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明細書 :電動車椅子の方向操作用の操作装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4512702号 (P4512702)
公開番号 特開2010-069220 (P2010-069220A)
登録日 平成22年5月21日(2010.5.21)
発行日 平成22年7月28日(2010.7.28)
公開日 平成22年4月2日(2010.4.2)
発明の名称または考案の名称 電動車椅子の方向操作用の操作装置
国際特許分類 A61G   5/04        (2006.01)
A61G   5/02        (2006.01)
FI A61G 5/04 504
A61G 5/04 502
A61G 5/02 508
請求項の数または発明の数 8
全頁数 11
出願番号 特願2008-242633 (P2008-242633)
出願日 平成20年9月22日(2008.9.22)
審査請求日 平成21年9月25日(2009.9.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591282205
【氏名又は名称】島根県
発明者または考案者 【氏名】米田 和彦
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100081673、【弁理士】、【氏名又は名称】河野 誠
審査官 【審査官】山口 賢一
参考文献・文献 特開平05-170004(JP,A)
特開2008-213802(JP,A)
特許第3663916(JP,B2)
特開2007-283089(JP,A)
調査した分野 A61G 5/04
A61G 5/02
特許請求の範囲 【請求項1】
電動走行する車椅子(2)のフットレスト(2a)上に取付けて設けられ、上下方向の回動支点軸(34)を回動支点とした左右水平方向に回動操作される足載せ台(3)と、該足載せ台(3)の回動操作方向と操作量に応じて車椅子(2)の操向を制御出力する制御装置と、該制御装置の制御出力により駆動制御されるモータその他のアクチュエータとを備えた電動車椅子の方向操作用の操作装置において、上記足載せ台(3)の回動中心を足載せ台(3)に載せられる使用者の足の踵部側に設け、足載せ台(3)に載せた足の踵を支点にして爪先側を左右水平方向に回動させることにより足載せ台(3)を回動操作するとともにその回動角に応じて操向する機構とした電動車椅子の方向操作用の操作装置。
【請求項2】
足載せ台(3)の爪先側の両側に足載せ台(3)に対する足の左右水平方向の回動操作時の横移動を規制する規制部材(62)を上方に突出させて設けた請求項1の電動車椅子の方向操作用の操作装置。
【請求項3】
規制部材(62)の左右幅を足の爪先側の足幅に応じて調節可能に構成した請求項1又は2の電動車椅子の方向操作用の操作装置。
【請求項4】
足載せ台(3)の踵部側に足の踵側周面を当接する踵当て(32)を設け、爪先側に足の爪先側を当接する爪先当て(29)を設けた請求項1又は2又は3の電動車椅子の方向操作用の操作装置。
【請求項5】
足載せ台(3)を、踵部側を中心に左右方向に回動する左右操作体(28)と、前部で左右操作体(28)の上面に前後方向に移動調節可能に設けられ、規制部材(62)と爪先当て(29)とを備えた足調節プレート(31)とによって構成する請求項1又は2又は3又は4の電動車椅子の方向操作用の操作装置。
【請求項6】
足載せ台(3)の下方に、左右方向にスライド駆動されることにより制御装置に対して左右の移動方向の入力をし、前後方向にスライド駆動されることにより前後進入力を行う入力部(6)を備えた操作ユニット(1a)と、該操作ユニット(1a)を下面側に固定的に取付けるベースプレート(7)と、該ベースプレート(7)上にベースプレート(7)に対する左右水平方向の回動の規制を受けながら前後方向スライド移動自在に取付けられ上記入力部(6)を前後方向に駆動させる前後操作体(27)と、該前後操作体(27)上に前後操作体(27)に対する前後方向の移動を規制されて所定範囲内で左右回動可能に支持され、左右回動によって入力部(6)を左右方向に駆動させる左右操作体(28)とを重ね合わせて配置してなる請求項1又は2又は3又は4又は5の電動車椅子の方向操作用の操作装置。
