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明細書 :2値化画像への情報埋め込み方法及び読み出し方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5487424号 (P5487424)
公開番号 特開2011-041055 (P2011-041055A)
登録日 平成26年3月7日(2014.3.7)
発行日 平成26年5月7日(2014.5.7)
公開日 平成23年2月24日(2011.2.24)
発明の名称または考案の名称 2値化画像への情報埋め込み方法及び読み出し方法
国際特許分類 H04N   1/387       (2006.01)
G06T   1/00        (2006.01)
FI H04N 1/387
G06T 1/00 500B
請求項の数または発明の数 8
全頁数 16
出願番号 特願2009-187298 (P2009-187298)
出願日 平成21年8月12日(2009.8.12)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成21年2月12日 国立大学法人山梨大学主催の「平成20年度 山梨大学工学部コンピューター・メディア工学科 修士論文発表会」において文書をもって発表
審査請求日 平成24年7月17日(2012.7.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023994
【氏名又は名称】国立大学法人山梨大学
発明者または考案者 【氏名】茅 暁陽
【氏名】丸山 哲平
審査官 【審査官】橋爪 正樹
参考文献・文献 特開2007-143188(JP,A)
調査した分野 H04N 1/38- 1/393
G06T 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
画像を2値化画像に変換するステップと、
前記2値化画像へビット情報を埋め込むステップと、
次に前記2値化画像に読み取り時の補助となるフレームを付加するステップと、
を備えたことを特徴とする画像にビット情報を埋め込む方法。
【請求項2】
前記フレームが明および暗が異なる画素を交互に配置したドットフレームであり、前記ドットフレームは四角形の4辺を成し、前記4辺のそれぞれの画素数が奇数であることを特徴とする請求項1に記載の画像にビット情報を埋め込む方法。
【請求項3】
前記ドットフレームの互いに隣り合う2つの辺で形成される4つの角に接した領域である4つの方向検出用スペースを設け、前記方向検出用スペースのうち1つの一部に前記四角形の角の画素と同じ明または暗の画素を方向検出マークとして配置し、他の3つの方向検出用スペースには前記四角形の角の画素とは異なる明または暗の画素のみを配置したことを特徴とする請求項2に記載の画像にビット情報を埋め込む方法。
【請求項4】
前記ドットフレームの4辺に隣接して、前記矩形の4つの角の画素とは異なる明または暗の画素を配置した領域であるパディングを設けたことを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の画像にビット情報を埋め込む方法。
【請求項5】
請求項2から4のいずれかに記載の画像にビット情報を埋め込む方法により前記ビット情報が埋め込まれた画像から前記ビット情報を読み出す方法であり、
前記ビット情報が埋め込まれた前記2値化画像を取込み2値化するステップと、
前記フレームの角を検出するステップと、
前記ビット情報を読み取るステップを備えたことを特徴とするビット情報が埋め込まれた画像からビット情報を読み出す方法。
【請求項6】
前記フレームの角を検出するステップは、
前記2値化した取込み画像の画素の、走査する方向に対して垂直方向の画像の幅の中央に位置するラインを含む複数の画素幅を持つ領域を走査し、前記フレームの4辺のうち向かい合う2辺の一部を検出するステップと、
検出した前記2辺の一部から、前記走査方向とは異なる方向に走査し、前記ドットフレームの角の画素と同一の明または暗の画素を順次特定し、前記特定した画素の並びの終端を前記フレームの角として検出するステップと、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載のビット情報が埋め込まれた画像からビット情報を読み出す方法。
【請求項7】
前記ビット情報を読み取るステップは、
前記検出したフレームの4つの角の位置から、前記フレームの4辺の方向に走査し、前記ドットフレームの各ドットを検出するステップと、
向かい合う辺の対応する明または暗のドットをつなぐラインの交点を、前記ビット情報を埋め込んだ画像の画素の位置として特定するステップと、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載のビット情報が埋め込まれた画像からビット情報を読み出す方法。
【請求項8】
請求項2から4のいずれかに記載の画像にビット情報を埋め込む方法と、請求項5から7のいずれかに記載のビット情報が埋め込まれた画像からビット情報を読み出す方法による、画像にビット情報を埋め込み及び読み出す方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話で読取り可能な絵柄やロゴなどの単純な形状の2値化画像を用いた画像への情報埋め込みと読み出しに関するものである。

