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明細書 :酸化ストレス耐性を付与した乳酸菌及び新規発現ベクターを用いたタンパク質生産システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5317081号 (P5317081)
公開番号 特開2009-039032 (P2009-039032A)
登録日 平成25年7月19日(2013.7.19)
発行日 平成25年10月16日(2013.10.16)
公開日 平成21年2月26日(2009.2.26)
発明の名称または考案の名称 酸化ストレス耐性を付与した乳酸菌及び新規発現ベクターを用いたタンパク質生産システム
国際特許分類 C12N   9/28        (2006.01)
C12P  21/02        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
C12N   1/21        (2006.01)
C12R   1/225       (2006.01)
C12R   1/01        (2006.01)
FI C12N 9/28 ZNA
C12P 21/02 C
C12N 15/00 A
C12N 1/21
C12N 9/28 ZNA
C12R 1:225
C12N 9/28 ZNA
C12R 1:01
請求項の数または発明の数 2
全頁数 32
出願番号 特願2007-207287 (P2007-207287)
出願日 平成19年8月8日(2007.8.8)
審査請求日 平成22年5月28日(2010.5.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明者または考案者 【氏名】島 純
【氏名】萩 達朗
【氏名】川本 伸一
個別代理人の代理人 【識別番号】100118371、【弁理士】、【氏名又は名称】▲駒▼谷 剛志
【識別番号】100078282、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 秀策
【識別番号】100062409、【弁理士】、【氏名又は名称】安村 高明
【識別番号】100113413、【弁理士】、【氏名又は名称】森下 夏樹
審査官 【審査官】小倉 梢
参考文献・文献 特開2006-262724(JP,A)
特表平02-501266(JP,A)
日本農芸化学会大会講演要旨集,2007年 3月 5日,p. 180,3A10a02
Appl. Microbiol. Biotechnol.,2006年,Vol. 73,p. 366-373
Eur. J. Biochem.,1986年,Vol. 160,p. 487-490
Proc. Natl. Acad. Sci. USA.,1988年,Vol. 85,p. 4789-4793
Microbiology,2005年,Vol. 151,p. 3011-3018
Int. J. Food Microbiol.,2004年,Vol. 95,p. 127-135
Appl. Environ. Microbiol.,2006年,Vol. 72, No. 8,p. 5143-5149
日本生物工学会大会講演要旨集,2007年 8月 2日,Vol. 59,p. 102,2D13-3
Proc. Natl. Acad. Sci. USA.,1988年,Vol. 85,pp. 4789-4793
調査した分野 C12N 9/28
C12N 15/00-90
C12P 21/00-08
C12N 1/21
CAplus/MEDLINE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
WPI

特許請求の範囲 【請求項1】
酸化ストレス条件下で外来遺伝子を発現するための乳酸菌であって、配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも90%相同な配列を含む核酸であって、スーパーオキシドディスムターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする核酸、および、配列番号2に記載のアミノ酸配列に1または数個の欠失、付加、または、置換を含むアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、スーパーオキシドディスムターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、からなる群から選択される核酸が導入されている乳酸菌に、α-アミラーゼ発現カセットを導入して発現させる、α-アミラーゼの生産方法。
【請求項2】
前記乳酸菌が、Lactococcus属またはLactobacillus属に属する乳酸菌である、請求項1に記載のα-アミラーゼの生産方法
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化ストレス耐性を付与した乳酸菌、およびその乳酸菌を作製するための発現カセット、ならびに、そのような乳酸菌を使用するタンパク質生産システムおよびタンパク質生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乳酸菌は、安全性の高い微生物と認識されており、有用タンパク質生産や医療用ワクチンの輸送体等としての利用が期待されている。特に、Lactococcus属およびLactobacillus属乳酸菌は、豊富な食経験から安全性の高い微生物と捉えられており、発酵食品等の食品製造における最重要な微生物である。また、これら乳酸菌は、タンパク質・ペプチドや乳酸等の有用物質生産システムの宿主として、およびワクチンやサイトカイン等を発現させた医療用物質輸送体として期待されている。
【0003】
しかし、乳酸菌は酸化ストレスの消去能が欠如しており、実用過程で負荷される酸化ストレスによりタンパク質生産用の宿主としての機能が制限される。なぜならば、乳酸菌の利用過程、すなわち、培養過程や生体内環境において、乳酸菌には酸化ストレスが負荷され、タンパク質生産用宿主としての機能が制限されるからである。そのため、乳酸菌に酸化ストレス耐性を付与することが可能になれば、乳酸菌の利用が高度化されるとともに、乳酸菌を用いたタンパク質生産システムの用途も飛躍的に拡大するものと考えられる。
【0004】
微生物を宿主としたタンパク質の生産は、主に大腸菌、枯草菌(特許文献1および2)、酵母(特許文献3)等を宿主として行われてきた。乳酸菌を宿主とするタンパク質生産も試みられてきたが(特許文献4~6)、単に発現用ベクターの発明に留まっている。また、乳酸菌の酸素ストレス耐性に関与する遺伝子も見出されているが(特許文献7)、その遺伝子産物を異種タンパク質生産へ応用することは検討されていない。
【0005】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。

【特許文献1】特開2007-130012
【特許文献2】特開2006-296242
【特許文献3】特開2004-81222
【特許文献4】特開2006-262724
【特許文献5】特開2001-340090
【特許文献6】特開2004-511248
【特許文献7】特開2001-327292
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、酸化ストレス存在下で培養した場合であっても、大量に異種タンパク質を生産できる改変乳酸菌が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明では、酵母等に由来する酸化ストレス消去系遺伝子を乳酸菌に導入して酸化ストレス耐性を付与した乳酸菌株を生産用宿主として利用することにより、問題点の解決をはかった。また、異種タンパク質の大量発現に最適なプロモーター及び分泌カセットを含む新規発現・分泌ベクターを構築した。さらに、構築した宿主とベクターを組み合わせることにより、好気培養や生体内環境において負荷される酸化ストレスの存在下においても、高効率に機能するタンパク質生産システムを確立した。
【0008】
従って、本発明は、以下を提供する:
(項目1) 酸化ストレス消去系遺伝子を導入した、高度酸化ストレス耐性を有する乳酸菌。
【0009】
(項目2) 酸化ストレス条件下で外来遺伝子を発現するための乳酸菌であって、カタラーゼをコードする核酸、スーパーオキシドディスムターゼをコードする核酸、メタロチオネインをコードする核酸、メチオニンスルホキシドリダクターゼAをコードする核酸、および、グルタチオンペルオキシダーゼをコードする核酸からなる群から選択される核酸が導入されている、乳酸菌。
【0010】
(項目3) 前記カタラーゼをコードする核酸が、
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸であって、カタラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸であって、カタラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする核酸、および、
配列番号2に記載のアミノ酸配列に1または数個の欠失、付加、または、置換を含むアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、カタラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
からなる群から選択される核酸である、項目2に記載の乳酸菌。
【0011】
(項目4) 前記スーパーオキシドディスムターゼをコードする核酸が、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸であって、スーパーオキシドディスムターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸であって、スーパーオキシドディスムターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする核酸、および、
配列番号4に記載のアミノ酸配列に1または数個の欠失、付加、または、置換を含むアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、スーパーオキシドディスムターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
からなる群から選択される核酸である、項目2に記載の乳酸菌。
【0012】
(項目5) 前記メタロチオネインをコードする核酸が、
