
【氏名】村松 昇
【氏名】中野 有美
【氏名】菩提 司
【氏名】▲高▼木 道信
個別代理人の代理人 【識別番号】100062225、【弁理士】、【氏名又は名称】秋元 輝雄
審査官 【審査官】中島 庸子
参考文献・文献 特開平07-033603(JP,A)
特開平05-039201(JP,A)
特開平08-081301(JP,A)
特開平11-158002(JP,A)
特表平08-509375(JP,A)
調査した分野 A01N 3/00
A01N 3/02
特許請求の範囲 【請求項1】
オルトけい酸ナトリウムを有効成分として含む植物の鮮度保持剤であって、使用に際してその濃度を1~1000質量ppmに調整したことを特徴とする植物の鮮度保持剤。
【請求項2】
請求項1記載の植物の鮮度保持剤を対象植物の全体あるいは一部に適用することを特徴とする植物の鮮度保持方法。
【請求項3】
オルトけい酸ナトリウムを有効成分として含むことを特徴とする植物のエチレン発生抑制剤。
【請求項4】
請求項3記載の植物のエチレン発生抑制剤を対象植物の全体あるいは一部に適用することを特徴とする植物のエチレン発生抑制方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は植物の鮮度保持剤およびそれを用いた植物の鮮度保持方法および植物のエチレン発生抑制剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、植物の鮮度保持剤としては、切花に適用するチオ硫酸銀を主成分とする鮮度保持剤をはじめ、様々な鮮度保持剤が提案されている。具体的には、例えば特開平11-158003号公報には、カチオン、アニオン又はノニオン界面活性剤の利用が提案されており、銀および銀化合物を鮮度保持剤として利用する提案としては特開平11-5701号公報、特開平11-180801号公報、特開平11-189501号公報、特開平11-217303号公報などがあり、フェノール酸、有機酸(ケイヒ酸、スルホサリチル酸、シクロデキストリン)を鮮度保持剤として利用する提案としては特開平9-154482号公報、特開平9-249501号公報、特開平10-273402号公報などがある。
【0003】
一方、特開平10-501553号公報には、1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)合成阻害剤としてマレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、サリチル酸、酒石酸の利用が提案され、エチレン生成阻害能をもつ老化防止剤とコロイド粒子の利用が特開2001-181104号公報に提案されている。
また、特開2000-109401号公報には、実質的にナトリウムを含有しない、pHが4.5から6.8の範囲の電解水からなる生花の鮮度保持剤、及び鮮度保持方法が提案されている。
この特開2000-109401号公報には、バラの切り花の場合に食塩を含有する電解水を用いると1日で約半数が萎れ生花の鮮度保持には不適当であり、また食塩が生花に残存して悪影響を与える可能性があると記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は先に安息香酸または安息香酸ナトリウムなどの安息香酸塩類を有効成分として含む植物の鮮度保持剤およびそれを用いた植物の鮮度保持方法を提案した(特開2001-302403号公報)。
この植物の鮮度保持剤を植物に適用すると、植物体自身のエチレンの発生を抑制し、優れた鮮度保持効果を挙げることができる。本発明者等はその後さらに研究を重ねた結果、安息香酸ナトリウムを除くナトリウム化合物が植物に対してさらに優れた鮮度保持効果を有することを新たに見出した。
【0005】
本発明の第1の目的は、安定的にしかも容易に手に入る安価な資材であって製剤化も容易で利用し易い資材を用いて、植物体自身のエチレンの発生を抑制し、優れた鮮度保持効果を挙げることができる新たな植物の鮮度保持剤を提供することであり、本発明の第2の目的は、そのような鮮度保持剤を植物に適用して植物の鮮度を保持する方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、植物のエチレン発生を抑制する植物のエチレン発生抑制剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、前記課題を解決するための本発明の請求項1記載の植物の鮮度保持剤は、オルトけい酸ナトリウムを有効成分として含む植物の鮮度保持剤であって、使用に際してその濃度を1~1000質量ppmに調整したことを特徴とする。
【0007】
本発明の植物の鮮度保持剤は、安定的にしかも容易に手に入る安価で製剤化も容易で利用し易いものであり、植物体自身のエチレンの発生を抑制し、優れた鮮度保持効果を奏する。
使用に際して前記オルトけい酸ナトリウム化合物の濃度を1~1000質量ppmに調整すれば植物の種類、適用時期、植物への適用箇所などに応じて公知の適用方法を用いて適宜容易に適用して優れた鮮度保持効果を挙げることができる。
【0008】
