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明細書 :地下流体観測装置及び測定方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5453611号 (P5453611)
公開番号 特開2009-068971 (P2009-068971A)
登録日 平成26年1月17日(2014.1.17)
発行日 平成26年3月26日(2014.3.26)
公開日 平成21年4月2日(2009.4.2)
発明の名称または考案の名称 地下流体観測装置及び測定方法
国際特許分類 G01V   9/02        (2006.01)
G01V   3/08        (2006.01)
G01V   3/40        (2006.01)
FI G01V 9/02
G01V 3/08 Z
G01V 3/40
請求項の数または発明の数 3
全頁数 9
出願番号 特願2007-237182 (P2007-237182)
出願日 平成19年9月12日(2007.9.12)
審査請求日 平成22年9月2日(2010.9.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
発明者または考案者 【氏名】水永 秀樹
【氏名】田中 俊昭
個別代理人の代理人 【識別番号】100080160、【弁理士】、【氏名又は名称】松尾 憲一郎
審査官 【審査官】田中 秀直
参考文献・文献 特開2002-156460(JP,A)
特開2003-302475(JP,A)
特開平05-323038(JP,A)
物理探査ハンドブック【創立50周年記念】,物理探査学会,1998年,手法編 第6章 電磁探査,P.312-315
図解 物理探査,物理探査学会,1992年 6月 1日,P.66,67
調査した分野 G01V 1/00-13/00
JSTPlus(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
被計測エリア内の所定位置にそれぞれ設置して地下を流動する流体によって生じた流動電流を検出する複数の検出部と、これら複数の検出部で検出された前記流動電流のデータを解析して前記流体の流動状態を特定する解析部とを備えた地下流体観測装置であって、
前記検出部は、
前記検出部を通る第1仮想直線上の2点間の電位差の時間変動を検出する第1電位変動検出手段と、
前記検出部を通り、前記第1仮想直線と交差する第2仮想直線上の2点間の電位差の時間変動を検出する第2電位変動検出手段と、
前記第1仮想直線と前記第2仮想直線との交点部分における磁場の時間変動を検出する磁場変動検出手段とをそれぞれし、
前記解析部は、前記第1電位変動検出手段及び前記第2電位変動検出手段が検出した電位差の時間変動、並びに、前記磁場変動検出手段が検出した磁場の時間変動、を利用して特定した各検出部における電位の時間変動量に基づいて前記流体の流動状態を特定することを特徴とする地下流体観測装置。
【請求項2】
前記磁場変動検出手段は、互いに直交させて配置した3つの磁気センサ素子で構成され、
前記第1仮想直線と前記第2仮想直線とは、直交していることを特徴とする請求項1に記載の地下流体観測装置。
【請求項3】
被計測エリア内の所定位置にそれぞれ設定される複数の検出ポイントの地下を流動する流体によって生じた流動電流を検出し、これら複数の検出ポイントで検出された前記流動電流のデータを解析して前記流体の流動状態を測定する測定方法であって、
前記検出ポイントを通る第1仮想直線上の2点間の電位差の時間変動をそれぞれ検出する第1工程と、
前記検出ポイントを通り、前記第1仮想直線と交差する第2仮想直線上の2点間の電位差の時間変動をそれぞれ検出する第2工程と、
前記第1仮想直線と前記第2仮想直線との交点部分における磁場の時間変動をそれぞれ検出する第3工程と、
を含み、