【背景技術】
【0002】
現在最も普及しているQRコードは、白黒のマトリックスであり形を変えることが出来ず、コード自体には画像としての意味がないため、オリジナリティ、デザイン性に欠け、余分なスペースを必要とする。そこで、何色か使用でき、多少デザイン可能な2次元コードであるカラーコードの利用も見られるようになってきている。カラーコードは5×5のマトリックスに4色を配置し、そのパターンから番号を読み取り、サーバに予め登録されたURLを取得するものである。QRコードよりはデザイン性に長けているが、使える色と色の位置が決まっているため満足のいくデザインが得られるとは限らない。
【0003】
一方でそのままのデザインが使えるシステムも開発されているが、これはサーバに登録された画像を検索するという画像検索システムであり、そのものがコードとなる訳ではない。そのため、同じような画像を登録できないという問題や、画像自体を送信するという高い通信コストが発生する。また、写真をほぼそのままの形でコード化したFPcodeというものも開発されている。これは人間の目では変化が目立たない黄色の値を変化させてコード化している。写真をそのまま使えるので有用性があるが、単純な形で、使われている色が少ないものについてはコード化が難しい、色を限定された印刷媒体では使えないという欠点がある。
【0004】
さらに、画像を画素単位で走査し、ある大きさのブロック内の画素のパターンによって情報を埋め込むかどうかを判断し、そこのパターンを変えることによって埋め込む、という手法もある。その埋め込めるパターンの選択にはいくつかの手法が提案されている(非特許文献1)。この方法は文章画像でのパターンの出現頻度を調べ、高頻度かつ変更が目立たないパターンを選択する。また、Minらは滑らかさと連結性から可変度というものを計算することによって変更しても目立たないパターンを選択する手法を提案している(非特許文献2)。この手法は文章に限定されず、単独の文字や絵柄でもよく、どんな2値画像にも適用できるが、目立たないパターンを選択しているので必然的にエッジ部分に埋め込むことになる。
【0005】
一方、特許文献1は改ざん防止用の透かし技術である。画像を変更したときの目立ちやすさについては開示されているが、改ざんの特定を行う方法が開示されているのであって、この改ざんの特定を行うには、画素位置が確定できる精度での読み取りを必要とするものである。

