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明細書 :撮像装置の校正方法及び撮像装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4371243号 (P4371243)
公開番号 特開2008-228197 (P2008-228197A)
登録日 平成21年9月11日(2009.9.11)
発行日 平成21年11月25日(2009.11.25)
公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
発明の名称または考案の名称 撮像装置の校正方法及び撮像装置
国際特許分類 H04N   9/04        (2006.01)
H04N  17/02        (2006.01)
FI H04N 9/04 B
H04N 17/02 D
請求項の数または発明の数 16
全頁数 24
出願番号 特願2007-067126 (P2007-067126)
出願日 平成19年3月15日(2007.3.15)
審査請求日 平成19年3月15日(2007.3.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
【識別番号】302047880
【氏名又は名称】有限会社パパラボ
発明者または考案者 【氏名】下平 美文
【氏名】加藤 誠
個別代理人の代理人 【識別番号】100094318、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 行一
【識別番号】100108257、【弁理士】、【氏名又は名称】近藤 伊知良
【識別番号】100124800、【弁理士】、【氏名又は名称】諏澤 勇司
審査官 【審査官】内田 勝久
参考文献・文献 特開2005-341175(JP,A)
特開2004-021388(JP,A)
特開平09-288008(JP,A)
特開平09-178564(JP,A)
調査した分野 H04N 9/04 ~ 9/11
H04N 13/00 ~ 17/06
特許請求の範囲 【請求項1】
第1配列軸、及び前記第1配列軸と直交する第2配列軸を配列軸として2次元に配列された複数の画素を有し、被写体の画像である被写体像を取得する撮像手段と、
前記被写体から前記撮像手段へと撮像光路を導かれる光像の一部を、前記撮像光路とは異なる方向の測色光路へと分岐するとともに、その分岐方向を調整することが可能に構成された光分岐手段と、
前記光分岐手段で前記測色光路へと分岐された測色用光像のうち、前記撮像手段による撮像範囲内の位置に対応して選択された測色位置の光成分を入力する光入力手段と、
前記光入力手段に対して接続され、前記光入力手段に入力された前記測色位置の光成分を測色して、得られた測色データを出力する測色手段と、
少なくとも前記光分岐手段での前記分岐方向を調整することにより、前記光入力手段で光成分が入力されて前記測色手段で測色される前記測色位置を調整する調整手段と、
前記測色データに基づいて、前記撮像手段によって取得された前記被写体像の画像データを補正する補正手段とを備える撮像装置に対して適用される校正方法であって、
前記被写体としてスクリーンを配置するとともに、前記光入力手段に対して、前記測色手段に代えて校正用光源を接続する校正準備ステップと、
前記調整手段により少なくとも前記光分岐手段での前記分岐方向を調整し、前記測色位置を、前記撮像手段での前記第1配列軸に対応する第1軸、及び前記第2配列軸に対応する第2軸のそれぞれについて設定する測色位置設定ステップと、
前記校正用光源からの校正光を前記光入力手段から出力させ、前記光分岐手段及び前記スクリーンで順次反射された後に前記光分岐手段を通過して前記撮像光路を導かれる前記校正光について、前記撮像手段によって前記被写体像として校正像を取得して、前記校正像における前記校正光の撮像位置を取得する撮像位置取得ステップと、
前記測色位置設定ステップにおいて設定された前記測色位置を表す前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれについての測色位置パラメータと、前記撮像位置取得ステップにおいて取得された前記撮像位置を表す前記第1配列軸及び前記第2配列軸のそれぞれについての撮像位置パラメータとの対応情報を取得する対応情報取得ステップと
を備えることを特徴とする撮像装置の校正方法。
【請求項2】
前記撮像手段における前記複数の画素についての前記第1配列軸は、前記撮像光路及び前記測色光路を含む平面に直交する軸であり、前記第2配列軸は、前記撮像光路及び前記第1配列軸に直交する軸であることを特徴とする請求項1記載の校正方法。
【請求項3】
前記光分岐手段に対し、前記測色位置が前記第1軸の方向に変化するように第1回転軸を中心として前記光分岐手段を回転駆動する第1駆動手段と、前記測色位置が前記第2軸の方向に変化するように第2回転軸を中心として前記光分岐手段を回転駆動する第2駆動手段とが設けられ、
前記調整手段は、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を用いて前記光分岐手段での前記分岐方向を調整することによって、前記測色位置を前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれについて調整することを特徴とする請求項1または2記載の校正方法。
【請求項4】
前記光入力手段に対し、前記測色位置が前記第1軸の方向に変化するように前記光入力手段を直線駆動する第1駆動手段が設けられるとともに、前記光分岐手段に対し、前記測色位置が前記第2軸の方向に変化するように第2回転軸を中心として前記光分岐手段を回転駆動する第2駆動手段が設けられ、
前記調整手段は、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を用いて前記光入力手段での入力位置及び前記光分岐手段での前記分岐方向を調整することによって、前記測色位置を前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれについて調整することを特徴とする請求項1または2記載の校正方法。
【請求項5】
前記測色位置設定ステップと前記撮像位置取得ステップとを、複数の測色位置について繰り返して実行するとともに、
前記対応情報取得ステップにおいて、前記複数の測色位置及びそれに対応する複数の撮像位置のそれぞれについて、前記測色位置を表す前記測色位置パラメータと、前記撮像位置を表す前記撮像位置パラメータとの対応情報を取得し、前記複数の撮像位置のそれぞれについて取得された前記対応情報に基づいて、前記撮像手段による前記撮像範囲に対する前記対応情報のマッピングを行うことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項記載の校正方法。
【請求項6】
前記対応情報取得ステップにおいて、前記撮像範囲内で隣り合う第1撮像位置及び第2撮像位置の間にあって対応情報が取得されていない位置について、前記第1撮像位置での対応情報及び前記第2撮像位置での対応情報を用いた補間処理を行って前記対応情報を取得することを特徴とする請求項5記載の校正方法。
【請求項7】
前記光分岐手段は、前記撮像光路を導かれる光像を所定の反射率で反射することで、前記光像の一部を前記測色光路へと分岐する光分岐ミラーを有することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項記載の校正方法。
【請求項8】
前記対応情報取得ステップにおいて取得された前記測色位置パラメータと前記撮像位置パラメータとの前記対応情報を記憶手段に記憶する対応情報記憶ステップを備えることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項記載の校正方法。
【請求項9】
第1配列軸、及び前記第1配列軸と直交する第2配列軸を配列軸として2次元に配列された複数の画素を有し、被写体の画像である被写体像を取得する撮像手段と、
前記被写体から前記撮像手段へと撮像光路を導かれる光像の一部を、前記撮像光路とは異なる方向の測色光路へと分岐するとともに、その分岐方向を調整することが可能に構成された光分岐手段と、
前記光分岐手段で前記測色光路へと分岐された測色用光像のうち、前記撮像手段による撮像範囲内の位置に対応して選択された測色位置の光成分を入力する光入力手段と、
前記光入力手段に対して接続され、前記光入力手段に入力された前記測色位置の光成分を測色して、得られた測色データを出力する測色手段と、
少なくとも前記光分岐手段での前記分岐方向を調整することにより、前記光入力手段で光成分が入力されて前記測色手段で測色される前記測色位置を調整する調整手段と、
前記測色データに基づいて、前記撮像手段によって取得された前記被写体像の画像データを補正する補正手段と、
