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明細書 :アルコキシ基を有するレキシノイド化合物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4691619号 (P4691619)
登録日 平成23年3月4日(2011.3.4)
発行日 平成23年6月1日(2011.6.1)
発明の名称または考案の名称 アルコキシ基を有するレキシノイド化合物
国際特許分類 C07C 229/60        (2006.01)
C07C 311/08        (2006.01)
C07D 213/80        (2006.01)
C07D 213/74        (2006.01)
C07D 239/42        (2006.01)
A61K  31/196       (2006.01)
A61K  31/505       (2006.01)
A61K  31/44        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61K  45/00        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61P   3/02        (2006.01)
A61P  17/00        (2006.01)
A61P  29/00        (2006.01)
A61P  37/08        (2006.01)
A61P  19/08        (2006.01)
A61P  35/04        (2006.01)
FI C07C 229/60 CSP
C07C 311/08
C07D 213/80
C07D 213/74
C07D 239/42 Z
A61K 31/196
A61K 31/505
A61K 31/44
A61P 43/00 111
A61K 45/00
A61P 35/00
A61P 3/02 102
A61P 17/00
A61P 29/00 101
A61P 37/08
A61P 19/08
A61P 35/04
A61P 43/00 105
請求項の数または発明の数 11
全頁数 36
出願番号 特願2009-501236 (P2009-501236)
出願日 平成20年2月26日(2008.2.26)
国際出願番号 PCT/JP2008/053240
国際公開番号 WO2008/105386
国際公開日 平成20年9月4日(2008.9.4)
優先権出願番号 2007048059
2007246591
優先日 平成19年2月27日(2007.2.27)
平成19年9月25日(2007.9.25)
優先権主張国 日本国(JP)
日本国(JP)
審査請求日 平成22年5月21日(2010.5.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
発明者または考案者 【氏名】加来田 博貴
【氏名】佐々木 健二
【氏名】高松 佳代
【氏名】高野 敦史
【氏名】薬師寺 信匡
【氏名】師橋 一徳
【氏名】森下 健一
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100088904、【弁理士】、【氏名又は名称】庄司 隆
【識別番号】100124453、【弁理士】、【氏名又は名称】資延 由利子
【識別番号】100135208、【弁理士】、【氏名又は名称】大杉 卓也
審査官 【審査官】野口 勝彦
参考文献・文献 特開2000-159751(JP,A)
特開2004-250400(JP,A)
特表2006-504656(JP,A)
特表2006-508987(JP,A)
Jounal of the American Society for Mass Spectrometry,2005年,Vol.16,p.1561-1573
Synlett,2005年,No.8,p.1239-1242
調査した分野 C07C 229/60
CA(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記の一般式Iで表される化合物。
一般式I:
【化1】
JP0004691619B2_000026t.gif
(式中、R及びRは、それぞれ独立して直線若しくは分岐状のアルキル基から選択される。ただし、ROとRの位置は以下から選択されるいずれかである。
-ROがXに対しパラ位に位置し、かつRがXおよびXに対しメタ位に位置する、または
-ROがXおよびXに対しメタ位に位置し、かつRがXに対しパラ位に位置する。
Wは、NR又はCRであり、Rは水素又は直線、分岐状、若しくは環状のアルキル基から選択される。
、CHである。
は、CH、CR若しくはNから選択される。
は、直線、分岐状若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基及びアミノ基から選択される。
及びYは、それぞれ独立してCH若しくはNから選択される。
Zは、-COOH、-CH=CH-COOH、-CONHOH又は-CH=CH-CONHOHであり、Y及びYに対してメタ位に位置する。
【請求項2】
WがNR(Rは前記と同意義である)である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
がCHである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
OがXに対しパラ位に位置し、かつRがXおよびXに対しメタ位に位置する、請求項1~3のいずれか1に記載の化合物。
【請求項5】
OがXおよびXに対しメタ位に位置し、かつRがXに対しパラ位に位置する、請求項1~3のいずれか1に記載の化合物。
【請求項6】
及びYがともにNである、請求項1~5のいずれか1に記載の化合物。
【請求項7】
がNであり、YがCHである、請求項1~5のいずれか1に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1に記載の化合物を含有する転写調節剤及び核内受容体リガンド作用調節剤。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1に記載の化合物を含有する医薬組成物。
【請求項10】
レチノイドX受容体が関与する生物作用の異常を伴う疾患の予防及び/又は治療のための、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
抗がん剤及び/又は抗炎症剤である、請求項9又は10に記載の医薬組成物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、核内受容体であるレチノイドX受容体(retinoid X receptor;RXR)に対し、作動性若しくは拮抗性物質として作用する化合物(以降、「レキシノイド化合物」と称す。)であり、アルコキシ基を有する新規化合物に関する。さらにはその作用に関する。
【0002】
本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願特願2007-048059号及び特願2007-246591優先権を請求する。
【背景技術】
【0003】
レチノイドX受容体(以降、「RXR」と略す。)は、9-cisレチノイン酸やドコサヘキサンエン酸(DHA)を内因性リガンドにすると考えられている、リガンド依存的な転写因子である核内受容体の一つである。その機能は、ホモ二量体として、また種々の核内受容体とヘテロ二量体を形成し発揮される(非特許文献1)。
【0004】
RXRのヘテロ二量体のパートナーとしては、細胞分化や増殖に関与するレチノイン酸受容体(RAR)、同じく細胞分化や増殖また骨代謝に関与するビタミンD受容体(VDR)、脂質代謝に関与するペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)、甲状腺ホルモン受容体のチロイドホルモン受容体(TR)のほか、薬物代謝酵素で知られるCYP3A4発現に関わるPXRなどがある。従って、RXRの機能とこれら核内受容体の活性発現は密接な関係にあり、RXR機能を制御する作動性もしくは拮抗性物質は、これらのヘテロ二量体の機能を制御することが可能になる(非特許文献2)。
【0005】
例えば、RAR作動性物質であるAm80(一般名:タミバロテン:再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病の治療薬:4-[(5,6,7,8-tetrahydro-5,5,8,8-tetramethyl-2-naphthyl)carbamoyl] benzoic acid:非特許文献3)は、3.3×10-10M濃度で単独に存在する場合はほとんど細胞分化誘導作用を示さないのに対し、Am80とRXR作動性物質を併用すると、RXR作動性物質はAm80のシナジストとして機能し、有意な分化誘導作用が見られるようになる(非特許文献4)。このようなRXR作動性物質による核内受容体ヘテロ二量体に対するシナジスト効果はRARに対してのみならず、RXRとヘテロ二量体を形成するVDRやPPAR等においても見られる。すなわち、このような核内受容体を標的とした脂溶性の高い医薬分子において、その薬物を低容量で用いても効果を発揮させるシナジストとして効果が発揮できる。
【0006】
またRXR拮抗性物質は、選択的にRXR含有へテロ二量体の機能を抑制することも可能になる。例えば、RXR拮抗性物質であるHX531は、PPAR-RXRへテロ二量体に対し、その機能を抑制することで、インスリン抵抗性及び肥満を改善することができる。そのため、II型糖尿病に対する医薬応用が期待されている(非特許文献5)。
【0007】
RXR作動性物質は、RXRを含有する核内受容体へテロ二量体を介した作用に限ることはない。例えば、乳がん治療に用いられるタモキシフェンは、RXRとヘテロ二量体を形成しないエストロゲン受容体(ER)が分子標的であるものの、RXR作動性物質がエストロゲン抵抗性乳がんにおいて、その抵抗性を改善する報告がされている(非特許文献6)。さらに、RXR作動性物質単独もしくはタモキシフェンとの併用による発がん予防効果も報告されている(非特許文献7)。またタキソール抵抗性がんにおける、RXR作動性物質の有効性も報告されている(非特許文献8)。加えて、RXR 作動性物質の血管新生抑制作用も報告されている(非特許文献9)。
【0008】
また、RXR作動性物質は単独投与においても興味深い生理活性が得られている。たとえばII型糖尿病モデルマウスにRXR作動性物質を投与すると、インスリン抵抗性が改善され血糖値低下が見られることが報告されている(非特許文献10)。
【0009】
またRXR作動性物質は、毛根周期に作用し毛髪育成作用があることから、育毛剤としての応用も報告されている(特許文献1)。
【0010】
RXR作動性物質及び拮抗性物質は、総じてレキシノイドといわれる。従来開発されているレキシノイド化合物は脂溶性が高いものが多く(logP>7)、体内蓄積、又は胎盤関門通過による催奇形性が不安視された。一般に、レキシノイドは、一般式IIIで表されるようなテトラメチルテトラヒドロナフチル基を特徴とする疎水性部位と、安息香酸等からなる酸性部位を、部分構造に有する化合物である。(非特許文献11、非特許文献12、特許文献2)例えば、XにC=CH、Rにメチル基、Y及びZにCHを有する化合物LGD1069などが知られる(非特許文献13)が、これらはいずれも脂溶性が高い。
【0011】
RXRには3つのサブタイプ(α、β、γ)があることが知られている(非特許文献14)。しかし、現在サブタイプ選択的リガンドは合成されていない(非特許文献15)。
【0012】
一般式IV:
【化4】
JP0004691619B2_000002t.gif

