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明細書 :複数の振動子にかかる振動エネルギーを局所的に集中させる方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5224243号 (P5224243)
公開番号 特開2010-065545 (P2010-065545A)
登録日 平成25年3月22日(2013.3.22)
発行日 平成25年7月3日(2013.7.3)
公開日 平成22年3月25日(2010.3.25)
発明の名称または考案の名称 複数の振動子にかかる振動エネルギーを局所的に集中させる方法
国際特許分類 F03G   7/08        (2006.01)
FI F03G 7/08 Z
請求項の数または発明の数 1
全頁数 10
出願番号 特願2008-230346 (P2008-230346)
出願日 平成20年9月8日(2008.9.8)
審査請求日 平成23年9月1日(2011.9.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304026696
【氏名又は名称】国立大学法人三重大学
発明者または考案者 【氏名】小竹 茂夫
【氏名】鈴木 泰之
【氏名】花井 宏旭
【氏名】内田 秀範
審査官 【審査官】稲葉 大紀
参考文献・文献 特開2000-038981(JP,A)
特開2003-097408(JP,A)
特開昭60-159376(JP,A)
調査した分野 F03G 7/08
F03D 5/06
特許請求の範囲 【請求項1】
固有振動数が同一の複数の振動子と、1つ又は複数個の特定振動子の2種類の振動子がそれぞれバネを介して振動自在に棒に懸垂され、
或いは、前記固有振動数が同一の複数の振動子と、前記1つ又は複数個の特定振動子の2種類の振動子がワイヤーに並列に連結され、
前記振動子の固有周波数をf、前記特定振動子の固有周波数をf/2とし、前記振動自在な棒もしくはワイヤーとこれに並列につながる前記振動子と前記特定振動子の重心位置からなる錬成振動子の固有周波数が、pを自然数とした時に、f/2および(p+1/2)fとなるように設計されており、
並列する振動子全体にかかる外力による振動エネルギーを前記特定振動子に局所的に集中させることを特徴とする、振動エネルギーの集中方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の振動する物体(振動子)を並列に連結させた機構であって、並列する振動子のうち一つ又は複数個の位相をずらす工夫をした特定の振動子を設置することにより、並列する振動子全体にかかる外力による振動エネルギーを、前記特定振動子に局所的に集中させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料による地球の温暖化や環境破壊、更に原子力も含めた資源の枯渇から、従来型の発電やエネルギー技術に大きな見直しが迫られている。
【0003】
また、無限のクリーンなエネルギーである太陽エネルギー由来である自然エネルギーを利用することが検討され、太陽光発電や風力発電、波浪発電などの技術開発が積極的に進められている。
【0004】
ところが自然エネルギーは、単位面積や単位体積当たりのエネルギー密度が小さく、これを利用する場合、たくさんの機器が必要となってしまい、多くの機器のためにかえって多くの資源を必要としてしまい、そのためにコストが掛かるなどの問題があり、現在もエネルギー源の大部分を占めるには至っていない。
【0005】
例えば100万kWの原子力発電器と同じ規模の太陽光パネルを敷き詰めた場合、約1000万平方メートルの敷地面積が必要となり、そのための資源は膨大である。
【0006】
一方、風車による風力発電は、発電コストが化石燃料に対抗できるレベルにまで低下してきており、自然エネルギー利用技術の最有力候補である。一般に風車は、羽根の広がる範囲に入る風力エネルギーしか集めることができないため、より大きなエネルギーを得るためには、羽根の大型化が必要となり、こうした方向での開発が進んできた。
【0007】
ところが風車は風から受けた力を軸芯の回転モーメントとして受け渡す必要があることから、羽根は剛構造を取る必要があり、強度が必要となることから、機器の大型化には限界が存在する。又、強度設計を十分に考慮した風車は多大なコストが掛かるため、その建設はあまり進んでいないのが現状である。
