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明細書 :ネコブセンチュウによる植物病害を防御する方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5168687号 (P5168687)
公開番号 特開2009-155229 (P2009-155229A)
登録日 平成25年1月11日(2013.1.11)
発行日 平成25年3月21日(2013.3.21)
公開日 平成21年7月16日(2009.7.16)
発明の名称または考案の名称 ネコブセンチュウによる植物病害を防御する方法
国際特許分類 A01N  63/00        (2006.01)
A01P   5/00        (2006.01)
FI A01N 63/00 F
A01P 5/00
請求項の数または発明の数 3
微生物の受託番号 FERM BP-5825
全頁数 29
出願番号 特願2007-332395 (P2007-332395)
出願日 平成19年12月25日(2007.12.25)
審査請求日 平成22年6月10日(2010.6.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明者または考案者 【氏名】水久保 隆之
【氏名】津田 新哉
個別代理人の代理人 【識別番号】100091096、【弁理士】、【氏名又は名称】平木 祐輔
【識別番号】100096183、【弁理士】、【氏名又は名称】石井 貞次
【識別番号】100118773、【弁理士】、【氏名又は名称】藤田 節
【識別番号】100120905、【弁理士】、【氏名又は名称】深見 伸子
審査官 【審査官】安藤 倫世
参考文献・文献 特開昭64-090107(JP,A)
特開昭55-092304(JP,A)
特公昭40-010072(JP,B1)
調査した分野 A01N 63/00

A01P 5/00
特許請求の範囲 【請求項1】
植物がネコブセンチュウに感染した後、該植物又は該植物を栽培する土壌に受託番号FERM BP-5825で特定される非病原性フザリウム・オキシスポラム菌株を施用することを含む、ネコブセンチュウによる植物病害を防除する方法。
【請求項2】
植物又は植物を栽培する土壌に前記非病原性フザリウム・オキシスポラム菌株を施用する前に、弱毒植物ウイルスを植物に接種することを含み、該弱毒植物ウイルスがトマトモザイクウイルスL11A株又はトウガラシマイルドモットルウイルスNo.16株である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
受託番号FERM BP-5825で特定される非病原性フザリウム・オキシスポラム菌株を有効成分として含有する、ネコブセンチュウによる植物病害の防除剤であって、植物がネコブセンチュウに感染した後、該植物又は該植物を栽培する土壌に施用するものである、前記防除剤
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ネコブセンチュウによる植物病害を防除する方法に関する。より詳細には、非病原性糸状菌、または弱毒植物ウイルスおよび非病原性糸状菌を用いたネコブセンチュウによる植物病害を防除する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネコブセンチュウは、広い寄主範囲を持ち、露地根菜類から施設果菜類におよぶ広範な作物に著しい減収や枯死を起こすこと、侵入すると根絶が難しいことから、最も有害な病害虫の一つとされている。昭和34年から10年間実施された全国土壌検診事業は述べ6,400haの検診面積の53%に有害センチュウが高い密度で生息することを明らかにした。不可欠用途を除く土壌消毒用途の臭化メチルの2005年度以降の全廃によって、これまで意識せずに防除されていたネコブセンチュウ害は顕在化するとともに拡大しつつある。一方、作物防疫においても環境保全型農業技術、有機農業技術の導入が強く求められている。
【0003】
従来のセンチュウ防除手段の主流は化学合成農薬である。専用、汎用の化学合成農薬が殺センチュウ剤として用いられている。これらは大きく粒剤とくん蒸剤に分けられ、前者では有機リン剤のホスチアゼート剤、後者ではD-D剤が広く普及している。物理的防除手段には、ハウスを密閉し耕土を加温する太陽熱土壌消毒、ハウス土壌に有機物を混和して密閉加温する還元土壌消毒、可動式ボイラーから給湯し直接作土を加熱する熱水土壌消毒、耕土の長期間湛水処理がある。耕種的防除技術には、栽培すると土壌中のセンチュウ密度を低下させるセンチュウ対抗植物やセンチュウ抵抗性品種の栽培が挙げられる。マリーゴールドの「アフリカントール」、野生エンバクの「ヘイオーツ」などが代表的なセンチュウ対抗植物である。また、既登録の生物農薬として出芽細菌のパストリア水和剤(パスツリア・ペネトランス剤)と糸状菌のネマヒトン(モナクロスポリウム・フィマトパガム剤)などが挙げられる。
【0004】
有機リン酸系化学合成農薬は、作物への残留が社会問題化しており、クロルピクリン剤、D-D剤等の土壌くん蒸剤も人の健康に及ぼす影響、土壌微小生物相の破壊と撹乱、地下水汚染など環境負荷を起こす。化学合成農薬と物理的防除技術は、概して劇的な防除効果を示すものの、センチュウは耕土深層に残存しているため、栽培後のセンチュウ密度復活は速やかであり、却ってセンチュウ害を助長する(誘導多発性)。耕種的防除である対抗植物利用では、作物栽培の中断、除草の手間、他の病害虫の多発生などの問題を持つ。一般に抵抗性品種には市場性がないことが多く、センチュウ抵抗性品種がない野菜もある(例えばウリ科野菜)。また、抵抗性品種の連続的利用により、抵抗性品種に寄生するセンチュウ系統(抵抗性打破系統)が出現し、トマトでは抵抗性品種のセンチュウ抵抗性は既に打破されている。生物資材では、パストリア水和剤が産卵抑制作用、ネマヒトンが捕食作用の単独機作によってセンチュウを抑制するが、コストが極めて高く、劇的な防除効果に乏しい。
【0005】
上述のセンチュウ防除手段は、化学的、物理的、生物的手法を問わず、センチュウの直接致死または不活化を狙ったものであり、センチュウ、またはセンチュウに寄生する植物病原菌(主として病原性糸状菌)に対する植物の防御反応の強化を視点としたものではない。また、フザリウム菌に代表される糸状菌感染による萎ちょう病、立枯病などの種々の植物病害の生物的防除手段として、非病原性のフザリウム菌を、注射等により強制的に植物組織内に導入する方法が報告されているが(特許文献1など)、これは、病原性糸状菌数の減少を目的としたものであって、センチュウに対する防除作用については知られていない。

【特許文献1】特開平9-67218号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、生物的防除技術を用いた、ネコブセンチュウによる植物病害を防除する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、非病原性糸状菌が植物に感染するタイミングによって、ネコブセンチュウによる植物病害の程度を著しく変動させること、具体的には、植物がネコブセンチュウよりも先に非病原性糸状菌に感染した場合、およびネコブセンチュウと非病原性糸状菌に同時に感染した場合には、ネコブセンチュウの増殖と植物病害を促進すること、また、植物がネコブセンチュウよりも遅れて非病原性糸状菌に感染した場合には、ネコブセンチュウの増殖と植物病害を顕著に抑制することを見出し、本発明を完成させるに至った。また、植物が弱毒植物ウイルスと非病原性糸状菌に重複感染すると、ネコブセンチュウの増殖と植物病害をより顕著に抑制することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明の概要は以下のとおりである。
〔1〕植物または植物を栽培する土壌に非病原性の糸状菌を施用することを特徴とする、ネコブセンチュウによる植物病害を防除する方法。
〔2〕植物または植物を栽培する土壌に非病原性の糸状菌を施用する前に、弱毒植物ウイルスを植物に接種することを特徴とする、〔1〕に記載の方法。
〔3〕非病原性の糸状菌を有効成分として含有する、ネコブセンチュウによる植物病害の防除剤。
〔4〕非病原性の糸状菌が非病原性フザリウム菌である、〔3〕に記載の防除剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ネコブセンチュウによる植物病害を生物的に防除することができる。非病原性糸状菌の施用、ならびに弱毒植物ウイルスおよび非病原性糸状菌の施用は、化学防除手段であるくん蒸剤に匹敵するセンチュウ防除効果を発現し得る。本発明の方法によれば、従来から行われている化学的防除法と異なり、環境を汚染や人畜あるいは他の作物への影響が軽微であるため、生態系の調和を乱すことなく、また、土壌中に生息している有益な微生物に悪影響を与えることなく、安定かつ持続的に、ネコブセンチュウによる植物病害を防除し得る。また、本発明は、ネコブセンチュウが寄生し、固有のウイルス病やフザリウム病等を持つ植物に広く適用し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のネコブセンチュウによる植物病害を防除する方法は、植物または植物を栽培する土壌に非病原性の糸状菌を施用することを特徴とする。
