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明細書 :移動装置用アクチュエータおよびロボット用移動装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5292610号 (P5292610)
公開番号 特開2011-016492 (P2011-016492A)
登録日 平成25年6月21日(2013.6.21)
発行日 平成25年9月18日(2013.9.18)
公開日 平成23年1月27日(2011.1.27)
発明の名称または考案の名称 移動装置用アクチュエータおよびロボット用移動装置
国際特許分類 B62D  57/024       (2006.01)
G05D   1/02        (2006.01)
FI B62D 57/02 B
G05D 1/02 X
請求項の数または発明の数 12
全頁数 16
出願番号 特願2009-163765 (P2009-163765)
出願日 平成21年7月10日(2009.7.10)
審査請求日 平成24年7月5日(2012.7.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】800000068
【氏名又は名称】学校法人東京電機大学
発明者または考案者 【氏名】富田 英雄
【氏名】菊池 一寿
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
【識別番号】100100712、【弁理士】、【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
【識別番号】100100929、【弁理士】、【氏名又は名称】川又 澄雄
【識別番号】100095500、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 正和
【識別番号】100101247、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 俊一
【識別番号】100098327、【弁理士】、【氏名又は名称】高松 俊雄
審査官 【審査官】谷治 和文
参考文献・文献 特開2006-198762(JP,A)
特開昭63-195072(JP,A)
特開昭63-166668(JP,A)
特開2000-117665(JP,A)
調査した分野 B62D 57/024
G05D 1/02
特許請求の範囲 【請求項1】
壁面に沿ってロボット本体を移動させるロボット用移動装置を構成する移動装置用アクチュエータであって、
移動体駆動手段と、
この移動体駆動手段により、前記壁面に対して接近、離反する方向へ移動させられる移動体と、
この移動体の前記壁面と対向する面に配置、保持され、温度変化に応じて接着力が変化することによって前記移動体を前記壁面に接着させまたは前記壁面から引き剥がし可能な接着体と、
前記移動体に設けられ、前記接着体の温度を調整する温度調整手段とを備えた、
ことを特徴とする移動装置用アクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載の移動装置用アクチュエータにおいて、
前記移動体駆動手段および前記温度調整手段を制御することにより、第1所定温度にした前記接着体を介して前記移動体を前記壁面に押し付けた後に前記接着体を第2所定温度にして前記移動体および前記接着体を前記壁面に接着させ、前記壁面に前記移動体を接着させている前記接着体を前記第1所定温度にして前記移動体および前記接着体を前記壁面から引き剥がす接着剥離制御手段を設けた、
ことを特徴する移動装置用アクチュエータ。
【請求項3】
壁面に沿ってロボット本体を移動させるロボット用移動装置を構成する移動装置用アクチュエータであって、
移動体駆動手段と、
この移動体駆動手段により、前記壁面に対して接近、離反する方向へ移動させられる移動体と、
この移動体と前記壁面との間に配置され、温度変化に応じて接着力が変化することによって前記移動体を前記壁面に接着させまたは前記壁面から引き剥がし可能な接着シートと、
前記移動体と前記壁面との間に位置する接着シートを交換する接着シート交換手段と、
前記移動体に設けられ、接着シートの温度を調整する温度調整手段と、
前記接着シートを介して前記移動体を前記壁面に接着させることによって後退位置へ移動し、この後退位置から前進位置へ移動して前記移動体から前記接着シートを引き剥がすとともに、接着シートに所定のテンションを与える接着シート引き剥がしテンション付与手段とを備えた、
ことを特徴とする移動装置用アクチュエータ。
【請求項4】
請求項3に記載の移動装置用アクチュエータにおいて、
前記接着シートは、金属シートと、この金属シートの厚さ方向の両面に設けられた温度変化に応じて接着力が変化する接着剤とで構成され、
前記温度調整手段は、電磁誘導加熱によって前記金属シートを加熱して前記接着シートの温度を前記第1所定温度に調整し、非加熱によって前記接着シートの温度を前記第2所定温度に調整する、
ことを特徴とする移動装置用アクチュエータ。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の移動装置用アクチュエータにおいて、
前記温度調整手段は、温度調整素子を選択することによって温度調整面積、温度調整時間、調整温度の少なくとも1つを可変可能である、
ことを特徴とする移動装置用アクチュエータ。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の移動装置用アクチュエータにおいて、
