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明細書 :ダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5240978号 (P5240978)
公開番号 特開2008-260670 (P2008-260670A)
登録日 平成25年4月12日(2013.4.12)
発行日 平成25年7月17日(2013.7.17)
公開日 平成20年10月30日(2008.10.30)
発明の名称または考案の名称 ダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法
国際特許分類 C23C  16/27        (2006.01)
C01B  31/02        (2006.01)
FI C23C 16/27
C01B 31/02 101Z
請求項の数または発明の数 5
全頁数 27
出願番号 特願2007-106493 (P2007-106493)
出願日 平成19年4月13日(2007.4.13)
審査請求日 平成22年4月9日(2010.4.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
発明者または考案者 【氏名】中村 恭子
【氏名】チュウ チャオキョン
【氏名】田中 勝己
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
審査官 【審査官】吉田 直裕
参考文献・文献 特開平03-504849(JP,A)
特開昭62-103367(JP,A)
特開2005-226162(JP,A)
特開2000-205279(JP,A)
特開2001-115261(JP,A)
MAGDALENA KADLECIKOVA, et al.,INVESTIGATION OF CARBON PHASES IN DIAMONDAND DIAMOND.LIKE CARBON HF CVD FILMS BYRAMAN SPECTROSCOPY,JOURNAL OF ELECTRICAL ENGINEERING,2004年,VOL.55, NO.11-12,pp.332-334
M. MAHARIZI, et al.,Physical properties of a:DLC films and their dependence on parameters of deposition and type of substrate,Diamond and Related Materials,1999年,Vol.8,pp.1050-1056
調査した分野 C23C 16/00-16/56
JSTPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
サファイア単結晶を含む基体を、触媒なしで、常圧の炭化水素ガス含有雰囲気中で1000℃以上に加熱することにより、前記基体の表面上に、炭化水素ガスの熱分解によるダイヤモンドライクカーボン膜を形成する工程を有することを特徴とするダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法。
【請求項2】
前記加熱時間は60分以上であることを特徴とする請求項1記載のダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法。
【請求項3】
前記加熱時間経過後、前記炭化水素ガスの供給を停止し、後処理用のガスを供給しつつ温度を徐々に低下させる工程をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載のダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法。
【請求項4】
前記炭化水素ガスは、プロパンを含有するガスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法。
【請求項5】
前記炭化水素ガスに水素ガスを混合することを特徴とする請求項4記載のダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイヤモンドライクカーボン(Diamond Like Carbon:以下「DLC」ともいう。)は、炭素を主成分としながら、高硬度、透明性、電気的絶縁性、耐食性など、黒鉛よりはダイヤモンドに似た性質をもつ準安定な硬質アモルファス炭素である。1970年から研究され、成膜方法により様々な特性を有するDLC膜が得られることが分かってきたが、いまだその定義については不明瞭である。DLCの特性を生かした用途も多彩であり、工業的な応用としてはアルミなど難切削削材向けの切削工具、離形成が必要なレンズなどの精密金型、HDDの磁気ヘッドやディスクの保護膜、トライボロジー(潤滑)特性を生かした自動車部品、ガスバリア性を生かしたペットボトル内壁のコーティングなどが注目され実用化が進められている。また、DLCを次世代の半導体として捉え、可変バンドギャップ半導体とする性質を生かした開発も期待されている。
【0003】