【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2004-289783
【0007】

【非特許文献1】阿部悌、井上浩一、 江尻公一、 “2値画像への電子透かし”、 暗号と情報セキュリティシンポジウム、(SCIS)2000C05、 2000
【非特許文献2】Min Wu、Bede Liu、“Data Hiding in Binary Image for Authentication and Annotation”、 IEEE TRANSACTIONS ON MULTIMEDIA、 vol.6、 No.4、 pp.528-538、 2004.8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、元画像の形を壊さずに情報の埋め込みを行うことを目的としている。
そして、元画像情報を必要とせずに埋め込みデータを検出できることを目的としている。また、印刷時の解像度と異なる解像度での取得、たとえば、カメラ付き携帯電話での撮影画像からでも、十分な検出能力を実現することを目的としている。さらには、携帯電話での撮影時に画像が斜めになったり多少歪んだりしても、問題なく埋め込まれたデータを取得することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、画像全体を所定のブロック単位で走査し、前記ブロック単位の中心画素の明暗を反転させたときの当該ブロック単位の滑らかさと連結性とから当該ブロックの可変度を算出し、前記可変度が所定の得点以上であれば、前記ブロックを情報埋め込みブロックと特定し、埋め込みブロックの中心画素列からなる埋め込み情報ビット列を作成し、前記情報埋め込みビット列の明暗と、埋め込みたい情報ビット列とを比較し、一致しないビットについては、前記情報埋め込みビットを反転させて、前記画像に2値情報を埋め込み、前記画像の外側に所定のパティングを設け、前記パティングの4角に方向検出用の所定の画素からなる方向検出用スペースを配置し、前記方向検出用スペースのうちの一つである左上方向検出用スペースにのみ方向検出用マークとして暗を埋め込み、前記パティングの外側に明暗が交互となるように配置したドットフレームを配置したことを特徴とする2値化画像の情報埋め込み方法、であることを要旨とする。
これによって、2値画像において画像の形を壊さずに情報の埋め込みを行うことが出きる。
【0010】
そして、請求項2の発明は、請求項1に記載の2値化画像の情報埋め込み方法による情報が埋め込まれた画像から情報を読み出す2値化画像に埋め込まれた情報の読み出し方法において、カメラにより取り込んだ前記画像の上下の中心から、元画像の画素幅よりも大きな幅で前記画像の左端から中心部に向けて明暗を検出し、最初に検出され暗の位置を、前記画像の左側フレームの一点とし、前記画像の右端から中心部に向けて明暗を検出し、最初に検出された暗の位置を、前記画像の右側フレームの一点とし、前記左側一点から上方向に、元画像の画素幅よりも大きな幅で明暗を検出し、最後に検出された暗の位置を前記画像のフレームの左上の角とし、前記左側に1点から下方向に、元画像の画素幅よりも大きな幅で明暗を検出し、最後に検出された暗の位置を前記画像のフレームの左下の角とし、同様に前記右側フレーム一点から上下に、元画像の画素幅よりも大きな幅で明暗を検出し、前記画像のフレームの右上の角と、右下の角とを決定し、前記左上の角から右上の角の方向に明暗を検出し、明から暗、暗から明に変化するXY座標値を記録し、前記左下の角から右下の角の方向に明暗を検出し、明から暗、暗から明に変化するXY座標値を記録し、前記左上の角から左下の角の方向に明暗を検出し、明から暗、暗から明に変化するXY座標値を記録し、前記右上の角から右下の角の方向に明暗を検出し、明から暗、暗から明に変化するXY座標値を記録し、X座標値が同じものと、Y座標が同じものを接続することによりマトリクスを作成し、前記マトリクスを構成する単位を一画素として元画像を復元し、前記復元された元画像を所定のブロック単位で走査し、前記ブロックの中心画素列からなる埋め込み情報ビット列を、元画像に埋め込まれた2値情報とすることを特徴とする2画像埋め込み情報の読み出し方法であることを要旨とする。
これによって、請求項1の方法により埋め込まれた情報を、元画像情報を必要とせずに検出できる。
【0011】
さらに請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の2値化画像の情報埋め込み方法と、請求項2に記載の2値画像埋め込み情報の読み出し方法とからなる、2値画像の情報埋め込み方法及び情報読み出し方法での要旨とする。
なお、本発明の方法で作成したコードをBe-codeとよぶ。
【発明の効果】
【0012】
2値化画像を使うことは、使われている色が少なくても影響を受けず、どんな印刷媒体にも印字可能であるため利用形態が制限されない、という利点がある。また、単純な形状の画像を用いることが出来るため、企業のロゴなどをコード化することが出来きる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】Be-codeのドットフレームを説明した図である。
【図2】Be-code作成の手順を示すフローチャートである。
【図3】Be-code読み取り手順の概要を示すフローチャートである。
【図4】読み取り時フレームの角の検出手順を示すフローチャートである。
【図5】読み取り時フレームの解析手順を示すフローチャートである。
【図6】Be-codeの復元手順を示すフローチャートである。
【図7】ビット情報読み出し手順を示すフローチャートである。
【図8】Be-codeを利用したシステムの例
【図9】滑らかさを示す図
【図10】連結性を調べるフローチャートである。
【図11】埋め込み位置を決めるための可変度を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(Be-codeの構成)
まず初めに、Be-codeの構成を、図1を使用して説明する。
Be-code10の周辺には、画素の単位を決定するための白黒交互に配置されたドットフレーム110、 このドットフレーム110がエンブレム120に接触しないように設けられる空隙であるところのパディング 100、Be-code10の上下左右を決定するためのマークである方向検出マーク131、方向検出マーク131を確実に読み取るためにこのドットフレーム110から所定長さの辺を有する方向検出用スペース130、このBe-code10が設置あるいは印刷される面上で、他の絵柄や文字等に接触しないように設けられるマージン140、から構成される。

【0015】
以下に於いて、これらBe-code10の周辺に構成される枠体の総称をフレームと呼ぶ。ところで、マージン140は実際には描かれているわけではなく、他の絵柄や文字等から離れて本発明のBe-code10がポスターやチラシなどの媒体上に描かれていることを意味する。

【0016】
(Be-code作成の方法)
Be-code10の作成流れを、図2を使用しながら説明する。
図2に示す通り、画像の2値化(S110)、画像へのビット情報の埋め込み(S120)、フレームの付加(S130)、カラー化(S140)、の工程を経て、エンブレム120となる画像と、埋め込みたいビット情報とから、Be-code10が生成される。