前記第1工程及び前記第2工程において検出した電位差の時間変動、並びに、前記第3工程において検出した磁場の時間変動、を利用して特定した各検出ポイントにおける電位の時間変動量に基づいて前記流体の流動状態を測定することを特徴とする測定方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、地下水や石油・天然ガスなどのように地下に存在する流体が地下を流動することによって生じる流動電流に基づいて流体の流動状態を観測する地下流体観測装置、及び、前記流体の流動状態を測定する測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地下構造の調査や各種の資源鉱床の調査を行う場合には、地下比抵抗を探査する比抵抗探査法を用いることが多い。比抵抗探査法では、調査エリアに所定の電磁場を生じさせるための電磁場源が必要であって、調査エリアの大きさや調査深度に応じて適宜の電磁場源を設置して、所定の地点での地下比抵抗を計測している。
【0003】
このような比抵抗探査法において、電磁場源を設けるのではなく、たとえば雷放電などの電磁場変動によって生じる地磁気の変動を計測することにより地下比抵抗を求めるいわゆるMT法と呼ばれる電磁探査法も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
MT法では地磁気を利用するため、計測される電場の大きさが数十mV/km、磁場の大きさが数十nT程度といった微小電場及び微小磁場の計測を行わねばならず、高精度での計測が要求されるため、計測作業にある程度の熟練を要することとなっていた。
【0005】
このような現状において、本発明者らは、以前より流体流動電位法を用いた地下の電気探査法の研究を行っていた。流体流動電位法では、流体が地下で流動することにより発生する流動電流を検出し、検出された流動電流から流体の流動状態を特定しているものである。
【0006】
したがって、地下水の利用を目的とした調査や、加圧水などを用いた石油の強制回収を目的とした調査のように、地下を流動する流体を対象とした調査において効果的な電気探査方法として知られていた。

【特許文献1】特開平05-323038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、流体流動電位法では、流動電流を電位により計測しているために、電位計測の基準となる基準電位を設ける必要があり、この基準電位の設定作業が極めて煩雑であるという問題があった。
【0008】
すなわち、このような場合における基準電位は、理論的には無限遠での電位であるものの、実際には無限遠の電極を設定することは不可能であって、調査エリアからできるだけ離れた地点に基準電位用の電極を設けており、調査エリアの面積が広くなればなるほど基準電位用の電極をできるだけ離隔させて設けなければならず、通常は、調査エリアから数km程度以上離れた地点に基準電位用の電極を設けていた。
【0009】
しかも、基準電位用の電極は、調査エリアに設けた電位差の計測装置と電気的に接続する必要があり、数kmにわたって配線を設置せねばならず、この配線が、野生動物などによって切断されることがたびたび生じるため、計測前には配線に断線が生じていないかを確認しなければならなかった。
【0010】
本発明者らは流体流動電位法のさらなる研究開発を行う中で、この問題点を解決可能とした本発明を成すに至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の地下流体観測装置では、被計測エリア内の所定位置にそれぞれ設置して地下を流動する流体によって生じた流動電流を検出する複数の検出部と、これら複数の検出部で検出された流動電流のデータを解析して流体の流動状態を特定する解析部とを備えた地下流体観測装置であって、検出部は、検出部を通る第1仮想直線上の2点間の電位差の時間変動を検出する第1電位変動検出手段と、検出部を通り、第1仮想直線と交差する第2仮想直線上の2点間の電位差の時間変動を検出する第2電位変動検出手段と、第1仮想直線と第2仮想直線との交点部分における磁場の時間変動を検出する磁場変動検出手段とをそれぞれし、前記解析部は、前記第1電位変動検出手段及び前記第2電位変動検出手段が検出した電位差の時間変動、並びに、前記磁場変動検出手段が検出した磁場の時間変動、を利用して特定した各検出部における電位の時間変動量に基づいて前記流体の流動状態を特定することとした。
【0012】
さらに、本発明の地下流体観測装置では、磁場変動検出手段を、互いに直交させて配置した3つの磁気センサ素子で構成したことにも特徴を有し、第1仮想直線と第2仮想直線とを直交させていることにも特徴を有するものである。
