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明細書 :ヌクレオシド類似体またはその塩

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4887500号 (P4887500)
登録日 平成23年12月22日(2011.12.22)
発行日 平成24年2月29日(2012.2.29)
発明の名称または考案の名称 ヌクレオシド類似体またはその塩
国際特許分類 C07H  21/04        (2006.01)
C07D 473/34        (2006.01)
C07D 473/18        (2006.01)
C07D 239/54        (2006.01)
C07D 239/553       (2006.01)
C07D 239/47        (2006.01)
A61K  31/505       (2006.01)
A61K  31/52        (2006.01)
A61K  31/522       (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
C07F   9/6524      (2006.01)
C12Q   1/68        (2006.01)
C07D 473/40        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
FI C07H 21/04 CSPA
C07D 473/34 321
C07D 473/18 ZNA
C07D 239/54 Z
C07D 239/54 C
C07D 239/47 Z
A61K 31/505
A61K 31/52
A61K 31/522
A61P 43/00 105
C07F 9/6524
C12Q 1/68 A
C07D 473/40
C12N 15/00 A
請求項の数または発明の数 13
全頁数 41
出願番号 特願2006-535227 (P2006-535227)
出願日 平成17年9月16日(2005.9.16)
国際出願番号 PCT/JP2005/017168
国際公開番号 WO2006/030906
国際公開日 平成18年3月23日(2006.3.23)
優先権出願番号 2004270103
優先日 平成16年9月16日(2004.9.16)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成20年7月28日(2008.7.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304019399
【氏名又は名称】国立大学法人岐阜大学
発明者または考案者 【氏名】北出 幸夫
【氏名】上野 義仁
個別代理人の代理人 【識別番号】110000040、【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
審査官 【審査官】伊藤 幸司
参考文献・文献 国際公開第95/022330(WO,A1)
J. CHEM. SOC. PERKIN TRANS. I,1988年, (10),,pp.2767-2775
調査した分野 C07H
A61K
C07D
C07F
C12Q
C12N
CAPLUS/REGISTRY(STN)
JSTPlus(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩。
【化1】
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前記式(I)中、R1は、下記式(1)の基、下記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(2)の基、下記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(3)の基、下記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(4)の基、下記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(5)の基、下記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(6)の基、下記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(7)の基、下記式(7)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(8)の基、および下記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、
2は、Hまたは保護基であり、
3は、Hまたは保護基であり、
4は、Hまたは固相合成用活性化リン酸基であり、
kは、1であり、
l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【化2】
JP0004887500B2_000032t.gif

【請求項2】
2が、H、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、4-モノメトキシトリチル(MMTr)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)または(9-フェニル)キサンテン-9-イルであり、
3が、H、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、4-モノメトキシトリチル(MMTr)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)または(9-フェニル)キサンテン-9-イルであり、
4が、Hまたは下記式(10)で表される基である請求項1に記載のヌクレオシド類似体またはその塩。
【化3】
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【請求項3】
前記式(I)において、R1が、前記式(1)の基、前記式(2)の基、前記式(3)の基、前記式(4)の基、前記式(5)の基、前記式(6)の基、前記式(7)の基および前記式(8)の基からなる群から選択されるいずれかの基であり、k、l、mおよびnが、1である請求項1に記載のヌクレオシド類似体またはその塩。
【請求項4】
1が前記式(1)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
1が前記式(2)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
1が前記式(3)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
1が前記式(4)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
1が前記式(5)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
1が前記式(6)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
1が前記式(7)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、および
1が前記式(7)の基において、その官能基がベンゾイルで保護された基であり、R2が4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)であり、R3が、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)であり、R4が、下記式(10)で表される基である前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体からなる群から選択される請求項1に記載のヌクレオシド類似体。
【化4】
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【請求項5】
オリゴヌクレオチドを構成する1以上のヌクレオシドが、ヌクレオシド類似体でそれぞれ置き換えられているオリゴヌクレオチド類似体であって、
前記ヌクレオシド類似体が、前記式(I)中、R1が、前記式(1)の基、前記式(2)の基、前記式(3)の基、前記式(4)の基、前記式(5)の基、前記式(6)の基、前記式(7)の基および前記式(8)の基からなる群から選択されるいずれかの基であり、R2、R3およびR4がHである請求項1に記載のヌクレオシド類似体であるオリゴヌクレオチド類似体。
【請求項6】
前記オリゴヌクレオチド類似体が、一本鎖オリゴヌクレオチドである請求項5に記載のオリゴヌクレオチド類似体。
【請求項7】
前記オリゴヌクレオチド類似体が、二本鎖形成能を有する請求項5に記載のオリゴヌクレオチド類似体。
【請求項8】
前記オリゴヌクレオチド類似体が、ヌクレアーゼ耐性である請求項5に記載のオリゴヌクレオチド類似体。
【請求項9】
オリゴヌクレオチドを含む遺伝子発現抑制剤であって、前記オリゴヌクレオチドが、請求項5に記載のオリゴヌクレオチド類似体である遺伝子発現抑制剤。
【請求項10】
遺伝子発現に伴う疾患を治療するための医薬組成物であって、
前記医薬組成物が、請求項9に記載の遺伝子発現抑制剤を含む医薬組成物。
【請求項11】
請求項5に記載のオリゴヌクレオチド類似体を含む検査キットであって、
前記オリゴヌクレオチド類似体が、検体中の遺伝子とハイブリッド形成することにより、前記遺伝子が検査されるキット。
【請求項12】
前記式(I)中、R1が、前記式(1)の基、前記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(2)の基、前記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(3)の基、前記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(4)の基、前記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(6)の基、前記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(7)の基、前記式(7)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(8)の基、および前記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、R2、R3およびR4がHであり、下記式(II)で表される請求項1に記載のヌクレオシド類似体またはその塩の製造方法であって、
【化5】
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下記式(VII)で表される化合物と、下記式(VIII)で表される化合物とを反応させ、下記式(IX)で表される化合物を得、
【化6】
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前記式(IX)で表される化合物と、下記式(X)で表される化合物とを、塩基存在下に縮合させ、下記式(XI)で表される化合物を得、
【化7】
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前記式(XI)で表される化合物の、R11、R12およびR13を除去することにより、式(II)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩を得る製造方法。
前記式中、R5は、下記式(1)の基、下記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(2)の基、下記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(3)の基、下記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(4)の基、下記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(6)の基、下記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(7)の基、下記式(7)の基、下記式(8)の基、および下記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、
【化8】
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11は、保護基であり、
12およびR13は、一緒になって、式-CR1516-で表される基であり、
前記R15およびR16は、互いに独立して、水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシル基からなる群から選択されるいずれかであり、
14は、式-SO2-R17で表される基であり、
前記R17は、低級アルキルで置換されていてもよいアリール基であり、
2は、互いに独立して、ハロゲン原子であり、
kは、1であり、
l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【請求項13】
前記式(I)中、R1が、前記式(5)の基であり、R2、R3およびR4がHであり、下記式(III)で表される請求項1に記載のヌクレオシド類似体またはその塩の製造方法であって、
【化9】
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前記式(XIII)で表される化合物の、R11、R12およびR13を除去すること、および加水分解により、式(III)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩を得る製造方法。
前記式中、R11は、保護基であり、
12およびR13は、一緒になって、式-CR1516-で表される基であり、
前記R15およびR16は、互いに独立して、水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシル基からなる群から選択されるいずれかであり、
3は、ハロゲン原子であり、
kは、1であり、
l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ヌクレオシド類似体またはその塩に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、遺伝情報そのものを治療の対象としてとらえるという方法論が普及しつつある。この方法論の一つに、オリゴヌクレオチドを用いたアンチセンス法がある。アンチセンス法とは、化学合成したオリゴヌクレオチド類似体(例えば、15~20の塩基対から成る一本鎖DNA)を細胞に加え、標的メッセンジャーRNA(mRNA)とDNA等/mRNA二本鎖核酸を形成させることにより、標的遺伝子の発現を塩基配列特異的に抑制し、mRNAからタンパク質への翻訳過程を阻害する方法である。アンチセンス法では、病因となるウイルスまたは遺伝子の塩基配列が既知の場合、アンチセンス分子を理論的に設計し、それを合成するのが可能であることから、これまで治癒が困難と考えられてきた様々なウイルスを原因とする疾患および遺伝子疾患に対する有効な治療方法の一つとして期待されている。
【0003】
また、ごく最近、オリゴヌクレオチドを用いた遺伝子発現抑制法として、RNAi(RNA inteference、RNA干渉)を利用した方法に、注目が集まっている。このRNAiとは、二本鎖RNAを細胞に導入することにより、同じ塩基配列を有する細胞の染色体由来のRNAが分解され、切断される現象を指す。このRNAiの機構は、現在のところ、次のように考えられている。先ず、長鎖二本鎖RNAが、酵素(Dicerと呼ばれる)により3’-UU型のダングリングエンド構造を持つ21塩基程度の長さの二本鎖RNA(siRNA(short interfering RNA)と呼ばれる)に加水分解される。そのsiRNAが、標的mRNAとRNA/mRNA二本鎖核酸を形成し、この二本鎖核酸を認識する細胞内タンパク質(RISC(RNA-induced Silencing Complex)と呼ばれる)と、この二本鎖核酸とが結合し、この結合体により、標的mRNAが切断されるというものである。このRNAiを利用する方法によると、多くの場合、アンチセンス法と比較して1/100程度の濃度のRNAを用いて同等の効果が得られている。従って、RNAiを利用する方法も、これまで治癒が困難と考えられてきた様々なウイルスを原因とする疾患および遺伝子疾患に対する有効な治療方法の一つとして期待が高まっている。
【0004】
アンチセンス法、RNAiを利用する方法等に用いるのには、天然型オリゴヌクレオチドに含まれるリボース環を含むオリゴヌクレオチド類似体は、化学的、生物学的に非常に不安定であるという問題があった(例えば、非特許文献1参照)。一方、アンチセンス法、RNAiを利用する方法等で用いられるためには、天然型オリゴヌクレオチドとの二本鎖形成能力も要求されるが、化学的、生物学的に安定なオリゴヌクレオチド類似体は、通常、この二本鎖形成能力が低いという問題があった(例えば、非特許文献2参照)。このように、化学的、生物学的に安定という特性と、優れた二本鎖形成能力という特性は、両立するのが困難であるという問題があった。しかし、DNAチップ、遺伝子診断薬等にオリゴヌクレオチド類似体を用いる場合、安定した診断結果を得るためにも、これらの特性が優れたオリゴヌクレオチド類似体の提供が望まれていた。

