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明細書 :水頭症の治療

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2007-518687 (P2007-518687A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成19年7月12日(2007.7.12)
特許番号 特許第4096033号 (P4096033)
登録日 平成20年3月21日(2008.3.21)
発行日 平成20年6月4日(2008.6.4)
発明の名称または考案の名称 水頭症の治療
国際特許分類 A61K  38/22        (2006.01)
A61P  25/00        (2006.01)
FI A61K 37/24
A61P 25/00
請求項の数または発明の数 4
全頁数 13
出願番号 特願2006-519686 (P2006-519686)
出願日 平成16年11月19日(2004.11.19)
国際出願番号 PCT/IB2004/004459
国際公開番号 WO2006/000844
国際公開日 平成18年1月5日(2006.1.5)
優先権出願番号 60/524,094
優先日 平成15年11月20日(2003.11.20)
優先権主張国 アメリカ合衆国(US)
審査請求日 平成18年11月8日(2006.11.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】804000015
【氏名又は名称】株式会社信州TLO
発明者または考案者 【氏名】多田 剛
【氏名】中村 敏一
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100088306、【弁理士】、【氏名又は名称】小宮 良雄
【識別番号】100126343、【弁理士】、【氏名又は名称】大西 浩之
審査官 【審査官】松浦 安紀子
参考文献・文献 特開平07-300426(JP,A)
NITTA J. et al,Neurol Med Chir,1998年,38,p.819-825
TADA T. et al,Journal of Neuroimmunology,1994年,50,p.153-158
MASSICOTTE M E et al,J. Neurosurg.,1999年,91,p.80-84
TANIYAMA Y et al,Circulation,2000年,102, 2,p.246-252
MOTOHASHI O. et al,Acta Neurochir,1995年,136,p.88-91
MATSUMOTO K et al,Current opinion in nephrology and hypertension,2000年,9, 4,p. 395-402
調査した分野 A61K 38/22
BIOSIS(STN)
CAplus(STN)
EMBASE(STN)
MEDLINE(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
肝細胞成長因子(HGF)および製薬上許容される担体を含むことを特徴とする、水頭症の治療のために有用な医薬混合物
【請求項2】
該製薬上許容される担体が、医薬組成物用の担体、希釈剤、賦形剤、湿潤剤、緩衝剤、懸濁化剤、滑剤、補薬、賦形薬または輸送物質であることを特徴とする請求項1に記載の医薬混合物。
【請求項3】
該製薬上許容される担体が、該HGFを脳脊髄液の流通経路内投与するための担体であることを特徴とする請求項1に記載の医薬混合物。
【請求項4】
該HGFが、ヒト組換えHGF(hrHGF)である、請求項に記載の医薬混合物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、水頭症の治療に関するものである。より詳しくは、本発明は、水頭症を治療するために、脳脊髄液の流通経路内例えば脳室内投与するのに用いられる成長因子を含む医薬混合物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水頭症は、しばしば髄膜炎、特に細菌性の髄膜炎後の頭蓋内の出血、またはクモ膜下出血(SAH)の結果、惹き起こされる。(Di Rocco, C.等, J. Neurol. Sci., 1977, 33(3): p.437-452; Yasargil, M.G.等, J. Neurosurg., 1973, 39(4): p.474-479; Almuneef, M.等, J. Infect., 1998, 36(2): p.157-160; Dacud, A.S.等, J. Trop. Pediatr., 1998, 44(3): p.167-169; Gomes, I.等, Arq. Neuropsiquiatr., 1996, 54(3): p.407-411; Grimwood, K.等, Pediatrics, 1995, 95(5): p.646-656)。水頭症を患う患者は、急性期においては、頭痛および吐気のような高い頭蓋内圧力徴候を呈し、また慢性段階においては、特徴的な挙動の変化を示し、更に修業能力の減退を示す(Youmans, J.R.