TOP > 国内特許検索 > 片手持ち搾乳器 > 明細書

明細書 :片手持ち搾乳器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5187628号 (P5187628)
公開番号 特開2010-096685 (P2010-096685A)
登録日 平成25年2月1日(2013.2.1)
発行日 平成25年4月24日(2013.4.24)
公開日 平成22年4月30日(2010.4.30)
発明の名称または考案の名称 片手持ち搾乳器
国際特許分類 G01N   1/10        (2006.01)
A01K  67/00        (2006.01)
G01N   1/14        (2006.01)
FI G01N 1/10 V
A01K 67/00 D
G01N 1/14 A
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願2008-269330 (P2008-269330)
出願日 平成20年10月20日(2008.10.20)
審査請求日 平成23年8月3日(2011.8.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504155293
【氏名又は名称】国立大学法人島根大学
発明者または考案者 【氏名】川上 浩平
【氏名】山田 高也
個別代理人の代理人 【識別番号】100116861、【弁理士】、【氏名又は名称】田邊 義博
審査官 【審査官】島田 英昭
参考文献・文献 実開昭58-074943(JP,U)
国際公開第2007/108241(WO,A1)
国際公開第01/067064(WO,A1)
実開昭53-108199(JP,U)
調査した分野 G01N1/00-1/44
A61M1/06
A01K67/00
特許請求の範囲 【請求項1】
密封キャップつきであり、搾乳量を把握可能にする目盛が付された透明エッペンチューブと、栓体と、3本の管体と、を含むマウス用又はラット用の片手持ち搾乳器であって、
三本の管体は、透明搾乳管、陰圧調整管、および、排気管であり、栓体の軸方向に空けられた孔に差し込まれてそれぞれエッペンチューブ内と導通し、
搾乳管はL字管であって一端が栓体に深く差し込まれ微量の乳をエッペンチューブ下側にたまりやすくするとともに他端は乳首にあてがわれるものであり、
排気管もL字管であって一端が栓体に差し込まれ他端は吸引ポンプに接続されるものであり、
陰圧調整管は直管であって一端が栓体に差し込まれ他端は両L字管よりも軸方向に上に突出するにように延伸しており、
作業者が片手でエッペンチューブを握りつつもしくはつまみつつ中指と親指で搾乳管を保持し当該搾乳管の前記他端をマウスまたはラットの乳首にあてがい、人差指により陰圧調整管の前記他端をタッピングにより開閉して吸引力を調整可能にし
搾乳した獣乳を密封キャップにより密封し取扱性を高めたことを特徴とする片手持ち搾乳器。
【請求項2】
搾乳管の前記他端は、拡径し、かつ、面取り処理がなされていることを特徴とする請求項1に記載の片手持ち搾乳器。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、片手持ち搾乳器に関し、特に、マウスやラットなどの実験用小動物の片手持ち搾乳器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マウスやラットは、実験動物として様々に使用され、薬効調査をはじめとし、基礎的情報として血液生化学的検査は極めてよく用いられている。
【0003】
また、遺伝形質を調べたり親の食生活等による子への影響調査も行われるが、このとき、血液のみでなく、子への影響が大きいと考えられる獣乳も重要な評価試料と考えられる。
【0004】

【特許文献1】国際公開WO01/067064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来では、搾乳口に関するティートカップの形状は工夫されているものの、実験用小動物の簡便な搾乳器はなく、簡便に獣乳を集めることができなかった。
【0006】
実際、特許文献1に開示される技術に基づく搾乳器は、第1に装置が百万円を超え高価かつ大がかりである、第2に吸引が定常的であって陰圧が大きくなり、場合によっては乳首から血が出てきてしまい適正な搾乳が実現できない、第3に、ティートカップの押し当て方により吸引力が異なるため、この観点からも適正な搾乳が実現できない、といった問題点があった。
【0007】
そしてなにより、獣乳を評価する実験においては、母獣の数が多いものの搾乳量が少ないため、手早く簡便に搾乳作業ができることが望まれていた。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、簡易に導入でき作業性を高めるマウス用またはラット用の搾乳器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の片手持ち搾乳器は、密封キャップつきであり、搾乳量を把握可能にする目盛が付された透明エッペンチューブと、栓体と、3本の管体と、を含むマウス用又はラット用の片手持ち搾乳器であって、三本の管体は、透明搾乳管、陰圧調整管、および、排気管であり、栓体の軸方向に空けられた孔に差し込まれてそれぞれエッペンチューブ内と導通し、搾乳管はL字管であって一端が栓体に深く差し込まれ微量の乳をエッペンチューブ下側にたまりやすくするとともに他端は乳首にあてがわれるものであり、排気管もL字管であって一端が栓体に差し込まれ他端は吸引ポンプに接続されるものであり、陰圧調整管は直管であって一端が栓体に差し込まれ他端は両L字管よりも軸方向に上に突出するにように延伸しており、作業者が片手でエッペンチューブを握りつつもしくはつまみつつ中指と親指で搾乳管を保持し当該搾乳管の前記他端をマウスまたはラットの乳首にあてがい、人差指により陰圧調整管の前記他端をタッピングにより開閉して吸引力を調整可能にし、搾乳した獣乳を密封キャップにより密封し取扱性を高めたことを特徴とする。