【0008】
一方、風力や海の波浪、外力から発生する振動エネルギーを発電等に利用した場合、ワイヤー等の柔軟構造でも構成でき、大掛かりな装置を必要としないなどのメリットがあることから、多数の試みが報告されている。
【0009】
例えば特許文献1では、風等のエネルギーをワイヤーの振動に変換させ、これによってダイヤフラムの圧力を変えることにより発電するシステムが考案されている。又、特許文献2では、風等のエネルギーを板の振動に変え、これを圧電素子により、電気エネルギーに変換する装置が報告されている。特許文献3では、流体中の円柱体の後ろにできるカルマン渦を使ったギャロッピング等の不安定振動を利用した発電装置が提案されている。
【0010】

【特許文献1】Aeolian windmill US Patent4024409 (1975)
【特許文献2】特開2006-291842号公報
【特許文献3】特開2008-11669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のように、従来報告されている方式では、ワイヤーや板などの振動子に風等の外力が加わることによって発生するエネルギーを、それぞれ一つの振動子に一つのエネルギー変換器を結合させることによって発電等のエネルギー生成を可能としている。
【0012】
ところが一つの振動子が捉えることのできる自然エネルギーは小さく、一つでは大きなエネルギーを生成することはできない。よって大きなエネルギーを得るためには多数のエネルギー変換装置を取り付ける必要があり、更に生成した電力等のエネルギーを集める必要があるため、発電等のコストは大きくなるという問題がある。
【0013】
従って、広いエネルギーを如何に効率よく集め大きなエネルギーとするか、又このための装置の大型化に際し、如何に強度的問題を克服するかが重要な鍵となる。
【0014】
又、従来の技術は、風力、波力等の自然エネルギーや外力によって発生する振動エネルギーを電気エネルギーに変換するための数々の工夫を提示してきたが、これらはいずれも一つの振動子のエネルギーを一つのエネルギー変換器によって発電等に利用するシステムからなっていた。たとえ振動子が複数あっても、これらは一つの振動子を便宜上分けた存在でしかなかった。一つ当たりの振動エネルギーは小さいため、これらのシステムでは大きなエネルギーが得られず、エネルギー変換器の数も振動子の数だけ必要であり、コスト上の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の振動エネルギーの集中方法の第一の構成は、固有振動数が同一の複数の振動子と、1つ又は複数個の特定振動子の2種類の振動子がそれぞれバネを介して振動自在に棒に懸垂され、該棒がバネを介して壁に懸垂される構造としてよい。
また、第二の構成は、固有振動数が同一の複数の振動子と、固有振動数が同一の1つ又は複数個の特定振動子の2種類の振動子がワイヤーに並列に連結される構造としてよい。
また、本発明の前記振動子の固有周波数はf、前記特定振動子の固有周波数はf/2とし、前記振動自在な棒もしくはワイヤーとこれに並列につながる前記振動子と前記特定振動子の重心位置からなる錬成振動子の固有周波数は、pを自然数とした時に、f/2および(p+1/2)fとなるように設計されている。
本発明はこれら構成により、並列する振動子全体にかかる外力による振動エネルギーを前記特定振動子に局所的に集中させることができる振動エネルギーの集中方法である。

【0016】
又、請求項1に記載の方法において、局所的にエネルギーが集中する特定の振動子に、振動エネルギーを電気等のエネルギーへと変換する機能をもつエネルギー変換装置に接続することができる。
【0017】
即ち、本発明は、N個の同じ固有振動数fを持つ複数個の振動子を、一端を壁に固定された別の一つの振動子に並列に取り付けた錬成振動子からなる構造からなる。更に、この並列する振動子のうち1個、又は複数であるt個の振動子は、他の振動子(N-t個)とは振動過程で位相がずれるように工夫されている特定の振動子である。この特定振動子には、振動エネルギーを電力等の他のエネルギーに変換するエネルギー変換装置が付属することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、複数個の振動子に発生する振動エネルギーを、一つもしくは複数個の特定の振動子にエネルギーを集中させ、この特定の振動子のみにエネルギー変換器を取り付けることによって、並列する振動子全体の重心の持つ振動エネルギーを限られた数のエネルギー変換器により電気等の有用なエネルギーに変換することができる。これにより大きなエネルギーを、コストを押さえた状態でのエネルギー生成が可能となるものと期待される。