編, 神経外科(Neurological surgery),第4版, C. Saint Rose, Vol. 2, 1996, W.B.サンダース社(Saunders Company): フィラデルフィア, p.890-926)。高齢の水頭症患者は、頭痛無しに、記憶障害、歩行障害および尿失禁を呈し、これは「正常圧水頭症」として広く知られている(Adams, R.D.等, The New England Journal Of Medicine, 1965, 273(1965): p.117-126; Graff-Radford, N.R.等, Arch. Neurol., 1989, 46(7): p.744-752; Pfister, H.W., Feiden, W., & Einhaupl, K.M., Arch. Neurol., 1993, 50(6): p.575-581)。可逆性の痴呆は、最もよく知られているヒトにおける正常圧水頭症の症状の一つである(Youmans, J.R.編, 神経外科(Neurological surgery),第4版, C. Saint Rose, Vol. 2, 1996, W.B.サンダース社:フィラデルフィア, p.890-926)。
【0003】
交通性水頭症において、連通は、脳腫瘍または膜による脳脊髄液(CSF)の流通経路の圧迫または遮断を伴う閉塞性水頭症とは著しく異なり、脳室と排液腔例えば腹膜腔との間で確立されている(Youmans, J.R.編, 神経外科(Neurological surgery),第4版, C. Saint Rose, Vol. 2, 1996, W.B.サンダース社:フィラデルフィア,p.890-926)。交通性水頭症の原因は、今のところ明らかにされていない。クモ膜絨毛およびクモ膜下腔の線維症に関する組織学的な証拠は、多くの剖検的研究において見出されている(Lobato, R.D.等, J. Neurosurg.,1981,55(5):p.786-793; Torvik, A., Bhatia, R. & Murthy, V.S., Acto. Neurochir. (Wien),1978,41(1-3):p.137-146; Akai, K.等, Acta Pathol. Jpn.,1987,37(1):p.97-110)。幾つかの剖検に関する報告は、可能性がある原因の一つが、クモ膜顆粒のクモ膜キャップ細胞の増殖であることを示唆しているが、水頭症患者にとって特異的で決定的な証拠は存在しない(Massicotte, E.M. & Del Bigio, M.R., J. Neurosurg.,1999,91(1):p.80-84; Motohashi, O.等, Acta Neurochir (Wien),1995,136(1-2):p.88-91)。従って、クモ膜下腔およびクモ膜絨毛の線維症が、該CSF流路中で穏やかな圧力勾配を生じ、またこれが水頭症の発症における主な因子であるものと、推測することは、当然である。一般に、シャント形成術が、交通性水頭症に対する確実な治療法である。しかし、シャント形成外科手術を行う人々にとって、多くの合併症を起こす可能性がある(Kang, J.K.& Lee, I.W., Child's Nervous System, 1999, 15(11-12):p.711-717)。幼児期にシャント形成術を受けた患者の両親は、シャント形成によって問題が起り得るということを、認識しておくべきである。長期間に渡り安定であった患者においてさえ、臨床に関する重大な問題が成人期に起こる可能性がある。これらの問題は、該シャントシステムの交換を必要とするということである(Joon-Ki & I.W. Lee, Child's Nervous System, 1999,15:p.711-717)。神経外科医にとって、シャント形成術を施した患者を、長期間に渡り経過観察することは必須であり(Sgouros, S.等, Pediatr. Neurosurg., 1995, 23(3):p.127-132)、またこのような患者を良好な状態に維持するための社会的損失は、かなりのものとなる可能性がある(Del Bigio, M.R., Can. J. Neurol. Sci., 1998, 25(2):p.123-126)。
【0004】
肝細胞成長因子(HGF)は、元々成熟肝細胞に関する有力なマイトジェンとして同定され、かつクローニングされたものである(Nakamura, T.等, Nature, 1989, 342(6248):p.440-443; Miyazawa, K.等, J. Biol. Chem., 1993, 268(14):p.10024-10028)。これは、多くの器官における線維形成を低減させる高い可能性を持ち、また肺線維症、肝硬変、および急性腎障害を含む様々な線維形成性疾患に対する治療物質になると期待されている(Dohi, M.等, Am. J. Respir. Crit. Care Med., 2000, 162(6):p.2302-2307; Matsuda, Y.