前記撮像手段による前記被写体像の取得を制御する撮像制御手段とを備え、
前記光入力手段は、前記測色手段に代えて校正用光源を接続することが可能に構成されるとともに、
前記撮像制御手段は、前記被写体としてスクリーンを配置するとともに、前記光入力手段に前記校正用光源を接続した状態で実行される校正処理について、
前記調整手段により少なくとも前記光分岐手段での前記分岐方向を調整し、前記測色位置を、前記撮像手段での前記第1配列軸に対応する第1軸、及び前記第2配列軸に対応する第2軸のそれぞれについて設定する測色位置設定手段と、
前記校正用光源からの校正光を前記光入力手段から出力させ、前記光分岐手段及び前記スクリーンで順次反射された後に前記光分岐手段を通過して前記撮像光路を導かれる前記校正光について、前記撮像手段によって前記被写体像として校正像を取得して、前記校正像における前記校正光の撮像位置を取得する撮像位置取得手段と、
前記測色位置設定手段によって設定された前記測色位置を表す前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれについての測色位置パラメータと、前記撮像位置取得手段によって取得された前記撮像位置を表す前記第1配列軸及び前記第2配列軸のそれぞれについての撮像位置パラメータとの対応情報を取得する対応情報取得手段と
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
前記撮像手段における前記複数の画素についての前記第1配列軸は、前記撮像光路及び前記測色光路を含む平面に直交する軸であり、前記第2配列軸は、前記撮像光路及び前記第1配列軸に直交する軸であることを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項11】
前記光分岐手段に対し、前記測色位置が前記第1軸の方向に変化するように第1回転軸を中心として前記光分岐手段を回転駆動する第1駆動手段と、前記測色位置が前記第2軸の方向に変化するように第2回転軸を中心として前記光分岐手段を回転駆動する第2駆動手段とが設けられ、
前記調整手段は、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を用いて前記光分岐手段での前記分岐方向を調整することによって、前記測色位置を前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれについて調整することを特徴とする請求項9または10記載の撮像装置。
【請求項12】
前記光入力手段に対し、前記測色位置が前記第1軸の方向に変化するように前記光入力手段を直線駆動する第1駆動手段が設けられるとともに、前記光分岐手段に対し、前記測色位置が前記第2軸の方向に変化するように第2回転軸を中心として前記光分岐手段を回転駆動する第2駆動手段が設けられ、
前記調整手段は、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を用いて前記光入力手段での入力位置及び前記光分岐手段での前記分岐方向を調整することによって、前記測色位置を前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれについて調整することを特徴とする請求項9または10記載の撮像装置。
【請求項13】
前記測色位置設定手段による測色位置設定と前記撮像位置取得手段による撮像位置取得とを、複数の測色位置について繰り返して実行するとともに、
前記対応情報取得手段において、前記複数の測色位置及びそれに対応する複数の撮像位置のそれぞれについて、前記測色位置を表す前記測色位置パラメータと、前記撮像位置を表す前記撮像位置パラメータとの対応情報を取得し、前記複数の撮像位置のそれぞれについて取得された前記対応情報に基づいて、前記撮像手段による前記撮像範囲に対する前記対応情報のマッピングを行うことを特徴とする請求項9~12のいずれか一項記載の撮像装置。
【請求項14】
前記対応情報取得手段において、前記撮像範囲内で隣り合う第1撮像位置及び第2撮像位置の間にあって対応情報が取得されていない位置について、前記第1撮像位置での対応情報及び前記第2撮像位置での対応情報を用いた補間処理を行って前記対応情報を取得することを特徴とする請求項13記載の撮像装置。
【請求項15】
前記光分岐手段は、前記撮像光路を導かれる光像を所定の反射率で反射することで、前記光像の一部を前記測色光路へと分岐する光分岐ミラーを有することを特徴とする請求項9~14のいずれか一項記載の撮像装置。
【請求項16】
前記対応情報取得手段によって取得された前記測色位置パラメータと前記撮像位置パラメータとの前記対応情報を記憶する対応情報記憶手段を備えることを特徴とする請求項9~15のいずれか一項記載の撮像装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像手段と測色手段とを内蔵する撮像装置の校正方法、及び校正方法が適用される撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像技術や通信技術が著しく発達した現代社会では、遠隔医療・診断、電子商取引、色を取り入れた各種デザインなど、厳格な色管理が必要な分野が成長している。このような用途に対して、現在のイメージングシステムは要求を満たすだけの充分な特性を持っていない。そこで、人が見ることのできる全ての色を正確に取得し、正確に再現することが可能なイメージングシステムの開発が望まれている。

【特許文献1】特開2005-341175号公報
【特許文献2】特開2001-311877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
被写体の色情報を正確に取得するための色忠実な撮像装置として、CCDなどの撮像素子と、測色計とを組み合わせた撮像装置が特許文献1に記載されている。しかしながら、この文献1に記載された装置では、例えば、撮像素子によって取得される被写体の画像内の任意の位置について測色を行いたい場合に、そのような測色を充分な位置精度で行うことができず、結果として、被写体の色情報を充分な精度で取得することができないなどの問題がある。
【0004】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、被写体像内の任意の位置について高い位置精度で測色を行うことを可能とする撮像装置の校正方法、及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した色忠実な撮像装置として、本願発明者は、被写体から撮像素子へと撮像光路を導かれる光像の一部をハーフミラーなどの光分岐手段で分岐し、分岐された光像のうちの所定位置の光成分を測色計で計測して色情報を取得する構成の撮像システムを検討、開発しつつある。このような構成では、光分岐手段による光像の分岐方向を調整可能とすることで、被写体像内の任意の位置について測色を行うことが可能である。
【0006】
このような構成では、測色計での測色位置と、撮像素子で取得される画像内の位置との対応関係は、機械的には光分岐手段での光像の分岐方向等によって一意に決まる。一方、CCDなどの撮像素子では、その画素は例えば数ミクロン程度の高精度な位置情報を持つため、それに対応して、測色位置と画像内の撮像位置との対応関係を精度良く決める必要がある。本願発明者は、上記した測色位置と撮像位置との対応関係の高精度化について検討した結果、校正用光源を用いて校正処理を実行することで位置の対応情報を高精度で取得することが可能であることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち、本発明による撮像装置の校正方法は、(1)第1配列軸、及び第1配列軸と直交する第2配列軸を配列軸として2次元に配列された複数の画素を有し、被写体の画像である被写体像を取得する撮像手段と、(2)被写体から撮像手段へと撮像光路を導かれる光像の一部を、撮像光路とは異なる方向の測色光路へと分岐するとともに、その分岐方向を調整することが可能に構成された光分岐手段と、(3)光分岐手段で測色光路へと分岐された測色用光像のうち、撮像手段による撮像範囲内の位置に対応して選択された測色位置の光成分を入力する光入力手段と、(4)光入力手段に対して接続され、光入力手段に入力された測色位置の光成分を測色して、得られた測色データを出力する測色手段と、(5)少なくとも光分岐手段での分岐方向を調整することにより、光入力手段で光成分が入力されて測色手段で測色される測色位置を調整する調整手段と、(6)測色データに基づいて、撮像手段によって取得された被写体像の画像データを補正する補正手段とを備える撮像装置に対して適用される校正方法であって、(7)被写体としてスクリーンを配置するとともに、光入力手段