【請求項7】
足載せ台(3)を弾力的に左右方向及び前後方向の中立位置に保持するスプリング(48)を前後操作体(27)に設けた左右復帰ガイド溝(44)内に収容して設けた請求項6の電動車椅子の方向操作用の操作装置。
【請求項8】
足載せ台(3)を弾力的に前後方向の中立位置に保持させる復帰スプリング(48),(47)を、前後操作体(27)に穿設した復帰ガイド溝(44),(37)内に収容して設けた請求項6又は7の電動車椅子の方向操作用の操作装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、足載せ台を平面的に方向操作する電動車椅子の方向操作用の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動走行型車椅子のフットレスト部に装着され、二次元方向に駆動操作される足載せ台と、該足載せ台の操作方向と操作量に応じて制御出力する制御装置と、該制御装置の制御出力により移動方向と移動速度又は移動量を駆動制御されるモータその他のアクチュエータ等を備えた方向操作用の操作装置(方向操作装置)が公知である(例えば特許文献1)。
上記方向操作装置の足載せ台は、足の踵を位置決めする踵ストッパ(踵当て)と、足先を位置決めする足先ストッパ(爪先当て)の間隔を調節し、使用者毎に異なる足を大きさに合わせて固定することができ、方向操作時に踵ストッパと足先ストッパにより足の滑り外れを防止することができる構成となっている。

【特許文献1】特開2007-283089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1による方向操作装置は、使用者が定位置に居ながら片足を前後左右に動かすとき、足の二次元方向の移動を踵ストッパと足先ストッパにより規制することができる利点がある一方、足載せ台のX軸方向の移動はY軸方向と直交する真横に足を動かして操作する機構であるため、特に車椅子の方向操作において、足が弱く又は足に障害のある使用者にとって足載せ台を真横に往復操作することに困難を伴うものであった。また足載せ台の横移動によって車椅子の操向(旋回)角を決めて旋回させるため、足載せ台の操作感と操向の応答性に不一致感を伴い正確な旋回操作が困難である。
また足先ストッパを単に足先に沿って湾曲させた構造の足載せ台は、車椅子をその場で急旋回させたり足載せ台を前後左右に素早く動かし咄嗟に方向変更をする際に、爪先が足先ストッパから離脱し易いため、特に筋力が低下している使用者にとってスムーズな操作ができなかったり、足操作の負担を増大させる等の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための電動車椅子の方向操作用の操作装置は、第1に、電動走行する車椅子2のフットレスト2a上に取付けて設けられ、上下方向の回動支点軸34を回動支点とした左右水平方向に回動操作される足載せ台3と、該足載せ台3の回動操作方向と操作量に応じて車椅子2の操向を制御出力する制御装置と、該制御装置の制御出力により駆動制御されるモータその他のアクチュエータとを備えた電動車椅子の方向操作用の操作装置において、上記足載せ台3の回動中心を足載せ台3に載せられる使用者の足の踵部側に設け、足載せ台3に載せた足の踵を支点にして爪先側を左右水平方向に回動させることにより足載せ台3を回動操作するとともにその回動角に応じて操向する機構としたことを特徴としている。
【0005】
第2に、足載せ台3の爪先側の両側に足載せ台3に対する足の左右水平方向の回動操作時の横移動を規制する規制部材62を上方に突出させて設けたことを特徴としている。
【0006】
第3に、規制部材62の左右幅を足の爪先側の足幅に応じて調節可能に構成したことを特徴としている。
【0007】
に、足載せ台3の踵部側に足の踵側周面を当接する踵当て32を設け、爪先側に足の爪先側を当接する爪先当て29を設けたことを特徴としている。
【0008】