等, J. Biochem. (Tokyo), 1995, 118(3):p.643-649; Fujimoto, J., J. Gastroenterol. Hepatol., 2000, 15(補遺): p.D33-D36; Vargas, G.A., Hoeflich, A. & Jehle, P.M., Kidney Int., 2000, 57(4):p.1426-1436)。HGFは、分裂促進性、移動性および形態形成性の作用を、様々な上皮細胞に及ぼす多能性成長因子であり、間葉によって産生されるものである。この因子は、肝臓、腎臓および肺中の上皮組織に作用し、またTGF-β1の線維形成誘導作用を妨害する(Rosen, E.M., Nigam, S.K. & Goldberg, I.D., J. Cell Biol., 1994, 127(6Pt2):p.1783-1787; Brinkmann, V.等, J. Cell Biol., 1995, 131(6Pt1): p.1573-1586; Ohmichi, H. 等, Development, 1998, 125(7): p.1315-1324; Matsumoto, K., Mizuno, S. & Nakamura, T., Curr. Opin. Nephrol. Hypertens., 2000, 9(4): p.395-402)。抗体によるHGFの中和は、腎不全/線維形成の促進をもたらし、また外因性HGFの投与は、腎不全/線維形成の顕著な減衰をもたらす(Matsumoto, K., Mizuno, S. & Nakamura, T., Curr. Opin. Nephrol. Hypertens., 2000, 9(4): p.395-402)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題の解決を目指すものである。そこで本発明の目的の一つは、肝細胞成長因子(HGF)を用いて、水頭症のために改善された治療法のための医薬混合物を提供することにある。そのために、ヒト組換え(hr)形質転換成長因子β1(TGF-β1)を投与したマウスでの水頭症モデル(Tada, T., Kanaji, M. & Kobayashi, S., J. Neuroimmunol., 1994, 50(2):p.153-158)についての実験を行った。このような水頭症罹患マウスは、水中迷路テストにおいて、明らかな空間学習能力障害を示す。この水頭症モデルにおいて、学習障害は可逆的である。このことは、このようなモデルにおいて、極めて特有なものである。またこのモデルは、ヒトの正常圧水頭症と類似する。従って、本発明は、シャント形成術に代替する水頭症治療法のための医薬混合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的を達成するために、本発明は、動物における水頭症の治療法のための医薬混合物を提供するものである。この医薬混合物を用いた治療方法は肝細胞成長因子(HGF)を脳脊髄液の流通経路内例えば脳室内投与する工程を含んでいる。
【0007】
更に、本発明は、水頭症の治療にとって有用な混合物を提供するものである。この混合物は、HGFと適当な担体とを含んでいる。好ましい一態様においては、このHGFは、ヒト組換えHGF(hrHGF)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、肝細胞成長因子(HGF)を脳室内投与する工程を含む動物における水頭症の治療方法のために用いられる、医薬混合物を提供する。好ましい一態様において、該HGFはヒト組換えHGF(hrHGF)である。本発明は、更にHGFおよび製薬上許容される担体を含むもので、水頭症を治療するのに有用な医薬混合物を提供する。ここで、「製薬上許容される担体」とは、医薬組成物において使用するのに適した、あらゆる担体、希釈剤、賦形剤、湿潤剤、緩衝剤、懸濁化剤、滑剤、補薬、賦形薬または輸送物質を意味する。最も好ましい態様において、該混合物のHGFはhrHGFである。
【0009】
具体的態様として以下に記載した実施例に、限定されるものではない。
【0010】
動物および試薬
ヒト組換え形質転換成長因子β1(hrTGF-β1)およびヒト組換え潜在型結合ペプチド(LAP)は、R&Dシステムズ社(R&D Systems Inc.(ミネソタ州ミネアポリス))から購入した。ヒト組換えHGF(hrHGF)は、本発明者等、即ち大阪大学医学部のMatsumoto及びNakamuraによって調製された。妊娠したC57BL/6マウスを、ジャパンエスエルシー株式会社(静岡)から購入し、10日齢のマウスをこの実験に使用した。
【0011】
マウスは、信州大学の動物飼育棟でポリカーボネート製のケージに収容し、市販の餌MF(オリエンタル酵母工業株式会社(東京)製)を与えたものである。午前9:00に点灯する12:12時間の昼夜サイクル下で、全てのマウスを飼育した。この部屋を、温度24±2℃および相対湿度55±10%に維持した。この研究は、信州大学医学部の動物実験に関する指針に従って行った。
【0012】
hrTGF-β1-誘発水頭症:交通性水頭症の動物モデル
