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明細書 :ネットワーク網を利用するTV会議システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4533976号 (P4533976)
公開番号 特開2010-021678 (P2010-021678A)
登録日 平成22年6月25日(2010.6.25)
発行日 平成22年9月1日(2010.9.1)
公開日 平成22年1月28日(2010.1.28)
発明の名称または考案の名称 ネットワーク網を利用するTV会議システム
国際特許分類 H04N   7/15        (2006.01)
H04M   3/56        (2006.01)
H04L  12/56        (2006.01)
FI H04N 7/15 640Z
H04M 3/56 C
H04L 12/56 G
請求項の数または発明の数 3
全頁数 11
出願番号 特願2008-178664 (P2008-178664)
出願日 平成20年7月9日(2008.7.9)
審査請求日 平成21年12月25日(2009.12.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】独立行政法人 日本原子力研究開発機構
発明者または考案者 【氏名】山本 雄三
個別代理人の代理人 【識別番号】100078961、【弁理士】、【氏名又は名称】茂見 穰
審査官 【審査官】脇岡 剛
参考文献・文献 特開2008-187659(JP,A)
特開2005-328178(JP,A)
特開2008-034900(JP,A)
特開2000-099435(JP,A)
特開2008-193443(JP,A)
特開平10-271077(JP,A)
調査した分野 H04N 7/15
H04L 12/56
H04M 3/56
特許請求の範囲 【請求項1】
ネットワーク網上の運用支援サーバ側に、TV会議に出席可能な全拠点PCの接続情報を記憶・管理する拠点情報管理機能と、開会要請に応じて自動接続用の接続先を記述した各拠点用のライブ・カメラ情報を作成して各拠点用フォルダに書き出し、閉会要請に応じてライブ・カメラ情報を削除する接続支援機能を搭載すると共に、各拠点PC側には、前記運用支援サーバの自拠点用フォルダに周期的にアクセスしてライブ・カメラ情報の有無をチェックするモニタ機能と、ライブ・カメラ情報が存在する場合には、そのライブ・カメラ情報を読み込んで記述されている各拠点への送信を可能にすると共に拠点分のビューアを開いて各拠点からの受信を可能にし、ライブ・カメラ情報が削除された場合には、各拠点への送信を停止すると共に対応するビューアを終了させる接続機能を組み込み、運用支援サーバにより各拠点用フォルダに書き出されるライブ・カメラ情報を各拠点PCが読み込み、それぞれが自拠点PCと他拠点PCとの接続・切断及びビューアの開閉を自動的に行うことでTV会議の開会・閉会を行うようにしたTV会議システムにおいて、
運用支援サーバを複数配置し、各運用支援サーバ間で各拠点接続情報とライブ・カメラ情報を同期させると共に待機状態にある運用支援サーバがライブ・カメラ情報を各拠点用フォルダに書き出すことを禁止する同期処理機能を備え、他方、各拠点PCは、運用状態にある運用支援サーバに障害が生じたときに待機状態にある運用支援サーバへ接続を切り替えるサーバ自動変更機能を具備しており、
運用状態にある運用支援サーバに障害が生じたときに、待機状態にある運用支援サーバはライブ・カメラ情報を各拠点用フォルダに書き出すと共に、各拠点PCは運用状態にあった運用支援サーバから待機状態にある運用支援サーバへ接続を変更するようにしたことを特徴とするネットワーク網を利用するTV会議システム。
【請求項2】
複数の運用支援サーバは互いに異なるLANに配置され、運用状態にある第1の運用支援サーバは、ライブ・カメラ情報が変更されたときに各拠点用ファイルに必要なライブ・カメラ情報を書き出すと共に、待機状態にある第2の運用支援サーバへ変更されたライブ・カメラ情報を伝送し、該第2の運用支援サーバは、第1の運用支援サーバとの間での通信が途絶えたときに該第1の運用支援サーバに障害が生じたと判断し、その時点での最新の各拠点用のライブ・カメラ情報を自らの各拠点用フォルダに書き出し、各拠点PCは、第1の運用支援サーバの自拠点用ファイルにアクセスできないときに該第1の運用支援サーバに障害が生じたと判断し、ビューアを開いたまま第2の運用支援サーバの自拠点用ファイルにアクセスする請求項1記載のネットワーク網を利用するTV会議システム。