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸であって、メタロチオネイン活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号5に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸であって、メタロチオネイン活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号6に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする核酸、および、
配列番号6に記載のアミノ酸配列に1または数個の欠失、付加、または、置換を含むアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、メタロチオネイン活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
からなる群から選択される核酸である、項目2に記載の乳酸菌。
【0013】
(項目6) 前記メチオニンスルホキシドリダクターゼAをコードする核酸が、
配列番号7に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸であって、メチオニンスルホキシドリダクターゼA活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号7に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸であって、メチオニンスルホキシドリダクターゼA活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号8に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする核酸、および、
配列番号8に記載のアミノ酸配列に1または数個の欠失、付加、または、置換を含むアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、メチオニンスルホキシドリダクターゼA活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
からなる群から選択される核酸である、項目2に記載の乳酸菌。
【0014】
(項目7) 前記グルタチオンペルオキシダーゼをコードする核酸が、
配列番号9に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸であって、グルタチオンペルオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号9に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸であって、グルタチオンペルオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする核酸、および、
配列番号10に記載のアミノ酸配列に1または数個の欠失、付加、または、置換を含むアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、グルタチオンペルオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
からなる群から選択される核酸である、項目2に記載の乳酸菌。
【0015】
(項目8) 酸化ストレス条件下で外来遺伝子を発現するための乳酸菌であって、カタラーゼをコードする核酸、または、スーパーオキシドディスムターゼをコードする核酸、が導入されている、乳酸菌。
【0016】
(項目9) Lactococcus属またはLactobacillus属に属する、項目8に記載の乳酸菌。
【0017】
(項目10) 項目2に記載の乳酸菌、および、異種タンパク質発現カセットを含有する、タンパク質生産システムであって、ここで、異種タンパク質発現カセットは、分泌カセットを含む、タンパク質生産システム。
【0018】
(項目11) 項目10に記載のタンパク質生産システムを使用する、異種タンパク質の生産方法。
【0019】
(項目12) 前記異種タンパク質がα—アミラーゼである、項目11に記載の生産方法。
【0020】
(項目13) 乳酸菌に酸化ストレス耐性を付与するための、酸化ストレス消去系遺伝子を含む発現カセットであって、
ここで、該発現カセットは、プロモーターに作動可能に連結されており、
ここで、酸化ストレス消去系遺伝子は、カタラーゼをコードする核酸、スーパーオキシドディスムターゼをコードする核酸、メタロチオネインをコードする核酸、メチオニンスルホキシドリダクターゼAをコードする核酸、および、グルタチオンペルオキシダーゼをコードする核酸からなる群から選択される核酸である、発現カセット。
【0021】
(項目14) 前記カタラーゼをコードする核酸が、
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸であって、カタラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸であって、カタラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする核酸、および、
配列番号2に記載のアミノ酸配列に1または数個の欠失、付加、または、置換を含むアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、カタラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
からなる群から選択される核酸である、項目13に記載の発現カセット。
【0022】
(項目15) 前記スーパーオキシドディスムターゼをコードする核酸が、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸であって、スーパーオキシドディスムターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸であって、スーパーオキシドディスムターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする核酸、および、
配列番号4に記載のアミノ酸配列に1または数個の欠失、付加、または、置換を含むアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、スーパーオキシドディスムターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
からなる群から選択される核酸である、項目13に記載の発現カセット。
【0023】
(項目16) 前記メタロチオネインをコードする核酸が、
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸であって、メタロチオネイン活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号5に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸であって、メタロチオネイン活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号6に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする核酸、および、
配列番号6に記載のアミノ酸配列に1または数個の欠失、付加、または、置換を含むアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、メタロチオネイン活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
からなる群から選択される核酸である、項目13に記載の発現カセット。
【0024】
(項目17) 前記メチオニンスルホキシドリダクターゼAをコードする核酸が、
配列番号7に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸であって、メチオニンスルホキシドリダクターゼA活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号7に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸であって、メチオニンスルホキシドリダクターゼA活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号8に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする核酸、および、
配列番号8に記載のアミノ酸配列に1または数個の欠失、付加、または、置換を含むアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、メチオニンスルホキシドリダクターゼA活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
からなる群から選択される核酸である、項目13に記載の発現カセット。
【0025】
(項目18) 前記グルタチオンペルオキシダーゼをコードする核酸が、
配列番号9に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸であって、グルタチオンペルオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号9に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸であって、グルタチオンペルオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
配列番号10に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする核酸、および、
配列番号10に記載のアミノ酸配列に1または数個の欠失、付加、または、置換を含むアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、グルタチオンペルオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、
からなる群から選択される核酸である、項目13に記載の発現カセット。
【0026】
(項目19) 前記酸化ストレス消去系遺伝子が、カタラーゼをコードする核酸、または、スーパーオキシドディスムターゼをコードする核酸である、項目13に記載の発現カセット。
【発明の効果】
【0027】
本発明に従って、酸化ストレス耐性を付与した乳酸菌、およびその乳酸菌を作製するための発現カセット、ならびに、そのような乳酸菌を使用するタンパク質生産システムおよびタンパク質生産方法が提供され、その結果、乳酸菌を酸化ストレス条件下で培養しても、異種タンパク質を大量に生産することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。