現在の製造方法としては、高周波プラズマ法とイオン化蒸着法が主に用いられている。高周波プラズマ法はメタンガスを原料に使い、容量結合型のプラズマ電極を用いて成膜が行われる。膜質は膜中水素が多いため、平滑性に優れ摩擦係数も小さいが、若干硬度が低いといわれている。
【0004】
一方、イオン化蒸着法は原料にベンゼンを用い、イオン化した炭化水素を直流で加速するため、膜中から水素が叩き出されて膜が硬くなるが、若干面粗度が悪くなるといわれている。
【0005】
このため、高周波プラズマ法は摺動用途に向き、イオン化蒸着法は金型や刃物等に用いられている。しかし、用途によってはこれらの欠点と思われる点は大きな問題とされず、すでに量産で用いられている製品も少なくない。とくに基材が絶縁体の場合は、高周波プラズマ法がチャージアップを起こしにくく多用されている。
【0006】
尚、高周波プラズマ法によるDLC膜の形成方法は、例えば、特許文献1に記載されている。 しかし、高周波プラズマ法やイオン化蒸着法といった従来のDLC膜の形成方法では、DLCを成膜させるのに、成膜させる対象物近傍を高真空度の環境にしなければならず、設備が大掛かりになるし、また、生産性も高いとはいえなかった。
【0007】
また、関連技術に関して、特許文献2には、擬似ダイヤモンド被膜を形成するのに熱フィラメント蒸着反応装置を用いることが記載されているが、この熱フィラメント蒸着反応装置もまた、真空雰囲気中での成膜であるので、設備が大掛かりになるし、また、生産性も高くないという問題があった。また、特許文献3には、メタンガスを原料ガスとしてマイクロ波プラズマCVD法によりダイヤモンド粒子を形成することが記載されているが、このマイクロ波プラズマCVD法も真空雰囲気中での成膜であるので、設備が大掛かりになるし、また、生産性も高くない。更に、特許文献4には、熱フィラメントCVD法により被処理材表面に黒鉛質やダイヤモンド質粒子を生成することが記載されているが、この熱フィラメントCVD法もまた、真空雰囲気中での成膜であるので、設備が大掛かりになるし、また、生産性も高くない。

【特許文献1】特開2005-002377号公報
【特許文献2】特許第2939272号明細書
【特許文献3】特開2002-281991号公報
【特許文献4】特開2004-288460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、従来行われてきたほとんどのDLC作製法は1~10Pa程度の低圧力下のプラズマを利用する、つまり真空装置が必要であり、装置の大きさや多大な生産コストがさらなるDLCの用途拡大と発展への課題となっている。
【0009】
そこで数年前、本発明者らは、真空装置が不要の安価で小型な自作装置でのDLC作製を試み成功した。これによりDLCの可能性がさらに広がったと考えるが、膜と基板の付着力の低さや、この作製法の要である温度が装置にかける負担など問題も多い。また、作製された膜の情報も充分でない。
【0010】
本発明では実験を通じて、様々な作製条件で作製した膜の構造の変化をラマン分光法など用いて分析、評価し、より実用的で優れたDLC膜作製の条件を検討し提案する。
【0011】
したがって本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、その目的は、触媒を用いずにDLCを作製することで、触媒の不均一な堆積に影響されない、より表面平滑な膜を作製するダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、サファイア単結晶を含む基体を、触媒なしで、常圧の炭化水素ガス含有雰囲気中で1000℃以上に加熱することにより、基体の表面上に、炭化水素ガスの熱分解によるダイヤモンドライクカーボン膜を形成する工程を有することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法であって、加熱時間は60分以上であることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載のダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法であって、加熱時間経過後、炭化水素ガスの供給を停止し、後処理用のガスを供給しつつ温度を徐々に低下させる工程をさらに有することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載のダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法であって、炭化水素ガスは、プロパンを含有するガスであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載のダイヤモンドライクカーボン膜の製造方法であって、炭化水素ガスに水素ガスを混合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、サファイア単結晶を含む基体を、炭化水素ガス含有雰囲気中で1000℃以上に加熱することにより、基体の表面上に炭化水素ガスの熱分解によるダイヤモンドライクカーボン膜を形成することができるので、触媒の不均一な堆積に影響されない、より表面平滑な膜を作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施形態)