前記移動体駆動手段、前記接着シート交換手段および前記温度調整手段を制御することにより、第1所定温度にした前記接着シートを介して前記移動体を前記壁面に押し付けた後に前記接着シートを第2所定温度にして前記移動体および前記接着シートを前記壁面に接着させ、前記壁面に前記移動体を接着させている前記接着シートを前記第1所定温度にして前記移動体を前記接着シートから引き剥がした後に前記接着シートを前記壁面から引き剥がすとともに、前記壁面から引き剥がされた接着シートに所定のテンションを与え、前記移動体と前記壁面との間に位置する接着シートを未使用の接着シートに交換する接着剥離制御手段を設けた、
ことを特徴とする移動装置用アクチュエータ。
【請求項7】
フレーム本体に揺動可能に中央部分が支持された支持部材の両端に請求項6に記載の移動装置用アクチュエータを備えた脚を少なくとも1組有し、壁面に沿って移動するロボット用移動装置であって、
前記壁面に接着している前記脚の一方の移動装置用アクチュエータを中心にして前記壁面から離れている前記脚の他方の移動装置用アクチュエータを前記壁面の所定位置へ移動させ、前記壁面に接着している前記脚の他方の移動装置用アクチュエータを中心にして前記壁面から離れている前記脚の一方の移動装置用アクチュエータを前記壁面の所定位置へ移動させる駆動手段と、
この駆動手段を制御することにより、前記脚の移動装置用アクチュエータを交互に移動させる移動制御手段とを設けた、
ことを特徴とするロボット用移動装置。
【請求項8】
フレーム本体に揺動可能に中央部分が支持された支持部材の両端に請求項6に記載の移動装置用アクチュエータを備えた脚を複数組有し、壁面に沿って移動するロボット用移動装置であって、
前記壁面に接着している前記脚の一方の移動装置用アクチュエータを中心にして前記壁面から離れている前記脚の他方の移動装置用アクチュエータを前記壁面の所定位置へ移動させ、前記壁面に接着している前記脚の他方の移動装置用アクチュエータを中心にして前記壁面から離れている前記脚の一方の移動装置用アクチュエータを前記壁面の所定位置へ移動させる駆動手段と、
この駆動手段を制御することにより、前記脚の移動装置用アクチュエータを交互に移動させる移動制御手段とを設け、
隣接する前記脚の回動中心となる移動装置用アクチュエータが前記フレーム本体を挟む位置に位置している、
ことを特徴とするロボット用移動装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載のロボット用移動装置において、
前記支持部材は平行リンク機構である、
ことを特徴とするロボット用移動装置。
【請求項10】
請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のロボット用移動装置において、
前記壁面に接着される移動装置用アクチュエータの接着剥離制御手段は、前記接着シートが前記第1所定温度を第1所定時間維持した後に前記第2所定温度を第2所定時間維持すると、前記壁面から引き剥がす移動装置用アクチュエータの引き剥がしを可能とする引き剥がし許可信号を出力し、
前記壁面から引き剥がす移動装置用アクチュエータの接着剥離制御手段は、前記引き剥がし許可信号が供給されると、前記壁面から移動装置用アクチュエータを引き剥がす、
ことを特徴とするロボット用移動装置。
【請求項11】
請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のロボット用移動装置において、
前記壁面に接着される移動装置用アクチュエータの接着剥離制御手段は、予め設定されたデータにしたがって前記移動体駆動手段および前記温度調整手段を制御して移動装置用アクチュエータを前記壁面に接着させると、前記壁面から引き剥がす移動装置用アクチュエータの引き剥がしを可能とする引き剥がし許可信号を出力し、
前記壁面から引き剥がす移動装置用アクチュエータの接着剥離制御手段は、前記引き剥がし許可信号が供給されると、予め設定されたデータにしたがって前記移動体駆動手段、前記接着シート交換手段および前記温度調整手段を制御して移動装置用アクチュエータを前記壁面から引き剥がす、
ことを特徴とするロボット用移動装置。
【請求項12】
請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のロボット用移動装置において、
外部コントローラによって前記各制御手段を制御する、
ことを特徴とするロボット用移動装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、壁面に沿ってロボット本体を移動させるロボット用移動装置を構成する移動装置用アクチュエータ、および、壁面に沿ってロボット本体を移動させるロボット用移動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
壁面に沿って移動するロボットのロボット用移動装置として、真空吸着を利用したものが種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
この真空吸着を利用したロボット用移動装置は、多自由度を有するものの、構成が複雑になり、多数の動力源を必要とすることにより、重量の重いものとなる。
【0004】
そこで、ロボット用移動装置を構成する移動装置用アクチュエータに接着剤、例えば、熱可塑性接着剤を利用することにより、簡単な構成で、小型軽量化が可能なロボット用移動装置が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開平11-58282号公報
【特許文献2】特開2006-326712号公報
【0006】