【0029】
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
【0030】
本明細書において使用する場合、用語「酸化ストレス消去系遺伝子」とは、酸化ストレス消去活性を有するタンパク質をコードする遺伝子をいう。本明細書において使用する場合、用語「酸化ストレス」とは、生体内または細胞内で生成する活性酸素群の酸化損傷力と、生体内または細胞内の抗酸化システムの抗酸化ポテンシャルとの差として定義される。本明細書において使用する場合、用語「酸化ストレス消去活性」とは、生体内または細胞内の酸化ストレスを除去する活性、すなわち、「生体内または細胞内で生成する活性酸素群の酸化損傷力」を低減する活性、および/または、「生体内または細胞内の抗酸化システムの抗酸化ポテンシャル」を増加する活性をいう。
【0031】
本明細書において使用する場合、用語「カタラーゼ」とは、カタラーゼ活性を有するタンパク質をいう。好ましくは、カタラーゼは、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有すポリペプチドである。
【0032】
本明細書において使用する場合、用語「カタラーゼ活性」とは、過酸化水素を不均化して酸素と水に変える反応を触媒する酵素活性、すなわち、2H→O+2HOという反応を触媒する酵素活性をいう。
【0033】
本明細書において使用する場合、用語「スーパーオキシドディスムターゼ」とは、スーパーオキシドディスムターゼ活性を有するタンパク質をいう。好ましくは、スーパーオキシドディスムターゼは、配列番号4に記載のアミノ酸配列を有すポリペプチドである。
【0034】
本明細書において使用する場合、用語「スーパーオキシドディスムターゼ活性」とは、スーパーオキシドアニオン(・O2-、活性酸素)2分子間で電子の授受を行い、酸素分子と過酸化水素分子にする酵素活性をいう。
【0035】
本明細書において使用する場合、用語「メタロチオネイン」とは、メタロチオネイン活性を有するタンパク質をいう。好ましくは、メタロチオネインは、配列番号6に記載のアミノ酸配列を有すポリペプチドである。
【0036】
本明細書において使用する場合、用語「メタロチオネイン活性」とは、カドミウムのような重金属を結合する活性をいう。
【0037】
本明細書において使用する場合、用語「メチオニンスルホキシドリダクターゼA」とは、メチオニンスルホキシドリダクターゼA活性を有するタンパク質をいう。好ましくは、メチオニンスルホキシドリダクターゼAは、配列番号8に記載のアミノ酸配列を有すポリペプチドである。
【0038】
本明細書において使用する場合、用語「メチオニンスルホキシドリダクターゼA活性」とは、活性酸素存在下でメチオニンを酸化する活性をいう。メチオニンスルホキシドリダクターゼA活性は、例えば、メチオニンスルホキシドリダクターゼA活性は、メチオニン残基を含む合成ペプチドをパラコート(10μM)存在下で10分間インキュベートし、met(O)の存在量をMALDI質量分析計で分析することによって測定できる。
【0039】
本明細書において使用する場合、用語「グルタチオンペルオキシダーゼ」とは、グルタチオンペルオキシダーゼ活性を有するタンパク質をいう。好ましくは、グルタチオンペルオキシダーゼは、配列番号10に記載のアミノ酸配列を有すポリペプチドである。
【0040】
本明細書において使用する場合、用語「グルタチオンペルオキシダーゼ活性」とは、過酸化水素を、グルタチオンの存在下で、水に代謝させ、酸化型グルタチオンを生成する活性、すなわち、H+2GSH→2HO+GSSGという反応を触媒する活性をいう。
【0041】
本発明において、「酸化ストレス消去系遺伝子」としては、カタラーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ、メタロチオネイン、メチオニンスルホキシドリダクターゼA、および/または、グルタチオンペルオキシダーゼが利用可能であるが、これらに限定されない。好ましくは、「酸化ストレス消去系遺伝子」は、酵母由来であるが、その由来は、酵母に限定されない。
【0042】
本発明に使用する乳酸菌としては、例えば、Lactococcus属またはLactobacillus属に属する乳酸菌が挙げられるが、これに限定されない。さらに、Pediococcus属またはTetragenococcus属、Carnobacterium属、Vagococcus属、Leuconostoc属、Weissella属、Oenococcus属、Atopobium属、Streptococcus属、Enterococcus属、Aerococcus属、Alloiococcus属、Melissococcus属またはParalactobacillus属に属する細胞も、本発明に使用可能である。
【0043】
また、本発明において発現する異種タンパク質としては、どのようなタンパク質を用いてもよい。好ましい異種タンパク質としては、例えば、α—アミラーゼ、イソメラーゼ、リゾチーム、抗菌ペプチド、β‐アミラーゼ、グルコアミラーゼ、コレステロールエステラーゼ、ペプチダーゼ、アミノ酸修飾酵素、リパーゼ、ホスホリパーゼ、プロテアーゼインヒビター、各種ホルモンペプチド、免疫グロブリン、ワクチン抗原、ビタミン合成酵素群、抗酸化ペプチド、抗血圧上昇ペプチド、胆汁酸抱合ペプチド、サイトカイン、その他機能性ペプチドが挙げられるが、これに限定されない。
【0044】
本明細書において「作動可能に連結された(る)」とは、所望の配列の発現(作動)がある転写翻訳調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサーなど)または翻訳調節配列の制御下に配置されることをいう。プロモーターが遺伝子に作動可能に連結されるためには、通常、その遺伝子のすぐ上流にプロモーターが配置されるが、必ずしも隣接して配置される必要はない。
【0045】
本明細書において「分泌カセット」とは、その上流または下流に連結された読み取り枠から発現するタンパク質の細胞外への分泌を促進する核酸配列をいう。
【0046】
本明細書において、「ストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド」とは、当該分野で慣用される周知の条件をいう。本発明のポリヌクレオチド中から選択されたポリヌクレオチドをプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより、そのようなポリヌクレオチドを得ることができる。具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7~1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1~2倍濃度のSSC(saline-sodium citrate)溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM 塩化ナトリウム、15mM クエン酸ナトリウムである)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるポリヌクレオチドを意味する。ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning 2nd ed.,Current Protocols in Molecular Biology,Supplement 1~38、DNA Cloning 1:Core Techniques,A Practical Approach,Second Edition,Oxford University Press(1995)等の実験書に記載されている方法に準じて行うことができる。ここで、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列からは、好ましくは、A配列のみまたはT配列のみを含む配列が除外される。「ハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド」とは、上記ハイブリダイズ条件下で別のポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドをいう。ハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドとして具体的には、本発明で具体的に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と少なくとも60%以上の相同性を有するポリヌクレオチド、好ましくは80%以上の相同性を有するポリヌクレオチド、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するポリヌクレオチドを挙げることができる。
【0047】
本明細書において「高度にストリンジェントな条件」は、核酸配列において高度の相補性を有するDNA鎖のハイブリダイゼーションを可能にし、そしてミスマッチを有意に有するDNAのハイブリダイゼーションを除外するように設計された条件をいう。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、主に、温度、イオン強度、およびホルムアミドのような変性剤の条件によって決定される。このようなハイブリダイゼーションおよび洗浄に関する「高度にストリンジェントな条件」の例は、0.0015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウム、65~68℃、または0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウム、および50%ホルムアミド、42℃である。このような高度にストリンジェントな条件については、Sambrooket al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory(ColdSpring Harbor,N,Y.1989);およびAnderson et al.、Nucleic Acid Hybridization:a Practicalapproach、IV、IRL Press Limited(Oxford,England).Limited,Oxford,Englandを参照のこと。必要により、よりストリンジェントな条件(例えば、より高い温度、より低いイオン強度、より高いホルムアミド、または他の変性剤)を、使用してもよい。他の薬剤が、非特異的なハイブリダイゼーションおよび/またはバックグラウンドのハイブリダイゼーションを減少する目的で、ハイブリダイゼーション緩衝液および洗浄緩衝液に含まれ得る。そのような他の薬剤の例としては、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%ピロリン酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(NaDodSOまたはSDS)、Ficoll、Denhardt溶液、超音波処理されたサケ精子DNA(または別の非相補的DNA)および硫酸デキストランであるが、他の適切な薬剤もまた、使用され得る。これらの添加物の濃度および型は、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに実質的に影響を与えることなく変更され得る。ハイブリダイゼーション実験は、通常、pH6.8~7.4で実施されるが;代表的なイオン強度条件において、ハイブリダイゼーションの速度は、ほとんどpH独立である。Anderson et al.、NucleicAcid Hybridization:a Practical Approach、第4章、IRL Press Limited(Oxford,England)を参照のこと。