に対して、測色手段に代えて校正用光源を接続する校正準備ステップと、(8)調整手段により少なくとも光分岐手段での分岐方向を調整し、測色位置を、撮像手段での前記第1配列軸に対応する第1軸、及び第2配列軸に対応する第2軸のそれぞれについて設定する測色位置設定ステップと、(9)校正用光源からの校正光を光入力手段から出力させ、光分岐手段及びスクリーンで順次反射された後に光分岐手段を通過して撮像光路を導かれる校正光について、撮像手段によって被写体像として校正像を取得して、校正像における校正光の撮像位置を取得する撮像位置取得ステップと、(10)測色位置設定ステップにおいて設定された測色位置を表す第1軸及び第2軸のそれぞれについての測色位置パラメータと、撮像位置取得ステップにおいて取得された撮像位置を表す第1配列軸及び第2配列軸のそれぞれについての撮像位置パラメータとの対応情報を取得する対応情報取得ステップとを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明による撮像装置は、(a)第1配列軸、及び第1配列軸と直交する第2配列軸を配列軸として2次元に配列された複数の画素を有し、被写体の画像である被写体像を取得する撮像手段と、(b)被写体から撮像手段へと撮像光路を導かれる光像の一部を、撮像光路とは異なる方向の測色光路へと分岐するとともに、その分岐方向を調整することが可能に構成された光分岐手段と、(c)光分岐手段で測色光路へと分岐された測色用光像のうち、撮像手段による撮像範囲内の位置に対応して選択された測色位置の光成分を入力する光入力手段と、(d)光入力手段に対して接続され、光入力手段に入力された測色位置の光成分を測色して、得られた測色データを出力する測色手段と、(e)少なくとも光分岐手段での分岐方向を調整することにより、光入力手段で光成分が入力されて測色手段で測色される測色位置を調整する調整手段と、(f)測色データに基づいて、撮像手段によって取得された被写体像の画像データを補正する補正手段と、(g)撮像手段による被写体像の取得を制御する撮像制御手段とを備え、(h)光入力手段は、測色手段に代えて校正用光源を接続することが可能に構成されるとともに、撮像制御手段は、被写体としてスクリーンを配置するとともに、光入力手段に校正用光源を接続した状態で実行される校正処理について、(i)調整手段により少なくとも光分岐手段での分岐方向を調整し、測色位置を、撮像手段での第1配列軸に対応する第1軸、及び第2配列軸に対応する第2軸のそれぞれについて設定する測色位置設定手段と、(j)校正用光源からの校正光を光入力手段から出力させ、光分岐手段及びスクリーンで順次反射された後に光分岐手段を通過して撮像光路を導かれる校正光について、撮像手段によって被写体像として校正像を取得して、校正像における校正光の撮像位置を取得する撮像位置取得手段と、(k)測色位置設定手段によって設定された測色位置を表す第1軸及び第2軸のそれぞれについての測色位置パラメータと、撮像位置取得手段によって取得された撮像位置を表す第1配列軸及び第2配列軸のそれぞれについての撮像位置パラメータとの対応情報を取得する対応情報取得手段とを有することを特徴とする。
【0009】
上記した撮像装置の校正方法、及び撮像装置においては、被写体から撮像手段へと撮像光路を導かれる光像の一部を光分岐手段で分岐し、分岐された測色用光像のうちの所定位置の光成分を光入力手段を介して測色手段で計測するとともに、光分岐手段による光像の分岐方向を調整することにより、その測色位置を調整可能な構成としている。このような構成では、撮像手段によって取得される被写体像内の任意の位置について、測色手段によって測色を行うことが可能となる。
【0010】
さらに、このような撮像装置において、測色用光像のうちで所定の位置の光成分のみを通過させることで測色位置を選択する光入力手段について、光入力手段に対して測色手段と校正用光源とをそれぞれ接続可能な構成としている。ここで、レーザ光源などを用いた校正用光源を光入力手段に接続した場合、光入力手段は、校正用光源から供給された校正光を光分岐手段に向けて逆方向に出力する光出力手段として機能する。
【0011】
このような構成において、被写体として所定位置に校正処理用のスクリーンを配置した状態で校正光を供給するとともに、光入力手段から出力され、光分岐手段及びスクリーンで順次反射された後に光分岐手段を通過して撮像手段へと導かれる校正光について、撮像手段において校正像を取得する。そして、得られた校正像内での校正光の撮像位置を取得することで、測色手段で計測される測色位置と、撮像手段で取得される画像内の撮像位置との対応関係についての校正処理を行っている。これにより、測色位置と撮像位置との間の対応情報を高精度で取得することができ、撮像手段によって取得される被写体像内の任意の位置について高い位置精度で測色を行うことが可能となる。
【0012】
ここで、測色手段による測色位置を調整するための構成については、一般には、上記したように、少なくとも光分岐手段での分岐方向を調整する構成とすれば良い。そのような構成としては、例えば、光分岐手段での光像の分岐方向のみを調整する構成、あるいは光分岐手段での光像の分岐方向と、光入力手段での光成分の入力位置とを調整する構成等を用いることが可能である。
【0013】
また、被写体像を取得するための撮像手段における2次元の画素構造については、撮像手段における複数の画素についての第1配列軸(X配列軸)は、撮像光路及び測色光路を含む平面に直交する軸であり、第2配列軸(Y配列軸)は、撮像光路及び第1配列軸に直交する軸であることが好ましい。
【0014】
また、測色位置を調整、設定するための具体的な構成については、光分岐手段に対し、測色位置が第1軸(X軸)の方向に変化するように第1回転軸を中心として光分岐手段を回転駆動する第1駆動手段と、測色位置が第2軸(Y軸)の方向に変化するように第2回転軸を中心として光分岐手段を回転駆動する第2駆動手段とが設けられ、調整手段は、第1駆動手段及び第2駆動手段を用いて光分岐手段での分岐方向を調整することによって、測色位置を第1軸及び第2軸のそれぞれについて調整する構成を用いることができる。
【0015】
あるいは、光入力手段に対し、測色位置が第1軸(X軸)の方向に変化するように光入力手段を直線駆動する第1駆動手段が設けられるとともに、光分岐手段に対し、測色位置が第2軸(Y軸)の方向に変化するように第2回転軸を中心として光分岐手段を回転駆動する第2駆動手段が設けられ、調整手段は、第1駆動手段及び第2駆動手段を用いて光入力手段での入力位置及び光分岐手段での分岐方向を調整することによって、測色位置を第1軸及び第2軸のそれぞれについて調整する構成を用いることができる。
【0016】
また、撮像装置の校正方法は、測色位置設定ステップと撮像位置取得ステップとを、複数の測色位置について繰り返して実行するとともに、対応情報取得ステップにおいて、複数の測色位置及びそれに対応する複数の撮像位置のそれぞれについて、測色位置を表す測色位置パラメータと、撮像位置を表す撮像位置パラメータとの対応情報を取得し、複数の撮像位置のそれぞれについて取得された対応情報に基づいて、撮像手段による撮像範囲に対する対応情報のマッピングを行うことが好ましい。
【0017】
同様に、撮像装置は、測色位置設定手段による測色位置設定と撮像位置取得手段による撮像位置取得とを、複数の測色位置について繰り返して実行するとともに、対応情報取得手段において、複数の測色位置及びそれに対応する複数の撮像位置のそれぞれについて、測色位置を表す測色位置パラメータと、撮像位置を表す撮像位置パラメータとの対応情報を取得し、複数の撮像位置のそれぞれについて取得された対応情報に基づいて、撮像手段による撮像範囲に対する対応情報のマッピングを行うことが好ましい。
【0018】
このように、撮像手段における2次元の撮像範囲に対して、測色手段での測色位置と、撮像手段での撮像位置との対応関係のマップを作成することにより、被写体像が取得される撮像範囲の全体について、測色位置と撮像位置との対応情報を高精度で取得することが可能となる。
【0019】
上記したように、測色位置と撮像位置との対応情報のマッピングを行う場合には、校正方法は、対応情報取得ステップにおいて、撮像範囲内で隣り合う第1撮像位置及び第2撮像位置の間にあって対応情報が取得されていない位置について、第1撮像位置での対応情報及び第2撮像位置での対応情報を用いた補間処理を行って対応情報を取得することが好ましい。
【0020】
同様に、撮像装置は、対応情報取得手段において、撮像範囲内で隣り合う第1撮像位置及び第2撮像位置の間にあって対応情報が取得されていない位置について、第1撮像位置での対応情報及び第2撮像位置での対応情報を用いた補間処理を行って対応情報を取得することが好ましい。
【0021】
このように、測色位置と撮像位置との対応情報について補間処理を行うことにより、校正計測が行われた撮像位置以外で対応情報が取得されていない画像内の位置についても、対応情報を精度良く取得することが可能となる。