【請求項3】
第2の運用支援サーバは、該第2の運用支援サーバの運用中に第1の運用支援サーバが復旧しても該第1の運用支援サーバとの間で同期処理を行うだけで切り替わらず、第2の運用支援サーバに障害が生じるかもしくは閉会するまで該第2の運用支援サーバで会議を継続し、閉会処理が終了した段階で各PC拠点での接続先を第1の運用支援サーバにリセットする請求項2記載のネットワーク網を利用するTV会議システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、既設ネットワーク網を利用していながら、容易に且つ迅速に多拠点PC間での双方向接続を確立できるようにしたTV会議システムに関し、更に詳しく述べると、信頼性向上のために運用支援サーバを二重化(多重化)すると共に、運用状態にある運用支援サーバに障害が生じたときに待機状態にある運用支援サーバへ迅速に且つ自動的に切り替えることができるようにして、会議を中断することなく円滑に続行可能とし、使い勝手を改善したネットワーク網を利用するTV会議システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
TV会議システムは、周知のように、複数の遠隔拠点間で映像と音声を送受信し、TV画面に映る映像を見ながら会議が行えるシステムである。現在普及しているTV会議システムは、通常、電話回線を利用するものである。電話回線が繋がると、映像と音声を送受信でき、画面が映り音声が伝わる。しかし、電話回線による通信では、基本的な機能は1対1の双方向通信である。そこで、従来技術では、間に多拠点通信制御装置を介在させ、その多拠点通信制御装置と各拠点端末とをそれぞれ電話回線で接続する構成が採られている。
【0003】
多拠点通信制御装置としては、例えばハードウエアにより、各拠点端末から個別に送られてくる映像情報と音声情報をまとめて合成映像・音声情報を作成し、それを各拠点端末に送り返すことで各拠点端末に他の拠点端末の縮小映像を表示できるような機能を有するものがある(特許文献1参照)。これによって、1対1の双方向通信を利用し、擬似的に1対多の双方向通信を実現している。しかも、このTV会議システムでは、基本的に各拠点端末のTV会議への出席・退席が自由にできる特性がある。多拠点通信制御装置によって、電話回線が繋がれば会議に出席できるし、電話回線が切り離されれば会議から退席できるからである。しかし、このようなTV会議システムは、設備費が高価であるばかりでなく、基本的に電話回線を使用するものであることから、各拠点と多拠点通信制御装置とが遠隔になればなるほど電話料金が高騰するため通信費が増大し、また回線容量が限られるため映像品位が低く、映像や音声をスムーズに伝送することは難しい等の問題がある。
【0004】
そこで、電話回線を使用するTV会議システムに代えて、既設ネットワーク網を使用するTV会議システムが開発されている。ネットワーク網を使用する方式であれば、拠点端末はカメラ(映像入力装置)とマイク(音声入力装置)を備えたPC(パーソナルコンピュータ)でよいので設備費は安価で済み、しかも通信費を大幅に低減できるし、基本的に1対多の双方向通信が可能であり回線容量も大きいため映像品位を高くでき、映像や音声をスムーズに伝送できるからである。
【0005】
しかし、ここで問題になるのは、TV会議に出席するそれぞれの拠点PCが、個別に複数の他の拠点PCとの接続操作を行い、必要な数のビューアを開かなければならないと言うことである。そこで、予めTV会議の開始時刻と出席する拠点PCの接続情報などを電子メールなどで連絡しておき、その時刻に一斉に各拠点PCが複数の他の拠点PCとの接続作業を行うことになる。この準備作業が済まなければTV会議が開会できない。TV会議を開会するまでの拠点PC間の相互接続操作は、極めて煩雑であり、現状では、TV会議への出席拠点数は4箇所程度が限度である。また、このようなTV会議システムでは、TV会議開会中に、他の拠点PCが新たに出席したり、出席している拠点PCがTV会議から退席するといった動作が難しい問題もある。そのような中途出席・退席を行うには、各拠点PCが、個別に出席もしくは退席する拠点PCとの接続・切断操作を行わねばならないからである。