に、足載せ台3を、踵部側を中心に左右方向に回動する左右操作体28と、前部で左右操作体28の上面に前後方向に移動調節可能に設けられ、規制部材62と爪先当て29とを備えた足調節プレート31とによって構成することを特徴としている。
【0009】
に、足載せ台3の下方に、左右方向にスライド駆動されることにより制御装置に対して左右の移動方向の入力をし、前後方向にスライド駆動されることにより前後進入力を行う入力部6を備えた操作ユニット1aと、該操作ユニット1aを下面側に固定的に取付けるベースプレート7と、該ベースプレート7上にベースプレート7に対する左右水平方向の回動の規制を受けながら前後方向スライド移動自在に取付けられ上記入力部6を前後方向に駆動させる前後操作体27と、該前後操作体27上に前後操作体27に対する前後方向の移動を規制されて所定範囲内で左右回動可能に支持され、左右回動によって入力部6を左右方向に駆動させる左右操作体28とを重ね合わせて配置してなることを特徴としている。
【0010】
に、載せ台3を弾力的に左右方向及び前後方向の中立位置に保持するスプリング48を前後操作体27に設けた左右復帰ガイド溝44内に収容して設けたことを特徴としている。
【0011】
に、載せ台3を弾力的に前後方向の中立位置に保持させる復帰スプリング48,47を、前後操作体27に穿設した復帰ガイド溝44,37内に収容して設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は次のような効果を奏することができる。足載せ台に載せた足を回動させて足載せ台を回動操作する機構にしたことにより、足載せ台を左右方向の移動で操作するものに比して操作がし易くなるので、足の力の弱い使用者でも誤操作を防止した操作を行うことができる。また足載せ台の回動角に応じて操向(旋回)角が決まるので操作感と操向の応答性を一致させ易い。
【0013】
足載せ台の回動中心を足の踵部側に設けたことにより、踵を支点に爪先側の左右回動を楽に行うことができるので、足載せ台の回動操作を容易にすることができる。
【0014】
足載せ台の両側に足の横移動を規制する規制部材を設けたことにより、左右に回動移動させると足載せ台に対する足の横移動を規制することができるので、方向操作を正確に行うことができる。
【0015】
規制部材の左右幅を調節自在にしたことにより、足載せ台に使用者の足幅に応じて確実に位置決めすることができ、足の横移動を規制することができる。
【0016】
規制部材を足載せ台に前後調節自在に設けることにより、使用者毎に異なる足の大きさに応じ足載せ台に位置決め固定することができる。
【0017】
足載せ台の後部に踵当てを設けたことにより、足の踵の位置を保持し、踵を支点とする爪先側の回動が容易となり、足載せ台の回動操作を楽に行うことができる。
【0018】
足載せ台を左右操作体と踵当てと足調節プレートと爪先当て等によって構成することにより、踵を踵当てに当てた状態で足調節プレートを介して前後移動させて爪先に爪先当てを簡単に位置決めすることができる。また爪先当てを足調節プレートを介して安定よく支持することができる。
【0019】
回動方向の移動を規制して前後移動自在に支持する前後操作体と、前後左右の移動を規制し回動自在に支持する足載せ台を、ベースプレートに重ねて設けることにより、方向操作装置を上下高さを抑制しコンパクト纏めることができ、また操作ユニットの入力軸に連携させることが容易になり方向操作装置を簡単な構成にすることができる。
【0020】
足載せ台を弾力的に中立位置に保持することにより、足載せ台は足による回動を解除したとき弾力によって中立位置に自動的に復帰するので中立方向の復帰操作を楽に行うことができる。
【0021】
回動方向の移動を規制した前後操作体に穿設した左右復帰ガイド溝内に復帰スプリングを設けることにより、足載せ台の中立位置復帰を復帰スプリングを外部に露出させることなく簡単な構造にすることができると共に、前後操作体を介して中立位置への復帰をスムーズに行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1において符号1は、走行車両の一例として示す電動走行型の車椅子2であり、本発明に係わる足載せ台3を備えた方向操作装置(操作装置)を設置している。この方向操作装置1は操作ユニット1aを有し後述する取付手段によってフットレスト部2aに装着される。そして、足載せ台3を左右回動と前後作動並びにその複合方向に操作することにより、図示しないマイコンを備えた制御装置(コントロールボックス)及び電動モータ(アクチュエータ)と電気的に接続する、上記操作ユニット1aを介し車椅子2の操向操作を次のように行うことができる。
