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明細書 :超音波プローブ及び超音波診断装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5382685号 (P5382685)
公開番号 特開2010-104656 (P2010-104656A)
登録日 平成25年10月11日(2013.10.11)
発行日 平成26年1月8日(2014.1.8)
公開日 平成22年5月13日(2010.5.13)
発明の名称または考案の名称 超音波プローブ及び超音波診断装置
国際特許分類 A61B   8/12        (2006.01)
FI A61B 8/12
請求項の数または発明の数 9
全頁数 12
出願番号 特願2008-281175 (P2008-281175)
出願日 平成20年10月31日(2008.10.31)
審査請求日 平成23年10月19日(2011.10.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305027401
【氏名又は名称】公立大学法人首都大学東京
発明者または考案者 【氏名】吉澤 昌純
個別代理人の代理人 【識別番号】100150876、【弁理士】、【氏名又は名称】松山 裕一郎
審査官 【審査官】杉田 翠
参考文献・文献 国際公開第2006/028249(WO,A1)
特開2005-304685(JP,A)
特開2002-000601(JP,A)
特開2007-006983(JP,A)
吉沢昌純 他,干渉型音響インピーダンス計測法による腎断面画像,超音波医学,2008年 4月15日,Vol.35,286
吉澤昌純 他,穿刺型超音波顕微鏡のための干渉型音響インピーダンス計測法,超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演論文集,2007年11月14日,Vol.28,273-274
調査した分野 A61B1/00
1/04
1/06
1/12-1/24
1/267-1/31
1/32
5/00-5/01
8/00-8/15
JSTPlus(JDreamII)
JMEDPlus(JDreamII)
医中誌Web
CiNii
特許請求の範囲 【請求項1】
一部が被検組織に挿入されて超音波を照射する超音波プローブであって、
先端が針状に形成されて少なくとも先端側の一部が前記被検組織に挿入される第一筒部と、
該第一筒部の先端に対して前記第一筒部の中心軸線方向に出没自在に内挿された第二筒部と、
電気信号と超音波とを交互に変換可能な超音波変換部と、
細長に形成されて前記第二筒部内に挿入され、中心軸線方向に伝達された前記超音波が前記第二筒部の先端近傍に配された先端面から照射される伝送部と、
前記第二筒部に対し、前記超音波とは別に少なくとも前記伝送部の中心軸線と直交する一つの軸線方向に前記伝送部を振動させる振動源と、
該振動源によって前記伝送部に伝達される波動の節にて、前記伝送部を前記第二筒部に回動自在に支持する支持部と、
を備えていることを特徴とする超音波プローブ。
【請求項2】
前記支持部が、前記一つの軸線方向と直交する軸線回りに前記伝送部を回動自在に支持することを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記被検組織と接触するとともに前記超音波が透過する音響窓が前記第二筒部の先端に配され、
前記音響窓が、前記第二筒部の外側に凸状に、かつ内側に凹状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記音響窓の厚さが、該音響窓を伝播する際における前記超音波の波長のN/4倍(Nは自然数)であることを特徴とする請求項3に記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記音響窓の音響インピーダンスが、前記伝送部の音響インピーダンスと、前記被検組織の音響インピーダンスと、の積の平方根又はその近傍の値であることを特徴とする請求項3又は4に記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記伝送部の先端面が外部に対して凹状に形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載の超音波プローブ。
【請求項7】
前記超音波変換部と前記振動源とが一体となっていることを特徴とする請求項1から6の何れか一つに記載の超音波プローブ。
【請求項8】
前記伝送部の少なくとも一部が石英又はサファイアから構成されていることを特徴とする請求項1から7の何れか一つに記載の超音波プローブ。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一つに記載の超音波プローブを備えていることを特徴とする超音波診断装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブ、超音波診断装置及び超音波診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