【0013】

【非特許文献1】Science, 290, pp.2140-2144, 2000
【非特許文献2】Cell, 83, pp.841-850, 1995
【非特許文献3】アムノレイク錠2mg<タミバロテン製剤>日本新薬販売添付文書(2005年6月作成)
【非特許文献4】Journal of Medicinal Chemistry, 37, pp.1508-1517, 1994
【非特許文献5】The Journal of Clinical Investigation, 108, pp.1001-1013, 2001
【非特許文献6】Cancer Research, 58, pp.479-484, 1998など
【非特許文献7】Cancer Letters, 201, pp.17-24, 2003
【非特許文献8】Clinical Cancer Research, 10, pp8656-8664, 2004
【非特許文献9】British Journal of Cancer, 94, pp.654-660, 2006
【非特許文献10】Nature, 386, pp.407-410, 1997
【非特許文献11】Journal of Medicinal Chemistry, 48, pp.5875-5882, 2005
【非特許文献12】Journal of Medicinal Chemistry, 38, pp.3368-3383, 1995
【非特許文献13】Journal of Medicinal Chemistry, 37, pp.2930-2941, 1994
【非特許文献14】Cell, 83, pp.835-839, 1995
【非特許文献15】The Journal of Nutrition, 130, pp.479S-482S, 2000
【非特許文献16】Chemistry & Pharmaceutical Bulletin, 48, pp1504-1513, 2000
【非特許文献17】Journal of Medicinal Chemistry, 42, pp742-750, 1999
【特許文献1】米国特許第5,962,508号公報
【特許文献2】国際公開パンフレットWO00/66595号公報(複素環カルボン酸誘導体)
【特許文献3】特開平10-338658号公報(レチノイド作用調節剤)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、レキシノイド作用を中心とした転写調節作用を有する新規化合物を提供することを課題とする。より詳しくは、脂溶性が低減化され、より安全な新規レキシノイド化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで本発明者らは、上記課題を解決するために既知のレキシノイド化合物の構造的特徴であったテトラメチルテトラヒドロナフチル基を特徴とする疎水性部位について、極性のあるアルコキシ基を有する芳香環へと変換し、鋭意研究を重ねた結果、既存のレキシノイド化合物よりも脂溶性が低いにも関わらず十分なレキシノイド活性を有する新規化合物を見出すに至った。
【0016】
即ち本発明は、以下よりなる。
1.下記の一般式Iで表される化合物。
一般式I:
【化1】
JP0004691619B2_000003t.gif
(式中、R及びRは、それぞれ独立して直線若しくは分岐状のアルキル基から選択される。ただし、ROとRの位置は以下から選択されるいずれかである。
-ROがXに対しパラ位に位置し、かつRがXおよびXに対しメタ位に位置する、または
-ROがXおよびXに対しメタ位に位置し、かつRがXに対しパラ位に位置する。
Wは、NR又はCRであり、Rは水素又は直線、分岐状、若しくは環状のアルキル基から選択される。
、CHである。
は、CH、CR若しくはNから選択される。
は、直線、分岐状若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基及びアミノ基から選択される。
及びYは、それぞれ独立してCH若しくはNから選択される。
Zは、-COOH、-CH=CH-COOH、-CONHOH又は-CH=CH-CONHOHであり、Y及びYに対してメタ位に位置する。
2.WがNR(Rは前記と同意義である)である、前項1記載の化合物。
3.XがCHである、前項1又は2に記載の化合物。
4.ROがXに対しパラ位に位置し、かつRがXおよびXに対しメタ位に位置する、前項1~3のいずれか1に記載の化合物。
5.ROがXおよびXに対しメタ位に位置し、かつRがXに対しパラ位に位置する、前項1~3のいずれか1に記載の化合物。
6.Y及びYがともにNである、前項1~5のいずれか1に記載の化合物。
7.YがNであり、YがCHである、前項1~5のいずれか1に記載の化合物。
8.前項1~7のいずれか1に記載の化合物を含有する転写調節剤及び核内受容体リガンド作用調節剤。
9.前項1~7のいずれか1に記載の化合物を含有する医薬組成物。
10.レチノイドX受容体が関与する生物作用の異常を伴う疾患の予防及び/又は治療のための、前項9記載の医薬組成物。
11.抗がん剤及び/又は抗炎症剤である、前項9又は10に記載の医薬組成物。
【発明の効果】
【0017】
本発明の化合物は、RXR作動効果を介して、既存の細胞分化誘導調節化合物であるタミバロテン(Am80)とともに作用させた場合、顕著なレチノイドシナジスト活性を示した。またヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害活性も付随する化合物を見出した。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1及び4の化合物の合成スキームを示す図である。
【図2】実施例2及び5の化合物の合成スキームを示す図である。
【図3】実施例3の化合物の合成スキームを示す図である。
【図4】実施例6の化合物の合成スキームを示す図である。
【図5】実施例7の化合物の合成スキームを示す図である。
【図6】実施例8の化合物の合成スキームを示す図である。
【図7】実施例9~13の化合物の合成スキームを示す図である。
【図8】実験例3のヒストン脱アセチル化酵素阻害活性の結果を示す図である。
【図9】実験例4のカラゲニン浮腫試験の結果を示す図である。

【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の化合物は、以下の一般式Iで表される。
一般式I:
【化1】
JP0004691619B2_000004t.gif

(式中、Rは直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
は直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
Wは、NR又はCR3’であり、R及びR3’は水素、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基から選択される。
、Yは、CH若しくはNから選択される。
、Yは、CH、CR、若しくはNから選択される。
は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基及びアミノ基から選択される。
Zは、直接、若しくは飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を介したカルボン酸、カルボン酸エステル、又はヒドロキサム酸から選択される。)
【0020】
一般式Iで表される化合物のうち、好適には以下の一般式II又はIIIで表される。
一般式II:
【化2】
JP0004691619B2_000005t.gif

(式中、Rは直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
は分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基からなる群から選択される。
は水素、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基から選択される。
は、CH若しくはNから選択される。
は、CH若しくはNから選択される。
は、CH、CR、若しくはNから選択される。
は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアルコキシ基から選択される。
Zは、直接、若しくは飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を介したカルボン酸、カルボン酸エステル、又はヒドロキサム酸から選択される。)
【0021】
一般式III:
【化3】
JP0004691619B2_000006t.gif

(式中、Rは直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基からなる群から選択される。
は分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基からなる群から選択される。
は水素、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基から選択される。
は、CH、CR、若しくはNから選択される。
は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基及びアミノ基から選択される。
は、CH若しくはNから選択される。
は、CH、CR、若しくはNから選択される。
は、直線若しくは分岐状の、非置換若しくは置換の、飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアルコキシ基から選択される。
Zは、直接、若しくは飽和若しくは不飽和の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基を介したカルボン酸、カルボン酸エステル、又はヒドロキサム酸から選択される。)
【0022】
一般式I~IIIにおいて、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基は、各々シクロアルキル基、シクロアルケニル基及びシクロアルキニル基であっても良い。ここで用いられるシクロアルキルは、飽和環式炭素鎖を意味し、シクロアルケニル及びシクロアルキニルは、それぞれ、少なくとも1つの二重又は三重結合を含む環式炭素鎖を意味する。シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基及びアリール基は単環、多環又は縮合環式であっても良い。
【0023】
本発明の好ましい化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
一般式IIにおいて、R及びRがともにイソプロピル基であり、XはCH若しくはNであり、YがともにNであり、Zがカルボン酸エステル、カルボン酸若しくはその塩であり、かつYおよびYに対しメタ位に位置し、Rはエチル、イソプロピルから選択される化合物が挙げられる。カルボン酸エステルの例としては、メチルエステル、エチルエステル、t-ブチルエステルが挙げられる。さらに具体的には以下の式Vで表される化合物が挙げられる。
【0024】
本発明の好ましい他の化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
一般式IIIにおいて、R及びRがともにイソプロピル基であり、XはCHであり、YはNであり、YはCHであり、Zがカルボン酸エステル、カルボン酸若しくはその塩であり、かつYおよびYに対しメタ位に位置し、Rはエチル、イソプロピルから選択される化合物が挙げられる。カルボン酸エステルの例としては、メチルエステル、エチルエステル、t-ブチルエステルが挙げられる。さらに具体的には以下の式VIで表される化合物が挙げられる。
【0025】
本発明の好ましい他の化合物としては、さらに以下の化合物が挙げられる。
一般式IIにおいて、Rがイソプロピル基もしくはイソブチル基であり、Rがイソプロピル基であり、XはCH若しくはNであり、YはCH若しくはNであり、YがNであり、Zがカルボン酸エステル、カルボン酸若しくはその塩であり、かつYおよびYに対しメタ位に位置し、Rはエチル基である化合物が挙げられる。カルボン酸エステルの例としては、メチルエステル、エチルエステル、t-ブチルエステルが挙げられる。
さらに具体的には一般式VII及び表1に示す化合物が挙げられる。
【0026】
式V:
【化5】
JP0004691619B2_000007t.gif