【0023】
即ち、車椅子2に着座した使用者が足によって、足載せ台3を前後方向(Y軸方向)に操作すると、車輪4,4が正逆回転され前後方向と操作量に基づく速度を変更自在に入力することができる。また足載せ台3を左右回動方向(X軸方向)に操作すると、旋回方向及び操作量に基づく速度を入力することができる。この場合操作ユニット1aが車輪4,4を制御回転させる制御手段は、従来のものと同様に、操作部材3がY軸方向に操作される平面的な移動操作量に比例して前後進速度を高低変換変速することができ、また速度の高低変速制御の設定は任意に変更することができる構成にしている。そして、X,Y軸方向(二次元方向)にそれぞれ独立的に動かすことができ、且つ組み合わせることによって任意の方向に移動でき、また規制装置の設定によりY成分なしにX軸方向に動かすことによって左右の車輪4,4が逆転してその場で旋回することもできる。
【0024】
操作ユニット1aは、足載せ台3の操作に基づきY軸方向にスライド移動可能なY軸操作手段と、Y軸操作手段を介しX軸方向にスライド移動(実施形態では回動移動)可能なX軸操作手段とを入力軸(入力部)6に係合させている。そして、Y軸操作手段とX軸操作手段の操作によるY軸とX軸の方向(二次元方向)及びスライド量(移動量)を検出する検出手段としての検出器を備え、各検出器の検出値をコントロールボックスに送り、該コントロールボックスの制御によって電動モータを介し車輪4,4を回転制御するようにしている。図示例の操作ユニット1aは、足載せ台3を載置するベース部となる左右方向断面で下向きコ字状断面のベースプレート7に内装状態で設置しており、該ベースプレート7に穿設した入力孔8から入力軸6を上方に向けて突出させている。
【0025】
上記入力孔8は操作ユニット1aの上面に突設された正方形又は長方形等の矩形の規制枠8aを下側より嵌合した状態で操作ユニット1aを位置決めするものである。そして規制枠8a自体はその内周面のエリア範囲内で入力軸6のXY方向の2次元的な移動を許容し且つこの範囲の移動により、車椅子等の操作対象の前後進及び左右方向の操向(旋回)量を決める。
【0026】
次に上記各部の構成について詳細に説明する。先ず図示例の車椅子2は一般的な自走式の車椅子に対し、方向操作装置1とコントロールボックスと電動モータを後付け作業によって設置することができ、左右の車輪4及びキャスター4aを有するシャーシフレーム9に座席10を設けている。座席10の後方左右に立設されるハンドル杆11,11の中途部には、座席10のアームレスト10aを形成すると共に、前側で下向きに屈曲させてキャスター4aを装着した縦フレーム12,12を接続している。
【0027】
フットレスト部2aは、左右の縦フレーム12から前側に向けて延設されるレッグパイプ13の下部に、フットレスト15をジョイント部16を介し足載せ角度調節及び姿勢切換な構成によって取付けている。図示例のジョイント部16は、フットレスト15を上下方向に回動可能に支持する縦軸17と、フットレスト15を前後方向に回動調節可能に支持する横軸19から構成される。これによりフットレスト15は、縦軸17を中心に略水平姿勢となる足載せ姿勢と、上方に回動退避させた非足載せ姿勢の切り換えを行うことができ、また足載せ姿勢において横軸19を中心に前後方向の傾斜を調節して使用することができる。
【0028】
この実施形態では右側のフットレスト部2aを、図1で示すようにレッグパイプ13の下部に設けたジョイント部16に方向操作装置1を設けることにより、フットレストと操縦部を兼用する構成にしている。
上記方向操作装置1の装着手段は、方向操作装置1を取付固定する取付座(基材)21を、前記縦軸17に枢支される取付ベース22に載置した状態で、取付座21に穿設した長孔23に複数のボルト24によって前後方向に位置調節及び着脱自在に取付けている。