酵素標識免疫吸着測定法(ELISA)によって示されるように、CSFにおけるTGF-β1濃度は、クモ膜下の出血後に2倍となる。その第一のピークは、発作のあったその日の内に起り、また血小板からのTGF-β1の遊離を伴っている。その第二のピークは、該発作後の第二週目に起り、CSFおよび脈絡膜叢の好中球およびリンパ球からのTGF-β1の遊離を伴っている(Flood, C.等, J. Cereb. Blood Flow Metab., 2001, 21(2): p.157-162; Takizawa, T.等, Neurol. Res., 2001, 23(7):p.724-730)。発作後の第二週目に、TGF-β1濃度は、水頭症に罹患していない患者のCSF中よりも、水頭症に罹患した患者のCSF中の方が、より高くなっている(Kitazawa, K. & Tada, T., Stroke, 1994, 25(7): p.1400-1404)。発作後の第10週目まで、CSFにおけるコラーゲン合成に係る代謝産物(タイプIおよびタイプIIIプロコラーゲン)の濃度も、水頭症に罹患した患者の方がより高い(Sajanti, J., Heikkinen, E. & Majamaa, K., Neurology, 2000, 55(3): p.359-363)。このTGF-β濃度は、同様に細菌性髄膜炎に罹患した患者のCSF中の方が高い。幾つかの臨床上の所見は、高いTGF濃度が、細菌性髄膜炎に伴う水頭症の原因の一つであることを示唆している(Ossege, L.M.等, J. Neurol. Sci., 1996, 144(1-2): p.1-13; Huang, C.C.等, J. Neurol., 1997, 244(10): p.634-638)。上記の観察は、TGF-β1が、髄膜炎やクモ膜下出血後の水頭症発症において重要な役割を担っていることを、強く示唆している。
【0013】
1994年に、本発明者等は、C57BL/6マウスの頭部にhrTGF-β1を、実験的に投与して、マウスを水頭症状態にした。側部脳室は、hrTGFの投与後6週まで拡張し続け、投与後12週まで拡張したままであった(Tada, T., Kanaji, M. & Kobayashi, S., J. Neuroimmunol., 1994, 50(2): p.153-158)。電子顕微鏡観察により、軟髄膜の細胞間隙での大量のコラーゲン線維の沈着が明らかとなった(Nitta, J. & Tada, T., Neurol. Med. Chir. (Tokyo), 1998, 38(12): p.819-824)。TGF-β1遺伝子を発現するトランスジェニックマウスは、交通性水頭症を発症し、また細胞外基質タンパク質が、その髄膜に沈着されている(Galbreath, E.等, J. Neuropathol. Exp. Neurol., 1995, 54(3): p.339-349; Wyss-Coray, T.等, Am. J. Pathol., 1995, 147(1): p.53-67; Cohen, A.R.等, J. Neurosurg., 1999, 91(6): p.978-988; Stoddart, J.J. Jr.等, J. Cell Biochem., 2000, 77(1): p.135-148; Hayashi, N., Leifer, D.W. & Cohen, A.R., Pediatr. Neurosurg., 2000, 33(4): p.182-187)。これらのトランスジェニックマウスは、出生後直ぐに死亡するので、これらを実験に用いることは困難である。
【0014】
本研究において、我々は後頭蓋窩造影のコンピュータ断層撮影法を用いて、CSF鬱血についても観察した。脳室内注射された造影物質は、明らかに水頭症マウス内に注入されてから、少なくとも120分間、脳半球間溝内に留まっていた。正常なマウスの場合、造影物質が15分以内に該脳半球間溝から流れ出る結果、周囲の軟質組織を含む全頭部の陰影は、循環している造影物質によって、注入してから120分後に、十分に強調されていた。これらの結果は、髄膜内線維症が、hrTGF-β1-誘発性水頭症の主な原因であることを強く示唆している。
【0015】
形態学的な検査に加えて、TGF-β1-注入マウスの記憶機能をも評価した。可逆性の痴呆が、高齢の患者における正常圧水頭症の特徴的な症状である。シャント形成術を施した正常圧水頭症患者は、十分に回復する。hrTGF-β1-誘発性水頭症に罹ったマウスの学習能力を評価するために、モリス(Morris)の水中迷路テストを利用する。このテストは、該TGF-β1-注入マウスの約半分が空間学習能を障害されていることを示すというものである。該水頭症に罹ったマウスの障害された空間学習能は、この最初のモリスの水中迷路テスト後、少なくとも4週間に渡り継続していた。これら観察により、空間学習能が障害されかつ脳室が拡張されているhrTGF-β1-注入マウスは、以下のように水頭症に罹っていると見做される。
【0016】
モリスの水中迷路