【0027】
式VI:
【化6】
JP0004691619B2_000008t.gif

【0028】
一般式VII:
【化7】
JP0004691619B2_000009t.gif

【0029】
【表1】
JP0004691619B2_000010t.gif

【0030】
本発明において一般式I~IIIのいずれかで表される化合物は、さらに、薬学的に許容される塩であってもよい。また、一般式Iの化合物又はその塩において、異性体(例えば光学異性体、幾何異性体及び互換異性体)などが存在する場合は、本発明はそれらの異性体を包含し、また溶媒和物、水和物及び種々の形状の結晶を包含するものである。
【0031】
本発明において、薬学的に許容される塩とは、薬理学的及び製剤学的に許容される一般的な塩が挙げられる。そのような塩として、具体的には以下が例示される。
塩基性付加塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;例えばアンモニウム塩;例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩;ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ブロカイン塩等の脂肪族アミン塩;たとえばN,N-ジベンジルエチレンジアミン等のアラルキルアミン塩;例えばピリジン塩、ピコリン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等の複素環芳香族アミン塩;例えばテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩;アルギニン塩;リジン塩等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。
【0032】
酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩;例えばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸性アミノ酸等を挙げることができる。
【0033】
本発明において一般式I~IIIのいずれかで表される化合物は、RXRに対し作動もしくは拮抗作用を有する。RXRはDNAの転写に関わる核内受容体であることから、本発明化合物は転写調節化合物ということもできる。本明細書において「調節作用」という用語又はその類似語は、作用の増強又は抑制を含めて最も広義に解釈する必要がある。本発明の化合物が増強作用又は抑制作用のいずれを有するかは、本明細書の実験例に具体的に示した方法に従って容易に検定可能である。
【0034】
本発明において一般式I~IIIのいずれかで表される化合物のうちRXR作動性物質は、レチノイドの生理作用例えば細胞分化作用、細胞抑制作用などを顕著に増強するシナジスト作用を有する。そのため、レチノイン酸やレチノイン酸様の生物活性を有する化合物(例えば、Am80など)を包含するレチノイドを含む医薬組成物を用いて治療する際の、作用増強剤として利用することができる。レチノイドの生理活性の代表的なものとして、細胞分化作用、細胞抑制作用、及び生命維持作用などが挙げられる。そして、レチノイドはビタミンA欠乏症、上皮組織の角化症、リウマチ、遅延型アレルギー、骨疾患、及び白血病やある種の癌の治療や予防に有用であると考えられる。また、レチノイドを投与しない場合においても、本発明の化合物は生体内に既に存在するレチノイン酸の作用を増強するので、本発明の化合物自体を投与することも可能である。
【0035】
上記の化合物は、細胞の核内に存在する核内受容体・スーパーファミリーに属する受容体に結合して生理活性を発現する物質、例えば、活性型ビタミンA代謝物(All-trans Retinoic Acid:ATRA)を含むレチノイド化合物、エイコサノイド類、ビタミンD3などのビタミンD化合物、又はチロキシンやリガンド不明のオーファン受容体リガンドなどの作用を増強もしくは抑制することができる。
【0036】
また本発明の化合物のうちRXR拮抗作用を有する化合物は、レチノイドの作用抑制剤として用いることができる。そのため、すなわち細胞の核内に存在する核内受容体・スーパーファミリーに属する受容体に結合して生理活性を発現する物質、例えば、ATRAを含むレチノイド化合物、エイコサノイド類、ビタミンD3などのビタミンD化合物、又はチロキシンやリガンド不明のオーファン受容体リガンドなどの作用を抑制することができる。
【0037】
従ってRXR作動性もしくは抑制性の化合物は、これらの生理活性物質の作用発現の調節に用いることができ、核内受容体・スーパーファミリーに属する核内受容体の1又は2以上が関与する生物作用の異常を伴う疾患の予防及び/又は治療に用いることができる。
【0038】
本発明のうち、一般式VIII~XIで表される化合物は、RXR作動性作用の他、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤としての作用も有する。したがって、RXR作動性作用に加えて、HDAC阻害に基づく、転写活性化、細胞分化、アポトーシス作用が期待できる。
【0039】
一般式VIII:
【化8】
JP0004691619B2_000011t.gif

