TOP > 国内特許検索 > 漢方薬選択支援システム > 明細書

明細書 :漢方薬選択支援システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5470647号 (P5470647)
公開番号 特開2010-198343 (P2010-198343A)
登録日 平成26年2月14日(2014.2.14)
発行日 平成26年4月16日(2014.4.16)
公開日 平成22年9月9日(2010.9.9)
発明の名称または考案の名称 漢方薬選択支援システム
国際特許分類 G06F  17/30        (2006.01)
FI G06F 17/30 419B
G06F 17/30 360Z
請求項の数または発明の数 4
全頁数 16
出願番号 特願2009-042694 (P2009-042694)
出願日 平成21年2月25日(2009.2.25)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成20年10月3日 日本薬学会東北支部発行の「第47回日本薬学会東北支部大会 講演要旨集」に発表
審査請求日 平成24年2月9日(2012.2.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504409543
【氏名又は名称】国立大学法人秋田大学
発明者または考案者 【氏名】佐々木 健太郎
【氏名】三浦 昌朋
【氏名】鈴木 敏夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100129838、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 典輝
審査官 【審査官】久々宇 篤志
参考文献・文献 特開2007-025879(JP,A)
特開2008-097154(JP,A)
調査した分野 G06F 17/30
CiNii
JSTPlus(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
複数の医療用漢方製剤についての情報が格納された医療用漢方製剤データベースと、該医療用漢方製剤データベースから適当な医療用漢方製剤を検索する検索手段と、該検索手段による結果を表示する表示手段とを備え、
前記医療用漢方製剤データベースに格納された前記情報は、各医療用漢方製剤の医療用漢方製剤情報、及び鑑別を要する医療用漢方製剤同士をリンクさせることによって全ての前記医療用漢方製剤を繋げたリンク情報であり、
前記検索手段は、前記医療用漢方製剤情報の一部に基づいて前記医療用漢方製剤データベースから適当な医療用漢方製剤を検索し、該検索された医療用漢方製剤と前記リンク情報により繋がっている医療用漢方製剤を検索する手段であり、
前記表示手段は、検索された前記医療用漢方製剤を表示する手段である、医療用漢方製剤選択支援システム。
【請求項2】
前記医療用漢方製剤情報が適応を含み、前記検索手段が、前記適応に基づいて検索する手段である、請求項1に記載の医療用漢方製剤選択支援システム。
【請求項3】
複数の医療用漢方製剤についての情報が格納された医療用漢方製剤データベースと、該医療用漢方製剤データベースから適当な医療用漢方製剤を検索する検索手段と、該検索手段による結果を表示する表示手段とを備え、
前記医療用漢方製剤データベースに格納された前記情報は、各医療用漢方製剤の医療用漢方製剤情報、及び鑑別を要する医療用漢方製剤同士をリンクさせることによって全ての前記医療用漢方製剤を繋げたリンク情報であり、
前記検索手段は、前記医療用漢方製剤データベースから任意の2つの医療用漢方製剤を選択し、前記リンク情報を用いて、前記2つの医療用漢方製剤のうち一方の医療用漢方製剤から他方の繋がりを検索する手段であり、
前記表示手段は、検索された前記繋がりを表示する手段である、医療用漢方製剤選択支援システム。
【請求項4】
複数の医療用漢方製剤についてそれぞれの医療用漢方製剤情報、及び鑑別を要する医療用漢方製剤同士をリンクさせることによって全ての前記医療用漢方製剤を繋げたリンク情報を格納した医療用漢方製剤データベースと、該医療用漢方製剤データベースから適当な医療用漢方製剤を検索する検索手段と、該検索手段による結果を表示する表示手段と、を有する医療用漢方製剤選択支援システムに実装され、
前記医療用漢方製剤情報の一部に基づいて前記医療用漢方製剤データベースから適当な医療用漢方製剤を検索し、該検索された医療用漢方製剤と前記リンク情報により繋がっている医療用漢方製剤を検索する検索処理と、
該検索処理によって検索された医療用漢方製剤を前記表示手段に表示させる表示処理と、
を前記医療用漢方製剤選択支援システムに実行させる、医療用漢方製剤選択支援プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、医師や薬剤師などが医療用漢方製剤を処方する際に、患者に適した医療用漢方製剤を容易に選択できるように支援する医療用漢方製剤選択支援システム、該システムに備えられる医療用漢方製剤データベース、及び該システムに実装される医療用漢方製剤選択支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、保険診療では100種類を超える医療用漢方製剤が用いられている。また、それらの医療用漢方製剤の適応は個々に異なっている。そのため、全ての医療用漢方製剤の適応を正確に把握することは容易でない。医療用漢方製剤の適応などについてまとめられた便覧やデータベースは存在しているが、以下に説明するように、それらを利用して患者に適した医療用漢方製剤を処方することも容易ではなかった。