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係る成膜装置をブロック図で示したものである。
本成膜装置には、加熱装置1aには加熱手段1bが設けられており、この加熱装置1a内には、成膜させる基体Sが基体Sの支持装置1cに取り付けられている。加熱手段1bは電源4からの電力を受けて加熱装置1a内を加熱するものであり、電熱線や誘導加熱装置や赤外線照射装置などがある。
【0018】
加熱装置1aには、ガス供給源2から炭化水素ガス含有ガスが所定の流量で連続的に供給される。このガス流量は、流量制御装置3により制御される。流量制御装置3は、流量計及びこの流量計からの流量データに基づいて流量を一定に維持する制御装置と、この制御装置からの指令により流量を調整するバルブとを有している。なお、この流量制御は、ガス供給源2から供給されるガスの流量があらかじめ定まっている場合には省略することも可能である。
【0019】
加熱装置1aには温度制御装置5が設けられている。この温度制御装置5は、温度計と、この温度計からの温度データに基づいて加熱装置内を一定温度に維持する制御装置とを有していて、この制御装置からの信号に従って電力を調整し、加熱装置1a内の温度を一定に保つ。なお、加熱装置1a内の温度調整、温度維持の制御は、簡易的には、手動で行うことができ、この場合は温度制御装置5を省略することもできる。
【0020】
(実験装置)
プラズマCVD装置による成膜やPLD法による成膜と違い、それ専用とした既製の実
験装置はない。よって、本実験では、実験装置は自ら組立て使用した。組み立てるのに使
用した材料は以下のとおり。組立てた装置は図2に示す。
・ 石英管(長さ:800mm、内円直径:18mm、外円直径:20mm)
・ カンタル線 直径1.0mm 株式会社ニラコ 製
・ チューブ 2本 (原料ガス導入用、排気用)
・ ノビックス (シリコン栓と石英管の隙間をなくすため)
・ シリコン栓
・ 断熱ブロック 5個
・ スライドトランス(電圧源)
・ アルミナグラスウール(断熱用)
【0021】
図2に示すように、加熱装置となる石英管11aの外周面に電熱線であるカンタル線11bを巻き掛け、このカンタル線11bを電源であるスライドトランス14に接続し、また、石英管11aの両端面にはそれぞれガス導入、排出用のチューブを接続し、一方のチューブからAr-CH混合ガスを石英管11a内に連続的に導入し、他方のチューブから使用後のガスを排出する。カンタル線11bの周りには断熱用アルミナグラスウールを巻きつけ、さらにその装置を断熱ブロック上に配置することで実験装置は完成である。この石英管11a内に基板Sを入れて、ガスを流しながら加熱する。
【0022】
(試料及び原材料)
本実験では、炭化水素ガス含有ガスとしてAr-CH混合ガス(Ar90%
、CH10%)、Ar-C混合ガス(Ar90% 、C10%)を用い、成膜させる基板としてp-タイプSi(100)ウェハー、Al(0001)ウェハーを用い、触媒として硝酸ニッケル水溶液を用いた。
【0023】
Si基板上に触媒として硝酸ニッケルを使用した。触媒として使用するのに適した量をSi基板10mm×10mm表面のSi原子の数(約1015個)の約10分の1とし約1014個のニッケル原子を基板上にのせた。その計算式と作業は以下の通りである。
1. Si基板10mm×10mmの平均面密度を計算した。
Si原子数:28.09、比重:2.33g/cm3 より
2.33÷28.01×(6.02×1023)≒4.99×1022個/cm3 → 1cm3あたりのSi原子数
(4.99×1022)2/3≒1.36×1015個/cm2 → 1cm2あたりのSi原子数
2.Si基板にのせる硝酸ニッケル水溶液xlの中にSi原子1/10個のNi原子がいる時の濃度をamol/lとし、関係式を求めた。
1より、Si原子1/10個=1.36×1014
1.36×1014÷(6.02×1023)≒2.26×10-10mol
∴ax=2.26×10-10mol …(A)
3. Si基板10mm×10mm上に硝酸ニッケル水溶液が0.128mlのることから式(A)より必要な硝酸ニッケルの濃度を計算した。
a=2.26×10-10÷(0.128×10-3)≒1.76×10-6mol/l
4.硝酸ニッケルを蒸留水に溶かし何倍に薄め手順3で求めた濃度の水溶液を作製した。
5.超音波洗浄したSi基板上に手順4で作製した水溶液を0.128ml垂らし、HOT
PLATEを使用して約100℃で水分を蒸発させ、堆積させた。
なお、ここで作製した水溶液はAl2O3基板上にも使用した。
【0024】
(実験1)
メタン(CH4)は熱というエネルギーを得ることにより、次式のように炭素と水素に分解される。
CH4→C+2H2