【非特許文献1】「熱可塑性接着剤による着脱アクチュエータと形状記憶合金を用いた壁登りロボットの基礎的研究」 平成20年電気学会産業応用部門大会 2008/8/27~29 高知 P52
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1に記載されている、熱可塑性接着剤を利用した移動装置用アクチュエータは、未だ研究段階で、様々な検討が必要である。
【0008】
この発明は、簡単な構成で、小型軽量化が可能な移動装置用アクチュエータおよびロボット用移動装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、壁面に沿ってロボット本体を移動させるロボット用移動装置を構成する移動装置用アクチュエータであって、移動体駆動手段と、この移動体駆動手段により、前記壁面に対して接近、離反する方向へ移動させられる移動体と、この移動体の前記壁面と対向する面に配置、保持され、温度変化に応じて接着力が変化することによって前記移動体を前記壁面に接着させまたは前記壁面から引き剥がし可能な接着体と、前記移動体に設けられ、前記接着体の温度を調整する温度調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の移動装置用アクチュエータにおいて、前記移動体駆動手段および前記温度調整手段を制御することにより、第1所定温度にした前記接着体を介して前記移動体を前記壁面に押し付けた後に前記接着体を第2所定温度にして前記移動体および前記接着体を前記壁面に接着させ、前記壁面に前記移動体を接着させている前記接着体を前記第1所定温度にして前記移動体および前記接着体を前記壁面から引き剥がす接着剥離制御手段を設けたことを特徴する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、壁面に沿ってロボット本体を移動させるロボット用移動装置を構成する移動装置用アクチュエータであって、移動体駆動手段と、この移動体駆動手段により、前記壁面に対して接近、離反する方向へ移動させられる移動体と、この移動体と前記壁面との間に配置され、温度変化に応じて接着力が変化することによって前記移動体を前記壁面に接着させまたは前記壁面から引き剥がし可能な接着シートと、前記移動体と前記壁面との間に位置する接着シートを交換する接着シート交換手段と、前記移動体に設けられ、接着シートの温度を調整する温度調整手段と、前記接着シートを介して前記移動体を前記壁面に接着させることによって後退位置へ移動し、この後退位置から前進位置へ移動して前記移動体から前記接着シートを引き剥がすとともに、接着シートに所定のテンションを与える接着シート引き剥がしテンション付与手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の移動装置用アクチュエータにおいて、前記接着シートは、金属シートと、この金属シートの厚さ方向の両面に設けられた温度変化に応じて接着力が変化する接着剤とで構成され、前記温度調整手段は、電磁誘導加熱によって前記金属シートを加熱して前記接着シートの温度を前記第1所定温度に調整し、非加熱によって前記接着シートの温度を前記第2所定温度に調整することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の移動装置用アクチュエータにおいて、前記温度調整手段は、温度調整素子を選択することによって温度調整面積、温度調整時間、調整温度の少なくとも1つを可変可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の移動装置用アクチュエータにおいて、前記移動体駆動手段、前記接着シート交換手段および前記温度調整手段を制御することにより、第1所定温度にした前記接着シートを介して前記移動体を前記壁面に押し付けた後に前記接着シートを第2所定温度にして前記移動体および前記接着シートを前記壁面に接着させ、前記壁面に前記移動体を接着させている前記接着シートを前記第1所定温度にして前記移動体を前記接着シートから引き剥がした後に前記接着シートを前記壁面から引き剥がすとともに、前記壁面から引き剥がされた接着シートに所定のテンションを与え、前記移動体と前記壁面との間に位置する接着シートを未使用の接着シートに交換する接着剥離制御手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、フレーム本体に揺動可能に中央部分が支持された支持部材の両端に請求項6に記載の移動装置用アクチュエータを備えた脚を少なくとも1組有し、壁面に沿って移動するロボット用移動装置であって、前記壁面に接着している前記脚の一方の移動装置用アクチュエータを中心にして前記壁面から離れている前記脚の他方の移動装置用アクチュエータを前記壁面の所定位置へ移動させ、前記壁面に接着している前記脚の他方の移動装置用アクチュエータを中心にして前記壁面から離れている前記脚の一方の移動装置用アクチュエータを前記壁面の所定位置へ移動させる駆動手段と、この駆動手段を制御することにより、前記脚の移動装置用アクチュエータを交互に移動させる移動制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、フレーム本体に揺動可能に中央部分が支持された支持部材の両端に請求項6に記載の移動装置用アクチュエータを備えた脚を複数組有し、壁面に沿って移動するロボット用移動装置であって、前記壁面に接着している前記脚の一方の移動装置用アクチュエータを中心にして前記壁面から離れている前記脚の他方の移動装置用アクチュエータを前記壁面の所定位置へ移動させ、前記壁面に接着している前記脚の他方の移動装置用アクチュエータを中心にして前記壁面から離れている前記脚の一方の移動装置用アクチュエータを前記壁面の所定位置へ移動させる駆動手段と、この駆動手段を制御することにより、前記脚の移動装置用アクチュエータを交互に移動させる移動制御手段とを設け、隣接する前記脚の回動中心となる移動装置用アクチュエータが前記フレーム本体を挟む位置に位置していることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載のロボット用移動装置において、前記支持部材は平行リンク機構であることを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のロボット用移動装置において、前記壁面に接着される移動装置用アクチュエータの接着剥離制御手段は、前記接着シートが前記第1所定温度を第1所定時間維持した後に前記第2所定温度を第2所定時間維持すると、前記壁面から引き剥がす移動装置用アクチュエータの引き剥がしを可能とする引き剥がし許可信号を出力し、前記壁面から引き剥がす移動装置用アクチュエータの接着剥離制御手段は、前記引き剥がし許可信号が供給されると、前記壁面から移動装置用アクチュエータを引き剥がすことを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のロボット用移動装置において、前記壁面に接着される移動装置用アクチュエータの接着剥離制御手段は、予め設定されたデータにしたがって前記移動体駆動手段および前記温度調整手段を制御して移動装置用アクチュエータを前記壁面に接着させると、前記壁面から引き剥がす移動装置用アクチュエータの引き剥がしを可能とする引き剥がし許可信号を出力し、前記壁面から引き剥がす移動装置用アクチュエータの接着剥離制御手段は、前記引き剥がし許可信号が供給されると、予め設定されたデータにしたがって前記移動体駆動手段、前記接着シート交換手段および前記温度調整手段を制御して移動装置用アクチュエータを前記壁面から引き剥がすことを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のロボット用移動装置において、外部コントローラによって前記各制御手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、接着体または接着シートを用いて移動装置用アクチュエータを構成したので、制御手段が簡単になることにより、移動装置用アクチュエータの構成が簡単になるとともに、移動装置用アクチュエータの小型軽量化が可能になる。
【0022】
この発明によれば、接着シートを用いた移動装置用アクチュエータでロボット用移動装置を構成したので、制御手段が簡単になることにより、ロボット用移動装置の構成が簡単になるとともに、ロボット用移動装置の小型軽量化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の一実施例であるロボット用移動装置の概略構成を示す平面図に相当する説明図である。
【図2】図1に示した移動装置用アクチュエータの構成を示す説明図である。
【図3】移動装置用アクチュエータの動作を示す説明図である。
【図4】移動装置用アクチュエータの動作を示す説明図である。
【図5】移動装置用アクチュエータの動作を示す説明図である。
【図6】ロボット用移動装置の動作を示す説明図である。
【図7】ロボット用移動装置の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。

