TOP > 国内特許検索 > 可撓材料の露光装置および可撓材料の露光方法 > 明細書

明細書 :可撓材料の露光装置および可撓材料の露光方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5105547号 (P5105547)
公開番号 特開2010-049222 (P2010-049222A)
登録日 平成24年10月12日(2012.10.12)
発行日 平成24年12月26日(2012.12.26)
公開日 平成22年3月4日(2010.3.4)
発明の名称または考案の名称 可撓材料の露光装置および可撓材料の露光方法
国際特許分類 G03F   7/24        (2006.01)
FI G03F 7/24 Z
請求項の数または発明の数 8
全頁数 24
出願番号 特願2008-238636 (P2008-238636)
出願日 平成20年8月21日(2008.8.21)
審査請求日 平成23年8月22日(2011.8.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】800000068
【氏名又は名称】学校法人東京電機大学
発明者または考案者 【氏名】堀内 敏行
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
審査官 【審査官】松岡 智也
参考文献・文献 特開2005-326796(JP,A)
特開2005-331893(JP,A)
特開2005-292214(JP,A)
特開2000-38667(JP,A)
調査した分野 G03F 7/24
特許請求の範囲 【請求項1】
感光性材料を付した軸方向に長い可撓性の被露光材料を吸引保持して該被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正する吸着ブロックと、前記被露光材料に軸回りの回転運動をさせるための回転ステージおよび/または該被露光材料に軸方向の移動運動をさせる移動ステージと、該被露光材料に付した前記感光性材料を露光するための光源を含む露光光学系を設け、前記吸着ブロック上で前記被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正した部分を連続的または間欠的に露光するようになしたことを特徴とする可撓材料の露光装置
【請求項2】
請求項1に示した可撓材料の露光装置において、少なくとも被露光材料に軸方向の移動運動をさせる移動ステージを設け、前記吸着ブロック上で前記被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正した部分を連続的または間欠的に露光しつつ該被露光材料を軸方向に移動させ、該吸着ブロック上の該被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正できる吸引保持区間長よりも長い範囲にわたり該被露光材料を露光できるようにしたことを特徴とする可撓材料の露光装置
【請求項3】
請求項1および2に示した可撓材料の露光装置において、前記光源を含む露光光学系がレーザを光源とし、被露光材料をレーザビームに対して相対的に走査する露光光学系であることを特徴とする可撓材料の露光装置
【請求項4】
請求項1および2に示した可撓材料の露光装置において、前記光源を含む露光光学系がレチクル上のパターンを被露光材料上に投影して投影露光する露光光学系であることを特徴とする可撓材料の露光装置
【請求項5】
請求項1乃至4に示した可撓材料の露光装置において、被露光材料の軸を鉛直方向に向けたことを特徴とする可撓材料の露光装置
【請求項6】
感光性材料を付した軸方向に長い可撓性の被露光材料を吸着ブロックに吸引保持して該被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正した状態で該被露光材料に付した前記感光性材料を露光する露光工程と、該被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正した状態で前記被露光材料に軸回りの回転運動および/または軸方向の移動運動をさせる運動工程を有することを特徴とする可撓材料の露光方法
【請求項7】
請求項6に示した可撓材料の露光方法において、露光工程と運動工程の一部または全部を同時に行い、被露光材料の運動中に一部または全部の露光を行なうようにすることを特徴とする可撓材料の露光方法
【請求項8】
感光性材料を付した外形が円形の断面を有し軸方向に長い可撓性の被露光材料を吸着ブロックに吸引保持して該被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正した状態で、前記被露光材料を螺線運動させ、該被露光材料に付した前記感光性材料を螺線状に露光することを特徴とする可撓材料の露光方法
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、微小な直径を有して曲がり易い線材や、弾性係数(ヤング率)が低くて曲がり易い棒材などの可撓材料の表面にレジストなどの感光性材料を付し、該感光性材料を所定の形状に露光するために用いる露光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
軸状の材料の表面や内面にレジストなどの感光性材料を付し、リソグラフィにより該感光性材料のパターンを作ると、前記感光性材料のパターンをマスキング材料として前記軸状の材料をエッチングすることにより、空気軸受の溝、軸流ポンプの主軸などの螺線構造体、スプライン軸やタービンなど、微細形状を有する各種の部品を製作することができる。
【0003】
たとえば、特許文献1、特許文献2には、円柱試料の表面にレジストを塗布してリソグラフィを行いラインアンドスペースなどのパターンを精度良く形成するための、投影露光装置および投影露光方法が開示されている。
【0004】
また、非特許文献1には、銅円柱試料の表面にレジストを塗布し、レチクルを使用して該レチクルを走査しつつ円柱試料を同期回転させ、スリット状の露光領域で円柱試料の全周を走査投影露光することによりパターンを作成した例と、形成した螺線レジストパターンをマスキング材料として前記銅円柱試料をエッチングすることにより、軸流ポンプの主軸を製作した例が開示されている。
【0005】
さらに、非特許文献2には、直径500μm程度の銅円柱試料の表面にレジストを塗布してレーザ走査露光を用いたリソグラフィを行い、形成した螺線レジストパターンをマスキング材料として前記銅円柱試料をエッチングすることにより、ドリル形状を製作した例が開示されている。
【0006】
一方、非特許文献3には、金属製のマイクロパイプにレジストを塗布してレーザ走査露光を用いたリソグラフィを施し、螺線レジストパターンを形成してそれをマスキング材に該金属製のマイクロパイプをエッチングすることによりマイクロコイルを製作した例が開示されている。
【0007】
また、軸状の材料にリソグラフィにより感光性材料のパターンを作った後、エッチングを行なうのではなく、レジストが除去されたスペース部分にめっき、スパッタ、蒸着などを行なう加工工程も有用である。
【0008】
たとえば、円柱試料の表面にレジストを塗布してリソグラフィを行い、ラインアンドスペースを精度良く形成してレジストが除去されたスペース部分にめっきを施せば、エンコーダの反射マークを形成できる。
【0009】
さらに、特許文献3、非特許文献4、非特許文献5には、円筒状の材料の内面にレジストを塗布して露光ロッドを挿入したり、レーザ走査露光を用いたりして任意のパターンを形成する内面露光装置および内面露光方法開示されている。
【0010】
筒状の材料の内面にレジストを塗布してパターンを形成できれば、該パターンをマスキング材としてエッチングを行うことにより、小径の軸受ボスの潤滑溝や空気軸受溝、小径ボールナット、ボールスプラインナットなどを製作することができる。
【0011】
以上に示したように、軸状の材料にリソグラフィにより感光性材料のパターンを作れれば、該パターンをエッチングやめっき、スパッタ、蒸着などのマスキング材として利用することにより様々な高精度部品を製作することが可能となる。
【0012】
しかし、それには、まず、軸状の材料に付した感光性材料を所望のパターン形状に露光することが必要である。