【0011】
ネコブセンチュウは、植物に寄生し、植物細胞の原形質から栄養をとる害虫である。メロイドギネ属のネコブセンチュウ(英名root-knot nematode)は、分類上現在約70の種(Meloidogyne arenariaM. incognitaM. haplaM. javanicaなど)が確認されており、様々な作物や雑草に寄生する。種全体では、2000種を超える植物に影響することが報告されており、その中には重要な作物であるトマト、ピーマン、ウリ、バレイショ、サツマイモ、ナス、ニンジン、ゴボウ、ホウレンソウ、フダンソウ、シュンギク、ネギ類、ショウガ、エンドウ、インゲンマメ、ササゲなどが含まれる。
【0012】
ネコブセンチュウは単独で植物を加害するばかりでなく、土壌病原菌と複合感染を引き起こす。ネコブセンチュウに感染すると、地上部分では、寄生の診断に有効となるはっきりとした兆候は感染初期には見られないが、地下ではコブ(gallあるいはknot)が形成され始める。コブの大きさは品種により異なるが、多くの場合1~2mm程度で肉眼では確認しにくい場合もある。一方、コブの表面や根には卵が産卵され、この卵の固まりは肉眼でも確認ができる。ネコブセンチュウに感染した根には、様々な発達段階のセンチュウが寄生する。ネコブセンチュウの感染は、作物の収量を減少させ、あるいは寄生した塊根などの市場価値を失わせる。また、ネコブセンチュウは、糸状菌、細菌、ウイルスの感染に関与する。例えば、Fusarium属(Fusariumoxysporum f.sp. lycopersiciFusarium oxysporum f.sp. cucumerinumなど)、Rhizoctonia属(Rhizoctoniasolaniなど、)Pythium属(Pythium cucurbitacearumなど)に属する糸状菌、Pseudomonas属(Pseudomonassolanacearumなど)に属する細菌、タバコモザイクウイルスなどの感染に関与し、萎ちょう病、青枯病、立枯病、つる割病、腰折病、根こぶ病などの植物病害が植物に生じる。本発明のネコブセンチュウによる植物病害を防除する方法は、ネコブセンチュウの加害と増殖を抑制し、それらの植物病害を防除することができる。
【0013】
本発明の方法に用いる非病原性糸状菌は、植物に対して病原性を持たない糸状菌であれば特に制限されるものではなく、例えば非病原性のフザリウム属、トリコデルマ属などに属する糸状菌が挙げられる。これらのうち、非病原性フザリウム菌が好ましく、非病原性フザリウム・オキシスポラムがより好ましく、フザリウム・オキシスポラムF13が特に好ましい。フザリウム・オキシスポラムF13は、島根大学内土壌より分離され、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(現経済産業省産業技術総合研究所特許生物寄託センター)に受託番号FERM P-15057として寄託されている。また、非病原性糸状菌ではないが、例えばPseudomonas属に属する非病原性の細菌類も非病原性糸状菌と同様に用いることができる。
【0014】
本発明に用いる非病原性糸状菌の培養は、一般微生物における通常の培養方法を用いて行うことが可能であり、ポテト・デキストロース寒天培地、ポテト・シュークロース寒天培地、ツアペック寒天培地などの固形平板培地あるいは斜面培地を用いた固体培養、フスマなどの植物由来の固体成分、糖類や窒素源を含浸させた多孔質体などを用いた固体培養、ポテト・デキストロース液体培地、ポテト・シュークロース液体培地、ツアペック液体培地などの各種液体培地を用いた液体培養等、いずれも可能である。また、培養方法は、振盪培養、ジャーファーメンター培養、あるいは静置培養等をとることができる。また、例えばフザリウム・オキシスポラムF13を培養する場合の培養条件は、好気条件下、温度15~35℃、pH4~8で5~8日間培養することが好ましい。
【0015】
非病原性糸状菌は、糸状菌の培養物、培養物を培地とともに破砕、細断した形態、または糸状菌を培地から分離した形態等で本発明に用いてもよく、これらを本発明の防除剤として用いることができる。あるいは、常法に従って、担体、固着剤、分散剤、補助剤などを配合し、非病原性の糸状菌を有効成分として含む、粉剤、粒剤、水和剤、液剤、乳剤、懸濁液などの形態にしてもよい。
【0016】
担体としては、例えば、タルク、ベントナイト、クレー、カオリン、ケイソウ土、ホワイトカーボン、バーミキュライト、ケイ砂などの固体担体;水溶性高分子化合物(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸など)、水、植物油、液体動物油などの液体担体などが挙げられる。固着剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸などが挙げられる。分散剤としては、例えば、アルコール硫酸エステル類、ポリオキシエチレングリコールエーテルなどが挙げられる。補助剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、デンプン、乳糖などが挙げられる。
【0017】
本発明の防除剤の製造では、上記担体、固着剤、分散剤および補助剤をそれぞれの目的に応じて、それぞれ単独でまたは適宜組合せて使用することができる。本発明の防除剤における非病原性の糸状菌の含有量は特に限定されないが、粉剤、粒剤などの場合、好ましくは1×10~1×10cfu/gの範囲、より好ましくは1×10~1×10cfu/gの範囲である。また、水和剤(懸濁時)、液剤、乳剤、懸濁液などの場合、施用時に、好ましくは1×10~1×10cfu/mlの範囲、より好ましくは1×10~1×10cfu/mlの範囲になるように調製すればよく、製剤時に上記範囲の数倍~数千倍の濃度で防除剤に含有させることができる。なお、非病原性糸状菌は菌糸体、あるいは胞子でもよく、上記cfu/g、cfu/mlの単位を胞子/g、胞子/mlと読み替えてもよい。下記の非病原性糸状菌の施用量についても同様である。
【0018】
非病原性の糸状菌の施用は、植物がネコブセンチュウに感染した後、具体的には、例えばネコブセンチュウを駆除した土壌で育苗した植物を圃場に定植した後(好ましくは定植後1日~3日)に行う。非病原性糸状菌をネコブセンチュウ感染前に施用して、先に非病原性糸状菌に植物が感染した場合や、苗を圃場に定植するとほぼ同時に非病原性糸状菌を施用した場合、すなわち植物がネコブセンチュウと非病原性糸状菌にほぼ同時に感染した場合には、防除効果はなく、かえってネコブセンチュウの加害と増殖を促進する。
【0019】
非病原性糸状菌の施用方法は、土壌に混和、または灌注すればよく、植物の根に直接接触するように、あるいは根の周辺の土壌に当該菌が散布されるように土壌接種すればよい。非病原性糸状菌の施用量は、当該菌が増殖可能であれば、特に限定されないが、好ましくは1×10~1×1012cfu/ml土壌の範囲、より好ましくは1×10~1×1010cfu/ml土壌の範囲、あるいは好ましくは1×10~1×1012cfu/株、より好ましくは1×10~1×1010cfu/ml株の範囲である。
【0020】
本発明のネコブセンチュウによる植物病害を防除する方法は、植物または植物を栽培する土壌に非病原性の糸状菌を施用する前に、弱毒植物ウイルスを植物に接種すると、防除効果が一層高まる。2種類の微生物(弱毒植物ウイルスと非病原性の糸状菌)が共力作用して、おそらく植物の感染防御機構の強化など複数の機構を通じて、ネコブセンチュウの加害と増殖を強く抑制する。
【0021】
本発明に用いる弱毒植物ウイルスは、植物に対して病原性を持たない微生物であれば特に限定されるものではなく、例えば弱毒性のトバモウイルス属が挙げられる。弱毒性のトバモウイルス属では、例えば弱毒性のトマトモザイクウイルス、トウガラシマイルドモットルウイルス、キュウリモザイクウイルス、タバコモザイクウイルスなどが好ましい。本発明に用いられる非病原性の糸状菌が、非病原性フザリウム・オキシスポラムである場合、弱毒植物ウイルスとして、トマトモザイクウイルスの弱毒株およびトウガラシマイルドモットルウイルスの弱毒株が好ましく、そのなかでもトマトモザイクウイルスL11A株およびトウガラシマイルドモットルウイルスのNo.16株が好ましい。トマトモザイクウイルスL11A株は、MAFF No.260002株もしくはNo.260004株として独立行政法人農業生物資源研究所ジーンバンクに保存されており、配布申込により入手することができる。トウガラシマイルドモットルウイルスのNo.16株は、トウガラシマイルドモットルウイルスの強毒系統ウイルス株(独立行政法人農業生物資源研究所ジーンバンクにMAFF No.104032として登録)を選抜することによって、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業研究センターが作出した系統である。No.16株はウイルスであることから、日本国特許庁長官の指定する寄託機関である、独立法人産業総合研究所の特許生物寄託センターと、独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センターのいずれにも寄託の受け入れが認められないものであるが、茨城県つくば市観音台3丁目1番地1独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター内 津田新哉から入手することができる。