【0025】
図1はこの発明の一実施例であるロボット用移動装置の概略構成を示す平面図に相当する説明図、図2は図1に示した移動装置用アクチュエータの構成を示す説明図、図3~図5は移動装置用アクチュエータの動作を示す説明図、図6および図7はロボット用移動装置の動作を示す説明図である。

【0026】
図1を参照してロボット用移動装置の構成について説明する。

【0027】
搭載(載置)したロボット本体(図示省略)を移動させるロボット用移動装置11は、ロボット本体が搭載(載置)される直線状に延びた平板状のフレーム本体12と、このフレーム本体12の前後に取り付けられた複数(2)組の脚13F,13Rと、脚13Fを動作させる駆動手段(流体圧シリンダ)としての直動エアーシリンダ16FL,16FRと、脚13Rを動作させる駆動手段(流体圧シリンダ)としての直動エアーシリンダ16RL,16RRと、フレーム本体12に搭載され、直動エアーシリンダ16FL,16FR,16RL,16RRを制御する移動制御手段(図示省略)などとで構成されている。

【0028】
上記した脚13Fは、中央部分に長軸方向を長手(左右)方向に向けて設けた長孔15hでフレーム本体12の揺動支持軸12ff,12frに、フレーム本体12と平行に揺動可能に支持された所定の剛性を有した平板状のリンク部材15F,15Rからなる支持部材としてのリンク機構14Fと、このリンク機構14Fの両端部、すなわち、リンク部材15F,15Rの両端部に取り付けられた移動装置用アクチュエータ21FL,21FRとで構成されている。そして、リンク機構14Fは、平行リンク機構となっている。

【0029】
また、脚13Rは、中央部分に長軸方向を長手(左右)方向に向けて設けた長孔15hでフレーム本体12の揺動支持軸12rf,12rrに、フレーム本体12と平行に揺動可能に支持された所定の剛性を有した平板状のリンク部材15F,15Rからなる支持部材としてのリンク機構14Rと、このリンク機構14Rの両端部、すなわち、リンク部材15F,15Rの両端部に取り付けられた移動装置用アクチュエータ21RL,21RRとで構成されている。そして、リンク機構14Rは、平行リンク機構となっている。

【0030】
上記した直動エアーシリンダ16FLは、揺動支持軸12frと移動装置用アクチュエータ21FLとの間のリンク部材15Rに一端(例えば、ロッドの先端)が回動可能に取り付けられ、揺動支持軸12frと揺動支持軸12rfとの間のフレーム本体12に他端(例えば、ロッドが突出するシリンダの端と反対側の端)が回動可能に取り付けられている。また、直動エアーシリンダ16FRは、揺動支持軸12frと移動装置用アクチュエータ21FRとの間のリンク部材15Rに一端(例えば、ロッドの先端)が回動可能に取り付けられ、揺動支持軸12frと揺動支持軸12rfとの間のフレーム本体12に他端(例えば、ロッドが突出するシリンダの端と反対側の端)が回動可能に取り付けられている。また、直動エアーシリンダ16RLは、揺動支持軸12rfと移動装置用アクチュエータ21RLとの間のリンク部材15Fに一端(例えば、ロッドの先端)が回動可能に取り付けられ、直動エアーシリンダ16FLの他端と揺動支持軸12rfとの間のフレーム本体12に他端(例えば、ロッドが突出するシリンダの端と反対側の端)が回動可能に取り付けられている。また、直動エアーシリンダ16RRは、揺動支持軸12rfと移動装置用アクチュエータ21RRとの間のリンク部材15Fに一端(例えば、ロッドの先端)が回動可能に取り付けられ、直動エアーシリンダ16FRの他端と揺動支持軸12rfとの間のフレーム本体12に他端(例えば、ロッドが突出するシリンダの端と反対側の端)が回動可能に取り付けられている。