【0017】
(元画像、埋め込みデータの入力)
元画像は絵柄やロゴなどの単純な画像が望ましい。明暗をまたぐグラデーションが含まれたイラストや輝度範囲が広くまばらな自然画像でもコード化は出来るが、見た目の変化が大きくなるためあまり適さない。コード化の前処理として、ドットフレームの4角に暗が配置されるように入力画像のサイズを変更する操作を行う。本発明では入力画像の縦または横の画素数が偶数の場合、端の列または行を1画素分削ることとした。
埋め込みデータ内容については本論では任意であるとする。

【0018】
(入力画像の2値化)
S110の説明をする。入力画像を2値化するものであって、本発明では元画像内の最大の輝度と最小の輝度の中央値を閾値として2値化を行った。これは、画像全体の明るさを参酌することにより、単純2値化を行う際に不適正な2値画像にならないようにするためであって、これ以外にも多くの方法が提案されておりこれに固定されるものではない。

【0019】
(情報の埋め込み)
S120の説明をする。2値化した画像に符号化したビット列を埋め込む。2値画像への埋め込みには明を暗、暗を明に反転させるしかなく、その反転させる部分の選択が重要となる。そこで、本発明では、非特許文献2に示されるMinの方法で提案した滑らかさと連結性を用いた2値画像への電子透かしを基礎として利用した。

【0020】
本手法では、入力画像を小領域(ブロック)ごとに参照し、各ブロック内の画素郡から滑らかさと連結性を用いて可変度を計算する。可変度とはブロック内の中心画素の暗明を逆に反転させても滑らかさ連結性を損なわず、見た目の変化が少ない点数のことである。また、ブロックサイズは注目画素を中心とする3×3画素とした。ブロックサイズを5×5のように大きくすれば、さらに見た目の変化を損なわなくなるが、埋め込める情報量が著しく減ってしまう。

【0021】
滑らかさは垂直、水平、斜め、逆斜めの4方向を持っており、それぞれの方向の画素値が変わる数によって決まる。滑らかさを以下の式によって求めた。

【数1】
JP0005487424B2_000002t.gif

【0022】
L は{0、1}の値をとる指標関数である。i、j はウィンドウ内のi番目の行とj 番目の列の画素値を意味する。L は{0、1}の値をとる関数であり、条件が真であるときとき1を、偽であるときは0をとる。pk、lはブロック内の1k番目の列とl番目の行の画素値を意味する。
N(i、j)は画像の注目画素の座標(i、j)を中心とするブロックの滑らかさを表す。滑らかさN は小さいほど滑らかである。滑らかさの例を図9 に示す。

【0023】
次に連結性を説明する。
連結性は明または暗の画素同士が4近傍で繋がっている(右左上下の4方向にて繋がっている)性質にかかわる。本手法では連結性から明、暗のクラスタ数を求め、可変度の計算に用いる。以下に連結性を求める手順を記す。p[k]はブロック内の画素値を順に格納した配列である。この方法を図10に記載した。

【0024】
次に、求めた滑らかさ、連結性に基づいて、可変度を求める。
可変度の値は、エンブレム10への埋め込む情報ビットの存在位置を示す、本発明では大変重要な値となる。可変度を計算するときの主に次の3点の問題に考慮した。
(1) 元のパターンが滑らかであるか
(2) 中心画素の反転が滑らかさを損なわせるか
(3) 中心画素の反転が連結性に変化を起こすかどうか。

【0025】
可変度の計算は以下のように行う。
(1) ブロックの画素が暗または明で一様である場合、可変度は0として以降の処理を行わないものとする。この処理は入力画像の特性上、最も多く存在すると考えられるため、始めにすることで処理の高速化を図れる。
(2) 水平、または垂直方向の滑らかさNh、Nv が0であるとき、可変度に0を割り当て、Nh、Nv が0でない場合は可変度に初期値として所定の値を割り当てる。Nh、Nvが0であるときは水平、垂直方向での変化がなく、とても滑らかであることを意味する。このようなブロックを反転してしまうと滑らかさを著しく損なわせることとなるので、反転しないブロックとして以降の処理から省く。
(3) 斜め、または逆斜め方向の滑らかさNd1、Nd2が0の場合、可変度を減らす。他の場合では4方向の滑らかさが最も低いものと閾値Tを比べ、その差の回数分の可変度を減らす。
(4) 中心画素を反転した時に、垂直、水平方向の滑らかさが変わらないならば可変度を増やし、変わるならば可変度を減らす。
(5) 中心画素を反転した時に、明、暗のクラスタの数を変えるならば、それぞれ可変度を減らす。本発明では可変度の初期値として所定の値に0.5、閾値Tに3、1 回の可変度の変化に0.125を使った。そして、求めた可変度が0.5以上であるとき、1bitの情報を埋め込むことができるブロックとした。この操作を入力画像の有効範囲内の全ブロックについて行い、その画像に埋め込められる情報量を計る。そして、符号化したデータ量よりも大きいならば埋め込み可能であるので、逐次埋め込み操作を行う。本手法では、1 つの埋め込み可能なブロックの中心画素を変えることによって1bitの情報を埋め込むことが可能である。ブロック内の暗の画素数が偶数であるとき’0’を、奇数であるときに’1’が埋めてあることとし、中心画素の反転によって操作する。

