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明細書 :管内面形状測定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5278878号 (P5278878)
公開番号 特開2010-223710 (P2010-223710A)
登録日 平成25年5月31日(2013.5.31)
発行日 平成25年9月4日(2013.9.4)
公開日 平成22年10月7日(2010.10.7)
発明の名称または考案の名称 管内面形状測定装置
国際特許分類 G01B  11/24        (2006.01)
FI G01B 11/24 B
G01B 11/24 K
請求項の数または発明の数 5
全頁数 10
出願番号 特願2009-070372 (P2009-070372)
出願日 平成21年3月23日(2009.3.23)
審査請求日 平成24年2月27日(2012.2.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504224153
【氏名又は名称】国立大学法人 宮崎大学
発明者または考案者 【氏名】川末 紀功仁
個別代理人の代理人 【識別番号】100085660、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 均
審査官 【審査官】岸 智史
参考文献・文献 特開平11-051650(JP,A)
特開平07-260446(JP,A)
特開平05-149885(JP,A)
特開2007-127525(JP,A)
特開2004-144644(JP,A)
特開2002-048513(JP,A)
特許第3837431(JP,B2)
調査した分野 G01B11/00-11/30
G01C1/00-15/14
G01N21/84-21/958
特許請求の範囲 【請求項1】
管内面の表面形状を三次元的に測定する管内面形状測定装置であって、前記管内面の周方向に光を照射して該管内面の形状測定にも用いる光リングを生成する光照射手段と、前記光リング及び該光リングにより照明された文様を撮像する撮像手段と、前記撮像手段を管内の軸方向へ移動させたときの該撮像手段により撮像された前記光リングの径の値、及び前記文様の移動量に基づいて該撮像手段の移動距離を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする管内面形状測定装置。
【請求項2】
前記演算手段は、前記光リングにより照明された文様のうち、該光リングを挟んで互いに180度の位置に存在する2つの文様を検査領域文様として設定し、前記撮像手段が移動したときに前記検査領域文様間の距離の相対的な変化量と前記光リングの径の値に基づいて該撮像手段の移動距離を演算することを特徴とする請求項1に記載の管内面形状測定装置。
【請求項3】
前記演算手段は、前記検査領域文様を複数設定し、前記撮像手段が移動したときにおける夫々の前記検査領域文様間の距離の相対的な変化量と前記光リングの径の値に基づいて該撮像手段の移動距離を夫々演算し、該演算結果の平均値をもって該撮像手段の移動距離とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の管内面形状測定装置。
【請求項4】
前記演算手段は、前記撮像手段が移動する前の該撮像手段の焦点から前記検査領域文様までの距離をD1、前記撮像手段が移動した後の該撮像手段の焦点から前記検査領域文様までの距離をD2、前記撮像手段の焦点距離をf、前記管径をφ、受像面上の前記検査領域文様同士の間隔をu1、前記撮像手段が移動した後の前記受像面上の前記検査領域文様同士の間隔をu2とし、前記撮像手段と前記管が平行である場合、前記撮像手段の前進距離を、
JP0005278878B2_000017t.gifにより求めることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の管内面形状測定装置。
【請求項5】
前記演算手段は、前記撮像手段と前記管の中心のなす角をθとした場合、前記撮像手段の前進距離Lを、
L=(D1-D2)1/cosθ
