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明細書 :天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5376363号 (P5376363)
登録日 平成25年10月4日(2013.10.4)
発行日 平成25年12月25日(2013.12.25)
発明の名称または考案の名称 天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料及びその製造方法
国際特許分類 C08J   5/06        (2006.01)
C08K   7/02        (2006.01)
C08L 101/00        (2006.01)
D06M  14/04        (2006.01)
D06M  15/00        (2006.01)
D06M  11/50        (2006.01)
D06M  10/02        (2006.01)
FI C08J 5/06 CER
C08K 7/02
C08L 101/00
D06M 14/04
D06M 15/72
D06M 11/50
D06M 10/02 C
請求項の数または発明の数 8
全頁数 15
出願番号 特願2008-542088 (P2008-542088)
出願日 平成19年10月29日(2007.10.29)
国際出願番号 PCT/JP2007/070986
国際公開番号 WO2008/053817
国際公開日 平成20年5月8日(2008.5.8)
優先権出願番号 2006293832
優先日 平成18年10月30日(2006.10.30)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成22年9月13日(2010.9.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504145364
【氏名又は名称】国立大学法人群馬大学
発明者または考案者 【氏名】黒田 真一
個別代理人の代理人 【識別番号】100085372、【弁理士】、【氏名又は名称】須田 正義
審査官 【審査官】大熊 幸治
参考文献・文献 特開2001-335710(JP,A)
特開2005-281340(JP,A)
調査した分野 C08J 5/00- 5/24
C08K 3/00- 13/08
C08L 1/00-101/16
特許請求の範囲 【請求項1】
天然植物繊維を過酸化水素水で処理して前記繊維表面に過酸化基を導入させ、前記表面に過酸化基を導入した繊維にビニル系のモノマーであるスチレンを接触させて前記過酸化基を重合開始剤として前記繊維表面に合成高分子であるポリスチレンをグラフト重合することにより、天然植物繊維表面にポリスチレンの分子鎖を化学結合させる工程と、
前記ポリスチレンの分子鎖を化学結合させた繊維を、前記化学結合に使用した合成高分子と同一又は異なる種類の合成高分子と混練りする工程と、
前記得られた混練物を所定の形状に成形する工程と
を含むことを特徴とする天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料の製造方法。
【請求項2】
天然植物繊維をプラズマ照射して前記繊維表面に過酸化基を導入し、前記表面に過酸化基を導入した繊維にビニル系のモノマーであるスチレンを接触させて前記過酸化基を重合開始剤として前記繊維表面に合成高分子であるポリスチレンをグラフト重合することにより、天然植物繊維表面にポリスチレンの分子鎖を化学結合させる工程と、
前記ポリスチレンの分子鎖を化学結合させた繊維を、前記化学結合に使用した合成高分子と同一又は異なる種類の合成高分子と混練りする工程と、
前記得られた混練物を所定の形状に成形する工程と
を含むことを特徴とする天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料の製造方法。
【請求項3】
ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリスチレンからなる合成高分子をビニル基含有アルコキシシランモノマーであるメタクリル酸プロピルトリアルコキシシラン存在下でラジカル発生剤を作用させて、前記合成高分子に前記アルコキシシランモノマーをグラフト重合させる工程と、
前記合成高分子にグラフト重合したアルコキシシラン基と前記天然植物繊維表面に存在する水酸基とを脱水縮合させることにより、天然植物繊維表面に合成高分子の分子鎖を化学結合させる工程と、
前記化学結合させた繊維を、前記化学結合に使用した合成高分子と同一又は異なる種類の合成高分子と混練りする工程と、
前記得られた混練物を所定の形状に成形する工程と
を含むことを特徴とする天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料の製造方法。
【請求項4】
天然植物繊維がケナフ繊維であり、モノマーがスチレンであり、合成高分子がポリスチレンである請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項5】
天然植物繊維がケナフ繊維であり、モノマーがメタクリル酸プロピルトリアルコキシシランであり、合成高分子がポリプロピレンである請求項記載の製造方法。
【請求項6】
天然植物繊維がケナフ繊維であり、モノマーがメタクリル酸プロピルトリアルコキシシランであり、合成高分子がポリエチレンである請求項記載の製造方法。
【請求項7】
天然植物繊維がケナフ繊維であり、モノマーがメタクリル酸プロピルトリアルコキシシランであり、合成高分子がポリスチレンである請求項記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1ないしいずれか1項に記載の方法により製造された、天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、成形加工性、耐水性、熱的安定性に優れた、天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化複合材料(Fiber Reinforced Composite Materials)の中で最も多量に生産され、広い範囲に用いられているのは、ガラス繊維強化プラスチック(Glass Fiber Reinforced Plastic、以下「GFRP」という。)である。しかし、近年環境に適合させる観点からGFRPの採用が抑制されている。つまり、GFRPは焼却時に多くのガラスフィラメントからなる残滓を生じるが、これらのガラスフィラメントは環境に適合した処理方法では分解することができない。その上、GFRPを加工する際に発生するガラス粉塵によって、加工業者がアレルギーや皮膚の炎症を引き起こすおそれがある。
【0003】
そこで、GFRPに代わって注目されるようになったのが、天然繊維で強化したプラスチックである。この天然繊維強化プラスチック(Natural Fiber Reinforced Plastic、以下「NFRP」という。)はガラス質の残滓を生じることなく焼却することができる。特にNFRPを構成する天然繊維に限って言えば、天然繊維の焼却に伴って発生する二酸化炭素の量は植物が成長するときに吸収した二酸化炭素の量に過ぎず、昨今の地球温暖化の点から規制が厳しくなっている二酸化炭素の生産消費バランスがゼロになることが期待できる。更に環境面だけでなく、機械的特性の点においても、NFRPは繊維が低密度であり、脆くないために、軽量でしかも高靭性の複合材料として期待できる。
【0004】
NFRPに関する研究は、木材繊維を用いた複合材料について1980年代から盛んに行われるようになった。しかし1990年代以降は、ケナフ繊維に代表されるような一年生植物の繊維を利用しようとする動きが顕著になっている。例えば、ケナフ繊維50重量%(39体積%)とポリプロピレンよりなる複合材料が発表されている(例えば、非特許文献1参照。)。この複合材料は、ガラス繊維を40重量%(19体積%)をポリプロピレンに添加した複合材料に匹敵する性能を発現している。このような研究成果を背景にして、2000年初めからNFRPが自動車のアンダーボディ・パネルに採用されている。
【0005】
また相溶化剤で表面処理したケナフ繊維等の天然繊維とオレフィン系その他の熱可塑性樹脂材とを所定の比率で混合し、この混合物を所定の条件下にて加熱・混練することにより形成された繊維強化樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
一方本発明者らは、植物繊維を強力な酸化剤であるセリウム塩の硝酸溶液で処理した後にメタクリル酸メチルを作用させることにより、植物繊維表面にポリメタクリル酸メチルの高分子鎖がグラフトすることを見出し、新規な植物繊維-高分子複合材料となる可能性を指摘した(非特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【0007】