【0048】
DNA二重鎖の安定性に影響を与える因子としては、塩基の組成、長さおよび塩基対不一致の程度が挙げられる。ハイブリダイゼーション条件は、当業者によって調整され得、これらの変数を適用させ、そして異なる配列関連性のDNAがハイブリッドを形成するのを可能にする。完全に一致したDNA二重鎖の融解温度は、以下の式によって概算され得る。
(℃)=81.5+16.6(log[Na])+0.41(%G+C)-600/N-0.72(%ホルムアミド)
ここで、Nは、形成される二重鎖の長さであり、[Na]は、ハイブリダイゼーション溶液または洗浄溶液中のナトリウムイオンのモル濃度であり、%G+Cは、ハイブリッド中の(グアニン+シトシン)塩基のパーセンテージである。不完全に一致したハイブリッドに関して、融解温度は、各1%不一致(ミスマッチ)に対して約1℃ずつ減少する。
【0049】
本明細書において「中程度にストリンジェントな条件」とは、「高度にストリンジェントな条件」下で生じ得るよりも高い程度の塩基対不一致を有するDNA二重鎖が、形成し得る条件をいう。代表的な「中程度にストリンジェントな条件」の例は、0.015M塩化ナトリウム、0.0015M クエン酸ナトリウム、50~65℃、または0.015M 塩化ナトリウム、0.0015M クエン酸ナトリウム、および20%ホルムアミド、37~50℃である。例として、0.015Mナトリウムイオン中、50℃の「中程度にストリンジェントな」条件は、約21%の不一致を許容する。
【0050】
本明細書において「高度」にストリンジェントな条件と「中程度」にストリンジェントな条件との間に完全な区別は存在しないことがあり得ることが、当業者によって理解される。例えば、0.015Mナトリウムイオン(ホルムアミドなし)において、完全に一致した長いDNAの融解温度は、約71℃である。65℃(同じイオン強度)での洗浄において、これは、約6%不一致を許容にする。より離れた関連する配列を捕獲するために、当業者は、単に温度を低下させ得るか、またはイオン強度を上昇し得る。
【0051】
約20ヌクレオチドまでのオリゴヌクレオチドプローブについて、1MNaClにおける融解温度の適切な概算は、
Tm=(1つのA-T塩基につき2℃)+(1つのG-C塩基対につき4℃)
によって提供される。なお、6×クエン酸ナトリウム塩(SSC)におけるナトリウムイオン濃度は、1Mである(Suggsら、Developmental Biology Using Purified Genes、683頁、BrownおよびFox(編)(1981)を参照のこと)。
【0052】
配列番号2、4、6、8、または10に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメントなどのタンパク質をコードする天然の核酸は、例えば、配列番号1または3の核酸配列の一部またはその改変体を含むPCRプライマーおよびハイブリダイゼーションプローブを有するcDNAライブラリーから容易に分離される。配列番号2または4のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメントなどをコードする核酸は、本質的に1%ウシ血清アルブミン(BSA);500mM リン酸ナトリウム(NaPO);1mM EDTA;42℃の温度で 7% SDS を含むハイブリダイゼーション緩衝液、および本質的に2×SSC(600mM NaCl;60mM クエン酸ナトリウム);50℃の0.1% SDSを含む洗浄緩衝液によって定義される低ストリンジェント条件下、さらに好ましくは本質的に50℃の温度での1%ウシ血清アルブミン(BSA);500mM リン酸ナトリウム(NaPO);15%ホルムアミド;1mM EDTA; 7% SDS を含むハイブリダイゼーション緩衝液、および本質的に50℃の1×SSC(300mM NaCl;30mM クエン酸ナトリウム);1% SDSを含む洗浄緩衝液によって定義される低ストリンジェント条件下、最も好ましくは本質的に50℃の温度での1%ウシ血清アルブミン(BSA);200mM リン酸ナトリウム(NaPO);15%ホルムアミド;1mM EDTA;7%SDSを含むハイブリダイゼーション緩衝液、および本質的に65℃の0.5×SSC(150mM NaCl;15mM クエン酸ナトリウム);0.1% SDSを含む洗浄緩衝液によって定義される低ストリンジェント条件下に配列番号1、3、5、7、または、9に示す配列の1つまたはその一部とハイブリダイズし得る。
【0053】
本明細書において配列(アミノ酸または核酸など)の「同一性」、「相同性」および「類似性」のパーセンテージは、比較ウィンドウで最適な状態に整列された配列2つを比較することによって求められる。ここで、ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の比較ウィンドウ内の部分には、2つの配列の最適なアライメントについての基準配列(他の配列に付加が含まれていればギャップが生じることもあるが、ここでの基準配列は付加も欠失もないものとする)と比較したときに、付加または欠失(すなわちギャップ)が含まれる場合がある。同一の核酸塩基またはアミノ酸残基がどちらの配列にも認められる位置の数を求めることによって、マッチ位置の数を求め、マッチ位置の数を比較ウィンドウ内の総位置数で割り、得られた結果に100を掛けて同一性のパーセンテージを算出する。検索において使用される場合、相同性については、従来技術において周知のさまざまな配列比較アルゴリズムおよびプログラムの中から、適当なものを用いて評価する。このようなアルゴリズムおよびプログラムとしては、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTAおよびCLUSTALW(Pearson and Lipman,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85(8):2444-2448、 Altschul et al.,1990,J.Mol.Biol.215(3):403-410、Thompson et al.,1994,Nucleic Acids Res.22(2):4673-4680、Higgins et al.,1996,Methods Enzymol.266:383-402、Altschul et al.,1990,J.Mol.Biol.215(3):403-410、Altschul et al.,1993,Nature Genetics 3:266-272)があげられるが、何らこれに限定されるものではない。特に好ましい実施形態では、従来技術において周知のBasic Local Alignment Search Tool(BLAST)(たとえば、Karlin and Altschul,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2267-2268、Altschul et al.,1990,J.Mol.Biol.215:403-410、Altschul et al.,1993,Nature Genetics 3:266-272、Altschul et al.,1997,Nuc.Acids Res.25:3389-3402を参照のこと)を用いてタンパク質および核酸配列の相同性を評価する。特に、5つの専用BLASTプログラムを用いて以下の作業を実施することによって比較または検索が達成され得る。
【0054】
(1) BLASTPおよびBLAST3でアミノ酸のクエリー配列をタンパク質配列データベースと比較;
(2) BLASTNでヌクレオチドのクエリー配列をヌクレオチド配列データベースと比較;
(3) BLASTXでヌクレオチドのクエリー配列(両方の鎖)を6つの読み枠で変換した概念的翻訳産物をタンパク質配列データベースと比較;
(4) TBLASTNでタンパク質のクエリー配列を6つの読み枠(両方の鎖)すべてで変換したヌクレオチド配列データベースと比較;
(5) TBLASTXでヌクレオチドのクエリ配列を6つの読み枠で変換したものを、6つの読み枠で変換したヌクレオチド配列データベースと比較。
【0055】
BLASTプログラムは、アミノ酸のクエリ配列または核酸のクエリ配列と、好ましくはタンパク質配列データベースまたは核酸配列データベースから得られた被検配列との間で、「ハイスコアセグメント対」と呼ばれる類似のセグメントを特定することによって相同配列を同定するものである。ハイスコアセグメント対は、多くのものが従来技術において周知のスコアリングマトリックスによって同定(すなわち整列化)されると好ましい。好ましくは、スコアリングマトリックスとしてBLOSUM62マトリックス(Gonnet et al.,1992,Science 256:1443-1445、Henikoff and Henikoff,1993,Proteins 17:49-61)を使用する。このマトリックスほど好ましいものではないが、PAMまたはPAM250マトリックスも使用できる(たとえば、Schwartz and Dayhoff,eds.,1978,Matrices for Detecting Distance Relationships: Atlas of Protein Sequence and Structure,Washington: National Biomedical Research Foundationを参照のこと)。BLASTプログラムは、同定されたすべてのハイスコアセグメント対の統計的な有意性を評価し、好ましくはユーザー固有の相同率などのユーザーが独自に定める有意性の閾値レベルを満たすセグメントを選択する。統計的な有意性を求めるKarlinの式を用いてハイスコアセグメント対の統計的な有意性を評価すると好ましい(Karlin and Altschul,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2267-2268参照のこと)。
【0056】