【0029】
次に図2~図4を参照し足載せ台3及び方向操作装置1について説明する。先ず足載せ台3は、前記取付座21に取付固定されるベースプレート7の上に、前後移動自在に取付ける前後操作体27と、該前後操作体27の上で左右回動自在に取付けられる左右操作体28を上下に重ね、該左右操作体28上面に、爪先当て29を上面先端に取付けた足調節プレート31と踵当て32をそれぞれ取付けて設けた構成にしている。これにより左右操作体28上に載せる足を位置決め規制し、足の前後及び左右回動の動作に基づく足載せ台3の操作を、前後左右の滑りを防止しベースプレート7から突出する操作ユニット1aの入力軸6に伝えるようにしている。
【0030】
上記ベースプレート7は、内側に操作ユニット1aを取付固定した状態で入力孔8から、所定長さの入力軸6をベースプレート7の左右幅の中心に突出させている。また幅中心線上で入力孔8の前後には、後述する前後操作体27の下面前部に突設したガイドピン33と、左右操作体28の下面後部に突設した回動支点軸34と前後操作体27の下面に突設したガイドピン33とを、それぞれスライド自在に挿入させるガイド溝35,36を穿設している。この機構により前後操作体27はベースプレート7に対して前後方向の移動をガイドされ且つ移動量を規制される。またベースプレート7はガイド溝36の両側に、前後操作体27の後部左右で前後方向平行状に穿設した前後復帰ガイド溝37に挿入させる、前後復帰ピン38を突設している。
【0031】
このベースプレート7は、ブロック体状の補強フレーム39を下面の前後で横方向に接合しており、ベースプレート7を補強し取付けを行い易くする。
【0032】
前後操作体27は、肉厚なプレートの中央部に前記入力軸6を挿入し左右方向にスライド自在とする横長孔42を穿設し、且つ後部の左右に穿設した前後復帰ガイド溝37の前後長さの中央部位中間に、前記回動支点軸34を挿入する軸支孔43を設け、横長孔42とガイドピン33との間に左右復帰ガイド溝44を穿設している。この左右復帰ガイド溝44は軸支孔43を中心とする円弧状長孔で穿設され、その溝内に後述する左右操作体28の下面に突設した左右ガイドピン46をスライド自在に挿入する構成としている。
【0033】
そして、上記左右の前後復帰ガイド溝37内には、それぞれコイル状スプリングからなる復帰スプリング47が前後で対をなすように内装され、両スプリングの対向端で前後復帰ガイド溝37内に挿入される前後復帰ピン38を、バランスよく挟持し押圧するようにしている。
これによりガイドピン33と回動支点軸34を、それぞれガイド溝35,36に挿入した組付け状態において、前後操作体27は前後一対の復帰スプリング47によって前後方向の中立位置を保持すると共に、足の前後方向操作で前後操作体27を復帰スプリング47に抗して前後に移動させることができ、この操作力が解除されると元の中立位置へ復帰させることができる。
【0034】
また左右復帰ガイド溝44には左右一対の復帰スプリング48を内装させ、両者の対向端で左右復帰ガイド溝44内に挿入される左右ガイドピン46を、両スプリングの対向端でバランスよく挟持し押圧している。
これにより左右操作体28は、左右一対の復帰スプリング48によって左右中立位置を保持すると共に、足の操作で左右操作体28が回動支点軸34を中心に復帰スプリング48に抗して左右回動させることができ、この操作力が解除されると元の中立位置へスムーズに復帰させることができる。
【0035】
また上記構成において復帰スプリング47と復帰スプリング48は、いずれも前後操作体27の板厚より小径なコイルスプリングとなし、足載せ台3を弾力的に中立位置に保持させるので、復帰スプリング48を外部に露出させることなく簡単な復帰構造にすることができ、また入力軸6の中立位置への復帰をスムーズに行わせることができる等の利点がある。
【0036】
そして、前後操作体27は前部と後部を幅狭となし、左右操作体28が左右回動した際に前後左右のコーナー部の露出を防止している。また前後操作体27の前端部は、回動支点軸34を中心とする円弧状となし、この円弧面に板圧の中程下部を円弧状に切欠した段部を形成することにより、左右操作体28との係合部49を設けている。
