TOP > 国内特許検索 > 対話型赤外線通信装置 > 明細書

明細書 :対話型赤外線通信装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5496593号 (P5496593)
公開番号 特開2011-086986 (P2011-086986A)
登録日 平成26年3月14日(2014.3.14)
発行日 平成26年5月21日(2014.5.21)
公開日 平成23年4月28日(2011.4.28)
発明の名称または考案の名称 対話型赤外線通信装置
国際特許分類 H04B  10/114       (2013.01)
FI H04B 9/00 114
請求項の数または発明の数 16
全頁数 19
出願番号 特願2009-236115 (P2009-236115)
出願日 平成21年10月13日(2009.10.13)
審査請求日 平成24年9月13日(2012.9.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】渡邊 淳司
【氏名】新居 英明
【氏名】橋本 悠希
個別代理人の代理人 【識別番号】100079359、【弁理士】、【氏名又は名称】竹内 進
【識別番号】100158229、【弁理士】、【氏名又は名称】水野 恒雄
審査官 【審査官】前田 典之
参考文献・文献 特開2009-088803(JP,A)
特開平07-327300(JP,A)
特開2000-032580(JP,A)
特開平09-006370(JP,A)
特開平09-307502(JP,A)
調査した分野 H04B 10/114
特許請求の範囲 【請求項1】
特定方向からの赤外線信号を受信する複数の呼出用指向性赤外線信号受信部と、
前記呼出用指向性赤外線信号受信部で受信された呼出信号を、振動、音または光の情報に変換する信号変換部と、
前記信号変換部で変換した信号を振動、音または光として受信者に通知する呼出部と、
特定方向からの赤外線信号を受信する会話用指向性赤外線信号受信部と、
受信信号を変換して音声信号にする出力音声変換部と、
前記音声信号を可聴域の音声として出力する音声出力部と、
音声を入力する音声入力部と、
音声入力部から入力した前記音声を赤外線信号に変換する入力音声変換部と、
特定方向への赤外線信号を送信する会話用指向性赤外線信号送信部と、
装置全体の信号を制御する制御部と、
からなり、
少なくとも前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用指向性赤外線信号送信部とは、顔の正面方向に送受信信号の指向性を一致させ、前記音声出力部と前記音声入力部を一体として頭部に配置し、
複数の前記呼出用指向性赤外線信号受信部では、指向性方向を異なる方向として、それぞれの方向の信号を受信させ、呼出信号を受信した前記呼出用指向性赤外線信号受信部に対応する前記呼出部から、音声で呼び出し方法を伝達することなく、振動、音または光により感覚的に呼び出し方向がわかる手段で呼出が行われ、
前記呼出用指向性赤外線信号受信部、前記信号変換部、前記会話用指向性赤外線信号受信部、前記出力音声変換部、前記音声出力部、前記音声入力部、前記入力音声変換部、前記会話用指向性赤外線信号送信部と前記制御部は、それぞれ分離可能として、正面を向き合った場合だけでなく、お互いの向きが任意な方向で会話ができるように構成可能なこと、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の対話型赤外線通信装置において、
会話する相手と向き合うことができない場合は、前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用指向性赤外線信号送信部を会話する相手に向けることができるようにしたこと、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の対話型赤外線通信装置において、
さらに、全方向からの赤外線信号を受信する会話用無指向性赤外線信号受信部を備え、
前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用無指向性赤外線信号受信部を切り替え可能とすること、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の対話型赤外線通信装置において、
さらに、全方向への赤外線信号を送信する会話用無指向性赤外線信号送信部を備え、
前記会話用指向性赤外線信号送信部と前記会話用無指向性赤外線信号送信部を切り替え可能とすること、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の対話型赤外線通信装置において、
さらに、全方向からの赤外線信号を受信する会話用無指向性赤外線信号受信部と全方向への赤外線信号を送信する会話用無指向性赤外線信号送信部を備え、
前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用無指向性赤外線信号受信部が切り替え可能であり、
前記会話用指向性赤外線信号送信部と前記会話用無指向性赤外線信号送信部が切り替え可能あること、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の対話型赤外線通信装置において、
前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用指向性赤外線信号送信部は、取り外し可能であること、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項7】
請求項6に記載の対話型赤外線通信装置において、
前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用指向性赤外線信号送信部は、頭部から取り外して体の正面に配置可能な取付部を備え、前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用指向性赤外線信号送信部を取付部に取り付けたときは、体の正面方向への指向性を有すること、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項8】
請求項1~7いずれか1項に記載の対話型赤外線通信装置において、
さらに、前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用指向性赤外線信号送信部の信号検知部を設け、
複数の前記呼出用指向性赤外線信号受信部のいずれかで信号を受信した場合は、前記会話用指向性赤外線信号受信部、前記出力音声変換部、前記音声出力部、前記会話用指向性赤外線信号送信部、前記入力音声変換部、前記音声入力部と前記信号検知部を駆動し、
前記信号検知部が何れの送受信部からも予め定められた時間信号が無いことを検知した場合は、前記会話用指向性赤外線信号受信部、前記出力音声変換部、前記 音声出力部、前記会話用指向性赤外線信号送信部、前記入力音声変換部、前記音声入力部と前記会話用信号検知部の駆動とを停止させること、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項9】
請求項5に記載の対話型赤外線通信装置において、
入出力信号を前記信号検知部が動作している間は、全ての前記呼出用指向性赤外線信号受信部、全ての前記信号変換部、全ての前記呼出部の駆動を停止させること、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の対話型赤外線通信装置において、