【非特許文献1】Sanadi、 A. R.、 et al.、 7th Annual Conference of the International Kenaf Association (1995)
【非特許文献2】Kuroda、 S.、 et al.、 "Advance on Chemical Engineering and New Material Science"、 Liaoning Science and Technology Publishing House (2002)、 pp. 94-98
【0008】

【特許文献1】特開2004-114436(請求項1、請求項7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、非特許文献1及び特許文献1に記載された従来のNFRPでは、天然植物繊維とマトリックスポリマー界面の接合強度を高めるために、使用するマトリックスポリマーの種類に制限があった。即ち、従来のNFRPでは、極性を有するポリマーをマトリックスに使用する必要があるか、又はシランカップリング剤のような表面処理を天然植物繊維に施すか、或いはマレイン酸変性ポリオレフィンを添加する必要があった。しかし前記シランカップリング剤は低分子量化合物であり、またマレイン酸変性ポリオレフィンも分子量が約1万以下であるために、従来のNFRPは分散相-マトリックス界面の強度が十分でなかった。また、耐水性、耐熱性に乏しい複合材料を得るに留まっていた。
【0010】
また、非特許文献2に記載された植物繊維-高分子複合材料は、製造工程において環境負荷の高いセリウム塩及び硝酸を使用しなければならないという欠点があった。
【0011】
本発明の目的は、環境に対する負荷を軽減でき、軽量でしかも機械的強度が高く、成形加工性、耐水性に優れた天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願請求項に係る発明は、天然植物繊維を過酸化水素水で処理してこの繊維表面に過酸化基を導入させ、上記表面に過酸化基を導入した繊維にビニル系のモノマーであるスチレンを接触させて前記過酸化基を重合開始剤として前記繊維表面に合成高分子であるポリスチレンをグラフト重合することにより、天然植物繊維表面にポリスチレンの分子鎖を化学結合させる工程と、前記ポリスチレンの分子鎖を化学結合させた繊維を、前記化学結合に使用した合成高分子と同一又は異なる種類の合成高分子と混練りする工程と、前記得られた混練物を所定の形状に成形する工程とを含むことを特徴とする天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料の製造方法である。
【0013】
また本願請求項に係る発明は、天然植物繊維をプラズマ照射してこの繊維表面に過酸化基を導入し、上記表面に過酸化基を導入した繊維にビニル系のモノマーであるスチレンを接触させて前記過酸化基を重合開始剤として前記繊維表面に合成高分子であるポリスチレンをグラフト重合することにより、天然植物繊維表面にポリスチレンの分子鎖を化学結合させる工程と、前記ポリスチレンの分子鎖を化学結合させた繊維を、前記化学結合に使用した合成高分子と同一又は異なる種類の合成高分子と混練りする工程と、前記得られた混練物を所定の形状に成形する工程とを含むことを特徴とする天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料の製造方法である。
【0014】
また本願請求項に係る発明は、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリスチレンからなる合成高分子をビニル基含有アルコキシシランモノマーであるメタクリル酸プロピルトリアルコキシシラン存在下でラジカル発生剤を作用させて、前記合成高分子にこのアルコキシシランモノマーをグラフト重合させる工程と、前記合成高分子にグラフト重合したアルコキシシラン基と前記天然植物繊維表面に存在する水酸基とを脱水縮合させることにより、天然植物繊維表面に合成高分子の分子鎖を化学結合させる工程と、前記化学結合させた繊維を、前記化学結合に使用した合成高分子と同一又は異なる種類の合成高分子と混練りする工程と、前記得られた混練物を所定の形状に成形する工程とを含むことを特徴とする天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料の製造方法である。
【0015】
また本願請求項に係る発明は、請求項1又は2記載の発明であって、天然植物繊維がケナフ繊維であり、モノマーがスチレンであり、合成高分子がポリスチレン(以下、PSという。)である製造方法である。
【0016】
また本願請求項に係る発明は、請求項記載の発明であって、天然植物繊維がケナフ繊維であり、モノマーがメタクリル酸プロピルトリアルコキシシランであり、合成高分子がポリプロピレン(以下、PPという。)である製造方法である。
【0017】
また本願請求項に係る発明は、請求項記載の発明であって、天然植物繊維がケナフ繊維であり、モノマーがメタクリル酸プロピルトリアルコキシシランであり、合成高分子がポリエチレン(以下、PEという。)である製造方法である。
【0018】
また本願請求項に係る発明は、請求項記載の発明であって、天然植物繊維がケナフ繊維であり、モノマーがメタクリル酸プロピルトリアルコキシシランであり、合成高分子がPSである製造方法である。
【0019】
更に本願請求項に係る発明は、請求項1ないしいずれか1項に記載された方法により製造された、天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料の製造方法では、天然植物繊維表面に化学結合された合成高分子の分子鎖がマトリックスとの接着性を高め、軽量でしかも機械的強度が高く、成形加工性、耐水性に優れた天然繊維強化プラスチックである複合材料が得られる。またこの複合材料は焼却時に環境に負荷を与える残滓を発生しない特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例5で得られた複合材料の写真図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。

【0023】
本発明の天然植物繊維として、ケナフ、綿、ジュート、マニラ麻、サイザル麻、竹、繊維パルプ、古紙等が例示される。その中でもケナフが生育速度が著しく速く、単位面積当たりの繊維の生産量が多いため、空気中から吸収する二酸化炭素量が大きく、二酸化炭素による温室効果を和らげ、地球温暖化防止に効果を発揮するため好ましい。また、天然植物繊維は、本発明の製造方法に供される際に、2~5mm程度の所望の長さに裁断しておけば、取り扱いやすく、かつ加工しやすいため好ましい。

【0024】
本発明の天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料の製造方法は、天然植物繊維表面に合成高分子の分子鎖を化学結合させる工程と、化学結合させた繊維を、化学結合に使用した合成高分子と同一又は異なる種類の合成高分子と混練りする工程と、得られた混練物を所定の形状に成形する工程とを含むことを特徴とする。

【0025】
本発明の製造方法において、天然植物繊維表面に合成高分子の分子鎖を化学結合させる工程では、第1の方法として、繊維表面に過酸化基を導入した後に、この過酸化基を重合開始剤として合成高分子をグラフト重合する方法、第2の方法として、合成高分子にラジカルを発生させた後にビニル基含有アルコキシシランモノマーをグラフト重合させ、合成高分子にグラフト重合したアルコキシシラン基と天然植物繊維表面に存在する水酸基とを脱水縮合させる方法とがある。