臓器に発生した病変を診断する方法として、病変部の生体組織を採取し、この生体組織を鑑別して診断する方法が知られている。しかし、この診断方法では生体組織を体外に摘出し、さらに固定および染色してから検査を行う必要があるので、ただちに診断することができない。また、採取した生体組織が生体内の状態から変化してしまうという問題がある。
【0003】
そこで、穿刺針に超音波変換器を取り付けて被検組織の病変部に直接刺入し、超音波を照射して被検対象である病変部の音響インピーダンスを計測することによって、組織性状を測定して周囲の生体組織を画像化する針状超音波プローブが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0004】
特許文献1に記載の方法においては、100MHz程度の比較的高い周波数の超音波ビームを用い、直接体内に針状超音波プローブを挿入して診断する。そのため、超音波プローブそのものを針状に加工するため、生体内に挿入するには余りに針が太くなってしまい、超音波の無侵襲性を損ねてしまう。また、超音波を発生させるトランスデューサ(振動子)自身を生体内に挿入することになり、人体に対する厳格な電気的安全性が要求される。
【0005】
そこで、トランスデューサが体外に配されるようにするとともに、石英やサファイアといったファイバを体内に挿入し、このファイバを介して超音波を体内に伝送する超音波プローブが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開平11-206759号公報
【特許文献2】特開2000-221078号公報
【特許文献3】再表2006/028249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献3に記載の超音波プローブは、音響窓が針先よりも手元側の外枠側面に配されているので、検査の際、病変部を超えた位置まで針先を被検組織に穿刺しなければならない問題がある。また、ファイバから照射された超音波の進行方向をミラーによって変換させる必要があるので、ファイバと観察窓との間に配された音響媒体やミラーの形状又は構成が複雑になってしまう。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、人体に対する電気的安全性を満たすとともに、患者の負担をより軽減でき、高い走査精度を得ることができる超音波プローブ、超音波診断装置及び超音波診断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る超音波プローブは、一部が被検組織に挿入されて超音波を照射する超音波プローブであって、先端が針状に形成されて少なくとも先端側の一部が前記被検組織に挿入される第一筒部と、該第一筒部の先端に対して前記第一筒部の中心軸線方向に出没自在に内挿された第二筒部と、電気信号と超音波とを交互に変換可能な超音波変換部と、細長に形成されて前記第二筒部内に挿入され、中心軸線方向に伝達された前記超音波が前記第二筒部の先端近傍に配された先端面から照射される伝送部と、前記第二筒部に対し、前記超音波とは別に少なくとも前記伝送部の中心軸線と直交する一つの軸線方向に前記伝送部を振動させる振動源と、該振動源によって前記伝送部に伝達される波動の節にて、前記伝送部を前記第二筒部に回動自在に支持する支持部と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る超音波診断装置は、本発明に係る超音波プローブを備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る超音波診断方法は、細長に形成され、入射した観察用の超音波が先端面から照射される伝送部の先端側を被検組織又はその近傍に挿入する挿入ステップと、
少なくとも前記伝送部の中心軸線と直交する一つの軸線方向に前記伝送部を振動させた際、波動の節となる位置にて、前記伝送部を前記筒部に対して回動自在に支持した状態で、前記波動を前記伝送部に伝達させる走査ステップと、前記伝送部の基端側から前記超音波を送信して、前記伝送部の先端から前記被検組織に前記超音波を照射する照射ステップと、前記被検組織から反射される超音波を受信する受信ステップと、前記受信した超音波を分離・制御して分析する分析ステップと、を備えていることを特徴とする。
【0011】
この発明は、振動する伝送部の振幅方向に伝送部の先端面を走査でき、伝送部の中心軸線方向に超音波を照射して伝送部前方の被検組織を観察することができる。この際、振動する伝送部上の波動の節にて伝送部が回動自在に支持されるので、伝送部が支持された位置における振動源による波動の減衰を最小限に抑えて、伝送部の先端まで伝達させることができ、先端面を高精度に走査させることができる。
【0012】
また、本発明に係る超音波プローブは、前記超音波プローブであって、前記支持部が、前記一つの軸線方向と直交する軸線回りに前記伝送部を回動自在に支持することを特徴とする。
この発明は、第二筒部の中心軸線と直交する面を走査して観察することができる。
【0013】
また、本発明に係る超音波プローブは、前記超音波プローブであって、前記被検組織と接触するとともに前記超音波が透過する音響窓が前記第二筒部の先端に配され、前記音響窓が、前記第二筒部の外側に凸状に、かつ内側に凹状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