【非特許文献1】Eugen Uhlmann and Anusch Peyman,″Antisense oligonucleotides:a new therapeutic principle″,Chemical Reviews,1990年、第90巻、p.543.
【非特許文献2】Jin yan Tang,Jamal Temsamani and Sudhir Agrawal,″Self-stabilized antisense oligonucleotide phosphorothioates:properties and anti-HIV activity″,Nucleic Acids Research,1993年、第21巻、p.2729.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、化学的、生物的安定性および二本鎖形成能の2つの特性が優れたオリゴヌクレオチド類似体を製造可能にするヌクレオシド類似体およびそのヌクレオシド類似体を含むオリゴヌクレオチド類似体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記式(I)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩である。
【0007】
【化10】
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【0008】
前記式(I)中、Rは、下記式(1)の基、下記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(2)の基、下記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(3)の基、下記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(4)の基、下記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(5)の基、下記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(6)の基、下記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(7)の基、下記式(7)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(8)の基、および下記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、
は、Hまたは保護基であり、
は、Hまたは保護基であり、
は、Hまたは固相合成用活性化リン酸基であり、
k、l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【0009】
【化11】
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【発明の効果】
【0010】
本発明は、従来にはない新規な化学構造を設計し、かつその化学構造を有するヌクレオシド類似体の製造に成功したことに基づき、完成したものである。本発明は、このヌクレオシド類似体により、ヌクレアーゼ耐性および二本鎖形成能の2つの特性が優れたオリゴヌクレオチド類似体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明のオリゴヌクレオチド類似体の一例と、比較例のオリゴヌクレオチドの一例のヌクレアーゼ耐性を示す図である。Lane 1:天然型0 min,Lane 2:天然型5 min,Lane 3:天然型10 min,Lane 4:天然型15 min,Lane 5:天然型30 min,Lane 6:修飾型0 min,Lane 7:修飾型5 min,Lane 8:修飾型10 min,Lane 9:修飾型15 min,Lane 10:修飾型30 min。

【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明において、「オリゴヌクレオチド」は、例えばヌクレオシドサブユニットのポリマーをいい、そのサブユニット数は特に限定されないが、例えば、3から100個である。中でも、本発明のヌクレオチド類似体がDNAである場合には、それらのサブユニット数は、3~100個が好ましく、3~30個がより好ましく、RNAである場合には、3~50個が好ましく、3~30個がより好ましい。なお、本発明における「オリゴヌクレオチド類似体」は、ヌクレオシドが、本発明のヌクレオシド類似体で置き換えられていること以外は、特に限定されない。例えば、本発明のヌクレオシド類似体以外のヌクレオシドについては、糖部および塩基部分は、当業者に公知な類似体であってもよい。
【0013】
本発明において、Rについて、官能基が保護されている保護基とは、核酸化学において公知な保護基から選択される。例えば、ベンゾイル(Bz)、イソブチリル(iBu)、フェノキシアセチル(Pac)、アリルオキシカルボニル(AOC)、N,N-ジメチルアミノメチレン、アセチル(Ac)等が、その保護基として用いられうる。
【0014】
本発明において、RおよびRについて前記保護基とは、従来公知の1級アルコールの保護基を用いることができる。そのような保護基としては、例えば、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、4-モノメトキシトリチル(MMTr)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、(9-フェニル)キサンテン-9-イル[ピキシル(pixyl)]等が、挙げられる。
【0015】
本発明において、前記R、RおよびRについて前記保護基とは、本発明のヌクレオシド類似体を用いて、最終的にオリゴヌクレオチド類似体を製造するための条件を考慮して、適宜選択することができる。例えば、前記オリゴヌクレオチド類似体を製造する際、最終的な保護基の除去の条件に応じて、R、RおよびRを、適宜、選択したヌクレオシド類似体を用いてもよい。
【0016】
本発明において、Rについて、前記固相合成用活性化リン酸基としては、固相合成において従来公知のリン酸基を用いることができ、例えば、ホスホロアミダイト、ホスホナート、チオホスファイト等を形成するリン酸基が挙げられる。ホスホロアミダイトを形成する、固相合成用活性化リン酸基としては、例えば、下記式(10)で表される基が挙げられる。
【0017】
【化12】
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【0018】
本発明において、その塩とは、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩等などが挙げられる。無機塩基との塩の例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。本発明において、その塩とは、薬理学的に許容される塩が好ましい。
【0019】
本発明において、k、l、mおよびnは、互いに独立して1~10の整数であり、好ましくは1~6の整数である。k、l、mおよびnは、同一または異なっていてもよい。
【0020】
本発明の式(I)で表わされるヌクレオシド類似体またはその塩は、Rが、H、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、4-モノメトキシトリチル(MMTr)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)または(9-フェニル)キサンテン-9-イルであり、
が、H、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、4-モノメトキシトリチル(MMTr)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)または(9-フェニル)キサンテン-9-イルであり、
が、Hまたは下記式(10)で表される基であるのが好ましい。
【0021】
【化13】
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【0022】
また、本発明の式(I)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩は、前記式(I)において、Rが、前記式(1)の基、前記式(2)の基、前記式(3)の基、前記式(4)の基、前記式(5)の基、前記式(6)の基、前記式(7)の基および前記式(8)の基からなる群から選択されるいずれかの基であり、k、l、mおよびnが、1であるのが好ましい。
【0023】
また、本発明の式(I)で表わされるヌクレオシド類似体またはその塩は、
が前記式(1)の基であり、R、RおよびRがHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
が前記式(2)の基であり、R、RおよびRがHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
が前記式(3)の基であり、R、RおよびRがHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
が前記式(4)の基であり、R、RおよびRがHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
が前記式(5)の基であり、R、RおよびRがHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
が前記式(6)の基であり、R、RおよびRがHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
が前記式(7)の基であり、R、RおよびRがHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、または
が前記式(7)の基において、その官能基がベンゾイルで保護された基であり、Rが4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)であり、Rが、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)であり、Rが、下記式(10)で表される基である前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体が、より好ましい。
【化14】
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【0024】
なお、本発明のヌクレオシド類似体またはその塩は、本発明のオリゴヌクレオチド類似体の製造用に限定されず、他の用途にも適用可能である。
【0025】
本発明のオリゴヌクレオチド類似体は、オリゴヌクレオチドを構成する1以上のヌクレオシドが、ヌクレオシド類似体でそれぞれ置き換えられているオリゴヌクレオチド類似体であって、前記ヌクレオシド類似体が、前記式(I)中、Rが、前記式(1)の基、前記式(2)の基、前記式(3)の基、前記式(4)の基、前記式(5)の基、前記式(6)の基、前記式(7)の基および前記式(8)の基からなる群から選択されるいずれかの基であり、R、RおよびRがHである本発明のヌクレオシド類似体である。例えば、オリゴヌクレオチドを構成するヌクレオシドの全てが、前記ヌクレオシド類似体で置き換えられているオリゴヌクレオチド類似体は、以下の式で表される。
【0026】
【化15】
JP0004887500B2_000007t.gif

【0027】
前記式中、R51およびR52は、互いに独立して、前記式(1)の基、前記式(2)の基、前記式(3)の基、前記式(4)の基、前記式(5)の基、前記式(6)の基、前記式(7)の基および前記式(8)の基からなる群から選択されるいずれかの基であり、k1、k2、l1、l2、m1、m2、n1およびn2は、互いに独立して、1~10の整数である。
【0028】
本発明のオリゴヌクレオチド類似体は、一本鎖オリゴヌクレオチド、二本鎖オリゴヌクレオチド等であってもよい。オリゴヌクレオチド類似体が、二本鎖である場合、前記二本鎖オリゴヌクレオチドの一方または両方の一本鎖オリゴヌクレオチドを構成する1以上のヌクレオシドが、前記式(I)中、Rが、前記式(1)の基、前記式(2)の基、前記式(3)の基、前記式(4)の基、前記式(5)の基、前記式(6)の基、前記式(7)の基および前記式(8)の基からなる群から選択されるいずれかの基でああり、R、RおよびRがHであるヌクレオシド類似体であってもよい。
【0029】
オリゴヌクレオチド類似体が一本鎖である場合、本発明のオリゴヌクレオチド類似体は、二本鎖形成能を有するのが好ましい。本発明のオリゴヌクレオチド類似体が、天然型オリゴヌクレオチドと二本鎖形成能を有すれば、アンチセンス、遺伝子検出等のため用いることができるからである。
【0030】
本発明のオリゴヌクレオチド類似体は、ヌクレアーゼ耐性であるのが好ましい。本発明のオリゴヌクレオチド類似体が、細胞内に取り込まれた際、ヌクレアーゼで分解されるのを防ぐことができ、その結果、オリゴヌクレオチド類似体の細胞内での活性を、持続させることが可能だからである。
【0031】
本発明の遺伝子発現抑制剤は、本発明のオリゴヌクレオチド類似体を含む。このような遺伝子発現抑制剤は、オリゴヌクレオチド類似体が、例えば、siRNAやアンチセンスとして作用し、標的遺伝子のmRNAを切断したり、標的遺伝子のmRNAと二本鎖を形成等して、その結果、遺伝子発現を抑制することができる。
【0032】
本発明の医薬組成物は、遺伝子発現に伴う疾患を治療するためであり、前記遺伝子発現抑制剤を含むものである。遺伝子発現に伴う疾患、例えば、あるタンパク質が発現されることにより疾患が引き起こされる場合、この医薬組成物により、その遺伝子発現を抑制し、その遺伝子発現に伴う疾患を治療するのに用いることが可能である。
【0033】
本発明の検査キットは、本発明のオリゴヌクレオチド類似体を含み、前記オリゴヌクレオチド類似体が、検体中の遺伝子とハイブリッド形成することにより、前記遺伝子が検査されるキットである。このようなキットとしては、例えば、DNAチップ、DNAマイクロアレイ等が挙げられる。このキットには、本発明のオリゴヌクレオチド類似体の他に、ウエルとオリゴヌクレオチド類似体等とが固定されたプレート、ファイバー、バイオチップ等の固定化担体等が挙げられる。このようなキットには、前記オリゴヌクレオチド類似体等のほかに、例えば、薬物、反応して発色する発色試薬、検出を容易にする検出試薬等を含んでもよい。
【0034】
DNAチップとしては、一般に、ガラス基板上に既知遺伝子配列を用いた本発明のオリゴヌクレオチド類似体を含む溶液をスポットして固定化したものや、ガラス基板上で本発明のオリゴヌクレオチド類似体を合成することによって固定化したもの等がある。前記DNAチップは、例えば、検体中の遺伝子を、前記オリゴヌクレオチド類似体を固定化した分析部にアプライし、前記遺伝子と基板上のオリゴヌクレオチド類似体とのハイブリッド形成を、例えば、蛍光色素等により検出することによって、目的遺伝子の発現の有無を検出できる。このようなDNAチップによれば、例えば、少量の試料でも有効に分析が可能であり、また、多種のDNAプローブを一つの基板に固定化できるため、一つのDNAチップにおいて同一検体につき、多項目の分析を行うことができる。
【0035】
本発明の遺伝子発現抑制方法は、オリゴヌクレオチド類似体を用いて、遺伝子の発現を抑制する方法である。この方法では、オリゴヌクレオチド類似体が、例えば、siRNAやアンチセンスとして作用し、標的遺伝子のmRNAを切断したり、標的遺伝子のmRNAと二本鎖を形成等して、その結果、遺伝子発現を抑制することができる。
【0036】
次に、本発明のヌクレオシド類似体を製造するための製造方法について、例を挙げて説明する。このような製造方法により、従来にはない化学構造を有する、本発明のヌクレオシド類似体の製造が可能になった。
【0037】
まず、前記式(I)中、Rが、前記式(1)の基、前記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(2)の基、前記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(3)の基、前記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(4)の基、前記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(6)の基、前記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(7)の基、前記式(7)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(8)の基、および前記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、R、RおよびRがHであり、下記式(II)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩の製造方法の一例を説明する。
【0038】
【化16】
JP0004887500B2_000008t.gif