【0026】
第1の方法は、非特許文献2の結果を詳細に分析し、その化学反応機構を解明することによって発明された方法であって、天然植物繊維と合成高分子とを複合化する前に、繊維表面に過酸化基(ペルオキシド)を生成させる前処理を行う。この前処理を行うことにより、リグニン含有量の高い天然植物繊維であってもグラフト重合が可能となる。即ち、この前処理により、過酸化基が重合開始剤となって、合成高分子をグラフト重合する際に、グラフト率を高め、合成高分子の繊維表面への接着力を高めるとともに、その高リグニン含有量とグラフト重合処理に基づく構造によって、複合材料の熱的安定性を高め、吸水率を低くする。更にグラフト率を高めることにより、グラフト重合処理した繊維の成形加工が容易になる。この前処理の方法としては、湿式法と乾式法がある。湿式法では、天然植物繊維を酸化力を有する過酸化水素水に浸漬するなどして処理する方法が採用される。この湿式法では、天然植物繊維をそのまま過酸化水素で処理して繊維表面に過酸化基を導入しても良いが、天然植物繊維をオルト過ヨウ素酸で酸化処理した場合、その表面にアルデヒド基が導入されるため、この処理済み繊維を過酸化水素で処理すると、繊維表面により多くの過酸化基を導入することができる。また乾式法では、天然植物繊維にプラズマ照射を行う方法が採用される。

【0027】
例えば、ベルジャー型プラズマ反応装置を使用し、装置内に設けられた2つの電極間に天然植物繊維を配置する。装置内を酸素含有雰囲気とし、一方の電極に接続された高周波電源により電極間に所定の電圧をかけてプラズマを発生させることにより、電極間に配置された天然植物繊維にプラズマ照射を行う。このベルジャー型プラズマ反応装置を使用した場合のプラズマ照射条件例としては、高周波電源(13.56MHz)を用い、装置内圧力を5Paまで減圧し、装置内が安定して20Pa程度になるまで酸素ガスを供給することにより装置内を酸素ガス雰囲気下として、出力が10~50W、照射時間が5~15分間でプラズマ照射を行う。このような条件で天然植物繊維にプラズマ照射を行うことにより、天然植物繊維表面に過酸化基が導入される。

【0028】
次に、湿式法或いは乾式法によって表面に過酸化基を導入した繊維にビニル系のモノマーを接触させる。繊維とモノマーとが接触すると、過酸化基が重合開始剤として作用し、繊維表面に合成高分子がグラフト重合される。この第1の方法では、繊維に接触させるビニル系のモノマーとしてスチレンを使用することが好ましく、モノマーにスチレンを使用した場合、繊維表面にグラフト重合する合成高分子はPSとなる。

【0029】
第2の方法では、先ず、合成高分子をビニル基含有アルコキシシランモノマー存在下でラジカル発生剤を作用させることにより、合成高分子にアルコキシシランモノマーをグラフト重合させる。例えば、次の化学式1に示すように、合成高分子としてPEフィルムを、ビニル基含有アルコキシシランモノマーとしてビニルモノマーを、ラジカル発生剤としてキサントンをそれぞれ用い、PEフィルムとビニルモノマーをキサントンが溶解した溶液に浸漬し、攪拌しながら波長が300nm以上の紫外線を照射することにより、PEにビニルモノマーをグラフト重合させたフィルムを得ることができる。なお、化学式1中のビニルモノマーは、CH2=CH-Fと表しているが、この表示は単に表記を省略した表示であり、化学式1のグラフト重合反応では、次の化学式2に示されるメタクリル酸プロピルトリメトキシシラン(Methacryloxypropyltrimethoxysilane)をビニルモノマーとして使用している。また、使用するラジカル発生剤は、加熱又は光照射によって合成高分子にラジカル発生を生起する化合物であれば任意に選択することができる。ラジカル発生剤は、キサントンの他には、例えば、過酸化ベンゾイル(BPO)のような有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなアゾ化合物が挙げられる。

【0030】
【化1】
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【0031】
【化2】
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【0032】
この第2の方法では、モノマーとしてメタクリル酸プロピルトリアルコキシシランを、合成高分子としてPP、PE、PSを使用することが好ましい。また、合成高分子にグラフト重合するモノマーの量は、合成高分子の25重量%以下であることが好ましく、特に2~15重量%であることが好ましい。このようにして得られるアルコキシシランモノマーをグラフト重合させた合成高分子は、非常に活性な性質を有する。また、繊維と化学結合させる前に、活性な合成高分子を合成しておけるため、前述した第1の方法よりも実用的な方法である。なお、合成高分子は、化学式1中ではPEフィルムを用いたが、その形状はフィルム状に限らず、粉末状でも良いし、ペレット状でも良いし、溶液状でも良い。