【0013】
軸状の材料の外表面に付した感光性材料を所望のパターン形状に露光する装置や方法としては、まず、先に示した特許文献1、特許文献2、非特許文献1に開示されるように、投影露光を行なう方法がある。
【0014】
また、非特許文献2および非特許文献3に開示されるように、レーザ光を走査して露光を行なう方法がある。
【0015】
一方、円筒状の材料の内面に付した感光性材料を所望のパターン形状に露光する装置や方法としては、反射ロッドを該円筒状の材料の筒内に設置し、該反射ロッドを介してレーザ光を走査して露光を行なう、特許文献3、非特許文献5に開示される方法がある。
【0016】
また、特許文献3、非特許文献4に開示されるように、露光ロッドを該円筒状の材料の筒内に挿入して走査露光を行なう方法もある。
【0017】
しかし、これらの従来の方法においては、被露光材料の支持方法が開示されていないことが多く、開示されている場合には、たとえば、特許文献1の図1、図2、特許文献2の図2に開示されているように、表面に感光性材料を付した円柱状や円筒状の被露光材料を露光装置に片持支持する形で保持している。
【0018】
図8は、感光性材料を付した円柱状や円筒状の被露光材料を片持支持する従来の代表的な被露光材料の支持形態を示したものである。
【0019】
図7(a)は、被露光材料81に感光性材料82を付し、片側を三つ爪チャック、四つ爪チャック、ピンバイスなどのチャック83でくわえて露光装置の一部84に保持する方式を示し、図7(b)は、感光性材料85を付した円筒状の被露光材料86の穴を、露光装置の一部87に設けた円柱状突起88に差し込んで保持する方式を示している。
【0020】
図7(b)の方式で被露光材料86を固定するには、たとえば、前記円柱状突起88の先端にねじ部89を設け、差し込んだ被露光材料86をナット90で固定するなどする方法をとる。

【特許文献1】特願2004-171896
【特許文献2】特願2004-174807
【特許文献3】特願2006-34413
【非特許文献1】林直樹、堀内敏行:2007年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集、805-806頁
【非特許文献2】上嶋悠生、小久保正、堀内敏行:2002年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集、564頁
【非特許文献3】金子能久、堀内敏行:第65回応用物理学会学術講演会講演予稿集(2004秋)、618頁
【非特許文献4】片山雅博、渡部雄介、藤田克行、安田喬、堀内敏行:第67回応用物理学会学術講演会講演予稿集(2006秋)、618頁
【非特許文献5】齋藤健太、淺川貴男、加藤政彦、堀内敏行:第55回応用物理学関係連合講演会講演予稿集(2008春)、721頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかし、図8に示したように被露光材料を露光装置に片持支持する形で保持すると、自重により被露光材料81が撓んでしまい、被露光材料が細かったり、被露光材料の弾性係数(ヤング率)が低かったりすると撓みが顕著となる。
【0022】
被露光材料81が撓むと、被露光材料の保持端と自由端とで露光光線に対する相対的な位置や方向が変わる。
【0023】
そのため、露光光線の当たり方が変化し、該被露光材料81に付した感光性材料82への露光量に相違が生ずる。
【0024】
投影露光の場合には原図基板となるレチクルパターンの像が鮮明にできる結像位置に被露光材料を置かなければ所望のパターンが得られず、少しでもずれるとずれに応じて露光・現像後得られるパターンの形状や寸法が変化する。
【0025】
そのため、被露光材料81の撓みが少なくとも露光装置の焦点深度を越えないようにする必要がある。
【0026】
一方、レーザ走査露光の場合にも、レーザ光でも距離が長くなると広がるため、一般的には走査するレーザスポットの大きさを小さく絞ることが必要となる。
【0027】
そのため、たとえば、先に示した非特許文献2、3においても写真引き伸ばし機用レンズや顕微鏡の対物レンズを用いてレーザスポットの大きさを小さく絞っている。
【0028】
非特許文献2、3に開示されているように、レーザ光をピンホールで整形して、該ピンホールの像が被露光材料1の上にできるようにレーザスポットを絞れば、ピンホール射出光を効率よく所望の大きさのレーザスポットに絞ることができる。
【0029】
このように、レーザ走査露光の場合にも、一般的にレーザスポットの大きさを小さく絞る光学系を入れるため、投影露光と同様に、レーザ光に対する被露光材料の光軸方向の位置がずれると、ずれに応じて露光・現像後得られるパターンの線幅が変化する。
【0030】
また、被露光材料が円柱状や円筒状の場合には、たとえ頂面付近の狭い場所に限定して露光するにしても、断面内で曲率に応じた曲がりがあるため、片持支持による撓みがない場合でも、露光領域内で露光光線に対する相対的な位置ばらつきが出易い。
【0031】
したがって、片持支持による撓みが生じて被露光材料が撓むと、露光領域内の露光光線に対する相対的な位置の変化は断面内の曲率に応じた曲がりによる位置の変化と重畳して非常に大きくなり、パターンが所望の寸法精度で得られる焦点範囲が非常に狭くなる。
【0032】
また、撓みが大きいと、所期の露光領域に対して該領域内の場所による露光光線に対する相対的な位置の違いが大きくなり過ぎ、位置がずれた場所では所望の寸法精度を有するパターンが得られなくなる。
【0033】
片持支持の被露光材料1の自重による撓みδは、該被露光材料の単位長さ当たりの重量をw、チャックからのはみ出し量をL、ヤング率をE、断面係数をIとするとき、たとえば非特許文献6に開示されているように、δ=wL/8EIと表される。
【0034】
前記の撓みの式において、被露光材料の自重が被露光材料の直径Dの2乗に比例する一方、被露光材料の撓みは断面係数1=πD/64に反比例することから、被露光材料の直径Dの4乗に反比例し、被露光材料の直径Dを小さくすると、チャックからのはみ出し量Lが同じでも撓みが著しく大きくなる。
【0035】
また、直径Dの小さい被露光材料は、元々真直ぐなものが得がたく、リールに巻いてあったときの巻き癖が残っていたり、切断時にわずかに曲がったりする。
【0036】
さらに、被露光材料の撓みは被露光材料のヤング率Eに反比例するため、ヤング率Eが小さい材料では撓みが大きくなる。
【0037】
高分子材料などの可撓性材料の被露光材料においては、直径Dがかなり大きくても、たとえば、mmのオーダーであっても、チャックからのはみ出し量Lによっては非常に大きく撓む。
【0038】
そのため、これらの、直径Dの小さい被露光材料やヤング率Eが小さい材料などの可撓性の被露光材料に対しては、片持支持した従来の露光装置では、所期の露光領域に対し、所望の寸法精度を有するパターンが得られなくなるという問題があった。
【0039】
また、撓みが顕著に大きいと、露光光線が広がったり反れたりして、パターンができなくなることもあった。
<nplcit num="6"> <text>鵜戸口英善、川田雄一、倉西正嗣共著:材料力学上巻、裳華房、昭和32年発刊、昭和42年第12版、218頁</text></nplcit>
【課題を解決するための手段】
【0040】
請求項1に示す本発明の可撓材料の露光装置は、感光性材料を付した軸方向に長い可撓性の被露光材料を吸引保持して該被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正する吸着ブロックと、前記被露光材料に軸回りの回転運動をさせるための回転ステージおよび/または該被露光材料に軸方向の移動運動をさせる移動ステージと、該被露光材料に付した前記感光性材料を露光するための光源を含む露光光学系を設け、前記吸着ブロック上で前記被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正した部分を連続的または間欠的に露光するようになしたことを特徴とする。
【0041】