【0039】
前記式(II)中、Rは、前記式(1)の基、前記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(2)の基、前記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(3)の基、前記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(4)の基、前記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(6)の基、前記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(7)の基、前記式(7)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(8)の基、および前記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、k、l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【0040】
【化17】
JP0004887500B2_000009t.gif

【0041】
その製造方法を、例えば、以下のスキーム1に示す。その製造方法によれば、例えば、下記式(VII)で表される化合物と、下記式(VIII)で表される化合物とを反応させ、下記式(IX)で表される化合物を得、
前記式(IX)で表される化合物と、下記式(X)で表される化合物とを、塩基存在下に縮合させ、下記式(XI)で表される化合物を得、
前記式(XI)で表される化合物の、R11、R12およびR13を除去することにより、式(II)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩を得ることができる。
【0042】
【化18】
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【0043】
前記式中、Rは、下記式(1)の基、下記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(2)の基、下記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(3)の基、下記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(4)の基、下記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(6)の基、下記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(7)の基、下記式(7)の基、下記式(8)の基、および下記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、
【0044】
【化19】
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【0045】
11は、保護基であり、
12およびR13は、一緒になって、式-CR1516-で表される基であり、
前記R15およびR16は、互いに独立して、水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシル基からなる群から選択されるいずれかであり、
14は、式-SO-R17で表される基であり、
前記R17は、低級アルキルで置換されていてもよいアリール基であり、
は、ハロゲン原子であり、
k、l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【0046】
本発明において、R11について前記保護基とは、従来公知の1級アルコールの保護基を用いることができる。そのような保護基としては、例えば、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、4-モノメトキシトリチル(MMTr)、(9-フェニル)キサンテン-9-イル[ピキシル(pixyl)]、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)等が、挙げられる。
【0047】
また、本発明において、Rについて、官能基が保護されている保護基とは、核酸化学において公知な保護基から選択される。例えば、ベンゾイル(Bz)、イソブチリル(iBu)、フェノキシアセチル(Pac)、アリルオキシカルボニル(AOC)、N,N-ジメチルアミノメチレン、アセチル(Ac)等が、その保護基として用いられうる。
【0048】
本発明において、R15およびR16について前記低級アルキル基とは、直鎖状または分岐状のアルキル基であり、例えば1~6の炭素原子を含むものである。前記低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル2-エチルブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、n-ヘキシル等が挙げられる。
【0049】
本発明において、R15およびR16について前記低級アルコキシル基とは、直鎖状または分岐状のアルコキシル基であり、例えば1~6の炭素原子を含むものである。前記低級アルコキシル基の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n-ブチル2-エチルブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert-ブチルオキシ、ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ等が挙げられる。
【0050】
本発明において、式-CR1516-で表される基としては、例えば、-C(CH-、-CH(OCH)-等が挙げられる。
【0051】
本発明において、R17について前記アリール基とは、芳香族炭化水素残基であり、例えば、6~30の炭素原子を含むものである。前記アリール基の例としては、単環式アリール基、例えば、フェニル等および、縮合多環式アリール基、例えば、ナフチル、インデニル、フルオレニル等が挙げられる。
【0052】
本発明において、R17について、低級アルキルで置換されていてもよいアリール基としては、例えば、前記低級アルキルの1~5で置換されているアリール基が挙げられる。その具体例としては、例えば、p-メチルフェニル、p-メトキシフェニル等である。
【0053】
本発明において、Xについて、前記ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等である。
【0054】
前記スキーム1において、まず、前記式(VII)で表される化合物と、前記式(VIII)で表される化合物とを、任意に塩基(例えば、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、DABCO等)存在下に反応させ、前記式(IX)で表される化合物を得ることができる。なお、前記式(VIII)で表される化合物は、公知文献を参考に自家製造してもよいし、市販で入手してもよい。
【0055】
次に、前記式(IX)で表される化合物と、前記式(X)で表される化合物とを、塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸ルビジウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等)および任意にクラウンエーテル(18-クラウン-6-エーテル、21-クラウン-7-エーテル、15-クラウン-5-エーテル、12-クラウン-4-エーテル等)存在下に縮合させ、下記式(XI)で表される化合物を得ることができる。なお、前記式(X)で表される化合物は、公知文献を参考に自家製造してもよいし、市販で入手してもよい。
【0056】
最後に、前記式(XI)で表される化合物の、R11、R12およびR13を除去することにより、式(II)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩を得ることができる。前記式(XI)で表される化合物の、R11、R12およびR13を除去するには、R11、R12およびR13それぞれの基に応じて、公知の除去方法を選択することができる。例えば、R11がtert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)等のシリル基である場合、トリブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)、塩化アンモニウム等で処理することにより、R11を除去することが可能である。また、例えば、R12およびR13が、一緒になって、式-C(CH-で表される基である場合、酸(例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸、酢酸等)で処理することにより、R12およびR13を同時に除去することが可能である。
【0057】
前記式(VII)で表される化合物は、例えば、以下のスキーム2に示すようにして製造してもよい。
【0058】
【化20】
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【0059】
前記式中、R11は、保護基であり、
12およびR13は、一緒になって、式-CR1516-で表される基であり、
前記R15およびR16は、互いに独立して、水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシル基からなる群から選択されるいずれかであり、
は、ハロゲン原子であり、
k、l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【0060】
本発明において、Xについて、前記ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等である。
【0061】
前記スキーム2において、例えば、前記式(IV)で表される化合物と、前記式(V)で表される化合物とを、任意に塩基(例えば、イミダゾール、DABCO(1,4-Diazabicyclo[2.2.2]octane)、トリエチルアミン等)存在下に反応させ、前記式(VI)で表される化合物を得ることができる。なお、前記式(IV)で表される化合物および前記式(V)で表される化合物は、公知文献を参考に自家製造してもよいし、市販で入手してもよい。
【0062】
次に、前記式(VI)で表される化合物の3つの水酸基のうち2つを、R12およびR13で保護して、前記式(VII)で表される化合物を得ることができる。R12およびR13で保護する方法としては、保護基であるR12およびR13の種類に応じて公知の保護方法を選択することができる。例えば、R12およびR13が、一緒になって、式-C(CH-で表される基である場合、前記式(VI)で表される化合物を、アセトン、酸触媒(例えば、パラトルエン安息香酸等)存在下に加熱することにより、前記式(VII)中、R12およびR13が、一緒になって、式-C(CH-で表される基である化合物を得ることができる。
【0063】
また、前記式(VII)中、kが2であり、l、mおよびnが1である式(VII-2)で表される化合物は、例えば、以下のスキーム3に示すようにして製造してもよい。
【0064】
【化21】
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【0065】
前記式中、R11は、保護基であり、
12およびR13は、一緒になって、式-CR1516-で表される基であり、
前記R15およびR16は、互いに独立して、水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシル基からなる群から選択されるいずれかであり、
Rは、低級アルキル基である。
【0066】
本発明において、Rについて前記低級アルキル基とは、直鎖状または分岐状のアルキル基であり、例えば1~6の炭素原子を含むものである。前記低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル2-エチルブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、n-ヘキシル等が挙げられる。
【0067】
前記スキーム3において、まず、前記式(VII-1)で表される化合物を酸化して、前記式(XV)で表される化合物を得ることができる。酸化剤としては、例えば、BaMnO、Collins試薬[CrO(CN)]、PCC(ピリジニウムクロロクロマート)(CHCrOCl)、DCC-DMSO(ジシクロヘキシルカルボジイミド-ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。なお、前記式(VII-1)で表される化合物は、例えば、前記スキーム2中、前記式(VII)中、k、l、mおよびnが1である式(VII)の化合物であってもよい。その場合、前記式(IV)中k、l、mおよびnが1である式(IV)の化合物、例えばペンタエリスリトールを出発原料として、前記スキーム2に記載の製造方法に従い、前記式(VII)中、k、l、mおよびnが1である式(VII)の化合物を製造してもよい。
【0068】
次に、前記式(XV)で表される化合物に、イリド化合物(XVI)を反応させ、式(XVII)で表される化合物を得ることができる。このイリド化合物(XVI)は、当業者に公知のWittig反応、Horner-Emmons反応等において調製されるイリド化合物製造方法に従い、製造することができる。
【0069】
次に、前記式(XVII)で表される化合物を接触還元し、次いでエステル(-COOR)部分を還元することにより、前記式(VII-2)で表される化合物を得ることができる。接触還元は、例えば、遷移金属触媒の存在下、水素ガスにより行うことができる。前記遷移金属触媒としては、例えば、白金、パラジウム(例えば、Pd-C等)、ロジウム(例えば、Rh等)、ルテニウム、ニッケル触媒等を用いることができる。前記エステル部分の還元は、例えば、水素化リチルムアルミニウム(LiAlH)等を用いることができる。
【0070】
なお、前記式(VII-2)で表される化合物の製造は、例えば、公知文献を参考にして行ってもよい。その公知文献としては、例えば、Satoshi Shuto,Satoshi Niizuma and Akira Matsuda,″One-pot conversion of a,b-unsaturated alcohols into the corresponding carbon-elongated dienes with a stable phosphorus ylide-BaMnO system.Synthesis of 6’-methylene derivatives of Neplanocin A as potential antiviral nucleosides.New Neplanocin analogues 11.″,The Journal of Organic Chemistry,1998年,第63巻、p.4489等が挙げられる。
【0071】
また、前記式(VII)中、mが2であり、k、lおよびnが1である式(VII-3)で表される化合物は、例えば、以下のスキーム4に示すようにして製造してもよい。
【0072】
【化22】
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【0073】
前記式中、R11は、保護基であり、
12およびR13は、一緒になって、式-CR1516-で表される基であり、
前記R15およびR16は、互いに独立して、水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシル基からなる群から選択されるいずれかであり、
およびXは、互いに独立して、ハロゲン原子であり、
Rは、低級アルキル基であり、
50は保護基である。
【0074】
前記R50について前記保護基とは、従来公知の1級アルコールの保護基を用いることができる。そのような保護基としては、例えば、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、4,4´-ジメトキシトリチル(DMTr)、4-モノメトキシトリチル(MMTr)、(9-フェニル)キサンテン-9-イル[ピキシル(pixyl)]、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)等が、挙げられる。
【0075】
本発明において、前記Xについて、前記ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等である。
【0076】
前記スキーム4において、まず、前記式(VII-1)で表される化合物に、式(XX)で表される化合物とを、任意に塩基(例えば、イミダゾール、DABCO、トリエチルアミン等)存在下に反応させ、前記式(XXI)で表される化合物を得ることができる。なお、前記式(XX)で表される化合物は、公知文献を参考に自家製造してもよいし、市販で入手してもよい。
【0077】
次に、前記式(XXI)で表される化合物を、酸化して、前記式(XXII)で表される化合物を得ることができる。酸化は、前記スキーム3において前記式(VII-1)で表される化合物を酸化するのと同様の条件を用いて行うことできる。
【0078】
次に、前記式(XXII)で表される化合物に、イリド化合物(XVI)を反応させ、式(XXIII)で表される化合物を得ることができる。このイリド化合物(XVI)は、前記スキーム3におけるイリド化合物(XVI)と同様のものを用いることができる。
【0079】
次に、前記式(XXIII)で表される化合物を接触還元し、次いでエステル(-COOR)部分を還元することにより、前記式(XXIV)で表される化合物を得ることができることができる。接触還元およびエステル部分の還元は、前記スキーム3における前記式(XVII)で表される化合物の接触還元およびエステル還元と同様の条件を用いて行うことができる。
【0080】
次に、式(XXIV)で表される化合物に、前記式(V)で表される化合物とを反応させ、その後、基R50を除去して前記式(VII-3)で表される化合物を得ることができる。この式(V)の化合物との反応条件は、前記スキーム2における前記式(IV)で表される化合物と、前記式(V)で表される化合物との反応条件と同様の条件を用いて行うことができる。また、前記基R50の除去は、R50の基に応じて、公知の除去方法を選択することができる。
【0081】
このように、k、m、lおよびnが1~10の整数である前記式(VII)で表される化合物は、従来公知な技術、すなわち、保護および脱保護と、イリド化合物を用いた増炭反応を組み合わせることにより、製造することができる。
【0082】
また、前記式(I)中、Rが、前記式(5)の基であり、R、RおよびRがHであり、下記式(III)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩の製造方法の一例を説明する。
【0083】
【化23】
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【0084】
前記式中、k、l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【0085】
その製造方法を、例えば、以下のスキーム5に示す。この製造方法によれば、例えば、前記式(XIII)で表される化合物の、R11、R12およびR13を除去すること、および加水分解により、式(III)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩を得ることができる。
【0086】
【化24】