【0003】
複数の医療用漢方製剤について個々の情報がまとめられた従来の便覧やデータベースには各医療用漢方製剤の様々な情報が記載されているため、特定の医療用漢方製剤についてその医療用漢方製剤の適応などを調べる場合には好適に用いることができる。しかしながら、患者に適した医療用漢方製剤を選択する際に利用するには問題があった。例えば、従来の医療用漢方製剤のデータベースから適応に基づいて医療用漢方製剤の検索を行った場合、該適応に属する医療用漢方製剤を見つけることはできるが、該適応とは微妙に表現が異なる適応(例えば、「腹痛」と「消化不良」など)に属する医療用漢方製剤を見つけることはできなかった。すなわち、従来の医療用漢方製剤のデータベースを用いて本来検討すべき医療用漢方製剤の全てを挙げるためには、微妙に表現が異なる適応の全てについて検索しなければならなかった。
【0004】
このように、従来のデータベースから患者に適した医療用漢方製剤を見つけるには、適応表現の微妙な違いを把握する等の熟練を要するものであり、不慣れなものにとっては非常な困難を伴うものであった。このため、処方する医療用漢方製剤を選択する際にその選択を支援するシステムがこれまでに考えられている(下記非特許文献1)。かかるシステムは、事前に用意された質問に答えることで、患者に適した医療用漢方製剤が提示されるというものである。
【0005】
一方、いわゆる西洋薬についても、処方する際に適した薬を選択することができるシステムがこれまでにいくつか考えられている(下記特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開平11-203376号公報
【特許文献2】特開2007-25879号公報
【特許文献3】特開2008-250415号公報
【0007】

【非特許文献1】漢方処方選択支援システム、[online]、[平成21年2月25日検索]、インターネット<URL:http://www.az-prolog.com/modules/smartsection/item.php?itemid=13>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、従来のデータベースから適応だけで患者に適した医療用漢方製剤を見つけることは困難であった。また、上記非特許文献1に記載されたシステムでは、多くの質問に答えなければ患者に適した漢方を見つけることができないため、非常に面倒であった。さらに、医療用漢方製剤と西洋薬とでは異なる点があるため、上記特許文献1~4に開示されているような西洋薬を対象としたシステムを医療用漢方製剤に適用することはできなかった。医療用漢方製剤と西洋薬との相違点は、例えば、西洋薬は解熱鎮痛剤や降圧薬といったように薬の機能に基づいた明確な分類がなされているため、患者に適した薬の検索が容易であるのに対して、医療用漢方製剤の適応は患者の症状に基づいて決められており、その症状の表現は多様であり、また、ただ一つの適応に属する医療用漢方製剤というものがほとんどないため、明確な分類がされておらず、患者に適した薬を検索することが容易ではなかった。さらに、医療用漢方製剤の同じ適応だとしても、その表現にはばらつきがあるということも薬の検索を困難にしていた。
【0009】
そこで、本発明は、医師や薬剤師などが医療用漢方製剤を処方する際に、患者に適した医療用漢方製剤を容易に選択できるように支援する医療用漢方製剤選択支援システム、該システムに備えられる医療用漢方製剤データベース、及び該システムに実装される医療用漢方製剤選択支援プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、「鑑別」という漢方薬特有の情報に着目した。鑑別を要する漢方薬とは、適応に類似性があり、実際の処方に際しいずれの漢方薬を用いるか候補を見極めるべき漢方薬のことをいう。つまり、鑑別を要する漢方薬とは、互いに繋がりのある漢方薬と言うことができる。この情報を、本発明者らは医療用漢方製剤の検索に利用した。そして、本発明者らは、1つの医療用漢方製剤を該医療用漢方製剤と鑑別を要する医療用漢方製剤へと繋げるということを全ての医療用漢方製剤について行うことで、全ての医療用漢方製剤が繋った大きなネットワーク構造を構築できることを見出した。従来は、医療用漢方製剤同士の繋がりの全容を調べることは難しく、処方する医療用漢方製剤を選択する際には医療従事者の持つ知識に頼らざるをえなかったため、上記したように患者に適した医療用漢方製剤を検索することが容易ではなかった。しかしながら、本発明者らは、上記ネットワーク構造を構築できるという知見を得て、該ネットワーク構造を利用することによって本発明を完成し、上記課題を解決した。以下、本発明の説明では医療用漢方製剤について説明するが、本発明はその他の漢方薬にも適用可能である。
【0011】