前記音声出力部は骨伝導式によるイヤフォンであり、前記音声入力部は骨伝導式によるマイクロフォンであること、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項11】
請求項1に記載の対話型赤外線通信装置において、
特定方向からの赤外線信号を受信する前記呼出用指向性赤外線信号受信部、信号変換部と前記呼出部を、他と分離して一体として呼出装置を構成し、
呼出信号を受信した前記呼出用指向性赤外線信号受信部に対応する前記呼出部で、少なくとも光により受信者に通知すること、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項12】
請求項1に記載の対話型赤外線通信装置において、
前記入力音声変換部と前記会話用指向性赤外線信号送信部を分離して送信装置を構成し、
前記会話用指向性赤外線信号送信部の指向性方向を呼出人方向へ向けて会話を開始すること、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項13】
請求項11に記載の対話型赤外線通信装置において、
前記呼出装置に、さらに前記音声入力部、前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用指向性赤外線信号送信部、前記入力音声変換部、前記出力音声変換部と前記制御部を一体として送受信装置を構成し、
複数の前記呼出用指向性赤外線信号受信部の指向性を示す面方向と直交する方向に、前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用指向性赤外線信号送信部とを配置し、
前記音声入力部に口から音声を入力する操作をする場合に、前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用指向性赤外線信号送信部とが顔の正面方向に指向性を有するようにしたこと、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項14】
請求項1に記載の対話型赤外線通信装置において、
特定方向からの赤外線信号を受信する前記会話用指向性赤外線信号受信部と、特定方向へ赤外線信号を送信する前記会話用指向性赤外線信号送信部と、前記音声入力部とを一体として分離した送受信装置を構成し、
前記送受信装置はメガホン型の構造として、狭い開口部側に前記音声入力部を備え、広い開口部側に、前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用指向性赤外線信号送信部とを備えたこと、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項15】
請求項5に記載の対話型赤外線通信装置において、
前記音声入力部、前記呼出用指向性赤外線信号受信部、前記呼出用無指向性赤外線信号受信部、前記信号変換部、前記呼出部、前記会話用指向性赤外線信号送信 部、前記会話用無指向性赤外線信号送信部、前記入力音声変換部、前記出力音声変換部と前記制御部を一体として送受信装置を構成し、
前記呼出用指向性赤外線信号受信部の指向性を示す面方向と直交する方向に、前記会話用指向性赤外線信号受信部、前記会話用無指向性赤外線信号受信部、前記会話用指向性赤外線信号送信部と前記会話用無指向性赤外線信号送信部を配置し、
前記音声入力部に口からから音声を入力する操作をする場合に、前記指向性赤外線信号受信部、前記無指向性赤外線信号受信部、前記指向性赤外線信号送信部と前記無指向性赤外線信号送信部が顔の正面方向に指向性を有するようにしたこと、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。
【請求項16】
請求項5に記載の対話型赤外線通信装置において、
前記会話用指向性赤外線信号受信部、前記会話用無指向性赤外線信号受信部、前記会話用指向性赤外線信号送信部と前記会話用無指向性赤外線信号送信部、前記音声入力部とを一体として分離した送受信装置を構成し、
前記送受信装置はメガホン型の構造として、狭い開口部側に前記音声入力部を備え、広い開口部側に、前記会話用指向性赤外線信号受信部、前記会話用無指向性赤外線信号受信部、前記会話用指向性赤外線信号送信部と前記会話用無指向性赤外線信号送信部とを備えたこと、
を特徴とする対話型赤外線通信装置。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、会話する相手が見える範囲の距離(以下、見通し距離という。)内にいるが、声が聞こえづらかったり、聞こえなかったりして直接会話ができない距離にいる人との間で、会話する相手の姿を見ながらあたかも目の前で会話しているかのように通信をすることを可能にする赤外線通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人間は、視覚・聴覚という、遠距離感覚器が発達しており、対人・対物との距離を様々な方法で知覚し、その距離に応じて認知・行動の様式を変化させている。特に、知覚レベルの変化は大きく、コミュニケーションに大きな役割を果たす視聴覚に着目して対人距離を分類すると、次の3つに大別される。
【0003】
第1に、1~2m以内の距離(以下、“接触距離”と言う)では、手の届く範囲で、お互いの顔をつきあわせてコミュニケーションが行われ、相手の姿・声ともにはっきりと知覚可能であり、非常に高い臨場感がある。
【0004】
第2に、5mから十数m程度の距離(“見通し距離”)では、相手の姿は見えるが、声がはっきりと聞こえない。大声をあげる、ジェスチャーを交える等によって意思を伝えることはできるが、コミュニケーションの精度、臨場感は大きく落ちてしまう。
【0005】
第3に、数十m以上の距離(以下、“遠隔距離”と言う)では、お互いの姿・声ともに知覚することができず、何らかの道具を介することなくコミュニケーションを成立させることはできない。
【0006】
この距離の分類の中で、接触距離でのコミュニケーションは別として、他の距離でのコミュニケーションは何らかの補助手段が必要とされる。遠隔距離でのコミュニケーションについては、携帯電話、テレビ電話、無線機をはじめ、これまでも各種の通信装置が提案されているが、見通し距離においては、コミュニケーションに使用可能な通信装置は数少ない。
【0007】
発明者らは、見通し距離にいる相手との会話に対する一手段として、既に “Visualresonator:interfaceforinteractivecock-tailpartyphenomenon”の題名で「Ext.Abstracts CHI2006」の1505-1510頁に発表した論文(非特許文献1)のFig.2及びその説明文で、使用者の頭部に装着するヘッドフォン型のアダプタに、赤外線送信部、赤外線信号受信部及びマイクロフォンを装備し、このアダプタを装着した複数人が互いに相手を確認している状態で、赤外線を利用して通信するシステムを提示している。
【0008】
さらに、特開2009-88803「赤外線通信装置」では、全方向性赤外線受信機を用いて呼び出し伝達部を設けること、呼び出し方向を検出すること等を開示している。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特開2009-88803号文献
【0010】