【0019】
又、本発明は、ワイヤー等の柔軟構造によっても作製が可能である。これにより、振動子の質量が押さえられ、大型化することが可能となることから、より大きな範囲での自然エネルギーを利用することが可能となるものと期待される。
【0020】
本発明は、量子アルゴリズムの一つであるGroverのアルゴリズムを同じ波動現象である振動に応用したものであり、全体に同時に入力された振動エネルギーを決められた局所的な振動エネルギーへと変換することを可能にする。そのため、このアルゴリズムが成り立つようにこれら振動子の固有周期や他のパラメータを設計することで、振動の時間発展に従って、並列するN個の振動子の重心の持つ振動エネルギーを、一定の周期の後、一つ又は複数個の特定振動子に集中させることができる。
【0021】
ここで振動エネルギーを集中させるために各振動子が従うべき設計パラメータの一つは、N個の並列する振動子の重心とこれらがつながる一つの振動子が作る錬成振動子の持つ二つの固有振動数のうち、低い固有振動数が、並列するN-t個の固有振動数の1/2倍とすることである。更にPを自然数とした場合、もう一方の高い固有振動を並列するN-t個の固有振動数の(P+1/2)倍とする。更に、t個の特定振動子の位相を半分ずらすために、当該特定振動子の固有周波数を並列するN-t個の固有振動数の(P+1/2)倍とすることにより、他の並列振動子と半波長分の位相のずれを生じさせることができる。
【0022】
又、本発明により、並列する振動子全体の重心の振動エネルギーを、一定の周期の後、定められた特定振動子に集中させることができる。これにより、全体に広がっていた自然エネルギーを少ないエネルギー変換器により、効率よく電気等の有用なエネルギーに変換することが可能となる。
【0023】
エネルギー変換器の効率は、摩擦等のエネルギー損失を差し引いたものであることから、一般に変換すべきエネルギーの大きさが大きいほど、エネルギー効率はより高くなり、本発明はこの点でも貢献が可能となる。
【0024】
更に振動の形でエネルギーの流れを作り、一カ所に集めることが可能となることから、それぞれの場所で作ったエネルギーを集める必要がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明を実施する最良の形態として、線形振動子によって構成される以下の二つの例を挙げる。まず一つは剛構造である棒や板を、バネを使って構成した錬成振動子による形態である。もう一つの例は、柔軟構造であるワイヤーによる振り子を使った形態である。どちらも組合わせて作成することが可能であり、前者はより小さな機器に取り付ける場合に有効であり、自動車などの人工な振動によって発生するエネルギーを利用するケースが考えられる。後者は送電線等の大きな鉄塔を利用した大掛かりな設備として有効であると考えられる。
【0026】
まずバネ振動子による例であるが、これは図1に表されるようなN個の単振動子が、並列に1個の単振動子につながっており、この一個の振動子は壁につながれている構造をとる。並列につながる振動子のうち、特定振動子の割合は全体の1/4以下である必要があり、tは1個以上であれば良い。
【0027】
ここで多数を占めるN-t個の振動子は、同じ振動数を持つ場合が最も効率が良く、バネ定数kのバネに質量mの重りを取り付けられたものである場合、固有振動数fは
【数1】
JP0005224243B2_000002t.gif
となる。一方、t個の特定振動子は、(p—1/2)f付近の振動数を持つように設計するのが好ましく、特にf/2の周波数である場合が最も効率が良い。よってここでは例として重りの質量を4mとし、バネ定数は同じに取る。ここでpは自然数である。
【0028】
一方、並列な振動子が連なる一つの振動子は、質量Mの重りとバネ定数kのバネからなり、並列につながる振動子の重心とこの根元にある振動子からなる錬成振動子の固有周波数が、f/2および(1/2+p)fからなるようにMおよびKを定める必要がある。よってM、Kは以下の式に従うように設計を行う。
【数2】
JP0005224243B2_000003t.gif

【0029】