【0040】
一般式IX:
【化9】
JP0004691619B2_000012t.gif

【0041】
一般式X:
【化10】
JP0004691619B2_000013t.gif

【0042】
一般式XI:
【化11】
JP0004691619B2_000014t.gif

【0043】
本発明の化合物を有効成分とする試薬又は医薬等の薬剤も、本発明の範囲に含まれる。医薬品として用いる場合には、例えば、抗がん剤、抗炎症剤、抗メタボリックシンドローム剤及び/又は増毛・育毛剤として用いることができる。
【0044】
本発明の化合物を有効成分とする医薬として用いる場合には、投与量は特に限定されない。例えばレチノイン酸などのレチノイドを有効成分として含む医薬と本発明の化合物とを併用してレチノイドの作用を調節する場合、あるいは、レチノイドを含む医薬を併用せずに、生体内に既に存在するレチノイン酸の作用調節のために本発明の薬剤を投与する場合など、あらゆる投与方法において適宜の投与量が容易に選択できる。例えば、経口投与の場合には有効成分を成人一日あたり0.01~1000mg程度の範囲で用いることができる。レチノイドを有効成分として含む医薬と本発明の薬剤とを併用する場合には、レチノイドの投与期間中、及び/又はその前若しくは後の期間のいずれにおいても本発明の薬剤を投与することが可能である。
【0045】
さらに、本発明の薬剤を抗がん剤として用いる場合は、上記本発明の化合物を有効成分とする他、公知の抗がん剤を有効成分として含んでいてもよい。抗がん剤としては、エストロゲン拮抗性抗乳がん剤やタキサン系抗がん剤が挙げられ、具体的にはタモキシフェン又はタキソールなどが挙げられる。
【0046】
本発明の薬剤を抗炎症剤として用いる場合は、上記本発明の化合物を有効成分とする他、公知の抗炎症剤を有効成分として含んでいてもよい。抗炎症剤はステロイド系であっても非ステロイド系であってもよい。非ステロイド系抗炎症剤は、アミノアリールカルボン酸誘導体類、アリール酢酸誘導体類、 アリール酪酸誘導体類、アリールカルボン酸類、アリールプロピオン酸誘導体類、ピラゾール類、ピラゾロン類、サリチル酸誘導体類、チアジンカルボキサミド 類、及び他の構造を有する種類の中から選択し得る。
【0047】
本発明の薬剤を抗メタボリックシンドローム剤として用いる場合は、上記本発明の化合物を有効成分とする他、公知の抗メタボリックシンドローム剤を有効成分として含んでいてもよい。
【0048】
メタボリックシンドロームとは、(1)血清脂質異常(トリグリセリド値150mg/dL以上、またはHDLコレステロール値40mg/dL未満)、(2)血圧高値(最高血圧130mmHg以上、または最低血圧83mmHg以上)、(3)高血糖(空腹時血糖値110mg/dL))のうち2つ以上を有することを特徴とする動脈硬化性疾患(心筋梗塞や脳梗塞など)の危険性を高める複合型リスク症候群である。特に内臓脂肪の蓄積による肥満が、高脂血症、高血圧、高血糖の共通のリスクとして着目されている。
【0049】
RXRのヘテロ二量体のパートナーとして知られる脂質代謝に関与するペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)のアゴニストが抗メタボリック作用をもつことが、近年の研究から明らかにされ注目を浴びている。本発明の化合物がRXRのヘテロ二量体パートナーであるPPARに対してシナジスト作用を示すことによって、PPAR作動性物質の抗メタボリックシンドローム作用が増強される。
【0050】
本発明の薬剤として、上記一般式Iで表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の物質をそのまま投与してもよいが、好ましくは、上記の物質の1種又は2種以上を含む、経口用あるいは非経口用の医薬組成物として投与することが好ましい。経口用あるいは非経口用の医薬組成物は、当業者に利用可能な製剤用添加物、即ち薬理学的及び製剤学的に許容しうる担体を用いて製造することができる。例えば、レチノイン酸などのレチノイドを有効成分として含む医薬に上記の物質の1種又は2種以上を配合して、いわゆる合剤の形態の医薬組成物として用いることもできる。
【0051】
経口投与に適する医薬用組成物としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、及びシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、軟膏剤、クリーム剤、及び貼付剤等を挙げることができる。上記の医薬組成物の製造に用いられる薬理学的及び製剤学的に許容しうる担体としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を挙げることができる。
【0052】
本明細書の実施例に、本発明の式Iに示される好ましい化合物の製造方法を具体的に説明する。これらの製造方法において用いられた出発原料及び試薬、並びに反応条件などを適宜修飾ないし改変することにより、本発明の範囲に包含される化合物はいずれも製造可能である。本発明の化合物の製造方法は、実施例に具体的に説明されたものに限定されるものではない。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例の範囲に限定されることはない。
【0054】
(実施例1)目的化合物1a (NEt-3IP)の合成
本実施例における製造方法のスキームを図1に示した。
【0055】
1)中間体Aの合成
2-イソプロピルアニリン(2.7g、20.0mmol)、濃硫酸(5mL)を氷浴上で冷却しながら混合し、混酸 (濃硝酸:濃硫酸=2:5、7mL)を0℃より昇温しないように加えた。その後TLC(Thin Layer Chromatography)プレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:2)で反応の終了を確認した。2規定の水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、酢酸エチル(70mL×3)で抽出した。有機層を水(100mL×2)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去し、濃橙色のオイル状の中間体A(2.9g、81%)を得た。
【0056】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.60 (dd, 1 H, J = 8.5 Hz and 2.5 Hz, Ar-H), 7.50 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.24 (d, 1 H, J = 8.5 Hz, Ar-H), 3.95 (br s, 2 H, NH2), 2.90 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.29 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0057】
2)中間体Bの合成
中間体A(2.9g、16.0mmol)を水(20.0mL)と濃硫酸(4.0mL)に攪拌しながら混合し、0~5℃まで温度を下げ、そこへ4.5Mの亜硝酸ナトリウム水溶液(4.0mL)を5℃以上に昇温しないようにしながら滴下し、攪拌した。ヨウ化カリウムデンプン紙により、反応の進行状況を確認した後、120℃の熱浴 (濃硫酸:水=4:3、7mL)に滴下した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)により反応の終了を確認後、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。有機層を水(70mL×2)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去し、黒色オイル状の残渣(2.7g)を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)を行い、橙色オイル状の中間体B(2.2g、75%)を得た。
【0058】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.78 (dd, 1 H, J = 8.5 Hz and 2.0 Hz, Ar-H), 7.63 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 7.33 (d, 1 H, J = 8.5 Hz, Ar-H), 5.35 (s, 1 H, OH), 3.31 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.28 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0059】
3)中間体C合成
中間体B(2.2g、12.0mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(6.0mL)に溶解し、炭酸カリウム(3.3g、24.0mmol)、2-ブロモプロパン(1.7mL、18.0mmol)、ヨウ化カリウム適量を攪拌しながら混合し、1.5時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:10)により反応の終了を確認後、水(70mL)にあけ、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。有機層を水(50mL×2)、飽和食塩水(40mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去し、橙色オイル状の粗生成物(2.3g)を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:10)を行い、黄色澄明なオイル状の中間体C(2.2g、83%)を得た。
【0060】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.76 (dd, 1 H, J = 8.0 Hz and 2.0 Hz, Ar-H), 7.66 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 7.31 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 4.67 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 3.36 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.34 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.22 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0061】
4)中間体Dの合成
中間体C(2.2g、10mmol)をメタノール(20mL)に溶解し、濃塩酸(0.5mL)、パラジウム炭素を適量加え、水素雰囲気下室温で1.5時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:10)により反応の終了を確認した後、セライトろ過を行い、減圧下にて溶媒留去し、薄茶色板状結晶の中間体D(1.6g、82%)を得た。
【0062】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.84 (br s, 2 H, NH2), 7.24 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.97 (s, 1 H, Ar-H), 6.85 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 4.53 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 3.20 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.31 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.15 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0063】
5)中間体Eの合成
中間体D(4.9mmol)、6-クロロニコチン酸(788mg、5.0mmol)を酢酸(4.0mL)に溶解し、80℃で8時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:4)で反応の終了を確認した後、減圧下にて溶媒留去し、黒色オイル状の残渣を得た。得た残渣に無水メタノール(5.0mL)、濃硫酸(0.2mL)を攪拌しながら加え、90℃で18時間還流した。TLC(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:4)で反応の終了を確認した後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層を水(50mL×2)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下にて溶媒留去し、粗結晶(1.22g)を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:10→1:5)を行い、紫色粒結晶(702mg)を得た。これをさらに再結晶(メタノール)を行い、無色粒状結晶の中間体E(393mg、56%)を得た。
【0064】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.75 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 8.08 (dd, 1 H, J = 9.0 Hz and 2.5 Hz, Ar-H), 7.69 (s, 1 H, NH), 7.19 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.83 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 6.82 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.81 (dd, 1 H, J = 8.0 Hz and 2.0 Hz, Ar-H), 4.51 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 3.90 (s, 3 H, CO2CH3), 3.32 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.35 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.21 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0065】
6)中間体Fの合成
水素化ナトリウム(60%inオイル)(16mg、0.40mmol)を n-ヘキサンで洗浄後に無水N,N-ジメチルホルムアミド(1mL)を加えて懸濁させ、中間体E(115mg、0.35mmol)を加えて5分間攪拌した。その後、ヨードエタン(32μL、0.4mmol)を加えて室温で15時間攪拌した。反応はTLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:4)で追跡した。反応の進行が悪かったため、1-ヨードエタン(20μL)を加えて、さらに2時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:4)で反応の終了を確認した後、水(20mL)にあけ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。得た有機層を水(10mL×2)、飽和食塩水(10mL)で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、黄色のオイル状の中間体F(117mg、93%)を得た。
【0066】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.84 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.79 (dd, 1 H, J = 9.0 Hz and 2.5 Hz, Ar-H), 7.25 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.75 (dd, 1 H, J = 8.0 Hz and 2.0 Hz, Ar-H), 6.66 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.25 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 4.48 (sept, 1 H, J = 6.0, OCH(CH3)2), 4.03 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.86 (s, 3 H, CO2CH3), 3.32 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.33 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.24 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.24 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
【0067】
7)目的化合物1aの合成
中間体F(116mg、0.33mmol)をメタノール(2mL)に溶解し、2規定の水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加えた後、60℃の水浴上で40分攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1)で反応の終了を確認した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)にあけ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。得られ有機層を水(10mL×2)、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、目的物として無色の残渣 (105mg、88%)を得た。再結晶 (メタノール)を行い、無色針状晶の目的化合物1a(48mg、43%)を得た。
【0068】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.91 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.83 (dd, 1 H, J = 9.0 Hz and 2.5 Hz, Ar-H), 7.26 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.74 (dd, 1 H, J = 8.0 Hz and 2.0 Hz, Ar-H), 6.65 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.26 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 4.49 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 4.06 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.32 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.34 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.25 (d,6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.24 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
Mp 212.0-214.0 ℃
IR (KBr) cm-1 : 1698 (CO)
FAB-MS m/e: 343 [M+H]+
Anal. Calcd for C20H26N2O3: C, 70.15; H, 7.65; N, 8.18. Found: C, 70.18; H, 7.71; N, 8.46.
【0069】
(実施例2)目的化合物6aの合成
本実施例における製造方法のスキームを図2に示した。
【0070】
1)中間体Gの合成
中間体D(148mg、0.6mmol)、炭酸カリウム(622mg、4.5mmol)、2-クロロピリミジン-5-カルボン酸エチルエステル(120mg、0.6mmol)の混合物の中に無水N,N-ジメチルホルムアミドを一滴加え、110℃で15時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)で反応の終了を確認した後、酢酸エチル(30mL)を加え、反応混合物を溶解した。その酢酸エチル層を水(20mL×2)、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、粗結晶(185mg)を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:6)を行い、黄色板状結晶の中間体G(152mg、69%)を得た。
【0071】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.95 (s, 2 H, Ar-H), 7.39 (br s, 1 H, NH), 7.34 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 7.16 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.99 (dd, 1 H, J = 8.0 Hz and 2.0 Hz, Ar-H), 4.56 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 4.37 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, CO2CH2CH3), 3.28 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.39 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, CO2CH2CH3), 1.37 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.20 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0072】
2)中間体Hの合成
水素化ナトリウム(60%inオイル)(40mg、1.0mmol)を n-ヘキサンで洗浄後に無水N,N-ジメチルホルムアミド(4mL)を加えて懸濁させ、中間体G(137mg、0.4mmol)を加えて10分間攪拌した。その後、1-ヨードエタン(32μL、0.4mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。反応はTLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)で追跡した。反応液を水(50mL)にあけ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。得た有機層を水(30mL×2)、飽和食塩水(30mL)で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、無色結晶性の中間体H(78mg、86%)を得た。
【0073】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.85 (s, 2 H, Ar-H), 7.23 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.76 (dd, 1 H, J = 8.0 Hz and 2.0 Hz, Ar-H), 6.68 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 4.46 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 4.33 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, CO2CH2CH3), 4.05 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.30 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.35 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, CO2CH2CH3), 1.34 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.25 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 1.23 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0074】
3)目的化合物6aの合成
中間体H(75mg、0.2mmol)をエタノール(2mL)に溶解し、2規定の水酸化ナトリウム水溶液(2mL)を加えた後、60℃の水浴上で10分攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)で反応の終了を確認した後、2規定の塩酸水溶液(20mL)にあけ、酢酸エチル(15mL×2)で抽出した。得られた有機層を水(20mL×2)、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、目的物として無色の残渣(67mg、97%)を得た。
【0075】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.78 (s, 2 H, Ar-H),7.17 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.70 (dd, 1 H, J = 8.0 Hz and 2.0 Hz, Ar-H), 6.51 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 4.40 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 3.96 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.26 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.28 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.19 (d, 6 H, J = 7.0, CH(CH3)2), 1.11 (t, 3 H, J = 7.0, NCH2CH3).