ここで分解された炭素はsp2結合(グラファイト結合)やsp3結合(ダイヤモンド結合)など様々な結合形態をとっており、これらが基板上に堆積することによってDLC膜が作製できると考えられる。しかし、これまでの研究より、熱エネルギーのみでのメタン分解はこの実験系における温度の限界上難しいことが分かっている。また、触媒を用いることでメタン分解が促進され、熱エネルギーだけでは作製できなかった温度でDLC膜が作製できることが報告されている。そこで実験1では、まず先行研究の再現実験を行う。
【0025】
(触媒)
まず、触媒(catalyst)とは、特定の化学反応を促進する物質で、固体、気体、液体と形態を問わず、作用中、自身は変化し続けるが、消費・再生を繰り返し、反応の前後で正味の増減はないものをいう。触媒が持つ作用(触媒作用、catalysis)自体を指す場合もある。触媒は反応物と反応中間体を形成することで、反応に必要とされる活性化エネルギーの低い別の反応経路を生み出す。これにより、触媒が存在しない場合よりも反応が進行する。しかし、反応が平衡状態だと組成の割合は触媒がない時と同じとなる。
【0026】
(硝酸ニッケル水溶液)
本実験では触媒の1例として硝酸ニッケルを使用した。硝酸ニッケルを化学式で書くとNi(NO3)2・6H2Oとなり式量は290.8である。水に大変溶けやすく、水に対する溶解度は94.2g/100g(25℃)である。また、アルコールにも溶ける。保管の際には湿度の低いところで密閉することが必要である。特徴としては、吸熱反応があげられ、触媒として使用した際、表面に炭素が析出されやすい傾向がある。メタン等の飽和炭化水素を、硝酸ニッケルを触媒として用いて直接分解する場合、水素と炭素のみを生成するので本実験に適した反応であると考えられる。
【0027】
(実験)
Si試料を実験装置内に導入し、Ar-CH4混合ガスを流量200ml/minで流した。石英管内がAr-CH4ガスで充満したと判断した後、スライドトランスを用いてカンタル線に電流を流し、熱を発生させた。カンタル線の温度を1350℃まで上げ60分間加熱した。なお、温度はオプティカルパイロメーター、流量は流量計を用いて測定した。そして実験後、基板を装置内から取り出し、XPSピークを測定した。また、比較のために純粋なグラファイトのXPSピークも測定した。
【0028】
(結果)
触媒をのせた部分に光沢のある膜が作製された。作製された膜はピンセットで引っかいても壊れず、目で分かる厚さと弾力があるが、Si基板との密着性は低いように感じられる。この付着力が低い原因として残留応力が挙げられる。残留応力とは外力や熱を取り除いた後にも生じている薄膜内部の応力のことであり、薄膜に亀裂を生じさせたり、膜を基板から剥離させたりする。残留応力が生じる最大の原因としてまず温度が考えられる。この作製法では非常に高温な装置内で成膜を行うため、基板と作製された膜も非常に高温な状態にある。そして成膜後、室温に冷却される際に作製された膜と基板の熱膨張率の違いにより残留応力が生じる。この残留応力は膜が厚く、硬度が大きくなると増加するといわれる。また、作製された膜の亀裂を促進させるものとして基板上の触媒の不均一な堆積が考えられる。
【0029】
作製した膜のXPSと純粋なグラファイトの炭素1s電子のXPSスペクトル(270~300eV)をそれぞれ図3、図4に示す。また、それぞれのピーク値を図5、図6に示す。図3をみると285.4eVと283.5eVにピークが2つあり、文献値より、それぞれがsp3結合とsp2結合を示すピークのように思われる。しかし、図4より、純粋なグラファイトのスペクトルが285.3eVと283.8eVにピークをもち、若干半値幅に違いはあるものの図3のスペクトル波形とほぼ一致していることが分かる。それゆえ、XPSを用いてのDLCの判断は難しいと考え、次の実験からはXPSの測定を行わず、DLCの同定に最もよく用いられるラマンでの評価を行うこととする。なお、純粋なグラファイトに2本ピークが現れた原因としてはグラファイトに存在する二つの結晶形(六方晶系黒鉛構造と菱面体晶系黒鉛構造)によるわずかな結合エネルギーの差が考えられる。実験1ではラマン分光法による評価は行わず、これまでの先行研究で作製された膜との見た目の比較と、XPSから得た炭素スペクトルの情報より作製された膜はDLCであると判断する。
【0030】
(実験2)
これまでの先行研究より、触媒を用いることで原料ガスの分解が促進されSi基板上にDLC膜が作製できることが報告されている。実験1ではその再現実験を行った。そこで、実験2では、Si以外の基板としてAl2O3上にDLC膜を作製できないか、様々な条件の下試みる。
【0031】
(基板)
サファイア単結晶は、機械的強度、化学的安定性、光学特性、電気的特性、熱伝導性に優れており、熱などに対する高い耐久性が求められる環境下ではシリコンやセラミックにとって変わる材料となっている。主成分は酸化アルミニウムで0.1~0.2%のTiO2と若干のFe2O3を含む。サファイアの構造を図3に示す。
なお、今回使用したサファイア基板の詳細を以下に記す。
・作製法:Czochralski法
・結晶構造:六方晶系 a=4.758Å c=12.992Å
・結晶純度:99.99%
・密度:3.98g/cm3
・融点:2040℃
・熱膨張率:7.5(×10-6/℃)
・面方位:<0001> C-plane
・表面光沢:片面のみ
・表面でこぼこ:<5Å(熱電対)