又、並列に連なる振動子の数Nは、振動の過程で特定振動子にエネルギーが集中するまでのサイクル数Cを変化させることから、外力以外に各振動子の運動をバラバラに乱す外乱の程度によって、適切な数を調整する必要がある。一般にNが大きい場合、
【数3】
JP0005224243B2_000004t.gif
となることから、外乱が大きい場合は、Nの数を減らすと良い。
【0030】
又、本発明による錬成振動子は、いったん全体の振動エネルギーが特定振動子に集まった後、時間の経過と共にまた全体に戻って行く周期的な現象を示すため、特定振動子に集まった際に十分に振動エネルギーを電気等の他のエネルギーに変換して取り出しておく必要がある。
【0031】
適切にエネルギーの取り出しを行うことにより、外力によるエネルギー注入が、エネルギー変換によるエネルギーの取り出しとバランスし、リミットサイクルによる平衡状態を保つことができる。
【0032】
自然エネルギー等、外力が変動する場合は、これに比例させてエネルギーの取り出しの適切な量を変化させて、最適運転を行う方が効率が良い。
【0033】
次に、もう一つの例である、振り子によって振動子を作成した場合について述べる。この場合、バネ振動子と同様な指針でこれらの作成を行う。軽いワイヤーでN個の振動子をつないだ場合、当該ワイヤーは図1の場合における質量Mの重りに相当する。この場合、質量Mに大きな値は期待できない。これはpを大きな数にし、pを無限大にした場合、Mは0となり、ワイヤーの質量が無視できた場合に相当する。このときワイヤーのバネ定数KはNk/3に近づくことから、この条件に合うように根元のワイヤーの固有振動数を調整する必要がある。
【実施例】
【0034】
本発明である複数の振動子にでかかる振動エネルギーを局所的に集中させる方法に関する実施例を以下に記す。ここでは実際に多数の振動子を作成し、性能を測定するのは困難であるため、256個の線形バネを並列につないだ図1に示すモデルに対して、様々な外力を加えた場合のシミュレーションを実施した。ここでの上記各パラメータは、p=1、特定振動子の振動数fは他の並列振動子の1/2倍、特定振動子の数t=1とした。またこの際、外力は並列振動子には与えたものの、並列振動子を結ぶ根元の振動子には加えなかった。
【0035】
図2は、外力やエネルギー変換がない状態での、錬成振動子の振動の振幅の時間発展を示したものである。外力やエネルギー変換による減衰がない、エネルギー保存状態での振動の時間発展は初期状態に大きく依存するため、ここでは初期状態として256個の並列振動子が釣り合い位置から等速で動いた場合について解析を行った。
【0036】
図2からも分かるように255個の並列振動子の振幅は、振動の経過と共に小さくなり、1個の特定振動子へとエネルギーが移って行く様子が確認できる。また一度特定振動子に振動エネルギーが集まった後、再び全体に振動エネルギーが分散している様子が伺える。
【0037】
このようなエネルギー保存状態でのこれら錬成振動子の時間発展がGroverアルゴリズムに従うことはA. D. Patelによる解析(A. D. Patel, International
Journal of Quantum Information, 4, 815-825 (2006))からも明らかであり、アルゴリズムの結果として、特定振動子にエネルギーの集中が見られたことが理解できる。
【0038】
次にランダムな間隔でランダムな外力が256個の並列振動子に同時に与えられた場合のシミュレーション結果を図3に示す。特に特定振動子に速度に比例する減衰を加え、エネルギー変換器によるエネルギーの取り出しを模擬した。またこの場合においては、十分な時間が経過した後での振動の様子は初期状態には影響されなかった。
【0039】
図3からも分かるように、1個の特定振動子の振幅は、周期が多少乱れるものの、255個の並列振動子の振幅よりも大きく現われ、前者の振動エネルギーが後者に移って行く様子が確認できた。このようにランダムでも同時に外力を加える場合には、振動子全体に与えたエネルギーが特定振動子に流れ込んでいる様子が確認できた。
【0040】
256個の並列振動子に与える外力のタイミングや力の大きさを若干ずらした場合についてもシミュレーションを行ったが、ずれが小さい場合についても、同様なエネルギー流れが確認できた。
【0041】
一方、256個の並列振動子の各々に、異なるタイミングで、異なる方向と大きさの外力を加えた場合についての結果を図4に示す。ここでは上記と同様に特定振動子のみにエネルギー変換を行った。
【0042】
