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明細書 :第1級アリルアミン化合物の製法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5557460号 (P5557460)
公開番号 特開2010-229079 (P2010-229079A)
登録日 平成26年6月13日(2014.6.13)
発行日 平成26年7月23日(2014.7.23)
公開日 平成22年10月14日(2010.10.14)
発明の名称または考案の名称 第1級アリルアミン化合物の製法
国際特許分類 C07C 209/16        (2006.01)
C07B  53/00        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
C07C 211/28        (2006.01)
C07C 211/40        (2006.01)
C07C 213/02        (2006.01)
C07C 217/56        (2006.01)
C07D 211/72        (2006.01)
FI C07C 209/16
C07B 53/00 B
C07B 61/00 300
C07C 211/28
C07C 211/40
C07C 213/02
C07C 217/56
C07D 211/72
請求項の数または発明の数 2
全頁数 9
出願番号 特願2009-078342 (P2009-078342)
出願日 平成21年3月27日(2009.3.27)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 日本化学会第89春季年会(千葉)、社団法人日本化学会、平成21年3月27日 American Chemical Society,Journal of The American Chemical Society,2009,131(12),4200-4201、平成21年3月5日
審判番号 不服 2013-000001(P2013-000001/J1)
審査請求日 平成22年6月22日(2010.6.22)
審判請求日 平成25年1月3日(2013.1.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】小林 修
【氏名】永野 高志
個別代理人の代理人 【識別番号】100113022、【弁理士】、【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
参考文献・文献 特公昭49-20162(JP,B1)
特開2004-107340(JP,A)
特開平01-153660(JP,A)
調査した分野 C07B 61/00
C07C209/16
C07C211/28
C07C211/40
C07C213/02
C07C217/56
C07D211/72
C07B 53/00
特許請求の範囲 【請求項1】
パラジウム触媒の存在下、1,4-ジオキサン中で下式(化1)
【化1】
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(式中、R3及びR4はともにフェニル基若しくはフェネチル基、又は、R3及びR4が一緒になってプロピレン基、1個の炭素原子が窒素原子で置換されたプロピレン基、エチレン基若しくはブチレン基を形成したものを表し、Rは水素原子、フェニル基、p-MeOC6H4-、m-NO2C6H4-、3,5-(CF3) 2C6H3-、又は-(CH2) 3Phを表し、Xはアセトキシ基、又はOCOMeを表す。)で表されるアリルアセテートまたはアリルカーボネートと、アンモニア(NH)とを、-78~60℃で反応させる第1級アリルアミン化合物を製造する方法。
【請求項2】
前記アンモニア(NH)としてアンモニア水を使用する請求項1に記載の方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、パラジウム触媒を用いて第1級アリルアミン化合物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パラジウム触媒を用いるアリル位アミノ化反応では、アンモニアを用いることはできないとされている(非特許文献1)。そのため、種々のアンモニア等価体を用いて反応を行い、一級アミンを得るためにさらに生成物を脱保護する必要があった。例えば、これまでに、4,4-ジメトキシベンズヒドリルアミン(非特許文献2)、トルエンスルホンアミド(非特許文献3)、フタルイミド(非特許文献4)、ジ-t-ブチルイミノジカーボネート(非特許文献5)、アジド(非特許文献6)などをアンモニア等価体とする反応が報告されている。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】Johannsen, M.; Jorgensen, K. A. Chem. Rev. 1998, 98, 1689.
【非特許文献2】Trost, B. M.; Keinan, E. J. Org. Chem. 1979, 44, 3451.
【非特許文献3】Bystrom, S. E.; Aslanian, R.; Backvall, J.-E. Tetrahedron Lett. 1985, 26, 1749.
【非特許文献4】Inoue, Y.; Taguchi, M.; Toyofuku, M.; Hashimoto, H. Bull. Chem. Soc. Jpn. 1984, 57, 3021.
【非特許文献5】Connell, R. D.; Rein, T.; Akermark, B.; Helquist, P. J. Org. Chem. 1988, 53, 3845.
【非特許文献6】Murahashi, S.-I.; Taniguchi, Y.; Imada, Y.; Tanigawa, Y. J. Org. Chem. 1989, 54, 3292.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、アンモニア等価体を用いる反応は溶媒等が高価であるという問題がある。
このようなことから、本発明は、アンモニア等価体を不要とし、アンモニアから直接、保護されていない第1級アリルアミン化合物を製造する方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、本発明の方法は、パラジウム触媒の存在下、1,4-ジオキサン中で下式(化1)
【化1】
JP0005557460B2_000002t.gif
(式中、R3及びR4はともにフェニル基若しくはフェネチル基、又は、R3及びR4が一緒になってプロピレン基、1個の炭素原子が窒素原子で置換されたプロピレン基、エチレン基若しくはブチレン基を形成したものを表し、Rは水素原子、フェニル基、p-MeOC6H4-、m-NO2C6H4-、3,5-(CF3) 2C6H3-、又は-(CH2) 3Phを表し、Xはアセトキシ基、又はOCOMeを表す。)で表されるアリルアセテートまたはアリルカーボネートと、アンモニア(NH)とを、-78~60℃で反応させる第1級アリルアミン化合物を製造するものである。
【0006】
前記アンモニア(NH)としてアンモニア水を使用ることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、アンモニア等価体を不要とし、アンモニアから直接、保護されていない第1級アリルアミン化合物を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、パラジウム触媒の存在下、1,4-ジオキサン中で下式(化1)
【化1】
JP0005557460B2_000003t.gif
(式中、R3及びR4はともにフェニル基若しくはフェネチル基、又は、R3及びR4が一緒になってプロピレン基、1個の炭素原子が窒素原子で置換されたプロピレン基、エチレン基若しくはブチレン基を形成したものを表し、Rは水素原子、フェニル基、p-MeOC6H4-、m-NO2C6H4-、3,5-(CF3) 2C6H3-、又は-(CH2) 3Phを表し、Xはアセトキシ基、又はOCOMeを表す。)で表されるアリルアセテートまたはアリルカーボネートと、アンモニア(NH)とを、-78~60℃で反応させ、第1級アリルアミン化合物を製造する方法である。