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【0087】
前記式中、R11は、保護基であり、
12およびR13は、一緒になって、式-CR1516-で表される基であり、
前記R15およびR16は、互いに独立して、水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシル基からなる群から選択されるいずれかであり、
は、ハロゲン原子であり、
k、l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【0088】
本発明において、Xについて、前記ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等である。
前記式(XIII)で表される化合物の、R11、R12およびR13を除去するには、R11、R12およびR13それぞれの基に応じて、公知の除去方法を選択することができる。例えば、R11がtert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)等のシリル基である場合、トリブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)、塩化アンモニウム等で処理することにより、R11を除去することが可能である。また、例えば、R12およびR13が、一緒になって、式-C(CH-で表される基である場合、酸(例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸、酢酸等)で処理することにより、R12およびR13を同時に除去することが可能である。
【0089】
前記式(XII)で表される化合物の加水分解は、公知の除去方法を選択することができる。例えば、酸(例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸、酢酸等)で処理することにより、この加水分解を行うことが可能である。この酸処理により、例えば、前記式(XIII)中、R12およびR13が、一緒になって、式-C(CH-で表される基である場合、加水分解とR12およびR13の除去とを同時に行うことができる。
【0090】
なお、前記式(XIII)で表される化合物は、公知文献を参考に自家製造してもよいし、前記スキーム1において、式(XI)中、Rが前記式(8)の基であるヌクレオシド類似体の製造方法を参考に自家製造してもよい。
【0091】
次に、前記式(I)中、Rが、前記式(1)の基、前記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(2)の基、前記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(3)の基、前記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(4)の基、前記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(6)の基、前記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(7)の基、前記式(7)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(8)の基、および前記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、Rが保護基であり、Rが保護基であり、Rが固相合成用活性化リン酸基であり、下記式(XXXIV)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩の製造方法の一例を説明する。
【0092】
【化25】
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【0093】
前記式(XXXIV)において、Rは、前記式(1)の基、前記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(2)の基、前記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(3)の基、前記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(4)の基、前記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(6)の基、前記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(7)の基、前記式(7)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(8)の基、および前記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、R11は、保護基であり、R22は、保護基であり、R23は、固相合成用活性化リン酸基である。
【0094】
本発明において、R22について前記保護基とは、従来公知の1級アルコールの保護基を用いることができる。そのような保護基としては、例えば、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、4-モノメトキシトリチル(MMTr)、TBDPS、(9-フェニル)キサンテン-9-イル[ピキシル(pixyl)]等が、挙げられる。
【0095】
本発明において、R23について前記固相合成用活性化リン酸基としては、固相合成において従来公知のリン酸基を用いることができ、例えば、ホスホロアミダイト、ホスホナート、チオホスファイト等を形成するリン酸基が挙げられる。ホスホロアミダイトを形成する、固相合成用活性化リン酸基としては、例えば、下記式(10)で表される基が挙げられる。
【0096】
【化26】
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【0097】
その製造方法を、例えば、以下のスキーム6に示す。
【化27】
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【0098】
前記式において、Rは、前記式(1)の基、前記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(2)の基、前記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(3)の基、前記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(4)の基、前記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(6)の基、前記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(7)の基、前記式(7)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(8)の基、および前記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、R11は、保護基であり、R22は、保護基であり、R23は、固相合成用活性化リン酸基であり、XおよびXはハロゲン原子である。
【0099】
本発明において、XおよびXについて前記ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等である。
【0100】
その製造方法によれば、例えば、前記式(XI)で表される化合物の、R12およびR13を除去して、式(XXX)で表される化合物を得ることができる。前記式(XI)で表される化合物の、R12およびR13を除去するには、R12およびR13それぞれの基に応じて、公知の除去方法を選択することができる。例えば、R12およびR13が、一緒になって、式-C(CH-で表される基である場合、酸(例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸、酢酸等)で処理することにより、R12およびR13を同時に除去することが可能である。
【0101】
次いで、例えば、前記式(XXX)で表される化合物を、式(XXXI)で表される化合物と、任意に塩基(例えば、ピリジン等)、触媒(例えば、ジメチルアミノピリジン等)等の存在下に、反応させ、式(XXXII)で表される化合物を得ることができる。式(XXXI)で表される化合物は、市販で入手してもよいし、公知文献を利用して自家製造してもよい。
【0102】
そして、例えば、前記式(XXXII)で表される化合物に、式(XXXIII)で表される化合物を、任意に塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン等)等の存在下に縮合させ、前記式(XXXIV)で表される化合物を得ることができる。
【0103】
また、前記式(I)中、Rが、前記式(5)の基であり、Rが保護基であり、Rが保護基であり、Rが固相合成用活性化リン酸基であり、下記式(XXXVII)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩の製造方法の一例を説明する。
【0104】
【化28】
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【0105】
前記式(XXXVII)中、R11は、保護基であり、R22は、保護基であり、R23は、固相合成用活性化リン酸基であり、Xは、ハロゲン原子であり、k、l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【0106】
その製造方法を、例えば、以下のスキーム7に示す。
【化29】
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【0107】
前記式中、R11は、保護基であり、R22は、保護基であり、R23は、固相合成用活性化リン酸基であり、X、XおよびXは、ハロゲン原子であり、k、l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【0108】
その製造方法によれば、例えば、前記式(XIII)で表される化合物の、R12およびR13を除去して、式(XXXV)で表される化合物を得ることができる。前記式(XIII)で表される化合物の、R12およびR13を除去するには、R12およびR13それぞれの基に応じて、公知の除去方法を選択することができる。例えば、R12およびR13が、一緒になって、式-C(CH-で表される基である場合、酸(例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸、酢酸等)で処理することにより、R12およびR13を同時に除去することが可能である。
【0109】
次いで、例えば、前記式(XXXV)で表される化合物を、式(XXXI)で表される化合物と、任意に塩基(例えば、ピリジン等)、触媒(例えば、ジメチルアミノピリジン等)等の存在下に、反応させ、式(XXXVI)で表される化合物を得ることができる。式(XXXI)で表される化合物は、市販で入手してもよいし、公知文献を利用して自家製造してもよい。
【0110】
そして、例えば、前記式(XXXVI)で表される化合物に、式(XXXIII)で表される化合物を、任意に塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン等)等の存在下に縮合させ、前記式(XXXVII)で表される化合物を得ることができる。
【0111】
つぎに、本発明のオリゴヌクレオチド類似体の製造方法の一例について説明する。まず、例えば、本発明のヌクレオシド類似体の3つの水酸基の内1つを、固相合成用活性化リン酸基で活性化させ、残りの2つの水酸基を保護した化合物を用意する。その化合物としては、例えば、前記式(XXXIV)で表わされる化合物または前記式(XXXVII)で表わされる化合物を用いることができる。その固相合成用活性化リン酸基としては、固相合成において従来公知のリン酸基を用いることができ、例えば、ホスホロアミダイト、ホスホナート、チオホスファイト等を形成するリン酸基が挙げられる。そして、本発明のオリゴヌクレオチド類似体は、例えば、この活性化化合物を、オリゴヌクレオチド合成分野で従来公知の技術を用いて、オリゴヌクレオチド類似体の配列に従い、ヌクレオシドを順次固相上でカップリングさせて行うことができる。
【0112】
なお、ヌクレオシド、カップリング試薬、脱保護試薬、洗浄試薬等は、通常核酸固相合成に用いられるものを用いる。得られた固相担体上のオリゴヌクレオチド類似体は、必要であればオリゴヌクレオチド側鎖の脱保護を行った後、固相担体から切り出して、粗オリゴヌクレオチド類似体を得る。切り出しに用いる試薬は、固相担体およびリンカー(固相担体とオリゴヌクレオチド類似体を接続する部分)構造等に応じて、従来公知の試薬から、適宜選択することができる。この粗オリゴヌクレオチド類似体は、必要であれば、HPLC等で精製してもよい。
【0113】
次に、オリゴヌクレオチド類似体が二本鎖である場合の製造について例を挙げて説明する。例えば前記のような方法に従い、一本鎖のオリゴヌクレオチド類似体をまず製造する。そのオリゴヌクレオチド類似体と相補的な配列を有する、一本鎖の天然オリゴヌクレオチドも別途、従来公知の方法に従い、製造する。次いで、得られた一本鎖のオリゴヌクレオチド類似体をアニーリング用緩衝液中に溶解させたものと、一本鎖の天然オリゴヌクレオチドをアニーリング用緩衝液中に溶解させたものとを、例えば混合し、加熱処理し、その後、徐々に室温まで冷却させて、二本鎖のオリゴヌクレオチド類似体を得ることができる。この二本鎖のオリゴヌクレオチド類似体は、必要に応じて、フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿等をさらに行って、単離精製することができる。
【0114】
なお、スキーム1~7の各工程において、必要であれば、各官能基に保護基を導入したり、保護基を脱保護したり、保護基を変更してもよい。なお、官能基の種類に応じた保護基の選択、保護基の導入および保護基の除去は、当該分野で公知の方法に従い、行うことができ、例えば、「有機合成における保護基(″Protective Groups in Organic Synthesis″),T.Greeneら著、John Wiley & Sons,Inc.出版」等を参照することができる。
【実施例】
【0115】
本明細書の記載において、以下の略語を使用する。
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン(4-dimethylaminopyridine)
TBAF:トリブチルアンモニウムフルオライド(tributylammoniumfluoride)
TBDPS-Cl:tert-ブチルジフェニルシリルクロライド(tert-butyldiphenylsilylchloride)
TFA:トリフルオロ酢酸(Trifluoroacetic acid)
Ar:アルゴン(Argon)
THF:テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)
TEAA:酢酸トリエチルアンモニウム塩(Triethylammmoium Acetate)
【0116】
(実施例1)
9-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)アデニンの製造
【0117】
(1)1-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシ-2,2-ジヒドロキシメチル-3-プロパノール(1-t-butyl-diphenylsilyloxy-2,2-dihydroxymethyl-3-propanol)の製造
ペンタエリスリトール(3.00g、22.02mmol)とイミダゾール(3.30g、44.04mmol)を乾燥させ、アルゴン雰囲気下においてDMF(28.5ml)に溶解させた。その溶液に、TBDPS-Cl(2.22g、24.2mmol)をゆっくり滴下して加え、その混合物を室温にて5時間撹拌した。混合物から溶媒を留去後、得られた残渣を、酢酸エチルと水から抽出した。抽出した酢酸エチル溶液を、飽和NaClaqで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その酢酸エチル溶液から溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=1:0~20:1)で精製して、無色透明オイル状の表題化合物を得た。(収量5.17g、13.82mmol、収率62%)
【0118】
HNMR(400MHz,CDCl)δ;7.56(4H,s,フェニル),7.32(6H,s,フェニル),3.57(8H,d,J=30.8,CH-1,2,2,3),2.90(3H,m,OH),0.98(9H,s,ter-ブチル).
【0119】
(2)2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-t-butyl-diphenylsilyloxylmethyl-5-hydroxymethyl-1,3-dioxan)の製造
1-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシ-2,2-ジヒドロキシメチル-3-プロパノール(3.50g、9.35mmol)およびp-トルエン安息香酸・一水和物(2.18g、11.22mmol)とを、アセトン(100ml)中で溶解した。その溶液に、o-ギ酸エチル(20ml)を加え、その混合物を室温で2時間攪拌した。その混合物を希アンモニア水で中和して反応を停止した後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-Hex:EtOAc=20:1~5:1)で精製して、黄色オイル状の表題化合物を得た。(収量3.76g、8.98mmol、収率96%)
【0120】
HNMR(400MHz,CDCl)δ;7.67(5H,d,J=6.4Hz,フェニル),7.40(5H,q,J=8.0Hz,フェニル),3.74(8H,m,CH2-4,5,5,6),1.40(6H,d,J=9.8Hz,CH-2,2),1.062(9H,s,ter-ブチル).
【0121】
(3) 2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-トルエンスルホニルオキシメチル-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-t-butyl-diphenylsilyloxylmethyl-5-tolueneslufonylmethyl-1,3-dioxan)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン(1.66g、4.01mmol)のCH2Cl2(50ml)中溶液に、DMAP(1.47g、12.03mmol)を加え、さらに氷冷下にて5-トルエンスルホニルクロライド(2.29g、12.03mmol)を加えて、その混合物を約5時間攪拌した。その混合物を、CH3Clおよび飽和NaHCO3水溶液で抽出および洗浄した。得られた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、有機溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=100:1~20:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(収量1.7787g、3.12mmol、収率78%)