【0031】
次に、図2を参照して移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRの構成について説明する。

【0032】
移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRは、リンク部材15F,15Rの端部の下側に取り付けられ、リンク部材15F,15Rを支持する平板状の支持体22と、壁面Fに対向する接着面24fがほぼ平面とされ、壁面Fに対して接近、離反する方向へ移動させられる移動体24と、支持体22の下側にジョイント23で回動可能に取り付けられ、ロッドの先端に移動体24が取り付けられた移動体駆動手段(流体圧シリンダ)としてのエアーシリンダ25A,25Bと、移動体24を壁面Fに対して接着、固定する接着シート26と、移動体24と壁面Fとの間に接着シート26を位置させるとともに、移動体24と壁面Fとの間に位置する接着シート26を交換する接着シート交換手段28と、移動体24に設けられ、接着シート26を電磁誘導加熱によって加熱する温度調整手段としての加熱コイル43と、移動体24に設けられ、例えば、接着シート26と非接触状態で接着シート26の温度を検出する接着シート温度検出器(接着シート温度検出手段)(図示省略)と、移動体24に接着した接着シート26を移動体24から引き剥がすとともに、接着シート26に所定のテンションを与える接着シート引き剥がしテンション付与手段47と、エアーシリンダ25A,25B、接着シート交換手段28、コイル43および後述するギヤドモータなど制御する接着剥離制御手段(図示省略)とで構成されている。

【0033】
上記した接着シート26は、金属箔、例えば、アルミ箔の両面に温度変化に応じて接着力が変化する接着剤、例えば、熱可塑性接着剤が塗布されてシート状に構成されている。

【0034】
また、接着シート交換手段28は、移動体24の壁面Fに対する非対向面(接着面24fと反対側の面)に取り付けられた供給軸支え29と、この供給軸支え29に取り付けられ、接着シート26にテンションを与えるためのクラッチ機構(図示省略)と、供給軸支え29に取り外し可能に取り付けられ、クラッチ機構によって回転を制約される接着シート26が巻かれた供給軸31と、移動体24の壁面Fに対する非対向面の端に取り付けられ、壁面F側へく字状に傾斜した先端部が移動体24の接着面24fよりも壁面F側へ突出(接近)して移動体24に当接した前進位置(図2に示す位置)と、先端部がほぼ移動体24の接着面24fに位置する後退位置(図3に示す位置)との間で回動可能な第1アーム32と、この第1アーム32の先端部に回転可能に取り付けられ、供給軸31からの接着シート26を移動体24の接着面24f側、すなわち、移動体24と壁面Fとの間へ案内する第1ローラ33と、第1アーム32を前進位置へ移動するように付勢する第1トーションコイルスプリング(第1付勢部材)34と、移動体24の壁面Fに対する非対向面の端に第1アーム32と対峙するように取り付けられ、壁面F側へく字状に傾斜した先端部が移動体24の接着面24fよりも壁面F側へ突出(接近)した前進位置と、先端部がほぼ移動体24の接着面24fに位置する後退位置との間で回動可能な第2アーム35と、この第2アーム35の先端部に回転可能に取り付けられ、第1ローラ33からの接着シート26を移動体24の壁面Fに対する非対向面側へ案内する第2ローラ36と、第2アーム35を前進位置へ移動するように付勢する第2トーションコイルスプリング(第2付勢部材)37と、移動体24の壁面Fに対する非対向面側に、供給軸支え29と対峙するように取り付けられた巻き取り軸支え38と、この巻き取り軸支え38に取り外し可能に取り付けられ、第2ローラ36からの接着シート26を巻き取る巻き取り軸(図示省略)と、巻き取り軸支え38に取り付けられ、巻き取り軸を回転させるギヤドモータ40とで構成されている。

【0035】
また、加熱コイル43は、複数のコイル(温度調整素子)の中から所定のコイル(温度調整素子)を、例えば、選択スイッチの操作で選択することにより、接着シート26を接着させる接着面積に相当する温度調整面積、接着シート26を第1所定温度に加熱する時間に相当する温度調整時間、接着シート26の第1所定温度に相当する調整温度の少なくとも1つを可変可能な構成とされている。

【0036】
また、接着シート引き剥がしテンション付与手段47は、第1アーム32、第1ローラ33、第1トーションコイルスプリング34、第2アーム35、第2ローラ36、および、第2トーションコイルスプリング37によって構成されている。

