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明細書 :3次元複合材継ぎ手

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4238311号 (P4238311)
公開番号 特開2004-196157 (P2004-196157A)
登録日 平成21年1月9日(2009.1.9)
発行日 平成21年3月18日(2009.3.18)
公開日 平成16年7月15日(2004.7.15)
発明の名称または考案の名称 3次元複合材継ぎ手
国際特許分類 B64C   1/26        (2006.01)
FI B64C 1/26
請求項の数または発明の数 9
全頁数 10
出願番号 特願2002-368307 (P2002-368307)
出願日 平成14年12月19日(2002.12.19)
審判番号 不服 2006-022343(P2006-022343/J1)
審査請求日 平成14年12月19日(2002.12.19)
審判請求日 平成18年10月4日(2006.10.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛省技術研究本部長
発明者または考案者 【氏名】伊藤 真
【氏名】三宅 司朗
【氏名】月ヶ瀬 元美
【氏名】田中 豊己
【氏名】西山 茂
個別代理人の代理人 【識別番号】100067323、【弁理士】、【氏名又は名称】西村 教光
参考文献・文献 特開平7-156888(JP,A)
米国特許第4673606(US,A)
実開昭58-91019(JP,U)
特開昭63-92810(JP,A)
特開平8-326733(JP,A)
調査した分野 B64C 1/26
B32B 1/00- 7/14
特許請求の範囲 【請求項1】
面内強化繊維が配された層が重なり合う多層構造を具え、
前記多層構造は、
第1層と、
前記第1層の上面側で前記第1層に対して積層される第2層と、
前記第2層の上面側で前記第2層に対して積層される第3層とを備え、
前記第3層は接合対象の接合面に対して傾斜し、
前記多層構造は前記接合対象に締付軸で締め付けられて結合され、
前記多層構造には重なり方向に穴が開けられ、
前記締付軸は、
前記穴に通る軸部分と、
前記接合対象に結合する結合部分と、
前記第3層の上面であるテーパ面に接合する接合斜面を持つ頭部分とを備え、
前記第3層は前記第2層の先端まで届き、前記第2層は前記第1層の先端まで届いている3次元複合材継ぎ手。
【請求項2】
面外強化繊維が更に配され、前記面外強化繊維は前記第1層から前記第3層まで延びている請求項記載の3次元複合材継ぎ手。
【請求項3】
前記面外強化繊維はモノフィラメントである請求項記載の3次元複合材継ぎ手。
【請求項4】
前記面内強化繊維はモノフィラメントである請求項記載の3次元複合材継ぎ手。
【請求項5】
前記多層構造は前記接合対象に締付軸で締め付けられて結合される請求項1~から選択される1請求項記載の3次元複合材継ぎ手。
【請求項6】
前記第3層は前記第2層を全面的に被覆し、前記第2層は前記第1層を全面的に被覆している請求項1~から選択される1請求項記載の3次元複合材継ぎ手。
【請求項7】
面外強化繊維が更に配され、前記面外強化繊維は前記第1層から前記第3層まで延びている請求項記載の3次元複合材継ぎ手。
【請求項8】
前記多層構造は、前記接合面に対して傾斜する基準対称面に対して対称である部分構造を有する請求項1~から選択される1請求項記載の3次元複合材継ぎ手。
【請求項9】
前記接合対象は航空機の主翼である請求項1~から選択される1請求項記載の3次元複合材継ぎ手。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元複合材継ぎ手に関し、特に、航空機の主翼のような接合対象に対する結合の強度を強化する3次元複合材継ぎ手に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機の構造に複合材が適用されて久しい。複合材として、FRPがしばしば用いられる。炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維のような繊維で強化された複合材は、航空機の主翼のような高強度が要求される構造体に広く用いられている。その優れた物性は、航空機の翼胴結合構造のようなフィッティングに利用されることが期待される。