【0022】
弱毒植物ウイルス(植物に感染しても被害を与えないウイルス)は、強毒植物ウイルス(植物に感染して被害を与えるウイルス)からの突然変異(例えば人為的突然変異など)によって作出することもでき、自然界から分離することもできる。
【0023】
弱毒植物ウイルスは、例えば当該ウイルスを感染させた植物の磨砕液の形態で用いることができる。磨砕液を遠心分離等してウイルスを回収したり、濃縮してもよい。また、弱毒植物ウイルス粒子、あるいはウイルス核酸を単独で用いてもよく、緩衝液などに混合して、液剤、乳剤、懸濁液等の形態にして弱毒植物ウイルス液剤とすることもできる。緩衝液として、例えばリン酸ナトリウム緩衝液、リン酸カリウム緩衝液などが挙げられる。液剤等には、例えばトレハロース、ショ糖などの補助剤、EDTAなどのキレート剤、ポリエチレングリコールなどの安定剤などを含めてもよい。また、磨砕液や液剤等を凍結乾燥品にし、施用時に水、緩衝液などで調製してもよい。
【0024】
液剤等への弱毒植物ウイルスの含有量は、特に限定されないが、例えばウイルス粒子濃度として、好ましくは0.0001~0.5重量%の範囲、より好ましくは0.001~0.01重量%の範囲である。
【0025】
弱毒植物ウイルスの植物への施用は、磨砕液または液剤等を植物(好ましくは苗の葉、茎など)に散布したり、塗抹接種して行うことができる。その際、カーボランダムなどの研磨剤を併用してもよく、研磨剤を散布した葉に上記磨砕液または液剤等を脱脂綿等で塗抹する。また、磨砕液または液剤等を植物に散布した後、研磨剤を付着させたローラー等を用いて植物の表面を被傷させてもよい。あるいは、噴霧器やスプレーガンを用いて、磨砕液または液剤等およびカーボランダムに圧力をかけて植物に噴霧してもよい。弱毒植物ウイルスの植物への施用量は、特に限定されず、ウイルスが植物に感染すればよい。
【0026】
本発明の植物病害を防除する方法は、まず、くん蒸、滅菌処理等を行った土壌で育苗し、苗を定植する前に上記施用方法で弱毒植物ウイルスを接種する。次に、当該植物に非病原性糸状菌を重複感染させる。具体的には、非病原性糸状菌を圃場に定植する前の苗(ネコブセンチュウ感染前)に施用してもよいし、苗を圃場に定植するときに施用してもよいが、より好ましくは定植数日後(好ましくは定植後1~3日)に施用する。非病原性糸状菌は、根に接触するように、あるいは根の周辺の土壌に当該菌が散布されるように施用すればよい。弱毒植物ウイルスと非病原性糸状菌の重複感染により、植物病害をより顕著に防除することができる。
【0027】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0028】
〔非病原性フザリウム菌によるサツマイモネコブセンチュウの防除〕
トマトのポット栽培において、非病原性のフザリウム菌をネコブセンチュウの感染時点に相対して早い、同時、遅い時系列で土壌接種した場合のネコブセンチュウ防除効果について実験を行った。
(1)実験に用いたセンチュウと微生物の株
(i)センチュウ
サツマイモネコブセンチュウ:メロイドギネ・インコグニータ(Meloidogyne incognita)(千葉県嚶鳴村(現旭市)に存在した海上試験地のサツマイモ圃場に由来し、農林水産省農事試験場(鴻巣)、次いで農林水産省農業研究センター(つくば)、次いで中央農業総合研究センター(つくば)に移され、中央農業総合研究センターで継代維持されてきた系統、以下、嚶鳴系統と呼ぶ)を用いた。この系統は、センチュウ抵抗性遺伝子(Mi遺伝子)を組み込んだトマトの品種(NR品種:Nematode resistant variety)に感染できないが、NRでないトマトには強い病原性を有する。この株は、独立行政法人農業生物資源研究所ジーンバンクにMAFF No.108302として登録されている。
(ii)非病原性フザリウム
フザリウム・オキシスポラムF13を用いた。
【0029】
(2)育苗と栽培
土壌蒸気滅菌器にて滅菌処理した砂壌土(砂をおよそ50%含む)に、化成肥料(NPK成分各14%)と苦土石灰をそれぞれ13g/18リットル加えた。この床土を口径90mm×高さ80mmの黒色ビニルポットに充てんして、センチュウ抵抗性(NR)を持たないトマト(強力米寿2号、タキイ)を播種した。播種、育苗、試験微生物の接種、接種後のトマトの栽培管理は、すべて茨城県つくば市に所在する中央農業総合研究センターのガラス室において実施した。
【0030】
(3)接種源の調製と接種方法
(i)センチュウ
接種源のサツマイモネコブセンチュウ嚶鳴系統は、第2期幼虫の500個体を接種し、25~30℃で温度管理した温室で約80日間栽培したトマト(強力米寿2号)から得た。すなわち、トマトの根より水洗によって土壌を除去し、露出した根の根こぶ上に形成された卵嚢を実体顕微鏡下(60×)で観察しながら、ピンセットで採集した。100個の卵嚢を、5mlの水道水を入れたシュラキュース時計皿に移し、水の蒸散を抑制するため別の時計皿をこの上に重ね置いた。これを25℃で2週間インキュベートした後、孵化した第2期幼虫だけをガラス製の駒込ピペットを用いて水とともに吸い取って集め、メスシリンダーで1ml中125個体の第2期幼虫を含むように調製した。トマト幼植物(6葉期)へのセンチュウの接種は、株元から30mm外側に直径10mm深さ30mmの穴をガラス管瓶を用いて4カ所穿ち、調製したセンチュウ懸濁液を各穴に1mlずつ流し込むことにより実施した。
【0031】
(ii)病原性フザリウム菌
接種源のF13の菌体は、紙製の円形通気孔を持つ、きのこ培養用プラスチックバック(信濃パック)にフスマ培地を2リットル充てんし、オートクレーブにて120℃20分の滅菌を2回行い、これに試験管内のポテト・デキストロース寒天培地(PDA培地)上で継代したF13菌糸体の滅菌水懸濁液を接種することにより、およそ2週間で無菌的に単独培養された。胞子や菌糸は精製しなかった。自然風乾した培養物中のF13の菌密度は、MP培地を用いて検定し、菌密度5.67×10cfu/g乾物であることを確認した。菌は使用するまで10℃の低温室で保存した。接種の直前に、F13のフスマ培養物をブレンダーで破砕し、必要量を量り取って、蒸気滅菌した砂壌土に混和し、小型コンクリートミキサー(マゼラーPT-2N)で十分に撹拌して、1ml当たり1×10cfuのF13を含む土壌を調製した。次いで、90mm×高さ80mmのビニルポットからトマトを根と土壌(300ml)ごと抜き取り、口径120mm×高さ100mmのビニルポット(容積600ml)に入れ替え、この後、F13を混和した300ml土壌をポットの隙間に充てんした。したがって、F13の接種密度は5×10cfu/ml土壌であった。
【0032】
(4)試験区
試験区として下記のとおり4区を設けた。
(i)F13+2区
嚶鳴系統センチュウの第2期幼虫を最初(2006年9月25日)にトマトの根圏土壌に接種し、2日後(9月27日)にフザリウム菌のF13培養物を含む土壌と併せて口径120mm×高さ100mmのポットに改植したもの。
(ii)F13±0区
トマト幼植物を2006年9月25日にF13培養物を含む土壌300mlと併せて口径120mm×高さ100mmのビニルポットに改植してF13に接触させ、同日の2時間後に嚶鳴系統センチュウの第2期幼虫をトマトの培土に接種したもの。
(iii)F13-2区
トマト幼植物を2006年9月25日にF13培養物を含む土壌300mlと併せて口径120mm×高さ100mmのビニルポットに改植してF13に接触させ、2日後(9月27日)にセンチュウの第2期幼虫をトマトの培土に接種したもの。
(iv)対照区
トマト幼植物を2006年9月25日に滅菌砂壌土300mlと併せて口径120mm×高さ100mmのビニルポットに改植し(F13には接触しない)、2日後(9月27日)にセンチュウの第2期幼虫をトマトの培土に接種したもの。
【0033】
各試験区は3反復であった。ポットはガラス室のベンチに静置し、25℃~30℃で管理した。
【0034】
(5)評価方法
実施例の試験区にセンチュウを接種して36日後(2006年11月2日)に、各試験区のトマトを地際部から切断し、根から土壌を払い落とし、ポリエチレン袋に取り除けた。根は水道水で丁寧に洗浄した。
(i)全根系の根こぶ数および卵嚢数
トマトの根を解剖鋏で分解し、分解した側根ごとに実体顕微鏡下(40~60倍)で、根こぶと卵嚢を計数カウンターによって計数し、これらを集計して全根系の根こぶ数および卵嚢数を計上した。
【0035】
(ii)土壌20g当たりのセンチュウ第2期幼虫数
トマトの根を洗浄するに先立ってポリエチレン袋に取り除けた土壌から20gの土壌を3反復で量り取り、ベルマン漏斗法によって72時間分離した。分離センチュウを含む水をプランクトン計数スライドに入れ、生物顕微鏡(オリンパスBX-50)を用いて150倍で観察しつつ、ネコブセンチュウの第2期幼虫を計数した。3反復の平均値を土壌20g当たりの第2期幼虫密度として計上した。同時に、土壌中に生息する非植物病原性センチュウ(糸状菌や細菌を餌とするセンチュウ群)の数も計数した。
【0036】
(iii)根こぶ指数
根の根こぶの程度に応じてI~Vの5段階評を与え、下記の式(1)により根こぶ指数を算出した。根こぶ指数は、主観的評価法ではあるが、センチュウ害の評価指標として最も広く用いられている。
根こぶ指数=((5V+4VI+3III+2II+1I)/(5×調査株数))×100 …式(1)