【0037】
次に、移動装置用アクチュエータ21FL,21RRの壁面Fへの接着、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLの壁面Fからの引き剥がしの一例、すなわち、接着剥離制御手段の制御について説明する。なお、移動装置用アクチュエータ21FL,21RRは、図2に示すように、エアーシリンダ25A,25Bが収縮状態となって壁面Fから移動体24が離れているものとする。また、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLは、図3に示すように、エアーシリンダ25A,25Bが伸長状態となって壁面Fに移動体24が接着シート26によって接着しているものとする。そして、加熱コイル43は、温度調整面積、温度調整時間、調整温度に対応したコイルが加熱コイル43として選定されているものとする。

【0038】
まず、移動装置用アクチュエータ21FL,21RRの加熱コイル43への通電を開始すると、接着シート26のアルミ箔が電磁誘導加熱で加熱されることによって接着シート26が加熱される。これと同時に移動装置用アクチュエータ21FR,21RLのエアーシリンダ25A,25Bを収縮させると、移動装置用アクチュエータ21FL,21RRが壁面Fへ近づき、図4に示すように、移動装置用アクチュエータ21FL,21RRの接着シート26が壁面Fに接触する状態になる。さらに、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLのエアーシリンダ25A,25Bが収縮すると、移動装置用アクチュエータ21FL,21RRの第1、第2ローラ33,36を支持する第1、第2アーム32,35が第1、第2トーションコイルスプリング34,37の付勢力に抗して後退位置へと回動することにより、図5に示すように、移動装置用アクチュエータ21FL,21RRの移動体24(接触面24f)が接着シート26を介して壁面Fに接触する状態になる。

【0039】
一方、加熱コイル43への通電開始から接着シート温度検出器の出力に基づいて接着シート26の温度を監視し、接着シート26の温度が第1所定温度、例えば、180℃を内蔵したタイマを参照して第1所定時間、例えば、5秒維持すると、熱可塑性接着剤が確実に液状化し、移動体24を壁面Fに確実に接着させることが可能になるので、接着シート26が第1所定温度を第1所定時間維持するのを待機する。

【0040】
そして、接着シート26が第1所定温度を第1所定時間維持した時点で移動装置用アクチュエータ21FL,21RRの加熱コイル43への通電を遮断すると、壁面Fを形成する壁Wおよび大気によって移動装置用アクチュエータ21FL,21RRの接着シート26、移動体24などが冷やされる。この接着シート26の温度が第2所定温度、例えば、130℃を内蔵したタイマを参照して第2所定時間、例えば、5秒維持すると、熱可塑性接着剤が確実に固化し、移動体24を壁面Fに確実に接着、固定させることができるので、接着シート26が第2所定温度を第2所定時間維持するのを待機する。

【0041】
そして、接着シート26が第2所定温度を第2所定時間維持した時点で移動装置用アクチュエータ21FL,21RRの移動体24は接着シート26によって壁面Fに接着、固定されるので、移動させる移動装置用アクチュエータ21FR,21RLの引き剥がし可能とする引き剥がし可能信号を出力する。

【0042】
このようにして移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRの各移動体24が壁面Fに接着、固定され、移動装置用アクチュエータ21FL,21RRから引き剥がし信号が出力されると、移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRの各エアーシリンダ25A,25Bを伸長させて図3に示す状態にするとともに、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLの加熱コイル43への通電を開始する。

【0043】
そして、加熱コイル43への通電開始から接着シート温度検出器の出力に基づいて接着シート26の温度を監視し、接着シート26の温度が第1所定温度を第1所定時間維持すると、熱可塑性接着剤が確実に液状化し、移動体24および接着シート26を壁面Fから引き剥がすことが可能になるので、接着シート26が第1所定温度を第1所定時間維持するのを待機する。

【0044】
そして、接着シート26が第1所定温度を第1所定時間維持した時点で移動装置用アクチュエータ21FR,21RLのエアーシリンダ25A,25Bを収縮させると、エアーシリンダ25A,25Bのロッドに取り付けられた移動体24が壁面Fから離れる方向へ移動するとともに、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLの第1、第2アーム32,35が第1、第2トーションコイルスプリング34,37の付勢力によって前進位置へと回動することにより、図4に示すように、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLの接着シート26が壁面Fに接触し、接着シート26から移動体24が剥がれた状態になる。さらに、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLのエアーシリンダ25A,25Bが収縮すると、図2に示すように、接着シート26が壁面Fから引き剥がされるとともに、接着シートに26に所定のテンションが与えられる。

【0045】
この状態で、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLの加熱コイル43への通電を遮断すると、大気によって移動装置用アクチュエータ21FR,21RLの接着シート26、移動体24などが常温に冷やされ、接着シート26が第2所定温度を第2所定時間維持すると、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLの接着シート26の熱可塑性接着剤が固化する。そして、クラッチ機構を作動させて供給軸31の回転を可能にするとともに、ギヤドモータ40を作動させて接着シート26を供給軸31から繰り出して巻き取り軸に所定長巻き取り、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLの移動体24と壁面Fとの間に未使用の接着シート26を位置させた後、ギヤドモータ40を停止させるとともに、クラッチ機構を作動させて供給軸31の回転を制限することにより、接着シート26の繰り出しを防止するとともに、接着シート26に与えた所定のテンションを保持する。