【0006】
このような問題を解決する技術として、本発明者等は、先に、ネットワーク網上の運用支援サーバ側に、TV会議に出席可能な全拠点PCの接続情報を記憶・管理する拠点情報管理機能と、開会要請に応じて自動接続用の接続先を記述した各拠点用のライブ・カメラ情報を作成して各拠点用フォルダに書き出しし、閉会要請に応じてライブ・カメラ情報を削除する接続支援機能を搭載すると共に、各拠点PC側には、前記運用支援サーバの自拠点用フォルダを周期的にアクセスしてライブ・カメラ情報の有無をチェックするモニタ機能と、ライブ・カメラ情報が存在する場合には、そのライブ・カメラ情報を読み込んで記述されている各拠点への送信を可能にすると共に拠点分のビューアを開いて各拠点からの受信を可能にし、ライブ・カメラ情報が削除された場合には、各拠点への送信を停止すると共に対応するビューアを終了させる接続機能を組み込み、運用支援サーバにより各拠点用フォルダに書き出されるライブ・カメラ情報を各拠点PCが読み込み、それぞれが自拠点PCと他拠点PCとの接続・切断及びビューアの開閉を自動的に行うことで、TV会議の開会・閉会を行うようにしたことを特徴とするネットワーク網を利用するTV会議システムを提案した(特願2007-21711号)。
【0007】
このTV会議システムは、ネットワーク網を使用する方式であるため、拠点端末はカメラとマイクを備えたPCでよいので設備費は安価で済み、通信費を大幅に低減できるし、基本的に1対多の双方向通信が可能であり回線容量も大きいため映像品位を高くでき、映像や音声をスムーズに伝送できる利点がある。また、各拠点PCは運用支援サーバの自拠点用フォルダを常時監視し、記述されているライブ・カメラ情報に応じて送受信可能にすると共に必要な数のビューアを開くだけでよいので、TV会議に出席する拠点数が多くなっても、自動的に相互接続を確立でき、容易に且つ迅速に多拠点間でのTV会議が開会・閉会できる。更に、運用支援サーバの各拠点用フォルダのライブ・カメラ情報を変更するだけで、TV会議開会中に、他の拠点PCが新たに出席したり、出席している拠点PCが退席するといった動作(それに伴う送受信の接続・切断やビューアの開閉動作)を自動的に且つ迅速に行うことができ、TV会議を参加者が恰も実際に一堂に会しているかの如く円滑に進行できる。このように、このTV会議システムは、従来技術と比較して、極めて優れた効果を奏しうる。
【0008】
しかし、このTV会議システムは、基本的に単一の運用支援サーバの使用を前提とする構成であることから、システムの信頼性、通信の安定性などの点で改善の余地がある。そこで、信頼性向上のために運用支援サーバを二重化することが考えられるが、単にサーバアクセス箇所を複数にしても、会議が中断されたり、接続切り替えに手間が掛かったのでは、操作性が悪くなり、このTV会議システムの本来の利点が損なわれてしまう。

【特許文献1】特開平7-162823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、運用支援サーバの二重化(多重化)により、システムの信頼性の向上と通信の安定性の確保などを図り、運用支援サーバの自動切り替えにより、会議を中断することなく円滑に続行でき、会議の開催に対する障害を最小限にとどめることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ネットワーク網上の運用支援サーバ側に、TV会議に出席可能な全拠点PCの接続情報を記憶・管理する拠点情報管理機能と、開会要請に応じて自動接続用の接続先を記述した各拠点用のライブ・カメラ情報を作成して各拠点用フォルダに書き出し、閉会要請に応じてライブ・カメラ情報を削除する接続支援機能を搭載すると共に、各拠点PC側には、前記運用支援サーバの自拠点用フォルダに周期的にアクセスしてライブ・カメラ情報の有無をチェックするモニタ機能と、ライブ・カメラ情報が存在する場合には、そのライブ・カメラ情報を読み込んで記述されている各拠点への送信を可能にすると共に拠点分のビューアを開いて各拠点からの受信を可能にし、ライブ・カメラ情報が削除された場合には、各拠点への送信を停止すると共に対応するビューアを終了させる接続機能を組み込み、運用支援サーバにより各拠点用フォルダに書き出されるライブ・カメラ情報を各拠点PCが読み込み、それぞれが自拠点PCと他拠点PCとの接続・切