空間学習能は、以前に記載した通り(Morris, R.G.M., Learning and motivation, 1981, 12:p.239-260; Samyai, Z.等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2000, 97(26): p.14731-14736)、改良されたモリスの水中迷路における移動テストにより検討された。簡単に説明する。透明なプラスチック製のプラットフォーム(径:8cm)を、プール(径:88cm)の四分一区画に配置し、水面下1cmの位置に沈めた。該プラットフォームを配置した四分一区画、およびこの前者に対して時計回りに、残りの四分一区画を、夫々(A)、(B)、(C)および(D)と名付けた。トレーニングは、連続する3日間の各々について、12回づつ試行するというものである。マウスは、このトレーニング中、該プラットフォームを、60秒間探すことができる。マウスが該プラットフォームの位置を突止めたら、一度につきその上で30秒間留まることができる。空間学習能は、この最後のトレーニング期間の後に検査した。マウスを、60秒間に渡り、プラットフォームを取り外したプール内を泳がせた。この泳ぎを、ビデオカメラで記録し、これらマウスが各四分一区画内での泳ぎに費やした時間を、このテストのスコアとして測定した。
【0017】
麻酔
ケタミン塩酸塩(2.5mg/マウス)とメデトミジン(0.025mg/マウス)との混合物を、腹腔内注射することによって、動物を鎮静させた。麻酔から覚醒させるために、アンチパメゾール塩酸塩(0.125mg/マウス)を注射した(Cruz, J.I., Loste, J.M. & Burzaco, O.H., Lab. Anim., 1998, 32(1): p.18-22)。
【0018】
磁気共鳴イメージング
丸型表面コイル(径3インチ)で標準的な勾配をかけるハードウエアを用いた1.5テスラ 全身磁気共鳴(MR)撮像装置(シグナアドバンテージ(Signa Advantage):ゼネラルエレクトリック(General Electric)社製(ウィスコンシン州ミルウォーキー))によって、マウス頭部を調べた。T2強調画像を、順次得た(冠状面:スライス, 0.5cm;TE, 90m秒; TR, 2000m秒)。我々の通常通りによるMR連続撮像中のこれら画像は、最も幅広く脳室間隙を写し出していた。そこで比較のために、視床を含む画像を、用いることにした。NIH画像(ver. 1.61)を、脳の全冠状断面を表す画素と、両側の側部脳室、第三脳室の上部および下部を表す全高強度画素とを算定するのに用いた。該冠状断面の全画素のうちの高強度画素の割合を、該脳室の大きさを表すものとして、規定した。
【0019】
水頭症マウスの調製
前に記載したように、10日齢のマウスの頭蓋下に、hrTGF-β1(60ng/頭部)を注射した(Tada, T., Kanaji, M. & Kobayashi, S., J. Neuroimmunol., 1994, 50(2): p.153-158)。注射してから6週間後に、動物飼育舎内で、全てのhrTGF-β1-注入マウスの空間学習能を、モリスの水中迷路により調べた。障害された空間学習能を示すマウスの脳室サイズをMRIで検査した。空間学習能が障害されかつ脳室が拡張されているマウスを、水頭症に罹っているものとした。
【0020】
hrHGFの投与
hrHGFは血液-CSF関門を通過しないので、hrHGFを、全身的に投与する代わりに、脳室内に投与した。 (Kem, M.A.等, Cytokine, 2001, 14(3): p.170-176)。その投薬量は、以前に行った研究の結果に基いており、ここでは浸透圧ポンプを用いて、30μgのhrHGFを、スナネズミの脳の側部脳室に投与した(Miyazawa, T.等, J. Cereb. Blood Flow Metab., 1998, 18(4): p.345-348)。数週間に渡るラット内へのHGFの投与をしても、肝臓疾患または他の器官の疾患におけるHGFの適用を排除するような副作用を示さなかった(Matsuda, Y.等, J. Biochem. (Tokyo), 1995, 118(3): p.643-649)。
【0021】
7日および14日間、注入式の浸透圧型ミニポンプを用いて、マウス1匹当たり全量で30μgのhrHGFを、連続的に投与した。hrHGFは、2種のモデルのミニポンプ(モデル1007D,1002;アルザ(Alza Co.)社(カリフォルニア州パロアルト)製)を用いて、マウス1匹当たり30μgの用量で投与した。モデル1007Dおよびモデル1002は、夫々7および14日間の内容量を、連続的に注入できるものである。このマウスを、定位固定フレーム(モデル900, フロリダ州ペンブロークパインズ)に配置した。頭蓋に、冠状縫合部から尾側に0.6mmおよび正中線から横方向に1mmの穴を開けた。L-字型の28-ゲージステンレススチールカニューレを、4mmなる深さまで、頭蓋内に挿入した。各カニューレを、30μgHGF含有0.1%BSA-PBS溶液で満たされている背部側浸透圧ポンプへ、カテーテルチューブを介して、接続した。なお擬似処置したマウスには、0.1%BSA-PBS溶液のみを、該モデル1007D浸透圧型ポンプを用いて注入した。このポンプは、該hrHGFの投与後、即座に取外した。
【0022】
インク透過テスト