本発明の請求項2記載の植物の鮮度保持方法は、請求項1記載の植物の鮮度保持剤を対象植物の全体あるいは一部に適用することを特徴とする。
【0009】
本発明の植物の鮮度保持方法により、優れた鮮度保持効果を挙げることができる。
【0010】
本発明の請求項3記載の植物のエチレン発生抑制剤は、オルトけい酸ナトリウムを有効成分として含むことを特徴とする。
【0011】
オルトけい酸ナトリウムは低コストで優れた鮮度保持効果を挙げることができる。
【0012】
本発明の請求項4記載の植物のエチレン発生抑制方法は、請求項3記載の植物のエチレン発生抑制剤を対象植物の全体あるいは一部に適用することを特徴とする。
【0013】
本発明の植物のエチレン発生抑制方法により、優れたエチレン発生抑制効果を挙げることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明を以下に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明は、前記のように本発明者等により安息香酸ナトリウムを除く水溶性ナトリウム化合物(以下、水溶性ナトリウム化合物と称す)が植物体自身のエチレンの発生を抑制し、優れた鮮度保持効果を挙げるという新しい機能を有することを初めて見出したことに基づいて成されたものである。
本発明で用いる水溶性ナトリウム化合物は、安息香酸ナトリウムを除く水溶性ナトリウム化合物であり、有機物でも無機物でもあるいはこれらの2種以上の混合物であってもよく、安定的にしかも容易に手に入る安価な資材であり、水溶性であるので製剤化も容易で利用し易い資材である。
【0015】
本発明の植物の鮮度保持剤が植物自体のエチレン発生を抑制する作用機作の解明はできていないが、植物からは次のような経路でエチレンが発生すると考えられている。
すなわち、メチオニンからS-アデノシルメチオニン(SAM)を経由して1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)が合成され、そしてACCからエチレンが生成するというのがエチレンの生合成の経路である。
本発明の植物の鮮度保持剤の有効成分である水溶性ナトリウム化合物がACCからエチレンになる経路においてエチレン合成酵素の働きを抑制しエチレンの発生を抑制するものと考えられる。
【0016】
本発明においては、水溶性ナトリウム化合物は単独使用でも2種以上の複数使用でもよいが、植物の栄養に有効とされる硝酸塩などの窒素源、燐酸塩、カリ塩、苦土塩、カルシウム塩などの多量肥料成分の他に、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅、モリブデンなど微量要素成分などとの混用も必要に応じて適宜行うことができる。
水溶性ナトリウム化合物とともに前記多量肥料成分や微量要素成分などと混用することにより、切り花など植物の収穫前に鮮度保持効果と肥料効果の両面を兼ね備えた施用を行うことができ、それにより植物の樹勢を維持し、収穫後も鮮度を保持することができる。
【0017】
本発明において用いる水溶性ナトリウム化合物は、特に限定されるものではないが、例えば亜硫酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、オルトけい酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムから選択される少なくとも1種の化合物は、安定的にしかも容易に手に入る安価な資材であり、水溶性であるので製剤化も容易で利用し易い資材であるので、本発明において好ましく使用できる。
【0018】
本発明の植物の鮮度保持剤は、使用に際しては水溶性ナトリウム化合物をラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤や食品工業に用いられるショ糖脂肪酸エステルや、食品工業で用いられるアルギン酸ナトリウムやカルボキシメチルセルロースなどの増粘補助剤とともに、水に分散させた後、粉砕して製造されるような、水溶液や予め溶かしやすいようにしたフロアブル剤としたり(勿論、界面活性剤や増粘剤の種類は上記のものに限定されない)、
水溶性ナトリウム化合物をけいそう土、クレー、炭酸カルシウム、タルクなどの鉱物質微粉からなる増量剤と混合して、輸送コストや製造コストを低減するため普及性の良い粉体の形態にしたり(勿論、増量剤の種類は上記のものに限定されない)、
水溶性ナトリウム化合物をけいそう土、クレー、炭酸カルシウム、タルクなどの鉱物質微粉からなる増量剤と混合し粉砕し、必要に応じて水中での懸垂性を保つためアルギン酸ナトリウムやカルボキシセルローズなどの界面活性剤を添加して水和剤にしたり、
炭化水素をプロペラントとしてそのまま散布できるエアゾール剤としたり、
水溶性ナトリウム化合物とカオリナイト群、モンモリロナイト群などの鉱物類などを担体に用いて打錠して使用場面の多様性のある錠剤などにしたり(勿論、担体の種類は上記のものに限定されない)することができる。
上記のように本発明の植物の鮮度保持剤は、使用局面に応じて適宜剤形を変えて、例えば溶液の形にして対象植物を浸漬したり、葉面散布して使用したりするなどして使用することができる。