【0010】
パラジウム触媒としては、例えば化学反応に用いる種々のものを使用することができ、パラジウム錯体、酸化パラジウム、塩化パラジウム、テトラアンミンパラジウム等が挙げられる。パラジウム触媒は、反応系内でその一部でも溶解するものであれば使用できる。触媒の形態も、例えば粉末、粒状等とすることができる。
特に、有機化合物を配位子としてもつパラジウム錯体が好ましく、例えば脂環式炭化水素であるジエン類(例えばシクロオクタジエン(cod)、ホスフィン化合物(例えばトリフェニルホスフィン、トリ(o-トリルホスフィン))が配位したものが例示できる。具体的に、Pd(PPh3)4、[PdCl(allyl)]2が挙げられる。

【0011】
本発明の方法では、溶媒は特に制限はないが、アンモニア等価体が不要でアンモニアから直接、保護されていない第1級アリルアミン化合物を製造できるため、高価な溶媒を必要とせず、水または低級アルコールおよび水と混和するTHF(テトラヒドロフラン)やジオキサンなどを好適に用いることができる。

【0012】
反応に用いるアンモニア(NH)としては、アンモニア水(1~25%)又はアンモニアガスを溶解した溶剤などを例示することができる。アンモニアとして液体アンモニアを使用する場合には、溶媒としてアルコールを用いることが好ましく、アンモニアとしてアンモニア水を使用する場合には、溶媒として含水有機溶媒、又は有機溶媒を含まない水溶液を用いることが好ましい。
溶媒中の各成分の濃度はそれぞれ0.01~5mol/lであることが好ましい。
この反応の温度は、好ましくは-78~60℃である。
この反応時間は、数分~数10時間程度である。
この反応系には上記成分のほか、適宜、触媒や界面活性剤等の公知の添加剤を添加してもよい。

【0013】
以上の反応により、下式(化2)
【化2】
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で表される第1級アリルアミン化合物が生成物として得られる。生成物は抽出、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の一般的精製法を利用して回収できる。