【0003】
航空機の主翼と胴体は、フィッティングにより結合される。3次元複合材フィッティングは、特開平7-40895号、特開平7-156888号で知られているように、面内強化遷移が複数層に積層されて構造化された多層構造を有し、テンションボルト荷重をラウンド形状により分散して局所的に集中しない応力分散性とを持ち、且つ、軽量である構造を有している。
【0004】
図8と図9は、そのような3次元複合材フィッティングの継ぎ手部の製造方法を示している。継ぎ手部101は、面内強化繊維102が多層に形成されて多層構造化されている。このように多層化された多層形成体103は、断面上で、実線と1点鎖線で囲まれる長方形に現れる。次に、翼端側に向かってその厚みが薄くなって、切断面104が基底面105に対して傾斜する斜面になるように加工される。この結果、継ぎ手部101は、胴側の結合付け根部位の厚みaが翼端側部位の厚みbより大きくなる。テーパ加工により、面内強化繊維が継ぎ手部の途中で削り落とされ、その繊維にかかる負荷は層間せん断に切り替わって、より下層に伝達される。
【0005】
切断面104の側に、ボルト座ぐり穴106が加工され、更に、ボルト座繰り穴106の座ぐり面から底面105に届くボルト穴107が加工される。ボルト穴107にボルトが通され、ボルトの先端側部位は主翼と結合され、ボルト頭はボルト座ぐり穴106の座ぐり面に圧着する。ボルト座ぐり穴106の座ぐり面は、面内強化繊維積層面と平行であるため、負荷を伝達するせん断面積を狭めている。更に、座ぐり面が断面上で直角に現れる座ぐり穴形状は、座ぐり穴の周囲に対する応力の集中を誘発する。
【0006】
このように、公知の3次元複合材継ぎ手構造は、強度が低い層間せん断強度依存率が高く、強度を向上させる点で障害を含んでいる。繊維の3次元構造配置のみによらずに、3次元目の補強が重要である。
【0007】
局所的応力集中を効果的に抑制することが求められ、特に、層間せん断応力集中部を持たないことが求められる。機械加工工程数の削減が次に求められる。材料費の低減化が更に求められる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、局所的応力集中をより効果的に抑制することができ繊維の3次元構造配置のみによらずに3次元目の強力な補強が可能である3次元複合材継ぎ手を提供することにある。
本発明の他の課題は、次に、層間せん断応力集中をより抑制することができる3次元複合材継ぎ手を提供することにある。
本発明の他の課題は、更に次に、機械加工工程数を削減することができる3次元複合材継ぎ手を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、更に次に、材料費を低減化することができる3次元複合材継ぎ手を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数の形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0010】
本発明による3次元複合材継ぎ手は、面内強化繊維(24)が配された層(5)が重なり合う多層構造が形成されている。その多層構造は、第1層(5-t)と、第1層(5-t)の上面側で第1層(5-t)に対して積層される第2層(5-u)と、第2層(5-u)の上面側で第2層(5-u)に対して積層される第3層(5-v)とから形成されている。第3層(5-)は第2層(5-u)の先端まで届き、第2層(5-u)は第1層(5-t)の先端まで届いていることが好ましい。第3層(5-v)は接合対象(4)の接合面(6)に対して傾斜している。
【0011】