本明細書において遺伝子(例えば、核酸配列、アミノ酸配列など)の「相同性」とは、2以上の遺伝子配列の、互いに対する同一性の程度をいう。また、本明細書において配列(核酸配列、アミノ酸配列など)の同一性とは、2以上の対比可能な配列の、互いに対する同一の配列(個々の核酸、アミノ酸など)の程度をいう。従って、ある2つの遺伝子の相同性が高いほど、それらの配列の同一性または類似性は高い。2種類の遺伝子が相同性を有するか否かは、配列の直接の比較、または核酸の場合ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーション法によって調べられ得る。2つの遺伝子配列を直接比較する場合、その遺伝子配列間でDNA配列が、代表的には少なくとも50%同一である場合、好ましくは少なくとも70%同一である場合、より好ましくは少なくとも80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一である場合、それらの遺伝子は相同性を有する。本明細書において、遺伝子(例えば、核酸配列、アミノ酸配列など)の「類似性」とは、上記相同性において、保存的置換をポジティブ(同一)とみなした場合の、2以上の遺伝子配列の、互いに対する同一性の程度をいう。従って、保存的置換がある場合は、その保存的置換の存在に応じて相同性と類似性とは異なる。また、保存的置換がない場合は、相同性と類似性とは同じ数値を示す。
【0057】
本明細書では、アミノ酸配列および塩基配列の類似性、同一性および相同性の比較は、配列分析用ツールであるFASTAを用い、デフォルトパラメータを用いて算出される。
【0058】
(本明細書において用いられる一般的技術)
本明細書において用いられる分子生物学的手法、生化学的手法、微生物学的手法、糖鎖科学的手法は、当該分野において周知であり慣用されるものであり、例えば、Maniatis,T.et al.(1989).Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harborおよびその3rd Ed.(2001);Ausubel,F.M.,et al. eds,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons Inc.,NY,10158(2000);Innis,M.A.(1990).PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Academic Press;Innis,M.A.et al.(1995).PCR Strategies,Academic Press;Sninsky,J.J.et al.(1999).PCR Applications:Protocols for Functional Genomics,Academic Press;Gait,M.J.(1985).Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,IRL Press;Gait,M.J.(1990).Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,IRL Press;Eckstein,F.(1991).Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approac ,IRL Press;Adams,R.L.et al.(1992).The Biochemistry of the Nucleic Acids,Chapman & Hall;Shabarova,Z.et al.(1994).Advanced Organic Chemistry of Nucleic Acids,Weinheim;Blackburn,G.M.et al.(1996).Nucleic Acids in Chemistry and Biology,Oxford University Press;Hermanson,G.T.(1996).Bioconjugate Techniques,Academic Press;Method in
Enzymology 230、242、247、Academic Press、1994;別冊実験医学「遺伝子導入&発現解析実験法」羊土社、1997などに記載されており、これらは本明細書において関連する部分(全部であり得る)が参考として援用される。
【0059】
(遺伝子工学)
本明細書において、核酸分子を細胞に導入する技術は、どのような技術でもよく、例えば、形質転換、形質導入、トランスフェクションなどが挙げられる。そのような核酸分子の導入技術は、当該分野において周知であり、かつ、慣用されるものであり、例えば、Ausubel F.A.ら編(1988)、Current Protocols in Molecular Biology、Wiley、New York、NY;Sambrook Jら(1987)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.およびその第三版,Cold Spring
Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY、別冊実験医学「遺伝子導入&発現解析実験法」羊土社、1997などに記載される。遺伝子の導入は、ノーザンブロット、ウェスタンブロット分析のような本明細書に記載される方法または他の周知慣用技術を用いて確認することができる。
【0060】
本明細書において使用される場合、組換えベクターの導入方法としては、DNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法[Methods.Enzymol.,194,182(1990)]、リポフェクション法、およびパーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法などが例示される。
【0061】
以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、以下の実施例は、例示の目的のみに提供される。従って、本発明の範囲は、上記発明の詳細な説明にも下記実施例にも限定されるものではなく、請求の範囲によってのみ限定される。
【実施例】
【0062】
LABにおける発現系を改良するために、本発明者らは今回、異種タンパク質発現用の染色体改変宿主株を構築した。酸化ストレスに対する宿主株の耐性を向上させるために、本発明者らは、Saccharomyces cerevisiae由来のスーパーオキシドディスムターゼ遺伝子(sod1)およびカタラーゼ遺伝子(ctt1)を、乳酸菌Lactococcus lactis IL 1403の染色体に導入した。その耐性株(ILSODおよびILCTT)は、酸化ストレスに対して顕著な耐性を示した。これらの染色体改変株のタンパク質発現能を、それぞれ分泌用プラスミドであるpSEA5およびpRK1を使用して、α-アミラーゼおよびバクテリオシンであるムンジチシンKS産生能を測定することによって評価した。好気条件下におけるpSEA5およびpRK1を保有する染色体改変株の細胞増殖は、同一のプラスミドを保有する野生型の細胞増殖よりも顕著に高かった。同様に、その染色体改変株のα-アミラーゼ活性およびバクテリオシン活性の双方とも、野生型のものよりも高かった。特に、pSEA5を保有するILSODのα-アミラーゼ活性は、pSEA5を保有する野生型のα-アミラーゼ活性よりも7.5倍高かった。結論として、酸化ストレスに対して強力な耐性を付与するために染色体が改変された宿主株の構築により、タンパク質発現が顕著に改良され得る。
【0063】
(導入)
乳酸菌(LAB)は、異種タンパク質産生の宿主株として使用され得る。Lactococcus lactis株およびLactobacillus株のようなLABは、乳酸、バクテリオシンおよびビタミンの産生のような産業分野において広範に使用されている(Ahmed 2003;HugenholtzおよびSmid 2002)。抗原およびサイトカインの発現により、LABはまた、生きたワクチンのような腸における治療ツールとして、そして炎症性疾患の処置における治療ツールとしても、使用されている(Steidler et al.2000;Xin et al. 2003)。LABの完全な利点を享受するために、発現ベクターの改良が、異種タンパク質産生のための発現系(例えば、NICE(ナイシン制御発現)の誘導性プロモーター系、Sec-機構系(分泌-機構系)、および表面提示系)において必要とされている(Lindholm 2006;Nouaille 2003;Xin et al.2003)。宿主LAB株は、異種タンパク質の有効な発現に適しているが、より強力である必要がある。特に、LABのような宿主細胞は、商業的過程の間、異種タンパク質発現においてストレスの多い条件に曝される。本発明者らの本発明の目的は、酸化ストレス条件下での異種タンパク質発現に適したLAB株の構築であった。
【0064】
酸化ストレスは、LABに対する最も有害なストレスのうちの1つであると考えられる。酸化ストレスは、LABの種々の細胞成分(DNAおよびタンパク質を含む)の損傷を生じる。なぜなら、ほとんどすべてのLAB株が、カタラーゼおよびスーパーオキシドディスムターゼのような活性酸素種(ROS)の無毒化酵素を欠いているからである(Miyoshi et al.2003)。LABは、多くの場合、製造中にLABを含有する生成物の産生および保存において酸化ストレスに曝される。そのような産生の特定の工程中(例えば、乳酸発酵中)に、攪拌によって培地中に溶存酸素が生成され、ROSが生じる。なぜなら、酸素がLABのNADHオキシダーゼによってスーパーオキシドおよび過酸化水素に変換されるからである(Marty-Teysset et al.2000;Miyoshi et al.2003)。溶存酸素を含む乳中で成長したLactobacillusの特定の種は、バイオマスの減少を示した(Marty-Teysset et al.2000)。さらに、腸障害のための治療ツールとして使用されたLABは、それが腸の中を通過する間に腸細菌および上皮細胞に由来するROSによって攻撃される(Stone and Papas 1997)。したがって、対策として、Bacillus subtilisカタラーゼおよびStreptococcus thermophilusスーパーオキシドディスムターゼのような外因性抗酸化遺伝子が、しばしば、LAB種(LactococcusおよびLactobacillus)に添加されて、酸化ストレス耐性のLABが作製される(Bruno-Barcena et al.2004; Rochat et al.2005;Rochat et al.2006)。LABが商業的適用のための異種タンパク質発現の宿主として作用する特性を最適化するために、LABの酸化ストレス耐性が改良されなければならない。
【0065】