この係合部49は、左右操作体28の前部中心に設けられるフック状の係合片51を円弧方向にスライド可能に係合することができ、前後操作体27との離脱を防止する。
【0037】
左右操作体28は、前記ベースプレート7と略等しい平行状の幅を有するプレートからなり、幅狭に形成した後部(踵載せ位置)側に回動支点軸34を設けており、該回動支点軸34を軸支孔43とガイド溝36に挿入した組付け状態において、前部と後部を前後操作体27及びベースプレート7より長く形成している。
【0038】
また左右操作体28の中央部には、前記入力軸6を挿入させる縦長孔52を前後方向に穿設しており、該縦長孔52の前後方向に左右ガイドピン46と回動支点軸34を配置して、縦長孔52の両側に足調節プレート31を前後位置調節自在に取付るねじ53のねじ孔54を設けている。
また左右操作体28は前端部に設けられる前記係合片51の後方両側で下面に、前後操作体27の幅狭な前部両側に接当させる係合ピン56を突設している。この機構により前後操作体27に対する左右操作体28の左右回動量が規定される。また左右操作体28の後端部に、踵当て32を取付ける複数の取付孔57を穿設している。
【0039】
足調節プレート31は、プレートの両側を屈曲し下向きコ字状に形成しており、左右操作体28に上方からスライド自在に嵌合することができ、後部側に左右操作体28の縦長孔52に合致する縦溝58と、前記ねじ孔54に合致する長孔からなる左右の足長調節孔59を穿設している。また前端部には爪先当て29を取付ける複数の取付孔61を穿設している。
【0040】
そして、左右操作体28は足載せ台3を次のように構成することができる。即ち、左右操作体28は、後端部に取付孔57を介し踵当て32を取付けて立設すると共に、爪先当て29を取付けた足調節プレート31を嵌合し足の大きさ(足裏長さ)に応じ前後移動させることができ、また左右の足長調節孔59に挿入したねじ53を締着し足調節プレート31を安定よく固定することができる。
【0041】
上記爪先当て29は平面視で爪先に沿う円弧状となし側面視で逆コ字状断面に形成されており、コ字状の内部に足載せ台3の両側に足の横移動を規制する平面視L字形をなす一対の規制部材(足幅アジャスタ)62の一辺同士を前後に重ね合わせ、左右方向の長孔からなるガイド孔60に調節ねじ63を挿通して取付けている。規制部材62は平面視コ字形に組付けられ、ガイド孔60と調節ねじ63により、左右幅をスライド調節可能な構成となっている。そして、足載せ台3は足調節プレート31に足載せマット64を貼着し、左右操作体28の後部に踵部マット66を貼着している。
【0042】
上記規制部材62は左右の規制片を、足幅方向に拡縮移動させ調節ねじ63によって締着することにより、足の両側に位置決めすることができる。これにより足を足載せ台3に載せて左右に回動移動させるとき、規制部材62は足の横移動を規制し滑りを防止するので、方向操作を正確に行うことができる。尚、規制部材62は上記構成に限ることなく、足載せ台3に対し足の甲部分を固定するバンドによる規制手段や、足載せ台3に予め靴体を取付固定した規制手段にすることができる。
【0043】
次に方向操作装置1の組立ての態様及び使用例について説明する。先ずベースプレート7は既述したように下面に操作ユニット1aを設け、入力孔8から入力軸6を突出した状態で、上面に前後操作体27がセットされる。このとき前後操作体27は横長孔42に入力軸6が挿入され、左右の前後復帰ガイド溝37には中立ピン38を挿入した状態で、該中立ピン38の前後に復帰スプリング47をセットし、復帰ガイド溝44内に復帰スプリング48が左右に挿入される。またガイドピン33はガイド溝35に挿入する。
【0044】
次いで左右操作体28を前後操作体27の上に重ね合わせる。このとき回動支点軸34は下方の軸支孔43とガイド溝36に挿入し、且つ縦長孔52に入力軸6が挿入され、左右ガイドピン46は左右復帰ガイド溝44に挿入した状態で前記左右の復帰スプリング48の間に挿入する。