また、請求項2に示す本発明の可撓材料の露光装置は、請求項1に示した可撓材料の露光装置において、少なくとも被露光材料に軸方向の移動運動をさせる移動ステージを設け、前記吸着ブロック上で前記被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正した部分を連続的または間欠的に露光しつつ該被露光材料を軸方向に移動させ、該吸着ブロック上の該被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正できる吸引保持区間長よりも長い範囲にわたり該被露光材料を露光できるようにしたことを特徴とする。
【0042】
さらに、請求項3に示す本発明の可撓材料の露光装置は、請求項1および2に示した可撓材料の露光装置において、前記光源を含む露光光学系がレーザを光源とし、被露光材料をレーザビームに対して相対的に走査する露光光学系であることを特徴とする。
【0043】
また、請求項4に示す本発明の可撓材料の露光装置は、請求項1および2に示した可撓材料の露光装置において、前記光源を含む露光光学系がレチクル上のパターンを被露光材料上に投影して投影露光する露光光学系であることを特徴とする
【0044】
そして、請求項5に示す本発明の可撓材料の露光装置は、請求項1乃至4に示した可撓材料の露光装置において、被露光材料の軸を鉛直方向に向けたことを特徴とする。
【0045】
一方、請求項6に示す本発明の可撓材料の露光方法は、感光性材料を付した軸方向に長い可撓性の被露光材料を吸着ブロックに吸引保持して該被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正した状態で該被露光材料に付した前記感光性材料を露光する露光工程と、該被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正した状態で前記被露光材料に軸回りの回転運動および/または軸方向の移動運動をさせる運動工程を有することを特徴とする。
【0046】
また、請求項7に示す本発明の可撓材料の露光方法は、請求項6に示した可撓材料の露光方法において、露光工程と運動工程の一部または全部を同時に行い、被露光材料の運動中に一部または全部の露光を行なうようにすることを特徴とする。
【0047】
さらに、請求項8に示す本発明の可撓材料の露光方法は、感光性材料を付した外形が円形の断面を有し軸方向に長い可撓性の被露光材料を吸着ブロックに吸引保持して該被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正した状態で、前記被露光材料を螺線運動させ、該被露光材料に付した前記感光性材料を螺線状に露光することを特徴とする。
【発明の効果】
【0048】
本発明の可撓材料の露光装置および可撓材料の露光方法によれば、表面や内面に感光性材料を付した、片持支持すると大きく撓む直径の小さい被露光材料や、弾性係数(ヤング率)の小さい可撓材料からなる被露光材料や、元々真直ぐでない被露光材料1の露光箇所およびその周辺を吸着ブロックの表面に倣わせ、該撓みを矯正して真直ぐに保持した状態で該被露光材料を露光することができる。
【0049】
そのため、該被露光材料の表面や内面に、所望の感光性材料のパターンを精度良く形成することができる。
【0050】
従来の露光装置では、片持支持して撓んだ被露光材料を露光することになるため、該被露光材料の外周または内周上の位置や片持支持端からの距離によって露光のされ方が変わり、現像後得られる感光性材料のパターン寸法が変化していたが、本発明の露光装置では、被露光材料の外周または内周上のすべての場所が露光光学系に対して同じ相対位置条件で露光されるため、たとえば、円柱状や円筒状の被露光材料の表面または内面を螺線状に露光すると、現像後得られる感光性材料のパターン寸法が円周上の角度位置や片持支持端からの距離によって変化せず、一定となる。
【0051】
したがって、現像後得られる感光性材料のパターンをマスキング材に該被露光材料をエッチングしてマイクロ部品を作るとき、該マイクロ部品も場所によって寸法がばらついたり、局部的に寸法誤差が大きくなったりするようなことがなくなる。
【0052】
また、現像後得られる感光性材料のパターンのスペース部に金属をめっきしたり、任意の材料をスパッタや蒸着しても、該めっき部やスパッタ部、蒸着部として得られる部分の寸法がばらついたり、局部的に寸法誤差が大きくなったりするようなことがなくなる。
【0053】
また、撓みを補正できるため、従来は露光が不可能であった、細い可撓性の被露光材料の表面や内面に、所望の感光性材料のパターンを形成できる。
【0054】
そのため、従来よりも微細な寸法のマイクロ部品、たとえば、マイクロねじ、マイクロスクリュー、マイクロナット、マイクロスプライン、マイクロスプリングなど、を製作したり、従来よりも微細な表面溝加工を施したりすることができるようになる。
【0055】
一方、撓みを補正できるため、従来は露光が不可能であった、弾性係数(ヤング率)が小さくて可撓性の被露光材料の表面や内面にも、所望の感光性材料のパターンを形成できる。
【0056】
このように、低剛性、可撓性のマイクロ部品を製作したり、低剛性、可撓性の被露光材料の表面や内面に、従来よりも微細な加工を施したりすることができるようになる。
【発明の実施するための最良の形態】
【0057】
図1は、本発明の可撓材料露光装置の説明図である。図(a)が正面図であり、図(b)および図(c)には、主要部をそれぞれ上面、右側面から見たところを示してある。被露光材料1の外径は拡大して大きめに描いてある。
【産業上の利用の可能性】
【0058】
また、X、Y、Zは、図中に示した通りの方向を示す。
【符号の説明】
【0059】
低剛性や、可撓性の被露光材料1は、感光性材料2を外表面の一部または全部に付して、チャック3に取り付ける。(a)では被露光材料1と感光性材料2を断面で示した。
【0060】
チャック3は、回転ステージ4にて保持し、矢印5で示す回転を可能としてある。
【0061】
また、回転ステージ4はXステージ6にて保持し、矢印7で示すように、基台8上で図の左右方向に移動できるようにしてある。
【0062】
被露光材料1に付した感光性材料2を露光するには、レーザビーム9を該感光性材料2に当て、該感光性材料2の任意の場所を露光するため、回転ステージ4および/またはXステージ6により、被露光材料1をレーザビーム9に対して矢印5および/または矢印7に示す方向に走査する。
【0063】
10aおよび10bはレーザビーム9のスポット11のサイズやレーザビーム9の進行方向の集光位置を調整するためのレンズである。
【0064】
レンズ10aおよび10bによりレーザ12から射出したレーザビーム9をピンホール13で整形し、該ピンホール13の開口の大きさに対して所定の倍率で該ピンホール13の像を形成するようになしてあり、レンズ10aおよび10b間は該ピンホール13から出た光が光軸に平行に進む光学系としている。
【0065】
レーザビーム9のスポットサイズおよび/または進行方向(Z方向)の集光位置の調整は任意の光学系で行なえばよく、たとえば、レンズ10bを用いずにレンズ10aのみにより集光してもよい。
【0066】
レンズ10aおよび10bがそれぞれ複数枚の組合せレンズであってもよく、レンズの代わりにミラー光学系を用いてもよい。
【0067】
なお、レーザ12は感光性材料2を感光させることができる波長を射出するレーザとし、たとえば、青色レーザ、紫色レーザ、紫外レーザなどとする。
【0068】
ここで、本発明の可撓材料の露光装置においては、吸着ブロック15により、感光性材料2を付した被露光材料1を保持し、被露光材料1に付した感光性材料2上の露光位置がレーザビーム9のスポット11に対して常に一定の位置となるようにする。
【0069】
吸着ブロック15には、感光性材料2を付した被露光材料1を真空ポンプ16により吸引するための吸引口を設け、チューブ17で吸着ブロック15と真空ポンプ16を接続して感光性材料2を付した被露光材料1を吸引する。
【0070】
なお、吸着ブロック15の位置をチャック3および/またはレーザビーム9のスポット11に対してX、Y、Zの一部または全部の方向に調整するための位置調整機構18を設ければなお良い。
【0071】
このように構成して、感光性材料2を付した被露光材料1を、吸着ブロック15に吸引保持しながら回転ステージ4および/またはXステージ6によって、矢印5および/または矢印7に示す方向に走査し、レーザビーム9のスポット11を、感光性材料2を付した被露光材料1上で相対的に走査すると、被露光材料1に付した感光性材料2を任意の形状に露光することができる。