以前の報告では、高コピー数の発現プラスミドが、酸化ストレス耐性を与えるために主に使用された。しかし、遺伝子組み込みによる宿主細胞の染色体改変は、異種タンパク質発現の宿主株の構築のための優れた手段であり得る。なぜなら、染色体改変は安定であり、そして宿主株の表現型はいかなるストレス条件下でも持続的であるからである。さらに、種々の発現ベクターは、染色体改変された宿主細胞に容易に導入され得る。なぜなら、組換え宿主はプラスミドを有さず、異種タンパク質発現のためにマルチ選択マーカーを有する適合性ベクターを必要としないからである。本発明者らの知る限りでは、異種タンパク質発現の改良は、酸化ストレス耐性である染色体改変されたLABについて報告されていない。
【0066】
本発明では、本発明者らは、LABのモデルとして乳酸菌Lactococcus lactis IL1403を使用した。なぜなら、この株は、異種タンパク質発現のため、および消化管におけるタンパク質送達のために使用されるからである。酸化耐性宿主株の構築において、本発明者らは、Saccharomyces cerevisiaeに由来するROSの2つのコード無毒化酵素(すなわち、細胞質内Cu,Znスーパーオキシドディスムターゼ遺伝子(sod1)、およびヘム依存性カタラーゼ遺伝子(ctt1))を使用した。なぜなら、真核生物におけるROSの無毒化系は、原核生物の無毒化系と比べて、抗酸化系としてより有効であると考えられるからである。これらの真核生物の酸化ストレス関連遺伝子を、二重交差機構を用いてL.lactis IL1403染色体上のlacZ遺伝子に組み込んだ。異種タンパク質のモデルとして、本発明者らは、Bacillus subtilis 168のα-アミラーゼ、およびクラスIIaバクテリオシンであるEnterococcus mundtiiのムンジチシンKSを選択した。B.subtilisのα-アミラーゼは、バイオテクノロジーにおいて(例えば、デンプンの糖化において)一般的に使用され、Enterococcus mundtiiのムンジチシンKSは、グラム陽性病原菌(例えば、Listeria monocytogenes)に対する生物的保存剤として使用され得る(Drider et al. 2006)。本発明者らの結果は、抗酸化的生産がL.lactis IL1403に酸化ストレス耐性を与えたこと、および異種タンパク質発現が有意に増加されたことを示した。結論として、酸化ストレスに対して強力な耐性を有する宿主株の構築は、LABにおける異種タンパク質発現の改良において有効であり得る。
【0067】
(材料および方法)
(株、培地および培養条件)
表1 本研究において使用した細菌株および酵母株の一覧
【0068】
【表1】
JP0005317081B2_000002t.gif
Lactococcus lactis IL1403およびEnterococcus株を、deMan Rogosa Sharpe (MRS)培地(Difco Laboratories,Detroit,MI)で増殖させた。染色体を改変したL.lactis株を、1μMのCuSOおよび1μMのへミンを含むMRS培地(Sigma-Aldrich,St Louis,MO)で増殖させた。CuSOおよびへミンは、hCMRSとして設計した。エリスロマイシン(5μg mL-1)をその培地に添加し、pRH100由来プラスミドを保有するL.lactisを培養した。Escherichia coliおよびBacillus subtilisを、5gの酵母抽出物(Difco)、10gトリプトン(Difco)および10gのNaClからなるLuria-Bertani培地において増殖させた。必要な場合は、アンピシリン(100μg mL-1)を加えた。プレーティングに使用する固体培地は、適切な液体培地に1.2%の寒天を加えることによって調製した。Saccharomyces cerevisiae S288Cを、1リットル当たり10gの酵母抽出物(Difco)、20gペプトン(Difco)および20gグルコースを含むYPD培地(pH6.5)中で増殖させた。
【0069】
全てのLAB株は、他に記載のない限り、AneroPack(Mitsubishi Gas Chemical, Tokyo, Japan)を使用して嫌気条件下で37℃で培養した。酵母株は、30℃で振盪培養した。
【0070】
(DNA単離、PCR条件およびDNA操作)
S.cerevisiae S288C、L.lactis IL1403およびEnterococcus faecalis NFRI7400からの全DNAの単離は、製造者の指示に従って、Fast DNAキット(Qbiogene,Carlsbad,CA)を使用して実施した。E.coliおよびL.lactis由来のプラスミドDNAの単離は、製造者の指示に従って、Mini Spin Isolation Kit(Qiagen,Hilden,Germany)を使用した実施した。
【0071】
表2は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のために使用した、適切な制限酵素部位を含むオリゴヌクレオチドプライマーの一覧である。PCRは、Pyrobest DNA polymerase(Takara,Otsu,Japan)を使用して実施した。PCRサイクルは、94℃で4分間の後、98℃で10秒間、47℃で30秒間および72℃で2分間を30サイクル、そして最終反応は72℃で7分間からなり、Gene Amp 9700 Thermal Cycler(Applied Biosystems,Lincoln,Foster City,CA)を使用して実施した。
【0072】
【表2】
JP0005317081B2_000003t.gif
DNA操作は、Sambrook et al.(1989)に記載される方法に基づいて実施した。製造者から推奨されるプロトコールに従って、制限酵素および修飾酵素を使用した。プラスミド構築は、E.coli DH5α細胞において確立し、次いでL.lactis IL1403を、以前にKawamoto et al.(2002)に記載されたエレクトロポレーションによって、得られたプラスミドを使用して形質転換した。
【0073】
(染色体改変されたLABの構築)
L.lactisの染色体を改変するために、sod1およびctt1の組み込みのための組み込み用プラスミド(それぞれpSKSODおよびpSKCTT、図1aを参照のこと)を構築した。pSKSODおよびpSKCTTは、以下のように、pBluescript SK(+)に5つのPCRアンプリコンを挿入することによって構築した。この5つのアンプリコンは、L.lactisのゲノムDNAから増幅されたlacZ遺伝子の上流配列、(ii)L.lactisのゲノムDNAから増幅されたlacZ遺伝子の下流配列、(iii)pRK1から増幅されたmunA遺伝子のプロモーター領域、(iv)pRH100から増幅されたmunA遺伝子のプロモーター領域、(iv)pRH100から増幅されたエリスロマイシン耐性遺伝子をコードするermAM、および(v)S.cerevisiae S288CのゲノムDNAから増幅されたsod1遺伝子およびctt1遺伝子、であった。このアンプリコンおよび親プラスミドを、適切な制限酵素(表2を参照のこと)で切断し、互いにライゲーションした。得られたプラスミドの構造を、ヌクレオチド配列決定およびPCRフラグメント分析によって確認した。
【0074】
L.lactis IL1403を、pSKSODおよびpSKCTTによって形質転換し、シングルクロスオーバー事象が起こった後の形質転換体を選択肢、次いで形質転換体選択用のエリスロマイシンを補充したMRS寒天培地上にプレーティングした。続いて、このエリスロマイシン耐性形質転換体を、エリスロマイシンを含まないMRS液体培地中で培養し、ダブルクロスオーバー事象が起こった後のエリスロマイシン感受性形質店簡単を得た。L.lactisにおけるlacZの染色体遺伝子座へのsod1遺伝子およびctt1遺伝子の導入は、thgAF/galER、SOD1F/RおよびCTT1F/Rのプライマーセットを使用して、PCRによって確認した。
【0075】
(実施例1:α-アミラーゼ分泌のためのプラスミドの構築)
α-アミラーゼ分泌のためのプラスミドpSEA5を、以下のように構築した。まず、発現ベクターpEH100を、以下のように、munAプロモーター領域およびmunCターミネーター領域の挿入によって構築した。このmunAおよびmunCフラグメントを、pRK1から増幅し、そしてmunAp2/munCRプライマーセットを使用して融合PCRによって確認し、次いでNotI/EcoRIで切断した融合PCR産物をpRH100に挿入した、pEH100を得た。次に、分泌ベクターpSE1127を、munAp2およびenlr1プライマーを使用して増幅したenlAリーダー配列と融合させたmunAプロモーターのフラグメントを挿入することによって構築した。最後に、B.subtilis 168から増幅したα-アミラーゼをコードするamyE遺伝子を、pSE1127のBamHIおよびSpeI部位に挿入し、それによって図3に図示するようにpSEA5を得た。
【0076】
(RNA調製および逆転写PCR)
発現分析のために使用したRNAは、RNeasy Mini Kit(Qiagen)を使用して、組み換えLAB(約10細胞)から抽出した。逆転写PCRは、製造者の指示に従って、One Step RNA PCR kit(Takara)を使用して実施した。sod1およびctt1のRNAの測定のために使用したPCRは、それぞれSOD1F/RおよびCTT1F/R(表2)であった。
【0077】
(染色体改変されたLABの酸化ストレス耐性)
定常期の株(IL1403、IL1403SODおよびIL1403CTT)の細胞を、hCMRS液体培地に播種し、OD600=1.0まで増殖させた。酸化ストレス条件下での生存率を測定するために、この細胞を遠心分離し、それぞれ0mM H、4mM H、および8mM Hを含むhCMRS液体培地に再懸濁した。37℃で1時間のインキュベーション後、その細胞をMRS寒天プレート上に広げ、48時間のインキュベーション後の生細胞数を計数した。
【0078】
(好気条件下の染色体改変されたLABの増殖)
好気条件下での増殖を、以下のように評価した。50μLの一晩培養物を、50mLのhCMRS液体培地に播種し、500mLの攪拌フラスコを使用して110rpmで攪拌して、通気を実施した。その培養物の600nmにおける光学密度(OD600)を、分光光度計(Ultraspec UV2100 pro,Amersham Biosciences,Piscataway,NJ)を使用してモニタリングし、その培養物のpHを、pHメーター(HM-30G,DKK-TOA,Tokyo,Japan)を使用して測定した。
【0079】
(α-アミラーゼ活性の測定)