Mp 196.5-198.0 ℃
FAB-MS m/e: 343 [M]+, 344 [M+H]+
【0076】
(実施例3)目的化合物8の合成
本実施例における製造方法のスキームを図3に示した。
【0077】
1)中間体Iの合成
中間体D(181mg、0.7mmol)、5-ブロモ-2-クロロピリジン(135mg、0.7mmol)を酢酸(2.0mL)に溶解し、80℃で20時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:4)で反応の終了を確認した後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。酢酸エチル層を水(50mL×2)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、粗結晶(244mg)を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:6)を行い、無色結晶の中間体I(45mg、18%)を得た。
【0078】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.20 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.52 (dd, 1 H, J = 9.0 Hz and 2.5 Hz, Ar-H), 7.14 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.83 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.77 (dd, 1 H, J = 8.0 Hz and 2.0 Hz, Ar-H), 6.73 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 6.43 (s, 1 H, NH), 4.49 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 3.27 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.35 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.20 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0079】
2)中間体Jの合成
中間体I(106mg、0.30mmol)、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(14mg、0.015mmol)、トリトリルホスフィン(18mg、0.060mmol)、トリエチルアミン(0.205mL、1.5mmol)をアルゴン雰囲気下無水N,N-ジメチルホルムアミド(1.0mL)に溶解し、アクリル酸t-ブチル(0.066mL、0.45mmol)を滴下した。この混合液を120℃で8時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:6)で反応の終了を確認した後、反応液をセライトろ過し、得たろ液を水(30mL×2)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、粗結晶(190mg)を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:4)を行い、黄色結晶の中間体J(95mg、80%)を得た。
【0080】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.28 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.65 (dd, 1 H, J = 9.0 Hz and 2.5 Hz, Ar-H), 7.50 (d, 1 H, J = 16.0 Hz, Ar-H), 7.16 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.87 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.82 (dd, 1 H, J = 8.0 Hz and 2.0 Hz, Ar-H), 6.83 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 6.70 (s, 1 H, NH), 6.21 (d, 1 H, J = 16.0 Hz, Ar-H), 4.53 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 3.28 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.53 (s, 9 H, C(CH3)3), 1.35 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.21 (d,6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0081】
3)中間体Kの合成
水素化ナトリウム(60%inオイル)(8mg、0.20mmol)を n-ヘキサンで洗浄後に無水N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を加えて懸濁させ、中間体J(55mg、0.13mmol)を加えて5分間攪拌した。その後、1-ヨードエタン(20μL、0.25mmol)を加えて室温で2.5時間攪拌した。反応はTLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:6)で追跡した。反応液を水(50mL)にあけ、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。得た有機層を水(30mL×2)、飽和食塩水(30mL)で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、残渣(62mg)を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:6)を行い、黄色結晶の中間体K(59mg, q.y.)を得た。
【0082】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ : 8.26 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.49 (d, 1 H, J = 16.0 Hz, Ar-H), 7.44 (dd, 1 H, J = 9.0 Hz and 2.5 Hz, Ar-H), 7.24 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.75 (dd, 1 H, J = 8.0 Hz and 2.0 Hz, Ar-H), 6.66 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.30 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 6.11 (d, 1 H, J = 16.0 Hz, Ar-H), 4.48 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 4.00 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, CO2CH2CH3), 3.32 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.52 (s, 9 H, C(CH3)3), 1.33 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.24 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.23 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, CO2CH2CH3).
【0083】
4)目的化合物8の合成
中間体K(56mg、0.14mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.25mL)を加えた後、室温で2時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1)で反応の終了を確認した後、反応液を減圧下にて溶媒留去した。再結晶(ジクロロメタン/ n-ヘキサン)を行い、白色粒状結晶の目的化合物8(30mg、58%)を得た。
【0084】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.54 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.47 (d, 1 H, J = 16.0 Hz, Ar-H), 7.76 (dd, 1 H, J = 9.0 Hz and 2.5 Hz, Ar-H), 7.33 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.74 (dd, 1 H, J = 8.0 Hz and 2.0 Hz, Ar-H), 6.64 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.57 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 6.34 (d, 1 H, J = 16.0 Hz, Ar-H), 4.51 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 4.07 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, CO2CH2CH3), 3.34 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.36 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.34 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, CO2CH2CH3), 1.24 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
Mp 137.5-139.2 ℃
FAB-MS m/e: 369 [M+H]+
【0085】
(実施例4)目的化合物3aの合成
本実施例における製造スキームを図1に示した。
【0086】
1)中間体Lの合成
中間体B(906mg、5mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(5.0mL)に溶解し、炭酸カリウム(1.4g、10mmol)、1-ブロモ-2-メチルプロパン(863μL、8mmol)、ヨウ化カリウム(166mg)を攪拌しながら混合し、12時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)により反応の終了を確認した後、水(70mL)にあけ、酢酸エチル(40mL×2)で抽出した。有機層を水(50mL×2)、飽和食塩水(40mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去し、橙色オイル状の残渣を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:10)を行い、黄色オイル状の中間体L(882mg、74%)を得た。
【0087】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.80 (dd, 1 H, J = 8.5 and 2.5 Hz, Ar-H), 7.65 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.32 (d, 1 H, J = 8.5 Hz, Ar-H), 3.82 (d, 2 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH(CH3)2), 3.40 (sep, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 2.17 (m, 1 H, OCH2CH(CH3)2), 1.25 (d, 6H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.08 (d, 6 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH2(CH3)2).
【0088】
2)中間体Mの合成
中間体L(880mg、3.7mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、パラジウム炭素を適量加え、水素雰囲気下室温で1時間激しく攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)により反応の終了を確認した後、セライトろ過を行い、減圧下濃縮した。そこに酢酸エチル(30mL)を加え、析出した結晶をろ取し、無色針状結晶の中間体M(808mg、89%)を得た。
【0089】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 6.98 (br s, 2H, NH2), 7.23 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.81 (s, 1 H, Ar-H), 6.80 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 3.73 (d, 2 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH(CH3)2), 3.22 (sep, 1 H, J = 6.5 Hz, CH(CH3)2), 2.08 (m, 1 H, OCH2CH(CH3)2), 1.16 (d, 6 H, J = 6.5 Hz, CH(CH3)2), 1.02 (d, 6 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH2(CH3)2).
【0090】
3)中間体Nの合成
中間体M(390mg、1.6mmol)と6-クロロニコチン酸メチルエステル(275mg、1.6mmol)を酢酸(10mL)に溶解し、120℃で3時間加熱還流した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)で反応の終了を確認した後、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)にあけ、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。有機層を水(50mL×2)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去し、茶色オイル状の残渣を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)を行い、無色固体状の中間体N(363mg、66%)を得た。
【0091】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.81 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 8.03 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.96 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.78 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 6.25 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.20 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 3.89 (s, 3 H, CO2CH3), 3.67 (d, 2 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH(CH3)2), 3.53 (br s, 1 H, NH), 3.22 (sep, 1 H, J = 6.5 Hz, CH(CH3)2), 2.09 (m, 1 H, OCH2CH(CH3)2), 1.18 (d, 6 H, J = 6.5 Hz, CH(CH3)2), 1.04 (d, 6 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH2(CH3)2).
【0092】
4)目的化合物3aの合成
水素化ナトリウム(60%inオイル)(40mg、1.0mmol)をn-ヘキサンで洗浄後、無水N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に懸濁させ、中間体(198mg、0.58mmol)を加えて10分間攪拌した。その後、ヨードエタン(50μL、0.60mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)で反応の終了を確認した後、2規定の塩酸(30mL)にあけ、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。得た有機層を水(30mL×2)で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下にて溶媒留去し、黄色のオイル状の残渣を得た。
得られた残渣をメタノール(4mL)に溶解し、2規定の水酸化ナトリウム水溶液(2mL)を加えて60℃の水浴上で5分攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)で反応の終了を確認した後、2規定の塩酸(30mL)にあけ、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。得られ有機層を水(20mL×2)、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下にて溶媒留去し、黄色の残渣を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:3)を行い、無色固体状の目的化合物3a(147mg、73%)を得た。
【0093】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.91 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 7.83 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 7.26 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.77 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.64 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.25 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 4.04 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.68 (d, 2 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH(CH3)2), 3.36 (sep, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 2.12 (m, 1 H, OCH2CH(CH3)2), 1.26 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.25 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 1.06 (d, 6 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH(CH3)2).
Mp 191.5-193.0 ℃
Anal. Calcd for C21H28N2O3・1/4H2O : C, 69.98; H, 8.33; N, 7.59. Found: C, 70.01; H, 8.56; N, 7.46.
【0094】
(実施例5)目的化合物7aの合成
本実施例における製造スキームを図2に示した。
【0095】
1)中間体Pの合成
2-クロロピリミジン-5-カルボン酸エチルエステル(200mg、1.1mmol)と中間体M(253mg、1.1mmol)、炭酸カリウム(912mg、6.6mmol)の混合物にN,N-ジメチルホルムアミド(5滴)を加え、120℃で17時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:20)により反応の終了を確認した後、2規定の塩酸(40mL)にあけ、酢酸エチル(40mL×3)で抽出した。有機層を水(50mL×2)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去した。得られた残渣についてフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:20)を行い無色固体状の中間体P(129mg、33%)を得た。
【0096】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.95 (s, 2 H, Ar-H), 7.46 (s, 1 H, NH), 7.26 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.17 (d, 1 H, J = 8.5 Hz, Ar-H), 7.03 (dd, 1 H, J = 8.5 and 2.5 Hz, Ar-H), 4.38 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, CO2CH2CH3), 3.76 (d, 2 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH(CH3)2), 3.31 (m, 1 H, OCH2CH(CH3)2), 2.44 (sep, 1 H, CH(CH3)2), 1.39 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, CO2CH2CH3), 1.22 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, OCH2CH(CH3)2), 1.07 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0097】
2)目的化合物7aの合成
水素化ナトリウム(60%inオイル)(28mg、0.7mmol)をn-ヘキサンで洗浄後、無水N、N-ジメチルホルムアミド(1mL)に懸濁させ、中間体G(125mg、0.35mmol)の無水N、N-ジメチルホルムアミド(3mL)溶液を加えて10分間室温攪拌した。その後、ヨードエタン(56μL、0.7mmol)を加えて10分間室温攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:10)により反応の終了を確認した後、水(50mL)にあけ、酢酸エチル(40mL×3)で抽出した。有機層を水(40mL×2)、飽和食塩水(40mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去し、無色固体状の中間体Q(114mg、76%)を得た。
得られた中間体Q(110mg、0.29mmol)をエタノール(6mL)に溶解し、2規定の水酸化ナトリウム水溶液(6mL)を加えた後、60℃の水浴上で1時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:3)により反応の終了を確認した後、2規定の塩酸で中和し、酢酸エチル(40mL×3)で抽出した。有機層を水(40mL×2)、飽和食塩水(40mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去した。得られた残渣についてフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1)を行い無色固体状の目的化合物7a(86mg、69%)を得た。
【0098】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.89 (s, 2 H, Ar-H), 7.26 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.79 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.66 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 4.06 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.69 (d, 2 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH(CH3)2), 3.34 (m, 1 H, OCH2CH(CH3)2), 2.11 (sep, 1 H, CH(CH3)2), 1.28 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 1.25 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, OCH2CH(CH3)2), 1.05 (d, 6 H, J = 6.5 Hz, CH(CH3)2).
Mp 180.5-182.0 ℃
Anal. Calcd for C20H27N3O3 : C, 67.20; H, 7.61; N, 11.76. Found: C, 67.01; H, 7.25; N, 11.60.
【0099】
一般式XII:
【化12】
JP0004691619B2_000015t.gif