【0072】
なお、感光性材料2を付した被露光材料1の吸着ブロック15への吸引は、吸引保持した状態で回転ステージ4および/またはXステージ6によって該被露光材料1が矢印5および/または矢印7に示す方向にスムーズに回転または移動できる強さで行う。
【0073】
図1に示したようにV字状の形状を有する吸着ブロック15を用いれば、感光性材料2を付した被露光材料1との接触が線接触となるため、回転ステージ4および/またはXステージ6によって該被露光材料1を矢印5および/または矢印7に示す方向に回転または移動させる際の摩擦力は小さい。
【0074】
そのため、吸引圧力や吸引流量を調整すれば、容易に感光性材料2を付した被露光材料1を吸着ブロック15に吸引保持した状態で、回転ステージ4および/またはXステージ6によって該被露光材料1を矢印5および/または矢印7に示す方向にスムーズに回転または移動させることができる。
【0075】
したがって、被露光材料1に付した感光性材料2には、レーザビーム9のスポット11が常時所期の大きさ、所期の集光状態で当たる。
【0076】
そのため、極細の被露光材料1や剛性が低く可撓性の被露光材料1に付した感光性材料2を、意図した通りに高精度で露光することができる。
【0077】
一方、吸着ブロック15の位置を位置調整機構18によって調整し、レーザビーム9のスポット11に対して被露光材料1を合わせるとき、被露光材料1はチャック3により回転ステージ4に固定保持されているので、被露光材料1が弾性変形できる以上に位置がずれた状態で吸着ブロック15の位置を位置調整機構18によって調整すると、被露光材料1が吸着できなくなってしまう。
【0078】
したがって、前記の回転ステージ4およびXステージ6をY方向に動かすYステージ19とZ方向に動かすZステージ20を設け、レーザビーム9のスポット11に対して吸着ブロック15と被露光材料1の位置の双方を合わせた方がよい。
【0079】
また、被露光材料1の所望の位置にレーザビーム9のスポット11が精確に照射されているかどうかを確認できるようにすることが必要である。
【0080】
そのため、レーザビーム9の被露光材料1や感光性材料2からの反射光をビームスプリッタ21によって取り出し、レンズ22によって被露光材料1に付した感光性材料2上のスポット11およびその周辺の像をテレビカメラ23の撮像面上に作り、レーザビーム9のスポット11をテレビモニタ24上に映して観察できるようにしてある。
【0081】
なお、感光性材料2上に照射されるレーザビーム9のスポット11およびその周辺の状況を観察するためレーザビーム9を感光性材料2に照射し続けると、該レーザビーム9によって感光性材料2が感光してしまう。
【0082】
したがって、レーザビーム9のスポット11およびその周辺の状況を観察は感光性材料2が感光しない短時間だけレーザビーム9を当てて行なうか、短時間だけレーザビーム9を当てて得たテレビカメラ23の画像をテレビモニタ24上に保持して行なうか、間欠的に短時間ずつレーザビーム9を当てて行なうかしなければならない。
【0083】
レーザビーム9のスポット11およびその周辺の状況の観察を連続的に行なうため、感光性材料2が感光しない波長の光を射出する観察用光線の光源25を設け、ビームスプリッタ26を介して観察光線27を露光用のレーザビーム9に重ね、レーザビーム9のスポット11およびその周辺を照明するようにすればなおよい。
【0084】
観察光線27の被露光材料1や感光性材料2からの反射光により、レーザビーム9のスポット11およびその周辺の状況をテレビカメラ23で撮影してテレビモニタ24上で観察するようにすれば、露光すべき箇所やその周辺を予め念入りに観察しておくことや、露光中に連続して観察することができる。
【0085】
その上でレーザビーム9を瞬間的に当ててテレビモニタ24上でスポット11の位置や大きさを確認すれば、テレビモニタ24上に映されたレーザビーム9のスポット11の大きさや明るさにより所望の大きさにレーザビーム9が集光されているか、や所望の位置にレーザビーム9が照射されているか、を確認することができるので、感光性材料2を感光させることなくスポット11を精確に所期の大きさにして、所期の位置に照射することができる。
【0086】
なお、レーザビーム9および観察光線27の供給、非供給を制御するシャッター28、29を設けておくと、操作上便利である。図ではシャッター28、29がレーザビーム9および観察光線27を遮らずに「開」となった状態を示している。
【0087】
従来は、吸着ブロック15により感光性材料2を付した被露光材料1を吸着保持することなくレーザビーム9を該被露光材料1上の感光性材料2に照射して露光していたため、回転ステージ4、Xステージ6により被露光材料1を動かすと、被露光材料1の元々の曲がり、偏芯、片持に起因する自重による撓みなどによりレーザビーム9のスポット11の大きさや位置が変動した。
【0088】
そのため、感光性材料2を付した被露光材料1を少なくとも露光開始点またはその近傍および露光終了点またはその近傍において、レーザビーム9のスポット11およびその周辺の状況をテレビモニタ24上で観察し、露光中のレーザビーム9のスポット11の大きさや位置の変動がなるべく小さくなるように、被露光材料1のY軸回りおよび/またはZ軸回りの傾き角を調整していた。
【0089】
そして、被露光材料1のY軸回りおよび/またはZ軸回りの傾き角を調整するには、当然、被露光材料1をY軸回りに回転させるステージおよび/またはZ軸回りに回転させるステージが必要であり、それらを装備することが必要であった。
【0090】
また、従来は、被露光材料1に付した感光性材料2を所望のパターン形状に露光するには、露光開始点またはその近傍および露光終了点またはその近傍のみならず、任意の単数または複数の中間点、さらには全走査露光経路上の点においても、該レーザビーム9のスポット11が感光性材料2を付した被露光材料1の所期の位置に当たり、所期の形状、大きさとなるように確認すればなお良いことから、露光開始点またはその近傍および露光終了点またはその近傍のみならず、任意の単数または複数の中間点、さらには全走査露光経路上の点においてもレーザビーム9のスポット11およびその周辺の状況をテレビモニタ24上で観察することがあった。
【0091】
しかし、被露光材料1の元々の曲がり、偏芯、片持に起因する自重による撓みなどの影響が重畳して不規則にレーザビーム9のスポット11の大きさや位置の変動が生じるため、被露光材料1のY軸回りおよび/またはZ軸回りの傾き角をどのように調整すればレーザビーム9のスポット11の大きさや位置の変動が小さくできるのかが分からず、試行錯誤と熟練を要する調整が必要であった。
【0092】
また、被露光材料1の曲がりや撓みは一般に直線的ではないため、被露光材料1のY軸回りおよび/またはZ軸回りの傾き角の調整では原理的に除去しきれないレーザビーム9のスポット11の大きさや位置の変動が残っていた。
【0093】
これに対し、本発明の可撓材料露光装置によれば、感光性材料2を付した被露光材料1が吸着ブロック15により吸着保持され、元々の曲がりと片持に起因する自重による撓みが矯正される。
【0094】
そして、被露光材料1を回転ステージ4、Xステージ6により動かしても、レーザビーム9のスポット11の照射場所の付近は、感光性材料2を付した被露光材料1が吸着ブロック15により吸着保持されて一定の位置姿勢を保つため、被露光材料1に付した感光性材料2上に照射されるレーザビーム9のスポット11の大きさや位置はほとんど変動しない。
【0095】
この結果、被露光材料1に付した感光性材料2上にパターンを精度よく形成することができる。
【0096】
図2は本発明を投影露光装置に応用した実施形態であり、(a)が正面図、(b)が主要部の平面図である。(a)では被露光材料1と感光性材料2を断面で示した。
【0097】
レチクル35上のパターン36を光源37からの露光光線38により照明し、投影光学系39によりパターン36の光像を被露光材料1に付した感光性材料2上に作り、該感光性材料2をパターン36の形状に感光させる。
【0098】