断及びビューアの開閉を自動的に行うことでTV会議の開会・閉会を行うようにしたTV会議システムにおいて、運用支援サーバを複数配置し、各運用支援サーバ間で各拠点接続情報とライブ・カメラ情報を同期させると共に待機状態にある運用支援サーバがライブ・カメラ情報を各拠点用フォルダに書き出すことを禁止する同期処理機能を備え、他方、各拠点PCは、運用状態にある運用支援サーバに障害が生じたときに待機状態にある運用支援サーバへ接続を切り替えるサーバ自動変更機能を具備しており、運用状態にある運用支援サーバに障害が生じたときに、待機状態にある運用支援サーバはライブ・カメラ情報を各拠点用フォルダに書き出すと共に、各拠点PCは運用状態にあった運用支援サーバから待機状態にある運用支援サーバへ接続を変更するようにしたことを特徴とするネットワーク網を利用するTV会議システムである。
【0011】
ここで、複数の運用支援サーバは互いに異なるLANに配置され、運用状態にある第1の運用支援サーバは、ライブ・カメラ情報が変更されたときに各拠点用ファイルに必要なライブ・カメラ情報を書き出すと共に、待機状態にある第2の運用支援サーバへ変更されたライブ・カメラ情報を伝送し、該第2の運用支援サーバは、第1の運用支援サーバとの間での通信が途絶えたときに該第1の運用支援サーバに障害が生じたと判断し、その時点での最新の各拠点用のライブ・カメラ情報を自らの各拠点用フォルダに書き出し、各拠点PCは、第1の運用支援サーバの自拠点用ファイルにアクセスできないときに該第1の運用支援サーバに障害が生じたと判断し、ビューアを開いたまま第2の運用支援サーバの自拠点用ファイルにアクセスするように構成するのが好ましい。
【0012】
また、第2の運用支援サーバは、該第2の運用支援サーバの運用中に第1の運用支援サーバが復旧しても該第1の運用支援サーバとの間で同期処理を行うだけで切り替わらず、第2の運用支援サーバに障害が生じるかもしくは閉会するまで該第2の運用支援サーバで会議を継続し、閉会処理が終了した段階で各PC拠点での接続先を第1の運用支援サーバにリセットするように構成するのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るTV会議システムでは、運用支援サーバを複数配置し、各運用支援サーバ間で各拠点接続情報とライブ・カメラ情報を同期させているので、サーバの二重化(多重化)によりシステムの信頼性向上と通信の安定性の維持を図ることができる。また、運用状態にある運用支援サーバのみがライブ・カメラ情報を各拠点用フォルダに書き出す(待機状態にある運用支援サーバはライブ・カメラ情報を各拠点用フォルダに書き出すことが禁じられている)ことで、会議の運用支援に実際に関与しているサーバを常に特定の1箇所に制御できる。そして、各拠点PCは、各運用支援サーバへの接続を制御するサーバ自動変更機能を具備しているため、第1の運用支援サーバに障害が生じたときには、直ちに第2の運用支援サーバに切り替えられ、各拠点PCが第2の運用支援サーバにアクセスすることによって、会議を中断することなくそのまま続行でき、会議の開催に対する障害を最小限にとどめることが可能となる。特に、複数の運用支援サーバを互いに異なるLANに配置すれば信頼性は更に向上し、本システムではそのような配置が容易に行える。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明に係るTV会議システムの一実施例を示す全体構成図である。WANに接続されている各LANに多数のPCが接続されている。例えば、企業や団体などで、各事業所や地域のLANがWANで結ばれているイメージである。それら多数のPCのうちの幾つかが会議開催の拠点PCとなる。本発明では、複数の運用支援サーバは互いに異なるLANに配置される。ここでは、第1の運用支援サーバ11と第2の運用支援サーバ12を用いるものとし、それらは互いに異なるLANに配置されている。また、4台のPCをTV会議に出席する拠点PC14として図示している。各拠点PC14は、それらを区別するため、便宜的に拠点にA~Dの符号を付す。なお、TV会議に出席できる拠点PCの台数には特に制限はない。
【0015】