その結果、特定振動子の振幅は、他の振動子とは変化がなく、特に一つの振動子に全体のエネルギーが流れ込んでいる様子は観察されなかった。つまり本発明の錬成振動子は、同時に全体に加わる外力のエネルギーに対して、エネルギーを集める効果があることを示唆するものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明である複数の振動子にかかる振動エネルギーを局所的に集中させる方法の産業上の利用可能性を以下に述べる。
【0044】
本発明における振動子は、振動エネルギーを利用するため、風車等に比べて、外部エネルギーの吸収量が小さく、同じ範囲での発電量も高いものは期待できない。
【0045】
しかしながら、自然エネルギーや従来捨てられてきた人工的な振動エネルギーが、本発明により、既存の送電線等の鉄塔や電柱を再利用して安価に広範囲なエネルギーを採取可能であることを考えると、いままでの風力発電にはないメリットが存在することも想像に難くない。
【0046】
例えば、図5に示すように、高圧送電線の鉄塔間の送電線とは重ならない部分に送ケーブルを渡し、ここに風を受けるように板等を取り付けた振り子からなる振動子を多数配置した場合、これらの振動子は数百メートルにもおよび、かつ1メートル間隔でも数百個の振動子を並べることができる。この場合でも、一つのケーブルに設置する発電機は一つでよく、柔軟構造体で作成することができることから、コストは抑えられることが予想される。
【0047】
また既存の鉄塔等を利用することで、既に張り巡らされている電力設備のインフラを生かすことができ、風車のように1基当たり数億円もする設備を導入することなく、全国に風力発電設備を導入することが可能となる。また取り出した電力を運ぶ意味でも本発明は有効である。
【0048】
又、本発明における方法では、主として並列につながった多数の振動子の間でエネルギーの移動が行われ、全体のエネルギーは順次、変換され吸収されていくことから、根元の振動子へのエネルギーの伝達は極力押さえられ、全体を支えるワイヤーの異常振動等は抑えやすいものと期待される。
【0049】
もちろん、全体を支えるワイヤーに発電機等のエネルギー変換設備を取り付けることも可能であり、こうした応用も、エネルギー変換効率を上げるうえで重要になるものと考えられる。
【0050】
また一般に、風力や波力など空間的に広がる流体エネルギーは、例え数百メートル離れていても、一所に流れる方位や強さは、別の所でもほとんど変わることは無い。よって、自然エネルギーの代表である風力や波力が生み出す外力は、必然的に同時に並列するすべての振動子に同じ方向に同じ力を及ぼすことになり、本発明の条件は、これら自然エネルギーの特徴をうまく生かしたものであることが分かる。
【0051】
また力の大きさや方向やタイミングが僅かにずれた場合でも、同様の効果が現れるが、これは、並列する複数の振動子全体に同時に掛かる外力が、これらの振動子全体の重心の持つ位置や速度のエネルギーを増加させる効果を持つためであり、この許容性は実用の技術として重要である。
【0052】
このように本発明は、今までにない概念の風力発電設備等に利用可能であり、様々な形で産業へ応用することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】バネ振動子からなる剛構造の錬成振動装置を示した図である。
【図2】外力や減衰を与えない場合のバネ振動子における並列振動子及び特定振動子の変位の時間発展を示した図である。
【図3】時間的にランダムに変動する外力を全振動子に同時に与え、特定振動子に減衰を加えた場合のバネ振動子における並列振動子及び特定振動子の変位の時間発展を示した図である。
【図4】時間的にランダムに変動する外力を各振動子に任意に与え、特定振動子に減衰を加えた場合におけるバネ振動子の並列振動子及び特定振動子の変位の時間発展を示した図である。
【図5】鉄塔間に張ったワイヤーに振り子からなる並列振動子を並べることによって構成した柔軟構造の錬成振動装置を示した図である。
【符号の説明】
【0054】
1 バネ定数K/2のバネ2本
2 固定壁
3 質量Mの重り
4 バネ定数kのバネN本
5 N個の質量mの重り
6 質量4mの重り
7 鉄塔
8 風を受ける板
9 並列振動子である振り子
10 ワイヤーロープ
11 特定振動子である振り子
12 発電装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4