光源37はランプ、レーザなど任意でよく、集光光学系40によりレチクル35上のパターン36を均一に所定の照射角で照明できるようにする。
【0099】
なお、被露光材料1が円柱状や円筒状の場合は、レチクル35上のパターン36を投影露光するとき鮮明な像が形成できるのは、被露光材料1の軸方向稜線付近の細い幅の範囲に限られる。
【0100】
そのため、投影露光する範囲を限定するスリット41を被露光材料1の露光箇所の直近に設ける。
【0101】
該スリット41はレチクル35の直近に設けてもよい。
【0102】
円柱状や円筒状の被露光材料1の全周を露光してパターンを形成するためには、回転ステージ4により被露光材料1をX軸回りに連続的または間欠的に回転させ、該被露光材料1のX軸回りの連続的または間欠的回転に同期させてレチクルYステージ42によりレチクル35を連続的または間欠的にY方向に移動させる。
【0103】
その際、レチクル35のY移動方向が被露光材料1のX回転軸の方向と厳密に直交しないと、一周して露光したときにパターンがうまくつながらなくなる。
【0104】
Z軸回り回転ステージ43はレチクル35のY移動方向を被露光材料1のX回転軸の方向に対して調整するためのステージである。
【0105】
なお、被露光材料1の全周を露光してパターンを形成した後、被露光材料1をX方向に移動して未露光の場所が吸着ブロック15により吸着保持されるようになし、レチクルXステージ44によりレチクル35を-X方向に移動してから、再び回転ステージ4により被露光材料1をX軸回りに連続的または間欠的に回転させ、該被露光材料1のX軸回りの連続的または間欠的回転に同期させてレチクルYステージ42によりレチクル35を連続的または間欠的にY方向に移動させれば、被露光材料1の軸方向のより長い範囲を露光することができる。
【0106】
被露光材料1の全周露光と、被露光材料1のX方向への移動、レチクル35の-X方向への移動は任意の回数繰り返してもよい。
【0107】
また、被露光材料1の軸方向に同じパターンを繰り返して露光する場合には、被露光材料1のみをX方向へ移動し、レチクル35の-X方向への移動は行なわなくてもよい。
【0108】
なお、図2においては、レチクル35を保持するためのレチクル保持ステージ45をZ軸回り回転ステージ43上に取り付け、その下にレチクルYステージ42、その下にレチクルXステージ44を設けている。
【0109】
これらのZ軸回り回転ステージ43、レチクルYステージ42、レチクルXステージ44の積み上げ順序は任意でよく、Z軸回り回転ステージ43および/またはレチクルXステージ44は必ずしも設けなくてもよい。
【0110】
ここで、図2に示した本発明の可撓材料露光装置においても、吸着ブロック15により、感光性材料2を付した被露光材料1を保持し、被露光材料1に付した感光性材料2上の露光位置が投影露光光学系39に対して常に一定の位置となるようにする。
【0111】
吸着ブロック15には、感光性材料2を付した被露光材料1を真空ポンプ16により吸引するための吸引口を設け、チューブ17で吸着ブロック15を真空ポンプ16に接続して感光性材料2を付した被露光材料1を吸引する。
【0112】
なお、吸着ブロック15の位置を、チャック3および/または投影光学系39に対してX、Y、Zの一部または全部の方向に調整するための位置調整機構18を設ければなお良い。
【0113】
このように構成して、感光性材料2を付した被露光材料1を、吸着ブロック15に吸引保持しながら回転ステージ4および/またはXステージ6によって、矢印5および/または矢印7に示す方向に連続的または間欠的に回転および/または移動し、該被露光材料1の連続的または間欠的回転および/または移動に同期させて、レチクルYステージ42によりレチクル35を連続的または間欠的にY方向に移動させ、レチクル35上のパターン36を感光性材料2上に投影露光する。
【0114】
なお、感光性材料2を付した被露光材料1の吸着ブロック15への吸引は、吸引保持した状態で回転ステージ4およびXステージ6によって該被露光材料1が矢印5および/または矢印7に示す方向にスムーズに回転または移動できる強さで行う。
【0115】
図1と同様にV字状の形状を有する吸着ブロック15を用いれば、感光性材料2を付した被露光材料1との接触が線接触となるため、回転ステージ4およびXステージ6によって該被露光材料1を矢印5および/または矢印7に示す方向に回転または移動させる際の摩擦力は小さい。
【0116】
そのため、吸引圧力や吸引流量を調整すれば、容易に感光性材料2を付した被露光材料1を吸着ブロック15に吸引保持した状態で、回転ステージ4およびXステージ6によって該被露光材料1を矢印5および/または矢印7に示す方向にスムーズに回転または移動させることができる。
【0117】
したがって、被露光材料1に付した感光性材料2は、レチクル35上のパターン36の光像が常に鮮明に形成された状態で露光される。
【0118】
そのため、極細の被露光材料1や、剛性が低く可撓性の被露光材料1に付した感光性材料2を、意図した通りに高精度で露光することができる。
【0119】
一方、吸着ブロック15の位置を位置調整機構18によって調整し、投影光学系39に対して被露光材料1を合わせるとき、被露光材料1はチャック3により回転ステージ4に固定保持されているので、被露光材料1が弾性変形できる以上に位置がずれた状態で吸着ブロック15の位置を位置調整機構18によって調整すると、被露光材料1が吸着できなくなってしまう。
【0120】
したがって、前記の回転ステージ4およびXステージ6を、X方向に動かすXステージ19とY方向に動かすYステージ20を設け、投影光学系39に対して吸着ブロック15と被露光材料1の位置の双方を合わせた方がよい。
【0121】
従来は、吸着ブロック15により感光性材料2を付した被露光材料1を吸着保持することなくレーザビーム9を該被露光材料1上の感光性材料2に照射して露光していたため、回転ステージ4、Xステージ6により被露光材料1を動かすと、被露光材料1の元々の曲がり、偏芯、片持に起因する自重による撓みなどにより、投影露光領域内で場所によって投影光学系39との距離がばらつき、転写されるパターンの寸法や位置がずれていた。
【0122】
それに対し、本発明の可撓材料露光装置によれば、元々の試料の曲がりや自重による撓みが、感光性材料2を付した被露光材料1を吸着ブロック15により吸着保持することによって矯正される。
【0123】
そして、被露光材料1を回転ステージ4、Xステージ6、Xステージ19、Yステージ20により動かしても、感光性材料2を付した被露光材料1が吸着ブロック15により吸着保持されて一定の位置姿勢を保つため、被露光材料1に付した感光性材料2上には、投影光学系39との距離を常に一定に保持した状態でパターンが投影露光される。
【0124】
この結果、レチクルパターンの寸法を忠実に反映したパターンを精度よく形成することができ、一定寸法のパターンは同じ寸法でばらつきなく形成できる。
【0125】
したがって、たとえば、円形断面の細い金属棒からなる被露光材料1に感光性材料2としてレジストを塗布し、ラインアンドスペースパターン36を有するレチクル35を用いて前記円形断面の細い金属棒からなる被露光材料1を螺線状に露光すれば、太さのばらつきが少ない螺線レジストパターンを形成することができる。
【0126】
図3は、本発明の別の可撓材料の露光装置であり、(a)が正面図、(b)が平面図である。
【0127】
被露光材料1の外径は拡大して大きめに描いてあり、図1と同じ構成要素は同じ記号で描いてある。また、X、Y、Zは、図中に示した通りの方向を示す。
【0128】
可撓材料は図1、図2に示したように横向きに置くと自重により撓むが、図3に示すように軸を鉛直方向に向けて保持すると自重による撓みが生じないため、該可撓材料を真直ぐに保持する上で有利になる。
【0129】
可撓性の被露光材料1は、感光性材料2を外表面の一部または全部に付して、チャック3に取り付ける。
【0130】
チャック3は、回転ステージ4にて保持し、矢印51で示す回転を可能としてある。
【0131】
また、回転ステージ4はZステージ52にて保持し、矢印53で示すように、基台54に対して図の上下方向に移動できるようにしてある。
【0132】