により求めることを特徴とする請求項4に記載の管内面形状測定装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、管内面形状測定装置に関し、さらに詳しくは、小径管の管内表面の形状をリアルタイムに三次元的に測定する管内面形状測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、管内面形状測定を専用の測定装置により自動的に行う試みがなされており、例えば、特許文献1には、管内の形状を光により全方位に照射し、その撮像画像と管内の移動量に基づいて管内面の三次元形状を演算することにより、管内面の劣化状態を正確に且つ迅速に測定することが可能な管内面形状測定装置について開示されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特許第3837431号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術は、管径が30cm以上の大きい下水管等の測定に使用される目的で開発された発明であり、車輪の回転数から軸方向(z方向)の距離を算出しているため、管径が15cm以下の管には適用が難しいといった問題がある。現在の小径管の検査では、管内部に挿入した小型カメラを用いて目視観察を行っている。また、小径管形状を測定する場合、特許文献1の技術を利用することが想定されるが、本発明を小径管測定に適用するには、管軸方向の距離を測定する必要がある。一般的にはカメラヘッドに取り付けられたケーブルを送る長さを測定することにより、管軸方向の距離を測定するが、管内におけるケーブルの撓みのため、ケーブルを送る量と実際のカメラヘッドの移動量が一致しないため、正確な距離を測定できないといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、小径管内の形状を光により全方位に照射し、撮像手段を移動させたときに撮像された光リングの径の値、及び文様の移動量に基づいて撮像手段の移動距離を演算することにより、小径管内面の三次元形状を演算して、小径管内面の状態を正確に且つ迅速に測定することが可能な管内面形状測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、管内面の表面形状を三次元的に測定する管内面形状測定装置であって、前記管内面の周方向に光を照射して該管内面の形状測定にも用いる光リングを生成する光照射手段と、前記光リング及び該光リングにより照明された文様を撮像する撮像手段と、前記撮像手段を管内の軸方向へ移動させたときの該撮像手段により撮像された前記光リングの径の値、及び前記文様の移動量に基づいて該撮像手段の移動距離を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とする。
3次元形状を測定するには、2次元画像である管内面の画像と、管軸方向の距離の値が必要である。しかし、小径管の場合、管軸方向の距離を測定するために撮像手段に車輪等を備えて車輪の回転数等で測定することはサイズ的に困難である。そこで本発明では、撮像手段を移動(前進)させたときに撮像された光リングの径の値、及び撮影された文様の移動量に基づいて撮像手段の移動距離を演算する。即ち、光リングの径の値が異なると、撮像手段から管内面までの距離が変わるため、移動量の算出に管径を考慮する必要がある。また、撮像手段を前進させると、それに基づいて同じ文様が光リングの外側に移動することを利用する。これにより、小径管内面の三次元形状を演算して、小径管内面の状態を正確に且つ迅速に測定することができる。


【0006】
請求項2は、前記演算手段は、前記光リングにより照明された文様のうち、該光リングを挟んで互いに180度の位置に存在する2つの文様を検査領域文様として設定し、前記撮像手段が移動したときに前記検査領域文様間の距離の相対的な変化量と前記光リングの径の値に基づいて該撮像手段の移動距離を演算することを特徴とする。
本発明では、光リングにより照明された管内面の傷や塵で形成された文様の中から、光リングを挟んで180度の位置に存在する2つの文様を検査領域文様として設定する。そして、管内に撮像手段を前進させると、2つの文様は光リングの外側に移動する。本発明では、このときの光リングの径と文様の相対的な変化量から撮像手段の移動距離を演算する。これにより、管内面に存在する傷や塵の文様を有効に活用して、管径が変化した場合でも撮像手段の移動距離をリアルタイムに且つ正確に測定することができる。
【0007】
請求項3は、前記演算手段は、前記検査領域文様を複数設定し、前記撮像手段が移動したときにおける夫々の前記検査領域文様間の距離の相対的な変化量と前記光リングの径の値に基づいて該撮像手段の移動距離を夫々演算し、該演算結果の平均値をもって該撮像手段の移動距離とすることを特徴とする。
管内面には多くの傷や塵が存在する。従って、検査領域文様として設定できる数は多く存在する可能性がある。本発明では、一対の検査領域文様の相対的な変化量から撮像手段の移動距離を演算するのではなく、複数の検査領域文様を設定して演算し、それらの平均値を求めて移動距離とする。これにより、文様検出の信頼性と移動距離の正確性を高めることができる。