また、本発明の測定方法では、被計測エリア内の所定位置にそれぞれ設定される複数の検出ポイントの地下を流動する流体によって生じた流動電流を検出し、これら複数の検出ポイントで検出された前記流動電流のデータを解析して前記流体の流動状態を測定する測定方法であって、前記検出ポイントを通る第1仮想直線上の2点間の電位差の時間変動をそれぞれ検出する第1工程と、前記検出ポイントを通り、前記第1仮想直線と交差する第2仮想直線上の2点間の電位差の時間変動をそれぞれ検出する第2工程と、前記第1仮想直線と前記第2仮想直線との交点部分における磁場の時間変動をそれぞれ検出する第3工程と、を含み、前記第1工程及び前記第2工程において検出した電位差の時間変動、並びに、前記第3工程において検出した磁場の時間変動、を利用して特定した各検出ポイントにおける電位の時間変動量に基づいて前記流体の流動状態を測定することに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の地下流体観測装置では、従来の流体流動電位法における第1電位変動検出手段と第2電位変動検出手段とによる電位の時間変動の検出だけでなく、磁場変動検出手段で磁場の時間変動を検出することにより、電位の時間変動量を反映した磁場の時間変動量を利用して電位の時間変動量を、基準電位を用いることなく特定できるので、基準電位を不要として検出部の配設作業を極めて容易とすることができる。
【0014】
しかも、各検出部を設置した設置点での電位をそれぞれ特定できるので、設置点ごとに独立した多点同時計測を可能とすることができ、地下における流体の流動状態をリアルタイムでモニタリングすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の地下流体観測装置は、被計測エリア内の所定位置にそれぞれ設置して地下を流動する流体によって生じた流動電流を検出する検出部と、この検出部で検出された流動電流のデータを解析して流体の流動状態を特定する解析部とを備えた地下流体観測装置であって、検出部において電位の変動とともに、電位の変動にともなって生じる磁場の変動を検出しているものである。
【0016】
このように、検出部では磁場の変動を検出することにより、マクスウェル方程式として知られる電場と磁場の関係式に基づいて、磁場の変動のデータから電位の変動におけるより詳細な変動のデータを生成できるので、こうして得られた電位のデータから流動電流の向き及び大きさをより詳細に特定することができる。
【0017】
本発明者らは、このように電位の変動だけでなく、磁場の変動を検出して利用する電気探査法を「流体流動電磁法」と呼んでいる。
【0018】
流体流動電磁法では、従来の流体流動電位法のように電位測定の基準となる基準電位の設定を不要とすることができるので、基準電位の設定及び管理の手間を省くことができ、大きく省力化することができる。
【0019】
また、流体流動電磁法では、第1電位変動検出手段と第2電位変動検出手段でそれぞれ検出した電位差の変動に対して、磁場変動検出手段で検出した磁場の変動から特定される電位差の変動に基づいて、各検出手段での検出結果に含まれるノイズなどの外乱の影響を排除しやすくすることができるので、より高精度化することができる。
【0020】
特に、流体流動電磁法では、磁場変動検出手段を、互いに直交させて配置した3つの磁気センサ素子で構成することにより、各測定点部分での流動電流の向き及び大きさを精度よく特定できるので、リアルタイムで流体の流動状態をモニタリングすることができる。
【0021】
なお、磁場変動検出手段では、3つの磁気センサ素子を必ずしも互いに直交させて配置する必要はなく、3つの磁気センサ素子を3次元空間内で一次独立な方向に向けてそれぞれ配置してもよいが、互いに直交させて配置することにより検出結果の解析処理の負担を軽減できる。
【0022】
また、第1電位変動検出手段と第2電位変動検出手段は、必ずしも第1仮想直線と第2仮想直線とを直交させる必要はなく、第1仮想直線と第2仮想直線とをそれぞれ一次独立な方向に設けてもよいが、第1仮想直線と第2仮想直線とを直交させることにより、検出結果の解析処理の負担を軽減できる。さらに、電位差の変動の検出は、同一直線上にない3つ以上の電極を用いて測定してもよく、電極の数を増やすことにより電位差の変動の検出精度を向上させることができる。
【0023】
図1は、本実施形態の地下流体観測装置の概略説明図である。地下流体観測装置は、被計測エリアS内の所定位置にそれぞれ設置した複数の検出部10と、この検出部10で検出された流動電流のデータを解析して流体の流動状態を特定する解析部20とで構成されている。