被露光材料1に付した感光性材料2を露光するには、レーザビーム9を感光性材料2に当て、任意の場所を露光するため、回転ステージ4および/またはZステージ52により、被露光材料1を矢印51および/または矢印53に示す方向に走査する。
【0133】
10aおよび10bはレーザビーム9のスポットサイズおよび/または進行方向の集光位置を調整するためのレンズである。
【0134】
レンズ10aおよび10bによりレーザ12から射出したレーザビーム9をピンホール13で整形し、該ピンホール13の開口の大きさに対して所定の倍率で該ピンホール13の像を形成するようになしてあり、レンズ10aおよび10b間は該ピンホール13から出た光が光軸に平行に進む光学系としている。
【0135】
レーザビーム9のスポットサイズおよび/または進行方向(Z方向)の集光位置の調整は任意の光学系で行なえばよく、たとえば、レンズ10bを用いずにレンズ10aのみにより集光してもよい。
【0136】
レンズ10aおよび10bがそれぞれ複数枚の組合せレンズであってもよく、レンズの代わりにミラー光学系を用いてもよい。
【0137】
ここで、本発明の可撓材料の露光装置においても、吸着ブロック15により、感光性材料2を付した被露光材料1を保持し、被露光材料1に付した感光性材料2上の露光位置がレーザビーム9のスポット11に対して常に一定の位置となるようにする。
【0138】
吸着ブロック15には、感光性材料2を付した被露光材料1を真空ポンプ16により吸引するための吸引口を設け、チューブ17で接続して感光性材料2を付した被露光材料1を吸引する。
【0139】
なお、吸着ブロック15の位置を、チャック3および/またはレーザビーム9に対してX、Y、Zの一部または全部の方向に調整するための位置調整機構18を設ければなお良い。
【0140】
このように構成して、感光性材料2を付した被露光材料1を、吸着ブロック15に吸引保持しながら回転ステージ4および/またはZステージ52によって、矢印51および/または矢印53に示す方向に走査し、レーザビーム9のスポット(非図示、図1の11に相当)を、感光性材料2を付した被露光材料1上で相対的に走査すると、被露光材料1に付した感光性材料2を任意の形状に露光することができる。
【0141】
なお、感光性材料2を付した被露光材料1の吸着ブロック15への吸引は、吸引保持した状態で回転ステージ4および/またはZステージ52によって該被露光材料1が矢印51および/または矢印53に示す方向にスムーズに回転または移動できる強さで行う。
【0142】
図1と同様にV字状の形状を有する吸着ブロック15を用いれば、感光性材料2を付した被露光材料1との接触が線接触となるため、回転ステージ4および/またはZステージ52によって該被露光材料1を矢印51および/または矢印53に示す方向に回転または移動させる際の摩擦力は小さい。
【0143】
そのため、吸引圧力や吸引流量を調整すれば、容易に感光性材料2を付した被露光材料1を吸着ブロック15に吸引保持した状態で、回転ステージ4および/またはZステージ52によって該被露光材料1を矢印51および/または矢印53に示す方向にスムーズに回転または移動させることができる。
【0144】
したがって、被露光材料1に付した感光性材料2には、レーザビーム9のスポットが常時所期の大きさ、所期の集光状態で当たる。
【0145】
そのため、極細の被露光材料1や、剛性が低く可撓性の被露光材料1に付した感光性材料2を、意図した通りに高精度で露光することができる。
【0146】
一方、吸着ブロック15の位置を位置調整機構18によって調整し、レーザビーム9のスポット11に対して被露光材料1を合わせるとき、被露光材料1はチャック3により回転ステージ4に固定保持されているので、被露光材料1が弾性変形できる以上に位置がずれた状態で吸着ブロック15の位置を位置調整機構18によって調整すると、被露光材料1が吸着できなくなってしまう。
【0147】
したがって、前記の回転ステージ4およびZステージ52をX方向に動かすXステージ55とY方向に動かすYステージ56を設け、レーザビーム9のスポットに対して吸着ブロック15と被露光材料1の位置の双方を合わせた方がよい。
【0148】
また、被露光材料1の所望の位置にレーザビーム9のスポット11が精確に照射されているかどうかを確認できるようにすることが必要である。
【0149】
そのため、レーザビーム9の被露光材料1や感光性材料2からの反射光をビームスプリッタ21によって取り出し、レンズ22によって被露光材料1に付した感光性材料2上のスポット11およびその周辺の像をテレビカメラ23の撮像面上に作り、テレビモニタ24上に映して観察できるようにしてある。
【0150】
なお、感光性材料2上に照射されるレーザビーム9のスポットおよびその周辺の状況を観察するためレーザビーム9を感光性材料2に照射し続けると、該レーザビーム9によって感光性材料2が感光してしまう。
【0151】
したがって、レーザビーム9のスポットおよびその周辺の状況を観察は感光性材料2が感光しない短時間だけレーザビーム9を当てて行なうか、短時間だけレーザビーム9を当てて得たテレビカメラ23の画像をテレビモニタ24上に保持して行なうか、間欠的に短時間ずつレーザビーム9を当てて行なうかしなければならない。
【0152】
レーザビーム9のスポットおよびその周辺の状況の観察を連続的に行なうには、感光性材料2が感光しない波長の光を射出する観察用光線の光源25を設け、ビームスプリッタ26を介して観察光線27を露光用のレーザビーム9に重ね、レーザビーム9のスポットおよびその周辺を照明するようにすればよい。
【0153】
観察光線27の被露光材料1や感光性材料2からの反射光により、レーザビーム9のスポットおよびその周辺の状況をテレビカメラ23で撮影してテレビモニタ24上で観察すれば、露光すべき箇所やその周辺を予め念入りに観察しておくことができ、露光中も連続して観察できる。
【0154】
その上でレーザビーム9を瞬間的に当ててテレビモニタ24上でスポットの位置や大きさを確認すれば、テレビモニタ24上に映されたレーザビーム9のスポットの大きさや明るさにより所望の大きさにレーザビーム9が集光されているか、や所望の位置にレーザビーム9が照射されているか、を確認することができるので、感光性材料2を感光させずにスポットを精確に所期の大きさ、位置に照射することができる。
【0155】
なお、レーザビーム9および観察光線27の供給、非供給を制御するシャッター28、29を設けておくと、操作上便利である。図ではシャッター28、29がレーザビーム9および観察光線27を遮らずに「開」となった状態を示している。
【0156】
従来は、吸着ブロック15により感光性材料2を付した被露光材料1を吸着保持することなくレーザビーム9を該被露光材料1上の感光性材料2に照射して露光していたため、回転ステージ4、Zステージ52により被露光材料1を動かすと、被露光材料1の元々の曲がり、偏芯などによりレーザビーム9のスポットの大きさや位置が変動した。
【0157】
そのため、感光性材料2を付した被露光材料1を少なくとも露光開始点またはその近傍および露光終了点またはその近傍において、レーザビーム9のスポットおよびその周辺の状況をテレビモニタ24上で観察し、レーザビーム9のスポットの大きさや位置の変動がなるべく小さくなるように、被露光材料1のX軸回りおよび/またはY軸回りの傾き角を調整していた。
【0158】
被露光材料1のX軸回りおよび/またはY軸回りの傾き角を調整するには、当然、被露光材料1をY軸回りに回転させるステージおよび/またはZ軸回りに回転させるステージが必要であり、それらを装備することが必要であった。
【0159】
また、従来は、被露光材料1に付した感光性材料2を所望のパターン形状に露光するには、露光開始点またはその近傍および露光終了点またはその近傍のみならず、任意の単数または複数の中間点、さらには全走査露光経路上の点においても、該レーザビーム9のスポット11が感光性材料2を付した被露光材料1の所期の位置に当たり、所期の形状、大きさとなるように確認すればなお良いことから、露光開始点またはその近傍および露光終了点またはその近傍のみならず、任意の単数または複数の中間点、さらには全走査露光経路上の点においてもレーザビーム9のスポットおよびその周辺の状況をテレビモニタ24上で観察することがあった。
【0160】