【0014】
このようにして製造した第1級アリルアミン化合物は、医薬中間体等の用途に用いることができる。

【0015】
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
なお、パラジウム触媒としては、Pd(PPh3)4、または[PdCl(allyl)]2(いずれも和光純薬社製)を用いた。(R)-BINAP は東京化成社製を用いた。アンモニア水(25%)は和光純薬社製を用いた。
1H NMR と 13C NMR は 日本電子社製のJEOL JNM-ECX-400, JNM-ECX-500または、 JNM-ECX-600を使用した。又、CDCl3 を溶媒とし、テトラメチルシラン (δ = 0、 1H NMR) またはCDCl3 (δ = 77.0、13C NMR)を内部標準物質に用いて測定した。カラムクロマトグラフィーには、シリカゲル(Silica gel 60 、メルク社製)を使用し、調整用薄層クロマトグラフィーには、Wakogel B-5Fを使用した。

【0016】
<実施例1>
表1に示す基質(アリルアセテートまたはアリルカーボネート)(0.3 mmol)を、1,4-ジオキサン/アンモニア水混合溶媒(体積比2/1)に溶解させ、この溶液にPd(PPh3)4 (35 mg, 0.03 mmol)を加えた。アリルアセテートまたはアリルカーボネートの添加量は、表1の反応条件A(0.04M)又はB(0.11M)の濃度になるようにした。
反応液を室温にて表1の反応条件A(18時間)又はB(12時間)で撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5.0 mL) を加えて希釈した。反応液をジクロロメタンで3回抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮し、粗生成物を得た。薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/イソプロピルアミン=19/1)により精製し、目的とするアリルアミンを得た。反応式を式(3)に示し、結果を表1に示す。

【0017】
【化3】
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【0018】
【表1】
JP0005557460B2_000006t.gif



【0019】
各実験例の基質の作製方法と、生成物の同定結果を以下に示す。
実験例1
基質であるアリル化合物((E)-1,3-Diphenylallyl acetate)は、文献A(Nemoto, T.; Jin, L.; Nakamura, H.; Hamada, Y. Tetrahedron Lett. 2006, 47, 6577.)に従い合成した。
生成物のアリルアミン:(E)-1,3-Diphenyl-2-propene-1-amine (2a). 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.41-7.19 (m, 10H), 6.59 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.37 (dd, J = 16.0, 6.4 Hz, 1H), 4.71 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.14 (brs, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 144.0, 136.8, 133.3, 129.3, 128.6, 128.5, 127.5, 127.3, 126.7, 126.4, 57.9.

【0020】
実験例2
基質であるアリル化合物((E)-1,7-Diphenylhept-4-en-3-yl acetate)は、文献Aに従い合成した。
生成物のアリルアミン:(E)-1,7-Diphenylhept-4-en-3-amine (2b). 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.30-7.15 (m, 10H), 5.56 (dt, J =16.0, 6.4 Hz, 1H), 5.39 (dd, J = 16.0, 7.2 Hz, 1H), 3.25 (dt, J = 7.2, 6.8 Hz, 1H), 2.70 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 2.58 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 2.36 (dt, J = 7.2, 8.0 Hz, 2H), 1.69 (m, 2H), 1.33 (brs, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 142.2, 141.7, 135.5, 129.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.2, 125.8, 125.7, 53.4, 39.4, 35.7, 34.0, 32.4. IR (neat): 3365 (N-H), 3026, 2924, 1603 (N-H), 970, 746, 699 cm-1. HRMS (ESI): calcd for C19H24N+ (M+H+) 266.1903, found 266.1897.

【0021】
実験例3
基質であるアリル化合物(2-Phenyl-3-[(methoxycarbonyl)oxy]-1-cyclohexene)は、文献B(Mori, M.; Kuroda, S.; Zhang, C.-S.; Sato, Y. J. Org. Chem. 1997, 62, 3263.)に従い合成した。
生成物のアリルアミン:2-Phenylcyclohex-2-enamine (2c). 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.37-7.22 (m, 5H), 5.98 (appt, J = 4.0, 1H), 3.94 (brm, 1H), 2.21-2.15 (m, 2H), 1.99-1.93 (m, 2H), 1.77-1.64 (m, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 141.7, 141.2, 128.4, 126.8, 126.7, 126.2, 46.6, 32.3, 26.0, 18.2. IR (neat): 3366 (N-H), 2929, 1597 (N-H), 1493, 1443, 761, 698 cm-1. HRMS (ESI): calcd for C12H16N+ (M+H+) 174.1277, found 174.1271.