【非特許文献1】J.Watanabe,H.Nii,Y.Hashimoto、M.Inami、「Visualresonator:interfaceforinteractivecock-tailpartyphenomenon」、Ext.Abstracts CHI2006、1505-1510頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来提案されているシステムでは、赤外線通信を行う者同士が相手を確認(認識)している状態で赤外線信号の送受信を行い、通信手段により会話を行うことができる。また、見通し距離内にいるが、相手が自分を認識していない場合でも、全方向性赤外線信号受信部と呼び出し伝達部とを備えて、相手に通信を望む者がいることを認識させて会話を開始することができる。全方向からの信号を受信する無指向性赤外線信号受信部は、使用者を中心にして全方向から送信されてくる赤外線信号を受信する。そして呼び出し伝達部は、無指向性赤外線信号受信部が赤外線信号を受信すると、使用者に呼び出しがあることを振動、音響及び発光の少なくとも一つによって伝達する。
【0012】
既に発明者が提案した特許文献1の特開2009-88803「赤外線通信装置」や、非特許文献1のJ.Watanabe,H.Nii,Y.Hashimoto、M.Inami、「Visualresonator:interfaceforinteractivecock-tailpartyphenomenon」、Ext.Abstracts CHI2006、1505-1510頁においては、お互いの会話中に常に相手の方向を向き続けなければならないというデメリットがある。また、呼出方向が直感的に分かるにはさらに改善の余地を残していた。
【0013】
これらの装置は、見通し距離にいる相手との会話は可能となっているが、従来提案した装置からさらにマン・マシンインターフェイスを向上させて、人間の自然な動作の中で適切に補助手段としての機能を果たす装置が望まれる。例えば、相手が見通し距離にいるとき、まず声を掛けて、会話の意志を伝えるであろう。会話の相手は、遠くから自分を呼びかける声が聞こえたときは、まず、相手を探すために周囲をキョロキョロと見渡して、呼びかけている人を探すであろう。声が聞こえた方向を直感的に感じてその方向を向くが、音声は空気中を伝わる振動波であり、壁等による反射の影響もあって、意外と音源の方向を感知するのは難しいものである。このため、頭を回転させる動作により目で周囲を見渡して相手を捜すことになる。そして、自分を向いて何らかの合図を送っている人を見つけると、ジェスチャー交じりでの会話が開始されるであろう。
【0014】
本発明は、この様な場合での会話手段、即ち音声を入出力するための補助手段を提供するものであり、人間の自然な動作の中で装置を動作させることを目的としている。