第3層(5-v)の下側面である斜面により押さえつけられる第2層の中で、その押さえ付け力が応力として広域に伝達され、第2層(5-u)は更に下層の第1層(5-t)を広域的に押さえつけ、第3層と第2層の間の剥離作用が低く抑えられる。このように面外方向(接合面に対する法線方向又は法線方向成分を持つ方向)に剥離作用が抑えられ、面内と面外に3次元的に強度が強化される。多層構造は、接合対象(4)に締付軸(13)で締め付けられて結合され、多層構造には重なり方向に穴(11)が開けられる。締付軸(13)は、穴(11)に通る軸部分(14)と、接合対象(4)に結合する結合部分と、第3層(5-v,v=1)の上面であるテーパ面(9-1)に接合する接合斜面(16)を持つ頭部分(15)とを備えている。頭部分(15)を嵌めこむ座ぐり穴がないので、層間せん断面積がより広く、継ぎ手構造の内的充実性が更に一層に高い。締付軸(13)は、3次元目の強度を強力に補充し、且つ、継ぎ手構造の内的充実性を損なうことを効果的に抑制する。
【0012】
層の数は、実際には、図に示される数よりもはるかに多い。上下に重なって隣り合う任意の2層のうちの上層はが必ず下層を被覆しているとは限らない。既述の第1層と第2層と第3層の組合せが少なくとも1つ存在している。面内繊維は、面内の応力集中を有効に抑制し、且つ、曲げ応力の分散を効果的にし、且つ、接合面(6)に対する斜面で層間が面外方向に接合することにより、面内の応力分散と面外の応力分散との相乗作用により、3次元的応力分散を実現して応力集中を緩和することができ、結果的に3次元強度を有効に強化する。
【0013】
面外強化繊維が更に配されることが重要である。面外強化繊維は、積極的に面外応力集中を緩和する。面外強化繊維は、第1層(5-t)から第3層(5-v)まで延びていて、層間強度を拡充する。面外強化繊維は、3次元的強度を更に強化する。多層構造は、接合対象(4)に締付軸(14)で締め付けられて結合される。締付軸(14)に加わるせん断荷重を強度の高い面内強化繊維の引張又は圧縮荷重に変換する。締付軸(14)と面外強化繊維との相乗作用は、3次元的強度を更に強化する。
【0014】
第3層(5-v)は第2層(5-u)を全面的に被覆し、第2層(5-u)は第1層(5-t)を全面的に被覆している。面外強化繊維はモノフィラメントであることが特に好ましい。モノフィラメントは、面内応力を広域に効果的に且つ確実に伝播させ、面内応力を広域に均等化し応力集中をより効果的に緩和する。
【0015】
多層構造は、接合面(6)に対して傾斜する基準対称面(CL1)に対して対称である部分構造を有する。このような対称性は、応力の分散効果を更に高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図に対応して、本発明による3次元複合材継ぎ手10の実施の形態は、板のような接合対象に対して結合される。本発明による3次元複合材継ぎ手を航空機の翼胴結合フィッティングに適用される場合、その主翼(片側主翼)1は、図1に示されるように、胴体2に結合している。3次元複合材継ぎ手10は、胴体2の胴体側バルクヘッド3と接合対象である主翼1の主翼外板4(図3参照)に対して結合している。
【0017】
図2は、胴体2の中心軸線Lに直交する断面上で上側の3次元複合材継ぎ手10を示している。3次元複合材継ぎ手10は、図3に示されるように、多層化された面内強化繊維層5の集合として形成されている。主翼1の上面が、基準接合対象面として設定される。その基準接合対象面は、仮想的基準平面6として設定される。面内強化繊維層5は、仮想的基準平面6に平行である胴体側平行面形成部位7と、仮想的基準平面6に平行ではなく翼端側で仮想的基準平面6に向かって傾斜する翼端側斜面形成部位8とから構成されている。胴体側平行面形成部位7と翼端側斜面形成部位8は、一体構造面体である。
【0018】
最上層の面内強化繊維層5-1は、翼端側に最も長く延びて形成されている。中心面CL1,CL2より上半分の領域では、中位層の1層である面内強化繊維層5-(j-1)は、これより1層だけ下層側に配置される面内強化繊維層5-jよりも、翼端側により長く延びている。中心面CL1,CL2より上層側の領域の積層構造は、中心面CL1,CL2より下層側の領域の積層構造と中心面CL1,CL2に対して対称なパターンに形成されている。このような対称性は、積層構造の全範囲で成立する必要は必ずしもなく、その対称構造は全構造の内の部分構造であり得る。より上層側に配置される面内強化繊維層5-jは、より下層側に配置される面内強化繊維層5-kに対して上側から被さり面内強化繊維層5-kを被覆している。翼端側斜面形成部位8の集合である3次元複合材継ぎ手10の翼端側継ぎ手部分の面内強化繊維層5-1の上面側は、最上斜面9-1として形成されている。任意の面内強化繊維層5-jの翼端側末端は、最上斜面9-1としては現れない。任意の面内強化繊維層5-kの翼端側末端は、これより上層側にある任意の面内強化繊維層5-jの中位斜面9-jに現れない。