【0022】
実験例4
基質であるアリル化合物(2-(4-Methoxyphenyl)-3-[(methoxycarbonyl)oxy]-1-cyclohexene)は、文献Bに従い合成した。
生成物のアリルアミン:2-(4-Methoxyphenyl)cyclohex-2-enamine (2d). 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.89 (appt, J = 4.0 Hz, 1H), 3.89 (brm, 1H), 3.81 (s, 3H), 2.18-2.15 (m, 2H), 1.95-1.91 (m, 1H), 1.75-1.65 (m, 3H), 1.41 (brs, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 158.5, 140.9, 133.6, 127.1, 125.3, 113.7, 55.2, 46.6, 32.3, 26.0, 18.1. IR (neat): 3369 (N-H), 2931, 1606 (N-H), 1511, 1247 (C-O-C), 1180, 1038 (C-O-C), 836, 808 cm-1. HRMS (ESI): calcd for C13H18NO+ (M+H+) 204.1383, found 204.1386.

【0023】
実験例5
基質であるアリル化合物(2-(3-Nitrophenyl)-3-[(methoxycarbonyl)oxy]-1-cyclohexene)は、文献Bに従い合成した。
生成物のアリルアミン:2-(3-Nitrophenyl)cyclohex-2-enamine (2e). 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ8.29 (m, 1H), 8.10-8.07 (m, 1H), 7.75 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.49 (m, 1H), 6.14 (appt, J = 4.0 Hz, 1H), 3.95 (brm, 1H), 2.31-2.16 (m, 2H), 2.01-1.92 (m, 1H), 1.84-1.66 (m, 3H), 1.33 (brs, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ148.3, 143.0, 139.4, 132.1, 129.6, 129.2, 121.5, 121.0, 46.5, 32.8, 26.0, 17.5. IR (neat): 3374 (N-H), 2930, 1525 (N-O), 1348 (N-O), 803, 739 cm-1. HRMS (ESI): calcd for C12H15N2O2+ (M+H+) 219.1128, found 219.1141.

【0024】
実験例6
基質であるアリル化合物(2-{3,5-Bis(trifluoromethyl)phenyl}-3-[(methoxycarbony)oxy]-1-cyclohexene)は、文献Bに従い合成した。
生成物のアリルアミン:2-{3,5-Bis(trifluoromethyl)phenyl}cyclohex-2-enamine (2f). 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ7.88 (s, 2H), 7.74 (s, 1H), 6.16 (appt, J = 3.8 Hz, 1H), 3.93-3.92 (brm, 1H), 2.30-2.20 (m, 2H), 2.00-1.93 (m, 1H), 1.81-1.69 (m, 3H), 1.34 (brs, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ143.5, 139.1, 131.5 (q, JCF = 33 Hz), 126.3, 123.4 (q, JCF = 273 Hz), 120.43 (m), 46.7, 32.8, 26.0, 17.4. IR (neat): 3379, 2935, 1384, 1281, 1173, 1133, 895, 685 cm-1. HRMS (ESI): calcd for C14H14F6N+ (M+H+) 310.1025, found 310.1027.

【0025】
実験例7
基質であるアリル化合物(2-(3-Phenylpropyl)-3-[(methoxycarbonyl)oxy]-1-cyclohexene)は、文献Bに従い合成した。
生成物のアリルアミン:2-(3-Phenylpropyl)cyclohex-2-enamine (2g). 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ7.29-7.16 (m, 5H), 5.46 (brm, 1H), 3.22 (brm, 1H), 2.67-2.55 (m, 2H), 2.21-1.51 (m, 10H), 1.35 (brs, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ142.5, 140.1, 128.4, 128.2, 125.6, 123.3, 47.8, 35.6, 33.9, 33.0, 29.7, 25.4, 18.5. IR (neat): 3367 (N-H), 2928, 1603 (N-H), 1496, 1453, 1076, 749, 699 cm-1. HRMS (ESI): calcd for C15H22N+ (M+H+) 216.1747, found 216.1742.