【0022】
また、被写体から撮像手段へと向かう光像の一部を測色手段へと分岐する光分岐手段については、光分岐手段は、撮像光路を導かれる光像を所定の反射率で反射することで、光像の一部を測色光路へと分岐する光分岐ミラー(ハーフミラー、一部反射ミラー)を有することが好ましい。
【0023】
また、校正方法は、対応情報取得ステップにおいて取得された測色位置パラメータと撮像位置パラメータとの対応情報を記憶手段に記憶する対応情報記憶ステップを備えることが好ましい。同様に、撮像装置は、対応情報取得手段によって取得された測色位置パラメータと撮像位置パラメータとの対応情報を記憶する対応情報記憶手段を備えることが好ましい。これにより、校正処理を実行することで取得され記憶手段に記憶された対応情報を参照して、撮像装置における測色処理、及び撮像処理を好適に実行することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の撮像装置の校正方法及び撮像装置によれば、光分岐手段で撮像光路から分岐された測色用光像のうちの所定位置の光成分を測色手段で計測するとともに、光分岐手段による光像の分岐方向を調整することで測色位置を調整可能な構成とし、撮像装置の校正処理において、被写体としてスクリーンを設置するとともに、測色手段への光入力手段に校正用光源を接続し、光入力手段から出力されて光分岐手段及びスクリーンで順次反射された後に光分岐手段を通過した校正光の撮像手段での撮像位置を取得して、測色手段での測色位置と撮像手段での撮像位置との対応情報を取得する構成とすることにより、測色位置と撮像位置との対応情報を高精度で取得することができ、被写体像内の任意の位置について高い位置精度で測色を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面とともに本発明による撮像装置の校正方法、及び校正方法が適用される撮像装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0026】
図1は、本発明による撮像装置の一実施形態の構成を概略的に示すブロック図である。本実施形態による撮像装置1Aは、2次元のカラー画像を取得する撮像素子16と、所定位置の光成分を測色する測色計22とを内蔵して構成された撮像システムであり、被写体S1の画像である被写体像を取得する際に、その色情報を高精度で正確に取得することが可能な測色計内蔵カメラ(色忠実カメラ)として構成されている。
【0027】
撮像素子16は、X配列軸(第1配列軸、図2参照)、及びX配列軸と直交するY配列軸(第2配列軸)を配列軸として2次元に配列された複数の画素を有し、被写体S1の画像である被写体像を取得する撮像手段である。撮像素子16としては、2次元のカラー画像を取得可能なCCDを用いることができる。このようなCCDとしては、例えば、カラーフィルタを利用した1CCD形式の撮像素子、あるいは3CCD形式の撮像素子等が挙げられる。
【0028】
本撮像装置1Aでの撮像対象となる被写体S1の光像を被写体S1から撮像素子16へと導く光路は、光学系の光軸に沿った直線状の撮像光路L1となっている。また、この撮像光路L1上には、被写体S1側から順に、レンズ系10、絞り12、及び光分岐ミラー14が設置されている。
【0029】
レンズ系10は、1枚または複数枚のレンズによって構成された撮像レンズ系であり、例えば単一の焦点距離を有する固定焦点のレンズ系、あるいはズームレンズや望遠/広角の2焦点切換式レンズなどのように、焦点可変のレンズ系を用いることができる。図1においては、レンズ系10は、レンズ駆動部30によって撮像光路L1の方向(光軸方向)に駆動されることで、焦点距離を変更可能な構成となっている。また、絞り12は、絞り駆動部32によって駆動されることで、その撮像光路L1上での開口面積が変更可能な構成となっている。
【0030】
レンズ系10及び絞り12を通過した被写体S1からの光像は、光分岐ミラー14を通過した後に撮像素子16へと入射されて、その撮像面に結像される。撮像素子16は、入射した光像の各位置での光成分を対応する画素において電気信号に変換して、被写体S1の画像である被写体像を取得する。得られた画像信号は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色のアナログ画像信号として画像信号処理部37に出力され、画像信号処理部37において、必要なアナログ信号処理、及びA/D変換処理等が行われる。また、この撮像素子16における撮像動作、及び画像信号の読み出し動作等は、撮像素子駆動部36によって駆動制御されている。
【0031】
被写体S1から撮像素子16へと撮像光路L1を導かれる光像の一部は、光分岐ミラー14によって、撮像光路L1とは異なる方向の測色光路L2へと分岐される。この光分岐ミラー14は、撮像光路L1を導かれる光像を所定の反射率で反射することで、光像の一部を測色光路L2へと分岐する光分岐手段として機能する。本実施形態では、測色光路L2は、撮像光路L1と略直交する方向に設定されている。また、撮像素子16での画素の配列軸については、本実施形態では、撮像素子16での複数の画素のX配列軸が撮像光路L1及び測色光路L2を含む平面に直交する軸、また、Y配列軸が撮像光路L1及びX配列軸に直交する軸となっている。
【0032】
光分岐ミラー14によって光像が分岐される測色光路L2上の所定位置には、光ファイバ固定部20によって位置決めされて固定された光ファイバ23の入力端23aが配置されている。このような構成において、光ファイバ固定部20、及び光ファイバ23の入力端23aは、光分岐ミラー14で測色光路L2へと分岐された光像である測色用光像のうち、撮像素子16による撮像範囲内の位置に対応した測色位置を選択し、選択された測色位置の光成分を入力する光入力手段として機能する。光入力手段としては、具体的には例えば、SMA型の光コネクタを用いることができる。ここで、光入力手段で選択される測色位置について、撮像素子16でのX配列軸に対応する軸をX軸(第1軸、図2参照)、Y配列軸に対応する軸をY軸(第2軸)とする。
【0033】
また、この光ファイバ23の他端側には、測色計22が光学的に接続されている。測色計22は、光ファイバ23を介して光入力手段である入力端23aに対して接続され、光分岐ミラー14で分岐された測色用光像のうちで入力端23aに入力された測色位置の光成分を測色して、得られた測色データを出力する測色手段である。また、この測色計22が接続される光入力手段は、後述するように、測色計22に代えて校正用光源を接続することが可能に構成されている。
【0034】
図1に示す撮像装置1Aは、光分岐ミラー14における測色光路L2への光像の分岐方向を調整することにより、光ファイバ23の入力端23aで光成分が入力されて測色計22で測色される測色位置を調整することが可能に構成されている。ここで、図2は、測色計22における測色位置の調整方法の一例について模式的に示す斜視図である。
【0035】
図2に示すように、撮像装置1Aでは、光分岐ミラー14に対して、測色位置がX軸の方向に変化するようにX回転軸(第1回転軸)Axを中心として光分岐ミラー14を回転駆動するX方向駆動部(第1駆動手段)34と、測色位置がY軸の方向に変化するようにY回転軸(第2回転軸)Ayを中心として光分岐ミラー14を回転駆動するY方向駆動部(第2駆動手段)35とが設けられている。本実施形態においては、これらのX方向駆動部34、及びY方向駆動部35により、光分岐ミラー14での分岐方向を調整することで測色位置をX軸及びY軸のそれぞれについて調整する調整手段が構成されている。また、これらの駆動部34、35としては、具体的には例えばステッピングモータなどのモータを用いることができる。
【0036】
光分岐ミラー14での分岐方向及び光ファイバ23の入力端23aでの入力位置によって選択された測色位置の光成分を計測する測色計22としては、例えば図3に示す構成の分光測色計を用いることができる。図3に示す測色計22は、測色に必要な演算処理等を行うCPU22aと、測色動作に必要な各ソフトウェアプログラム等が記憶されるROM22bと、プログラム実行中に一時的にデータが記憶されるRAM22cとがバス22dを介して接続されて構成されている。また、バス22dには、I/Oインターフェース22eを介して、分光器22f、及び変換部22gが接続されている。
【0037】
分光器22fは、CPU22aにより測色を実行するように指示されると、光ファイバ23を介して入力された測色位置の光成分の分光スペクトルを計測し、得られた分光スペクトルデータを変換部22gへと出力する。変換部22gは、分光器22fから入力された分光スペクトルデータを色情報についての所定形式の測色データへと変換する。
【0038】