2種類の異なる金属線を接続し、その接点を異なる温度に保つと回路に電流が流れる。この現象をゼーベック(Seebeck)効果という。電位差計を挿入してこの時の起電力[mV]を測定すると、その値は2種類の金属の種類と両接点の温度によって定まる。それゆえ一定の金属線を用い、0℃を基準とし、両接点の温度を種々の既知温度として起電力を測っておけば、これは一種の温度計として利用することができる。[13]
【0033】
(K形熱電対(クロメル-アルメル熱電対、CA熱電対))
クロメルとアルメルはお互いに酸化しにくい合金であり、-200~1100℃の範囲で使用できるので、高温の測定には最もよく用いられている。1℃の変化に対する熱起電力変化は約0.041mVで、温度と起電力の関係は直線に近い。長時間高温で使用すると起電力が変化することがあるので、時々検定すべきである。なお、アルメル線は弱く、切れやすいので1000℃以上で常用するには1mmφ以下では不適当である。高温での使用においてはクロメル線が+、アルメル線が&#8722;であり、アルメル線が容易に磁石につくことで区別可能である。
【0034】
なお、本実験ではクロメル-アルメル熱電対を自ら作り使用した。クロメル、アルメルの成分は以下の通りである。また、実験ではクロメル、アルメルの端子をデジタルマイクロメーターに接続することで電位差を温度変換し測定した。
(クロメル:Ni 89.0%, Cr 9.4%, Fe 1.0%, Mn 0.2%) 直径0.20mm 株式会社ニラコ 製
(アルメル:Ni 94.0%, Al 2.0%, Si 1.0%, Fe 0.5%, Mn 2.5%) 直径0.2mm 株式会社ニラコ製
【0035】
(実験)
実験1のSi基板同様に超音波洗浄したAl2O3基板に硝酸ニッケル水溶液を堆積させたもの、堆積させないものと条件を変え、計4つ用意した。その後試料を実験装置内に導入し、Ar-CH4
ガスを流量200ml/min流し、石英管内がAr-CH4ガスで充満したと判断した後、スライドトランスを用いてカンタル線に電流を流した。カンタル線の温度を1300℃、1200℃と試料ごとに変え60分間加熱した。加熱後、Ar-CH4
ガスを止め、電流を徐々に下げる間、実験装置内にN2ガスとH2ガスを試料ごとに変え、流量100ml/minで流した。なお、温度はクロメルとアルメルの熱電対、流量は流量計を用いて測定した。上記で述べた4つの試料(試料A~D)の条件をまとめ、以下に示す。
試料A : 硝酸ニッケルあり 1200℃で60分間堆積後N2ガス処理
試料B : 硝酸ニッケルあり 1300℃で60分間堆積後N2ガス処理
試料C : 硝酸ニッケルあり 1300℃で60分間堆積後H2ガス処理
試料D : 硝酸ニッケルなし 1300℃で60分間堆積後N2ガス処理
そして実験後、基板を装置内から取り出し、ラマン分光器を用いてそれぞれのラマンスペクトルを測定した。この時、比較のために同じ分光器で純粋なグラファイトとダイヤモンドのラマンスペクトルも測定した。ラマン測定の条件を以下に示す。
【0036】
(ラマン分光法 分析条件)
ラマン分光法による分析装置および測定条件を以下に記す。
・分析装置
測定装置:日本分光シングルモノクロメータ M50
グレーティング 1800本/mm
焦点距離 500mm
レーザー線源:Arイオンレーザー
検出器:LNCCD
・測定条件
レーザーパワー:200Mw
レーザー波長:514.5nm
測定時間:0.5秒
積算回数:100回
レーザー入射角:0度
【0037】
(結果)
試料A~DすべてのAl2O3基板両面に黒っぽい膜が作製された。それぞれの膜をピンセットで引っかいてみても壊れず、目で分かる厚さと弾力があるが、Al2O3基板との密着性は低いように感じられる(ここで付着力の低い原因については前述した通りである)。また、Al2O3の研磨してある平滑な面と、その裏側の研磨してないざらざらな面では膜の色、表面の平滑性が違ってみえる。
【0038】
次にラマン分光法による結果について考える。まず、純粋なグラファイトとダイヤモンドのラマンスペクトルを図7、図8としてそれぞれ示す。図7のスペクトルより、純粋なグラファイトのピークは1599cm-1であることが分かる。DLCの評価を行う際、このグラファイトの振動モードをGバンドと呼ぶ。また、グラファイトの欠陥、アモルファス炭素、ナノ粒子で構成されるDバンド(文献値では1350cm-1)の位置に何もピークが観測されていないことから、測定したグラファイトが欠陥のない純粋なグラファイトであることが確認できた。
【0039】
次に図8のスペクトルより、純粋なダイヤモンドのピークが1333cm-1であることが分かる。半値幅がとても狭いことから非常に結晶性が良いといえる。次に条件を変えて作製された試料A~Dのラマンスペクトルを比較の対象ごとにまとめ、図9、図10、図11、図12としてそれぞれ示す。比較した試料と目的はそれぞれ以下の通りである。
図9:試料A平滑な面/試料B平滑な面 ⇒ 温度の違いによる膜の構造比較(平滑な面)
図10:試料Aざらざらな面/試料Bざらざらな面 ⇒ 温度の違いによる膜の構造比較(ざらざらな面)
図11:試料B/試料C ⇒ 後処理の違いによる膜の構造比較
図12:試料D平滑な面/試料Dざらざらな面 ⇒ 触媒なしでDLC膜は作製できるか?