しかし、被露光材料1の元々の曲がり、偏芯などの影響が重畳して不規則にレーザビーム9のスポットの大きさや位置の変動が生じるため、被露光材料1のX軸回りおよび/またはY軸回りの傾き角をどのように調整すればレーザビーム9のスポットの大きさや位置の変動が小さくできるのかが分からず、試行錯誤と熟練を要する調整が必要であった。
【0161】
また、被露光材料1の曲がりや撓みは一般に直線的ではないため、被露光材料1のX軸回りおよび/またはY軸回りの傾き角の調整では原理的に除去しきれないレーザビーム9のスポットの大きさや位置の変動が残っていた。
【0162】
これに対し、本発明の可撓材料露光装置によれば、鉛直に保持しているので自重による撓みの発生を防ぐことができ、感光性材料2を付した被露光材料1が吸着ブロック15により吸着保持されるため、元々の曲がりも矯正される。
【0163】
そして、被露光材料1を回転ステージ4、Zステージ52により動かしても、レーザビーム9のスポットの照射場所の付近は、感光性材料2を付した被露光材料1が吸着ブロック15により吸着保持されて一定の位置姿勢を保つため、被露光材料1に付した感光性材料2上に照射されるレーザビーム9のスポットの大きさや位置はほとんど変動しない。
【0164】
この結果、被露光材料1に付した感光性材料2上にパターンを精度よく形成することができる。
【0165】
図3の露光装置は図1の露光装置を被露光材料1の軸方向を鉛直方向に向けたものであり、図2の投影露光装置も同様に被露光材料1の軸方向を鉛直方向に向けても構成できることは明らかである。
【0166】
ところで、以上の図1乃至図3は、軸方向に長い可撓性の被露光材料1の外表面を露光する装置であるが、特許文献3、非特許文献4、非特許文献5に示されるように、パイプ状の被露光材料の内面を露光する装置においても、該被露光材料が軸方向に長い可撓性の被露光材料である場合には本発明が有効である。
【0167】
特許文献3、非特許文献4、非特許文献5に示されるように、被露光材料の内面を露光する装置においては、パイプ状の被露光材料の片端から露光ロッドを挿入したり、露光光線を供給したりする。
【0168】
しかし、該パイプ状の被露光材料を水平方向に片持保持すると、自由端が撓み、水平でなくなるため、撓みが顕著となる細くて長い被露光材料では、露光ロッドを挿入したり、露光光線を供給したりすることが困難になる。
【0169】
本発明により、吸着ブロック15を置き、該パイプ状の被露光材料を水平にかつ直線状に矯正すれば、該パイプ状の被露光材料の内側に露光ロッドを挿入したり、露光光線を供給したりすることが容易になり、該パイプ状の被露光材料の内面に精度よくパターンを形成できる。
【0170】
なお、本発明により、吸着ブロック15で被露光材料1を吸引し、直線状に矯正する長さおよび位置は任意である。
【0171】
該被露光材料1の所望露光範囲と同等またはより長い範囲を吸着ブロック15で吸引してもよい。
【0172】
一方、図1および図3に示したように、露光光学系が固定されていて、被露光材料1の長さ方向への露光範囲が狭い場合には、所望の被露光材料1の露光長さ範囲より短い吸着ブロック15で被露光材料1を吸引して直線状に矯正し、被露光材料1を軸方向に移動して長い範囲を露光してもよい。
【0173】
図4は吸着ブロック15の実施形態である。
【0174】
図1の左側面方向から見た断面と、その平面図を示してあり、吸着溝61を設けて感光性材料2を付した被露光材料1を吸引保持する。
【0175】
吸着溝61は穴62を経て吸着ブロック15の外面に導き、ねじ63に配管部品を付けて真空ポンプ16とホース17でつなぐ。
【0176】
図5は別の吸着ブロック15の実施形態である。
【0177】
図1の左側面方向から見た断面と、その平面図を示してあり、任意の数の吸着穴65を設けて感光性材料2を付した被露光材料1を吸引保持する。
【0178】
吸着穴65は穴66を経て吸着ブロック15の外面に導き、ホース17により真空ポンプ16とつなぐ。
【0179】
図6はさらに別の吸着ブロック15の実施形態である。
【0180】
図1の左側面方向から見た断面と、その平面図を示してあり、(a)、(b)とも吸着溝68を設けて感光性材料2を付した被露光材料1を吸引保持する。
【0181】
吸着溝68は吸着保持部品69の一部に形成されており、吸着溝または吸着穴70、穴71を経て吸着ブロック15の外面に導き、ねじ72に配管部品を付けて真空ポンプ16とホース17でつなぐ。
【0182】
図4、図5、図6のいずれの場合とも、吸着溝61、吸着穴65、吸着溝68の寸法や形状は用いる被露光材料1の直径や長さに応じて適宜決めればよい。
【0183】
また、図4、図5、図6のいずれの場合とも、吸着ブロック15の外形形状は任意である。
【0184】
図4、図5、図6のいずれの場合とも、吸着溝61、吸着穴65、吸着溝68の上に感光性材料2を付した被露光材料1を載せると、ほぼ吸着溝61、吸着穴65、吸着溝68が塞がれる。
【0185】
したがって、感光性材料2を付した被露光材料1の吸着部が負圧となり、被露光材料1は吸着ブロック15に押し付けられる。
【0186】
いずれの場合においても、V字状の案内により被露光材料1を直線に矯正する吸着ブロック15に被露光材料1を吸着すると、両側には該V字状の案内と被露光材料1の外径との間に隙間ができるため、吸着ブロック15の端部は大気に開放されることになるが、被露光材料1が細い場合には大気に開放されている隙間が狭いので、真空ポンプ16による吸引を継続して行なっていれば、被露光材料1を適切に吸着ブロック15に押し付けることができる。
【0187】
また、被露光材料1が細い場合、たとえば、直径100μm以下の銅やステンレス鋼の線材を被露光材料1とする場合には、可撓性が高く、わずかの力で変形するため、元々の曲がりや片持支持時の自重に起因する撓みをよく矯正できる。
【0188】
なお、被露光材料1が太い場合には、吸着ブロック15の吸着溝61、吸着穴65、吸着溝68の吸着部の周辺の面形状を、感光性材料2を付した被露光材料1の外径の曲率に合わせておけば、該感光性材料2を付した被露光材料1を載せるときに吸着溝61、吸着穴65、吸着溝68で吸引する部分が閉空間に近くなり、より強く吸引できる。
【0189】
また、被露光材料1が細い場合には、吸着溝61、吸着穴65、吸着溝68の寸法が感光性材料2を付した被露光材料1の径よりも多少ならば大きくても、真空ポンプ16による吸引を継続して行なっていれば、被露光材料1を吸着ブロック15に押し付けることができる。
【0190】
被露光材料1を吸着ブロック15に吸引保持した状態で、該被露光材料1に軸まわりの回転運動および/または軸方向の移動運動をスムーズに行なわせるためには、吸引力による摩擦が大き過ぎないことが必要であり、吸引する部分が完全に閉空間となると、該被露光材料1に軸まわりの回転運動および/または軸方向の移動運動をスムーズに行なわせることができなくなる。
【0191】
したがって、被露光材料1を吸着ブロック15に吸引保持する際は、該被露光材料1の曲がりを矯正でき、なおかつ、該被露光材料1の軸まわりの回転運動および/または軸方向の移動運動をスムーズに行なえる吸着力となるようにする。
【0192】
次に本発明の可撓材料の露光方法について説明する。
【0193】
本発明の可撓材料の露光方法においては、まず、感光性材料2を付した軸方向に長い可撓性の被露光材料1を吸着ブロック15に吸引保持して該被露光材料の軸方向の形状を直線に矯正した状態とする。
【0194】
次に、図1および図3に例示したようなレーザ光を用いた走査露光、図2に示した投影露光などの方法により、被露光材料1に付した感光性材料2を露光する。
【0195】
図1および図3に例示したようなレーザ光を用いた走査露光においては、レーザビーム9のスポット11を被露光材料1に付した感光性材料2上に当てて露光するので、瞬間的には該スポット11を当てた点状の部分しか露光できない。
【0196】
したがって、長さ、面積を有するパターン形状に露光するためには、該軸方向に長い可撓性の被露光材料1に軸回りの回転運動および/または軸方向の移動運動を与えて前記レーザビーム9のスポット11に対して被露光材料1を移動させる必要がある。
【0197】
該レーザビーム9のスポット11に対する被露光材料1の移動は、連続的でも間欠的でもよい。