【0122】
HNMR(400MHz,CDCl)δ;7.66(5H,m,フェニル),7.35(9H,m,フェニル),3.82(4H,s,CH-4,6),3.74(4H,s,CH-5,5),1.38(6H,s,CH-2,2),1.05(9H,s,ter-ブチル),1.05(3H,s,Ts-Me).
【0123】
(4)2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-(アデニン-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-t-butyl-diphenylsilyloxylmethyl-5-(adenine-9-yl-methyl)-1,3-dioxan)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-トルエンスルホニルメチル-1,3-ジオキサン(3.48g、6.12mmol)に、アデニン(1.65g、12.2mmol)、炭酸カリウム(1.27g、9.17mmol)、18-クラウン-6-エーテル(1.94g、7.34mmol)を加え、一晩乾燥させた。その混合物にDMF(150ml)を加え、得られた混合物を55℃オイルバスで48時間加熱した。その混合物に、n-ヘキサンおよび酢酸エチルの混合物(n-Hex:EtoAc=1:1)および水を加えて、抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=100:1~30:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(収量2.49g、4.69mmol、収率76.6%)
【0124】
HNMR(400MHz,CDCl)δ;8.26(1H,d,J=2.0Hz,CH-アデニン-2),7.76(1H,d,J=2.4Hz,CH-アデニン-8),7.61(4H,m,フェニル),7.40(6H,m,フェニル),5.85(2H,s,NH-アデニン-6),2.58(8H,s,CH-4,5,5,6),1.44(3H,s,CH-2),1.35(3H,s,CH-2),1.10(9H,s,ter-ブチル);
Mass(EI)m/z:532.2666(M)516,474,416,386,366.
【0125】
(5)9-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチルプロピル)アデニン(9-(2,2-dihydroxymethyl-3-t-butyl-diphenylsilyloxylmethylpropyl)adenine)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-(アデニン-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(1.23g、2.32mmol)のTHF(20ml)中溶液に、TBAF(5ml)を加えて、その混合物を室温で3時間撹拌した。その混合物から溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=100:1~10:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(収量0.78g、1.59mmol、収率95%)
【0126】
HNMR(400MHz,CDCl)δ;8.04(1H,s,CH-アデニン-2),7.87(1H,s,CH-アデニン-8),7.57(4H,m,フェニル),7.57(6H,m,フェニル),7.18(2H,s,NH-アデニン-6),5.07(1H,t,J=5.6Hz,5-OH),3.20(8H,s,CH-4,5,5,6),1.21(3H,s,CH-2),1.17(3H,s,CH-2),0.84(9H,s,ter-ブチル);
Mass(EI)m/z:293.1488(M)278,235,206,188,148;
Anal.calcd for C1319・1/4 EtOH:C,53.19;H,6.78;N,22.97.found:C,53.03;H,6.59;N,22.94.
【0127】
(6)9-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)アデニン(9-(2,2-dihydroxymethyl-3-hydroxypropyl)adenine)の製造
9-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチルプロピル)アデニン(30.2mg、0.103mmol)のTHF溶液に、TFA(1ml)を加えて、その混合物を2時間撹拌した。その混合物に、水およびメタノールを加え、その後、混合物から溶媒を除去して減圧乾固した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=30:1~10:1)で精製して、表題化合物を得た。(収量18mg、0.071mmol、収率69%)
【0128】
HNMR(400MHz,CDCl)δ;8.30(1H,s,CH-アデニン-2),8.20(1H,s,CH-アデニン-8),7.56(2H,s,NH-アデニン-6),4.08(3H,s,OH-2,2,3),3.24(8H,m,,CH-1,2,2,3);
Mass(EI)m/z:253.1175(M)253,242,222,204,188;
HRMS(EI)Calcd for C1015 253.1175 Found 253.1172.
【0129】
(実施例2)
9-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)グアニンの製造
【0130】
(1) 2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルオキシルメチル-5-(2-アミノ-6-クロロプリン-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-t-Buthyl-diphenyloxylmethyl-5-(2-amino-6-chrolopurine-9-yl-methyl)-1,3-dioxan)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-トルエンスルホニルオキシメチル-1,3-ジオキサン(5.88g、10.34mmol)、2-アミノ-6-クロロ-プリン(3.51g、12.41mmol)、炭酸カリウム(2.14g、15.51mmol)および18-クラウン-6-エーテル(3.28g、12.41mmol)をそれぞれ一晩真空乾燥させた。それらを、DMF(170ml)に溶解させ、その溶液を55℃で36時間加熱した。反応混合物から溶媒を留去し、得られた残渣にn-ヘキサンおよび酢酸エチルの混合物(n-Hex:EtoAc=1:1)および水を加え、抽出した。得られた有機層を、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層から溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=100:1~20:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(収量2.24g、5.27mmol、収率51%)