【0033】
次に、合成高分子にグラフト重合したアルコキシシラン基と天然植物繊維表面に存在する水酸基とを脱水縮合させる。天然植物繊維表面には水酸基が存在しているため、活性な合成高分子と容易に脱水縮合することができる。この第2の方法では、合成高分子はアルコキシシランモノマーをグラフト重合させている箇所で繊維表面に存在する水酸基と脱水縮合するため、合成高分子の末端のみが繊維表面に結合するような第1の方法のような結合パターンに限らず、合成高分子の分子鎖の途中で結合したり、合成高分子1分子で複数箇所が結合するような結合パターンを形成する。なお、合成高分子にグラフト重合したアルコキシシラン基と天然植物繊維表面に存在する水酸基とを脱水縮合させる工程は、後述する混練工程において、混練と同時に進行させることもできる。

【0034】
このように第1の方法又は第2の方法を行うことで、天然植物繊維表面に高分子量の合成高分子の分子鎖を化学結合させることができる。

【0035】
次に、前述した第1の方法又は第2の方法を行うことで表面に合成高分子の分子鎖を化学結合させた繊維を合成高分子と混練りする。なお、前述したように第2の方法で得られるアルコキシシラン基をグラフト重合した合成高分子は、そのままの状態で植物繊維とともに合成高分子と混練しても、混練中にアルコキシシラン基と天然植物繊維表面に存在する水酸基との脱水縮合が進行するために、工程を簡素化することができる。ここで使用する合成高分子は、複合材料の使用用途等に併せ、化学結合に使用した合成高分子と同一種類を使用しても良いし、異なる種類を使用しても良い。混練物中の天然植物繊維の含有率が多いと環境負荷を軽減できるが、成形加工性が低くなる傾向があり、含有率が少ないと環境負荷はあまり低減されないが、成形加工性は高くなる傾向がある。

【0036】
更に、得られた混練物を所定の形状に成形する。成形方法は、ホットプレスや押出し成形、射出成形などの従来技術を使用することができる。例えば、押出し成形機を用いて混練物をダイより押出し成形してストランド状にし、これを裁断してペレット化する。得られたペレット状物を射出成形によって所望の形状に成形する。