このようなデータ変換の具体的な例としては、変換部22gが、分光スペクトルデータに基づいて、CIE-XYZ表色系における三刺激値X、Y、Z、あるいは色度値x、yを求めて出力する構成がある。ここで、色度値x、yは、三刺激値X、Y、Zからx=X/(X+Y+Z)、y=Y/(X+Y+Z)によって求めることができる。また、分光スペクトルデータから三刺激値、色度値へのデータ変換は、例えばJISZ8722に定められた方法によって高精度に実行することができる。また、変換部22gでのデータ変換については、XYZ表色系への変換に限らず、必要に応じてLab表色系等の他の表色系への変換機能を有していても良い。なお、測色計22で取得される測色データ等については、本撮像装置1Aにおいて実行される測色処理、及び色補正処理に関連してさらに後述する。
【0039】
図1に示す撮像装置1Aでは、上記したレンズ系10、絞り12、光分岐ミラー14、撮像素子16、及び測色計22等に対し、撮像制御装置50が設けられている。この撮像制御装置50は、撮像素子16による被写体像の取得動作を含む撮像装置1Aの各部の動作を制御する撮像制御手段である。本実施形態による撮像制御装置50では、処理モード設定部60が設けられており、撮像装置1Aにおいて実行される処理について、通常の撮像動作を行う撮像処理モード、色情報の補正データを取得するための測色処理モード、及び測色位置の校正を行うための校正処理モードの3つの処理モードから必要なモードを選択可能となっている。なお、このような処理モード設定部60については、例えば撮像処理、測色処理、及び校正処理をそれぞれ手動で行う場合など、不要な場合には設けなくても良い。
【0040】
撮像制御装置50は、画像データ処理部52と、測色データ処理部54と、対応情報取得部62と、測色位置設定部64と、撮像位置取得部66とを有している。画像データ処理部52は、通常の撮像処理モードにおいて、撮像素子16によって取得された被写体像の画像データについて必要なデータ処理を行う。例えば、画像データ処理部52は、撮像素子16から入力されたRGB表色系の画像データを変換し、XYZ表色系の画像データを生成する。
【0041】
このようなRGB画像データのXYZ画像データへの変換については、3×3の所定の変換マトリクスAijを用いて、下記の式(1)のようにデータ変換を実行することができる。
【数1】
JP0004371243B2_000002t.gif

ここで、X,Y,Zは、測色データに基づく色補正がなされていない通常のデータ変換によって得られるXYZ画像データを示している。
【0042】
また、色補正データを含む変換マトリクスBijが求められている場合には、RGB画像データは、下記の式(2)によって補正されたXYZ画像データX’,Y’,Z’へと変換される。
【数2】
JP0004371243B2_000003t.gif

ここで、上記の補正された変換マトリクスBijは、後述するように、測色処理によって測色計22で得られた測色データに基づいて決定される色補正マトリクスである。この場合、画像データ処理部52は、測色データに基づいて、撮像素子16によって取得された被写体像の画像データを補正する補正手段として機能する。
【0043】
なお、画像データ処理部52でのデータ変換については、XYZ表色系への変換に限らず、必要に応じてLab表色系等の他の表色系への変換機能を有していても良い。また、三刺激値X,Y,Zから、さらに色度値x,yを求める構成としても良い。また、色補正マトリクスについては、RGB画像データをXYZ画像データに変換した後に補正を行うX,Y,ZからX’,Y’,Z’へのマトリクスを色補正マトリクスとしても良い。
【0044】
測色データ処理部54は、測色処理モードにおいて、測色計22によって取得された測色データについて必要なデータ処理を行う。例えば、測色データ処理部54は、測色処理を実行して得られた測色データに基づいて、上記の補正された変換マトリクスBijなどの所定形式の色補正データを生成する。
【0045】
また、これらの画像データ処理部52、及び測色データ処理部54に対して、データ記憶部58が設けられている。上記したRGB画像データからXYZ画像データへの変換マトリクスAij、及び補正された変換マトリクスBij等の変換データ、色補正データは、このデータ記憶部58に記憶され、必要に応じて読み出されてデータ処理に使用される。また、撮像素子16によって取得された画像データ、及び測色計22によって取得された測色データ等の各データについても、必要に応じてデータ記憶部58に記憶される。
【0046】
測色位置設定部64、撮像位置取得部66、及び対応情報取得部62は、校正処理モードにおいて、それぞれ所定の処理を行う。ここで、本撮像装置1Aにおける校正処理は、図4に示すように、被写体として校正処理用のスクリーンS2を配置するとともに、光入力手段を構成する光ファイバ固定部20に対して、測色計22に代えて校正用光源であるレーザ光源24を接続した状態で実行される。
【0047】
なお、図4に示す構成において、レーザ光源24と光入力手段とを接続している光ファイバ25では、そのレーザ光源24とは反対側の端部(光入力手段側の端部)が、レーザ光源24から供給される校正光の出力端25aとなっている。また、この光ファイバについては、光ファイバを入れ換えず、測色計22の接続時とレーザ光源24の接続時で同一の光ファイバ23を用いる構成としても良い。あるいは、レーザ光源24とともに、レーザ光源24と光入力手段との間の光ファイバを、光ファイバ23から別の光ファイバ25に入れ換える構成としても良い。
【0048】
測色位置設定部64は、校正処理実行時において、測色計22での測色位置を設定する設定手段である。具体的には、測色位置設定部64は、調整手段であるX方向駆動部34及びY方向駆動部35を介して光分岐ミラー14での分岐方向を調整し、測色位置を、撮像素子16でのX配列軸に対応するX軸、及びY配列軸に対応するY軸のそれぞれについて設定する。ここで、設定される測色位置は、光ファイバ固定部20に位置決めして固定された光ファイバの端部(測色計22が接続された場合の入力端、レーザ光源24が接続された場合の出力端)の位置に対応する。
【0049】
撮像位置取得部66は、校正処理実行時において、撮像素子16での校正光の撮像位置を取得する取得手段である。具体的には、撮像位置取得部66は、校正用光源であるレーザ光源24から校正光を出力させる。レーザ光源24からの校正光は、光ファイバ25を介してその出力端25aから出力され、光分岐ミラー14及びスクリーンS2で順次反射された後に光分岐ミラー14を通過し、撮像光路L1を導かれて撮像素子16へと到達する。続いて、撮像素子16によって、スクリーンS2からの校正光を含む被写体像として校正像が取得される。そして、撮像位置取得部66は、撮像素子16からの校正像の画像データを参照し、校正像における校正光の撮像位置を、X配列軸及びY配列軸のそれぞれについて取得する。
【0050】
対応情報取得部62は、測色位置設定部64によって設定された測色位置と、撮像位置取得部66によって取得された撮像位置との対応関係の情報である対応情報を取得する取得手段である。具体的には、対応情報取得部62は、測色位置を表すX軸及びY軸のそれぞれについての測色位置パラメータと、撮像位置を表すX配列軸及びY配列軸のそれぞれについての撮像位置パラメータとを対応付けて対応情報データを生成する。
【0051】
ここで、測色位置を表すX軸及びY軸のそれぞれについての測色位置パラメータとしては、上記構成では、X方向駆動部34によって回転軸Axを中心として光分岐ミラー14を回転駆動した回転角θx、及びY方向駆動部35によって回転軸Ayを中心として光分岐ミラー14を回転駆動した回転角θyを用いることができる。また、撮像位置を表すX配列軸及びY配列軸のそれぞれについての撮像位置パラメータとしては、撮像素子16で取得される被写体像上での2次元の位置座標x,yを用いることができる。
【0052】
この場合、対応情報取得部62は、測色位置を表す測色位置パラメータ(θx,θy)と、撮像位置を表す撮像位置パラメータ(x,y)とを対応付けて、対応情報データとする。また、この対応情報取得部62に対して、対応情報記憶部68が設けられている。対応情報取得部62において取得された測色位置と撮像位置との対応情報は、対応情報記憶部68に記憶される。測色データ処理部54は、測色計22を用いて測色処理を実行する場合に、対応情報記憶部68から対応情報データを読み出して、測色位置の設定等において対応情報を参照する。
【0053】
なお、本実施形態において測色位置を表す角度パラメータ(θx,θy)については、例えば駆動部34、35にステッピングモータを用いた場合に、ステッピングモータの原点からのパルス数を角度パラメータとする方法、あるいはそれを回転角度に換算した値を角度パラメータとする方法がある。また、撮像位置を表す位置パラメータ(x,y)については、例えば撮像素子16の2次元の画素構造でのX方向、Y方向の画素番号(チャンネル)を位置パラメータとする方法、あるいはそれを位置に換算した値を位置パラメータとする方法がある。