マウスにおけるhrTGF-β1-誘発性水頭症の特徴は、ヒト水頭症の特徴と極めて類似しているが、齧歯目とヒトとは、全く異なるCSF排液系を有している。ラットのCSFは、主として鼻部リンパ管を介して、深部頚管リンパ節に排出され、一方ヒトのCSFは、主としてクモ膜絨毛に排出される(Weller, R.O., Kida, S. & Zhang, E.T., Brain Pathol., 1992, 2(4): p.277-284; Kida, S., Pantazis, A. & Weller, R.O., Neuropathol. Appl. Neurobiol., 1993, 19(6): p.480-488)。本発明者等は、CSF流動の乱れを、該深部頚管リンパ節が、インクの注入後に黒変するのに要する時間を測定することによって検出するという簡便な方法を開発した(Moinuddin, S.M. & Tada, T., Neurol. Res., 2000, 22(2): p.215-222)。このインクテストは、極めて簡便であるが、マウス内のCSF流動の動力学を明確に示す。該インクは、側部脳室に注入され、正常なマウスでは数分以内に、該深部頚管リンパ節に達する。hrTGF-β1-誘発性水頭症に罹っているマウスは、篩状のプレートにおいて組織学的変化を示さないが、該深部頚管リンパ節内のインクの移動に10分間以上を要した。
【0023】
この方法は、黒色インクを、側部脳室に注入し、外科用バーの孔を介して、頭蓋外部へのインクの漏れを防止するというものである。簡単に説明する。麻酔したマウスの頚部を切開して、該深部頚管リンパ節を露出させる。次いで、マウスを、定位固定フレームに置き、10μlの黒色インク(粒径20-50nm、ペリカン社(ドイツ国ハノーファー)製)を、該側部脳室に注入する。このインクの注入後、該深部頚管リンパ節を検査して、色の変化を評価する。該リンパ節が、インクの注入後に黒変するのに要する時間を、インクの通過時間として記録する。このテスト後に、該マウスを、光学顕微鏡および電子顕微鏡検査のために屠殺する。
【0024】
コンピュータ断層撮影システルノグラフィー
麻酔したマウス対(各対において、一匹の水頭症マウスと一匹の正常マウス)を、コンピュータ断層撮影(CT)システルノグラフィーによって検討した。実験時間は、10μlの50%イオパミロン(第一製薬株式会社(東京)製)を脳室内注射してから、15、30、45および60分後である。
【0025】
光学顕微鏡観察法
組織学的検査のための10%緩衝ホルムアルデヒド溶液で、脳を固定させた。脳を冠状に切取り、パラフィン中に包埋させ、ヘマトキシリン/エオシン(HE)およびマロリ-アザン(Malory-Azan)法を利用して染色した。
【0026】
電子顕微鏡観察法
注射した部分とは反対側の凸状の領域由来の髄膜組織の検体を、2.5%グルタルアルデヒド中で固定させ、再度1%OsO4で定着させ、エポン-アラルダイト(Epon-Araldite)混合物中に包埋させた。極薄の切片を、酢酸ウラニルおよびクエン酸鉛で染色し、次いでJEM-1200EX電子顕微鏡(日本電子株式会社(東京)製)を用いて観察した。
【0027】
統計的分析
このモリス水中迷路テストで得たデータは、平均±SEMとして表した。このモリス水中迷路テストデータの統計的分析は、分散の反復的測定値分析(ANOVA)手順を利用して行った。ポスト ホック比較は、ターキー-クラマー(Tukey-Kramer)法を利用して評価した。その他の実験結果は、平均±S.D.として示し、またその統計的分析は、対応のある2群、または対応のない2群のスチューデントのt検定を利用して行った。<0.05なるP値は、統計的に有意であることを示している。結果:水頭症マウス
上記44匹のTGF-β1-注入マウスの内25匹(56.7%)が、注射後の6週目において、該モリスの水中迷路テストにおいて、明らかに障害された空間学習能を示した。このことは、0.1%BSA-PBSを注射したマウスの14匹中13匹が、四分一区画Aを認知したという明らかな偏向を示した結果とは、有意差がある。障害された空間学習能を示した25匹のTGF-β1-注入マウスの脳室サイズを、MRIを用いて調べ、その脳室サイズを、対照群としてのLAP-注入マウスに関する結果と比較した。これらTGF-β1-注入マウスおよびLAP-注入マウスの脳室サイズは、夫々13.8±5.0%(n=25)および5.9±1.8%(n=9)であり、またその差は、第6週目には有意差があった(p<0.005)(図1参照)。視床を含む冠状の脳のT2強調画像を比較した。この脳の全画素における、側部および第三脳室を含む高強度画素の割合を、該冠状断面の脳室サイズとして規定した。空間学習能が障害されかつ脳室が拡張したマウスを、水頭症マウスとした。各上方の像は、このことが明らかな像である。3匹の擬似処置された水頭症マウスに関する第二のMRIでは、外科用バーの孔近傍の皮下での流体集積も観察された。これは、CSFが、通常の経路に沿って容易に流動せず、また該皮質および外科用バーの注入孔から漏れたことを示している。このような異常な流体の集積は、hrHGF-投与マウスの何れにおいても見られなかったことであり、これはCSF流動が正常化していることを示している。
【0030】
結果:CTシステルノグラフィー
該水頭症マウスにおけるCSF流動の静止状態を調べるために、水頭症マウスのCTシステルノグラフィーを行った。図2は、造影剤を脳室内注入してから、30分、60分、90分および120分において撮影した像を示す。水頭症マウスおよび正常マウスからなる対を、造影剤の脳室内注入後に、コンピュータ断層撮影システルノグラフィー(CTC)によって検討した。正常なマウスにおいて、該造影剤は、30mm以内(矢印)の前頭部脳半球間溝を越えて流動し、また120分後には全身に循環され、全身が、該造影剤で十分に強調された。