【0037】
以上の工程を経ることにより、天然植物繊維と合成高分子よりなる天然繊維強化プラスチックである複合材料が得られる。この本発明の複合材料は焼却時に環境に負荷を与える残滓を発生しない特長を有し、環境に対する負荷を軽減できる。この複合材料は、化学結合によって合成高分子の分子鎖を結合させた繊維を使用しているため、軽量でしかも機械的強度が高く、成形加工性、耐水性にも優れる。
【実施例】
【0038】
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
【実施例】
【0039】
<実施例1>
水洗したケナフ靭皮繊維を所定濃度の過酸化水素水及びメタンスルホン酸又は塩酸とともに重合管に入れ、30℃で3時間保持することにより、繊維表面に過酸化基を導入し、導入された過酸化基量を定量した。
【実施例】
【0040】
一方、表面に過酸化基を導入した繊維を所定量のスチレン及び同量の水とともに重合管に入れ、窒素雰囲気下、60℃においてスチレンを繊維表面に12時間グラフト重合した。その後ソックスレー抽出を行い、繊維表面にグラフトしていない不純物を除去し、グラフト率([(グラフト後重量-グラフト前重量)/グラフト前重量]×100%)を求めた。その結果を次の表1に示す。
【実施例】
【0041】
【表1】
JP0005376363B2_000004t.gif
【実施例】
【0042】
表1から明らかなように、過酸化水素水を作用させることによって、ケナフ靭皮繊維表面に過酸化基を導入し、更にスチレンをグラフト重合することが可能である。
【実施例】
【0043】
<実施例2>
水洗したケナフ靭皮繊維を20(mmol/L)のオルト過ヨウ素酸溶液に45℃において1時間浸漬することによりその表面を酸化処理した。次いで、所定濃度の過酸化水素水及びメタンスルホン酸又は酢酸とともに重合管に入れ、30℃で3時間保持することにより、繊維表面に過酸化基を導入し、導入された過酸化基量を定量した。
【実施例】
【0044】
一方、表面に過酸化基を導入した繊維を所定量のスチレン及び同量の水とともに重合管に入れ、窒素雰囲気下、60℃においてスチレンを繊維表面に12時間グラフト重合した。その後ソックスレー抽出を行い、繊維表面にグラフトしていない不純物を除去し、グラフト率([(グラフト後重量-グラフト前重量)/グラフト前重量]×100%)を求めた。その結果を次の表2に示す。
【実施例】
【0045】
【表2】
JP0005376363B2_000005t.gif
【実施例】
【0046】
表2から明らかなように、オルト過ヨウ素酸で処理した後に過酸化水素水を作用させることによって、ケナフ靭皮繊維表面に過酸化基を導入し、更にスチレンを60%以上のグラフト率でグラフト重合することが可能である。
【実施例】
【0047】
<実施例3>
水洗したケナフ靭皮繊維を、ベルジャー型プラズマ反応装置内の2つの電極間に配置した。装置内を5Paまで脱気後酸素を導入して装置内を20Paに安定させた。次に、一方の電極に接続されたRF高周波電源(13.56MHz)により電極間に所定の電圧をかけてプラズマを発生させ、電極間に配置された繊維を所定時間プラズマ照射することにより、繊維表面に過酸化基を導入し、導入された過酸化基量を定量した。
【実施例】
【0048】
一方、表面に過酸化基を導入した繊維を所定量のスチレン及び同量の水とともに重合管に入れ、窒素雰囲気下、60℃においてスチレンを繊維表面に12時間グラフト重合した。その後ソックスレー抽出を行い、繊維表面にグラフトしていない不純物を除去し、グラフト率([(グラフト後重量-グラフト前重量)/グラフト前重量]×100%)を求めた。その結果を次の表3に示す。
【実施例】
【0049】
【表3】
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【実施例】
【0050】
表3から明らかなように、プラズマを作用させることによって、ケナフ靭皮繊維表面に過酸化基を導入し、更にスチレンをグラフト重合することが可能である。
【実施例】
【0051】
<実施例4>