I : 根の0~20%に根こぶが認められた植物体数
II : 根の21~40%に根こぶが認められた植物体数
III: 根の41~60%に根こぶが認められた植物体数
IV : 根の61~80%に根こぶが認められた植物体数
V : 枯死もしくは維管束全体に褐変が認められた植物体数
【0037】
(iv)非病原性フザリウム菌による維管束の褐変
実施例の試験区にセンチュウを接種して35日後に、各試験区のトマトを地際部から切断し、地際部より5cm上の維管束褐変の程度に応じて0~IVの5段階評を与え、下記の式(2)により各処理の罹病指数を算出した。
罹病指数=((4IV+3III+2II+1I)/(4×調査株数))×100 …式(2)
0 : 維管束褐変なし
I : 維管束の1/4に褐変が認められた植物体数
II : 維管束の1/2に褐変が認められた植物体数
III: 維管束の3/4に褐変が認められた植物体数
IV : 枯死もしくは維管束全体に褐変が認められた植物体数
【0038】
(v)統計処理
上記試験区のデータの検定は、検定が可能な場合に、一元配置分散分析による5%水準の有意差検出を行い、試験区間に有意差が検出された場合は、HSD Tukey法による多重比較を行った。図において、「a」「b」のアルファベットは、「a」が付された試験区と「b」が付された試験区の間に有意差があることを示す。
【0039】
(6)結果
各試験区における根こぶ数、卵嚢数、第2期幼虫密度を図1、2、3にそれぞれ示す。また、これらに根こぶ指数、微生物食性センチュウ群の密度の算出結果を加えたものを表1に示す。
【0040】
【表1】
JP0005168687B2_000002t.gif

【0041】
図1は、上記試験区ごとの根こぶ数を表す図であるが、F13±0区における根こぶの数は、センチュウのみを接種した対照区より有意(p<0.05)に多く、センチュウとF13がほぼ同時に感染するタイミングは、ネコブセンチュウの感染後の定着を促進したことが示された。一方、根こぶの数はF13+2区において最も少なく、F13がセンチュウより2日遅れて感染するタイミングは、ネコブセンチュウの根への定着を抑制したことが示された。
【0042】
図2は、上記試験区ごとの卵嚢数を表す図であるが、卵嚢の数はF13+2区において最も少なく、F13がセンチュウより2日遅れて感染するタイミングが、ネコブセンチュウの産卵を抑制した可能性および/または雌の発達を遅延させた可能性を示した。
【0043】
図3は、上記試験区ごとの土壌に遊出した次世代の第2期幼虫密度(土20g当たり)を表す図であるが、F13-2区では、センチュウの第2期幼虫の密度が対照区を含む他の区より高く、F13がセンチュウより2日早く感染するタイミングがネコブセンチュウの産卵数を増加させた可能性および/または産卵開始期を早めた可能性を示した。一方、次世代の幼虫密度は、F13+2区において他の区よりも極めて低く、F13がセンチュウより2日遅れて感染するタイミングが、ネコブセンチュウの産卵数を抑制した可能性および/または産卵開始期を遅延させた可能性を示した。
【0044】
根こぶ指数は、F13+2区において43を示して最も低く、次いで対照区とF13-2区において47の値であり、F13±0区では最も高い53の値であった。根こぶの計数結果と同様に、F13がセンチュウより2日遅れて感染するタイミングにおいて、センチュウ防除効果が高いことが示された。
【0045】
トマトに病原性を有さない細菌食性および糸状菌食性のセンチュウ群の密度は、F13+2区で868頭と最も少なく、F13±0区の1,701頭は対照区の1,478頭よりも多かった。このことは試験区間の根こぶ数の多少の傾向と符合していた。ネコブセンチュウが感染した根は壊(え)死を起こしやすい。これら非病原性のセンチュウの餌となる土壌中の微生物は壊死した根を分解して増殖することから、F13がセンチュウより2日遅く感染するタイミングでは壊死根が相対的に少なく、一方、F13がセンチュウと同時に感染するタイミングでは壊死根が相対的に多かったと考えられる。
【0046】
すべての試験区のトマトの地際から5cm上部の茎を切り取り調査した結果(図を省略)では、維管束部の褐変はいずれの試験区のトマトにも認められなかった。このことから、用いたF13は非病原性であり、センチュウと相互作用した場合においてもトマトに悪影響を与えないことが確認された。
【実施例2】
【0047】
〔非病原性フザリウム菌と弱毒植物ウイルスのサツマイモネコブセンチュウの防除に及ぼす共力作用〕
非病原性フザリウム菌のセンチュウ防除効果をさらに高める可能性がある微生物資材として、トバモウイルス属の弱毒系統を導入し、ガラス室内でポット栽培したトマトに2種の非病原性微生物とセンチュウを接種する実験を行い、センチュウ防除効果を調べた。
【0048】
(1)実験に用いたセンチュウと微生物の株
(i)センチュウ
上記実施例1と同様の系統を供試した。
(ii)非病原性フザリウム菌
上記実施例1と同様の菌株を供試した。
(iii)トバモウイルス属の弱毒株
トマトモザイクウイルスのL11A株を供試した。
【0049】
(2)育苗と栽培
トマトの品種は、実施例1と同様に強力米寿2号を供試し、これを実施例1と同様の性状および施肥条件の砂壌土に播種した(2006年10月6日)。播種、育苗、試験微生物の接種、接種後のトマトの栽培管理場所も実施例1と同様であった。2006年10月20日に、本葉2葉期のトマト幼植物を滅菌した砂壌土100mlを充てんした口径60mm×高さ57mmのビニルポットに改植し、25~30℃に温度を管理したガラス室で生育させた。生育したトマト幼植物は、さらに、11月5日から11月9日にかけて、口径120mm×高さ100mmのビニルポットに改植した。改植時に蒸気滅菌した川砂を加え、土壌容積を500ml/ポットに増量した。
【0050】
(3)接種源の調製と接種方法
(i)ウイルス弱毒系統の調製と接種
トバモウイルス属のトマトモザイクウイルス(ToMV)弱毒系統L11A株は、この株が感染したタバコNicotiana tabacum幼植物から得た。本植物より約0.1gの葉を切り出し、0.05M、pH7.0のリン酸緩衝液100ml中で、乳鉢と乳棒を用いて磨砕した。次いで、トマトの子葉に研磨剤を振りかけ、そこに前記の葉の磨砕液を染みこませた脱脂綿を軽くこすりつけた。研磨剤として、400-600メッシュのカーボランダムを用いた。本葉2葉期になった10日後(11月1日)に、弱毒植物ウイルスを接種した。
【0051】
(ii)非病原性フザリウム菌の調製と接種
接種源のF13の菌体は実施例1で使用したものと同一であり、菌密度は5.67×10cfu/gであった。接種の直前に、F13のフスマ培養物をブレンダーで破砕し、8.47gを量り取って、蒸気滅菌した川砂4.8Lに混和し、小型コンクリートミキサー(マゼラーPT-2N)で十分に撹拌して、1ml当たり1×10cfuのF13を含む砂を調製した。次いで、口径60mm×高さ57mmのビニルポットからトマトを根と土壌(300ml)ごと抜き取り、口径120mm×高さ100mm(容積600ml)に入れ替え、この後、F13菌を混和した400ml土壌をポットの隙間に充てんした。したがって、F13の接種密度は7.5×10cfu/ml土壌であった。
【0052】
(iii)センチュウの調製と接種
接種源のサツマイモネコブセンチュウは、実施例1と同様の系統であり、実施例1と同様の方法で増殖し、第2期幼虫を回収した。最後にメスシリンダーを用い水1ml中に1000個体の第2期幼虫を含むセンチュウ懸濁液を調製した。トマト幼植物(6葉期)へのセンチュウの接種は、株元から30mm外側にガラス管瓶を用いて直径10mm深さ30mmの穴を3カ所穿ち、調製したセンチュウの懸濁液を各穴に1mlずつ流し込むことにより実施した。
【0053】
(4)試験区
試験区として下記のとおり5区を設けた。
(i)弱V区
トマトモザイクウイルスのL11A株を2006年11月1日にトマト幼植物に接種し、8日後(11月9日)に無菌砂と併せてトマトを口径120mm×高さ100mmのポットに改植し、その直後にセンチュウの第2期幼虫を土壌接種したもの。
(ii)弱V・F13-1区
トマトモザイクウイルスのL11A株を2006年11月1日にトマト幼植物に接種し、次いで7日後(11月8日)にF13菌培養物を含む川砂と併せて口径120mm×高さ100mmのポットに改植することによってF13に接触させ、さらにその翌日(11月9日)にセンチュウの第2期幼虫を土壌接種したもの。
(iii)F13-1区
トマト幼植物を2006年11月8日にF13培養物を含む川砂400mlと併せて口径120mm×高さ100mmのビニルポットに改植することによってF13に接触させ、その翌日(11月9日)にセンチュウの第2期幼虫を土壌接種したもの。
(iv)F13±0区
トマト幼植物を2006年11月9日にF13培養物を含む川砂400mlと併せて口径120mm×高さ100mmのビニルポットに改植することによってF13に接触させ、同日(11月9日)にセンチュウの第2期幼虫を土壌接種したもの。
(v)対照区
トマト幼植物を2006年11月9日に滅菌川砂400mlと併せて口径120mm×高さ100mmのビニルポットに改植し(F13には非接触)、同日(11月9日)にセンチュウの第2期幼虫を土壌接種したもの。
【0054】