【0100】
【表2】
JP0004691619B2_000016t.gif

【0101】
(実施例6)目的化合物9(BEt-3IP)の合成
本実施例における製造方法のスキームを図4に示した。
【0102】
1)中間体A1の合成
4-ヨード安息香酸メチルエステル(524mg、2.0mmol)と中間体D(460mg、2.0mmol)を無水トルエン(20mL)に溶解し、そこへトリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(92mg、5.0mol%)、(±)-BINAP(93mg、7.5mol%)および炭酸セシウム(1.56g、4.8mmol)を加えた後、Ar雰囲気下110℃で終夜加熱還流した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:3)により反応の終了を確認した後、沈殿をセライト濾過した。ろ液を減圧下にて溶媒留去し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)を行い、茶色オイル状の中間体A1(234mg、36%)を得た。
【0103】
1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.89 (dd, 2 H, J = 7.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 7.14 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.94 (dd, 2 H, J = 7.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.70 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.68 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 5.92 (s, 1 H, NH), 4.47 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 3.87 (s, 3 H, CO2CH3), 3.27 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.34 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.21 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0104】
2)中間体B1
水素化ナトリウム(40mg、1.0mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中に懸濁し、そこへ中間体A1(234mg、0.7mmol)を加え、Ar雰囲気下室温で5分間攪拌した。その後、反応液にヨードエタン(80μL、1.0mmol)を加えAr雰囲気下室温でさらに5分間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)により反応の終了を確認した後、反応液を2規定塩酸(30mL)にあけ、酢酸エチル(25mL×2)で抽出した。得られた有機層を水(30mL)、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、黄色の残渣(246mg)を得た。得られた残渣についてフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)を行い、無色オイル状の中間体B1(212mg、83%)を得た。
【0105】
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 7.82 (dd, 2 H, J = 7.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 7.21 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.72 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.66 (dd, 2 H, J = 7.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.64 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 4.45 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 3.85 (s, 3 H, CO2CH3), 3.77 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.31 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.31 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.24 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 1.23 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0106】
7)目的化合物9 (BEt-3IP)の合成
中間体B1(212mg、0.6mmoL)をメタノール(15mL)に溶解し、2規定の水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加えた後、60℃の水浴上で1時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:2)で反応の終了を確認した後、2規定塩酸(10mL)で中和した。中和した反応液を水(40mL)にあけ、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。得られた有機層を水(50mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、目的物として無色の残渣(229mg)を得た。再結晶(ジクロロメタン/n-ヘキサン)を行い、無色針状晶の目的化合物9(133mg、65%)を得た。
【0107】
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 7.70 (d, 2 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 7.24 (d, 1 H, J = 8.5 Hz, Ar-H), 6.75 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.72 (dd, 1 H, J = 8.5 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.67 (d, 2 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 4.55 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 3.75 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.22 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.25 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.18 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.15 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
【0108】
(実施例7)目的化合物10の合成
本実施例における製造方法のスキームを図5に示した。
【0109】
1)中間体C1の合成
化合物1a(182mg、0.5mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(2.0mL)に溶解させた後、O-ベンジルヒドロキシルアミン(65mg、0.5mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(90mg、0.6mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(123mg、0.6mmol)、無水トリエチルアミン(74μL、0.5mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:2)により反応の終了を確認した後、水(20mL)にあけ、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機層を水(20mL)、飽和食塩水(20mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去し、粗生成物(366mg)を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:2→1:1)を行い、無色針状結晶の中間体C1(277mg、q.y.)を得た。
【0110】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.46 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 8.22 (s, 1 H, NH), 7.60 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 7.44 (dd, 2 H, J = 7.5 and 2.0 Hz, Ar-H), 7.41-7.36 (m, 3 H, Ar-H), 7.24 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.72 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.63 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H) 6.27 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 5.00 (s, 2 H, CH2Ph), 4.46 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 3.98 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.31 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.33 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.23 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.22 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
【0111】
2)目的化合物10の合成
中間体C1(185mg、0.4mmol)を酢酸エチル(5.0mL)に溶解し、パラジウム炭素を適量加え、水素雰囲気下室温で1時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:2)により反応の終了を確認した後、セライトろ過を行い、減圧下にて溶媒留去し、残渣(212mg)を得た。再結晶(酢酸エチル/n-ヘキサン)を行い、白色球状結晶の目的化合物10(146mg、99%)を得た。
【0112】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.95 (br s, 1 H, OH), 8.85 (br s, 1 H, NH), 8.51 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.69 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.5 Hz, Ar-H), 7.27 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.80 (s, 1 H, Ar-H), 6.78 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.23 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 4.60 (1 H, sept, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 3.97 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 3.32 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 1.27 (d, 6 H, J = 6.0 Hz, OCH(CH3)2), 1.20 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.16 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
Mp 153.0-155.5 ℃
FAB-MS m/e: 358 [M+H]+
【0113】
(実施例8)目的化合物11の合成
本実施例における製造方法のスキームを図6に示した。
【0114】
1)中間体D1の合成
中間体D(230mg、1.0mmol)と6-クロロニコチン酸t-ブチルエステル(214mg、1.0mmol)を無水ジオキサン(5mL)溶解し、パラトルエンスルホン酸一水和物(19mg、0.1mmol)を加え、100℃で22時間加熱還流した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)により反応の終了を確認した後、飽和重曹溶液(40mL)にあけ、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機層を水(70mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:6→1:5)を行い、白色固体状の中間体D1(158mg、43%)を得た。
【0115】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 8.76 (d, 1 H, J = 2.0 Hz), 7.98 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.0 Hz), 7.16 (d, 1 H, J = 8.0 Hz), 6.87 (d, 1 H, J = 2.0 Hz), 6.81 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz), 6.80 (br s, 1 H), 6.76 (d, 1 H, J = 9.0 Hz), 4.51 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz), 3.28 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz), 1.58 (s, 9 H), 1.35 (d, 6 H, J = 6.0 Hz), 1.21 (d, 6 H, J = 7.0 Hz).
【0116】
2)中間体E1の合成
水素化ナトリウム(60%油性)(28mg、0.7mmol)をn-ヘキサンで洗浄後、中間体D1(125mg、0.35mmol)の無水N、N-ジメチルホルムアミド(5mL)溶液を加えてAr雰囲気下10分間室温攪拌した。その後、ヨードエタン(45μL、0.56mmol)を加えて10分間室温攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)により反応の終了を確認した後、水(90mL)にあけ、酢酸エチル(40mL×3)で抽出した。有機層を水(40mL×2)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:8)を行い、無色オイル状の中間体E1(121mg、87%)を得た。
【0117】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.80 (d, 1 H, J = 2.0 Hz), 7.76 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.0 Hz), 7.24 (d, 1 H, J = 8.0 Hz), 6.74 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz), 6.65 (d, 1 H, J = 2.0 Hz), 6.24 (d, 1 H, J = 9.0 Hz), 4.47 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz), 4.02 (q, 2 H, J = 7.0 Hz), 3.31 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz), 1.55 (s, 9 H), 1.33 (d, 6 H, J = 6.0 Hz), 1.23 (d, 6 H, J = 7.0 Hz), 1.23 (t, 3 H, J = 7.0 Hz).
【0118】
3)中間体F1の合成
中間体E1(744mg、1.9mmol)をメタノール(50mL)に溶かし、炭酸カルシウム(281mg、2.8mmol)をHO(20mL)に懸濁し加えた。そこへICl(103μL、2.1mmol)のメタノール(50mL)溶液を滴下し、室温で16時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:10)により反応の終了を確認した後、反応液を水(80mL)にあけ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層を水(100mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:10)を行い、茶色オイル状の中間体F1(818mg)を得た。
【0119】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.85 (d, 1 H, J = 2.5 Hz), 7.81 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.5 Hz), 7.68 (s, 1 H), 6.66 (s, 1 H), 5.96 (d, 1 H, J = 9.0 Hz), 4.49-4.43 (m, 1 H), 4.36-4.32 (m, 1 H), 3.60-3.56 (m, 1 H), 3.26 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz), 1.55 (s, 9 H), 1.33-1.30 (m, 6 H), 1.28-1.21 (m, 9 H).
【0120】
4)中間体G1の合成
アクリル酸(220μL、3.2mmol)とトリエチルアミン(446μL、3.2mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(5.0mL)に溶かし、中間体F1(337mg、0.64mmol)、トリトリルホスフィン(40mg、20mol%)およびトリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(27mg、5mol%)を加え、Ar雰囲気下120℃で10時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1)により反応の終了を確認した後、セライトろ過し、水(80mL)にあけ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層を水(50mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:2)を行い無色オイル状の中間体G1(125mg、35% for 2 steps)を得た。
【0121】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.83 (d, 1 H, J = 2.4 Hz), 7.79 (dd, 1 H, J = 8.9 and 2.4 Hz), 7.64 (d, 1 H, J = 16.0 Hz), 7.59 (s, 1 H), 6.57 (s, 1 H), 6.31 (d, 1 H, J = 16.0 Hz), 6.01 (d, 1 H, J = 9.0 Hz), 4.52 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz), 4.22 (br s, 1 H), 3.71 (br s, 1 H), 3.30 (sept, 1 H J = 7.0 Hz), 1.55 (s, 9 H), 1.33 (br s, 6 H), 1.27 (d, 6 H, J = 7.0 Hz), 1.22 (t, 3 H, J = 7.0 Hz).
【0122】
5)目的化合物11の合成
中間体G1を4規定塩酸-1,4-ジオキサン(3mL)に溶かし、40℃で15時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=2:1)により反応の終了を確認した後、水(40mL)にあけ、酢酸エチル(25mL×3)で抽出した。有機層を水(40mL)、飽和食塩水(20mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=2:1)を行い白色固体状の目的化合物11(23mg、21%)を得た。
【0123】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 12.37 (br s, 1 H), 8.70 (d, 1 H, J = 2.0 Hz), 7.82 (dd, 1 H, J = 9.0, 2.0 Hz), 7.77 (s, 1 H), 7.33 (d, 1 H, J = 16.0 Hz), 6.87 (s, 1 H), 6.45 (d, 1 H, J = 16.0 Hz), 6.02 (d, 1 H, J = 9.0 Hz), 4.69 (sept, 1 H, J = 6.0 Hz), 4.09 (br s, 1 H), 3.78 (br s, 1 H), 1.27-1.23 (m, 12 H), 1.14 (t, 3 H, J = 7.0 Hz).
【0124】
6)中間体H1の合成
N-(4-アミノブチル)アクリルアミド(53mg、0.84mmol)とトリエチルアミン(58μL、0.42mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(2.0mL)に溶かし、中間体F1(102mg、0.42mmol)、トリトリルホスフィン(5mg、20mol%)およびトリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(4mg、5mol%)を加え、Ar雰囲気下120℃で19時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1)により反応の終了を確認した後、セライトろ過し、水(60mL)にあけ、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機層を水(30mL×2)、飽和食塩水(20mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1→2:1→4:1)行い白色固体状の中間体H1(44mg、57% for 2 steps)を得た。
【0125】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.82 (d, 1 H, J = 1.5 Hz), 7.76 (dd, 1 H, J = 9.0 and 1.5 Hz), 7.52 (s, 1H), 7.46 (d, 1 H, J = 16.0 Hz), 6.55 (s, 1 H), 6.27 (d, 1 H, J = 16.0 Hz), 6.02 (d, 1 H, J = 9.0 Hz), 5.80 (br s, 1H), 4.60 (br s, 1H), 4.48 (m, 1 H), 4.30 (m, 1 H), 3.64 (m, 1H), 3.34-3.33 (m, 2H), 3.33 (sept, 1 H J = 7.0 Hz), 3.13 (m, 2H), 1.54 (s, 9 H), 1.44 (s, 9H), 1.32 (m, 6H), 1.27-1.24 (m, 6H), 1.23 (t, 3H, J = 7.0 Hz).
【0126】
(実施例9)目的化合物12の合成
本実施例における製造方法のスキームを図7に示した。
【0127】
1)中間体I1の合成
中間体F(350mg、1.0mmol)を無水ジクロロメタン(5.0mL)に溶解し、三塩化アルミニウム(400mg、3.0mmol)を加え、アルゴン雰囲気下室温で7時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)により反応の終了を確認した後、1規定の塩酸(40mL)にあけ、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。有機層を水(40mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去し茶色オイル状残渣を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:3)を行い、無色オイル状の中間体I1(314mg、q.y.)を得た。