【0046】
以後は同様に各部を作動させることにより、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLを壁面Fへ接着、固定させ、移動装置用アクチュエータ21FL,21RRを壁面Fから引き剥がすことができる。

【0047】
次に、ロボット用移動装置11の動作(歩行)の一例、すなわち、移動制御手段の制御について説明する。なお、各移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRは、図6に実線で示す位置に位置するものとする。そして、移動装置用アクチュエータ21FL,21RRは、図2に示すように、エアーシリンダ25A,25Bが収縮状態となって壁面から離れているものとする。また、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLは、図3に示すように、エアーシリンダ25A,25Bが伸長状態となって壁面に移動体24が接着、固定されているものとする。さらに、脚13F,13Rを回動させる直動エアーシリンダ16FL,16RLは収縮し、脚13F,13Rを回動させる直動エアーシリンダ16FR,16RRは、伸長しているものとする。

【0048】
まず、直動エアーシリンダ16FL,16RLを伸長させるとともに、直動エアーシリンダ16FR,16RRを収縮させると、壁面から離れている移動装置用アクチュエータ21FLは、図6に二点鎖線で示すように、壁面に接着、固定されている移動装置用アクチュエータ21FRを中心にしてほぼリンク機構14Fの半径で回動し、また、壁面から離れている移動装置用アクチュエータ21RRは、図6に二点鎖線で示すように、壁面に接着、固定されている移動装置用アクチュエータ21RLを中心にしてほぼリンク機構14Rの半径で回動する。

【0049】
このように移動装置用アクチュエータ21FL,21RRを回動させた状態で、前述したように、移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRを作動させ、移動装置用アクチュエータ21FL,21RRを壁面に接着、固定することにより、ロボット用移動装置11を1歩移動(前進)させることができる。

【0050】
そして、前述したように、移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRを作動させ、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLを壁面から離した後、接着シート交換手段を作動させて接着シートを交換すると、図7に実線で示す状態となる。

【0051】
次に、図7に実線で示す状態で、直動エアーシリンダ16FR,16RRを伸長させるとともに、直動エアーシリンダ16FL,16RLを収縮させると、壁面から離れている移動装置用アクチュエータ21FRは、図7に二点鎖線で示すように、壁面に接着、固定されている移動装置用アクチュエータ21FLを中心にしてほぼリンク機構14Fの半径で回動し、また、壁面から離れている移動装置用アクチュエータ21RLは、図7に二点鎖線で示すように、壁面に接着、固定されている移動装置用アクチュエータ21RRを中心にしてほぼリンク機構14Rの半径で回動する。

【0052】
このように移動装置用アクチュエータ21FR,21RLを回動させた状態で、前述したように、移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRを作動させ、移動装置用アクチュエータ21FR,21RLを壁面に接着、固定することにより、ロボット用移動装置11を1歩移動(前進)させることができる。

【0053】
そして、前述したように、移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRを作動させ、移動装置用アクチュエータ21FL,21RRを壁面から離した後、接着シート交換手段を作動させて接着シートを交換すると、図6に実線で示す状態となる。

【0054】
以後は同様に各部を作動させることにより、ロボット用移動装置11を移動(前進)させることができる。また、各部を反対に作動させることにより、ロボット用移動装置11を移動(後退)させることもできる。

【0055】
上記したように、直動エアーシリンダ16FL,16FR,16RL,16RRを伸長させたり、収縮させる場合、直動エアーシリンダ16FL,16FR,16RL,16RRが伸長しているのか、収縮しているのかを検出する必要があるが、移動制御手段が直動エアーシリンダ16FL,16FR,16RL,16RRへ送っているエアーの状態、すなわち、エアーを直動エアーシリンダ16FL,16FR,16RL,16RRの基端側へ送っているのを伸長状態とすると、エアーを直動エアーシリンダ16FL,16FR,16RL,16RRの先端(ロッド)側へ送っているのが収縮状態となることにより、移動制御手段は、直動エアーシリンダ16FL,16FR,16RL,16RRのどこへエアーを送っているかによって伸長状態、収縮状態を検出(認識)することができる。また、直動エアーシリンダ16FL,16FR,16RL,16RRのピストンの位置を検出することによっても、直動エアーシリンダ16FL,16FR,16RL,16RRの伸長状態、収縮状態を検出(認識)することができる。

【0056】
また、移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21Rl,21RRのエアーシリンダ25A,25Bを伸長させたり、収縮させる場合、エアーシリンダ25A,25Bが収縮しているのか、伸長しているのかを検出する必要があるが、接着剥離制御手段がエアーシリンダ25A,25Bへ送っているエアーの状態、すなわち、エアーをエアーシリンダ25A,25Bの基端側へ送っているのを伸長状態とすると、エアーをエアーシリンダ25A,25Bの先端(ロッド)側へ送っているのが収縮状態となることにより、接着剥離制御手段は、エアーシリンダ25A,25Bのどこへエアーを送っているかによって伸長状態、収縮状態を検出(認識)することができる。また、エアーシリンダ25A,25Bのピストンの位置を検出することによっても、移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRのエアーシリンダ25A,25Bの伸長状態、収縮状態を検出(認識)することができる。また、各部の制御は、移動制御手段、接着剥離制御手段に予め設定したデータにしたがって制御することができる。