【0024】
本実施形態では、解析部20は、各検出部10で検出されたデータを一時的に記録する記憶手段、及び各検出部10に電力を供給する電極供給手段を備えたサーバ21と、このサーバ21の記憶手段に記憶されたデータを解析するパーソナルコンピュータ22で構成されている。なお、サーバ21とパーソナルコンピュータ22とを一体的に構成してもよい。図1中、23はサーバ21と各検出部10を接続した配線である。
【0025】
パーソナルコンピュータ22には解析プログラムをインストールしており、この解析プログラムで所定のデータを解析することにより各検出部10が設置された観測点での流動電流を特定し、パーソナルコンピュータ22のディスプレイに観測対象の流体の流動状態を表示可能としている。
【0026】
検出部10は、図2に示すように、所要の保護ケース11内に収容した制御回路12と、この制御回路12に所定の導通用配線a,b,c,dを介して接続した第1電極13a、第2電極13b、第3電極13c、第4電極13dと、保護ケース11内に収容した3軸グラジオメータ14とで構成している。
【0027】
検出部10は、3軸グラジオメータ14による地下の磁場の変動を検出しやすくするために、保護ケース11を地中に埋設することとしており、保護ケース11は、内部への水分の浸入を防止する水密構造としている。また、保護ケース11は、3軸グラジオメータ14で検出する磁場に影響を与えないようにプラスチック製としている。
【0028】
図2中、15は全ての測定点での測定時刻を高精度に同期するGPSのアンテナであり、地中に埋設した検出部10の保護ケース11から、このアンテナ15を地上に露出させて受信感度を向上させるとともに、検出部10の埋設位置をわかりやすくすることができる。
【0029】
第1~4電極13a,13b,13c,13dは、所定位置への設置後に設置位置が移動しない程度の大きさとなっていればよく、本実施形態では、直径30mm、厚み100mmの多孔質製非分極電極としている。
【0030】
本実施形態では、第1電極13aと第2電極13bを一組として制御回路12とともに第1電位変動検出手段を構成するものと、第3電極13cと第4電極13dを一組として制御回路12とともに第2電位変動検出手段を構成するものとしている。
【0031】
第1電極13aと第2電極13bは、検出部10を通る第1仮想直線上であって、検出部10からほぼ等距離にそれぞれ配置して、第1電極13aと第2電極13bの2点間の電位差の変動を制御回路12で検出可能としている。本実施形態では、第1電極13aと第2電極13bは、検出部10からそれぞれ5mの距離に配置して、第1電極13aと第2電極13bの間の間隔寸法を10mとしている。
【0032】
第3電極13cと第4電極13dは、検出部10を通る第2仮想直線上であって、検出部10からほぼ等距離にそれぞれ配置して、第3電極13cと第4電極13dの2点間の電位差の変動を制御回路12で検出可能としている。本実施形態では、第3電極13cと第4電極13dは、検出部10からそれぞれ5mの距離に配置して、第3電極13cと第4電極13dの間の間隔寸法を10mとしている。
【0033】
第1仮想直線と第2仮想直線とは直交させており、第1仮想直線と第2仮想直線の交点部分に検出部10を位置させている。第1仮想直線と第2仮想直線を直交させておくことにより、第1電位変動検出手段と第2電位変動検出手段でそれぞれ検出された電位の変動のデータの解析における演算を簡素化できるので、解析処理の高速化を図ることができる。
【0034】
また、第1仮想直線と第2仮想直線の交点部分に検出部10を位置させて、この検出部10に設けた3軸グラジオメータ14で磁場の変動を検出することにより、検出された磁場の変動のデータの解析により得られる電位の変動のデータと、第1電位変動検出手段及び第2電位変動検出手段でそれぞれ検出された電位の変動のデータの解析における演算を簡素化できるので、解析処理の高速化を図ることができる。
【0035】
特に、3軸グラジオメータ14では、3軸のうちの1軸を第1仮想直線と平行とし、3軸のうちの他の1軸を第2仮想直線と平行とすることにより、解析処理のさらなる高速化を図ることができる。
【0036】
3軸グラジオメータ14は、本実施形態では、第1磁気センサ素子14eのセンサ部と、第2磁気センサ素子14fのセンサ部と、第3磁気センサ素子14gのセンサ部を互いに直交させて配置して構成している。