各試験区に4反復を設けた。ポットはガラス室のベンチに静置し、20~25℃で温度を管理し、液肥(ハイポネックス(HYPONEX)5-10-5:2ml/L)を1週間に1度与えながら肥培管理をしつつ35日間栽培した。また、乾燥しない程度に灌水した。
【0055】
(5)評価方法
実施例の試験区にセンチュウを接種して35日後(2006年12月14日)に、各試験区のトマトを地際部から切断し、根から土壌を払い落とし、ポリエチレン袋に取り除けた。根は水道水で丁寧に洗浄した。
(i)全根系の根こぶ数および卵嚢数
実施例1と同様に計数した。
(ii)根こぶ指数
実施例1と同様に算出した。
(iii)土壌20g当たりのセンチュウ第2期幼虫数
実施例1と同様に計数した。
(iv)統計処理
上記試験区のデータの検定は、検定が可能な場合に、一元配置分散分析による5%水準の有意差検出を行い、試験区間に有意差が検出された場合は、HSD Tukey法による多重比較を行った。図において、「a」「b」のアルファベットは、「a」が付された試験区と「b」が付された試験区の間に有意差があることを示す。
【0056】
(6)結果
各試験区における根こぶ数と卵嚢数の算出結果を図4、図5にそれぞれ示す。また、これらに根こぶ指数、第2期幼虫密度の算出結果を加えたものを表2に示す。
【0057】
【表2】
JP0005168687B2_000003t.gif

【0058】
図4は、上記試験区ごとの根こぶ数を表す図であるが、トマトモザイクウイルス弱毒株L11Aの単独感染(弱V区)はネコブセンチュウの根への定着を促進しており、この単独接種はセンチュウ防除に不利であることが示された。一方、根こぶの数は弱V・F13-1区において最も少なく、他の処理区とも有意(p<0.05)に異なって少なく、トマトモザイクウイルス弱毒L11A株がF13と重複感染した場合に、ネコブセンチュウの根への定着を大きく抑制したことが示された。
【0059】
根こぶ指数(図を省略)は、弱V・F13-1区において38を示して最も低く、次いでF13-1区および対照区においてそれぞれ50および55の値であり、弱V区およびF13±0区ではそれぞれ60および75の高い指数値を示した。根こぶの計数結果と同様に、F13がトマトモザイクウイルスの弱毒系統と重複感染した場合に、被害が大きく軽減されることが示された。
【0060】
図5は、上記試験区ごとの卵嚢数を表す図であるが、卵嚢の数は弱V区とF13±0区において最も高く、トマトモザイクウイルス弱毒株とセンチュウ、またはF13とセンチュウが同時に感染する条件はネコブセンチュウの産卵を促進した可能性および/または雌の発達を助長した可能性が示された。一方、弱V・F13-1区の卵嚢数は前記2区より少なかったが、無処理区とも異ならず、F13がセンチュウより1日早く感染するタイミングでは、弱毒植物ウイルスと重複感染した場合においても、ネコブセンチュウの産卵を抑制および/または雌の発達の遅延をもたらさないことが示された。
【0061】
上記試験区ごとの土壌に遊出した土20g当たりの第2期幼虫密度(図を省略)は、弱V区において他の区よりも多い孵化数(平均で86個体)が認められたが、未孵化の反復もあった。その他の区でも平均して30頭以下の低い孵化幼虫数であり、反復のばらつきが大きく、傾向を比較することは困難であった。この試験の栽培は相対的に低温条件下で行われたため、卵の発生が遅延し、その結果孵化が少なかったと考えられた。
【実施例3】
【0062】
〔非病原性フザリウム菌とトバモウイルス属の弱毒株のピーマンのサツマイモネコブセンチュウの防除に及ぼす共力作用〕
ポットに栽植したピーマンに、非病原性フザリウム菌をセンチュウの感染に相対して2日遅く感染させるタイミングで接種し、トバモウイルス属弱毒株の接種がセンチュウ防除に及ぼす効果を調べた。
【0063】
(1)実験に用いたセンチュウと微生物の株
(i)センチュウ
実施例1と同様の系統を供試した。
(ii)非病原性フザリウム菌
実施例1と同様の菌株を供試した。
(iii)トバモウイルス属の弱毒株
トウガラシマイルドモットルウイルスの弱毒系統ウイルスNo.16株を供試した。
【0064】
(2)育苗と栽培
ピーマンの品種は、ニュー土佐ひかり(南国育種研究農場)を用いた。これを実施例1と同様の性状および施肥条件の砂壌土を100ml充てんした口径60mm×高さ57mmのビニルポットに播種した(2007年3月12日)。接種後のピーマンの栽培管理場所は実施例1と同様であった。播種11日後(3月23日)に、双子葉期のピーマン幼植物を滅菌した砂壌土300mlを充てんした口径90mm×高さ80mmのビニルポットに改植し、25℃に温度を管理したガラス室で生育させた。播種25日後(4月6日)に生育したピーマン幼植物の一部にトウガラシマイルドモットルウイルスの弱毒系統ウイルスNo.16株を接種した。センチュウの接種は、播種より57日後の5月8日または5月9日に実施した。非病原性フザリウム菌F13の接種は、5月7日または5月10日に行った。センチュウ接種より41日または42日後(6月19日)まで、ガラス室内のベンチ上にポットを静置し、25~30℃で栽培した。
【0065】
(3)接種源の調製と接種方法
(i)弱毒植物ウイルス系統の調製と接種
トバモウイルス属のトウガラシマイルドモットルウイルスの弱毒系統ウイルスNo.16株が感染したピーマンの葉を、50倍量のリン酸緩衝液(中性付近の0.1Mリン酸緩衝液)を加えて磨砕した。この磨砕液を、本葉10枚期程度に生育したNicotiana benthamianaの本葉第5-8葉に接種した。当該ウイルスの接種処理は、研磨剤(400-600メッシュ程度のカーボランダム)を葉に振りかけ、前記の磨砕液を脱脂綿に染み込ませて軽くこすりつけることにより行った。ウイルス接種より5日後に接種葉を回収し、トウガラシマイルドモットルウイルスの弱毒系統ウイルス(No.16株)が感染したNicotiana benthamiana(接種源)として、本実施例のピーマン幼植物に用いた。接種は研磨剤(400-600メッシュ程度のカーボランダム)を葉に振りかけ、前記の磨砕液を脱脂綿に染み込ませて軽くこすりつけることにより行った。
【0066】
(ii)非病原性フザリウム菌の調製と接種
接種源のF13の菌体は、実施例1で使用したものと同一であり、菌密度は5.67×10cfu/g乾燥物であった。接種の直前に、F13のフスマ培養物をブレンダーで破砕し、17gを量り取り128ml懸濁液としてピペットでポット当たり6mlを接種した。トマト幼植物(6葉期)へのセンチュウの接種は、ガラス管瓶を用いて、株元から30mm外側に直径10mm深さ30mmの穴を6カ所穿ち、調製した懸濁液を各穴に1mlずつ流し込むことにより実施した。したがって、F13の接種密度は1×10cfu/ml土壌であった。なお、対照区には同量の滅菌したF13のフスマ培養物の懸濁液を接種した。
【0067】
(iii)センチュウの調製と接種
接種源のサツマイモネコブセンチュウは、実施例1と同様の系統であり、実施例1と同様の方法で増殖し、第2期幼虫を回収した。最後にメスシリンダーを用い水1ml中に310個体の第2期幼虫を含むセンチュウ懸濁液を調製した。トマト幼植物(6葉期)へのセンチュウの接種は、株元から30mm外側にガラス管瓶を用いて直径10mm深さ30mmの穴を2カ所穿ち、調製したセンチュウの懸濁液を各穴に1.5mlずつ流し込むことにより実施した。接種個体数はポット当たり930頭であった。
【0068】
(4)試験区
試験区として下記のとおり6区を設けた。
(i)非V対照区
ネコブセンチュウの第2期幼虫を2007年5月8日に土壌接種したもの。
(ii)F13+2区
ネコブセンチュウの第2期幼虫を2007年5月8日に土壌接種し、非病原性フザリウム菌F13を2日後(5月10日)に土壌接種したもの。
(iii)F13-2区
非病原性フザリウム菌F13を2007年5月7日に接種し、ネコブセンチュウの第2期幼虫を2日後(5月9日)に土壌接種したもの。
(iv)弱V対照区
トウガラシマイルドモットルウイルスの弱毒系統ウイルスNo.16株を2007年4月6日にピーマン幼植物に接種し、センチュウの第2期幼虫を5月8日に土壌接種したもの。
(v)弱V・F13+2区
トウガラシマイルドモットルウイルスの弱毒系統ウイルスNo.16株を2007年4月6日にピーマン幼植物に接種し、次いで5月8日にセンチュウの第2期幼虫を土壌接種し、その2日後(5月10日)に非病原性フザリウム菌F13を土壌接種したもの。
(vi)弱V・F13-2区
トウガラシマイルドモットルウイルスの弱毒系統ウイルスNo.16株を2007年4月6日にピーマン幼植物に接種し、次いで5月7日に非病原性フザリウム菌F13を接種し、その2日後(5月9日)にセンチュウの第2期幼虫を土壌接種したもの。
【0069】
各試験区に5反復を設けた。ポットはガラス室のベンチに静置し、27℃で温度を管理し、(HYPONEX)5-10-5:2ml/L)を適宜与えながら肥培管理をしつつ、42日間栽培した。
【0070】
(5)評価方法
実施例の試験区にセンチュウを接種して41日または42日後(2007年6月19日)に、各試験区のピーマンを地際部から切断し、根から土壌を払い落とし、ポリエチレン袋に取り除けた。根は水道水で丁寧に洗浄した。
(i)全根系の根こぶ数と卵嚢数
実施例1と同様に計数した。
(ii)土壌20g当たりのセンチュウ第2期幼虫数
実施例1と同様に計数した。
(iii)草丈
地際から切断したピーマンの切断部から生長点先端までの長さを物差しで測った。
【0071】