【0057】
上述したように、この発明の一実施例によれば、接着シート26を用いて移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRを構成し、この移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRでロボット用移動装置11を構成したので、移動制御手段が簡単になることにより、移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRおよびロボット用移動装置11の構成が簡単になるとともに、移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRおよびロボット用移動装置11の小型軽量化が可能になる。そして、接着シート引き剥がしテンション付与手段47を設けたので、接着シート26を移動体24から確実に引き剥がせるとともに、壁面Fから引き剥がした接着シート26に所定のテンションを与えることができる。

【0058】
そして、接着シート26を、金属シートと、この金属シートの両面に設け(配置し)た熱可塑性接着剤とで構成したので、接着シート26を簡単に、安価で製造することができる。そして、加熱コイル43は複数のコイルから選択できるので、温度調整面積などに応じたコイルを選択することにより、移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRを確実に壁面Fへ接着、固定させて移動することができる。そして、接着剥離制御手段を設けたので、移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRを確実に壁面Fへ接着、固定させて移動することができる。

【0059】
また、複数の脚13F,13Rを有するとともに、隣接する脚13F,13Rの回動中心となる移動装置用アクチュエータがフレーム本体12を挟む位置に位置しているロボット用移動装置11としたので、移動する移動装置用アクチュエータを確実に壁面Fへ接着、固定させることができる。そして、2つの直動エアーシリンダ16FL,16FR(16RL,16RR)を拮抗的に動作させて脚13F(13R)を回動させるので、脚13F(13R)をスムーズに回動させることができる。さらに、リンク機構14F,14Rを平行リンク機構としたので、移動装置用アクチュエータ21FL,21FR,21RL,21RRを壁面Fに対して平行になるようにして接着、固定させることができる。また、壁面Fへ接着させた移動装置用アクチュエータの接着剥離制御手段が引き剥がし可能信号を出力するので、供給される引き剥がし可能信号が引き剥がし開始信号となるため、壁面Fからの移動装置用アクチュエータの引き剥がしを時間を無駄にすることなく効率よく、すなわち、引き剥がし可能信号が供給された時点から短時間で開始することができる。

【0060】
上記した実施例では、移動体24と壁面Fとの間に接着シート26を配置する例を示したが、壁面と対向する移動体の面(接着面)に接着体、例えば、熱可塑性接着剤、熱可塑性接着シートなどを配置、保持させることにより、実施例と同様に動作、機能させることができる。また、接着シート26を第1所定温度に加熱することによって接着性、固定性を喪失し、接着シート26を第2所定温度に冷却することによって接着性、固定性を発揮させる例を示したが、第1所定温度に加熱することによって接着性、固定性を発揮し、第2所定温度に冷却することによって接着性、固定性を喪失する接着剤を利用した接着シートとしてもよい。また、温度調整手段として電磁誘導加熱(加熱コイル)の例を示したが、ヒータなどで加熱したり、ペルチェ素子などで冷却してもよい。また、第2所定温度を常温とした例を示したが、第1所定温度および第2所定温度を常温以外の温度とし、接着体、接着シートを第1所定温度または第2所定温度となるように加熱したり、第2所定温度または第1所定温度となるように冷却してもよい。また、2組の脚13F,13Rを有するロボット用移動装置11の例を示したが、脚が1組であっても、壁面Fにぶら下がりながら移動するロボット用移動装置とすることができる。また、移動制御手段、接着剥離制御手段に予め設定したデータにしたがって各部を制御するロボット用移動装置11の例を示したが、各部の制御、温度調整素子の選択を外部コントローラで制御する構成としても、実施例と同様に動作、機能させることができる。
【符号の説明】
【0061】
11 ロボット用移動装置
12 フレーム本体
12ff,12fr 揺動支持軸
12rf,12rr 揺動支持軸
13F,13R 脚
14F,14R リンク機構(支持部材)
15F,15R リンク部材
15h 長孔
16FL,16FR 直動エアーシリンダ(駆動手段、流体圧シリンダ)
16RL,16RR 直動エアーシリンダ(駆動手段、流体圧シリンダ)
21FL,21FR 移動装置用アクチュエータ
21RL,21RR 移動装置用アクチュエータ
22 支持体
23 ジョイント
24 移動体
24f 接着面
25A,25B エアーシリンダ(移動体駆動手段、流体圧シリンダ)
26 接着シート
28 接着シート交換手段
29 供給軸支え
31 供給軸
32 第1アーム
33 第1ローラ
34 第1トーションコイルスプリング(第1付勢部材)
35 第2アーム
36 第2ローラ
37 第2トーションコイルスプリング(第2付勢部材)
38 巻き取り軸支え
40 ギヤドモータ
43 加熱コイル(温度調整手段)
47 接着シート引き剥がしテンション付与手段
W 壁
F 壁面
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6