【0054】
撮像制御装置50は、具体的には例えば、処理モード設定、各種のデータ処理、対応情報取得等の処理を実行するCPUと、処理動作に必要な各ソフトウェアプログラム等が記憶されるROMと、データ記憶部58及び対応情報記憶部68として機能するメモリまたは外部記憶装置とを有して構成される。また、図1に示した構成では、撮像制御装置50に対して、入力装置70、表示装置72、及び外部I/F74が接続されている。
【0055】
入力装置70は、撮像装置1Aにおける校正処理、測色処理、及び撮像処理の各処理動作に必要な情報、指示の入力に用いられる入力手段である。このような入力装置70としては、例えば、処理モード設定部60に対して設定すべき処理モードを指示するモード設定スイッチ、測色計22を作動させるための測色スイッチ、画像取得開始の指示を与えるシャッタースイッチ、あるいはさらに撮像動作の際のズーム操作手段などが挙げられる。また、校正処理の実行等において必要があれば、スイッチやボタンなどの操作手段とは別に、キーボードやマウスなどを入力装置70として撮像制御装置50に接続しても良い。
【0056】
表示装置72は、例えば液晶ディスプレイ等によって構成され、必要に応じて、撮像素子16で取得された画像データの表示、測色計22で取得された測色データの表示、及び各処理動作の実行時における必要な情報の表示などに用いられる。また、外部I/F74は、撮像制御装置50に対して他の記憶装置、処理装置などの外部装置を接続する際に用いられる。なお、これらの入力装置70、表示装置72、外部I/F74については、必要に応じて設ければ良い。
【0057】
上記実施形態による撮像装置、及びその位置校正方法の効果について説明する。
【0058】
図1~図4に示した撮像装置1A、及び撮像装置の校正方法においては、被写体S1から撮像素子16へと撮像光路L1を導かれる光像の一部を光分岐ミラー14で分岐し、分岐された測色用光像のうちの所定位置の光成分を光ファイバ固定部20に位置決めして固定された光ファイバ23の入力端23aから入力させる。そして、入力された測色位置の光成分を光ファイバ23を介して測色計22で計測するとともに、光分岐ミラー14による光像の分岐方向を駆動部34、35によって調整することにより、測色計22での測色位置を調整可能な構成としている。このような構成では、撮像素子16によって取得される被写体像内の任意の位置について測色を行うことが可能となる。
【0059】
さらに、このような撮像装置1Aにおいて、測色用光像のうちで所定の位置の光成分のみを通過させることで測色位置を選択する光入力手段を構成する光ファイバ固定部20、及び光ファイバ23について、光入力手段に対して測色計22と校正用光源であるレーザ光源24とをそれぞれ接続可能な構成としている。ここで、レーザ光源24などを用いた校正用光源を光入力手段に接続した場合、光入力手段(光ファイバの入力端)は、レーザ光源24から供給された校正光を光分岐ミラー14に向けて逆方向に出力する光出力手段(出力端)として機能する。
【0060】
このような構成において、図4に示したように、被写体として所定位置に校正処理用のスクリーンS2を配置した状態で校正光を供給するとともに、光ファイバ25の出力端25aから出力され、光分岐ミラー14及びスクリーンS2で順次反射された後に光分岐ミラー14を通過して撮像素子16へと導かれる校正光について、撮像素子16において校正像を取得する。そして、得られた校正像内での校正光の撮像位置を取得することで、測色計22で計測される測色位置と、撮像素子16で取得される画像内の撮像位置との対応関係についての校正処理を行っている。これにより、測色位置と撮像位置との間の対応情報を高精度で取得することができ、撮像素子16によって取得される被写体像内の任意の位置について高い位置精度で測色を行うことが可能となる。
【0061】
また、測色位置を調整、設定するための具体的な構成については、上記実施形態では、調整手段として、光分岐ミラー14に対し、測色位置がX軸の方向に変化するように回転軸Axを中心として光分岐ミラー14を回転駆動するX方向駆動部34と、測色位置がY軸の方向に変化するように回転軸Ayを中心として光分岐ミラー14を回転駆動するY方向駆動部35とを設ける構成を用いている。このような構成によれば、測色位置の調整を好適に実現することができる。この場合の具体的な構成としては、例えば、X方向の回転角度θxの駆動範囲を±15°とし、Y方向の回転角度θyの駆動範囲を±20°として測色位置を調整する構成がある。
【0062】
また、被写体S1から撮像素子16へと向かう光像の一部を測色計22へと分岐する光分岐手段については、上記実施形態では、撮像光路L1を導かれる光像を所定の反射率で反射することで、光像の一部を測色光路L2へと分岐する光分岐ミラー(ハーフミラー、一部反射ミラー)14を光分岐手段として用いている。これにより、測色光路L2への光像の分岐、光像の分岐方向の調整を好適に実現することができる。
【0063】
また、図1に示した構成では、撮像制御装置50において、対応情報取得部62によって取得された測色位置パラメータと撮像位置パラメータとの対応情報を記憶する対応情報記憶部68を設けている。これにより、校正処理を実行することで取得され記憶部68に記憶された対応情報を参照して、撮像装置1Aにおける測色処理、及び撮像処理を好適に実行することができる。
【0064】
また、上記実施形態では、測色位置の光成分を測色計22へと入力する光入力手段(校正処理実行時における光出力手段)を、光ファイバ固定部20に位置決めして固定される光ファイバ23の入力端23aによって構成している。この光ファイバ23については、測色計22に代えてレーザ光源24を接続する際には、そのまま同一の光ファイバを用いても良い。あるいは、光源とともに光ファイバも入れ換える構成としても良い。ただし、このように光ファイバを入れ換える場合には、上記したように光ファイバを位置決め可能な光ファイバ固定部20などの光ファイバ位置決め手段を設けることが好ましい。また、光入力手段としては、光ファイバ以外の光学素子を用いても良い。
【0065】
上記実施形態の撮像装置1Aにおいて実行される校正方法について、図5及び図6を参照してさらに説明する。図5は、図1~図4に示した撮像装置1Aにおいて実行される校正処理を示すフローチャートである。また、図6は、校正処理について模式的に示す図である。なお、以下に説明する校正方法は、撮像装置の校正方法の具体的な一例を示すものであり、本発明による撮像装置の校正方法は、これに限定されるものではない。
【0066】
図5に示す校正方法では、まず、操作者は、校正処理実行のための準備を行う(ステップS101、校正準備ステップ)。ここでは、図4に示したように、被写体として校正処理用のスクリーンS2を配置するとともに、光入力手段を構成する光ファイバ固定部20に対して、測色計22及び光ファイバ23に代えて、校正用光源であるレーザ光源24及び光ファイバ25を接続する。
【0067】
なお、上記したように、光ファイバを共通で使用する場合には、測色計22のみをレーザ光源24に入れ換えて光ファイバに接続する。また、撮像制御装置50において処理モード設定部60が設けられており、処理モードを切り換える必要がある場合には、モード設定スイッチなどの入力装置70からの指示により、処理モード設定部60において処理モードを校正処理モードへと切り換える。
【0068】
次に、測色位置設定部64からの指示により、X方向駆動部34及びY方向駆動部35により光分岐ミラー14での光像の分岐方向を調整し、測色位置をX軸及びY軸のそれぞれについて設定する(S102、測色位置設定ステップ)。このとき、測色位置を表す測色位置パラメータとして、上記したパラメータ(θx,θy)が得られる。
【0069】
続いて、撮像位置取得部66からの指示により、レーザ光源24から校正用のレーザ光を供給させ、レーザ光源24からの校正光を光ファイバ25の出力端25aから出力させる(S103)。そして、光分岐ミラー14及びスクリーンS2で順次反射された後に光分岐ミラー14を通過して撮像光路L1を導かれる校正光について、撮像素子16によって被写体像として校正像を取得して、校正像における校正光の撮像位置(x,y)を取得する(S104、撮像位置取得ステップ)。
【0070】
測色位置の設定及び撮像位置の取得が終了したら、対応情報取得部62において、測色位置を表すX軸及びY軸のそれぞれについての測色位置パラメータ(θx,θy)と、撮像位置を表すX配列軸及びY配列軸のそれぞれについての撮像位置パラメータ(x,y)との対応情報を取得する(S105、対応情報取得ステップ)。ここでは、対応情報取得部62は、測色位置パラメータ(θx,θy)と、撮像位置パラメータ(x,y)とを対応付けて、測色位置と撮像位置との対応情報データとして対応情報記憶部68に記憶する(対応情報記憶ステップ)。
