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明細書 :電界検出器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4251459号 (P4251459)
公開番号 特開2007-285864 (P2007-285864A)
登録日 平成21年1月30日(2009.1.30)
発行日 平成21年4月8日(2009.4.8)
公開日 平成19年11月1日(2007.11.1)
発明の名称または考案の名称 電界検出器
国際特許分類 G01R  29/12        (2006.01)
FI G01R 29/12 F
請求項の数または発明の数 3
全頁数 8
出願番号 特願2006-113279 (P2006-113279)
出願日 平成18年4月17日(2006.4.17)
審査請求日 平成18年4月21日(2006.4.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛省技術研究本部長
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
発明者または考案者 【氏名】廣田 恵
【氏名】寺西 陽子
【氏名】佐藤 敦
【氏名】飯島 健二
個別代理人の代理人 【識別番号】100098671、【弁理士】、【氏名又は名称】喜多 俊文
審査官 【審査官】吉田 久
参考文献・文献 特開2001-228257(JP,A)
実開昭49-074105(JP,U)
特開平02-179429(JP,A)
実用新案登録第3115832(JP,Y2)
調査した分野 G01R 29/00~29/26、31/00
G01V 3/08~3/11
G01N 27/26~27/447、27/28、
27/49、33/18
特許請求の範囲 【請求項1】
電極部と、前記電極部を内部に収納する本体とを有し、前記本体は、一端から他端に貫通するケーブル挿通孔と、前記ケーブル挿通孔の周囲に当該ケーブル挿通孔と隔てて設けられた流路と、前記流路を外部に連通させる取水口と、前記ケーブル挿通孔の周囲に当該ケーブル挿通孔と隔てて設けられた電極部収納部と、を有し、前記電極部収納部は、一端が外部に開口するとともに、他端が前記流路に連通しており、前記電極部からのリード線が当該開口より前記本体外部へ導出され、当該導出された前記電極部からのリード線と、前記ケーブル挿通孔に通されたケーブルの心線とが、前記本体外部で接続されていることを特徴とする電界検出器。
【請求項2】
前記リード線と心線との接続箇所は、防水テープで覆い耐水性を持たせたことを特徴とする請求項1記載の電界検出器。
【請求項3】
前記本体に収納される電子回路部を更に有し、前記本体は、前記ケーブル挿通孔と隔てられ、前記電極部収納部とはケーブル挿通孔を挟んで対称の位置に配置された電子回路部配置部を有し、前記電子回路部配置部は、一端を外部に開口させて前記流路と隔てられて配置されており、前記電子回路部からのリード線が前記本体外部へ導出され、当該導出された前記電子回路部からのリード線と、前記ケーブル挿通孔に通されたケーブルの心線とが、本体外部で接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電界検出器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、水中(特に海中)に沈められて水中の微小電圧を測定するのに使用される電界検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電界検出器は一般に、本体内部に電極部を設け、本体外部と電極部を連通する取水口を本体に形成し、本体にケーブルを取付けると共に電極部からのリード線をケーブルの心線に電気的に接続してなるものである(例えば、特許文献1参照)。
設置に際しては、例えば図8に示すようにケーブル90に一定間隔を置いて複数個の電界検出器80を接続し、これを海中に垂らす。電界検出器80の電極部は取水口から流入する海水と接触するので、2つの電界検出器80の電極部から得られる電位差が測定・増幅され、その出力がケーブル90を通じて海上や陸上まで送出される。
【0003】

【特許文献1】特開2001-228257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、電界検出器80とケーブル90との接続は、電界検出器80の両端にケーブル引留部を設けた上で、ケーブル90を切断し、電界検出器内で、切断された心線のうち、所定の心線を電極部からのリード線に電気的に接続し、残りの心線同士を再接続し、ケーブルをケーブル引留部に取付けている。
【0005】
参考例として、ケーブル90の断面図を図9に示す。このケーブル90は、内部に設けられた心線91の周囲に金属線92が配置され、全体が絶縁体(外被)93で覆われたものである。このうち、金属線92は切断後に前記ケーブル引留部に取付けられる。
【0006】
しかしながら、このような接続形態では、ケーブル90を一旦切断し、電極部からのリード線と接続する心線以外の心線は同線同士を再接続しなければならず、電界検出器80をケーブル90に取付ける作業が非常に面倒である。その結果、コストが掛かり、再接続後の信頼性にも問題が生じ易い。
【0007】