そして、左右操作体28は前部両側に突設した係合ピン56を前後操作体27の両側に置き、係合片51を前後操作体27の係合部49に係合させると共に、後部でベースプレート7のガイド溝36に突出した回動支点軸34に抜け止め手段を設ける。
【0045】
これにより方向操作装置1は、左右操作体28と前後操作体27をベースプレート7に平面的に重ねることができ、高さを低く抑制しコンパクトに纏めた構成にすると共に、足載せ台3をベースプレート7に、回動方向の移動を規制して前後移動自在に支持される前後操作体27に対し、前後左右の移動を規制し回動自在に支持することができる。また足載せ台3と前後操作体27を共に1つの入力軸6に連携させることができて、方向操作装置1を簡単で廉価な構成にすることができる。
【0046】
以上のように構成される方向操作装置1を備えた車椅子2は、二次元方向に駆動操作される足載せ台3の操作方向と操作量に応じて制御出力する制御装置の制御出力により電動モータ(アクチュエータ)を介し車輪4を駆動制御し、足載せ台3に載せた足を回動させて足載せ台3を回動操作する機構にしているので、足載せ台3を真横に移動させて左右方向の操作する従来方式に比べ、足載せ台3の回動を小さな力で操作を行い易くする。
従って、足の力の弱い使用者でも楽に操作し誤操作を防止することができる。また足載せ台3の回動角に応じて操向(旋回)角が決まるので、操作感と操向の応答性が一致して運転を行い易くすることができる。
【0047】
また足載せ台3の回動中心を運転姿勢において足の重量が掛けやすい足の踵部側に設けた方向操作装置1は、踵を支点に爪先側を左右回動することが容易であり、足載せ台3の回動操作を楽に行うことができる。また足載せ台3は弾力的に中立位置に保持する機構にしているため、足による回動を解除したとき弾力によって中立位置に自動的に復帰するので中立方向の復帰操作を楽にすることができる。
尚、身体の事情や操作対象の都合によっては、爪先側に回動支点軸34を設け爪先を支点に踵側を回動させて操向を行う機構にすることもできる。
【0048】
さらに、足載せ台3は両側に足の横移動を規制する規制部材62を設けているので、左右に回動移動させると足載せ台3に対する足の横移動を規制することができ、方向操作を正確に行うことができる。従って、例えば使用者が滑り易い靴を履いた足を足載せ台3に載せて方向操作した場合でも、足の滑り外れを防止するので操作を確実に行うことができる。また足載せ台を前後左右に素早く動かしたり、咄嗟に方向変更をする際にも、足載せ台3から足の外れ防止をするので操作性を向上させることができる。
【0049】
尚、この実施形態では車椅子用の方向操作装置1として、足載せ台3及び前後操作体27の作動をベースプレート7側の入力軸6を介して制御装置に入力するようにしたが、足載せ台3はその作動方向及び作動量を、角度センサ(図示しない)やリニアポテンショメータその他変位計によるアナログ検出、或いはリニアエンコーダー, ロータリーエンコーダーや光学的な読み取り検出によるデジタル出力によって、電動モータの作動制御を行うことができる。
【0050】
また方向操作装置1は、車椅子2の他に農業機械,建設機械,娯楽用車両等の低速で移動する車両用の操向操作装置として広く利用することができる。この他に足載せ台3の操作によって、油圧機器やゲーム機器及び各種スイッチ類の選択装置等の各種アクチュエータ、並びに画像の動作制御や設定等を足操作するリモートコントローラ等にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係わる方向操作装置を備えた車椅子の全体を示す斜視図である。
【図2】図1の方向操作装置の平面図である。
【図3】図2の分解斜視図である。
【図4】図3の要部の構成を示す分解側断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 方向操作装置
1a 操作ユニット
2 車椅子
3 足載せ台
6 入力部(軸)
7 ベースプレート
27 前後操作体
28 左右操作体
29 爪先当て
31 足調節プレート
32 踵当て
37,44 復帰ガイド溝
47,48 復帰スプリング
62 規制部材
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3