【0131】
HNMR(400MHz,CDCl)δ;8.02(1H,s,CH-プリン-2),7.78(1H,s,CH-プリン-8),7.61(4H,m,フェニル),7.40(6H,m,フェニル),6.61(2H,s,NH-プリン-2),2.12(3H,s,OH-3’,4’,5’),3.87(2H,s,CH)3.22(6H,s,CH);
Mass(EI)m/z:565.2276(M)550,508,450,430,420;
Anal.calcd for C2936ClNSi:C,61.52;H,6.41;N,12.37.found:C,61.58;H,6.44;N,12.24.
【0132】
(2)2,2-ジメチル-5-(2-アミノ-6-クロロプリン-9-イル-メチル)5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-(2-amino-6-chrolopurine-9-yl-methyl)5-hydroxymethyl-1,3-dioxan)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルオキシルメチル-5-(2-アミノ-6-クロロプリン-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(426mg、0.783mmol)に、Ar置換下、THF(約1ml)を加えて溶解させた。その溶液にTBAF(1ml)を加え、その混合物を約2時間攪拌した。その混合物から溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=100:1~20:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(収量216mg、0.704mmol、収率90%)
【0133】
HNMR(400MHz,CDCl)δ;7.80(1H,s,CH-2-アミノ-6-クロロプリン-8),5.16(2H,s,NH-2-アミノ-6-クロロプリン-2),4.43(2H,s,CH),3.77(2H,d,J=12.0Hz,CH),3.58(2H,d,J=13.0Hz,CH),1.591(1H,s,OH),1.59(3H,s,CH),1.51(3H,s,CH).
【0134】
(3)9-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)グアニン(9-(2,2-dihydroxymethyl-3-hydroxypropyl)guanine)の製造
2,2-ジメチル-5-(2-アミノ-6-クロロプリン-9-イル-メチル)5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン(58mg、0.187mmol)に50%TFA(7.84ml)を加え、その混合物を約2時間攪拌した。その混合物に水およびメタノールを加え、その後、混合物から溶媒を除去して減圧乾固した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=30:1~10:1)で精製して、表題化合物を得た。(収量31mg、0.118mmol、収率63%)
【0135】
HNMR(400MHz,CDCl)δ;10.66(1H,s,NH-1),7.62(1H,s,CH-8),6.61(2H,s,NH-2),2.12(3H,s,OH-3’,4’,5’),3.87(2H,s,CH)3.22(6H,s,CH);
Mass(EI)m/z:269.1124(M)269,238,220,191,165;
HRMS(EI)Calcd for 269.1124 Found 269.1118.
【0136】
(実施例3)
1-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)ウラシルの製造
【0137】
(1) 2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルオキシルメチル-5-(ウラシル-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-t-Buthyl-diphenyloxylmethyl-5-(uracil-9-yl-methyl)-1,3-dioxan)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-トルエンスルホニルオキシメチル-1,3-ジオキサン(3.65g、6.41mmol)、ウラシル(1.43g、12.83mmol)、炭酸カリウム(1.06g、7.70mmol)および18-クラウン-6-エーテル(2.04g、7.70mmol)をそれぞれ一晩真空乾燥させた。それらをDMF(70ml)およびDMSO(30ml)に溶解させ、その溶液を55℃で36時間加熱した。反応混合物から溶媒を留去し、得られた残渣にn-ヘキサンおよび酢酸エチルの混合物(n-Hex:EtoAc=1:1)および水を加え、抽出した。得られた有機層を、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層から溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=100:1~50:1)で精製した。得られた無色透明のオイル状化合物を、ジエチルエーテルにて結晶化し、白色結晶の表題化合物を得た。(収量1.62g、3.19mmol、収率50%)

【0138】
HNMR(400MHz,CDCl)δ:11.2(1H,s,NH),7.63(4H,m,Phe),7.44(7H,m,Phe,CH-ウラシル-6),5.45(1H,d,J=10.4Hz,CH-ウラシル-5),3.09(8H,m,CH-4,5,5,6),1.31(3H,s,CH-2),1.20(3H,s,CH-2),1.00(9H,s,t-ブチル);
Mass(FAB)m/z:508.2394(M+H),451,307,289,154,107;
Anal.calcd for C2836Si:C,66.11;H,7.13;N,5.51.found:C,66.08;H,7.03;N,5.37.
【0139】
(2)2,2-ジメチル-5-(ウラシル-9-イル-メチル)5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-(uracil-9-yl-methyl)5-hydroxymethyl-1,3-dioxan)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルオキシルメチル-5-(ウラシル-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(200mg、0.39mmol)に、Ar置換下、THF(10ml)加えて溶解させた。その溶液にTBAF(3ml)を加え、その混合物を一晩攪拌した。その混合物から溶媒を留去し、得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=100:1~20:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(収量94mg、0.35mmol、収率89%)
【0140】
Mass(EI)m/z:270.1216(M)255,213,194,181,166;
Anal.calcd for C1218・1/6 HO:C,52.74;H,6.76;N,10.25.found:C,52.55;H,6.43;N,10.18.
【0141】
(3)1-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)ウラシル(1-(2,2-dihydroxymethyl-3-hydroxypropyl)uracil)の製造
2,2-ジメチル-5-(ウラシル-9-イル-メチル)5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン(34mg、0.124mmol)に30%TFA(10ml)を加え、その混合物を約2時間攪拌した。その混合物に水およびメタノールを加え、その後、混合物から溶媒を除去して減圧乾固した。得られた残渣を、n-ヘキサンおよびエーテルの混合物(n-ヘキサン:EtO=1:1)から結晶化させ、白色結晶の表題化合物を得た(収量20mg、0.087mmol、収率70%)。
【0142】
Mass(EI)m/z:230.0903(M)212,200,182,166,152;
Anal.calcd for C1320:C,46.95;H,6.13;N,12.17.found:C,46.82;H,5.97;N,11.97.
【0143】
(実施例4)
1-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)シトシンの製造
【0144】
(1) 2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルオキシルメチル-5-(シトシン-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-t-Buthyl-diphenyloxylmethyl-5-(cytosine-9-yl-methyl)-1,3-dioxan)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-トルエンスルホニルオキシメチル-1,3-ジオキサン(2.80g、4.92mmol)、シトシン(1.09g、9.84mmol)、炭酸カリウム(0.82g、5.91mmol)および18-クラウン-6-エーテル(1.56g、5.91mmol)をそれぞれ一晩真空乾燥させた。それらを、DMF(30ml)およびDMSO(10ml)に溶解させ、その溶液を60℃で4日間加熱した。反応混合物から溶媒を留去し、得られた残渣にn-ヘキサンおよび酢酸エチルの混合物(n-Hex:EtoAc=1:1)および水を加え、抽出した。得られた有機層を、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層から溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=100:1~20:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(収量1.20g、2.37mmol、収率48%)

【0145】
HNMR(400MHz,CDCl)δ;7.65(4H,m,フェニル),7.40(6H,m,フェニル),7.26(1H,s,2-CH),5.32(1H,d,J=6.8Hz 3-CH),3.78(8H,m,CH),1.65(2H,s,4-NH),1.43(3H,s,CH-2),1.34(3H,s,CH-2),1.11(9H,s,ter-ブチル);
Mass(EI)m/z:507.2553(M)492,450,392,362,292;
Anal.calcd for C2837Si・1/6 Hex:C,66.72;H,7.59;N,8.05.found:C,66.68;H,7.53;N,7.85.
【0146】
(2)2,2-ジメチル-5-(シトシン-9-イル-メチル)5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-(cytosine-9-yl-methyl)5-hydroxymethyl-1,3-dioxan)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルオキシルメチル-5-(シトシン-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(200mg、0.39mmol)に、Ar置換下、THF(10ml)を加えて溶解させた。その溶液にTBAF(1ml)を加え、その混合物を約2時間攪拌した。その混合物から溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=100:1~20:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(収量95mg、0.35mmol、収率91%)
Mass(EI)m/z:269.1376(M)254,211,201,182,164.
【0147】
(3)1-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)シトシン(1-(2,2-dihydroxymethyl-3-hydroxypropyl)cytosine)の製造
2,2-ジメチル-5-(シトシン-9-イル-メチル)5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン(34mg、0.122mmol)に30%TFA(10ml)を加え、その混合物を約2時間攪拌した。その混合物に水およびメタノールを加え、その後、混合物から溶媒を除去して減圧乾固した。得られた残渣を、n-ヘキサンおよびエーテルの混合物(n-ヘキサン:EtO=1:1)から結晶化させ、白色結晶の表題化合物を得た(収量20mg、0.087mmol、収率69%)。
【0148】
HNMR(400MHz,DMSO-d)δ;7.66(1H,s,6-CH),5.85(1H,s,CH-5),4.63(3H,s,OH-2,2,3),3.69(2H,s,NH-2),3.24(8H,s,CH-1,2,2,3).
【0149】
(実施例5)
1-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)チミンの製造
【0150】
(1) 2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルオキシルメチル-5-(チミン-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-t-Buthyl-diphenyloxylmethyl-5-(thymine -9-yl-methyl)-1,3-dioxan)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-トルエンスルホニルオキシメチル-1,3-ジオキサン(2.80g、4.92mmol)、チミン(1.24g、9.84mmol)、炭酸カリウム(0.82g、5.91mmol)および18-クラウン-6-エーテル(1.56g、5.91mmol)をそれぞれ一晩真空乾燥させた。それらを、DMF(30ml)およびDMSO(10ml)に溶解させ、その溶液を60℃で4日間加熱した。反応混合物から溶媒を留去し、得られた残渣にn-ヘキサンおよび酢酸エチルの混合物(n-Hex:EtoAc=1:1)および水を加え、抽出した。得られた有機層を、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層から溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=100:1~20:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(収量1.25g、2.41mmol、収率49%)

【0151】
HNMR(400MHz,CDCl)δ;8.16(1H,s,NH-3),7.62(4H,m,フェニル),7.42(6H,m,フェニル),7.13(1H,s,6-CH),3.69(8H,m,CH),1.72(3H,s,5-Me),1.43(3H,s,CH-2),1.32(3H,s,CH-2),1.12(9H,s,ter-ブチル);
Mass(FAB+)m/z:522.2550(M+H),465,307,154;
Anal.calcd for C2938Si:C,66.64;H,7.33;N,5.36.found:C,66.50;H,7.20;N,5.29.
【0152】
(2)2,2-ジメチル-5-(チミン-9-イル-メチル)5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-(thymine-9-yl-methyl)5-hydroxymethyl-1,3-dioxan)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルオキシルメチル-5-(チミン-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(200mg、0.38mmol)に、Ar置換下、THF(10ml)を加えて溶解させた。その溶液にTBAF(3ml)を加え、その混合物を一晩攪拌した。その混合物から溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=100:1~20:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(収量101mg、0.35mmol、収率94%)
【0153】
Mass(EI)m/z:284.1372(M)269,233,208,195,180;
Anal.calcd for C13ON・1/5 HO:C,54.23;H,7.14;N,9.73.found:C,54.30;H,6.90;N,9.65.
【0154】
(3)1-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)チミン(1-(2,2-dihydroxymethyl-3-hydroxypropyl)thymine)の製造
2,2-ジメチル-5-(チミン-9-イル-メチル)5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン(48mg、0.166mmol)に30%TFA(10ml)を加え、その混合物を約2時間攪拌した。その混合物に水およびメタノールを加え、その後、混合物から溶媒を除去して減圧乾固した。得られた残渣を、n-ヘキサンおよびエーテルの混合物(n-ヘキサン:EtO=1:1)から結晶化させ、白色結晶の表題化合物を得た(収量28mg、0.114mmol、収率67%)。
【0155】
Mass(EI)m/z:244.1059(M),195,180,152,126,96;
Anal.calcd for C1320・1/5HO:C,48.46;H,6.67;N,11.30.found:C,48.04;H,6.27;N,11.36.
【0156】
(実施例6)
1-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)5-フルオロウラシルの製造
【0157】
(1) 2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルメチル-5-(5-フルオロウラシル-1-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-t-Buthyl-diphenylsilylmethyl-5-(5-fluorouracil-1-yl-methyl)-1,3-dioxan)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-トルエンスルホニルオキシメチル-1,3-ジオキサン(2.23g、3.92mmol)のDMF(50ml)溶液を、予め真空乾燥させておいた5-フルオロウラシル(0.765g、5.88mmol)、60% NaH(0.235g、5.88mmol)および18-クラウン-6-エーテル(1.06g、3.99mmol)の混合物にゆっくり滴下した。得られた混合物を、Ar雰囲気下、約85℃で24時間攪拌した。その混合物にn-ヘキサンおよび酢酸エチルの混合物(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)ならびに水を加えて、抽出した。得られた有機層を、飽和NaCl水溶液、飽和NaHCO3水溶液で順次洗浄し、乾燥させた。その有機層から溶媒を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-Hex:EtOAc=20:1~0:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(156mg,0.296mmol,8%)