図9より、1200℃で作製された試料A平滑な面と1300℃で作製された試料B平滑な面のスペクトルには、それぞれ1350cm-1と1610cm-1、1350cm-1と1611cm-1にピークがみられる。
【0040】
また、図10より、試料Aざらざらな面と試料Bざらざらな面のスペクトルには1367cm-1と1616cm-1、1347cm-1と1611cm-1にピークがみられる。1350cm-1付近に現れたピークは文献値よりDバンドのラマンピークであると考えられる。また、1610cm-1付近に現れたピークは図7から得た測定値に比べ11~17cm-1高波数側にシフトしたGバンドのラマンピークであると考えられる。よって、試料Aと試料Bの両面に作製された膜は、2つのラマンピークをもつDLCの特徴を示していることからDLC膜であると判断できる。このことは、Al2O3の平滑な面とざらざらの面に作製された膜が、見た目は異なっても同じDLC膜であることを意味し、作製されるDLC膜の表面は基板表面に依存するということができる。また、DバンドとGバンドのラマン強度をそれぞれ比べると、1200℃で作製した試料Aは二つのラマン強度がほぼ同じなのに対し、1300℃で作製された試料BではDバンドの強度の方がGバンドの強度よりも明らかに大きいことが分かる。これは堆積温度が高くなるほど原料ガスの分解が進み、Dバンドを構成するグラファイト以外の炭素粒子が膜中を占める割合が大きくなったためと考える。そして、それら粒子が高温中で部分的に結晶化し膜質が硬くなったことで、Gバンドが高波数側へシフトし、Dバンドの粒子で一様な分子振動をするものが多くなるために、DバンドもGバンドと同じくらいシャープになると考えられる。ただし、Dバンドを構成する炭素粒子の詳細ついては検討中である。また、今回データは載せていないが、以前1150℃で60分間加熱した触媒付Al2O3基板にはなにも変化が起きなかったことから、原料ガスがメタンである場合、触媒を用いてもDLC膜作製には1200℃以上の温度が必要といえる。
【0041】
次に図11をみる。図11より、試料Cのスペクトルは文献値と測定値と同じ1350cm-1と1599cm-1のピークをもつことから、試料表面に作製された膜はDLC膜であると判断できる。また、試料Bと異なり試料CのDバンドとGバンドのラマン強度はほぼ同じである。このことより、同じ温度で堆積させた膜でも、後処理が窒素か水素かで膜の構造が変化することが分かる。不活性ガスの窒素が膜に与える影響は少ないものとして、水素が与える膜への影響について考えてみる。最も考えられることは、Dバンドを構成する熱と触媒によって分解された様々な形態の炭素が、水素雰囲気中におかれた時、熱というエネルギーを得て再度水素と結合し飛んでいったということである。このことはDバンドを構成する炭素粒子の方がGバンドを構成するグラファイト粒子よりも化学的に不安定で結合力が弱いことを意味すると思われる。また、試料Cには試料BのようなGバンドの高波数側シフトがみられず、純粋なグラファイトと同じ位置にピークがあることについては、水素雰囲気中に膜をおくことで膜中の結晶性が崩れ、代わりに水素終端されたことで膜全体が軟化したと考えた。
【0042】
最後に図12をみる。図12に示されたのは試料D、つまり両面触媒なしのAl2O3に作製された膜のラマンスペクトルである。平滑な面とざらざらな面のスペクトルは、それぞれ1350cm-1と1611cm-1、1358cm-1と1618cm-1にピークをもつことが分かる。これらのピークはそれぞれDバンドとGバンドのピークであると考えられ、つまり触媒なしでもDLC膜が作製できたということを意味する。しかし、先行研究より原料ガスをメタンとしてこの実験装置を用いた場合、1300℃での触媒を用いないDLC膜の作製は難しいとされている。しかも最初に述べた通り、作製された膜は決して脆くない。それゆえ考えられることは、Al2O3自体が触媒の機能をもつということである。これまでAl2O3が触媒であるという文献は確認していないが、おそらくAl2O3に含まれる0.1~0.2%のTiO2
と若干のFe2O3 が触媒としてメタン分解を促進していると考える。よって今後Al2O3を基板として用いた場合、これまでのように基板の上に溶液を垂らすという作業を行う必要がないため、基板上の不均一な触媒の堆積がなくなり、膜の亀裂を生じる原因を1つ回避することができる。また、DLC膜の低摩擦という特性にとっても好都合であると考える。
なお、図9~図12のグラフのDバンドとGバンドのラマンピーク値とその強度比を図13~図16としてそれぞれ示した。
【0043】
(実験3)
実験2より、Al2O3を基板として用いた場合、Si基板と異なり、触媒なしでもDLCを作製できることが分かった。これにより、触媒の不均一な堆積に影響されない、より表面平滑な膜が作製できると考える。しかし依然として解決すべき問題がある。まず一つ目はメタン分解に必要な温度である。本実験法でDLC膜を作製するには、触媒を用いても1200℃以上の温度が必要である。しかし、カンタル線と石英管の融点がそれぞれ1400℃、1500℃であるため、原料ガスをメタンにしてのDLC作製は実験系の破損を招きやすい。
【0044】