【0037】
第1~3磁気センサ素子14e,14f,14gは、いわゆるMI(Magneto-Impedance effect)センサであって、本実施形態ではそれぞれ磁場勾配を計測している。
【0038】
図2中、14e-Bは第1磁気センサ素子14eの回路部、14f-Bは第2磁気センサ素子14fの回路部、14g-Bは第3磁気センサ素子14gの回路部であり、それぞれ接続配線束e,f,gを介して制御回路12と接続している。接続配線束e,f,gは、それぞれ複数本の導通用配線で構成して、各回路部14e-B,14f-B,14g-Bへの供給、及び制御回路12への信号出力を可能としている。
【0039】
制御回路12には、サーバ21に接続した配線23を接続して、サーバ21への所定のデータ信号を出力可能としている。また、配線23を介して制御回路12に電力を供給している。さらに、本実施形態では、制御回路12は、配線23によって隣り合った検出部10を直列接続してサーバ21に接続可能としており、配線23の必要量を低減させている。
【0040】
このように構成した検出部10は、図1に示すように、必ずしも被計測エリアSに縦横に並べて配設する必要はなく、各検出部10の配設位置が正しく特定できればよい。特に、本実施形態では、各検出部10の配設位置の緯度情報及び経度情報によって検出部10の位置を特定している。
【0041】
図3は、上述した検出部10で実際に電位の変動と磁場の変動を計測した際の計測データであって、この場合では、電位(図3中の一点鎖線)の低下にともなって3軸グラジオメータ14の第1磁気センサ素子14e(図3中の実線)、第2磁気センサ素子14f(図3中の点線)、第3磁気センサ素子14g(図3中の破線)においてそれぞれ磁場の変動が検出されていることが分かる。この第1~3磁気センサ素子14e,14f,14gの検出結果から、マクスウェル方程式に基づいて流動電流の向き及び大きさの変動状態を特定できる。
【0042】
なお、上述した検出部10と解析部20から構成した地下流体観測装置では、流動電流の向き及び大きさを検出することはできるが、それが実際の流体の流量を直接的に示しているものではない。
【0043】
そこで、被計測エリアSにはボーリングを行って、観測対象の流体の実質的な流量の計測を行う計測手段を設けて、この計測手段で得られた流体の流動状態の実測値と、流動電流の観測値とからリアルタイムで流体の流動状態をモニタリングしている。この場合、実質的な流量の計測を行う計測手段は、被計測エリアS内で複数箇所に設けることによって、高精度化することができる。
【0044】
なお、流体流動電磁法が用いられる場合は、通常、地下水の汲み上げ、加圧水などを用いた石油の強制回収、地熱発電用の熱水の汲み上げまたは地下還元などのように、被計測エリアSにおいて少なくとも1箇所にはボーリングが必要であるため、このボーリング孔に所要の計測手段を設けることができる。
【0045】
上述した実施形態では、配線23を介して解析部20のサーバ21と検出部10とを有線接続しているが、各検出部10にそれぞれバッテリなどの電源を設けるとともに、無線通信手段を設けて、図4に示すように、解析部20のサーバ21と検出部10とを無線通信により接続してもよい。このように、解析部20のサーバ21と検出部10とを無線接続とすることにより、検出部10の配設作業をより簡便とすることができる。図4中、24はサーバ21に接続した送受信用のアンテナ装置である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係る地下流体観測装置の概略説明図である。
【図2】検出部の概略説明図である。
【図3】検出部による検出結果のグラフである。
【図4】他の実施形態の地下流体観測装置の概略説明図である。
【符号の説明】
【0047】
S 被計測エリア
10 検出部
11 保護ケース
12 制御回路
13a 第1電極
13b 第2電極
13c 第3電極
13d 第4電極
14 3軸グラジオメータ
14e 第1磁気センサ素子
14f 第2磁気センサ素子
14g 第3磁気センサ素子
15 アンテナ
20 解析部
21 サーバ
22 パーソナルコンピュータ
23 配線
a 導通用配線
b 導通用配線
c 導通用配線
d 導通用配線
e 接続配線束
f 接続配線束
g 接続配線束
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3