【0158】
HNMR(DMSO-d,400MHz)δ:11.8(1H,s,NH),7.81(1H,d,J=6.4Hz,CH-ウラシル-6),7.66(4H,m,Phe),7.44(6H,m,Phe),3.67(8H,m,CH-4,5,5,6),1.31(4H,m,CH-2),1.18(2H,m,CH-2),1.00(9H,s,t-ブチル).
【0159】
(2)1-(2-t-ブチル-ジフェニルシリルメチル-2-ヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)5-フルオロウラシル(1-(2-t-Buthyl-diphenylsilylmethyl-2-hydroxymethyl-3-hydroxypropyl)5-fluorouracil)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルメチル-5-(5-フルオロウラシル-1-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(151mg、0.287mmol)に30%酢酸を40ml加え、その混合物を約70℃で3時間加熱した。その混合物から溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=50:1~30:1)で精製して、無色透明オイル状の表題化合物を得た。(41.6mg、0.0855mmol、30%)
【0160】
HNMR(CDCl,400MHz)δ:9.29(1H,s,NH),7.64(5H,m,Phe,CH-ウラシル-6),7.44(6H,m,Phe),3.92(2H,s,OH-2,3),3.56(2H,s,CH-2),3.47(2H,d,J=10.8Hz,CH-1),3.32(4H,d,J=13.2Hz,CH-2,3),1.12(9H,s,t-ブチル).
【0161】
(3)1-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)5-フルオロウラシル(1-(2,2-dihydroxymethyl-3-hydroxypropyl)5-fluorouracil)の合成
1-(2-t-ブチル-ジフェニルシリルメチル-2-ヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)5-フルオロウラシル(41.6mg、0.0855mmol)のTHF溶液へ、TBAF(0.15ml)を加え、その溶液を2時間攪拌した。その溶液から溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=50:1~10:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(14.2mg、0.057mmol、67%)
【0162】
HNMR(CDCl,400MHz)δ:9.29(1H,s,NH),7.64(5H,m,Phe,CH-ウラシル-6),7.44(6H,m,Phe),3.92(2H,s,OH-2,3),3.56(2H,s,CH-2),3.47(2H,d,J=10.8Hz,CH-1),3.32(4H,d,J=13.2Hz,CH-2,3).
【0163】
(実施例7)
1-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)5-フルオロシトシンの製造
【0164】
(1) 2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルメチル-5-(5-フルオロシトシン-1-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(2,2-dimethyl-5-t-Buthyl-diphenylsilylmethyl-5-( 5-Fluorocytosine-1-yl-methyl)-1,3-dioxan)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-トルエンスルホニルオキシメチル-1,3-ジオキサン(1.67g、2.93mmol)のDMF(35ml)溶液を、予め真空乾燥させておいた5-フルオロシトシン(0.568g、4.40mmol)、60% NaH(0.176g、4.40mmol)および18-クラウン-6-エーテル(0.790g、2.99mmol)の混合物にゆっくり滴下した。得られた混合物を、Ar雰囲気下、約75℃で48時間攪拌した。その混合物に、n-ヘキサンおよび酢酸エチルの混合物(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)ならびに水を加えて、抽出した。得られた有機層を、飽和NaCl水溶液、飽和NaHCO3水溶液で順次洗浄し、乾燥させた。その有機層から溶媒を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-Hex:EtOAc=10:1~0:1)で精製して、白色結晶の表題化合物を得た。(352mg、0.669mmol、23%)
【0165】
HNMR(CDCl,400MHz)δ:9.29(1H,s,NH),7.64(5H,m,Phe,CH-ウラシル-6),7.44(6H,m,Phe),3.92(2H,s,OH-2,3),3.56(2H,s,CH-2),3.47(2H,d,J=10.8Hz,CH-1),3.32(4H,d,J=13.2Hz,CH-2,3),1.12(9H,s,t-ブチル).
【0166】
(2)1-(2-t-ブチル-ジフェニルシリルメチル-2-ヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)5-フルオロシトシン(1-(2-t-Buthyl-diphenylsilylmethyl-2-hydroxymethyl-3-hydroxypropyl)5-fluorocytosine)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルメチル-5-(5-フルオロシトシン-1-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(352mg、0.669mmol)に30%酢酸(50ml)を加え、その混合物を約70℃で4時間加熱した。この混合物から溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH=50:1~30:1)で精製して、無色透明オイル状の化合物を得た。その化合物に、n-ヘキサンとジエチルエーテルを加えて結晶を析出させ,白色結晶の表題化合物を得た。(171mg、0.351mmol、52%)
【0167】
HNMR(CDCl,400MHz)δ:9.29(1H,s,NH),7.64(5H,m,Phe,CH-ウラシル-6),7.44(6H,m,Phe),3.92(2H,s,OH-2,3),3.56(2H,s,CH-2),3.47(2H,d,J=10.8Hz,CH-1),3.32(4H,d,J=13.2Hz,CH-2,3),1.12(9H,s,t-ブチル).
【0168】
(3)1-(2,2-ジヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)5-フルオロシトシン(1-(2,2-dihydroxymethyl-3-hydroxypropyl)5-fluorocytosine)の製造
1-(2-t-ブチル-ジフェニルシリルメチル-2-ヒドロキシメチル-3-ヒドロキシプロピル)5-フルオロシトシン(171mg、0.351mmol)のTHF溶液へ、TBAF(0.70ml)を加えて、その混合物を2時間攪拌した。その混合物から溶媒を減圧留去し、得られた残渣へエタノールを加えて結晶を析出させて、白色結晶の表題化合物を得た。(32.0mg、0.129mmol、37%)
【0169】
HNMR(DMSO-d,400MHz)δ:11.3(1H,s,NH),7.40(1H,s,CH-ウラシル-6),3.62(3H,br,OH-2,2,3),3.27(8H,m,CH-4,5,5,6),1.72(3H,s,CH-チミン).
【0170】
(実施例8)
9-[2-(2-ジアミノエトキシ-N,N-ジイソプロピルアミノホスフェイニルオキシメチル-2-(4,4’-ジメトキシトリチルオキシ)-3-tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)プロピル]-N-ベンゾイル-アデニン(9-[2-(2-cyanoethoxy-N,N-diisopropylaminophosphimyloxymethyl-2-(4,4’-dimethoxytrityloxy)-3-tert-butyldiphenylsilyloxy)propyl]-N-benzoyladenine)の製造
【0171】
(1)2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシメチル-5-(N-ベンゾイルアデニン-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(2,2-Dimethyl-5-t-butyl-diphenylsilyloxymethyl-5-(N-benzoyladenine-9-yl-methyl)-1,3-dioxan)の製造
実施例1(4)で得られた2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシルメチル-5-(アデニン-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(2130mg、4.01mmol)をピリジン(40ml)に溶解させ、その溶液へ、氷冷下にてベンゾイルクロリド(560μl、4.81mmol)を滴下した。室温で16時間撹拌した後、その混合物にメタノールを加えて過剰の試薬を分解した。得られた残渣にトルエンを共存させ、減圧濃縮してピリジンを除去した。得られたシロップにクロロホルムを加え、クロロホルム層を2N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸ナトリウムにより乾燥した後、そのクロロホルム層を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製して、白色粉末の標題化合物を得た(収量1530mg、2.41mmol、収率60%)。
【0172】
H-NMR(400MHz,CDCl)δ:11.1(s,1H,NH),8.66(s,1H,H-8),8.30(s,1H,H-2),8.05-7.41(m,15H,Ph-CO,2Ph-Si),4.37(s,2H,CH-N)3.76(2d,4H,2CH-O-C),1.25,1.21(2s,6H,2CH-C)0.97(s,9H,tert-ブチル).
【0173】
(2)9-(2,2-ヒドロキシメチル-3-tert-ブチルジフェニルシリルオキシプロピル)-N-ベンゾイル-アデニン(9-(2,2-Hydroxymethyl-3-tert-butyldiphenylsilyloxypropyl)-N-benzoyl-adenine)の製造
2,2-ジメチル-5-t-ブチル-ジフェニルシリルオキシメチル-5-(N-ベンゾイルアデニン-9-イル-メチル)-1,3-ジオキサン(1600mg、2.52mmol)のメタノール(20ml)溶解に、p-トルエンスルホン酸一水和物(500mg、2.63mmol)を加えて、その混合物を室温にて48時間撹拌した。TLC(クロロホルム:メタノール=10:1)により、前記混合物中の原料の消失を確認後、前記混合物にトリエチルアミンを加えて中和した。前記混合物を減圧下にて濃縮して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=60:1)で精製して、白色粉末の標題化合物を得た(890mg、1.49mmol、収率59%)。
【0174】
H-NMR(400MHz,CDCl):δ 9.12(brs,1H,NH),8.75(s,1H,H-8),8.09(s,1H,H-2),8.05-7.41(m,15H,Ph-CO,2Ph-Si),4.48(s,2H,CH-N)3.61(s,2H,CH-O-Si),3.45,3.26(2brd,4H,2CH-OH),1.14(s,9H,tert-ブチル).
【0175】
(3)9-[2-ヒドロキシメチル-2-(4,4’-ジメトキシトリチルオキシル)-3-tert-ブチルジフェニルシリルオキシプロピル]-N-ベンゾイル-アデニン(9-[2-Hydroxymethyl-2-(4,4’-dimethoxytrityloxyl)-3-tert-butyldiphenylsilyloxypropyl]-N-benzoyl-adenine)の製造
9-(2,2-ヒドロキシメチル-3-tert-ブチルジフェニルシリルオキシプロピル)-N-ベンゾイル-アデニン(800mg、1.34mmol)のピリジン(20ml)溶液に、ジメトキシトリチルクロリド(1360mg,4.02mmol)およびジメチルアミノピリジン(491mg,4.02mmol)を加え、その混合物を室温にて18時間撹拌した。TLCにて前記混合物中の原料の消失を確認後、前記混合物にメタノールを加えて過剰の試薬を分解した。得られた残渣にトルエンを共存させ、減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解させ、前記酢酸エチル溶液を蒸留水で洗浄した。硫酸ナトリウムにより乾燥した後、前記酢酸エチル層を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=200:1→100:1)で精製して、白色粉末の標題化合物を得た(680mg、0.76mmol、収率57%)。
【0176】
H-NMR(400MHz,CDCl):δ 8.61(s,1H,H-8),8.04-6.76(m,30H,2Ph-OMe,Ph-C,Ph-CO 2Ph-Si,H-2,NH),4.39(s,2H,CHN),3.71-3.69(m,8H,CH-O-Si,2MeO),3.45-3.37(m,4H,CH2-O-DMTr,CHOH),0.90(s,9H,tert-ブチル).
【0177】
(4)9-[2-(2-ジアミノエトキシ-N,N-ジイソプロピルアミノホスフェイニルオキシメチル-2-(4,4’-ジメトキシトリチルオキシ)-3-tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)プロピル]-N-ベンゾイル-アデニン(9-[2-(2-cyanoethoxy-N,N-diisopropylaminophosphimyloxymethyl-2-(4,4’-dimethoxytrityloxy)-3-tert-butyldiphenylsilyloxy)propyl]-N-benzoyladenine)の製造
9-[2-ヒドロキシメチル-2-(4,4’-ジメトキシトリチルオキシl)-3-tert-ブチルジフェニルシリルオキシプロピル]-N-ベンゾイル-アデニン(66.1mg,73.6μmol)のジクロロメタン(0.37ml)溶液に、Hunig’s base(76μl,0.44mmol)および亜リン酸化試薬(33μl,0.148mmol)を加えた。TLCにより反応の完結を確認した後、飽和NaHCO水溶液を前記混合物に添加して反応を停止させた。前記混合物を、クロロホルムと飽和NaHCO水溶液により分液した。得られた有機層を減圧濃縮し、その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製し、標題化合物を得た(44.4mg,44μmol、収率60%)。
【0178】
31PNMR(400MHz,DMSO-d)δ[ppm]:147.47ppm.
【0179】
(実施例9)
塩基配列の中央部に、ヌクレオシド類似体を1つ導入した配列番号1(下記に示す塩基配列参照)(ただし、ヌクレオシド類似体は、tert-ブチルジフェニルシリル基を有する)からなる一本鎖のオリゴヌクレオチド類似体の製造
【化30】
JP0004887500B2_000022t.gif