【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、見通し距離にいる相手との会話手段を提供するものであり、特定方向からの赤外線信号を受信する複数の呼出用指向性赤外線信号受信部と、前記呼出用指向性赤外線信号受信部で受信された呼出信号を、振動、音または光の情報に変換する信号変換部と、前記信号変換部で変換した信号を振動、音または光として受信者に通知する呼出部と、特定方向からの赤外線信号を受信する会話用指向性赤外線信号受信部と、受信信号を変換して音声信号にする出力音声変換部と、音声信号を可聴域の音声として出力する音声出力部と、音声を入力する音声入力部と、音声入力部から入力した前記音声を赤外線信号に変換する入力音声変換部と、特定方向への赤外線信号を送信する会話用指向性赤外線信号送信部と、装置全体の信号を制御する制御部と、からなり、少なくとも前記会話用指向性赤外線信号受信部と前記会話用指向性赤外線信号送信部とは、顔の正面方向に送受信信号の指向性を一致させ、前記音声出力部と前記音声入力部を一体として頭部に配置し、複数の前記呼出用指向性赤外線信号受信部では、指向性方向を異なる方向として、それぞれの方向の信号を受信させ、呼出信号を受信した前記呼出用指向性赤外線信号受信部に対応する前記呼出部から振動、音または光により呼出が行われることを特徴とする対話型赤外線通信装置により実現される。
【0016】
会話したい相手が見通し距離にいる場合には、相手に向かって音声入力部を介して声を掛ける。そして、会話用指向性赤外線信号送信部から赤外線信号を相手の方向へ送信する。信号の受信部は複数の呼出用指向性赤外線信号受信部からなり、全方向をカバーするように配置されている。呼出側の会話用指向性赤外線信号送信部により送信された赤外線信号を、相手側は、いずれかの呼出用指向性赤外線信号受信部で受信すると、その呼出用指向性赤外線信号受信部に対応した呼出信号の信号変換部で呼出部の動作を行う信号に変換され、呼出部の動作により呼出相手に通知される。呼出部により相手に直感的に分かる方法として、振動、音または光により提示し、相手側はどの方向から送信された信号かを感知する。そして、受信側が感知した方向に顔を向けると、送信側の会話用指向性赤外線信号送信部と受信側の会話用指向性赤外線信号受信部の指向性が一致し、受信側の会話用指向性赤外線信号受信部が赤外線信号を受信し、出力音声変換部において音声信号に変換して、音声出力部から可聴域の音声として出力する。この時、会話用指向性赤外線信号送信部も、会話を求めて声を掛けた呼出人側に向いている。このため、音声入力部より音声を入力し、入力音声変換部により電気信号に変換し、会話用指向性赤外線信号送信部より赤外線信号として送信する。
【0017】
呼出部は、人間が感知できる振動、音や光により実現され、赤外線信号の送信方向に指向性を有するいずれかの呼出用指向性信号受信部が受信して、対応する呼出部が動作するから、どの方向から声を掛けられたかが容易に感知できる。
【0018】
さらに、全方向からの赤外線信号を受信する会話用無指向性赤外線信号受信部を備え、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用無指向性赤外線信号受信部を切り替え可能とすることにより、複数の人との会話をしたい場合にも適用できる。この場合に、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用無指向性赤外線信号受信部を切り替え可能とすることにより、複数の人からの音声を聴いたり、特定の人からの音声を聴いたりすることができるため応用範囲が広がり、場面に応じた柔軟な使用方法が可能となる。
【0019】
さらに全方向に赤外線信号を送信する会話用無指向性赤外線信号送信部を備え、会話用指向性赤外線信号送信部と会話用無指向性赤外線信号送信部を切り替え可能とすれば、複数の人に音声を送信することも可能である。
【0020】
また、全方向からの赤外線信号を受信する会話用無指向性赤外線信号受信部と全方向に赤外線信号を送信する会話用無指向性赤外線信号送信部をさらに備え、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用無指向性赤外線信号受信部が切り替え可能であり、会話用指向性赤外線信号送信部と会話用無指向性赤外線信号送信部が切り替え可能とすることで、複数の人からの音声を聴いたり、複数の人に音声を発したり任意の方法で会話が可能となり、一層応用範囲が広がり、場面に応じてさらに柔軟な使用方法が可能となる。
【0021】
会話用指向性赤外線信号受信部と会話用指向性赤外線信号送信部を頭部から取り外し可能として、体の正面に配置可能な取付部を備え、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用指向性赤外線信号送信部を取付部に移動させたときは、体の正面方向への指向性を有するようにすることができる。これにより、会話中に相手を見続ける必要が無く、体の正面がお互いに向き合っていれば会話が可能である。
【0022】
状況によっては会話相手と向き合うことができない場合もあるが、このような場合には、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用指向性赤外線信号送信部を会話の相手に向けることができるようにしておくことが可能となるようにしてもよい。状況により柔軟に対処できる様に、会話用指向性赤外線信号受信部のみ、或いは会話用指向性赤外線信号送信部のみを分離してもよい。
【0023】
また、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用指向性赤外線信号送信部の信号検知部を設け、
複数の呼出用指向性赤外線信号受信部のいずれかで信号を受信した場合は、会話用指向性赤外線信号受信部、出力音声変換部、音声出力部、会話用指向性赤外線信号送信部、入力音声変換部、音声入力部と信号検知部を駆動し、信号検知部が何れの送受信部からも予め定められた入出力信号が無いことを検知した場合は、会話用指向性赤外線信号受信部、出力音声変換部、音声出力部、会話用指向性赤外線信号送信部、入力音声変換部、音声入力部と信号検知部の駆動とを停止させる。
【0024】
対話型赤外線通信装置では、まず複数の呼出用指向性赤外線信号受信部、信号変換部、呼出部及び制御部の電源をオンにしておき、呼出信号を受信可能な状態としておく。いずれかの呼出用指向性赤外線信号受信部で呼出信号を受けたら、会話用指向性赤外線信号受信部、出力音声変換部、音声出力部、会話用指向性赤外線信号送信部、入力音声変換部、音声入力部と信号検知部の電源をオンにして駆動状態とする。信号検知部は、入出力信号によりお互いの会話が続いていることを検知し、会話の終了は、予め定められた時間内に信号を検知しなかったときは会話が終了したとして、会話用指向性赤外線信号受信部、出力音声変換部、音声出力部、会話用指向性赤外線信号送信部、入力音声変換部、音声入力部と信号検知部の電源をオフにして駆動を停止させる。これらの動作は制御部にて行われ、電力消費を抑えることができる。
【0025】
また、信号検知部が動作している間は、全ての呼出用指向性赤外線信号受信部、全ての信号変換部、全ての呼出部の駆動を停止させることにより、消費電力の低減が可能となる。
【0026】
音声出力部は骨伝道によるイヤフォン、音声入力部は骨伝導によるマイクとすることにより、周囲の雑音の影響を抑止することができる。特に人ごみの中や、工事中の現場で効果的である。
【0027】
対話型赤外線通信装置では、特定方向からの赤外線の呼出信号を受信する複数の呼出用指向性赤外線信号受信部と呼出部を、他と分離して一体として呼出装置を構成し、呼出信号を受信した受信部に対応する呼出部で光により受信者に通知するようにしてもよい。
【0028】
呼出装置を別に構成することで、本体の軽量化が可能となるばかりでなく、周囲に置いた方が便利な場合にも対応できる。この場合は、頭部に設置されていないため呼出通知は、少なくとも光による可視化された信号を用いる。赤外線信号の受信者は、光信号により通知された方向を向いて送信者と向き合う。
【0029】
さらに呼出装置に、音声入力部、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用指向性赤外線信号送信部を一体として送受信装置を構成し、複数の呼出用指向性赤外線信号受信部の指向性を示す面方向と直交する方向に、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用指向性赤外線信号送信部とを配置し、音声入力部に口から音声を入力する操作をする場合に、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用指向性赤外線信号送信部とが顔の正面方向に指向性を有する構造とする。
【0030】
この送受信装置に、音声入力部、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用指向性赤外線信号送信部を設けることにより、呼出部から光で通知されると、送受信装置を口元に持ってきて音声入力部から音声を入力する。この動作を行うことにより、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用指向性赤外線信号送信部は、会話の相手側方向を向くことになり、お互いの音声の送受信が可能となり、会話することができる。そして、複数の呼出用指向性赤外線信号受信部は、会話用指向性赤外線信号受信部及び会話用指向性赤外線信号送信部と直交する方向に配置されているから、会話中は、垂直方向を向いていることになり、他の相手からの呼出信号を受信することはない。従って、会話中は排他的にお互いの会話に集中できる。
【0031】
対話型赤外線通信装置から、特定方向からの赤外線信号を受信する会話用指向性赤外線信号受信部と、特定方向への赤外線信号を送信する会話用指向性赤外線信号送信部と、音声入力部とを一体として分離して送受信装置としてメガホン型の構造とし、狭い開口部側に音声入力部を、広い開口部側に、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用指向性赤外線信号発信部とを備えた構造としてもよい。
【0032】
遠くに離れた人との会話は、メガホンを使用することも多く、実際の状態に近い形態のメガホ型送受信装置とすることにより、使い勝手をよくした装置である。メガホンの使用は、相手の方向を向いて口に当てて声を発する動作を行うものであり、メガホンの方向と会話用指向性赤外線信号受信部と会話用指向性赤外線信号送信部の指向性の方向を、自然な動作の中で一致させることができる。
【0033】
対話型赤外線通信装置は、音声入力部、会話用指向性赤外線信号受信部、会話用無指向性赤外線信号受信部、会話用指向性赤外線信号送信部、会話用無指向性赤外線信号送信部を一体として分離して送受信装置を構成し、複数の呼出用指向性赤外線信号受信部の指向性を示す面方向と直行する方向に、会話用指向性赤外線信号受信部、会話用無指向性赤外線信号受信部、会話用指向性赤外線信号送信部と会話用無指向性赤外線信号送信部を配置し、音声入力部に口からから音声を入力する操作をする場合に、会話用指向性赤外線信号受信部、会話用無指向性赤外線信号受信部、会話用指向性赤外線信号送信部と会話用無指向性赤外線信号送信部が顔の正面方向に指向性を有するようにしてもよい。
【0034】
また、対話型赤外線通信装置は、会話用指向性赤外線信号受信部、会話用無指向性赤外線信号受信部、会話用指向性赤外線信号送信部と会話用無指向性赤外線信号送信部、音声入力部とを一体として分離してメガホン型の送受信装置として、狭い開口部側に音声入力部を備え、広い開口部側に、会話用指向性赤外線信号受信部、会話用無指向性赤外線信号受信部、会話用指向性赤外線信号送信部と会話用無指向性赤外線信号送信部とを備えることもできる。