【0031】
水頭症マウスにおいては、該造影剤は120分まで、該前頭部脳半球間溝内に留まっていた(矢印)。この脳室内注入された造影剤は、明らかに該水頭症マウスに注入してから少なくとも120分間、該脳半球間溝内に留まっていた。これらの結果は、髄膜内線維症が、hrTGF-β1-誘発性水頭症の主な原因であることを、強く示唆している。
【0032】
結果:冠状断面における脳室のサイズ
I. モデル1002注入ポンプを用いた14日間に渡るhrHGFの投与
5匹の水頭症マウス各々に、14日間、注入ポンプを用いて、30pgのhrHGFを投与した。MRIは、マウスの脳室サイズが、hrHGF投与前の10.7±2.5%から、該HGF投与後の4週目における7.4±2.1%まで低下したことを示し、有意差があった(p<0.013)。側部脳室の側壁は、内側に湾曲するようになり、該側部脳室の膨張した形状は、明らかに沈下した形状へと変化した。脳室サイズのこの減少傾向は、0.1%BSA-PBS溶液を注入した水頭症マウスと、明らかに相違していた(図3参照)。対照的に、脳室の拡張は、hrHGFの投与の無い水頭症マウスにおいて、継続していた。II. モデル1007D注入ポンプを用いた、7日間に渡るhrHGFの投与
別の5匹の水頭症マウス各々に、7日間、注入ポンプを用いて、30pgのhrHGFを投与した。マウスの脳室サイズは、hrHGF投与前は18.5±0.6%であったが、該HGF投与開始後の4週目には、15.3±2.9%まで低下した。脳室サイズは減少する傾向を示したが、有意差がなかった(p=0.085)。
【0034】
モデル1007D注入ポンプを用いて、0.1%BSA-PBS溶液を注入した擬似処置水頭症マウスの投与前および投与後の脳室サイズは、夫々13.8±5.0%および13.8±4.8%であった。この脳室サイズは、統計的には不変であったが、第二のMRIは、7匹中3匹のマウスにおいて、外科用バーの孔近傍における、皮下での流体集積を示した。該HGF-投与マウスにおいては、このような異常な流体集積は、見られなかった(表1)。
【0035】
結果:モリスの水中迷路テスト
6週間間隔で2回、0.1%BSA-PBSの注射を受けた、擬似処置された正常なマウスは、第一および第二迷路テストにおいて、四分一区画Aを認知するという有意な偏向を示した。該擬似処置された水頭症マウスは、何れのテストにおいても、あらゆる四分一区画の認知の偏向を示さなかった。14日間、浸透圧ポンプを使用して、hrHGFを投与した該水頭症マウスも、あらゆる四分一区画での認知の偏向を示さなかった。7日間、浸透圧ポンプを使用して、hrHGFを投与した該マウスはいずれも、HGF投与前には、四分一区画を認知するという偏向を示さず、また第二のテストでは、完全にその空間学習能を回復していた。図4は、同一のマウスに関する明白な認知を示し、また図5は、5匹のマウス全部の移動テスト結果を示す。
【0036】
図4に関し、該第二のテストは、ヒト組換え(hr)HGF投与の開始後4週間目に行ったものである。Aは、沈められたプラットフォームが最初に置かれていた該プールの四分一区画であり、B、CおよびDは、時計回りに、残る3つの四分一区画である。擬似処置された正常なマウスは、上記両テストにおいて、四分一区画Aにおける泳ぎの明確な偏向を示した。擬似処置された(0.1%BSA-PBSを注入)水頭症マウスは、その認知の連続的な四分一区画偏側性を示さなかった。hrHGF-投与した水頭症マウスは、該第二の移動テストにおいて、空間学習能を十分に回復した。
【0037】
図5に関し、これらのマウスを、プラットフォームの無いプール内で、60秒間泳がせた。これらのマウスが各四分一区画内での泳ぎに費やした時間を、スコアとして測定した。6週間間隔で2度、0.1%BSA-PBSを注入した、擬似処置された正常なマウスは、優れた空間学習能を示し、四分一区画Aでの認知の偏向は、2倍であった(n=5)。ヒト組換え(hr)HGFの代わりに、0.1%BSA-PBSを注入した擬似処置された水頭症マウスは、投与後4週目においても、依然として障害された空間学習能を有していた(n=5)。該hrHGF-投与した水頭症マウスは、明らかに空間学習能を回復した。
【0038】
【表1】
JP0004096033B2_000002t.gif

【0039】
結果:インク通過時間
マウスCSFは、主として篩骨孔を介して、鼻粘膜下のリンパ管に排液される。深部頚管リンパ節を露出した後に、黒色インク(10μl)を側部脳室に注入した。該インクの注入を開始した後に、このリンパ節が黒化するのに要する時間を、インクの通過時間として記録した。このインク通過時間は、未処置の正常なマウス(n=5)において1.6±0.7mmであり、6週間の間隔で2度、0.1%BSA-PBSを注入した擬似処置された正常なマウス(n=5)において1.4±0.2mmであった。これとは対照的に、インク通過時間は、7日間、注入ポンプを用いて0.1%BSA-PBSを注入した水頭症マウスにおいて20.3±12.1分であった(n=4)。この時間は、7日間、注入ポンプを用いてhrHGF投与した水頭症マウスにおいて1.8±1.1分であった(n=5)。擬似処置された水頭症マウスに関するインク通過時間は、他のマウスに関する通過時間よりも長く、統計的に有意差があった(p≦0.01)。インク通過時間は、hrHGF投与されたマウスにおいては、完全に正常化された(図6)。