(6)結果
各試験区における根こぶ数、卵嚢数および草丈の算出結果を図6、図7および図8にそれぞれ示す。また、これらに第2期幼虫密度と果実数の算出結果を加えたものを表3に示す。
【0072】
【表3】
JP0005168687B2_000004t.gif

【0073】
図6は、上記試験区の根こぶ数を表す図であるが、理解の便宜のため、根こぶセンチュウが増殖するF13-2条件を割愛し、非病原性フザリウム菌F13がネコブセンチュウ第2期幼虫に相対して2日遅く処理される条件と、ウイルスの弱毒株の接種の有無の条件とを二元配置したグラフとして提示した。根こぶ数は、F13+2区で少なく、弱V・F13+2区でさらに少なかった。このことから、ウイルスの弱毒株と非病原性フザリウム菌が重複感染した場合に、ネコブセンチュウの根への定着を大きく抑制することが示された。
【0074】
図7は、上記試験区の卵嚢数を表す図であるが、図6と同様に、二元配置グラフとして提示した。卵嚢数は、F13+2区で少なく、弱V・F13+2区でさらに少なかった。しかし、この減少傾向は根こぶの減少傾向と一致し、根こぶの減少に比例したものであり、2種微生物の重複感染に、根こぶの減少を上回る産卵抑制作用があることを示すものではなかった。
【0075】
土壌から検出されたネコブセンチュウ第2期幼虫密度(図を省略)は試験区を通じて極めて少なく、未検出の反復が多かった。平均密度は、F13+2区、非V・F13+2区、非V対照区とも同等でほぼ1頭であり、弱V対照区では4頭であった。一方、F13-2区からは23頭と最も多く検出されたが、弱V・F13-2区の検出密度は9頭であった。F13が2日早く感染する条件では幼虫の孵化が促進されたが、ウイルスの弱毒株との重複感染には孵化抑制効果があることが示された。
【0076】
図8は、上記試験区の草丈を表す図であるが、図6と同様に二元配置グラフとして提示した。弱毒株およびF13が単独で感染した場合(非V・F13+2区、非V・F13-2区、弱V対照区)のいずれの試験区でもピーマンの草丈は非V対照区より低かった。一方、弱V・F13+2区では、非V対照区と同程度の草丈であった。このことは、ウイルス弱毒株にセンチュウより2日遅い条件でピーマンに感染するようF13を処理することによりピーマンの生育阻害が回避できることを示している。
【0077】
(補足)
実施例3において観測された根こぶ数、卵嚢数、土壌中の孵化第2期幼虫数の値は、トマトにおける同様の実験で得られる値と比べて極めて低い。この原因には、供試したピーマン(品種)が供試したネコブセンチュウの好適な寄主ではなかった可能性および/または接種時点のピーマンがセンチュウ感染に適さないほど老化していた可能性も考えられるが、下記の実施例5からも明らかなように、ピーマンはトマトに比べてセンチュウが増殖しにくい作物であることに負うところが大きいと考えられる。
【0078】
(実施例3の総括)
非病原性フザリウム菌F13をセンチュウより2日後に接種することの効果としては、根こぶの減少から判断して、ネコブセンチュウの感染の抑制を挙げることができる。
【0079】
ウイルス弱毒株接種の効果として、(1)根こぶの減少から判断して、ネコブセンチュウの寄生の抑制、(2)卵嚢の減少から判断して、ネコブセンチュウの産卵の抑制が挙げられる。トマトに供試したウイルスの弱毒株(トマトモザイクウイルス弱毒系特L11A株)にはセンチュウ害抑制効果は認められなかった(実施例2の弱V区)のに対し、ピーマンに供試したウイルス弱毒株(トウガラシマイルドモットルウイルスの弱毒系統ウイルスNo.16株)にはセンチュウ害抑制効果が認められたこと(実施例3の弱V対照区)は特筆すべきことである。
【0080】
ウイルス弱毒株接種と非病原性フザリウム菌F13をセンチュウより2日後に接種の組み合わせの効果として、(1)根こぶの減少から判断して、ネコブセンチュウの感染を抑制すること、(2)ピーマンの生育阻害を大幅に改善することが挙げられる。
【実施例4】
【0081】
〔トマトにおけるウイルス弱毒株と非病原性フザリウム菌の重複感染のセンチュウ害抑制効果(圃場試験)〕
トバモウイルス属ウイルスの弱毒株をトマト幼苗に接種することと、センチュウの感染に相対して2日遅く感染するタイミングで非病原性フザリウム菌を接種する条件とを組み合わせることによるセンチュウ防除効果を、無加温ビニルハウス栽培において調べた。
【0082】
(1)実験に用いたセンチュウと微生物の株
(i)センチュウ
サツマイモネコブセンチュウ:メロイドギネ・インコグニータ(Meloidogyne incognita)(山梨県のトマト(品種:踊り子)栽培圃場に由来し、1999年に中央農業総合研究センター(つくば)のC4特殊圃場のビニルハウスに導入され、以降トマトを連作することにより、このビニルハウス土壌に定着した系統)を用いた。本系統は、センチュウ抵抗性遺伝子(Mi遺伝子)を組み込んだトマトの品種(NR品種:Nematode resistant variety)に対する感染能が、感受性品種に対する感染能と同等である、いわゆる‘抵抗性打破系統’である。この系統は、いずれの公的機関にも寄託されていないが、独立行政法人農業・食品産業技術研究機構中央農業研究センター病害虫検出同定法研究チーム 水久保隆之から無償で入手することができる。
(ii)非病原性の微生物
実施例1と同様に、フザリウム・オキシスポラムF13を用いた。
(iii)トバモウイルス属の弱毒株
実施例2と同様に、トマトモザイクウイルスのL11A株を用いた。
【0083】
(2)育苗と栽培
トマトの品種は、NR品種(センチュウ抵抗性)である桃太郎(タキイ)を用いた。育苗床土は、クレハ園芸培土と砂質壌土をそれぞれ50%混和したものを用いた。この床土を口径60mm×高さ57mmの黒色ビニルポット(容積100ml)に充てんし、ポット当たり2粒の種子を2007年3月12日に播種した。発芽後に間引いて1本立ちの苗に仕立てた。播種より11日後(3月23日)に、総ポット数の半数のポットのトマト幼植物にトマトモザイクウイルスの弱毒株を接種した。播種より18日後(3月30日)に口径90mm×高さ80mmの黒色ビニルポット(容積300ml)に前記の育苗床土を用いて改埴した。播種、育苗、供試微生物の接種、接種後のトマトの育苗管理のすべては、実施例1と同様に、茨城県つくば市観音台3丁目1番1号に所在する中央農業総合研究センターのガラス室において実施した。苗は、25℃で管理し、5月8日(播種より57日後)の定植日まで育苗した。
【0084】
栽培試験は、茨城県つくば市観音台3丁目1番1号に所在する中央農業総合研究センターのC4特殊圃場に設置されたビニルハウス(間口7.2m、奥行25.0m、高さ3.0m)において実施した。ここに0.5m幅の通路を隔てた幅1.0m、長さ20.0mの畝を4本設けた。各畝に高さ25cmのポリエチレン製の畦波板を2.5mごとに埋設し、併せて32区のマイクロプロットを設けた。1試験プロットの面積は2.5m2であった。これらから12プロットをランダムに選定し、相互に隔たった試験プロット3枚を反復する試験区を設計した。
【0085】
試験に供したプロットは、2007年4月20日に鍬で耕起した後、14化性肥料(NPK:14-14-14)、苦土石灰および熔成燐肥をプロットごとにそれぞれ250g(100kg/10a相当)、250g(100kg/10a相当)および50g(20kg/10a相当)散布して施肥し、鍬で丁寧に混和した。
【0086】
第1回採土は、耕起直後(4月20日)に一度に表層から深さ20cmまでの土壌100mlを採収できるオーガーを用い、1プロット当たり4点の土壌コア(サブサンプル)の採取(以下、採土と呼ぶ)を行った。採取した4点のサブサンプルを12号のポリエチレン袋に収納し、収納直後に混和して1サンプルとした。
【0087】
4月23日に、手押し式灌注器(共立)を用いて慣行防除に割り当てた試験プロットにD-Dくん蒸剤を深さ15cmに30cm間隔で2ml(20L/10a相当量)灌注処理し、黒色ビニール製マルチシートで被覆した。灌注より8日後の5月1日に、鍬を用いて耕起し、土壌中に残存するくん蒸剤成分を除去するガス抜き作業を実施した。
【0088】
第2回採土および第3回(最終)採土は5月7日および7月31日に前記第1回採土と同様に実施した。
【0089】
トマトの定植は、2007年5月8日に畝を被覆した黒ポリマルチの上から、マルチ穴開け機を用いてつくった直径9cm、深さ9cmの穴に苗を育苗した土壌ごと挿し込み、土寄せすることによって行った。試験プロットの北半分には4本の苗を、条間に50cm、株間に60cmをとって2条植えした。なお、プロットの南側半分には実施例5に記述するピーマンを定植した。定植後に180cmの支柱を立てた。
【0090】
定植後、2007年7月31日まで84日間栽培した。潅水は、畝を覆う黒ポリマルチの下中央に設置した潅水チューブ(スミサンスイM30)によって週に1、2回の頻度で行った。ハウス内気温は、側窓の開閉、大型換気扇による強制換気によって、35℃以下に保った。この間、芽かき、支柱への誘引、病害虫防除を適宜実施した。
【0091】
第一花房は定植時の5月8日頃より分化し、5月21日までに概ね開花した。第2花房、第3花房、第4花房および第5花房の開花期(概ね3花開花)は、それぞれ6月1日前後、6月11日、6月25日前後、7月3日前後であった。3花開花した頃に花成ホルモン(トマトトーン)を霧吹きによって処理した。摘果による果実数の調整は行わなかった。試験終了時の7月31日までに、第4花房の果実はすべて熟したが、第5花房の果実は成熟に至らなかった。