【発明の効果】
【0035】
本発明の対話型赤外線通信装置によれば、見通し距離内にいるが、相手が自分を認識していない場合でも、相手に会話意志を伝えて、人間の自然な動作により通信を開始し、排他的にお互いが会話をすることができる。また、相手側もどの方向から呼び出されているかが感覚的に知覚でき、スムーズに会話を開始できる。

【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の対話型赤外線通信装置の概念を説明するための図。
【図2】本発明の対話型赤外線通信装置の一実施例の構成を示すブロック図。
【図3】図2の実施の形態をヘッドフォン型アダプタに実装した場合の構成の例を示す斜視図。
【図4】図2のブック図における主要機能を説明する図。
【図5】会話用指向性赤外線信号受信部と会話用無指向性赤外線信号受信部の指向性特性の例を示す図。
【図6】ヘッドフォン型アダプタに実装した場合に、会話用指向性赤外線信号受信部と会話用指向性赤外線信号送信部を分離して構成した例を示す斜視図。
【図7】本発明の対話型赤外線通信装置に、骨伝導式ヘッドフォンと骨伝導式マイクロフォンを採用したときの装着時の概略図。
【図8】呼出用指向性赤外線信号受信部等を分離して呼出装置を構成した例を示す図。
【図9】送受信装置で、呼出用指向性赤外線信号受信部に直交するように会話用指向性赤外線信号受信部、会話用指向性赤外線信号送信部と音声入力部を配置した例を示す図。
【図10】本発明による図2の実施の形態において、会話用指向性赤外線信号受信部、会話用指向性赤外線信号送信部と音声入力部とを一体として分離して、メガホン型として構成した場合の例を示す斜視図。
【図11】図2の構成に、さらに会話用無指向性赤外線信号受信部と会話用無指向性赤外線信号送信部を加えた場合のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下図面を参照して本発明の対話型赤外線通信装置の実施の形態を詳細に説明する。

【0038】
図1は、本発明の基本的な概念を説明する図であり、お互いが道路を隔てて歩いている状況を示している。

【0039】
本発明による対話型赤外線通信装置10の装着者A及びBは、お互い直接声が届かない距離にいても、自分がコミュニケーションをとりたい相手の方向を向き、話し掛けることで相手に呼びかけることができる。装着者Aが装着者Bとコミュニケーションをとる場合は、図1(A)に示したように、装着者Aが装着者Bに向かって声を掛ける。すると、装着者Bは呼出部からの通知に気付き、発信側の装着者Aを捜す。そして、図1(B)に示したようにお互いが相手の存在に気付き、向かい合うことで会話を開始する。向かい合ったときに相手のマイクロフォンからの声が明瞭に聴こえるようになっているため、見通し距離においても会話する相手を見ながら、近接距離にいて会話をするかのように会話をすることができる。