この発明は、伝送部の先端面の走査の際に、先端面が音響窓と接触することを好適に抑えることができる。また、第一筒部に対して第二筒部を被検組織に向けて突出させた際、被検組織からの圧力による音響窓の変形を好適に抑えることができる。
【0015】
また、本発明に係る超音波プローブは、前記超音波プローブであって、前記音響窓の厚さが、該音響窓を伝播する際における前記超音波の波長のN/4倍(Nは自然数)であることを特徴とする。
【0016】
この発明は、音響窓の厚さが、超音波の波長のN/4(Nは奇数)倍の場合には、計測する音響インピーダンスの大きさを、その逆数の定数倍に変換することができる。また、音響窓の厚さが、超音波の波長のN/4(Nは偶数)倍の場合には、音響インピーダンスの大きさを変えずに計測することができる。
【0017】
また、本発明に係る超音波プローブは、前記超音波プローブであって、前記音響窓の音響インピーダンスが、前記伝送部の音響インピーダンスと、前記被検組織の音響インピーダンスと、の積の平方根又はその近傍の値であることを特徴とする。この発明は、伝送部を伝播する超音波の音響インピーダンスと、被検組織で反射して伝播する音響インピーダンスとの整合を好適にとることができる。
【0018】
また、本発明に係る超音波プローブは、前記超音波プローブであって、前記伝送部の先端面が外部に対して凹状に形成されていることを特徴とする。この発明は、伝送部の先端から照射された超音波を伝送部の先端径よりも小さく収束させることができる。したがって、分解能をより向上させることができる。
【0019】
また、本発明に係る超音波プローブは、前記超音波プローブであって、前記超音波変換部と前記振動源とが一体となっていることを特徴とする。この発明は、全体の構成をより簡単にすることができる。
【0020】
また、本発明に係る超音波プローブは、前記超音波プローブであって、前記伝送部の少なくとも一部が石英又はサファイアから構成されていることを特徴とする。この発明は、伝送部における超音波の伝送性を好適に維持することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、人体に対する電気的安全性を満たすとともに、患者の負担をより軽減でき、高い走査精度を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図7を参照して説明する。
本実施形態に係る超音波顕微鏡(超音波診断装置)1は、図1に示すように、生体に穿刺される超音波プローブ2と、プローブ制御部3と、送受波部5と、信号処理部6と、記憶部7と、画像表示部8と、全体制御部10と、を備えている。
【0023】
超音波プローブ2は、一部が生体の被検組織Mに挿入されて超音波を照射する。この超音波プローブ2は、図2から図4に示すように、電気信号と超音波とを交互に変換可能な、例えば圧電素子からなる超音波変換器(超音波変換部)11と、中空の針体(第一筒部、筒部)12と、管部(第二筒部)13と、超音波が照射されるロッド(伝送部)15と、ロッド15を振動させる振動源16と、ロッド15を管部13に回動自在に支持する支持部17と、を備えている。
【0024】
超音波変換器11は、図示しない圧電膜の両面に図示しない電極が接続されて構成されており、高周波信号を超音波に、或いは超音波を高周波信号に変換する。
【0025】
針体12は、細長に延びて中心軸線Cに対して先端が所定の角度に傾斜して形成されている。なお、針体12の先端は、図2及び図3に示すものに限らず、最先端部分が尖っていればよい。
【0026】
管部13は細長に延びて形成され、針体12の先端に対して中心軸線C方向に出没自在に内挿されている。管部13には、被検組織Mと接触するとともに超音波が透過する音響窓13Aが先端に配されている。支持部17よりも先端側の内部には、例えば、水又は音響ゲルといった音響媒体18が封入されている。支持部17よりも基端側には、ロッド15との間に空気が封入されている。
【0027】
この音響窓13Aは、管部13の外側に凸状に、かつ内側に凹状に形成されている。音響窓13Aの厚さは、音響窓13Aを伝播する際における超音波の波長のN/4倍(Nは自然数)となっている。ここで、Nは奇数でも偶数でもよい。音響窓13Aの材質は、音響窓13Aの音響インピーダンスが、ロッド15の音響インピーダンスと、被検組織Mの音響インピーダンスと、の積の平方根又はその近傍の値となるものを選択する。ここでは、例えば、ポリフッ化ビニリデンとなっている。
【0028】
ロッド15は石英からなり、管部13内に挿入されている。管部13の音響窓13Aの近傍に配された先端面15Aは、超音波変換器11とは電気的に絶縁された状態で、ロッド15の基端側から中心軸線C方向に伝達された超音波が照射される。この先端面15Aは外部に対して凹状に形成されている。支持部17よりも先端側、すなわち、音響媒質18と接触する部分の外周には、フッ素等による又は起毛処理等による撥水コーティング層15aが配されている。なお、撥水コーティング層15aの代わりに、図3(b)に示すように、間に空気が封入されたバルーン15bが配されていてもよい。また、ロッド15の材質は石英に限らず、電気的絶縁性を有して超音波を伝達させやすいサファイア等でも構わない。
【0029】
振動源16は、管部13に対し、超音波とは別にロッド15の中心軸線Cとそれぞれ直交する二つの軸線方向にロッド15を振動させるステージで構成されている。なお、振動源16は、少なくとも中心軸線Cと直交する一つの軸線方向にロッド15を振動させればよい。