【0198】
また、レーザビーム9のスポット11による被露光材料1に付した感光性材料2の露光中に、該被露光材料1に軸回りの回転運動および/または軸方向の移動運動をさせてもよい。
【0199】
被露光材料1を軸方向に長い距離移動させれば、吸着ブロック15における吸着長さよりも長い範囲を露光することができる。
【0200】
図2に例示したようなレチクル35を用いる投影露光により露光する場合には、瞬間的には、軸方向に長い可撓性の被露光材料1の投影側の表面稜線付近のスリット41で限定されたほぼ平面とみなせる幅の狭い短冊状の範囲の部分しか露光できない。
【0201】
したがって、より広い部分をパターン形状に露光するためには、該被露光材料1に軸回りの回転運動および/または軸方向の移動運動を与えて投影露光する範囲を接続または重畳させる必要がある。
【0202】
また、一般的には、該被露光材料1の軸回りの回転運動および/または軸方向の移動にあわせてレチクル35を移動させるが、単純な同じパターンを繰り返して露光する場合には、レチクル35を固定したまま該被露光材料1に軸回りの回転運動および/または軸方向の移動をさせてもよい。
【0203】
被露光材料1の軸回りの回転運動および/または軸方向の移動は、レチクル35に同期させる必要があるが、レチクル35および被露光材料1を連続的に移動してもよく、レチクル35および被露光材料1を間欠的に移動してもよい。
【0204】
レチクル35を連続的に移動し、該レチクル35に同期させて被露光材料1を連続的に移動する場合には、被露光材料1に付した感光性材料2の露光中に、該被露光材料1に軸回りの回転運動および/または軸方向の移動運動をさせる。
【実施例】
【0205】
図1に示したように露光装置を構成し、レーザ12として波長473nmの青色固体レーザを用い、感光性材料2としてレジストPMER P-AR900(東京応化工業製)を付した外径80μm、内径30μm、長さ50mmの銅のパイプを被露光材料1とし、該感光性材料2を付した被露光材料1を図6(b)に示したような幅約80μm、長さ5mmの細いスリット状の吸着溝68を有する長さ7mmの吸着ブロック15によって吸引保持し、回転ステージ4およびXステージ6によって矢印5および矢印7に示す方向に回転、移動させ、螺線パターンの露光を行ない、現像液PMER P-7Gに浸漬して現像しパターンを形成した。
【0206】
なお、真空ポンプ16には排気速度が5l/minの真空機工株式会社のDA-5Dを用い、外径約6mm、内径約4mmのナイロン製の長さ約1mのチューブ17で吸着ブロック15に接続して吸引した。
【0207】
V字状の案内により被露光材料1を直線に矯正する吸着ブロック15に被露光材料1を吸着すると、両側には該V字状の案内と被露光材料1の外径との間に隙間ができるが、被露光材料1の外径が前記のように80μmと小径であるため前記隙間は非常に小さく、被露光材料1をきちんと吸引保持でき、直線に矯正することができた。
【0208】
また、吸着力は強過ぎもせず、被露光材料1を吸引保持したまま該被露光材料1にスムーズに軸回りの回転運動および/または軸方向の移動運動をさせることもできた。
【0209】
そして、被露光材料1を吸引保持したまま軸回りの回転運動および/または軸方向の移動運動をさせると、該被露光材料1の露光位置をレーザビーム9のスポット11に対して常に一定に保ったまま該被露光材料1の全周および/または軸方向の長い範囲にレーザビーム9のスポット11を当てることができた。
【0210】
また、被露光材料1を吸引保持したまま、軸回りの回転運動および軸方向の移動運動を同時に付与しながら露光すると、現像後、図7の電子顕微鏡写真に示すように、スペース線幅7.8μm、ピッチ20μmの螺線スペースパターンを高精度に形成することができた。
【0211】
スペース線幅14.4μm、ピッチ100μmの螺線スペースパターンを露光・現像後得られたレジストパターンをマスキング材として該被露光材料1を塩化第二鉄水溶液に浸漬してエッチングを行なった結果、マイクロコイルを得ることもできた。
【0212】
同じ、吸着ブロック15により、外径73~500μmの金属線材からなる被露光材料1にも露光することができ、高精度なレジストパターンを得た。
【0213】
外径73μmという吸着ブロック15の吸着溝幅よりも少し小さい外径を有する被露光材料1も吸着保持でき、被露光材料1の外面に感光性材料2として付したレジストを露光して高精度なパターンを得ることができた。
【0214】
また、吸着部がV溝形状のため、両端において吸着ブロック15と被露光材料1との間にわずかの隙間ができ、該隙間は直径が大きくなるほど大きくなったが、外径500μmの被露光材料1も吸着保持でき、被露光材料1の外面に感光性材料2として付したレジストを露光して高精度なパターンを得ることができた。
【0215】
以上に示したように、本発明によれば、軸方向に長い可撓性の被露光材料1に対し、長い範囲にわたり高精度に微細パターンを形成できる。
【0216】
したがって、たとえば、極細金属パイプからなる被露光材料1に感光性材料2としてレジストを塗布し、螺線状に露光して螺線レジストパターンを形成すれば、均一に精度よく形成でき、該螺線レジストパターンをエッチングマスクとして前記極細金属パイプからなる被露光材料1をエッチングすれば、素線寸法のばらつきが少ない極細マイクロコイルを容易に製作することができる。
【0217】
また、円形断面の極細金属線からなる被露光材料1に感光性材料2としてレジストを塗布し、螺線状に露光して螺線レジストパターンを形成すれば、均一に精度よく形成でき、該螺線レジストパターンの付着していない極細金属線からなる被露光材料1の表面に被露光材料1の表面とは異なる材料の金属をめっきし、該極細金属線からなる被露光材料1を抜き去ることによっても、素線寸法のばらつきが少ない極細金属マイクロコイルを容易に製作することができる。
【0218】
さらに、細い金属パイプからなる被露光材料1の内面に感光性材料2としてレジストを塗布し、螺線状に露光して螺線レジストパターンを均一に精度よく形成し、該螺線レジストパターンをエッチングマスクとして前記細い金属パイプからなる被露光材料1の内面を螺線状にエッチングし、適当な長さごとに切断すれば、微細なナット部品を高能率に製作することができる。
【0219】
また、細い軸状の被露光材料1に感光性材料2としてレジストを塗布し、螺線状に露光して螺線レジストパターンを形成すれば、均一に精度よく形成でき、該螺線レジストパターンをエッチングマスクとして被露光材料1をエッチングすれば、マイクロドリル、マイクロボールねじ、マイクロスクリュー軸などを精度よく製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【図1】本発明の可撓材料の露光装置
【図2】本発明の可撓材料の露光装置
【図3】本発明の可撓材料の露光装置
【図4】本発明の可撓材料の露光装置の吸着ブロックの構成図
【図5】本発明の可撓材料の露光装置の吸着ブロックの構成図
【図6】本発明の可撓材料の露光装置の吸着ブロックの構成図
【図7】本発明の可撓材料の露光装置および可撓材料の露光方法により形成した螺線レジストパターンの電子顕微鏡写真
【図8】従来の代表的な被露光材料の支持形態
【0221】
1:被露光材料
2:感光性材料
3:チャック
4:回転ステージ
6:Xステージ
8:基台
9:レーザビーム9
10:レンズ
12:ピンホール
15:吸着ブロック
16:真空ポンプ
17:チューブ
18:位置調整機構
19:Yステージ
20:Zステージ
21:ビームスプリッタ
22:レンズ
23:テレビカメラ
24:テレビモニタ
25:観察用光線の光源
26:ビームスプリッタ
27:観察光線
28:シャッター
29:シャッター
35:レチクル
37:光源
38:露光光線
39:投影光学系
40:集光光学系
41:スリット
42:レチクルYステージ
43:Z軸回り回転ステージ
44:レチクルXステージ
52:Zステージ
55:Xステージ
56:Yステージ
61:吸着溝
62:穴
63:ねじ
65:吸着穴
66:穴
68:吸着溝
69:吸着保持部品
70:吸着溝または吸着穴
71:穴
72:ねじ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7