また、ケーブル引留部にケーブルの金属線が取付けられているので、ケーブルに加わる引張力等の外力は金属線を通じてケーブル引留部で受け止められる。他方、この種の電界検出器では、一般に水と接する部分に金属を用いない。従って、電界検出器の筐体(本体)及びケーブル引留部は通常プラスチック材料からなるので、金属材料を用いた場合に比べて機械的強度が弱い。このため、外力がケーブル引留部に掛かる従来の接続形態では、強度的に不利である。
【0008】
本発明は、そのような問題点に着目してなされたものであって、電界検出器とケーブルとの取付けを容易にし、また取付強度も向上させた電界検出器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、この発明の電界検出器は、電極部と、前記電極部を内部に収納する本体とを有し、前記本体は、一端から他端に貫通するケーブル挿通孔前記ケーブル挿通孔の周囲に当該ケーブル挿通孔と隔てて設けられた流路と、前記流路を外部に連通させる取水口と、前記ケーブル挿通孔の周囲に当該ケーブル挿通孔と隔てて設けられた電極部収納部と、を有し、前記電極部収納部は、一端が外部に開口するとともに、他端が前記流路に連通しており、前記電極部からのリード線が当該開口より前記本体外部へ導出され、当該導出され前記電極部からのリード線と、前記ケーブル挿通孔に通されたケーブルの心線とが、前記本体外部で接続されていることを特徴とする。
【0010】
この電界検出器では、本体のケーブル挿通孔にケーブルを挿通し、本体外部に導出された電極部からのリード線を、本体外部でケーブルから引き出した所定の心線に電気的に接続する。こうすることで、ケーブルを切断しなくても、本体外部にてケーブルの外被を部分的に剥がして内部の心線を出現させ、必要な心線のみを引き出してリード線と接続すればよく、心線は接続されたままであり、ケーブルを一旦切断する従来に比べて、電界検出器とケーブルの取付作業が大幅に簡素になり、それによりコスト削減と信頼性の向上を実現できる。
【0011】
また、リード線と心線との接続箇所は、防水テープ等で覆い耐水性を持たせることとする。
【0012】
一方、ケーブルは、複数本の心線と外被からなる通常のものを使用してもよいが、中心に設けられた抗張力体の周囲に心線を配置したものを使用するのが好ましい。この場合、ケーブルに作用する引張力等の外力は抗張力体で受け止められ、リード線と心線との接続部や本体には加わらず、機械的強度(特に引張強度)が高くなる。しかも、外力が本体に作用しないので、外力を考慮することなく本体の材料を選定することができる。
【0013】
なお、前記本体に収納される電子回路部を更に有し、前記本体は、前記ケーブル挿通孔と隔てられ前記電極部収納部とはケーブル挿通孔を挟んで対称の位置に配置された電子回路部配置部を有し、前記電子回路部配置部は、一端を外部に開口させて前記流路と隔てられて配置されており、前記電子回路部からのリード線が前記本体外部へ導出され、当該導出された前記電子回路部からのリード線と、前記ケーブル挿通孔に通されたケーブルの心線とが、本体外部で接続されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、この発明の電界検出器によれば、本体のケーブル挿通孔にケーブルを挿通し、本体外部に導出された電極部からのリード線を、本体外部でケーブルから引き出した所定の心線に電気的に接続すればよいので、ケーブルを切断しなくて済み、ケーブルを一旦切断する従来に比べて、電界検出器とケーブルの取付作業が大幅に簡素になり、それによりコスト削減と信頼性の向上を実現できる。
【0015】
また、ケーブルとして、中心に設けられた抗張力体の周囲に心線を配置したものを使用することにより、ケーブルに作用する引張力等の外力が抗張力体で受け止められ、リード線と心線との接続部や本体には加わらないため、機械的強度(特に引張強度)が高くなる。更に、外力を考慮することなく本体の材料を選定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、実施の形態により、この発明を更に詳細に説明する。
実施形態に係る電界検出器の平面図を図1に、その構造図を図2〔一方の端面図(a)、縦断面図(b)、他方の端面図(c)〕に示す。この電界検出器1は、円柱状の本体2を備え、この本体2の中心に一端から他端に貫通するケーブル挿通孔3が形成され、このケーブル挿通孔3とは隔てた本体2内部(ケーブル挿通孔3の周囲)に円柱形状の電極部収納部4及び電子回路部配置部5が設けられている。電極部収納部4と電子回路部配置部5は、中心のケーブル挿通孔3を挟んで対称に位置する。
【0017】
ケーブル挿通孔3にはケーブル50が挿通され、電極部収納部4には電極部10が配置されている。電極部10と電極部収納部4との間には例えばOリングが介設されたり、或いは電極部10が電極部収納部4に接着されたりすることで、電極部10が電極部収納部4内に固定される。また、電極部10からはリード線11が延び、本体2外部に導出されている。電子回路部配置部5には電位差を測定・増幅する電子回路部20が配置される。電子回路部20からもリード線21が本体2外部に導出される。但し、電子回路部20は無くてもよく、この場合は、電子回路部配置部5は必要ない。
【0018】