実施例2で得られた、元の繊維重量の61重量%のPSが繊維に結合したケナフ繊維と耐衝撃性PSとを、ケナフ繊維含有量が40重量%となるように混合して、混練りすることにより混練物を得た。次に、得られた混練物を1mm厚のスペーサーを装着した真空ホットプレス型内に充填し、減圧下で200℃の加熱温度、20MPaの圧力で8分間保持してホットプレスすることにより、平面形状に成形された複合材料を得た。更にこれをダンベルカッターを用いてJISK 7160 #4に規定された形状に切り出した。
【実施例】
【0052】
<比較例1>
耐衝撃性PSを1mm厚のスペーサーを装着した真空ホットプレス型内に充填し、減圧下で200℃の加熱温度、20MPaの圧力で8分間保持してホットプレスすることにより、平面形状に成形された複合材料を得た。更にこれをダンベルカッターを用いてJISK 7160 #4に規定された形状に切り出した。
【実施例】
【0053】
<比較例2>
水洗したケナフ靭皮繊維と耐衝撃性PSとを、ケナフ繊維含有量が40重量%となるように混合して、混練りすることにより混練物を得た。次に、得られた混練物を1mm厚のスペーサーを装着した真空ホットプレス型内に充填し、減圧下で200℃の加熱温度、20MPaの圧力で8分間保持してホットプレスすることにより、平面形状に成形された複合材料を得た。更にこれをダンベルカッターを用いてJISK 7160 #4に規定された形状に切り出した。
【実施例】
【0054】
<比較評価その1>
得られた実施例4及び比較例1、2の各材料について、引張り強さを測定した。その結果を次の表4にそれぞれ示す。
【実施例】
【0055】
【表4】
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【実施例】
【0056】
表4より明らかなように、実施例4の複合材料は、PSのみの比較例1と比べても、優れた機械的強度を有していた。また、従来のNFRPである比較例2よりも機械的強度に優れた結果が得られた。更に実施例4の複合材料は成形加工も容易であった。
【実施例】
【0057】
<実施例5>
合成高分子としてPP重合パウダーをシクロヘキサン中78℃で膨潤処理したもの、ビニル基含有アルコキシシランモノマーとしてメタクリル酸プロピルトリメトキシシランを、ラジカル発生剤としてキサントンをそれぞれ用い、PPとメタクリル酸プロピルトリメトキシシランをキサントンが溶解した溶液に浸漬し、窒素雰囲気下で攪拌しながら波長が300nm以上の紫外線を照射することにより、PPにメタクリル酸プロピルトリメトキシシランをグラフト重合させた粉末を得た。なお、溶媒としてはメタノールを用い、モノマー濃度を0.17mol/L、ラジカル発生剤濃度を0.0014mol/Lとし、光照射を400W高圧水銀灯で行い、照射時の溶液温度を65℃とし、照射時間を4時間とした。得られた粉末のグラフト率は9.3%であった。
【実施例】
【0058】
次に、水洗したケナフ靭皮繊維を、アルコキシシラン基をグラフト重合したPPがケナフ繊維の重量に対して12%になるようにキシレンに溶解した120℃の溶液に1時間浸漬して引上げ、この引上げたケナフ靭皮繊維を80℃で、24時間加熱乾燥することにより、ケナフ靭皮繊維表面にPPの分子鎖を化学結合させた。
【実施例】
【0059】
次に、この化学結合させたケナフ靭皮繊維とPPパウダーとを、ケナフ靭皮繊維含有量が30重量%あるいは50重量%となるように混合し、混練りしながら200~210℃で押出し成形して図1に示すようなストランド状物1に形成し、これを裁断してペレット化した。更に、このペレット状物2を80℃で、2時間乾燥させた後、成形温度200~210℃、金型温度80℃で射出成形することにより、平面形状に成形されたテストピースとしての複合材料3を得た。更にこれをダンベルカッターを用いてJISK 7160 #4に規定された形状に切り出した。図1にストランド状物1、ペレット状物2及び複合材料3をそれぞれ示す。
【実施例】
【0060】
<比較例3>
PPパウダーを200~210℃で押出し成形してストランド状にし、これを裁断してペレット化した。更に、このペレット状物を成形温度200~210℃、金型温度80℃で射出成形することにより、平面形状に成形された材料を得た。更にこれをダンベルカッターを用いてJISK 7160 #4に規定された形状に切り出した。
【実施例】