【0026】
(フレームの付加)
S130の説明をする。情報を埋め込んだ画像に読み取り時の補助となるフレームを付加する。(フレームについては、上記のBe-code10の構成の説明に説明をしたので省略する)このフレームと使うことにより、後ほど述べる、Be-code10読み取りのときに、読み取った画像が斜めであったり歪んでいたりした際に、アフィン変換や射影変換を行わずに元の画像を得ることが出来るようになることが、最大の特徴である。
まず、埋め込み画像の回りに1画素の明のパディング100を配置し、各角には2×2画素の明の方向検出用スペース130を配置する。

【0027】
ただし、左上とされる方向検出用スペース130の右下には1画素の暗の方向検出マーク131を配置する。パディング100はドットフレーム110とエンブレム10の画像が繋がらないようにするために設けている。方向検出マーク131と方向検出用スペース130はエンブレム10のエリアを少し侵すが、入力画像の特性上、角が暗であることは少なく、暗であっても周りにスペースを設けた画像を使えばよい。

【0028】
次に、パディング100の周りに暗明1:1で交互の点線であるドットフレーム110を配置する。入力画像の初期化処理によって、角に必ず暗が配置でき、明暗が常に交互になるようになっている。このドットフレーム110の1ドットがBe-code10の1ドットサイズの指標となるため、読取り時の補助になる。そして、ドットフレーム110の外周りには1画素の明のマージン140が配置する。マージンはドットフレーム110とBe-code10の外の画像が繋がらないようにするために設ける。

【0029】
(Be-codeの読み取り方法)
コードが記録されているBe-code10をカメラなどで読み取った画像を処理する方法を図3で説明する。
これは、画像の2値化(S210)、フレーム角の検出(S220)、フレーム解析(S230)、Be-code復元(S240)、埋め込みビット情報の読み取り(S250)から手順が構成される。

【0030】
(2値化)
まず、入力されたBe-code 10の画像を2値化する。2値化にはコードを作成したときと同じ方法を使う。2値化法には閾値を固定で決めるものと動的に割り当てるものがある。本発明では影や、照明などの影響を受けた画像を扱うため、閾値を動的に割り当てた。動的に閾値を割り当てる手法として、統計的な処理により閾値を決定する判別分析法を使った。

【0031】
判別分析法は、対象物の輝度値と背景の輝度値の各まとまりを1つのクラスとして分類し、それらのクラス内の分散を最小に、2つのクラス間の分散を最大にすることによって得られる閾値を用いて2値化する手法である。また、本発明では影の影響をより少なくするために、画像を4分割し、それぞれの領域で2値化処理を行った。
2値化についてはBe-code10生成のときにも述べたとおり、色々な方法が提案されていてそれぞれに特徴があるので、これに固定されるものではない。

【0032】
(フレームの角の検出)
図4の説明をする。
本発明での角検出のアルゴリズムを以下に記した。この手法はハフ変換や三角関数のような高コストな(処理時間のかかる)演算を行わずに高速かつ正確に検出できる。

【0033】
(1) 2値化画像の縦横の長い方(大抵の携帯電話では縦が長くなっているので、ここでは縦が長いとする)の中心を通るx方向の探査バンド(中心とその上下5画素)を左から走査し、始めに当たる暗をフレームの左辺とする。(S222)
(2) その点を下方の中点とする範囲(左右に2画素づつ、上に10画素)を左上から順に走査する。最も上で左の暗を次の点とし、繰り返す。(S224)
(3) 上に点がないならば、その座標をフレームの左上の角とする。(S226)
(4) (1)で探査した点を上方の中点とする範囲(左右に2画素づつ、下に10画素)を左下から順に走査する。最も下で左の暗を次の点とし、繰り返す。
(5) 下に点がないならば、その座標をフレームの左下の角とする。
(6) 右辺も同様に各角を検出する。(右辺は右上、右下の暗を次の点とする)
(7) 各角の中心を検出し、フレームの角の座標とする。(S228)