【0019】
このような被覆関係は、全ての面内強化繊維層5で成立する必要は必ずしもなく、2層の面内強化繊維層5-j,kについて、下層側の面内強化繊維層5-kの翼端側末端は、上層側の面内強化繊維層5-jに被覆されている。表現が替えられれば、2層の面内強化繊維層5-j,kについて、上層側の面内強化繊維層5-jは、下層側の面内強化繊維層5-kよりも翼端側により長く延びていて、上層側の面内強化繊維層5-jの翼端側末端線は、下層側図の面内強化繊維層5-kの翼端側末端線よりもより翼端側に位置している。更に、表現が替えられれば、上層側の面内強化繊維層5-jは、下層側の面内強化繊維層5-kを被覆している。上層側3層5-1,2,3の翼端側末端と下層側3層5-16,17,18の翼端側末端は、平面視で、最上層5-1の最上斜面9-1の末端に現れている。
【0020】
3次元複合材継ぎ手10は、既述の通り、胴体側平行面形成部位7の集合である胴体側多層部位10-1と、翼端側斜面形成部位8の集合である翼端側多層部位10-2とから形成されている。翼端側多層部位10-2には、図3に示されるように、複数箇所で、仮想的基準平面6に直交する方向に締付けボルト穴11が貫通的に開けられている。複数の締付けボルト穴11は、図4に示されるように、翼端方向12に並んで配置されている。締付けボルト穴11の穴径は、通されるボルトの軸部分の軸径に対して適正である直径を有し、概ねその軸径に等しい。
【0021】
翼端方向12に通されるボルト13は、図5に示されるように、その軸部分14とボルト頭15とから形成されている。軸部分14の先頭部位にはねじが切られ、その先頭部位は主翼外板4に強固に螺合する。ボルト頭15は、翼端側多層部位10-2に接合する接合斜面16を有している。接合斜面16は、最上斜面9-1に面接合している。重なり合う面内強化繊維層5は、樹脂と共に一体複合材化されている。
【0022】
図6(a),(b)は、公知の多層体と本発明による3次元複合材継ぎ手10の多層体との比較を示している。主翼外板4に強固に締め付けられる図6(a)に示される本発明によるボルト13は、接合斜面16で確実に最上層の面内強化繊維層5-1の表面9-1に接合し、ボルト13が主翼外板4から受けるせん断力Sは、そのときのボルト13面内当たり面及び接合斜面16を介して、面内強化繊維層5-1,2に確実に伝達される。その面内応力は、面内強化繊維層5-1,2の面内で翼端側方向に広く伝達される。
【0023】
図6(b)に示される公知の上層の面内強化繊維層105-1は、下層の面内強化繊維層105-2に被さっていないので、公知のせん断力S’は上層の面内強化繊維層105-1に有効に伝達されず、又は、公知の先断力S’が面内強化繊維層105-1と面内強化繊維層105-2の層間に伝達される応力成分は局所的であり、応力集中を発生させる。本発明による翼端側多層部位10-2は、公知のものに比べて、内部的に一様な応力発生分布を示し、全体的に一体性を高く保持することができる。
【0024】
公知技術では、低いせん断力の負荷によって図6(b)に示されるように、上層の面内強化繊維層105-1と下層の面内強化繊維層105-2の面との間の端部で層間剥離が生じる。このような層間剥離が、複数の層間ごとに発生する。このように、3次元複合材継ぎ手101に作用する負荷が層間せん断に切り替わって下層に伝達される公知の多層体に対し、本発明による多層体は面が湾曲する方向の曲げに強く層間せん断特性に優れている。
【0025】
本発明の翼端側多層部位10-2に開けられる穴の断面積は、ボルト13の断面積の程度であり、図8,9に示される座ぐり面積が大きいボルト座ぐり穴106がなく、せん断面積が広い点でも構造上層間せん断特性に優れている。
【0026】