【0061】
<比較例4>
水洗したケナフ靭皮繊維とPPパウダーとを、ケナフ靭皮繊維含有量が30重量%あるいは50重量%となるように混合し、混練りしながら200~210℃で押出し成形してストランド状にし、これを裁断してペレット化した。更に、このペレット状物を80℃で、2時間乾燥させた後、成形温度200~210℃、金型温度80℃で射出成形することにより、平面形状に成形された複合材料を得た。更にこれをダンベルカッターを用いてJISK 7160 #4に規定された形状に切り出した。
【実施例】
【0062】
<比較例5>
ガラス繊維とPPパウダーとを、ガラス繊維含有量が20重量%となるように混合して、混練りすることにより混練物を得た。次に、得られた混練物を200~210℃で押出し成形してストランド状にし、これを裁断してペレット化した。更に、このペレット状物を成形温度200~210℃、金型温度80℃で射出成形することにより、平面形状に成形された複合材料を得た。更にこれをダンベルカッターを用いてJISK 7160 #4に規定された形状に切り出した。
【実施例】
【0063】
<比較評価その2>
得られた実施例5及び比較例3、4、5の各材料について、充填量、引張強度及び引張
弾性率を測定した。その結果を次の表5にそれぞれ示す。
【実施例】
【0064】
【表5】
JP0005376363B2_000008t.gif
【実施例】
【0065】
表5より明らかなように、実施例5の複合材料は、PPのみの比較例3や未処理ケナフ繊維とPPの複合材料である比較例4と比べて機械的強度に優れ、ガラス繊維とPPとの複合材料である比較例5と比べても、機械的強度が匹敵する結果が得られた。
【実施例】
【0066】
<実施例6>
合成高分子として低密度PEフィルム(30μm厚)を、ビニル基含有アルコキシシランモノマーとしてメタクリル酸プロピルトリメトキシシランを、ラジカル発生剤としてキサントンをそれぞれ用い、まず低密度PEフィルムをキサントンとポリビニルアセテートが溶解したアセトン溶液に10秒間浸漬後引き上げ乾燥してキサントン塗布フィルムとし、この塗布フィルムをメタクリル酸プロピルトリメトキシシランのメタノール溶液に浸漬して窒素雰囲気下で波長が300nm以上の紫外線を照射することにより、低密度PEにメタクリル酸プロピルトリメトキシシランをグラフト重合させたフィルムを得た。なお、モノマー濃度を0.14mol/L、ラジカル発生剤濃度を0.3重量%とし、光照射を400W高圧水銀灯で行い、照射時の溶液温度を60℃とし、照射時間を100分とした。得られたフィルムのグラフト率は8%であった。
【実施例】
【0067】
次に、水洗したケナフ靭皮繊維を、アルコキシシラン基をグラフト重合した低密度PEがケナフ繊維の重量に対して4%になるようにキシレンに溶解した80℃の溶液に1時間浸漬して引上げ、この引上げたケナフ靭皮繊維を80℃で、24時間加熱乾燥することにより、ケナフ靭皮繊維表面に低密度PEの分子鎖を化学結合させた。この化学結合させたケナフ靭皮繊維は室温において水中に24時間浸漬した際の吸水率が1.7%であり、未処理のケナフ繊維を同様に水中に浸漬した際の吸水率4.0%と比較して顕著に吸水率が低下していた。
【実施例】
【0068】
次に、この化学結合させたケナフ靭皮繊維と直鎖状低密度PEペレットとを、ケナフ靭皮繊維含有量が40重量%となるように混合し、この混合物を1mm厚のスペーサーを装着した真空ホットプレス型内に充填し、減圧下で200℃の加熱温度、15MPaの圧力で2分間保持してホットプレスすることにより、平面形状に成形された複合材料を得た。更にこれをダンベルカッターを用いてJISK 7160 #4に規定された形状に切り出した。
【実施例】
【0069】
<比較例6>
直鎖状低密度PEペレットを、1mm厚のスペーサーを装着した真空ホットプレス型内に充填し、減圧下で200℃の加熱温度、15MPaの圧力で2分間保持してホットプレスすることにより、平面形状に成形された材料を得た。更にこれをダンベルカッターを用いてJISK 7160 #4に規定された形状に切り出した。
【実施例】
【0070】
<比較例7>