培養物上清におけるα-アミラーゼ活性を、製造者の指示に従って、α-アミラーゼ測定キット(Kikkoman Co.,Tokyo,Japan)を使用して測定した。簡潔に述べると、適切な希釈のサンプル溶液を、基質(2-クロロ-4-ニトロフェニル6-アジド-6-デオキシ-β-マルトペンタオシド(maltopentaoside)、グルコアミラーゼ、およびβ-グルコシダーゼと一緒に37℃でインキュベートした。1単位のα-アミラーゼ活性を、本明細書中では、1分当たり1μモルの2-クロロ-4-ニトロフェノールを得るのに必要とされる酵素の量として定義される。
【0080】
(ムンジチシンKS活性の測定)
ムンジチシンKS活性の測定は、以前に記載(Kawamoto et al.2002)されたものに修正を加えて実施した。簡潔に述べると、12,000rpmで5分間の遠心分離によって得られた培養物上清を、MRS液体培地中に段階希釈し、次いで、その希釈した上清を、指標株であるE.faecium IFO13712を含むプレート上にスポットした。37℃で5時間のインキュベーション後、少なくとも直径2mmの別個の明瞭かつ明確な阻害領域を、ポジティブとして記録した。ムンジチシンKS活性のある任意の単位(U/mL)は、阻害領域を生じた最高の希釈の逆数として定義した。
【0081】
(結果)
(実施例1:ROSの無毒化に関与する遺伝子を使用する染色体改変されたLABの構築)
L.lactisの酸化ストレス耐性株を構築するために、本発明者らは、S.cerevisiaeに由来するsod1およびctt1を組込み遺伝子として使用した。なぜなら、これらの遺伝子は、ROSの無毒化に関与する遺伝子として周知であるからである。ダブルクロスオーバー機構によって、本発明者らは、L.lactisの染色体lacZ遺伝子座をsod1およびctt1で置換することにおいて使用するためのプラスミド(pSKSODおよびpSKCTT)(図1aを参照のこと)を構築した。sod1およびctt1を有する染色体改変されたL.lactisを得るために、本発明者らは、図1aにおいて示される2段階手順を使用した。第一段階において、L.lactisの形質転換により得られたエリスロマイシン耐性組換え体を、pSKSODおよびpSKCTTを使用することによって選択した。エリスロマイシン耐性形質転換体は、染色体における上記組込みプラスミドとのシングルクロスオーバーによって作製した。第二段階において、これらのエリスロマイシン耐性形質転換体を、エリスロマイシンを含まないMRS液体培地において連続的に培養した。数回培養した後、エリスロマイシンに対して感受性である形質転換体(これらは、ダブルクロスオーバー機構によってsod1またはctt1を含む株であると予測された)を得た。その相同組換え部位の構造を、lacZ遺伝子座の増幅のためのプライマー(P1プライマーおよびP2プライマー)(図1b)を使用するPCRによって評価した。L.lactis IL1403の全DNA、L.lactis IL1403SODの全DNAおよびL.lactis IL1403CTTの全DNAから増幅したPCRフラグメントのサイズは、それぞれ、約3kb、約2.6kbおよび約2.8kbであった(図1c)。この増幅フラグメントの長さは、上記株の染色体遺伝子座の推定上の長さに基づいて同定した。本発明者らはまた、ILSOD株およびILCTT株の全DNAにそれぞれ基づいて、sod1およびctt1の増幅を確認した(データは示さない)。これらのデータは、ILSOD株およびILCTT株は、ダブルクロスオーバー機構を介して、その染色体中にsod1遺伝子およびctt1遺伝子がそれぞれ組み込まれたことを示す。組み込まれた遺伝子からの転写が、逆転写PCRにより確認された(データは示さない)。
【0082】
(実施例2:sod1およびctt1により染色体改変されたL.lactisの酸化ストレス耐性)
sod1およびctt1により染色体改変されたL.lactis株(ILSODおよびILCTT)の酸化ストレス耐性のレベルを、代表的な酸化剤であるHに対して曝露した後に測定した生存度に基づいて評価した(図2)。
【0083】
ILSOD株、ILCTT株、および野生型株を、4mM Hの存在下および8mM Hの存在下でhCMRS液体培地中で1時間インキュベートし、その後、生存率を評価した。ILSODおよびILCTTの生存率は、4mM Hの存在下では野生型株よりも約10倍高かった(図2a)。8mM Hの存在下(図2b)では、ILSODおよびILCTTの生存率は、野生型株よりも約5倍高かった。これらのデータは、ILSODおよびILCTTの両方が、野生型株よりも有意にHに対して耐性であったことを示唆する。
【0084】
(実施例3:好気的条件下でのsod1およびctt1を含む染色体改変されたL.lactisにおけるα-アミラーゼ産生の増加)
本発明者らは、B.subtilisに由来するα-アミラーゼを、染色体改変されたL.lactisのタンパク質発現能力を評価する際に使用するモデルタンパク質として選択した。α-アミラーゼ産生のために、分泌プラスミドpSEA5を構築した(図3)。このpSEA5は、E.faecalis LMG3222に由来するenlAのリーダーペプチド配列に融合されたα-アミラーゼ構造遺伝子を、構成的munAプロモーターの制御下に含んだ(図3)。pSEA5を保有する野生型株、およびpSEA5を保有する染色体改変された株(ILSODおよびILCTT)を、好気的条件下で培養し、その後、α-アミラーゼ活性を測定した。図4は、これらの株の測定した細胞増殖(OD600)、培養物のpH、およびpSEA5を保有するL.lactis株のα-アミラーゼ活性を示す。これらの結果は、好気的条件下での上記培養物中のpSEA5を保有する染色体改変された株の細胞増殖が、pSEA5を保有する野生型よりも有意に高かったことを示す(図4a)。24時間培養した後、ILSOD(pSEA5)およびILCTT(pSEA5)の細胞増殖は、IL1403pSEA5よりも、それぞれ約5.5倍および約3.5倍高かった。定常期(48時間)において、ILSOD(pSEA5)およびILCTT(pSEA5)の細胞増殖は、IL1403pSEA5よりも、それぞれ、約1.6倍および約1.3倍高かった。これらのデータは、好気的条件下で、pSEA5を保有するILSODおよびpSEA5を保有するILCTTの両方が、野生型株よりもかなり高い増殖を示したことを示唆する。pSEA5を保有するILSODおよびpSEA5を保有するILCTTの両方の24時間後のpHは、野生型よりもわずかに低かった(図4b)。すべての株の最終pHは、約5.0であった。ILSOD(pSEA5)のα-アミラーゼ活性は、他の株よりも有意に高かった(図4c)。ILSOD(pSEA5)における最大のα-アミラーゼ活性は、48時間目に存在し、それはIL1403(pSEA5)よりも約7.5倍高かった。48時間培養した後、ILCTT(pSEA5)により産生されるα-アミラーゼ活性は、IL1403(pSEA5)よりも3.2倍高かった。
【0085】
(実施例4:好気的条件下でのsod1およびctt1を含む染色体改変されたL.lactisにおけるムンジチシンKS産生の増加)
本発明者らは、sod1およびctt1を含む染色体改変されたL.lactisにおけるムンジチシンKS(E.mundtiiによって天然で産生されるバクテリオシン)の産生能力を評価した。プラスミドpRK1(これは、ムンジチシンKSの構造遺伝子、およびムンジチシンKSトランスロケーションプロセシングに関与する遺伝子およびムンジチシンKSの免疫タンパク質に関与する遺伝子を含んだ)を、ILSOD、ILCTTおよびIL1403中に導入した。
【0086】
図5は、好気的条件下でのpRK1を保有するL.lactisの測定した細胞増殖、pH、およびバクテリオシン活性を示す。定常期において好気的条件下でここに試験したpRK1を保有する染色体改変された株の細胞増殖は、pRK1を保有する野生型よりも高かった(図5a)。36時間培養した後、ILSOD(pRK1)およびILCTT(pRK1)の両方の細胞増殖は、それぞれ、IL1403pSEA5よりも約1.2倍および約1.4倍高かった。この細胞増殖に関するこれらのデータは、好気的条件下では、pSEA5を保有する染色体改変された株(ILSODおよびILCTT)が、野生型株よりもかなり良好な増殖を示したことを示す。実験期間の間に、pRK1を保有するすべての株の間でそのpHの有意な差異は観察されなかった(図5b)。好気的条件下で、ILSOD(pRK1)およびILCTT(pRK1)の両方の最大のムンジチシンKS活性は、24時間目および36時間目においてIL1403(pRK1)よりも約1.5倍高かった(図5c)。抗酸化酵素(Sod1およびCtt1)に関与する遺伝子を含む染色体改変されたL.lactis IL1403におけるムンジチシンKS(ムンジチシンKS活性)の産生は、好気的条件下では、野生型IL1403と比較して有意に増加した。
【0087】
(考察)
LABを完全に利用するために、多くの研究グループが、異種タンパク質産生のための発現ベクター系の開発(Narita et al. 2006; Nouaille et al. 2003)およびLABの分子育種(Rochat et al. 2005; Rochat et al. 2006, Termont et al. 2006)に焦点を合わせてきた。 他のグループは、シグナルペプチドおよび誘導性プロモーターの改変によって、LABにおける異種タンパク質の分泌効率を増大させることに成功した(Le Loir et al. 2005)。しかし、本発明者らが知る限り、染色体改変されたLABにおける異種タンパク質発現のために使用される宿主株(これは、増大した増殖性能を示す)の開発に関して、いかなる研究も報告されていない。本研究において、本発明者らは、染色体改変により宿主株の酸化ストレス耐性を改善することが、異種タンパク質発現のために有効であり得ることを示した。酸化ストレス耐性LABは、異種タンパク質発現のための有効で強力な宿主株として有用である。なぜなら、酸化ストレスは、異種タンパク質の商業的産生の間において最も損傷を与えるストレスのうちの1つであるからである(Miyoshi et al. 2003)。
【0088】
本研究において、S.cerevisiaeに由来するsod1遺伝子およびctt1遺伝子で、ダブルクロスオーバー機構によって、L.lactis IL1403染色体上にあるlacZ遺伝子を個々に置換した(図1)。得られた株(ILSODおよびILCTT)は、酸化ストレスに対して有意な耐性を示した(図2)。この染色体改変された株における非ストレス条件下での増殖速度が落ちることを回避するために、本発明者らは、lacZ遺伝子を、遺伝子置換のためのL.lactis IL1403染色体上の標的遺伝子として選択した。このlacZ遺伝子置換は、その増殖速度には影響を与えない。なぜなら、L.lactis IL1403は、グルコースを含む培地(例えば、MRS培地)においてβ-ガラクトシダーゼ(lacZ)陰性表現型を示すからである(Aleksandrzak-Piekarczyk et al. 2005)。
【0089】