【0008】
請求項4は、前記演算手段は、前記撮像手段が移動する前の該撮像手段の焦点から前記検査領域文様までの距離をD1、前記撮像手段が移動した後の該撮像手段の焦点から前記検査領域文様までの距離をD2、前記撮像手段の焦点距離をf、前記管径をφ、受像面上の前記検査領域文様同士の間隔をu1、前記撮像手段が移動した後の前記受像面上の前記検査領域文様同士の間隔をu2とし、前記撮像手段と前記管が平行である場合、前記撮像手段の前進距離を、
JP0005278878B2_000002t.gifにより求めることを特徴とする。
撮像手段と管が平行である場合、撮像手段を管内で前進させると、受像面上の検査領域文様は、光リングの外側に移動する。この移動を画像処理におけるパターンマッチングや画像相関によって追跡する。例えば、検査領域のサイズをm×nとし、カメラの前進前に撮影された画像をf、前進後に撮影された画像をgとする。また、検査領域内において、座標u、vにおけるそれぞれの画像の輝度値をf(u、v)およびg(u、v)として、
JP0005278878B2_000003t.gifとすると、αが最も小さくなる(du、dv)が検査領域の移動量となる。また、各数値間の相似関係より、次式が成り立つ。
JP0005278878B2_000004t.gifよって、カメラの前進距離は次式で表される。
JP0005278878B2_000005t.gif これにより、簡単な演算式により撮像手段の移動距離をリアルタイムに演算することができる。
【0009】
請求項5は、前記演算手段は、前記撮像手段と前記管の中心のなす角をθとした場合、前記撮像手段の前進距離Lを、L=(D1-D2)1/cosθにより求めることを特徴とする。
撮像手段と管が平行でない場合は、次式が成り立つ。
JP0005278878B2_000006t.gif
JP0005278878B2_000007t.gif ここで、カメラの中心線と管の中心のなす角をθとすると、カメラの前進距離Lは次式から求めることができる。
JP0005278878B2_000008t.gif これにより、撮像手段と管が平行でない場合でも、簡単な演算式により撮像手段の移動距離をリアルタイムに演算することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮像手段を移動(前進)させたときに撮像された光リングの径の値、及び撮影された文様の移動量に基づいて撮像手段の移動距離を演算するので、小径管内面の三次元形状を演算して、小径管内面の状態を正確に且つ迅速に測定することができる。
また、光リングにより照明された管内面の傷や塵で形成された文様の中から、光リングを挟んで180度の位置に存在する2つの文様を検査領域文様として設定し、管内に撮像手段を前進させたときの光リングの径と文様の相対的な変化量から、撮像手段の移動距離を演算するので、管内面に存在する傷や塵の文様を有効に活用して、管径が変化した場合でも撮像手段の移動距離をリアルタイムに且つ正確に測定することができる。
また、一対の検査領域文様の相対的な変化量から撮像手段の移動距離を演算するのではなく、複数の検査領域文様を設定して演算し、それらの平均値を求めて移動距離とするので、文様検出の信頼性と移動距離の正確性を高めることができる。
【0011】
また、撮像手段と管が平行である場合、カメラの前進距離は、
JP0005278878B2_000009t.gifで表されるので、簡単な演算式により撮像手段の移動距離をリアルタイムに演算することができる。
また、撮像手段と管が平行でない場合は、カメラの中心線と管の中心のなす角をθとすると、カメラの前進距離Lは、
JP0005278878B2_000010t.gifで表されるので、撮像手段と管が平行でない場合でも、簡単な演算式により撮像手段の移動距離をリアルタイムに演算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は本発明の管内面形状測定装置の撮像部が管内面を測定している状況を模式的に表した内部透視図であり、(b)は(a)におけるA部を拡大して示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る管内面形状測定装置の全体構成を表すブロック図である。
【図3】本発明の撮像部のカメラ5で撮影された文様画像の例を表す図である。
【図4】カメラと管が平行な場合のカメラの移動距離を演算する方法を説明する図である。