【0128】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.81 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.79 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.5 Hz, Ar-H), 7.24 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.76 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.61 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.27 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 5.31 (s, 1 H, OH), 4.00 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.86 (s, 3 H, CO2CH3), 3.23 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.29 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.22 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
【0129】
2)目的化合物12の合成
中間体I1(315mg、1.0mmoL)をメタノール(15mL)に溶解し、2規定の水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加えた後、60℃の水浴上で5分間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:2)で反応の終了を確認した後、2規定塩酸(10mL)で中和した。中和した反応液を水(40mL)にあけ、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。得られた有機層を水(50mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、目的物として無色の残渣(322mg)を得た。再結晶(エタノール/n-ヘキサン)を行い、無色針状晶の目的化合物12(214mg、71%)を得た
【0130】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 12.46 (br s, 1 H, CO2H), 9.57 (br s, 1 H, OH), 8.66 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 7.79 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 7.22 (d, 1 H, J = 7.5 Hz, Ar-H), 6.68 (dd, 1 H, J = 7.5 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.66 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.25 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 3.93 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.21 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.19 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.13 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
【0131】
(実施例10)目的化合物13aの合成
本実施例における製造方法のスキームを図7に示した。
【0132】
1)中間体J1の合成
中間体I1(75mg、0.2mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(3.0mL)に溶解させた後、炭酸カリウム(69mg、0.5mmol)、適量のヨウ化カリウム、ベンジルブロミド(59μL、0.5mmol)を加え、アルゴン雰囲気下60℃で2時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)により反応の終了を確認した後、水(30mL)にあけ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機層を水(30mL×2)、飽和食塩水(30mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去し、無色オイル状の残渣(70mg)を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)を行い、無色オイル状の中間体J1(67mg、71%)を得た。
【0133】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.84 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.77 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.5 Hz, Ar-H), 7.43 (m, 5 H, Ar-H), 7.29 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.80 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.73 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.20 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 5.05 (s, 2 H, CH2Ph), 4.01 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.85 (s, 3 H, CO2CH3), 3.43 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.28 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.20 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
【0134】
2)目的化合物13aの合成
中間体J1(67mg、0.17mmol)をメタノール(3.0mL)に溶解し、2規定の水酸化ナトリウム水溶液(3.0mL)を加えた後、60℃の水浴上で3時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:3)で反応の終了を確認した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)にあけ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。得られ有機層を水(30mL×2)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、無色の残渣の目的化合物13a(55mg、83%)を得た。
【0135】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ : 12.51 (br s, 1 H, CO2H), 8.67 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.76 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.5 Hz, Ar-H), 7.46-7.33 (m, 5 H, Ar-H), 7.32 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.95 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.85 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.21 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 5.13 (s, 2 H, CH2Ph), 3.97 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.32 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.22 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.12 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
【0136】
(実施例11)目的化合物13bの合成
本実施例における製造方法のスキームを図7に示した。
【0137】
1)中間体K1の合成
中間体I1(59mg、0.2mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(3.0mL)に溶解させた後、炭酸カリウム(69mg、0.5mmol)、適量のヨウ化カリウム、(2-ブロモエチル)ベンゼン(68μL、0.5mmol)を加え、アルゴン雰囲気下60℃で17時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:6)により反応の終了を確認した後、水(30mL)にあけ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機層を水(30mL×2)、飽和食塩水(30mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去し、無色オイル状の残渣(87mg)を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:15→1:6)を行い、無色オイル状の中間体K1(27mg、35%)を得た。
【0138】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.83 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.78 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.5 Hz, Ar-H), 7.32-7.22 (m, 6 H, Ar-H), 6.76 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.63 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.22 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 4.12 (t, 2 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH2Ph), 4.00 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.85 (s, 3 H, CO2CH3), 3.31 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 3.11 (t, 2 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH2Ph), 1.21 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 1.21 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0139】
2)目的化合物13bの合成
中間体K1(27mg、0.07mmol)をメタノール(3.0mL)に溶解し、2規定の水酸化ナトリウム水溶液(3.0mL)を加えた後、60℃の水浴上で2時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:3)で反応の終了を確認した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)にあけ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。得られ有機層を水(20mL×2)、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、目的物として無色の残渣(25mg、89%)を得た。再結晶(メタノール)を行い、無色針状晶の目的化合物13b(6mg、21%)を得た。
【0140】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ : 12.47 (br s, 1 H, CO2H), 8.66 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.77 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.5 Hz, Ar-H), 7.31-7.21 (m, 5 H, Ar-H), 7.26 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.85 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.80 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.23 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 4.17 (t, 2 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH2Ph), 3.97 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.19 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 3.04 (t, 2 H, J = 6.5 Hz, OCH2CH2Ph), 1.13 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.13 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
【0141】
(実施例12)目的化合物13cの合成
本実施例における製造方法のスキームを図7に示した。
【0142】
1)中間体L1の合成
中間体I1(77mg、0.2mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(3.0mL)に溶解させた後、炭酸カリウム(69mg、0.5mmol)、適量のヨウ化カリウム、3-ブロモ-2-メチルプロペン(50μL、0.5mmol)を加え、アルゴン雰囲気下60℃で4時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)により反応の終了を確認した後、水(60mL)にあけ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機層を水(40mL)、飽和食塩水(40mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去し、茶色オイル状の残渣(92mg)を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:6)を行い、無色オイル状の中間体L1(60mg、71%)を得た。
【0143】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.85 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.80 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.5 Hz, Ar-H), 7.27 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.79 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.66 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.25 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 5.10 (s, 1 H, OCH2C(CH2)CH3), 4.99 (s, 1 H, OCH2C(CH2)CH3), 4.39 (s, 2 H, OCH2C(CH2)CH3), 4.03 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.86 (s, 3 H, CO2CH3), 3.39 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.84 (s, 3 H, OCH2C(CH2)CH3), 1.27 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.23 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
【0144】
2)目的化合物13cの合成
中間体L1(60mg、0.17mmol)をメタノール(3.0mL)に溶解し、2規定の水酸化ナトリウム水溶液(3.0mL)を加えた後、60℃の水浴上で3時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:3)で反応の終了を確認した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)にあけ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。得られた有機層を水(20mL×2)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、目的物として無色の残渣(60mg、95%)を得た。再結晶 (メタノール)を行い、無色針状晶の目的化合物13c(32mg、51%)を得た。
【0145】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 12.49 (br s, 1 H, CO2H), 8.67 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.78 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.5 Hz, Ar-H), 7.51 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.84-6.81 (m, 2 H, Ar-H), 6.25 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 5.08 (s, 1 H, OCH2C(CH2)CH3), 4.96 (s, 1 H, OCH2C(CH2)CH3), 4.47 (s, 2 H, OCH2C(CH2)CH3), 3.98 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.30 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.78 (s, 3 H, OCH2C(CH2)CH3), 1.22 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.14 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
【0146】
(実施例13)目的化合物13dの合成
本実施例における製造方法のスキームを図7に示した。
【0147】
1)中間体M1の合成
中間体I1(89mg、0.3mmol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(3.0mL)に溶解させた後、炭酸カリウム(69mg、0.5mmol)、適量のヨウ化カリウム、1-ブロモ-3-メチル-2-ブテン(59μL、0.5mmol)を加え、アルゴン雰囲気下60℃で17時間加熱攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:6)により反応の終了を確認した後、水(30mL)にあけ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機層を水(30mL×2)、飽和食塩水(30mL)で洗浄した。得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒留去し、無色オイル状の残渣(76mg)を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:7)を行い、無色オイル状の中間体M1(50mg、50%)を得た。
【0148】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.85 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.79 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.5 Hz, Ar-H), 7.25 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.77 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.66 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.25 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 5.45 (m, 1 H, OCH2CHC(CH3)2), 4.48 (d, 2 H, J = 6.5 Hz, OCH2CHC(CH3)2), 4.03 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.86 (s, 3 H, CO2CH3), 3.35 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.77 (s, 3 H, OCH2CHC(CH3)2), 1.69 (s, 3 H, OCH2CHC(CH3)2), 1.24 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2).
【0149】
2)目的化合物13dの合成
中間体M1(50mg、0.14mmol)をメタノール(3.0mL)に溶解し、2規定の水酸化ナトリウム水溶液(3.0mL)を加えた後、60℃の水浴上で3時間攪拌した。TLCプレート(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:3)で反応の終了を確認した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)にあけ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。得られ有機層を水(30mL×2)、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下にて溶媒留去し、目的物として無色の残渣(50mg、q.y.)を得た。再結晶 (メタノール)を行い、無色針状晶の目的化合物13d(13mg、25%)を得た。
【0150】
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 12.46 (br s, 1 H, CO2H), 8.67 (d, 1 H, J = 2.5 Hz, Ar-H), 7.78 (dd, 1 H, J = 9.0 and 2.5 Hz, Ar-H), 7.28 (d, 1 H, J = 8.0 Hz, Ar-H), 6.85 (d, 1 H, J = 2.0 Hz, Ar-H), 6.81 (dd, 1 H, J = 8.0 and 2.0 Hz, Ar-H), 6.25 (d, 1 H, J = 9.0 Hz, Ar-H), 5.41 (t, 1 H, J = 6.5 Hz, OCH2CHC(CH3)2), 4.53 (d, 2 H, J = 6.5 Hz, OCH2CHC(CH3)2), 3.98 (q, 2 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3), 3.25 (sept, 1 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.73 (s, 3 H, OCH2CHC(CH3)2), 1.66 (s, 3 H, OCH2CHC(CH3)2), 1.19 (d, 6 H, J = 7.0 Hz, CH(CH3)2), 1.14 (t, 3 H, J = 7.0 Hz, NCH2CH3).
【0151】
(比較例)
式XIII (PA024):
【化13】
JP0004691619B2_000017t.gif