【0030】
支持部17は、振動源16によってロッド15に伝達される波動Wの節Nとなる位置にてロッド15を管部13に対して回動自在に支持する。この支持部17は、図5(a)に示すように、管部13の中心軸線Cと直交するy軸回りにロッド15を回動自在に支持する第一支持部17Aと、x軸回りに第一支持部17Aを回動自在に支持する第二支持部17Bと、を備えている。
【0031】
第一支持部17Aには、ロッド15と点接触可能な形状とされた突起部17aが、y軸方向に配されている。突起部17aは、第二支持部17Bのx軸方向にも第一支持部17Aと点接触又は線接触可能に配されている。なお、図5(b)に示すように、第一指示部17Cが、ロッド15とy軸方向に線接触可能かつ図示しない第二支持部とx軸方向に点接触可能な形状でも構わない。
【0032】
振動源16は、このx軸及びy軸方向にロッド15を振動させるもので、例えばスピーカーのような構成とされ、所定の剛性を有する振動伝達部16Aを介してロッド15の基端側と接続されている。
【0033】
プローブ制御部3は、振動源16が発生する波動Wを好適に制御する。送受波部5は、超音波変換器11から数十~数百MHzの超音波を発生させる高周波信号を発生するとともに、超音波変換器11が受波した超音波に対応して変換された高周波信号を増幅する。
【0034】
信号処理部6は、送受波部5から得られた高周波信号を公知の方法によって処理して画像化する。記憶部7は、信号処理部6による処理結果を記憶する。画像表示部8は、信号処理部6による処理結果を画像表示する。全体制御部10は、上記一連の処理を制御する。
【0035】
次に本実施形態に係る超音波顕微鏡1を使用した場合における超音波診断方法について説明する。
本実施形態に係る方法は、図6に示すように、超音波プローブ2の針体12を挿入する挿入ステップ(S01)と、ロッド15を走査する走査ステップ(S02)と、超音波を照射する照射ステップ(S03)と、被検組織Mから反射した超音波を受信する受信ステップ(S04)と、受信した超音波を分析する分析ステップ(S05)と、分析結果を画像表示する表示ステップ(S06)と、を備えている。
【0036】
挿入ステップ(S01)では、図7の上段に示す状態から中段に示す状態まで、超音波プローブ2の針体12の先端側を被検組織M又はその近傍に挿入する。針体12の先端を所定の位置まで挿入後、今度は図7の下段に示す状態まで、針体12の先端から管部13の先端を突出させて被検対象位置まで移動させる。
【0037】
音響窓13Aを被検対象に対向させた状態で走査ステップ(S02)に移行して検査を開始する。ここでは、プローブ制御部3による制御のもと、振動源16によってロッド15を所定の周波数で図5に示すx軸又はy軸方向に振動させる。この際、ロッド15は支持部17によって支持された位置では振動しないものの、そこから離間するにつれて振幅が大きくなっていく。しかし、ロッド15が支持部17にてx軸回り又はy軸回りに回動するので、振動源16からの波動Wの減衰が最小限に抑えられた状態で、ロッド15の先端面15Aが音響窓13Aに対して移動する。
【0038】
照射ステップ(S03)では、送受波部5から所定の高周波信号が発信され、超音波変換器11にて超音波に変換される。そして、変換された超音波がロッド15の基端側からロッド15に入射してロッド15内を縦波となって伝達され、ロッド15の先端面15Aから照射される。超音波はさらに音響窓13Aを透過して被検対象に到達する。到達した超音波は被検対象に反射して再び音響窓13Aを介して先端面15Aからロッド15内に伝達される。
【0039】
受信ステップ(S04)では、被検対象から反射されてロッド15内を伝達された超音波が超音波変換器11にて高周波信号に変換される。そして、この信号が増幅されて信号処理部6に伝達される。
【0040】
分析ステップ(S05)では、信号処理部6に伝達された高周波信号を送信した超音波の高周波信号から分離・制御して分析する。表示ステップ(S06)では、こうして得られた分析結果を画像表示部8に表示する。また、必要に応じて分析結果を記憶部7にて記憶媒体に記憶させる。
【0041】
この超音波顕微鏡1、超音波プローブ2、超音波診断方法によれば、超音波変換器11や振動源16が体外に配されるので、人体に対する電気的安全性を満たすことができる。また、針体12の先端側のみを体内に穿刺するだけで検査することができ、患者の負担をより軽減することができる。
【0042】
さらに、振動源16によって振動するロッド15の振幅方向にロッド15の先端面15Aを走査でき、ロッド15の中心軸線C方向に超音波を照射してロッド15前方の被検対象を観察することができる。この際、振動するロッド15上の波動Wの節Nにてロッド15が管部13に対して回動自在に支持されている。そのため、振動源16による波動Wの支持部17での減衰を最小限に抑えて、ロッド15の先端まで好適に伝達させることができ、先端面15Aを高精度に走査させることができる。
【0043】
特に、振動源16が、中心軸線Cに直交する方向にロッド15を振動させるのに対応して、支持部17が、振動方向と直交する軸線回りにロッド15をそれぞれ回動自在に支持している。そのため、管部13の中心軸線Cに直交する面に沿ってロッド15の先端面15Aを走査させることができる。
【0044】