そこで実験3ではメタンの代わりにプロパンを用いてDLC膜作製を試みる。プロパンはメタンより分子間の結合エネルギーが小さいため、より低温で分解できる可能性がある。二つ目の問題点は、作製された膜と基板の密着性の低さである。この問題には水素で対応する。水素ガスを炭化水素ガスと一緒に流し、水素分子を余計な炭素原子と再結合させることにより膜厚を抑える。それにより残留応力が小さくなり、密着性の向上が期待できると考える。
【0045】
(プロパン)
プロパンとは、化学式C3H8にて表される鎖式飽和炭化水素の一つである。分子量は44、無色で加熱性を持ち、常温では気体で酸化されるとプロパノールになる。プロパンは天然がスの成分の1つであるが、他の天然がス成分とは違って空気よりも重い。空気の比重と比較すると1.5倍重く、プロパンが漏洩すると床面に滞留することとなる。液体プロパンは大気圧では瞬時に気化する。気化の際に雰囲気から熱を奪うために、水蒸気が凝縮して白い霧が生じる。
【0046】
超音波洗浄のみを行ったAl2O3基板を計2つ用意した。それぞれを実験装置内に導入し、異なる原料ガスを流した。石英管内がそれぞれの原料ガスで充満したと判断した後、スライドトランスを用いてカンタル線に電流を流し、熱を発生させた。カンタル線の温度を1000℃まで上げ両試料とも60分間加熱した。加熱後Ar-C3H8
ガスを止め、温度を徐々に下げる間異なる流量でH2ガスを流した。なお、温度はクロメル・アルメル熱電対、流量は流量計を用いて測定した。上記で述べた2つの試料(試料1、2)の条件の異なる部分を以下に示す。
試料1 : 原料ガス・・・Ar-C3H8混合ガス100ml/min
60分間加熱後・・・H2ガス100ml/min
試料2 : 原料ガス・・・Ar-C3H8混合ガス100ml/min+H2ガス35ml/min
60分間加熱後・・・H2ガス35ml/min
実験後、基板を装置内から取り出し、ラマン分光器を用いてラマンスペクトルを測定した。なお、ラマン分光法による測定の条件は実験2と同じである。また、FE-SEMで膜の観察を行った。
【0047】
(結果)
試料1、2の両Al2O3基板両面に黒っぽい膜が作製された。両面ともAl2O3基板の表面に依存し、研磨された平滑な面には鏡面の膜が、裏側の研磨されていない面にはざらざらな膜が出来ていた。ただし、試料1はピンセットで触っただけで壊れそうな脆い膜であるのに対し、試料2の膜はピンセットで強く引っかいても壊れず、Al2O3基板との密着性もこれまでの実験1、実験2で作製された膜、試料1の膜とは明らかに異なると思われる。これは、加熱始めから炭素堆積の原料である炭化水素ガスに水素ガスを混合することで、結合力が弱く化学的に不安定な炭素粒子が水素分子と再結合し、基板上に堆積しなかったため、基板全体が適度な炭素粒子の量で堆積が終了し、密着性低下の原因と思われる残留応力が小さくなったことが考えられる。
【0048】
ラマン分光法で測定した結果を図17、図18にそれぞれ示す。 図17より平滑な面のスペクトルの1350cm-1と1609cm-1にピーク、ざらざらな面のスペクトルの1350cm-1と1605cm-1にピークがみられる。また、図18より平滑な面のスペクトルの1350cm-1と1612cm-1にピーク、ざらざらな面のスペクトルの1350cm-1と1614cm-1にピークがみられる。(図19、図20 DバンドとGバンドのラマンピーク値と強度比(I(D)/I(G)を示す。)
それぞれのピークは文献値(Dバンドピーク:1350cm-1) よりDバンドと、若干高波数側にシフトしているが測定値(Gバンドピーク:1598cm-1)よりGバンドを表していると考えられ、両ピークを持つDLCの特徴を示していることから、両試料とも作製した膜はDLCであると判断できる。
【0049】
このGバンドピークが高波数側にシフトしている原因として、前述した膜の硬度が考えられる。ラマンスペクトルは分子の振動状態に起因するものであり、その分子の振動エネルギーは分子間の結合力に依存する。それゆえGバンドのピークが高波数側にシフトしたことは、結晶間の結合力が強い、つまり膜の硬度が上がったことを意味している。ここで、図17と図18に示したスペクトルを比較すると、試料1よりも試料2のスペクトル方がGピークシフト量と、強度比(I(D)/I(G))が大きく、Dバンドの形もシャープであることが分かる。これは本節初めに述べたように、水素ガスを加熱後の処理としてだけでなく、加熱始めから原料がスに混合することにより、水素と再結合しなかった結合力の強い炭素粒子が多く基板上に堆積することで高硬度になり、ラマン測定時にはこれら粒子が一様に分子振動をしたために欠陥の集まりであるDバンドでもピークがシャープになったと考えられる。
【0050】