4mM Hに曝露した後の染色体改変されたLAB(ILSODおよびILCTT)の生存率は、その野生型株IL1403よりも約10倍高かった(図2)。数種のレポートには、原核生物に由来する異種スーパーオキシドジスムターゼおよび異種カタラーゼがLAB中に導入された、酸化ストレス耐性LABの開発が記載されている(Bruno-Barcena et al. 2005; Rochat et al. 2005; Rochat et al. 2006)。本明細書において、初めて、スーパーオキシドジスムターゼをコードする真核生物遺伝子(sod1)およびカタラーゼをコードする真核生物遺伝子(ctt1)が、LAB中に導入された。本発明者らの結果は、このような遺伝子の導入は、LABの酸化ストレス耐性を増強すること、そして種々の真核生物抗酸化系が、LABの分子育種における有効なツールであり得ることを、明らかに示す。
【0090】
異種タンパク質のモデルとして、本発明者らは、B.subtilis 168のα—アミラーゼおよびE.mundtiiのムンジチシンKSを使用した。本発明者らの結果は、このようなタンパク質が、タンパク質発現用プラスミドを保有する染色体改変されたLABによって有効に産生されることを示した(図4および図5)。プラスミドpSEA5(α—アミラーゼの発現のために構築された)は、有効な発現および分泌の系のための完全な遺伝子セット(すなわち、munAプロモーター、マルチクローニングサイト、amyE、およびmunC rho非依存性ターミネーター)を含んだ。本発明者らは、他の細菌種(例えば、E.faecium IFO13712)におけるこのプラスミドの発現能力を評価した。その結果は、pSEA5が、これらの他の細菌株における有効なα-アミラーゼ分泌において機能することを示した(データは示さない)。
【0091】
酸化ストレス耐性が増強された染色体改変された宿主(ILSODおよびILCTT)により発現されるα-アミラーゼおよびムンジチシンKSの両方の活性は、その野生型株であるL.lactis IL1403よりも有意に高かった(図4および図5)。pSEA5またはpRK1を保有する染色体改変された株の細胞増殖もまた、pSEA5またはpRK1を保有する野生型(IL1403)よりもそれぞれ高かった。この野生型よりも高いα-アミラーゼ産生およびムンジチシンKS産生に関する一因は、これらの染色体改変された株の野生型よりも高い細胞増殖であり得る。別の理由は、異種タンパク質の安定性であり得る。なぜなら、B.subtilisのα-アミラーゼ活性は、温度および酸化剤によって影響を受けると報告されているからである(Hagihara et al. 2001)。さらに、α-アミラーゼの活性化部位付近に位置するプロリン残基の酸化が、α-アミラーゼが90℃まで加熱された場合に生じる(TomazicおよびKlibanov 1988)。
【0092】
本発明者らの未公開データにおいて、このα-アミラーゼ活性は、過酸化水素によって低減された。一方、ムンジチシンKSの活性は、影響を受けなかった。本発明者らは、Sod1およびCtt1は、α-アミラーゼの酸化を低減し得、結果的には、そのα-アミラーゼ活性は、野生型と比較して有意に増加され得たと推測する。
【0093】
ここで、本発明者らは、染色体改変された宿主L.lactis IL1403を使用する新規な異種タンパク質発現系を確立しようと試みた。以前の研究(Lindholm et al. 2006)においては、L.lactisにおける異種タンパク質(α-アミラーゼ;amyQ)分泌が、適合性プラスミドを使用してBacillus subtilisのシャペロン様タンパク質PrsAと共発現させることによって、増強された。その研究においては、amyQおよびprsAが共発現され、その分泌α-アミラーゼの活性は、prsAを欠くコントロールよりも6倍高かった。本発明者らの研究において、抗酸化物質(Sod1およびCtt1)を有するL.lactis IL1403により産生された分泌α-アミラーゼ活性は、その野生型よりも7.5倍高かった。これらの研究に基づいて、染色体改変された宿主株を使用する本発明者らの新規な異種タンパク質発現系は、異種タンパク質発現のための優れたツールである。従って、染色体改変は、異種産物(例えば、α-アミラーゼ)を発現するために使用される宿主株を有意に改善し得る。なぜなら、比較的少ない適合性ベクターとは対照的に、種々の発現ベクターが利用可能であるからである。
【0094】
結論として、本研究は、酸化ストレスに対する強力な耐性のために染色体改変されている宿主株の構築が、異種タンパク質の発現を有意に改善し得ることを明らかにする。本発明者らの結果は、攪拌が必須工程である製造プロセスにおいて使用される商業的および治療的に重要なタンパク質および腸障害の治療において使用される商業的および治療的に重要なタンパク質の、細菌による産生を増大することを補助する。
【0095】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0096】
酸化ストレス耐性を付与した乳酸菌、およびその乳酸菌を作製するための発現カセット、ならびに、そのような乳酸菌を使用するタンパク質生産システムおよびタンパク質生産方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は、染色体lacZ遺伝子を異種遺伝子(SOD1またはCTT1)で置換したものを示す。(a)染色体組み込みの二重交差(ダブルクロスオーバー)機構の全体像である。組み込みベクターは、恒常性munAプロモーター(黒棒)の下にあるlacZ相同性領域および異種遺伝子(灰色矢印)からなる。pSKSOD、pSKCTT;pBluescript SK(+)の誘導体。(b)lacZ遺伝子と異種遺伝子との間の交換のPCR同定の戦略。P1およびP2は、プライマー(それぞれ、thgAFおよびgalER)を示す。(c)染色体lacZ領域のPCR増幅。(M)DNAラダーマーカー;P1/2プライマーを用いて(1)IL1403、(2)ILSODおよび(3)ILCTTから増幅したフラグメント。
【図2】図2は、染色体改変実験の表現型分析を示す。(a)4mM過酸化水素および(b)8mM過酸化水素に1時間曝した後の(1)IL1403、(2)ILSODおよび(3)ILCTTの生存率。各データ点は、これらの独立した実験の平均に対応する。エラーバーは、標準偏差に対応する。
【図3】図3は、Bacillus subtilis 168からのα-アミラーゼ分泌のための発現プラスミドpSEA5を示す。プラスミドpSEA5は、恒常性munAプロモーターの下でenlAリーダー配列に融合したα-アミラーゼからなる。この構築物の詳細は、材料および方法の節において示される。
【図4】図4は、野生型L.lactis IL1403およびα-アミラーゼ分泌のためのpSEA5を有する酸化的ストレス耐性LABにより生成されるα-アミラーゼ活性を示す。好気性条件下での(a)細胞増殖、(b)培養pH、(c)およびα-アミラーゼ活性の変化。丸は、IL1403pSEA5を示す;三角は、ILSODpSEA5を示す;四角は、ILCTTpSEA5を示す。各データ点は、三連の実験の平均に対応する。エラーバーは、標準偏差に対応する。
【図5】図5は、野生型L.lactis IL1403およびムンジチシンKS遺伝子クラスターを含むpRK1を有する酸化的ストレス耐性LABにより生成されるバクテリオシン活性を示す。好気性条件下での(a)細胞増殖、(b)培養pH、(c)およびα-アミラーゼ活性の変化。丸は、IL1403pSEA5を示す;三角は、ILSODpSEA5を示す;四角は、ILCTTpSEA5を示す。各データ点は、三連の実験の平均に対応する。エラーバーは、標準偏差に対応する。

【配列表フリ-テキスト】
【0098】
配列番号1は、カタラーゼの核酸配列である。
【0099】
配列番号2は、カタラーゼのアミノ酸配列である。
【0100】
配列番号3は、スーパーオキシドディスムターゼの核酸配列である。
【0101】
配列番号4は、スーパーオキシドディスムターゼのアミノ酸配列である。
【0102】
配列番号5は、メタロチオネインの核酸配列である。
【0103】
配列番号6は、メタロチオネインのアミノ酸配列である。
【0104】
配列番号7は、メチオニンスルホキシドリダクターゼAの核酸配列である。
【0105】
配列番号8は、メチオニンスルホキシドリダクターゼAのアミノ酸配列である。
【0106】
配列番号9は、グルタチオンペルオキシダーゼの核酸配列である。
【0107】
配列番号10は、グルタチオンペルオキシダーゼのアミノ酸配列である。
【0108】
配列番号11は、lacZ5Fプライマーの核酸配列である。
【0109】
配列番号12は、lacZ5Rプライマーの核酸配列である。
【0110】
配列番号13は、lacZ3Fプライマーの核酸配列である。
【0111】
配列番号14は、lacZ3Rプライマーの核酸配列である。
【0112】
配列番号15は、thgAFプライマーの核酸配列である。
【0113】
配列番号16は、galERプライマーの核酸配列である。
【0114】
配列番号17は、munAプロモーター用核酸配列である。
【0115】
配列番号18は、munAプロモーター用核酸配列である。
【0116】
配列番号19は、ermFプライマーの核酸配列である。
【0117】
配列番号20は、ermRプライマーの核酸配列である。
【0118】
配列番号21は、SOD1Fプライマーの核酸配列である。
【0119】
配列番号22は、SOD1Rプライマーの核酸配列である。
【0120】
配列番号23は、CTT1Fプライマーの核酸配列である。
【0121】
配列番号24は、CTT1Rプライマーの核酸配列である。
【0122】
配列番号25は、ySOD1Fqtプライマーの核酸配列である。
【0123】
配列番号26は、ySOD1Rqtプライマーの核酸配列である。
【0124】
配列番号27は、yCTT1Fqtプライマーの核酸配列である。
【0125】
配列番号28は、yCTT1Rqtプライマーの核酸配列である。
【0126】
配列番号29は、munAp2プライマーの核酸配列である。
【0127】
配列番号30は、munApRLプライマーの核酸配列である。
【0128】
配列番号31は、munCTerFプライマーの核酸配列である。
【0129】
配列番号32は、munCRプライマーの核酸配列である。
【0130】
配列番号33は、enlAFSphプライマーの核酸配列である。
【0131】
配列番号34は、enlARSalプライマーの核酸配列である。
【0132】
配列番号35は、enlR1プライマーの核酸配列である。
【0133】
配列番号36は、mcsF1プライマーの核酸配列である。
【0134】
配列番号37は、AmyENプライマーの核酸配列である。
【0135】
配列番号38は、AmyECプライマーの核酸配列である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4