【0071】
対応情報の取得が終了したら、全ての校正処理が終了したかどうかが確認される(S106)。そして、さらに実行すべき校正処理があれば、ステップS102~S105の各処理が繰り返して行われる。また、全ての校正処理が終了していれば、必要に応じて対応情報マップの作成を実行(S107)した後に、校正処理を終了する。
【0072】
ここで、図5のステップS102~S104に示した測色位置の設定、校正光の供給、及び撮像位置の取得については、別々のステップとしてではなく同時進行的に実行しても良い。そのような方法の一例について説明する。
【0073】
まず、レーザ光源24から校正光を供給し、撮像素子16によって校正像を取得して、校正光の撮像位置を確認する。操作者は、表示装置72に表示された校正像において校正光の像であるレーザスポットの位置を確認し、入力装置70を構成する駆動指示ボタン等を介してX方向駆動部34及びY方向駆動部35によって光分岐ミラー14を回転駆動して、レーザスポットが撮像素子16の撮像範囲内の所定位置となるように測色位置を設定する。このとき、設定された測色位置に対応する測色位置パラメータ(θx,θy)が、例えば駆動部34、35を構成するステッピングモータのパルス数などのデータとして対応情報記憶部68に記憶される(図6(a)参照)。
【0074】
次に、操作者は、入力装置70を構成するマウスを操作し、表示装置72に表示された校正像内にある校正光のレーザスポットの位置にマウスカーソルを移動しクリックする。これにより、そのクリックによって指定された位置が校正光の撮像位置として取得され、撮像位置に対応する撮像位置パラメータ(x,y)が、例えば校正像内での画素番号などのデータとして対応情報記憶部68に記憶される。また、このとき、撮像位置パラメータ(x,y)を上記した測色位置パラメータ(θx,θy)と対応付けて記憶させることにより、測色位置と撮像位置との対応情報が取得される。
【0075】
なお、上記した撮像装置1Aの校正方法においては、図5のステップS107に示したように、必要に応じて対応情報のマッピングを行うことが好ましい。具体的には、校正処理において、測色位置の設定と撮像位置の取得とを、複数の測色位置について繰り返して実行するとともに、対応情報の取得において、複数の測色位置及びそれに対応する複数の撮像位置のそれぞれについて、測色位置を表す測色位置パラメータと、撮像位置を表す撮像位置パラメータとの対応情報を取得し、複数の撮像位置のそれぞれについて取得された対応情報に基づいて、撮像素子16による撮像範囲に対する対応情報のマッピングを行うことが好ましい。
【0076】
このように、撮像素子16における2次元の撮像範囲に対して、測色計22での測色位置と、撮像素子16での撮像位置との対応関係のマップを作成することにより、被写体像が取得される撮像範囲の全体について、測色位置と撮像位置との対応情報を高精度で取得することが可能となる。
【0077】
このような対応情報のマッピング処理においては、対応情報を取得する複数の測色位置(複数の撮像位置)の点数、及びその配置については、必要とされる位置の校正精度等を考慮して設定することが好ましい。図6(b)では、その一例として、撮像素子16で取得される2次元画像内において3×3点で合計9点について校正計測を行う例を示している。この場合、以下に示す9点
(x,y)-(θx,θy
(x,y)-(θx,θy
………
(x,y)-(θx,θy
………
(x,y)-(θx,θy
(x,y)-(θx,θy
について、測色位置と撮像位置との対応関係を示す対応情報データが得られる。
【0078】
また、上記のように撮像素子16による撮像範囲に対して測色位置と撮像位置との対応情報のマッピングを行う場合、撮像範囲内で隣り合う第1撮像位置及び第2撮像位置の間にあって対応情報が取得されていない位置について、第1撮像位置での対応情報及び第2撮像位置での対応情報を用いた補間処理を行って対応情報を取得することが好ましい。このように補間処理を行うことにより、校正計測が行われた撮像位置以外で対応情報が取得されていない画像内の位置についても、対応情報を精度良く取得することが可能となる。
【0079】
この場合、対応情報の具体的な補間方法については、隣り合う撮像位置の間で線形補間を行う方法を用いることができる。例えば、図6(c)では、X軸方向に隣り合う第1撮像位置での対応情報データ
(x,y)-(θx,θy
及び第2撮像位置での対応情報データ
(xi+1,y)-(θxi+1,θy
の間での線形補間を模式的に示している。また、このような補間方法としては、線形補間以外にも、例えばスプライン補間など他の補間方法を用いても良い。
【0080】
次に、上記実施形態の撮像装置1Aにおいて実行される測色処理について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下に説明する測色処理は、モード設定スイッチなどの入力装置70からの指示により処理モード設定部60において測色処理モードが設定された場合に、図1に示したように光ファイバ固定部20に測色計22及び光ファイバ23を接続した状態で実行される。
【0081】
また、この場合、被写体S1としては、得られる被写体像に様々な色が含まれている、色域が広い測色処理に適した被写体を用いることが好ましい。具体的には、図8に示すxy色度図において、その色空間80内で広い範囲の色が含まれる被写体を用いることが好ましい。
【0082】
図7に示す測色処理では、まず、操作者は、測色処理に適した被写体S1に撮像装置1Aを向け、入力装置70を構成するシャッタースイッチを押し下げる。撮像制御装置50は、シャッタースイッチがオンになっているかどうかを判断し(ステップS201)、オンになっていなければ、シャッタースイッチが押し下げられるまで待機する。
【0083】
シャッタースイッチがオンになっていれば、通常の撮像処理と同様に、撮像素子16において被写体像が取得され(S202)、被写体像のR,G,Bの画像データが出力される。そして、この被写体像において複数の測色対象位置が選択される(S203)。具体的には、まず、得られた被写体像の画像データを色度値x,yの画像データに変換する。そして、被写体像を構成する各画素のうち、色空間内で適当に分布する複数の画素を選択し、そのそれぞれの画素位置を測色対象位置とする。
【0084】
測色対象位置の具体的な選択方法としては、色空間内の周縁側の色度値を有する複数の画素を選択することが、測色データを用いた色補正を精度良く行うために好ましい。図8には、その一例として、色空間80内で、その周縁側の色度値を有する6個の画素80a~80fの位置を測色対象位置として設定した例を示している。
【0085】
次に、被写体像上で選択された複数の測色対象位置のうちの所定の測色対象位置について、光分岐ミラー14による光像の分岐方向を測色対象位置に対応する方向となるように調整する(S204)。ここでは、撮像素子16で取得される画像内の位置(撮像位置)である測色対象位置に対し、校正処理で取得されて対応情報記憶部68に記憶されている対応情報データを参照して、画像上で選択された測色対象位置に対応する測色位置、及びそれに対応する測色位置パラメータ(θx,θy)が求められる。そして、X方向駆動部34及びY方向駆動部35により光分岐ミラー14での光像の分岐方向が調整されて、測色計22による測色位置が設定される。なお、校正処理が未実行の場合には、デフォルトで用意された対応情報によって測色位置が設定される。
【0086】
測色位置が設定されたら、測色計22において、被写体S1からの光像のうちで光ファイバ23の入力端23aに入力された測色位置の光成分に対して測色が行われる(S205)。そして、三刺激値X,Y,Z、あるいは色度値x,yなどの所定のデータ形式で表された測色データが測色計22から出力され、撮像制御装置50において測色データが取得されて、データ記憶部58に記憶される(S206)。
【0087】
測色データの取得が終了したら、全ての測色対象位置についての測色処理が終了したかどうかが確認される(S207)。そして、さらに測色を実行すべき測色対象位置があれば、ステップS204~S206の各処理が繰り返して行われる。また、全ての測色対象位置について測色処理が終了していれば、色補正データの作成を実行(S208)した後に、測色処理を終了する。
【0088】