リード線11(及び電子回路部20を内蔵した場合はリード線21)は、本体2外部にてケーブル50の心線と接続されるが、これの詳細は後記のとおりである。リード線11(及びリード線21)と心線との接続箇所は、防水テープで覆われ、更にこの付近は保護カバー40で覆われる。
【0019】
本体2の一端面側(リード線11,21の導出側とは反対側)には、環状の流路7が形成され、流路7は、適当数(例えば等角度で4つ)開口する取水口8を通じて本体2外部に連通すると共に、電極部収納部4と部分的に連通する。従って、この電界検出器1を海中に投じると、海水が取水口8から流路7に流入し、電極部収納部4内の電極部10と接触する。勿論、海水はリード線11側には漏れないように水密になっている。
【0020】
ケーブル50は、例えばその断面図を図3に示すように、中心に絶縁体52で被覆された抗張力体51が配置され、その周囲に導体と絶縁体からなる心線53が配置され、全体が絶縁体(外被)54で覆われた構造である。抗張力体51は、金属(鉄、ステンレス等)又は樹脂からなり、金属からなる場合は、図示のとおり絶縁体52で被覆される。抗張力体51は必須ではないが、ケーブル50に加わる引張力等の外力を受け止めるためには設けた方が好ましい。
【0021】
次に、電極部10のリード線11とケーブル50の心線53との接続形態について、図4及び図5を参照して説明する。図4は電界検出器1′の縦断面図を示す。ここに示す電界検出器1′は、図2に示す電界検出器1とは幾分異なるが、同じ要素には同一符号を付してある。この電界検出器1′では、本体2の中心にケーブル挿通孔3が形成され、本体2内部に設けられた電極部収納部4に電極部10が配置されている。電極部10は、電極15と電極ホルダ16からなり、電極ホルダ16からはリード線11が延出している。環状の流路7は取水口8を通じて本体2外部に連通している。各取水口8には、ゴミ・砂・泥等の侵入を防ぐためのフィルタ9が設けられている。
【0022】
この電界検出器1′をケーブル50に取付けるには、図5において、電界検出器1′のケーブル挿通孔3にケーブル50を挿通し、電界検出器1′を所定箇所に位置決めした後、本体2外部のリード線11側にてケーブル50の絶縁体54を部分的に剥がし、心線53を出現させる。複数本の心線53のうち、所定の心線53だけを引き出し、この引き出した心線53(導体)にリード線11をハンダ付けや圧着等により電気的に接続する。電子回路部20を設ける場合は、そのリード線21も所定の心線53に同様に接続する。その後、リード線11と心線53との接続箇所を防水テープ42で覆い、更にこの付近をゴムブーツ等からなる保護カバー41で覆う。
【0023】
このリード線11と心線53の接続形態によれば、ケーブル50を切断しなくても、本体2外部にてケーブル50の絶縁体54を部分的に剥がして内部の心線53を出現させ、必要な心線53のみを引き出してリード線11と電気的に接続すればよいので、心線53は接続されたままであり、ケーブルを一旦切断する従来に比べて、電界検出器1′とケーブル50の取付作業が大幅に簡素になり、それによりコスト削減と信頼性の向上を実現できる。
【0024】
また、ケーブル50内の抗張力体51が切断されることなくケーブル50全体にわたって連続しているので、ケーブル50に作用する引張力等の外力は抗張力体51で受け止められ、リード線11と心線53との接続部や本体2には加わらず、機械的強度(特に引張強度)が高くなる。その上、外力が本体2に作用しないので、外力を考慮することなく本体2の材料を選定することができる。
【0025】
なお、上記実施形態に示す電界検出器1,1′及びケーブル50は一例であり、種々の変更が可能である。例えば、図4では電極部10は電極15と電極ホルダ16からなるが、図6に示すように、ケース30に電極収納部31を設け、この電極収納部31に電極15を配置し、更に電極収納部31とケース30外部とを連通する開口にフィルタ32を設けたものでもよい。この場合、電極部10の製造がし易くなる。
【0026】
或いは、図3に示すケーブル50は絶縁体52で被覆された抗張力体51を有するものであるが、図7のように、抗張力体51を設けないケーブル50′を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施形態に係る電界検出器の平面図である。
【図2】図1の電界検出器の一方の端面図(a)、縦断面図(b)、及び他方の端面図(c)である。
【図3】同電界検出器が取付けられるケーブルの断面図である。
【図4】別実施形態に係る電界検出器の縦断面図である。
【図5】図4の電界検出器における電極部からのリード線とケーブルの心線との接続形態を示す斜視図である。
【図6】実施形態の電界検出器の内部に配置される電極部の別形態を示す図である。
【図7】実施形態の電界検出器が取付けられるケーブルの別形態を示す断面図である。
【図8】電界検出器をケーブルに取付けた一般的様態を示す部分省略図である。
【図9】従来例に係る電界検出器が取付けられるケーブルの断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1,1′ 電界検出器
2 本体
3 ケーブル挿通孔
7 流路
8 取水口
10 電極部
11,21 リード線
20 電子回路部
40,41 保護カバー
42 防水テープ
50,50′ ケーブル
51 抗張力体
52,54 絶縁体
53 心線
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8