【図5】カメラと管が平行でない場合のカメラの移動距離を演算する方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1(a)は本発明の管内面形状測定装置の撮像部が管内面を測定している状況を模式的に表した内部透視図であり、図1(b)は図1(a)におけるA部を拡大して示す図である。本発明の撮像部12は、管10の内面の周方向に光を照射して管内面にレーザリング(光リング)9を生成するレーザ投光器(光照射手段)6と、レーザリング9及びレーザリング9により照明された文様を撮像するCCDカメラ(以下、単にカメラと呼ぶ)(撮像手段)5と、を備えている。尚、レーザ投光器6から照射されたレーザ光7は、コーンミラー8により管10の内面の周方向に光を照射して管内面にレーザリング9を生成する。尚、カメラ5の代わりに、例えば、実用化されているLED内蔵型工業用内視鏡にコーンミラー8を備えたレーザ投光器6を取り付け、内視鏡からの画像を管10の外側に設置したカメラ5により撮影する方法でも良い。
レーザ投光器6は管内面でレーザリング9を描き、その軌跡をカメラ5で撮影することにより、管径および形状を計測する(同一出願人より出願された特許第3837431号公報に開示された方法による)。また、図1(b)に示すように、レーザリング9が投光された位置の径(形状)が計測されるため、検出する文様の位置13の径は、レーザリング9の位置とほぼ同じであることが予測できる。そのため、検出する文様の位置13にある文様の移動量から管10の径を考慮した上で、カメラ5の移動量を算出する。

【0014】
図2は本発明の一実施形態に係る管内面形状測定装置の全体構成を表すブロック図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。この管内面形状測定装置50は、演算部11と撮像部12により構成され、演算部11は、撮像部12を管内の軸方向へ移動させたときのカメラ5により撮像されたレーザリング9の径の値、及び文様の移動量に基づいてカメラ5の移動距離を演算するPC(演算手段)1と、レーザ投光器6に備えられたレーザを駆動するレーザ駆動回路3と、カメラ5により撮影された画像を処理するイメージプロセッサ4と、演算結果を表示するモニタ2と、を備えている。また、撮像部12は、管10の内面の周方向に光を照射して管内面にレーザリング9を生成するレーザ投光器6と、レーザリング9及びレーザリング9により照明された文様を撮像するカメラ5と、を備えている。尚、レーザ投光器6から照射されたレーザ光7は、コーンミラー8により管10の内面の周方向に光を照射して管内面にレーザリング9を生成する。

【0015】
ここで、カメラ5の信号はイメージプロセッサ4に接続され、レーザ投光器6はレーザ駆動回路3により駆動される。またイメージプロセッサ4の出力信号はPC1に入力され、PC1はROM(Read Only Memory)1aに格納されているプログラムにより制御される。またPC1からは処理された三次元画像を表示するモニタ2が接続されている。尚、イメージプロセッサ4はカメラ5により撮像された画像データをPC1が処理し易いように変換する機能があり、カメラ5からの画像信号からレーザ輝線の座標をリアルタイムに演算するために回路をFPGA(Field Programmable Gate Array)により構成している。また、PC1はROM1aに組み込まれたプログラムにより構成されている。従って、カメラ5からのデータを加工してPC1に入力すれば、リアルタイムに演算を行いその結果をモニタ2上に表示することができる。
即ち、3次元形状を測定するには、2次元画像である管内面の画像と、管軸方向の距離が必要である。しかし、小径管の場合、管軸方向の距離を測定するためにカメラ5に車輪等を備えて車輪の回転数等で測定するにはサイズ的に困難である。そこで本実施形態では、カメラ5(実施形態では内視鏡13の先端に備えたレーザ投光器6とコーンミラー8)を移動(前進)させたときに撮像されたレーザリング9の径の値、及び撮影された文様の移動量に基づいてカメラ5の移動距離を演算する。即ち、レーザリング9の径の値が異なると、カメラ5から管内面までの距離が変わるため、移動量の算出に管径を考慮する必要がある。また、カメラ5を前進させると、それに基づいて同じ文様がレーザリング9の外側に移動することを利用する。これにより、小径管内面の三次元形状を演算して、小径管内面の状態を正確に且つ迅速に測定することができる。

【0016】