【0180】
配列番号1の塩基配列に従い、核酸自動合成機およびCPG樹脂を用いるホスホロアミダイト法によりオリゴヌクレオチド類似体(DNAタイプ)を製造した。塩基配列中、で示す配列には、実施例8で製造した9-[2-(2-ジアミノエトキシ-N,N-ジイソプロピルアミノホスフェイニルオキシメチル-2-(4,4’-ジメトキシトリチルオキシ)-3-tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)プロピル]-N-ベンゾイル-アデニンをヌクレオシドモノマーとして用いて導入した。他の配列には、デオキシリボースタイプのヌクレオシドを用いて導入した。1μmolの固相合成用CPG樹脂を使用し、各縮合時間は、1分とした。
【0181】
前記CPG樹脂に結合した配列番号1のオリゴヌクレオチド類似体は、ベンゾイル基および1-tert-ブチルジフェニルシリルオキシ基で保護された状態で核酸自動合成機による合成を終了した。
【0182】
前記CPG樹脂に結合したオリゴヌクレオチドは、28%アンモニア水溶液(1.5mL)中で55℃で12時間反応させた。反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた濃縮物に、TBAF溶液(1mL)を加え、その混合物を12時間室温で攪拌して、前記シリル基を脱保護した。その後、得られた混合物を、0.1M TEAA暖衝液(30mL)で希釈した。この混合物をC-18逆相カラムクロマトグラフィー(Sep-Pak)(溶出液:水中、50%CHCN(2mL))により精製して、目的とする一本鎖のオリゴヌクレオチド類似体を得た。
MALDI-TOF/MS 計算値:5598.96、実測値:5594.03。
【0183】
前記実施例9において用いた、0.1MのTEAA緩衝液は、以下のようにして調製した。まず、2Nの酢酸(114.38mL)およびトリエチルアミン(277.6mL)の混合物に、水を加えて1Lにした。その溶液に酢酸を加えて、pHを7.0に調整し、次いでその溶液を20倍に希釈することにより調製した。
【0184】
(参考例1)
配列番号1の代わりに配列番号2(下記に示す塩基配列参照)の塩基配列に従い、実施例9と同様にして一本鎖オリゴヌクレオチドを得た。
【化31】
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【0185】
(実施例10)
実施例9で製造した配列番号1からなるオリゴヌクレオチド類似体(0.8nmmol)を、アニーリングバッファー(10mMのリン酸ナトリウム塩(pH7.0)および1MのNaCl)中に溶解させた。その溶液を90℃で1分間、次いで37℃で1時間の間、インキュベートして、下記に示す塩基配列のような、配列番号1からなるオリゴヌクレオチド類似体と配列番号2からなるオリゴヌクレオチドとからなる、二本鎖オリゴヌクレオチド類似体を得た。
【化32】
JP0004887500B2_000024t.gif

【0186】
(比較例1)
配列番号1の代わりに配列番号3(下記に示す塩基配列参照)の塩基配列に従い、実施例9と同様にして、一本鎖のオリゴヌクレオチドを製造した。
【0187】
【化33】
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【0188】
(比較例2)
実施例9で製造した配列番号1からなるオリゴヌクレオチド類似体の代わりに、比較例1で製造した配列番号3からなるオリゴヌクレオチドを用いて、実施例10と同様にして、下記に示すような、配列番号3からなるオリゴヌクレオチドと、配列番号2からなるオリゴヌクレオチドをからなる、二本鎖オリゴヌクレオチド類似体を得た。
【0189】
【化34】
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【0190】
(二本鎖の安定性)
実施例10で製造した二本鎖オリゴヌクレオチド類似体および比較例2で製造した二本鎖オリゴヌクレオチドについて、測定したそれぞれのTm値を、以下の表1に示す。
【0191】
【表1】
JP0004887500B2_000027t.gif

【0192】
前記表1に示すように、本発明のヌクレオシド類似体で1箇所の塩基が置き換えられたオリゴヌクレオチド類似体(ただし、ヌクレオシド類似体は、tert-ブチルジフェニルシリル基を有する)が二本鎖の形成能を有することを、確認できた。
【0193】
(実施例11)
実施例9で製造した配列番号1からなるオリゴヌクレオチド類似体(100pmol)を、10×PNK緩衝液(2μL)、6unit/μLのT4ポリヌクレオチドキナーゼ(E.Coli A19)(1μL)、γ-32P ATP(1μL)および滅菌水(16μL)の混合液中で、氷冷下に、混合し、その後、37℃で30分間攪拌した。その後、スピンカラムを用いて前記混合物から夾雑物を除去して、5’末端が32P同位体で標識された、配列番号1からなるオリゴヌクレオチド類似体を得た。
【0194】
(比較例3)
実施例9で製造した配列番号1からなるオリゴヌクレオチド類似体の代わりに、比較例1で製造した配列番号3からなるオリゴヌクレオチドを用いた以外は、実施例11と同様にして、5’末端が32P同位体で標識された、配列番号3からなるオリゴヌクレオチドを得た。
【0195】
(ヌクレーゼ耐性)
一本鎖オリゴヌクレオチド類似体のエキソヌクレアーゼ耐性の評価
実施例11で得られた配列番号1からなる一本鎖オリゴヌクレオチド類似体、比較例3で得られた配列番号3からなる天然型の一本鎖オリゴヌクレオチドの、エキソヌクレアーゼ耐性を評価した。エキソヌクレアーゼとしては、ヘビ毒ホスホロジエステラーゼ(SVP)を使用した。SVPは、リン酸ジエステル結合を選択的に切断しオリゴヌクレオチドを5’-モノリン酸ヌクレオチドに分解する。なお、10μMの一本鎖オリゴヌクレオチド類似体溶液は、実施例11で製造した配列番号1からなる一本鎖オリゴヌクレオチド類似体(100pmol)に、未標識の実施例9で製造した配列番号1からなる一本鎖オリゴヌクレオチド類似体(400pmol)を加え、滅菌水を用いて、10μMに調整して製造した。10μMの一本鎖オリゴヌクレオチド溶液も、前記と同様にして製造した。
【0196】
以下に示す組成の反応溶液から、1、5、10、15、30分後に、ローディング溶液(7M urea XC BPB;5μL)を含む各エッペンドルフチューブに、反応液(5μl)をサンプリングして反応を停止させた。なお、0分後のサンプルは、SVP水溶液を加えていないものである。得られた各時間におけるサンプルを、20%ウレア入りPAGEにより電気泳動させて、ゲル中で分離した。前記ゲルを、イメージングプレートと接触させて、前記ゲル中の分離されたイメージを転写した。このイメージをバイオイメージングアナライザー(商品名:BAS2000、富士写真フィルム株式会社製)を用いて取り込み、RIイメージ解析ソフトにより画像処理した。その結果を図1に示す。
【0197】
一本鎖オリゴヌクレオチド類似体(実施例11)の反応溶液の組成
JP0004887500B2_000028t.gifJP0004887500B2_000029t.gif
【0198】
一本鎖オリゴヌクレオチド(比較例3)の反応溶液の組成
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【0199】
前記図1に示すように、一本鎖オリゴヌクレオチド類似体(ただし、ヌクレオシド類似体は、tert-ブチルジフェニルシリル基を有する)は、天然型一本鎖オリゴヌクレオチドと比較して、エキソヌクレアーゼ耐性が向上していることが確認された。また、前記図1に示すように、前記一本鎖オリゴヌクレオチド類似体は、サイト1のみならず、サイト2においても、ヌクレアーゼ耐性を示することが確認された。このサイト1は、前記ヌクレオシド類似体と、天然のヌクレオシドとの間の結合部位である。サイト2は、天然のヌクレオシド間の結合部位であるが、一方の天然のヌクレオシド結合部位は、前記ヌクレオシド類似体と結合している。そのため、本発明のヌクレオシド類似体は、その隣接するヌクレオシドとの結合部位のみならず、離れた位置にあるヌクレオシド間の結合部位のヌクレアーゼ耐性も向上させることが、確認された。
【産業上の利用可能性】
【0200】
本発明のヌクレオシド類似体は、例えば、検査キット用オリゴヌクレオチドを製造するためのヌクレオシドとして有用である。
【配列表フリ-テキスト】
【0201】
配列番号1 オリゴヌクレオチド類似体
配列番号2 オリゴヌクレオチド
配列番号3 オリゴヌクレオチド
図面
【図1】
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