3次元複合材継ぎ手10は、図2に示されるように、胴体側多層部位10-1と翼端側多層部位10-2とが、中心軸線Lに直交する対称基準面に対して対称に形成されて主翼1に接合していて、フォーク形状又は馬蹄形状に形成されている。両側の胴体側多層部位10-1は、中央のラウンド部10-3で連続的に連結して一体化されている。ラウンド部10-3の軸端側面は、半円筒面に形成され、その半円筒面にバレルナット21が接合する。バレルナット21の軸端側面からテンションボルト(図示されず)が通される。そのテンションボルトの内側部位は、胴体側バルクヘッド3に結合される。そのテンションボルトの軸心線22は、中心軸線Lに直交して点23で交叉している。
【0027】
多数の面内強化繊維層5-jには、それぞれに異なる方向に延びる長繊維(1本の連続して延びる長い繊維:モノフィラメント)が埋め込まれている。少なくとも1層の面内強化繊維層5-sには、テンションボルトの軸心線22の方向である胴向き方向に45度で交叉する第1方向に向く繊維が埋め込まれ、少なくとも他の1層の面内強化繊維層5-tには、胴向き方向に逆45度で交叉する第2方向に向く繊維が埋め込まれている。少なくとも1層好ましくは多くの面内強化繊維層5-u,vには、ラウンド繊維24が、図7に示されるように、埋め込まれている。
【0028】
図7には、テンション方向22に平行にX軸が主翼1の表面(仮想的平面)に設定され、その表面上でX軸に直交する軸が設定されている。X軸とY軸の交点を通り仮想的基準平面6(XY平面)に直交する向きにZ軸が設定されている。ラウンド繊維24は、X軸上にある翼端側前方点AからZX平面上でX軸方向とZ軸方向に点Bまで傾斜して延び、点BからZX平面上でX軸方向に点Cまで真っ直ぐに延び、点Cから既述の対称面に対して対称である点Dまで半円弧上で回転的に延び、点DからZX平面に平行である面上でX軸負方向に点Eまで真っ直ぐに後退的に延び、更に、点Eから既述の斜面上でZ軸負方向に点Aの対称点である点Fまで傾斜して延びている。このようなラウンド繊維24の多数本が、層の面内強化繊維層5-u,vに配されている。
【0029】
積層である立体の中で、図3に示されるように、面外強化繊維51が面内強化繊維に交叉して配されることは特に重要である。面外強化繊維51は、接合面6に対して交叉し特に直交し、3次元的に応力が伝播する立体中で、2次元的面内強化繊維と2次元的面外強化繊維が3次元的に配されて、3次元的に強度が強化された3次元複合材継ぎ手10を形成する。
【0030】
翼1に捻れを含む揚力変化ΔFが生じて、翼1に機体の中心線まわりの回転モーメントが生じる。3次元複合材継ぎ手10は、揚力変化ΔFに伴って内部に発生する内部応力を3次元的に拡散させ、その応力は広域に伝播して内部応力が均等化されて分散する。3次元複合材継ぎ手10の多数の層はより上層(又は下層)の層から押さえつけられ、ΔFに対向して効果的に翼を復元する。その復元は、層の斜面の押さえつけと面内繊維と面外繊維による力学的フィードバックにより効果的に実現する。ボルト穴は従来通りに開いているが座ぐり面積が少なく、層間せん断力の増大は抑制されている。
【0031】
【発明の効果】
本発明による3次元複合材継ぎ手は、より高強度な継ぎ手構造を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による3次元複合材継ぎ手の実施の形態を示す斜軸投影図である。
【図2】図2は、図1の一部を拡大した斜軸投影図図である。
【図3】図3は、図2の-線断面図である。
【図4】図4は、図2の部分を示す断面図である。
【図5】図5は、図3の一部のを示す断面図である。
【図6】図6(a),(b)は、比較のためにそれぞれに多層部位を示す断面図である。
【図7】図7は、繊維の配向を示す斜軸投影図である。
【図8】図8は、公知の複合材継ぎ手を示す断面図である。
【図9】図9は、図8の平面図である。
【符号の説明】
1…主翼
2…胴体
5…層
5-t…第1層
5-u…第2層
5-v…第3層
6…基準接合対象面
9-1…斜面
10-2…多層構造
10-3…ラウンド部
11…ボルト穴
13…ボルト
14…軸部分
15…頭部分
16…テーパ面
24…ラウンド繊維
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8