図3は本発明の撮像部のカメラ5で撮影された文様画像の例を表す図である。演算部11は、レーザリング9により照明された文様のうち、レーザリング9を挟んで互いに180度の位置に存在する2つの文様(図ではA-A´)を検査領域文様として設定し、カメラ5が前進したときに検査領域文様間の距離の相対的な変化量とレーザリング9の径の値φに基づいてカメラ5の移動距離を演算する。即ち、本実施形態では、レーザリング9により照明された管内面の傷や塵で形成された文様の中から、レーザリング9を挟んで180度の位置に存在する2つの文様、例えば、A-A´を検査領域文様として設定する。そして、管内にカメラ5を前進させると、2つの文様A-A´はレーザリング9の外側に(A)-(A´)のように移動する。本実施形態では、このときのレーザリング9の径φと文様の相対的な変化量からカメラ5の移動距離を演算する(演算方法は後述する)。これにより、管内面に存在する傷や塵の文様を有効に活用して、管径が変化した場合でもカメラ5の移動距離をリアルタイムに且つ正確に測定することができる。

【0017】
また、演算部11は、検査領域文様を複数設定し(図ではA-A´、B-B´、C-C´)、カメラ5が移動したときにおける夫々の検査領域文様間の距離の変化量とレーザリング9の径の値に基づいてカメラ5の移動距離を夫々演算し、この演算結果の平均値をもってカメラ5の移動距離とする。即ち、管内面には多くの傷や塵が存在する。従って、検査領域文様として設定できる数は多く存在する可能性がある。本実施形態では、一対の検査領域文様の相対的な変化量からカメラ5の移動距離を演算するのではなく、複数の検査領域文様A-A´、B-B´、C-C´を設定して演算し、それらの平均値を求めて移動距離とする。これにより、検出の信頼性と移動距離の正確性を高めることができる。

【0018】
図4はカメラと管が平行な場合のカメラの移動距離を演算する方法を説明する図である。演算部11は、カメラ5が移動する前のカメラ5の焦点から検査領域文様までの距離をD1、カメラ5が移動した後のカメラ5の焦点から検査領域文様までの距離をD2、カメラ5の焦点距離をf、管径をφ、受像面上の検査領域文様同士の間隔をu1、カメラ5が移動した後の受像面上の検査領域文様同士の間隔をu2とした場合、カメラ5を管内で前進させると、受像面上の検査領域文様A-A´は図4の矢印20、21の方向に移動する。この移動を画像処理におけるパターンマッチングや画像相関によって追跡する。例えば、検査領域のサイズをm×nとし、カメラ5の前進前に撮影された画像をf、前進後に撮影された画像をgとする。また、検査領域内において、座標u、vにおけるそれぞれの画像の輝度値をf(u、v)およびg(u、v)として、
JP0005278878B2_000011t.gifとすると、αが最も小さくなる(du、dv)が検査領域の移動量となる。

【0019】
また、図4の相似関係より、次式が成り立つ。
JP0005278878B2_000012t.gifよって、カメラの前進距離は次式であらわされる。
JP0005278878B2_000013t.gif 図3に示すように、検査領域文様は、レーザ軌跡の周囲に複数設定でき、対応する検査領域文様(互いに180度の位置にある検査領域文様A-A´、B-B´、C-C´)を複数検出することができる。したがって、これらの組からカメラの前進距離を求め、それを平均することで更に検出の信頼性を高めることができる。即ち、撮像手段と管が平行である場合、カメラ5の前進距離は、(2)式で表されるので、簡単な演算式により撮像手段の移動距離をリアルタイムに演算することができる。

【0020】
図5はカメラと管が平行でない場合のカメラの移動距離を演算する方法を説明する図である。カメラ5と管10が平行でない場合は図5のようになり、次式が成り立つ。
JP0005278878B2_000014t.gif
JP0005278878B2_000015t.gif
ここで、カメラ5の中心線22と管10の中心23のなす角をθとすると、カメラ5の前進距離Lは次式から求めることができる。
JP0005278878B2_000016t.gif また、本手法では、管径や管軸に対するカメラの傾きを前もって計測する必要があるが、この検出には特許第3837431号の手法を用いる。即ち、カメラ5と管10が平行でない場合、カメラ5の前進距離は、式(5)で表せるので、簡単な演算式によりカメラ5の移動距離をリアルタイムに演算することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 PC、2 モニタ、3 レーザ駆動回路、4 イメージプロセッサ、5 CCDカメラ、6 レーザ投光器、7 レーザ光、8 コーンミラー、9 レーザリング、10 管、11 演算部、12 撮像部、50 管内面形状測定装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4