【0040】
図2は、本発明による対話型赤外線通信装置10のブロック図であり、具体的な実施例に共通する機能を説明する。

【0041】
呼出用指向性赤外線信号受信部12は、4個の呼出用指向性赤外線信号受信部12-1~12-4からなり、前後左右方向からの呼出信号を受信する。この呼出用指向性赤外線信号受信部は、4個に限らず、任意の数でよい。また、複数の呼出用指向性赤外線信号受信部で全方向をカバーするような指向性特性を備えるようにしているため、4個の呼出用指向性赤外線信号受信部12-1~12-4を有する場合はそれぞれが約90度の角度をカバーする。次に信号変換部14において、各指向性赤外線呼出信号受信部12-1~12-4に対応して赤外線信号を電気的に変換して呼出を行うための信号に変換する信号変換部14-1~14-4と呼出部16-1~16-4があり、呼出部16にもそれぞれ対応した呼出部16-1~16—4がある。呼出部は、呼び出された相手側が、現在立つ位置のどの方向から呼び出されているかが分かるように、赤外線信号の発信方向からの信号を受信した呼出用指向性赤外線信号受信機12-1~12-4のいずれかに対応した呼出部16-1~16-4により、信号が伝えられる。呼出方法としては、振動、音、光等があるが、人間が知覚できる方法であればその他の方法であってもよい。

【0042】
呼出を受けた相手側(以下受信側という。)は、呼出部16での呼出方向を知覚して、その方向を向いて赤外線信号を送信した側(以下送信側という。)を捜し、見つけた場合はその方向を向く。そうすると、受信側の会話用指向性赤外線信号受信部20と送信側の会話用指向性赤外線信号送信部28の指向性が一致するから、お互いの会話が可能となる。会話用指向性赤外線信号受信部20には出力音声変換部22があり、受信信号を音声信号に変換し、音声出力部24から音声を出力する。また、会話用指向性赤外線信号送信部28には、入力音声変換部30があり、音声入力部32から入力された音声信号を入力音声変換部30により赤外線信号に変換し、送信する。これにより、お互いが排他的に会話できることとなる。会話用指向性赤外線信号受信部20と会話用指向性赤外線信号送信部28の指向特性は、お互いが向き合って会話をするため、例えば10度~30度程度の角度をカバーすればよい。カバーする角度は、用途によって任意に設計可能である。

【0043】
会話用指向性赤外線信号受信部20と会話用指向性赤外線信号送信部28での信号は、信号検知部26により信号検知が行われている。

【0044】
対話型赤外線通信装置10の使用を開始する場合は、まず、電源(図示せず。)をオンとして、呼出用指向性赤外線信号受信部12、信号変換部14、呼出部16と一連のブロックを制御する制御部18を駆動する。この状態で、お互いの装置の使用が準備される。

【0045】
そして、送信側はさらに、会話用指向性赤外線信号受信部20、出力音声変換部22、音声出力部24、信号検知部26、会話用指向性赤外線信号送信部28、入力音声変換部30及び音声入力部32の電源をオンして駆動状態とする。その後、呼び出したい相手に向かって音声入力部32から、音声を入力して、受信側である会話の相手に呼び掛ける。このとき、呼び掛けの音声は会話用指向性赤外線信号送信部28から、受信側に向かって指向性のある赤外線信号として送信する。

【0046】
受信側では、送信側の信号を4個の呼出用指向性赤外線信号受信部12-1~12-4で受信可能な状態となっているから、指向性を有する呼出用指向性赤外線信号受信部12-1~12-4のいずれかで呼出信号を受信する。例えば、呼出用指向性赤外線信号受信部A12-1で呼出信号を受信すると、信号変換部A14-1で信号変換され、呼出部A16-1を介して受信者に伝えられる。

【0047】
受信側が送信側からの赤外線信号を呼出用指向性赤外線信号受信部12で受信すると、制御部18により、会話用指向性赤外線信号受信部20、出力音声変換部22、音声出力部24、信号検知部26、会話用指向性赤外線信号送信部28、入力音声変換部30及び音声入力部32の電源をオンとする制御を行う。

【0048】
そして受信側は、呼出部16においてどの呼出部から呼出を受けているかが分かるから、送信側を見つけてその方向に向く。送信側を向いたときには会話用指向性赤外線信号受信部20と会話用指向性赤外線信号送信部の指向性の方向が送信側と一致してお互いの声を送受信できるから会話が可能となる。

【0049】
信号検知部26では、会話用指向性赤外線信号受信部20と会話用指向性赤外線信号送信部28の入出力信号を検知しているから、何れからも信号が無いことを検出可能である。従って、信号が検出されない時間を予め定めておき、定められた一定の時間が経過しても信号検知部26において信号が検出されない場合は、制御部18により、対話型赤外線通信装置10の会話用指向性赤外線信号受信部20、出力音声変換部22、音声出力部24、信号検知部26、指会話用向性赤外線信号送信部28、入力音声変換部30及び音声入力部32の電源をオフとする制御を行う。この制御は、送信側及び受信側双方において行われる。この操作により消費電力の低減が図られる。


【0050】
(実施例1)
図3は、図2に示したプロック図の構成を、ヘッドフォン型アダプタ36として一体的に実装した場合の実施例を示す斜視図である。

【0051】
ヘッドフォン型アダプタ36は、音声出力部24として左右のヘッドフォン24-1、24-2を耳に当てる。マイクロフォンは音声入力部32となり、ヘッドフォン型アダプタ36を頭に装着したときには口の前に位置する。右のヘッドフォン24-1の上部には、会話用指向性赤外線信号送信部28が設けられている。ヘッドフォンのアーム上部には、会話用指向性赤外線信号受信部20と4個の呼出用指向性赤外線信号受信部12-1~12-4が配置され、呼出部16-2、16-3は頭部表面に接するように配置されている。