【0010】
すなわち請求項1にかかる発明は、片手でマウスやラットを持ち、もう片方の手でサンプル管を持ちつつ搾乳状態を把握しながら人差指で吸引調整が可能となる。ここで、搾乳管はL字に曲がって外側に向いているので把持の点からも搾乳の点からも作業性が向上する。加えて、陰圧調整管を飛び出させ、逆に、他の二管はL字に曲げているので、人差指によるタッピングもしやすくなるようにしている。
また、目盛により、簡便に搾乳量を把握できる。従って、初乳は量が少なく徐々に乳量が多くなってくるが、同一母獣の搾乳量変化なども容易に把握できる。
また、透明であるため、視認性を向上し作業性を高める。
また、エッペンチューブは汎用されており、そのままキャップをして冷蔵・冷凍保存することなども可能である。なお、L字管は、概ねL字となっていれば曲率半径の大小は問わず、一端の軸方向と多端の軸方向が約90°異なっていればよいものとする。

【0014】
また、請求項に記載の片手持ち搾乳器は、請求項1に記載の片手持ち搾乳器において、搾乳管の前記他端が、拡径し、かつ、面取り処理がなされていることを特徴とする。

【0015】
すなわち、請求項にかかる発明は、陰圧により乳首の根本が絞り込まれることなく、円滑かつ安全な搾乳が可能となる。

【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、簡易に導入でき作業性を高めるマウス用またはラット用の搾乳器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の片手持ち搾乳器の正面図である。図示したように、搾乳器1は、エッペンチューブ2と、栓3と、搾乳管4、排気管5、陰圧調整管6と、キャップ7と、を有する。図2は、各部の正面図または平面図を表したものである。
【0020】
エッペンチューブ2はキャップ7つきの先細りの透明プラスチック容器である(図2a、図2b)。その容量は1.5ccであり、側面には目盛りが付され、おおよそどの程度搾乳できたか把握できるようになっている。外形は直径約9mmであり、長さは39mmである。キャップ7により、搾乳した獣乳を直ちに密封でき、取り扱い性を高めている。
【0021】
栓3はシリコン製であり、エッペンチューブ2に容易に栓ができるように切頭錐形状である(図2c、図2d)。小さな径が直径9mm、大きな径が直径10mm、高さは約10mmである。また、栓3には、軸方向に搾乳管4、排気管5、および、陰圧調整管6を差し込む孔8が3カ所空けられている(図2d)。3本の管を差し込んだ様子を図3に示した。
【0022】
搾乳管4、排気管5、および、陰圧調整管6は、それぞれ外直径3mm内直径1.5mmのガラス管であり(図2i)、排気管5および搾乳管4は中途を曲げたL字管としている。搾乳管4は、乳首にあてがう側の端部を直径5mmに拡径しており、円滑な搾乳を実現する(図2e、図2h)。また先端が面取りしてあり乳首を傷つけないようにしている。
【0023】
排気管5は、搾乳管4とはL字が反対側に向かうように栓3に差し込まれ(図3)、片側は、ゴム管により吸引ポンプ(図示せず)に接合するようになっている(図2f)。なお、ポンプは、水道式のアスピレータを用いることができ、装置構成を簡素化することができる。
【0024】
陰圧調整管6は直管であり、人差し指により吸引の強弱をつける(図2g)。一定圧で吸引をすると乳首が鬱血し、場合によっては出血してしまう。このようなことを起こさないように、陰圧調整管6を介して作業者は、タッピングにより陰圧の強弱をつけ、乳首の様子と乳の出を把握しながら搾乳する。図4に、持ち手の様子を例示した。
【0025】
搾乳管4、排気管5、および、陰圧調整管6の軸方向の長さは、それぞれ、47mm、18mm、25mmであり、搾乳管4は、栓3に深く差し込みサンプル管の下側にたまりやすくしている。これは、乳が微量であることに対応させたものである。一方、陰圧調整管6は、上に突出するようにして、人差し指によるタッピングをしやすくしている。
【0026】
作業に際しては、マウスを左手で持ち上げ、右手中指と親指で搾乳管4をつまみこれを乳首にあてがい、右手人差し指で陰圧調整管6の頭(先端)をタッピングして、乳の出の様子を見ながら、搾乳をしていく。搾乳が終わったら、栓3を抜き、キャップ7をする。このように、搾乳器1により、マウスの乳首を痛めることなく効率的かつ簡便な搾乳が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明によれば、獣乳そのものを保存し子獣に与えることもできれば、生体試料としての成分分析も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の片手持ち搾乳器の正面図である。
【図2】各部の正面図または平面図を表したものである。
【図3】各管を栓に差し込んだ様子を示した図である。
【図4】搾乳器を持った様子を示した図である。
【符号の説明】
【0029】
1 搾乳器
2 エッペンチューブ
3 栓
4 搾乳管
5 排気管
6 陰圧調整管
7 キャップ
8 孔
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3