水洗したケナフ靭皮繊維と直鎖状低密度PEペレットとを、ケナフ靭皮繊維含有量が40重量%となるように混合し、この混合物を1mm厚のスペーサーを装着した真空ホットプレス型内に充填し、減圧下で200℃の加熱温度、15MPaの圧力で2分間保持してホットプレスすることにより、平面形状に成形された複合材料を得た。更にこれをダンベルカッターを用いてJISK 7160 #4に規定された形状に切り出した。
【実施例】
【0071】
<比較評価その3>
得られた実施例6及び比較例6、7の各材料について、引張強度及び、引張弾性率を測定した。その結果を次の表6にそれぞれ示す。
【実施例】
【0072】
【表6】
JP0005376363B2_000009t.gif
【実施例】
【0073】
表6より明らかなように、実施例6の複合材料は、直鎖状低密度PEのみの比較例7や未処理ケナフ繊維と直鎖状低密度PEの複合材料である比較例8と比べて機械的強度に優れる結果が得られた。
【実施例】
【0074】
<実施例7>
合成高分子としてPSパウダー(粒径250~350μm)を、ビニル基含有アルコキシシランモノマーとしてメタクリル酸プロピルトリメトキシシランを、ラジカル発生剤としてキサントンをそれぞれ用い、PSパウダーとメタクリル酸プロピルトリメトキシシランをキサントンが溶解した溶液に浸漬し、窒素雰囲気下で攪拌しながら波長が300nm以上の紫外線を照射することにより、PSにメタクリル酸プロピルトリメトキシシランをグラフト重合させた粉末を得た。なお、溶媒としてはメタノールとトルエンを95:5の割合で混合した溶媒を用い、モノマー濃度を0.35mol/L、ラジカル発生剤濃度を0.00034mol/Lとし、光照射を400W高圧水銀灯で行い、照射時の溶液温度を65℃とし、照射時間を4時間とした。得られた粉末のグラフト率は6.3%であった。
【実施例】
【0075】
次に、このアルコキシシラン基をグラフト重合したPSと、水洗したケナフ靭皮繊維と、耐衝撃性PSペレットとを、それぞれの重量が0.05:1:1となるように混合し、混練りしながら180~200℃で押出し成形してストランド状にし、これを裁断してペレット化した。更に、このペレット状物を80℃で、2時間乾燥させた後、1mm厚のスペーサーを装着した真空ホットプレス型内に充填し、減圧下で200℃の加熱温度、20MPaの圧力で8分間保持してホットプレスすることにより、平面形状に成形された複合材料を得た。
【実施例】
【0076】
<比較例8>
耐衝撃性PSペレットを、1mm厚のスペーサーを装着した真空ホットプレス型内に充填し、減圧下で200℃の加熱温度、20MPaの圧力で8分間保持してホットプレスすることにより、平面形状に成形された複合材料を得た。
【実施例】
【0077】
<比較例9>
水洗したケナフ靭皮繊維と、耐衝撃性PSペレットとを、それぞれの重量が1:1となるように混合し、混練りしながら180~200℃で押出し成形してストランド状にし、これを裁断してペレット化した。更に、このペレット状物を80℃で、2時間乾燥させた後、1mm厚のスペーサーを装着した真空ホットプレス型内に充填し、減圧下で200℃の加熱温度、20MPaの圧力で8分間保持してホットプレスすることにより、平面形状に成形された複合材料を得た。
【実施例】
【0078】
<比較評価その4>
得られた実施例7及び比較例8、9の各材料について、引張強度を測定した。その結果を次の表7にそれぞれ示す。
【実施例】
【0079】
【表7】
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【実施例】
【0080】
表7より明らかなように、実施例7の複合材料は、耐衝撃性PSのみの比較例8や未処理ケナフ繊維と耐衝撃性PSの複合材料である比較例9と比べて機械的強度に優れる結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の天然植物繊維と合成高分子よりなる複合材料の製造方法では、軽量でしかも機械的強度が高く、成形加工性、耐水性に優れた天然繊維強化プラスチックである複合材料を得ることができる。またこの複合材料は焼却時に環境に負荷を与える残滓を発生しない特長を有する。
図面
【図1】
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