【0052】
図4は、主要部の具体的な機能ブロック図である。

【0053】
実施例で使用した呼出用指向性赤外線信号受信部品12-11、12-21、12-31、12-41と会話用指向性赤外線信号受信部品20-11は、高感度のフォトダイオードである10mm×10mmの大型フォトダイオード(浜松フォトニクス製S3590-01)を使用している。フォトダイオード自身での指向性はほとんど無いが、指向性を得るために金属の円筒を設けている。

【0054】
図5に、金属円筒を設けて指向性赤外線信号受信部とした場合と、金属円筒を設けないで無指向性赤外線信号受信部とした場合の特性40を示した。測定データは、中心に受信部を設置し、発信機を徐々に近づけながら受信部が動作し始める距離及び角度を計測した。半径方向は受信距離である。指向性特性は、信号を発信した場合に、どの角度のどのくらい離れた位置から受信可能かを示している。金属円筒を設けて指向性赤外線信号受信部とした場合の特性42は、X方向に強い指向性を有しており、このX方向を特定の指向性を有する方向、あるいは顔の正面方向としている。一方、金属円筒を設けないで無指向性赤外線信号受信部として使用した場合の特性44は、わずかにY方向に指向性の偏りが見られるが、ほぼ全方向からの受信が可能な状態となっている。本発明においては、指向性を得るために長さ3~5cm程度の金属円筒を使用している。指向性は金属円筒の長さによってカバーする角度を変えることが可能である。

【0055】
再度図4に戻って説明する。呼出用指向性赤外線信号受信部品12-11、12-21、12-31、12-41は、信号変換部14-1~14-4として信号検出器14-11、14-21、14-31、14-41と音響制御部(PIC 12F683)14-12、14-22、14-32、14-42を備え、呼出用の振動器(16-11、16—21、16-31、16-4を振動させている。振動器16-11、16—21、16-31、16-4は、頭部表面に接するようにしてあり、図3に示した配置のように、前後左右のどの方向からの呼出かは、どの位置の振動器が振動しているかで容易に感知できる。会話用指向性赤外線信号受信部20には、出力音声の変換用としてFM復調器22-11が設けられており、音声信号に変換されてヘッドフォンに取り付けられたスピーカ32-11から可聴域の音声を発する。

【0056】
会話用指向性赤外線信号送信部品28-11は、Vishay社製の赤外LED TSFF5410を使用している。会話用指向性赤外線信号受信部品20-11と同様に、指向性を得るために金属円筒を使用して指向性を得ている。マイクロフォン24-11から音声を入力し、入力音声の変換用としてのFM復調器30-11は、話用指向性赤外線送信部品28-11に接続されている。

【0057】
ヘッドフォン型アダプタ36は、頭部にすべての機能部品を一体的に実装しており、顔の向きにより指向性の方向が決まる。このため、呼びかけられても自然な動作で会話が開始できる特徴を有している。


【0058】
(実施例2)
図6は、図5に示したヘッドフォン型アダプタ36の構成要素のうち、会話用指向性赤外線信号受信部20と会話用指向性赤外線信号送信部28を、本体46から分離可能とした構造である。分離部48は、体の正面に取り付けが可能な取付部34を有し、配線35により本体46からの信号を送受信する。

【0059】
見通し距離で相手との会話を開始した場合、短い時間であれば相手を見ながら、すなわち、顔を背けずに会話が可能であろう。しかしながら、人間は、同じ体勢をずっと維持するのは難しく、例え目の前の相手と話している場合であっても、顔を背けたり、遠くを見たりいろいろな動作を伴うのが自然である。このような場合は、頭部に配置された会話用指向性赤外線信号受信部20及び会話用指向性赤外線信号送信部28の向きが変わって、会話ができなくなってしまう問題がある。そのために、本実施例のヘッドフォン型アダプタ36は、会話用指向性赤外線信号受信部20及び会話用指向性赤外線信号送信部28をヘッドフォン型アダプタ36から取り外し可能とする構造とし、本体46はそのまま頭部にあるが、分離部48は体の正面、例えば胸の位置に取り付けが可能な構造としている。取り外した会話用指向性赤外線信号受信部20及び会話用指向性赤外線信号送信部28は、相手を捜して正面を向き合い、会話が開始された後は、体の正面に設置できる用に取付部34を設けている。具体的には、会話用指向性赤外線信号受信部20及び会話用指向性赤外線信号送信部28を紐で繋いで、紐を首に掛けて胸の辺りに保持することにより、極めて簡単な構造で実現した。

【0060】
人間の本来的な動作として、体の向きを一定に保つことはそれほど苦痛を感じないし、顔は、その場面により感情によっても様々な動作を行うものである。まして正面を向き続ける状態を維持することは、かなりの疲労も伴うものである。これらの問題は、実施に当たっては、会話用指向性赤外線信号受信部20及び会話用指向性赤外線信号送信部28を取り外し可能として、紐で繋いで首から下げて、体の向きと指向性の方向を一致させる手段により解決した。会話が終了したら、元に戻せばよい。