ここで、色補正データの作成については、例えば図8に示した例では、選択された6点の測色対象位置80a~80fについて取得された測色データに基づいて色補正マトリクスが作成され、データ記憶部58に記憶される。具体的には、ステップS202において撮像により得られた被写体像内の測色対象位置の各画素での画素データと、ステップS205において測色により得られた対応する測色データとを比較し、最小自乗法等の計算方法を用いて、その差が最小となるように補正された変換マトリクスBij、あるいは他の所定形式の色補正データを求める。このような測色処理において、上記した校正処理によって取得された対応情報を参照して測色処理を実行することにより、得られる色補正データの精度を向上することができる。
【0089】
また、測色処理に用いられる被写体S1については、上記した例では、被写体像に様々な色が含まれる通常の被写体を用いる場合を説明したが、このような被写体としては、別に用意された測色用被写体を用いても良い。このような被写体としては、例えば図9に示すカラーチャート82、84がある。
【0090】
図9(a)に示すカラーチャート82は、互いに異なる色の複数のカラーサンプル82a、…、82j、…が印刷されたカラーチャートである。ここで、各カラーサンプルの色については、RGB表色系におけるR,G,Bの色成分値、あるいはXYZ表色系におけるX,Y,Zの色成分値が既知の色であることが好ましい。また、カラーチャート82に印刷されるカラーサンプルの色は、忠実な色再現を可能とする色補正マトリクスを精度良く作成できるように、少なくとも色空間の周縁側の色を含み、色空間内の色からバランス良く選択されることが好ましい。
【0091】
また、図9(a)に示したカラーチャート82では、それぞれのカラーサンプルは円形となっているが、このような構成に限らず、例えば、図9(b)に示すように矩形のカラーサンプル84a、…、84g、…が印刷されたカラーチャート84を用いても良い。また、マクベスチャート、あるいはSHIPPカラーチャートなどの既知のカラーチャートを用いても良い。
【0092】
次に、上記実施形態の撮像装置1Aにおいて実行される撮像処理について、図10に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下に説明する撮像処理は、モード設定スイッチなどの入力装置70からの指示により処理モード設定部60において撮像処理モードが設定された場合に実行される。また、この場合、被写体S1としては、実際に被写体像の取得対象となっている被写体が用いられる。
【0093】
図10に示す撮像処理では、まず、操作者は、撮像対象の被写体S1に撮像装置1Aを向け、入力装置70を構成するシャッタースイッチを押し下げる。撮像制御装置50は、シャッタースイッチがオンになっているかどうかを判断し(ステップS301)、オンになっていなければ、シャッタースイッチが押し下げられるまで待機する。シャッタースイッチがオンになっていれば、撮像素子16において被写体像が取得される(S302)。
【0094】
次に、撮像制御装置50の画像データ処理部52において、上記した測色処理によって作成された色補正マトリクスがデータ記憶部58に記憶されているかどうかが判断される(S303)。色補正マトリクスが記憶されていなければ、色補正処理を行わずに撮像処理を終了する。一方、色補正マトリクスが記憶されていれば、補正対象の被写体像の画像データ及び補正データである色補正マトリクスが読み込まれ(S304)、色補正が実行される(S305)。そして、補正された画像データをデータ記憶部58に記憶して(S306)、撮像処理を終了する。
【0095】
なお、既に取得済でデータ記憶部58に画像データが記憶されている被写体像を対象として色補正を行う場合には、図10に示したフローチャートにおいてステップS301、S302を省略し、ステップS303以降の色補正処理のみが実行される。
【0096】
本発明による撮像装置の校正方法、及び撮像装置は上記した実施形態及び構成例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、光分岐ミラー14を回転駆動する駆動部については、上記実施形態ではステッピングモータを例示したが、例えばピエゾアクチュエータなどの他の駆動手段を用いても良い。また、校正処理における測色位置の設定、及び撮像位置の取得については、上記実施形態では手動で行う方法を例示したが、複数の測色位置の設定個数及び位置、校正像内での輝度分布による校正光の撮像位置の自動取得方法などの校正条件、校正アルゴリズムをあらかじめ与えておき、自動的に校正処理を行う構成としても良い。
【0097】
また、測色計22による測色位置(光入力手段による光成分の入力位置)を調整するための構成については、一般には、少なくとも光分岐ミラー14での分岐方向を調整する構成とすれば良い。そのような構成としては、例えば、図2に示したように、光分岐ミラー14での光像の分岐方向のみを調整する構成を用いることが可能である。あるいは、他の構成として、光分岐ミラー14での光像の分岐方向と、光入力手段での光成分の入力位置との両者を調整する構成を用いても良い。
【0098】
図11は、撮像装置の他の実施形態の構成を概略的に示すブロック図である。また、図12は、測色計22における測色位置の調整方法の他の例について模式的に示す斜視図である。
【0099】
図11及び図12に示すように、本実施形態の撮像装置1Bでは、光入力手段を構成する光ファイバ固定部20及び光ファイバ23に対して、測色位置がX軸の方向に変化するように光入力手段を直線駆動するX方向駆動部38が設けられるとともに、光分岐ミラー14に対して、測色位置がY軸の方向に変化するようにY回転軸Ayを中心として光分岐ミラー14を回転駆動するY方向駆動部35が設けられている。本実施形態においては、これらのX方向駆動部38、及びY方向駆動部35により、光入力手段での入力位置、及び光分岐ミラー14での分岐方向を調整することで測色位置をX軸及びY軸のそれぞれについて調整する調整手段が構成されている。
【0100】
このような構成によっても、図1及び図2に示した構成と同様に、測色位置の調整を好適に実現することができる。また、図12に示した構成では、測色位置を表す測色位置パラメータとしては、X方向駆動部38によって光入力手段を直線駆動した移動距離Dx、及びY方向駆動部35によって回転軸Ayを中心として光分岐ミラー14を回転駆動した回転角θyを用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、撮像手段と測色手段とを内蔵する撮像装置において、撮像手段で取得される被写体像内の任意の位置について高い位置精度で測色を行うことを可能とする撮像装置の校正方法、及び撮像装置として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】撮像装置の一実施形態の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】測色位置の調整方法の一例について示す斜視図である。
【図3】測色計の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】測色計に代えてレーザ光源を接続した状態の撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図5】撮像装置において実行される校正処理を示すフローチャートである。
【図6】校正処理について模式的に示す図である。
【図7】撮像装置において実行される測色処理を示すフローチャートである。
【図8】測色処理について模式的に示す図である。
【図9】測色処理に用いられるカラーチャートの例を示す図である。
【図10】撮像装置において実行される撮像処理を示すフローチャートである。
【図11】撮像装置の他の実施形態の構成を概略的に示すブロック図である。
【図12】測色位置の調整方法の他の例について示す斜視図である。
【符号の説明】
【0103】
1A、1B…撮像装置、10…レンズ系、12…絞り、14…光分岐ミラー、16…撮像素子、20…光ファイバ固定部、22…測色計、23…光ファイバ、23a…入力端、24…レーザ光源(校正用光源)、25…光ファイバ、25a…出力端、30…レンズ駆動部、32…絞り駆動部、34…X方向駆動部、35…Y方向駆動部、36…撮像素子駆動部、37…画像信号処理部、38…X方向駆動部、
50…撮像制御装置、52…画像データ処理部、54…測色データ処理部、58…データ記憶部、60…処理モード設定部、62…対応情報取得部、64…測色位置設定部、66…撮像位置取得部、68…対応情報記憶部、70…入力装置、72…表示装置、74…外部I/F、L1…撮像光路、L2…測色光路、S1…被写体、S2…スクリーン。
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
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【図12】
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