【0040】
結果:組織学
HEで染色したインク注入マウスの髄膜は、擬似処置されたマウスとhrHGF-投与マウスとの間で、炭素粒子の分布パターンにおける見掛け上の差を示した。擬似処置された水頭症マウスの頚動脈近傍の髄膜は、該髄膜内側におけるカーボンブラックの局在化を明らかに示した(図7A)。対照的に、hrHGF-投与した水頭症マウスにおける同様な領域由来の髄膜は、髄膜層全体に渡る黒色インクの広範な分布を示した(図7B)。
【0041】
該マロリ-アザン染色は、hrHGF-投与水頭症マウスと、0.1%BSA-PBS-投与水頭症マウスとの間で差を示した。図7C、Dは、夫々擬似処置されたおよびhrHGF-投与水頭症マウスの脳幹を包囲する髄膜を示す。図7Cは、このマロリ-アザン染色が、hrHGF-投与水頭症マウスと比較して、水頭症マウス脳幹の周りに、繊維状髄膜があることを明らかにしている。該hrHGF-投与した水頭症マウスは、該髄膜におけるコラーゲン線維の明らかな減少を示した(図7D)。該髄膜内のコラーゲン組織は、該擬似処置された水頭症マウスにおけるよりも、hrHGF-投与マウスにおいて明らかに薄かった。図7E、Fはこのコラーゲン組織を拡大した像である。
【0042】
図8Aは、インク注入テスト後の、電子顕微鏡レベルにおける、正常なマウス髄膜細胞を示す。これらの髄膜細胞は、細い細胞質突起を有しており、これらは該髄膜において層状構造を形成していた。多数の炭素粒子が、髄膜内細胞空間で観察された。これら炭素粒子の幾分かは、この空間内へ移動するマクロファージによって貪食された。この電子顕微鏡による検査も、このインクテスト後に、hrHGF-投与した水頭症マウスと、擬似処置された水頭症マウスとの間で差を示した。図8Bは、擬似処置された水頭症マウスから得た髄膜を示す。該髄膜組織の細胞充実性において、見かけ上の増加があり、細胞間空間は、これら髄膜には存在せず、またインク粒子の検出は困難であった。これとは対照的に、hrHGF-投与した水頭症マウスから得た髄膜は、擬似処置された正常なマウスのものと極めて類似する髄膜細胞の層状構造を示し、多くの炭素粒子が、髄膜内細胞空間中で観察された(図8C)。
【産業上の利用可能性】
【0043】
これらの結果からすると、ヒト水頭症に対し、組換えHGFによる治療の臨床試験やそれの開発にとって有用であると思われる。
【0044】
以上、本発明を、添付図面を参照しつつ、本発明の好ましい態様に関連して説明してきたが、その様々な変更並びに改良が、当業者にとって明らかであることに注意すべきである。このような変更並びに改良は、特許請求の範囲を逸脱しない限り、ここに規定されている本発明の範囲内に入るものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、ヒト組換え(hr)TGF-β1-注入マウスの磁気共鳴イメージング、即ちMRIによる脳の像を示すものである。

【0046】
【図2】図2は、正常なおよび水頭症罹患マウスにおける脳室内注射した造影剤の代謝回転を示す。

【0047】
【図3】図3は、ヒト組換え(hr)HGFが投与され、または投与されていない水頭症マウスの脳の冠状断面のT2強調画像を示す。

【0048】
【図4】図4は、モリスの水中迷路の実験に用いた形態、およびこの移動テストにおける各マウスの明らかな認知の状態を示す。

【0049】
【図5】図5は、7日間、浸透圧注入ポンプを使用して、(hr)HGFを投与した5匹の水頭症を罹っているマウスに関する移動テストの結果を示す。(A)は、プラットフォームを配置した四分一区画であり、また時計回りに進む残りの四分一区画は、夫々(B)、(C)および(D)である。

【0050】
【図6】図6は、様々な群:即ち未処理の正常なマウス(n=5);擬似処置された(0.1%BSA-PBSを注入)マウス(n=5);7日間浸透圧注入ポンプを用いて、0.1%BSA-PBSを注入した、水頭症罹患マウス(n=4);7日間注入ポンプを用いて、ヒト組換えHGFを投与した水頭症罹患マウス(n=5)を横切るインクの通過時間を示すヒストグラムである。

【0051】
【図7】図7は、水頭症罹患マウスにおける、染色された髄膜を示す。(A) 擬似処置された水頭症罹患マウス髄膜のヘマトキシリン-エオシン(HE)染色;(B) (hr)-HGF-投与水頭症罹患マウス髄膜のHE染色;(C) マロリ-アザン染色は、hrHGF-投与水頭症罹患マウスと比較すると、水頭症罹患マウスの脳幹周辺部における線維性の髄膜を示した。(D) hrHGF-投与水頭症罹患マウスは、該髄膜におけるコラーゲン線維の明らかな減少を示す。(E,F) 該脳幹における髄膜線維症の拡大図(夫々、C,D)である。

【0052】
【図8】図8は、インク通過テスト後の、電子顕微鏡観察像を示す図である。(A) 擬似処置された正常なマウスの髄膜;(B) 水頭症罹患マウスの髄膜;(C) hrHGF-投与水頭症罹患マウスの髄膜のものである。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7