運用支援サーバ11,12は、少なくとも拠点情報管理機能と接続支援機能、及び異なる運用支援サーバ間での同期処理機能を含む運用支援プログラムを搭載している。拠点情報管理機能は、HDD内に、TV会議に出席可能な全拠点PCの接続情報(例えばIPアドレスやID、パスワードなど接続に必要な情報及び拠点を特定する各種の情報など)を記憶し、それらの追加・削除・変更などを管理する機能である。接続支援機能は、開会要請に応じて自動接続用の接続先を記述した各拠点用のライブ・カメラ情報(各拠点のライブ・カメラ・テキストデータ:Live Cameras.txt)を作成して各拠点用フォルダに書き出し、閉会要請に応じて各拠点用フォルダからライブ・カメラ情報を削除する機能である。更に同期処理機能は、各運用支援サーバ間で各拠点接続情報とライブ・カメラ情報を同期させると共に、待機状態にある運用支援サーバがライブ・カメラ情報を各拠点用フォルダに書き出すことを禁止する機能である。その他、Webブラウザにより閲覧可能なTV会議用ポータルサイト画面を表示し、該ポータルサイトからマウスクリック操作などによって、TV会議の開会拠点の選択操作や、拠点の設定・管理などが行える機能なども備えている。
【0016】
他方、各拠点PC14側には、それぞれ映像音声出力手段(ディスプレイとスピーカ)が装備されている他、映像音声入力手段(カメラとマイク)16が接続されており、前記運用支援サーバの自拠点用フォルダを周期的にアクセスしてライブ・カメラ情報の有無をチェックするモニタ機能と、ライブ・カメラ情報が存在する場合には、その情報を読み込んで記述されている各拠点への送信を可能にすると共に拠点分のビューアを開いて各拠点からの受信を可能にし、ライブ・カメラ情報が削除された場合には、各拠点への送信を停止すると共に対応するビューアを終了させる接続機能、更には運用支援サーバへの接続を切り替えるサーバ自動変更機能を有する接続プログラムが搭載されている。
【0017】
会議開催に際して、まず運用状態となっている第1の運用支援サーバ11は、任意の拠点PCからの複数の出席拠点を指定したTV会議開会要請に基づき、そのTV会議に出席する各拠点PCのために、各拠点専用のライブ・カメラ情報を作成して格納する。図1の例で、例えばA拠点PCからA拠点~D拠点の4拠点を指定したTV会議開会要請があると、図2に示すように、A拠点用フォルダ~D拠点用フォルダに、自動接続用の接続先が記述された各拠点用のライブ・カメラ情報(live cameras.txt)を個別に書き出す。具体的には、A拠点用フォルダには自己を除く接続相手となるB,C,Dのライブ・カメラ情報が書き込まれ、以下同様に、B拠点用フォルダにはA,C,Dのライブ・カメラ情報が、C拠点用フォルダにはA,B,Dのライブ・カメラ情報が、更にD拠点用フォルダにはA,B,Cのライブ・カメラ情報が、それぞれ書き出される。このとき、待機状態にある第2の運用支援サーバ12は、第1の運用支援サーバ11から、同じ各拠点専用のライブ・カメラ情報を受けて格納保持する。出席拠点が変われば、第1の運用サーバ11の各拠点専用ライブ・カメラ情報が変わるから、ライブ・カメラ情報が書き出される拠点用フォルダ及びその内容が変わると共に、第2の運用支援サーバ12に送られて格納される各拠点専用のライブ・カメラ情報も変わる。つまり、両運用支援サーバ間では各拠点接続情報とライブ・カメラ情報が常に同期し続ける。但し、第2の運用支援サーバ12は、待機状態にある限り、そのA拠点用フォルダ~D拠点用フォルダに各拠点用のライブ・カメラ情報(live cameras.txt)を個別に書き出すことは禁じられている。従って、もしも第2の運用支援サーバ12のA拠点用フォルダ~D拠点用フォルダにアクセスしても、それらの内容は空であり、ライブ・カメラ情報は得られない。つまり、第1の運用支援サーバ11のみが会議を管理している状態となる。
【0018】
各拠点PCは、図3に示すように、それぞれ第1の運用支援サーバ11の自拠点用フォルダを常に(TV会議開会中も)監視している(予め設定した任意の時間間隔で、例えば1~20秒程度の間隔で自拠点用フォルダへのアクセスを繰り返す)ので、ライブ・カメラ情報の有無(自拠点用フォルダにライブ・カメラ情報が書き込まれているか否か)は直ちに判定できる。自拠点用フォルダにライブ・カメラ情報が存在するA~D拠点PCは、それぞれのライブ・カメラ情報を読み込んで記述されている他拠点への映像と音声の送信を可能にすると共に、拠点数に応じたビューアを開き他拠点PCからの映像と音声の受信が可能な状態とする(接続が確立する)。A拠点PCは他拠点であるB,C,Dのビューアを開き、B拠点PCはA,C,Dのビューアを開き、C拠点PCはA,B,Dのビューアを開き、D拠点PCはA,B,Cのビューアを開く。このようにして、各拠点PC間の相互接続が瞬時に完了し、TV会議が開会可能となる。なお、各拠点PCは、他拠点PCのビューアと共に、自拠点PCに接続されているカメラ情報を表示するビューアも開くようにディスプレイのレイアウトを構成しており、それによって送信映像を確認することができる。