また、音響窓13Aが、管部13の外側に凸状に、かつ内側に凹状に形成されているので、ロッド15の先端面15Aの走査の際に、先端面15Aが音響窓13Aと接触することを好適に抑えることができる。さらに、針体12に対して管部13を被検組織Mに向けて突出させた際、被検組織Mからの圧力による音響窓13Aの変形を好適に抑えることができる。
【0045】
そして、音響窓13Aの厚さが、超音波の波長のN/4倍(Nは自然数)であるので、Nが奇数の場合には、計測する音響インピーダンスの大きさを、その逆数の定数倍に変換することができる。また、Nが偶数の場合には、音響インピーダンスの大きさを変えずに計測することができる。
【0046】
さらに、音響窓13Aの材質を選択することによって、信号処理部6において、ロッド15を伝播する超音波の音響インピーダンスと、被検組織Mで反射して伝播する音響インピーダンスとの整合を好適にとることができる。
【0047】
また、ロッド15の先端面15Aが外部に対して凹状に形成されているので、ロッド15の先端面15Aから照射された超音波をロッド15の先端面の外径よりも小さい径に収束させることができる。したがって、分解能を向上させることができる。
【0048】
また、ロッド15が石英又はサファイアから構成されているので、電気絶縁性及び超音波の伝送性をともに好適に維持することができる。
【0049】
次に、第2の実施形態について図8を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る超音波プローブ20の支持部21が、中心軸線Cを含む任意の軸線回りに回動自在にロッド15を支持しているとした点である。
【0050】
支持部21は、ロッド15に対して固定された球状表面を有する第一支持部21Aと、内側が球面とされて第一支持部21Aの外面と、及び互いに対向して配されて第一支持部21Aを回動自在に支持する一対の第二支持部21B(図面では一方のみ表示)と、を備えている。第一支持部21A及び第二支持部21Bは面接触している。なお、振動源16によるロッド15の振動方向は第1の実施形態と同様である。
【0051】
この超音波プローブ20も、第1の実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
【0052】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、振動源16による波動Wの周波数によって、図9に示すように、複数の節Nがロッド15の所定箇所に生じる。支持部は、これらのうちの少なくとも一つの節Nでロッド15を支持すればよい。
【0053】
この際、ロッド15の先端面15Aが振動源16による波動Wの腹の位置となるように調節することによって、先端面15Aをより広い範囲に走査することができる。
【0054】
また、振動源16は、圧電素子等からなる超音波変換器11と一体化されたものでも構わない。この場合、全体の構成をより簡単にすることができる。
【実施例】
【0055】
ロッド15の直径を0.5mm、全長を9cmとして、ロッド15の中心(先端から45mm)を支持部17で支持した状態で、振動源16としてスピーカー(振動板の直径45mm、4Ω、1Vを印加)して126Hzの周波数でロッド15を振動させた。このとき、ロッド15の先端面15Aの振幅は、振動伝達部16Aにおける振幅よりも大きい4.5mmとなり、大きな走査範囲を得ることができた。なお、同じ周波数でも、支持部17による支持位置をずらした場合、又は周波数が変動した場合には、先端面15Aでの振幅量は小さくなった。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波顕微鏡を示す概要図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る超音波プローブの先端部分を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る超音波プローブを示す一部断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る超音波プローブを示す要部概念図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る超音波プローブを示す要部断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る超音波診断方法を示すフロー図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る超音波プローブの作用を示す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る超音波プローブを示す要部概念図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る超音波プローブを示す要部概念図である。
【符号の説明】
【0057】
1 超音波顕微鏡(超音波診断装置)
2,20 超音波プローブ
11 超音波変換器(超音波変換部)
12 針体(第一筒部)
13 管部(第二筒部)
13A 音響窓
15 ロッド(伝送部)
15A 先端面
16 振動源
17,21 支持部
C 中心軸線
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8