【0019】
本発明の植物の鮮度保持剤は、上記のような適宜の剤形にして植物の葉菜類への葉面散布や収穫物の浸漬など対象植物全体への適用・施用したり、花卉類への茎葉や切り口など植物の一部に部分散布したり植物の一部を浸漬したりなどして適用・施用することもできる。本発明の植物の鮮度保持剤を適用・施用する剤形や時期や時間などは植物の種類や適用箇所などにより異なることがあるので、植物に合わせて適宜決定することが好ましい。
【0020】
本発明の植物の鮮度保持剤を対象植物の全体あるいは一部に適用したり施用したりして使用に際しては、本発明の植物の鮮度保持剤をそのまま散布したりすることもできるが、水溶性ナトリウム化合物の濃度を1~1000質量ppm、好ましくは5~900質量ppm、さらに好ましくは10~500質量ppmに調整して使用することが望ましい。1質量ppm未満では鮮度保持効果が得られない恐れがあり、1000質量ppmを超えてもさらなる鮮度保持効果の向上がないか逆に鮮度保持効果が低下する恐れがある。
【0021】
本発明の植物の鮮度保持剤の使用時期は特に限定されないが、例えば、植物の収穫前、収穫後の両時期に使用できる。また、対象植物は特に限定されるものではないが、例えば、キク、バラ、カーネーションなどの花卉類、ホウレンソウ、キャベツ、レタス、コマツナなどの葉菜類、モヤシ、ゴボウ、ニンジンなどの根菜類、リンゴ、ナシ、イチゴなどの果実類などを挙げることができる。
【0022】
【実施例】
以下実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(本発明の植物のエチレン発生抑制剤の調製)
アミノエトキシビニルグリシン[aminoethoxyvinilglycine、エチレン阻害剤(AVG)]および1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)を含む0.1Mヘペス(HEPES)緩衝液(PH5.9)の溶液に亜硫酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、オルトけい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの最終濃度が1000質量ppmになるようにそれぞれ調整し溶解して本発明および参考例1の植物のエチレン発生抑制剤(溶液)を調製した。
【0023】
リンゴ果肉をNo.3のコルクボーラーでくりぬき、5mmずつに切り、本発明の植物のエチレン発生抑制剤を適量だけ同量入れた各試験管にリンゴを2切片ずつ入れて浸漬し、シリコンキャップをつけ、よく混合した。その状態で常温で2時間後および4時間後に各試験管のヘッドスペースから気体を採取し、ガスクロマトグラフィーを用いて、エチレンの発生量を測定した。下記の比較例1の場合のエチレンの発生量を100として相対値で表した2時間後、4時間後の測定結果を表1に示す。
【0024】
(比較例1)
本発明の植物のエチレン発生抑制剤を用いる替わりに水を用いた以外は実施例1と同様にしてエチレンの発生量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
JP0004284393B2_000002t.gif【0026】
エチレン前駆物質であるACCからエチレンを介在する酵素であるACC酸化酵素の活性を測定するために、AVGでACC合成酵素を活性を阻害してエチレン生成阻害活性を測定した。表1に示したように、比較例1に比べ、本発明の植物のエチレン発生抑制剤を用いた場合、試料添加後、2時間、4時間ともにエチレン生成阻害効果が認められ、特に亜硫酸ナトリウム、オルトけい酸ナトリウムで顕著に阻害し、エチレン発生量が少なくなることが判る。
【0027】
(実施例2)
水溶性ナトリウム化合物(亜硫酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、オルトけい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム)の濃度10質量ppmおよび100質量ppmの水溶液からなる本発明および参考例2の植物の鮮度保持剤を調製した。開花状態を統一したキク(品種;白大使)を収穫後水切りし、3本ずつ試験に供した。各種溶液の液量は450mlとし、キク(白大使)の茎部を浸漬し、経過日数とともに、葉および花の状態がどのように変化するかを観察し、試験区ごとに1本ずつ下記の葉の枯れ程度、花のしおれ程度の評価基準に従って評価点数をつけ、3本を平均した。観察評価結果を表2および表3に示す。
(葉の枯れ程度の評価基準)
枯れ程度を4段階評価とし、健全な状態を4、ほぼ全体が枯れている状態を1とし、その間を1刻みで評価する。その結果を表2に示す。
(花のしおれ程度の評価基準)
観察8日目のしおれ程度を4段階評価とし、萎れがなく健全な状態を4、ほぼ全体が萎縮している状態を1とし、その間を1刻みで評価する。その結果を表3に示す。
【0028】
(比較例2)