【0019】
上記の例は4拠点間でのTV会議であるが、拠点数が増えても、同様の手順で、各拠点PCが自拠点用フォルダのライブ・カメラ情報を参照することだけで、接続が自動的に完了しTV会議が開会できることは言うまでもない。
【0020】
ここで何らかの事情により運用中の第1の運用支援サーバ11に障害が生じたと仮定する(これにはサーバ自体の故障のみならず、サーバが配置されているLANの障害なども含まれる)。すると、第1の運用支援サーバ11と第2の運用支援サーバ12とは通信できない。第2の運用支援サーバ12は、第1の運用支援サーバ11との間で通信が途絶えたときに該第1の運用支援サーバ11に障害が生じたと判断し、その時点で格納されている最新の各拠点用のライブ・カメラ情報(live cameras.txt)を自らの各拠点用フォルダに書き出す。この状態は、各拠点PCが第2の運用支援サーバ12にアクセスしたとき、自拠点用フォルダの内容(ライブ・カメラ情報)を読み込める状態である。つまり、第2の運用支援サーバ12は待機状態から運用状態へ移行するということである。
【0021】
このことを図4のフローで説明すると、各拠点PCは、第1の運用支援サーバ11の自拠点用フォルダにアクセスし、アクセスが可能であれば、そのまま第1の運用支援サーバによって会議が続行される。第1の運用支援サーバ11の自拠点用フォルダにアクセスできなくなると、該第1の運用支援サーバ11に障害が生じたと判断する。すると各拠点PCは、サーバ自動変更機能によって、待機状態にある第2の運用支援サーバ12に接続を自動的に変更し、ビューアを開いたまま第2の運用支援サーバ12の自拠点フォルダにアクセスする。上記のように第2の運用支援サーバ12は、それまで使用していた第1の運用支援サーバ11と同様、自拠点用フォルダに同じライブ・カメラ情報が書き出されているので、それを読み込むことによって他拠点PCとの接続は維持され、会議はそのまま続行される。この操作は自動的に行われるので、会議参加者は、運用支援サーバを意識することなく、円滑に会議を続けられる。第2の運用支援サーバによる会議の継続は、該第2の運用支援サーバに障害が生じるかもしくは閉会するまで行われ、閉会処理が終了した段階で各PC拠点での接続先が第1の運用支援サーバにリセットされる。従って、第1の運用支援サーバ11の障害が復旧していれば,次の会議は第1の運用支援サーバ11で開催されることになる。
【0022】
運用支援サーバの接続支援機能をまとめて示すと、図5のようになる。その主要な機能は、出席する(出席している)各拠点PCのために、それぞれの拠点用フォルダに、その時点で必要な自動接続用のライブ・カメラ情報を、書き出し(書き込み、書き換え、あるいは削除)することである。この機能は、どの運用支援サーバも同じである。
【0023】
TV会議の開会は、任意の拠点PCからのTV会議開会要請によって始まる。運用支援サーバのポータルサイト画面をWebブラウザで閲覧し、マウスクリックなどの操作で出席拠点が指定される。運用支援サーバは、単に出席する拠点PCの各拠点用フォルダにそれぞれ必要なライブ・カメラ情報を書き込むだけでよい。
【0024】
TV会議の出席拠点の変更は、拠点PCからTV会議中途出席・退席の要請によって行われる。運用支援サーバのWeb画面で出席拠点の追加もしくは削除が指定される。新たに追加される場合は、新たに出席する拠点PCの拠点用フォルダへライブ・カメラ情報が書き込まれる。退席する場合は、退席する拠点PCの拠点用フォルダのライブ・カメラ情報を削除する。また、出席中の他の拠点PCの各拠点用フォルダについては、それぞれライブ・カメラ情報を書き換える。
【0025】
TV会議の閉会も、拠点PCからTV会議の閉会要請によって行われる。運用支援サーバは、出席している全ての拠点PCの各拠点用フォルダのライブ・カメラ情報を削除するだけでよい。
【0026】