【0092】
(3)接種源の調製と接種方法
(i)ウイルス弱毒系統の調製と接種
接種源のトバモウイルス属のトマトモザイクウイルス弱毒系統株は、実施例2と同様のL11A株を用いた。接種源は、実施例2と同様に調整し、実施例2と同様の方法を用いて、播種より11日後(3月23日)のトマト幼植物に接種した。
【0093】
(ii)非病原性フザリウム菌の調製と接種
接種源の非病原性フザリウム菌は、実施例1、2、3と同様にF13株を用いた。圃場に処理する接種源は以下のように調整した。すなわち、フスマ2L、圃場の黒ボク土壌0.8L、バーミキュライト0.8L、水道水0.8Lを混和し、実施例1に前記のきのこ培養用プラスチックパック(信濃パック)の2つの袋に2Lずつ入れた。各パックには、それらの上端の開放口に加熱密封機(シーラー)よる密閉を施した後に、オートクレーブ121℃1時間による滅菌を施した。滅菌終了後、直ちに培地のパックをクリンベンチに移して放冷した。続いて、滅菌済の10ml注射針を用いて、フザリウムの菌液を10ml注入した。注射針が開けたパックの細孔はビニルテープを貼ることによって塞いだ。フザリウムの菌液は、PS液体培地で培養したものを用いることが望ましいが、本実施例では、直径6mmのプラスチックシャーレに分注した1%PDA培地で約2週間培養した培養物を培地とともに5mm片に細断し、滅菌済み100ml三角フラスコに滅菌水30mlと共に入れ、震盪機を用いて約1時間浸透したものの上澄みを用いた。菌を接種したパックは、恒温器に入れ、25℃で2週間培養した。培養終了後、2つのパック内の培養物の菌密度をMP培地で検定し、2.47×10cfu/g乾燥培養物、1.74×10cfu/g乾燥培養物を算出した。トマトの株の移植穴周辺に沿って採土用オーガーで7cmの深さに穴を3か所うがち、穴当たり5g(計15g)の培養物を入れることにより、1.2×1010cfu/株を接種した。
【0094】
(4)試験区
(i)慣行区
センチュウ専用防除剤であるD-Dくん蒸剤を10a当たり20L処理したもの。
(ii)F13区
ウイルス無処理苗を定植し、非病原性フザリウム菌F13を定植の2日後に株元に混和したもの。
(iii)弱V区
ウイルスの弱毒株を接種した苗を定植したもの。
(iv)弱V・F13区
ウイルスの弱毒株を接種した苗を定植し、定植の2日後にこの株元に非病原性フザリウム菌F13を接種したもの。
【0095】
試験圃場は、2006年にヨウ化メチルを処理し、トマトを栽培した跡地であった。したがって、有害、有益の土壌微生物密度が低い土壌であったと考えられた。
【0096】
(5)評価方法
実施例の試験区に苗を定植して84日後(2007年7月31日)に、各試験区のトマトの茎葉を刈取り、株の中心から半径20cmの位置に深くシャベルを入れ、直径40cm、深さ25cmの根系を土壌とともに掘り上げた。その場で根から土壌を払い落とし、目視観察により、根こぶ被害度を判定した。また、オーガーを用いて株元から20cm外側の位置の土壌を4点採取し、ポリエチレン袋に収納した。
【0097】
(i)0-10段階根こぶ階級値
Zeck(Zeck,W.M.(1971):Pflanzenschutz-Nachichten. Bayer AG, 24, 141-144.)の方法に従い、以下の階級値によって根こぶ着生程度を評価した。
0:根こぶが全く認められない。
1:注意深い観察によって、数個の小さな根こぶを認めることができる。
2:1と同様の数個の小さな根こぶがが容易に確認できる。
3:多くの小さな根こぶがあり、そのいくつかは融合している。根の機能はほとんど損なわれていない。
4:多数の小さな根こぶがあり、大きな根こぶもいくつかある。根の多くは機能している。
5:根の25%に著しく根こぶが着生し、機能していない。
6:根の50%に著しく根こぶが着生し、機能していない。
7:根の75%に著しく根こぶが着生し、根の再生能力も失われている。
8:健全な根は皆無であり、植物の養分吸収は阻害されている。茎葉部はまだ青い。
9:完全に根こぶに被われた根系が腐敗しつつある。植物は枯死しつつある。
10:植物も根も枯死。
【0098】
(ii)土壌20g当たりのセンチュウ第2期幼虫数
実施例1と同様の方法によって、計数した。
【0099】
(iii)収量調査
毎週2回成熟した果実を試験プロットごとに区別して収穫し、果実1個ごとに重量を計量し、第4花房までの総個数を計上した。また、栽培終了後、栽培期間を通じた総個数、総重量、規格別個数を計上した。
【0100】
(iv)規格基準
LLL:275g以上
LL:250~274g
L:200~249g
M:150~199g
S:125~149g
SS:100~124g
SSS:88~99g
【0101】
(6)結果
各試験区における幼虫密度、根こぶ階級値、株当り総果実重、および果実規格構成率の算出結果を図9、図10、図11および図12にそれぞれ示す。また、これらに果実数の算出結果を加えたものを表4に示す。
【0102】
【表4】
JP0005168687B2_000005t.gif

【0103】
図9は、上記試験区ごとの試験終了時のセンチュウ第2期幼虫の土壌中密度(土20g当たり)を示すものであるが、弱V区において密度が著しく高く、ポット試験による実施例2の結果と一致しており、センチュウの増殖を抑制できなかったことが示唆された。本試験では無防除対照区を設けなかったため、弱毒植物ウイルス単独のセンチュウ防除効果の程度は判定できなかった。一方、F13区および弱V・F13における密度は低く、F13処理がセンチュウの増殖を抑制したことが示された。
【0104】
図10は、上記試験区ごとの根の被害程度(根こぶ階級値)を表す図であるが、弱V区において被害程度が高く、トマトモザイクウイルス弱毒株L11Aの単独感染はネコブセンチュウの根への定着を抑制していないことが示された。一方、F13区の被害度は弱V区より低く、弱V・F13における被害度はさらに低くなった。このことから、トバモウイルスの弱毒株が非病原性フザリウム菌のもつセンチュウ定着阻害機能をさらに高めたことが示された。
【0105】
図11は、試験区ごとの果実総重量(収量)を表す図であるが、F13区と弱V区において収量が低いのに対し、弱V・F13区では慣行防除と同等の収量が確保されており、トバモウイルスの弱毒株が非病原性フザリウム菌のもつセンチュウ定着阻害機能をさらに高めた結果、健全な根が維持され、それが慣行防除(D-D剤)と同等の果実総重量をもたらしたと考えられた。
【0106】
また、試験区ごとの果実総個数は、慣行防除区において67、F13区において55、弱毒V区において56個、弱V・F13区において72個であり、前記図11の総果実重と同様の傾向を示した。このことから、センチュウ加害の負の影響は着果歩留りまたは着花数の減少であることが示された。
【0107】
図12は、試験区ごとの果実規格構成率を表す図である。規格のSSS,SSおよびSを小玉として、規格のMとLを中玉として、規格のLLとLLLを大玉として分類した。すべての試験区に共通して、小玉個数が25%前後、中玉個数は60%弱、大玉個数は20%弱であって、区間の規格構成率には相違がなかった。このことからも、弱V・F13区のセンチュウ防除効果は果実の肥大増進によるものでなく、着花数の増加または結実歩留り向上の効果であると考えることができる。
【実施例5】
【0108】
〔ピーマンにおけるウイルス弱毒株と非病原性フザリウム菌の重複感染のセンチュウ害抑制効果(圃場試験)〕
ピーマンに接種したトバモウイルス属ウイルスの弱毒株とセンチュウの感染に相対して2日遅く感染するタイミングで非病原性フザリウム菌を接種することによるセンチュウ防除効果を、無加温ビニルハウス栽培において調べた。
(1)実験に用いたセンチュウと微生物の株
(i)センチュウ
実施例4と同様のサツマイモネコブセンチュウ:メロイドギネ・インコグニータ(Meloidogyne incognita)の‘抵抗性打破系統’を用いた。
(ii)非病原性の微生物
実施例1と同様に、フザリウム・オキシスポラムF13を用いた。
(iii)トバモウイルス属の弱毒株
実施例3と同様に、トウガラシマイルドモットルウイルスの弱毒系統ウイルスNo.16株を用いた。
【0109】
(2)育苗と栽培
ピーマンの品種は、みおぎ(日本園芸生産研究所育成1998年)を用いた。本品種は青枯病、トウガラシマイルドモットルウイルス(P1.2)に抵抗性の中型品種である。育苗床土は、クレハ園芸培土と砂質壌土をそれぞれ50%混和したものを用いた。この床土を口径60mm×高さ57mmの黒色ビニルポット(容積100ml)に充てんし、ポット当たり2粒の種子を2007年3月12日に播種した。発芽後に間引いて1本立ちの苗に仕立てた。播種より15日後(3月27日)に、総ポットの半数のピーマン幼植物にトウガラシマイルドモットルウイルスの弱毒株を接種した。播種より25日後(4月6日)に口径90mm×高さ80mmの黒色ビニルポット(容積300ml)に前記の育苗床土を用いて改埴した。播種、育苗、供試微生物の接種、接種後のトマトの育苗管理のすべては、実施例1と同様に、茨城県つくば市観音台に所在する中央農業総合研究センターのガラス室において実施した。苗は、5月8日(播種より57日後)の定植日まで毎日灌水しながら、25℃で管理した。
【0110】