本発明の植物の鮮度保持剤を用いる替わりに水を用いた以外は実施例2と同様にしてしおれ程度を評価した。評価結果を表2および表3に示す。
【0029】
【表2】
JP0004284393B2_000003t.gif【0030】
【表3】
JP0004284393B2_000004t.gif【0031】
表2に示したように、水溶性ナトリウム化合物濃度10質量ppmおよび100質量ppmの本発明の植物の鮮度保持剤は葉の鮮度保持の効果がみられたが、比較例2の場合はしおれた。メタけい酸ナトリウムおよびオルトけい酸ナトリウムの効果は顕著に表れた。
【0032】
表3に示したように、水溶性ナトリウム化合物濃度10質量ppmおよび100質量ppmで花の鮮度保持効果がみられた。けい酸ナトリウム10質量ppm、酢酸ナトリウム100質量ppmで効果は顕著に表れた。
【0033】
(実施例3)
水溶性ナトリウム化合物(亜硫酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、オルトけい酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム)の濃度50質量ppmの水溶液からなる本発明および参考例3の植物の鮮度保持剤を調製した。開花状態を統一した撫子F1(タキイ種苗)を収穫後水切りし、3本ずつ試験に供した。各種溶液の液量は10mlとし、撫子の茎部を浸漬し、経過日数とともに花の状態がどのように変化するかを観察し、試験区ごとに1本ずつしおれ程度の評価基準に従って評価点数をつけ、3本を平均した。観察評価結果を表4に示す。
(花のしおれ程度の評価基準)
しおれ程度を4段階評価とし、萎れがなく健全な状態を4、ほぼ全体が萎縮している状態を1とし、その間を1刻みで評価する。その結果を表4に示す。
【0034】
(比較例3)
本発明の植物の鮮度保持剤を用いる替わりに水を用いた以外は実施例3と同様にしてしおれ程度を評価した。評価結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
JP0004284393B2_000005t.gif【0036】
表4に示したように本発明の植物の鮮度保持剤は鮮度保持効果がみられ、けい酸ナトリウムは10日目でも充分に鑑賞できる程度であった。
【0037】
(実施例4)
水溶性ナトリウム化合物(亜硫酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、オルトけい酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム)の500質量ppmと100質量ppmの水溶液からなる本発明および参考例4の植物の鮮度保持剤を各々調製した。72日栽培した小松菜(品種;浜美2号)3株を採取し茎部を各溶液に常温で24時間浸漬し、その後4℃で9日間保存し、しおれ程度を下記の評価基準で観察評価した。観察評価結果を表5に示した。
【0038】
(しおれ程度の評価基準)
しおれ程度を、健全4から全体しおれ1まで4段階評価とし、平均して結果を示す。
【0039】
(比較例4)
本発明の植物の鮮度保持剤を用いる替わりに水を用いた以外は実施例4と同様にしてしおれ程度を評価した。評価結果を表5に示す。
【0040】
【表5】
JP0004284393B2_000006t.gif【0041】
表5に示したように、茎部の24時間常温浸漬で、本発明の植物の鮮度保持剤は鮮度保持の効果がみられた。それに対して、比較例4の場合は6日目からしおれが悪化した。
【0042】
【発明の効果】
以上説明した本発明の請求項1記載の本発明の植物の鮮度保持剤は、安定的にしかも容易に手に入る安価で製剤化も容易で利用し易いオルトけい酸ナトリウムを有効成分として含む植物の鮮度保持剤であって、使用に際してその濃度を1~1000質量ppmに調整したことを特徴とする植物の鮮度保持剤であり、植物体自身のエチレンの発生を抑制し、優れた鮮度保持効果を奏するという顕著な効果を奏する。
使用に際してオルトけい酸ナトリウム化合物の濃度を1~1000質量ppmに調整したので、植物の種類、適用時期、植物への適用箇所などに応じて公知の適用方法を用いて適宜容易に適用して優れた鮮度保持効果を挙げることができるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0043】
本発明の請求項2記載の植物の鮮度保持方法により前記本発明の植物の鮮度保持剤を対象植物に容易に適用でき、そして優れた鮮度保持効果を挙げることができるという顕著な効果を奏する。
【0044】
本発明の請求項3記載の植物のエチレン発生抑制剤は、オルトけい酸ナトリウムを有効成分として含むことを特徴とするものであり、安定的にしかも容易に手に入る安価で製剤化も容易で利用し易いナトリウム化合物であるので、容易に低コストで優れたエチレン発生抑制効果を挙げることができるという顕著な効果を奏する。
【0045】
本発明の請求項4記載の植物のエチレン発生抑制方法は、請求項3記載の植物のエチレン発生抑制剤を対象植物の全体あるいは一部に適用することを特徴とするものであり、優れたエチレン発生抑制効果を挙げることができる。