図6は、拠点PCの処理手順を示している。ここでは、1箇所の運用支援サーバに対するA拠点のPCの動作のみを示しているが、他の拠点PCの処理手順も同様である。ここでは、第1の運用支援サーバに対して既にTV会議の開会が要請されているものとする。
【0027】
A拠点PCの接続プログラムが起動すると、該A拠点PCは運用支援サーバのA拠点用フォルダにアクセスする。そして、ライブ・カメラ情報が有るか無いかをチェックする。もし無ければ、一定時間経過後にアクセスを繰り返す。つまり、一定周期で(例えば1~20秒毎に)運用支援サーバのA拠点用フォルダを監視し続ける。
【0028】
もしライブ・カメラ情報が有れば、A拠点PCは接続相手となる他拠点PCとの送受信を可能にすると共にそれぞれの拠点PCのビューアを開く。各拠点PCが同様の処理を行うので、この状態でTV会議が開会できる。TV会議開会中も、A拠点PCは運用支援サーバのA拠点用フォルダへのアクセスを一定周期で繰り返す。もし、ライブ・カメラ情報に変更が有れば、それは中途出席・退席があることを意味しており、それに応じて相当する拠点のビューアを開き送受信を可能にする(中途出席有り)か、もしくはビューアを閉じ送受信を切断する(中途退席有り)。ライブ・カメラ情報が全て無くなれば、それはTV会議の閉会を意味し、最初の状態に戻る。ライブ・カメラ情報が残っていれば、TV会議は継続され、運用支援サーバのA拠点用フォルダへのアクセスを一定周期で繰り返し、ライブ・カメラ情報の変更の有無を監視することになる。なお、アクセスできない状態になったときは、その運用支援サーバに障害が生じたものと判断して、他方の運用支援サーバへ切り替えてアクセスするが、その後の動作は切り替わる前と同じである。
【0029】
以上のように、運用支援サーバは各拠点用フォルダのライブ・カメラ情報を管理し、各拠点PCは自拠点用フォルダを常に監視するだけでよく、拠点数が多くなってもネットワーク網を利用した相互接続・切断が自動的に実施できることになる。なお、拠点PCは、ネットワーク網に接続可能であればよく、国内拠点同士のみならず、海外拠点も含めた世界的な規模での多拠点TV会議も可能である。
【0030】
各拠点PCは、物理的な鍵を利用したスタータ機能を具備し、利用者がスタータキーを拠点PCに適用することにより接続プログラムが起動するように構成するのが好ましい。スタータキーは、典型的にはUSBフラッシュメモリにプロテクトキーを書き込んだものである。このような構成にすると、利用者がスタータキーを拠点PCに挿し込むだけでTV会議に出席できる権利が得られ、スタータキーを使わなければTV会議に出席できないことになる。従って、高度のセキュリティを確保できる他、配布するスタータキー数を制限すれば、接続拠点数を物理的に制限し、回線負荷を制限できる利点が生じる。
【0031】
試作した本発明による新しいTV会議システムによれば、拠点数を12~16程度に拡張した場合でも、拠点用フォルダへのアクセスの頻度(アクセスの時間間隔)に応じて、瞬時に接続を確立しビューアの開閉を行うことができた。また、会議開催中に、第1の運用支援サーバに意図的に障害を生じさせたところ、各拠点PCの接続先が自動的に第2の運用支援サーバ12に切り替わり、各拠点PCは、各ビューアの映像や音声が途切れることなく会議を続行することができた。
【0032】
なお、LANに回線障害が発生し、それに繋がっている拠点PC(これを障害発生PCと仮称する)との通信が途絶えた場合には、他の正常に動作している拠点PCでは、障害発生PCのビューアは開いたまま映像が無い状態を維持し続ける。つまり、障害発生PCに映像・音声を送信し続けると共に、障害発生PCから映像・音声を受信し続けようとする。従って、ネットワーク網で回線障害が復旧すれば、直ちに対応するビューアに映像が現れる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係るTV会議システムの一実施例を示す全体構成図。
【図2】運用支援サーバの同期動作の説明図。
【図3】各拠点PCの運用支援サーバへのアクセス状態の説明図。
【図4】運用支援サーバの切り替え動作の説明図。
【図5】運用支援サーバの接続支援動作を示す説明図。
【図6】各拠点PCの動作のフロー図。
【符号の説明】
【0034】
11 第1の運用支援サーバ
12 第2の運用支援サーバ
14 拠点PC
16 映像音声入力手段(カメラとマイク)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5