【0152】
式XIV (SR11237):
【化14】
JP0004691619B2_000018t.gif

【0153】
式XV (HX630):
【化15】
JP0004691619B2_000019t.gif

【0154】
式XVI (LGD1069):
【化16】
JP0004691619B2_000020t.gif

【0155】
【表3】
JP0004691619B2_000021t.gif

【0156】
(実験例1)活性評価法1
ヒト白血病細胞株HL-60は分化すると顆粒球(好中球)となり、活性酸素発現能を持つようになる。TPA(12-o-tetradecanoyl-phorbol-13-acetate)刺激によりこの細胞内に活性酸素を産生させ、NBT(Nitro Blue Tetrazolium)が還元されると細胞が青く染色される。この原理を利用した細胞の顆粒球への分化誘導能測定法は、NBT還元法と呼ばれる。そこで、合成した化合物についてNBT還元法による分化誘導能測定を行った。
【0157】
RPMI-1640培地に10v/v%となるように牛胎児血清(FBS)を加え、抗生物質(ペニシリン、ストレプトマイシン)を添加したものを増殖培養液とし、ヒト白血病細胞株HL-60を培養した。細胞の継代は、培養フラスコを用いて、100cells/mLを超えないように5%COを含むインキュベーター内にて維持し、継代し、実験に使用した(非特許文献16)。
【0158】
1)薬剤及び化合物
一般式XIIで表される本実験例の合成化合物及び式XIIIで表される比較例の化合物(PA024)について、化学構造式描画プログラムChemDrawTMにより脂溶性の指標であるCLogPを算出し、その値を表2及び表3に示した。その結果、本発明の化合物は、比較例に示す各化合物に比べて脂溶性が低いことが確認された。
【0159】
各化合物は20mMとなるようにジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して保存液を調製した。NBTは、使用2時間前に、0.2w/v%となるようにPBS(-)を用いて調製し、37℃で保温した。TPA は2mg/mLとなるようにエタノール(EtOH)に溶解し、保存溶液を調製した。このTPA溶液は使用時にPBS(-)を用いて20μg/mLとなるよう調製した。
【0160】
2)方法
ヒト白血病細胞株HL-60(8×104cells/mL)を2mLの増殖培養液に懸濁した細胞液に、終濃度が各々10μM及び1μMとなるようにPA024及び各化合物を添加後、5%COを含むインキュベーター内にて4日間培養した。
RXR作動性物質は、RAR作動性物質との併用により、その作用を増強する。従ってシナジスト活性評価を行う場合は、既知のRAR作動性物質であるAm80を終濃度0.33nMとなるように添加し、同様に培養した(非特許文献16)。4日間の培養後、遠心分離(4℃、1500 rpm、5分)により細胞を回収した。これらの細胞を新たに増殖培養液1mLに播種したのち、0.2w/v%NBT溶液1mLと20μg/mLのTPA溶液20μLを添加し、37℃、5%COを含むインキュベーター内で30分間インキュベーションを行った。その後、細胞計数盤上にて、染色細胞数及び総細胞数をカウントした。なお、測定は1回につき200細胞以上のカウントを行い、これを3回行いその平均値により分化誘導率を算出した。
【0161】
上記の試験結果を、以下の表4に示した。表4においてa) レチノイド活性のEC50は、試験化合物単独下におけるHL-60の分化誘導において、最大分化誘導率の半分を与える濃度を示した。なお「不活性」とは、10μMにおいても分化誘導能が認められていないことを示す。同b) BA(生物活性)(%)とは、本試験中における全細胞数に対する最大分化誘導率を示す。 同c)SEC50 とは、レチノイドシナジスト活性のことであり、レチノイド作動性物質として公知のAm80を3.3×10-10M存在させた場合における試験化合物のHL-60の分化誘導において最大分化誘導率の半分を与える濃度を示している。なおAm80はこの濃度において単独に存在する場合のHL-60の分化誘導率は、2-4%であった。
【0162】
【表4】
JP0004691619B2_000022t.gif

【0163】
以上の結果より、本発明の化合物は、既存の細胞分化誘導調節化合物であるPA024と比べて、HL-60細胞について劣らないシナジスト活性(Am80分化誘導に対する促進作用)を示した。さらに、Am80とともに作用させた場合のレチノイドシナジスト活性は、非常に効果が高いことが確認された。
【0164】
(実験例2)活性評価法2
核内受容体の多くは転写調節に関わる転写因子であるため、その転写活性を測定する手段としてレポーター遺伝子アッセイ(reporter gene assay)が行われる。COS-1細胞やHeLa細胞などの細胞にRXR受容体タンパク発現プラスミド及びレポータープラスミドを導入し、過剰発現させる。そこに、RXR作動性物質が受容体に結合すると、転写がリガンド依存的に起こり、その下流にある融合タンパク質(fusion protein)と呼ばれるタンパク質が生成される。この融合タンパク質がレポータープラスミド上の結合部位と結合するとその転写が始まり、下流にあるルシフェラーゼの産生が始まる。このルシフェラーゼ活性を測ることにより、RXR作動活性を測定した。
【0165】
増殖培地は、ダルベッコ変法イーグルMEM培地(DMEM)を用いた。まず、1LのMilli-Q水にDMEM粉末を9.5g溶解し、オートクレーブ(121℃、15分間)を行った後、室温に戻し、これに非働化したウシ胎児血清(FBS)を10%(v/v)となるように加え、さらにオートクレーブした10%NaHCO3を10mL添加し、その後L-グルタミン10mLをろ過滅菌後添加して調製した。
継代は、100mm培養シャーレで培養した細胞の培養上清を除き、トリプシン処理により細胞を回収し、4℃、1000rpm、3分間遠心分離後、増殖培地を加えて細胞を分散し、37℃、5%CO存在下、100mm培養シャーレ(増殖培地15mL)で行った。
【0166】
形質転換はEffecteneTM Transfection Reagent(QIAGEN)を用いて行った。また、ルシフェラーゼ活性評価にはLuciferase Assay Systemを用いて行った。RARのポジティブコントロールにはAm80を用い、RXRのポジティブコントロールには9-cisレチノイン酸を用いた。これらは、DMSOで溶解したものをストック溶液とし、アッセイするプレートにおいて必ず計測した。またRARのインターナルコントロールとしてATRA(1μM)を、RXRのインターナルコントロールにはPA024(1μM)を用いた。
【0167】
(方法)
(1日目)60mm培養シャーレに、増殖培地15mLとともにCOS-1細胞を50×104cells播種し、一晩培養した。
(2日目)EffecteneTM Transfection Reagentを用いたリポフェクション法により形質転換を行った。
(3日目)16~18時間後、培養上清を除き、トリプシン処理により細胞を回収し、4℃、1000 rpm、3分間遠心分離後、増殖培地を加えて細胞を分散し、2.0×104cells/wellとなるように96穴のホワイトプレートに撒いた。その後、DMSO濃度が1%以下になるように各化合物を加える。
(4日目)24時間後、上清25μLをSEAP測定に用い、残りの細胞液はルシフェラーゼ活性測定に用いた。
【0168】
上記の試験結果のうち、RXRに関する結果を、以下の表5に示した。表5において、a)EC50は、最大転写活性化能の半分を与える濃度を示した。同b) BA(生物活性)(%)とは、PA024(1μM)を100%とした時の、相対的な最大転写活性化能を示す。同c)LGD1069は非特許文献17より参照した。
【0169】
(結果)
【表5】
JP0004691619B2_000023t.gif

【0170】
以上の結果より、本発明の化合物は、既存のRXR作動性物質であるLGD1069(別名bexarotene)より優れた転写調節活性(即ち、RXRサブタイプを介したレポータータンパク発現)を示した。さらに、化合物1a(NEt-3IP)について、RXRα/βに対する選択性は、RXRγに対して10倍以上認められた(RXRα/βデュアルアゴニスト)。
【0171】
(実験例3)活性評価法3:ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害活性
(方法)
式XVII及びXVIIIで表される化合物について、Cayman社製HDAC Activity/Inhibitor Screening Assay Kitを用いて、そのプロトコールに従いHDAC阻害活性評価を行った。
【化17】
JP0004691619B2_000024t.gif

【0172】
【化18】
JP0004691619B2_000025t.gif

【0173】
(結果)
化合物XVIIのHDAC阻害活性は、100μMで、活性阻害率78%であった。また、化合物XVIIIのHDAC阻害活性のIC50は、2.5μMdであった。なお、本化合物のRXR活性は、図8に示すとおりであった。
【0174】
(実験例4)抗炎症作用(カラゲニン浮腫試験)
抗炎症試験法には、ラットを用いたカラゲニン浮腫試験を用いた。ラット一群5匹に対し、10mg/kgの化合物1a(NEt‐3IP)を経口投与し、その3時間後に浮腫を発生させる物質である1%カラゲニン溶液を後肢足蹠に皮下投与した(0.1mL/匹)。その後、1、2、3、4時間後に後肢足蹠の浮腫の厚さを測定した。その結果、図9に示すように、化合物1a(NEt‐3IP)を投与することでカラゲニンによる浮腫の発生が抑制されることが分かった。カラゲニン投与3時間後の浮腫に対する抑制率は、27%であった。
【産業上の利用可能性】
【0175】
以上詳述したように、本化合物は、核内受容体の一つであるレチノイドX受容体(RXR)に結合し、その作用を発揮する。本発明の化合物は、既存RXRリガンドに比べ大きく脂溶性を軽減したのにもかかわらず、優れたRXR作動性さらにそれを通じたレチノイド分化誘導能の増強作用が確認された。また、RXRγに比べてRXRαに対して選択性の認められる化合物も見出した。RXRは種々の核内受容体とヘテロ二量体を形成し、DNAの転写調節に関与することから、レチノイン酸受容体(RAR)やビタミンD受容体(VDR)、糖尿病・抗肥満治療薬開発のターゲットとして注目されているPPARといった核内受容体に対しシナジスト的もしくは拮抗的な作用が発揮される。また本発明の化合物は、抗がん作用、糖尿病治療薬、育毛剤、抗炎症剤またはこのような作用を有する薬剤の作用増強剤としての作用が期待できるため、このような医薬として利用することができる。また、生化学試験用試薬としても利用することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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