【0026】
実験例8
基質であるアリル化合物(N-p-Toluensulfonyl-5-methoxycarbonyl-3-piperidene)は、文献C(Takahata, H.; Suto, Y.; Kato, E.; Yoshimura, Y.; Ouchi, H. Adv. Synth. Catal. 2007, 349, 685.)に従い合成した。
生成物のアリルアミン:1,2,3,6-Tetrahydro-1-tosylpyridin-3-amine (2h). 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ7.67 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.80-5.76 (m, 1H), 5.70-5.6 (m, 1H), 3.63-3.58 (m, 1H), 3.47-3.42 (m, 2H), 3.21 (dd, J = 12.0, 4.0 Hz, 1H), 2.94 (dd, J = 12.0, 4.0 Hz, 1H), 2.44 (s, 3H), 1.38 (brs, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ143.6, 132.9, 130.1, 129.6, 127.5, 123.5, 51.4, 46.0, 44.7, 21.4. IR (neat): 3371 (N-H), 3036, 2839, 1597 (N-H), 1455, 1345 (S=O), 1165 (S=O), 1092, 970, 819, 684, 571, 550 cm-1. HRMS (ESI): calcd for C12H17O2N2S+ (M+H+) 253.1005, found 253.1007.

【0027】
実験例9
基質であるアリル化合物(2-Phenyl-3-[(methoxycarbonyl)oxy]-1-cyclopentene)は、文献Bに従い合成した。
生成物のアリルアミン:2-Phenylcyclopent-2-enamine (2i). 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ7.47-7.23 (m, 5H), 6.12 (brm, 1H), 4.42-4.41 (m, 1H), 2.62-2.56 (m, 1H), 2.46-2.39 (m, 2H), 1.75-1.71 (m, 1H), 1.48 (brs, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ146.6, 135.4, 128.6, 127.7, 127.1, 126.1, 57.3, 34.2, 30.4. IR (KBr): 3390 (N-H), 2931, 1606 (N-H), 1561, 1465, 1369, 1345, 756, 693 cm-1. HRMS (ESI): calcd for C11H14N+ (M+H+) 160.1121, found 160.1129.

【0028】
実験例10
基質であるアリル化合物(2-Phenyl-3-[(methoxycarbonyl)oxy]-1-cycloheptene)は、文献Bに従い合成した。
生成物のアリルアミン:2-Phenylcyclohept-2-enamine (2j). 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ7.33-7.20 (m, 5H), 5.89 (dd, J = 6.0, 7.2 Hz, 1H), 4.02-4.00 (m, 1H), 2.37-2.27 (m, 2H), 2.03-1.69 (m, 5H), 1.62-1.55 (m, 1H), 1.40 (brs, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 144.8, 144.1, 130.1, 128.0, 126.6, 126.5, 54.1, 34.0, 27.5, 27.0, 24.9. IR (neat): 3370 (N-H), 2923, 2850, 1598 (N-H), 1489, 1443, 757, 699 cm-1. HRMS (ESI): calcd for C13H18N+ (M+H+) 188.1434, found 188.1442.

【0029】
<実施例2>
不斉アリル位アミノ化反応の実施例
1,3-ジフェニルアリルアセテート(76 mg, 0.3 mmol)及び (R)-BINAP (15 mg, 0.024 mmol)を1,4-ジオキサン(4.0 mL)及びアンモニア水(2.5 mL)に溶解し、基質溶液を調整した。一方、[PdCl(h3-allyl)]2 (5.5 mg, 0.015 mmol)と(R)-binap (22 mg, 0.036 mmol)とを、1,4-ジオキサン(1.0 mL)中で5分撹拌し、この溶液を基質溶液に投入し、反応液を室温にて18時間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (5.0 mL)を加えて希釈した。この希釈液をジクロロメタンで抽出する工程を3回繰り返し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、減圧濃縮し、粗生成物を得た。
粗生成物を、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/イソプロピルアミン=19/1)により精製し、目的とする生成物である(R)-1,3-ジフェニルアリルアミン (44.4 mg, 0.21 mmol)を収率71%で得た。生成物の[a]D16 = +38.2 (c 0.86, CH2Cl2)であった。ここで、エナンチオマー過剰率は以下の分析条件を用いて決定した。 HPLC (Chiralpak AS-H, Hexane/i-PrOH/Et2NH = 95/5/0.05, flow rate 1.0 mL/min, UV detection at 254 nm) tR = 10.9 min (S), tR = 12.4 min (R).