【0061】
(実施例3)
図7は、実施例1のヘッドフォン型アダプタ36において、イヤフォン及びマイクロフォンとして、骨伝導式イヤフォン54及び骨伝導式マイクロフォン56を採用した骨伝導式ヘッドフォン型アダプタ50を頭部52に装着したときの模式図である。骨伝導式イヤフォン54は耳の近くの骨に当て、骨伝導式マイクロフォン56は顎骨に当て、それぞれ骨の振動により音を伝え、また、音をピックアップする。騒音中でも雑音がはいらず、明瞭な音声が送受信できる。さらに、通常のヘッドフォンと違って耳に覆いかぶせる必要が無く、会話がないときでも長時間の装着が楽にできる特徴がある。骨伝導式イヤフォン54及び骨伝導式マイクロフォン56を採用することで、さらに使い勝手のよい装置となった。

【0062】
対話型赤外線通信装置10の使用頻度が高い場合は、常に装置を装着している必要がある。例えば、レストランでの注文システムで、カウンターで客からの注文を受けているような場合である。このような場合は、常に装置を装着して客からの注文を受けなければならない。長時間にわたりヘッドフォンを装着することは苦難を伴うこともある。このような場合にも骨伝導式のため、店内の雑音がカットされ、使用感の良い装置として長時間の使用にも適している。


【0063】
(実施例4)
図8は、呼出用指向性赤外線信号受信部12-1~12-4、信号変換部(図示せず。)と呼出部16-1~16-4を分離して呼出装置62とした実施例である。図8(A)に本体60、図8(B)に呼出装置62を示している。本体60はヘッドフォン型であり、実施例1と同様に頭部にセットする。呼出装置62での呼出部16-1~16-4は、バイブレータの振動により音響を発する他、LED(Light Emitted Diode)等の発光素子を設けて、赤外線信号を受信したときに光を点滅させて、目視により送信者側の位置を知る。このように呼出装置62を分離することで本体60の軽量化が可能となる他、頭部に振動を受けることを好まない人に適する。また。目の前の机等に置いて使用することができるので、座っている場合や、車の中からの使用等の応用場面が考えられる。


【0064】
(実施例5)
図9は、対話型赤外線通信装置10を卓上型装置70としての送受信装置とし、音声出力部24は小型のイヤフォン24-1、24-2とした実施例である。卓上型装置70では、呼出用指向性赤外線信号受信部12-1~12-4を水平方向の四方に指向性を向けて設置し、卓上型装置70の上部の対応する位置に呼出部16-1~16-4を設ける。この場合も実施例4と同様に、呼出部16-1~16-4にはLED等の光による呼出手段を設ける。音声入力部32は、卓上型装置70の上部に配置する。会話用指向性赤外線信号受信部20と会話用赤外線信号送信部28は、呼出用指向性赤外線信号受信部12-1~12-4と直交する方向に設ける。このような構造とすることにより、呼出信号を受信した場合には、目視により送信者のいる方向を認識して、卓上型装置70の上部にある音声入力部32を口元に持ってくるから、卓上型装置70は、通常据え置かれている状態から変化して、呼出用指向性赤外線信号受信部12-1~12-4は、上下の方向に指向性を有するようになり、会話用指向性赤外線信号受信部20と会話用赤外線信号送信部28は水平方向に指向性を有するようになる。このため、赤外線信号は受信せず、自然な動作で対話相手のみとの会話が排他的に可能となる。


【0065】
(実施例6)
図10は、対話型赤外線通信装置10から、会話用指向性赤外線信号受信部20、会話用赤外線信号送信部28及び音声入力部32を分離して、メガホン型装置82として一体化した実施例である。本体80からは信号線84を介して信号が送受信される。メガホン型構造の広い開口部には、会話用指向性赤外線信号受信部20と会話用赤外線信号送信部28を配置し、狭い開口部には音声入力部32を配置する。このようなメガホン型装置82は、遠くにいる人と声を掛け合う場合に通常使用するメガホン感覚で使用できる。メガホンを口元に当てる自然な動作により、会話用指向性赤外線信号受信部20と会話用赤外線信号送信部28指向性の方向を会話する相手と一致させることができる。


【0066】
(実施例7)
図11は、赤外線通信装置線10に、さらに会話用無指向性赤外線信号受信部21と会話用無指向性赤外線信号受信部29を加えたブロック図である。実施例1~6では、会話は送信側と受信側の1対1の場面を想定した実施例であったが、必ずしも1対1である必要は無く、一人で複数の人に指示を出したり、複数の人からの指示を受けたりする場合もある。例えば、屋外での講習である、講師は複数の生徒に指示をだして、複数の生徒に音声を届けるが、生徒から向き合った場合にのみ音声の受信ができるような場面である。

【0067】
会話用指向性赤外線信号受信部20と会話用無指向性赤外線信号受信部21、及び、会話用指向性赤外線信号送信部28と会話用無指向性赤外線信号送信部29は任意に切り替え可能とすることにより、状況に応じた会話の形態が可能となり、応用範囲も広くなる。

【0068】
本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。

【符号の説明】
【0069】
10 対話型赤外線信号通信装置
12 指向性赤外線呼出信号受信部
14 信号変換部
16 呼出部
18 制御部
20 指向性赤外線信号受信部
21 無指向性赤外線信号受信部
22 出力音声変換部
24 音声出力部
26 入出力信号検出部
28 指向性赤外線信号送信部
29 無指向性赤外線信号送信部
30 入力音声変換部
32 音声入力部
34 取付部
35 配線
36 ヘッドフォン型アダプタ
40 指向性特性図
42 指向性赤外線受信部特性
44 無指向性赤外線受信部特性
46 本体
48 分離部
52 頭部
54 骨伝導式イヤフォン
56 骨伝導式マイクロフォン
62 呼出装置
70 卓上型装置
82 メガホン型装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10