【0034】
(フレーム解析)
図5の説明をする。
隣り合うフレームの角の中心座標を結ぶ線とその上下または左右1画素をスキャンし、各線の全ての白、黒のドットの始まりの座標を記録する。(S232,S234)

【0035】
( Be-code の復元)
図6の説明をする。
本発明では、撮影したBe-code10の 画像を復元するために、入力画像に射影変換、アフィン変換といった幾何学処理を施さず、付加したドットフレーム110の解析情報から復元を行う。この処理でデジタルでのBe-code10の画像と同じ画像に復元できれば、正しい埋め込みデータを読み取ることができる。 この方法を利用することで、ぼけの影響でエッジに膨張、収縮が起きている画像でも正確に読み取れる。

【0036】
撮影したBe-code10の 画像を復元するために、まず、フレームの左辺と右辺のp番目のドットと、上辺と下辺のq番目のドットの中心を繋ぐ直線の交点を求める。各ドットの中心はそのドットと次のドットの開始座標の中点とする。その交点と交点の8近傍から復元画像の(p、q)の画素値を得る。

【0037】
本発明では、画素値の算出に交点の重みを1、近傍の重みを1/8として輝度値を加算し、平均を取った値を使用した。これは、レンズ系のぼけはガウスぼけが多いとされるためである。そのため近傍の画素値に重みをつけて加算することで、ぼけによる影響をある程度吸収することができる。そして、得られた画像をもう一度2値化する。その後、フレームの位置関係から方向検出マークを検出し、検出された角を左上として向きを合わせることでBe-code10の復元が完了する。


【実施例】
【0038】
(実験環境)
実験は、PC上で作成したBe-codeをプリンタで印刷し、カメラ付き携帯電話で撮影し、撮影した画像をPC上に移し読取り処理を行った。また、Be-code 作成時に埋め込む情報には意味を持たせず、埋め込めるブロックの中心画素を全て反転させることとした。実験環境としては次の通り。
【実施例】
【0039】
使用したカメラ付携帯電話は、有効画素数200万のCMOSセンサーであるSHARP705H2006年製で、480×640接写モード・ズーム機能で撮影した。Be-code10を印刷したプリンターは、CanonのLBP-470である。室内で実験をし、その照明状態は室内蛍光灯である。
【実施例】
【0040】
40bitの埋め込み情報に対して読み取った結果は、訂正処理を一切いれない場合でも1~2bit程度のミスを含んだものが20%の程度であり、数bit程度のミスは既存の誤り訂正技術を加えることで、問題なく100%認識できるので問題はない。
【実施例】
【0041】
図9はこのBe-code10の利用形態を概念的に説明した図である。
Be-code10が印刷された媒体を携帯電話のカメラで読み取ると、デジタルデータとして取り込まれるが、そのデータは通常、多値のカラー画像となっている。
【実施例】
【0042】
これをすでに述べたように、2値化して2値画像に変換し、フレームを利用して探索座標を規定し、可変度を参照し、コード読み取りを行う。
これらを実行する携帯電話用のプログラムについては、携帯電話サイト等からダウンロードできるように構成されている。従って、携帯電話内で、読み取ったコードからWEBアクセスするためのURLが拾えることになり、通常のインターネットアクセス等を利用できる。
【実施例】
【0043】
これにより、Be-code10に埋め込まれた情報が、例えばそのロゴを提供しているサイトであれば、直接その提供サイトを閲覧できることとなる。
ただし、サービス情報等はセキュリティーがあるので、一般のサイト情報の取得と同様なあらかじめの登録を要求することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明を利用すれば、単純な形状の絵柄やロゴなどの2値化画像に対してコード情報を埋め込むことが可能であり、携帯電話で簡便に読取り可能となる。しかも、携帯電話での読み取り時に中心からずれたり、傾いたり、多少歪んだりしても、問題なく読み取れる。
【符号の説明】
【0045】
10 Be-codeの全体
120 コード化された情報が埋め込まれている画像
情報が埋め込まれている画像、白と黒の2色を含む
100 パディング
110 ドットフレーム
130 方向検出用スペース
131 方向検出マーク
140 マージン



図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10