次にFE-SEMによる結果を図21~図28に示す。まず、試料1(平滑な面)についての結果、図21~図28をみていく。図21はDLC膜を1000倍でみた画像である。目立って存在する粒子はあるものの全体的には平滑であるように思える。図22は図23でみられる所々に存在する粒子のひとつに焦点を当て10倍に拡大したものである。縮尺より直径2.5μmの大きさの球形粒子の集合体であることが分かる。また、図23は図21から場所を移動し、拡大した画像である。図23をさらに5倍に拡大した図24の縮尺より、これが直径500nmの球形の粒子が集合体であることが分かる。また、その粒子に付着するように大きさ50~100nmのややごつごつした粒子が所々に存在していることが分かる。つまり、試料1のDLC膜では平滑な部分も多いが、様々な大きさの粒子が混在しているため、均一性にかけると考える。つづいて試料2(平滑な面)についての結果、図25~図28をみていく。図25は図21と同じ倍率でみた画像だが、比較すると試料1よりも観察される粒子の数が少ないといえる。次に図26は図25の中心部を10倍に拡大した画像である。拡大したことで、膜全体に均一、そしてかなり緻密な状態で存在する細かな粒子の存在に気付く。これらの細かい粒子は図27、図28の縮尺より直径50~100nmのごつごつした粒子であり、これら粒子の存在、堆積の仕方がH2ガスを混合することによる膜の密着性向上に大きく関与していると考える。
【0051】
ラマン分光法とFE-SEMによる結果を統合し、H2ガス混合による作製膜と基板の密着性の向上の原因について次のように考察する。おそらく原料ガスにH2ガスを混合することにより、化学的に不安定で結晶性の悪い粒子は水素原子と再結合、安定になり、排気ガスとして装置外に流れた。その結果、結晶性のよい粒子が中心となり基板上に均一、そして緻密な状態で堆積したことで基板への密着性が高くなった。
【0052】
(結論)
以下に本実験の結論を述べる。
まず、Ar-CH4を原料とし本実験法でDLC膜を作製するには、触媒を用いても1200℃以上の温度が必要である。実験系の温度の限界上、加熱温度は1350℃が限度であるが、より高温での原料ガス分解を行うほどグラファイト以外の炭素粒子が膜中を占める割合が大きくなり、それらの炭素粒子が結晶成長するため膜の硬度が上がる。
また、作製されたDLC膜表面は元の基板表面に依存する。
更に、Al2O3基板を用いた場合、それ自体が触媒の機能を持つため新たに触媒を塗る必要がない。これにより基板の形を問わない、均一な膜作製が期待される。
また更に、Ar-C3H8を原料ガスとすると1000℃でもDLC膜を作製することができる。これにより、本実験系でのDLC低温作製が可能となり、温度による実験系の破損を招く心配がなくなる。また、融点が低い金属などの基板上にもDLC膜作製の期待ができる。
また、加熱始めから原料ガスに水素を導入することにより作製された膜と基板の密着性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明のDLC膜を形成させる成膜装置の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態において用いた成膜装置の模式図である。
【図3】1350℃で実験した時のXPSスペクトルの測定結果である(実験1)。
【図4】純粋なグラファイトのXPSスペクトルの測定結果である(実験1)。
【図5】DLCのC1s電子XPSピーク値である(実験1)。
【図6】純粋なグラファイトのC1s電子XPSピーク値である(実験1)。
【図7】純粋なグラファイトのラマンスペクトルの測定結果である(実験2)
【図8】純粋なダイヤモンドのラマンスペクトルの測定結果である(実験2)
【図9】温度の違いによる膜を比較した結果である(平滑な面)(実験2)。
【図10】温度の違いによる膜を比較した結果である(ざらざらな面)(実験2)。
【図11】後処理の違いによる膜を比較した結果である(実験2)。
【図12】触媒無しで作製したDLC膜の構造を比較した結果である(実験2)。
【図13】DバンドとGバンドのラマンピーク値と強度比である(試料A平滑-試料B平滑)(実験2)
【図14】DバンドとGバンドのラマンピーク値と強度比である(試料Aざらざら-試料Bざらざら)(実験2)
【図15】DバンドとGバンドのラマンピーク値と強度比である(試料B-試料C)(実験2)
【図16】DバンドとGバンドのラマンピーク値と強度比である(試料D平滑-試料Dざらざら)(実験2)
【図17】試料1のラマンスペクトルの測定結果である(実験3)。
【図18】試料2のラマンスペクトルの測定結果である(実験3)。
【図19】DバンドとGバンドのラマンピーク値と強度比である(実験3)
【図20】DバンドとGバンドのラマンピーク値と強度比である(実験3)
【図21】試料1のFE-SEM画像(×1,000)である。
【図22】試料1のFE-SEM画像(×10,000)である。
【図23】試料1のFE-SEM画像(×10,000)である。
【図24】試料1のFE-SEM画像(×50,000)である。
【図25】試料2のFE-SEM画像(×1,000)である。
【図26】試料2のFE-SEM画像(×10,000)である。
【図27】試料2のFE-SEM画像(×50,000)である。
【図28】試料2のFE-SEM画像(×100,000)である。
【符号の説明】
【0054】
1a 加熱装置
1b 加熱手段
1c 支持装置
2 ガス供給源
3 流量制御装置
4 電源
5 温度制御装置
6 基体
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21
【図23】
22
【図24】
23
【図25】
24
【図26】
25
【図27】
26
【図28】
27