栽培試験場所は、実施例4と同一であり、試験プロットも実施例4と同一であった。施肥、土壌サンプルの採取法と採取時期、慣行防除区の消毒薬剤、消毒時期のすべては実施例4と共通であった。
【0111】
ピーマンの定植は、実施例4で設定したトマトの試験プロットの南側半分の面積に、実施例4のトマトと同様の条間50cm、株間60cmの間隔で2条植えした。栽培、灌水、温度に関する管理は実施例4のトマトと同様に実施した。
【0112】
(3)接種源の調製と接種方法
(i)ウイルス弱毒系統の調製と接種
接種源のトバモウイルス属のトウガラシマイルドモットルウイルス弱毒系統株は、実施例3と同様のNo.16株を用いた。接種源は、実施例3と同様に調整し、実施例3と同様の方法を用いて、播種より15日後(3月27日)のピーマン幼植物に接種した。
(ii)非病原性フザリウム菌の調製と接種
接種源の非病原性フザリウム菌は、実施例1、2、3および4と同一のF13株を用いた。圃場に処理する接種源の調整は実施例4に記載した方法と同様に行った。接種は実施例4に記載された方法と同様に行った。
【0113】
(4)試験区
(i)慣行区
センチュウ防除用くん蒸剤であるD-Dくん蒸剤を10a当たり20L処理したもの。
(ii)弱毒V区
ウイルスの弱毒株を接種した苗を定植したもの。
(iii)F13区
ウイルス弱毒株を処理しない苗を定植し、非病原性フザリウム菌F13を定植の2日後に株元に混和したもの。
(iv)弱V・F13区
ウイルスの弱毒株を接種した苗を定植し、定植の2日後にこの株元に非病原性フザリウム菌F13を接種したもの。
【0114】
(5)評価方法
実施例の試験区に苗を定植して84日後(2007年7月31日)に、各試験区のピーマンの茎葉を刈取り、株の中心から半径20cmの位置に深くシャベルを入れ、直径40cm、深さ25cmの根系を土壌とともに掘り上げた。その場で根から土壌を払い落とし、目視観察により、根こぶ被害度を判定した。また、実施例4と同様にオーガーを用いて株本から20cm外側の位置の土壌を採取し、ポリエチレン袋に収納した。
(i)0-10段階根こぶ階級値
実施例4に記載した方法により評価した。
(ii)土壌20g当たりのセンチュウ第2期幼虫数
実施例1と同様の方法によって計数した。
(iii)収量調査
成熟した果実を毎週2回試験プロットごとに区別して収穫し、果実1個ごとに計量し、総個数を計上した。7月12日から7月30日までの18日間の収穫を集計して総果実個数、総重量を計上した。
【0115】
(6)結果
各試験区における幼虫密度、根こぶ階級値および株当り総果実重の算出結果を、図13、図14および図15にそれぞれ示す。また、これらに果実数の算出結果を加えたものを表5に示す。
【0116】
【表5】
JP0005168687B2_000006t.gif

【0117】
図13は、上記試験区ごとの試験終了時のセンチュウ第2期幼虫の土壌中密度(土20g当たり)を示すものであるが、トマトを用いた実施例4の結果と同様に、弱毒V区において密度が最も高かった。本試験では無防除対照区を設けなかったため、弱毒植物ウイルス単独のセンチュウ防除効果の程度は不明である。F13区における密度は弱V区より低く、F13処理がセンチュウの増殖を抑制したことが示された。弱V・F13区の密度は弱毒V区より低い傾向があるものの、両区間に有意な差はなかった。生物資材微生物感染処理3区(F13区、弱毒区、弱毒V・F13区)でのすべてでセンチュウ害が抑制されており、これら3区の幼虫密度には大差がないと見なすことができる。
【0118】
図14は、上記試験区ごとの根の被害度(根こぶ階級値)を表す図であるが、微生物を用いた3区(F13区、弱毒区、弱毒V・F13区)を通じて、注意して探さなければならないほどの極めてわずかな根こぶの着生量であった。幼虫密度と同様に、微生物が感染した3区のすべてで根こぶが大きく抑制されており、これら3区の根こぶ発生量には差がないと考えられた。このような低い被害度においても、弱V・F13における根こぶ階級値は、弱V区およびF13区より低い傾向が認められ、トバモウイルスの弱毒株と非病原性フザリウム菌のセンチュウ定着阻害に及ぼす共力作用が示された。
【0119】
図15は、試験区ごとの果実総重量(収量)を表す図であるが、F13区と弱V区において収量が低いのに対し、弱V・F13区ではやや収量が回復する傾向があり、トバモウイルスの弱毒株と非病原性フザリウム菌の重複感染によるセンチュウ防除共力作用が示された。
【0120】
また、試験区ごとの果実総個数の平均値は、慣行防除区において111、F13区において81、弱毒V区において96個、弱毒V・F13区において96個であり、F13単独感染でもっとも着果数が少なかったが、さらに弱Vが重複感染すると回復することが示された。
【0121】
以上、本発明の実施例は、系統発生上隔たった2種の感染力を有する微生物(非病原性糸状菌(フザリウム菌)と弱毒植物ウイルス)が第3者の感染者たるネコブセンチュウの増殖を抑制し、センチュウ害の表象たる根こぶの形成を阻害する現象の存在を明示するとともに、農業生産者が作物を栽培する農業生産の場に積極的意思を持ってこの現象を発現させる方策を講じるならば、作物のネコブセンチュウ害の大幅な軽減に実効ある応用技術が成立する可能性を示す。この可能性は上記実施例4および5によって実証された。すなわち、ビニルハウス圃場に栽培する2種ナス科作物(トマトとピーマン)に非病原性フザリウム菌と弱毒植物ウイルスを実施例3において明示された感染条件に準じて施し、営利的農業で行われる栽培期間に準じた長期栽培条件において、ネコブセンチュウの被害の直接的表象たる根こぶの被害度(根こぶ指数)、ネコブセンチュウ被害の経済的表象たる果実収量(具体的には果実重量)、土壌中のセンチュウ幼虫密度を、感染条件が満たされない試験区と比較し、非病原性フザリウム菌と弱毒植物ウイルスの共力作用によるネコブセンチュウの生物的防除の実効性を明示した。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、ネコブセンチュウが寄生し、固有のウイルス病やフザリウム病を持つ植物に広く適用可能である。本発明により、非病原性糸状菌および弱毒植物ウイルスの需要が創出され、市場化に道が拓けて、これらの製造・流通に係る経済活動が大きく展開すると期待される。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】トマトポット栽培におけるF13感染タイミングのネコブセンチュウに対する防除効果を全根系の根こぶの数により示す。
【図2】トマトポット栽培におけるF13感染タイミングのネコブセンチュウに対する防除効果を全根系の卵嚢数により示す。
【図3】トマトポット栽培におけるF13感染タイミングのネコブセンチュウに対する防除効果を第2期幼虫の土壌中密度により示す。
【図4】トマトポット栽培におけるトマトモザイクウイルス弱毒株L11AとF13の単独ならびに重複接種のネコブセンチュウに対する防除効果を全根系の根こぶの数により示す。
【図5】トマトポット栽培におけるトマトモザイクウイルス弱毒株L11AとF13の単独ならびに重複接種のネコブセンチュウに対する防除効果を全根系の卵嚢数により示す。
【図6】ピーマンポット栽培におけるトウガラシマイルドモットルウイルス弱毒株No.16とF13の単独ならびに重複接種のネコブセンチュウに対する防除効果を全根系の根こぶの数により示す。
【図7】ピーマンポット栽培におけるトウガラシマイルドモットルウイルス弱毒株No.16とF13の単独ならびに重複接種のネコブセンチュウに対する防除効果を全根系の卵嚢数により示す。
【図8】ピーマンポット栽培におけるトウガラシマイルドモットルウイルス弱毒株No.16とF13の単独ならびに重複接種のネコブセンチュウに対する防除効果を草丈により示す。
【図9】トマトビニルハウス栽培におけるトマトモザイクウイルス弱毒株L11AとF13の重複接種のネコブセンチュウに対する防除効果を第2期幼虫の土壌中密度により示す。
【図10】トマトビニルハウス栽培におけるトマトモザイクウイルス弱毒株L11AとF13の重複接種のネコブセンチュウに対する防除効果を0-10段階根こぶ階級値により示す。
【図11】トマトビニルハウス栽培におけるトマトモザイクウイルス弱毒株L11AとF13の重複接種のネコブセンチュウに対する防除効果を総果実重により示す。
【図12】トマトビニルハウス栽培におけるトマトモザイクウイルス弱毒株L11AとF13の重複接種のネコブセンチュウに対する防除効果を果実サイズ規格の分布頻度により示す。
【図13】ピーマンビニルハウス栽培におけるトウガラシマイルドモットルウイルス弱毒株No.16とF13の重複接種のネコブセンチュウに対する防除効果を第2期幼虫の土壌中密度により示す。
【図14】ピーマンビニルハウス栽培におけるトウガラシマイルドモットルウイルス弱毒株No.16とF13の重複接種のネコブセンチュウに対する防除効果を0-10段階根こぶ階級値により示す。
【図15】ピーマンビニルハウス栽培におけるトウガラシマイルドモットルウイルス弱毒株No.16とF13の重複接種のネコブセンチュウに対する防除効果を総果実重により示す。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
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【図14】
13
【図15】
14