かくして、第一の本発明によれば、複数の医療用漢方製剤についての情報が格納された医療用漢方製剤データベースと、該医療用漢方製剤データベースから適当な医療用漢方製剤を検索する検索手段と、該検索手段による結果を表示する表示手段とを備え、医療用漢方製剤データベースに格納された情報は、各医療用漢方製剤の医療用漢方製剤情報、及び鑑別を要する医療用漢方製剤同士をリンクさせるリンク情報であり、検索手段は、医療用漢方製剤情報の一部に基づいて医療用漢方製剤データベースから適当な医療用漢方製剤を検索し、該検索された医療用漢方製剤とリンク情報により繋がっている医療用漢方製剤を検索する手段であり、表示手段は、検索された医療用漢方製剤を表示する手段である、医療用漢方製剤選択支援システムが提供される。
【0012】
本発明において「医療用漢方製剤情報」とは、各医療用漢方製剤についての固有の情報であって、医療用漢方製剤を選択する際に用いることができる情報を意味する。具体的には、漢方番号、品名、適応、証などである。「適応」とは、どのような症状のときにその医療用漢方製剤を服用すれば良いのかを示す情報である。「証」とは、患者の自覚症状、及び、診察などによって分かる他覚的所見などを総合的に判断して分ける漢方独特の区分についての情報である。例えば、体力や抵抗力が充実している人を「実証」、体力がなく弱々しい感じの人を「虚証」としたり、実証と虚証の間をさらに細かく区分したりすることができる。また、「リンク情報」とは、ある医療用漢方製剤を該医療用漢方製剤と鑑別を要する医療用漢方製剤に繋げる(リンクさせる)情報を意味する。すなわち、ある医療用漢方製剤a、及び該医療用漢方製剤aと鑑別を要する医療用漢方製剤bがあれば、医療用漢方製剤aについての情報の中に含まれるリンク情報によって、医療用漢方製剤aから医療用漢方製剤bの情報にリンクさせる情報を意味する。
【0013】
上記第一の本発明の医療用漢方製剤選択支援システムにおいて、医療用漢方製剤情報が適応を含み、検索手段が、適応に基づいて検索する手段であることが好ましい。かかる形態とすることによって、患者に適した医療用漢方製剤を迅速かつ容易に選択することができる。なお、本発明の説明において「患者に適した医療用漢方製剤」とは、患者の症状に合う医療用漢方製剤として客観的に選択される一群の医療用漢方製剤について検討したうえで、システムを使用する医師や薬剤師がその中から患者に適していると判断する医療用漢方製剤のことを意味する。本発明の医療用漢方製剤選択支援システムを用いることによって、上記一群の医療用漢方製剤を容易に選び出すことができる。
【0014】
また、第二の本発明によれば、複数の医療用漢方製剤についての情報が格納された医療用漢方製剤データベースと、該医療用漢方製剤データベースから適当な医療用漢方製剤を検索する検索手段と、該検索手段による結果を表示する表示手段とを備え、医療用漢方製剤データベースに格納された情報は、各医療用漢方製剤の医療用漢方製剤情報、及び鑑別を要する医療用漢方製剤同士をリンクさせるリンク情報であり、検索手段は、医療用漢方製剤データベースから任意の2つの医療用漢方製剤を選択し、リンク情報を用いて、該2つの医療用漢方製剤のうち一方の医療用漢方製剤から他方の繋がりを検索する手段であり、表示手段は、検索された繋がりを表示する手段である、医療用漢方製剤選択支援システムが提供される。
【0015】
本発明において、リンク情報を用いて、1つの医療用漢方製剤と他の1つ又は複数の医療用漢方製剤との繋がりを検索する手段を「ナビゲーション」ということがある。
【0016】
また、第三の本発明によれば、複数の医療用漢方製剤についての情報を格納しているデータベースであって、該情報が医療用漢方製剤毎の医療用漢方製剤情報、及び鑑別を要する医療用漢方製剤同士をリンクさせるリンク情報である、医療用漢方製剤データベースが提供される。
【0017】
さらに、第四の本発明によれば、複数の医療用漢方製剤についてそれぞれの医療用漢方製剤情報、及び鑑別を要する医療用漢方製剤同士をリンクさせるリンク情報を格納した医療用漢方製剤データベースと、該医療用漢方製剤データベースから適当な医療用漢方製剤を検索する検索手段と、該検索手段による結果を表示する表示手段と、を有する医療用漢方製剤選択支援システムに実装され、医療用漢方製剤情報の一部に基づいて医療用漢方製剤データベースから適当な医療用漢方製剤を検索し、該検索された医療用漢方製剤とリンク情報により繋がっている医療用漢方製剤を検索する検索処理と、該検索処理によって検索された医療用漢方製剤を表示手段に表示させる表示処理と、を医療用漢方製剤選択支援システムに実行させる、医療用漢方製剤選択支援プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0018】
第一の本発明によれば、患者に適した医療用漢方製剤を容易に選択できるように支援する医療用漢方製剤選択支援システムを提供することができる。第二の本発明によれば、本システムの操作者が既知の任意の2つの医療用漢方製剤の関係を知り、新たに患者に適した医療用漢方製剤を見つけることによって、医療用漢方製剤の選択を支援する医療用漢方製剤選択支援システムを提供することができる。第三の本発明によれば、複数の医療用漢方製剤の情報同士をリンクして構築されたネットワーク構造を備える医療用漢方製剤データベースを提供することができ、該医療用漢方製剤データベースを用いて、患者に適した医療用漢方製剤を容易に選択することができる。第四の本発明によれば、患者に適した医療用漢方製剤を容易に選択できるように支援する医療用漢方製剤選択支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の医療用漢方製剤選択支援システム100の機能構成例を概略的に示すブロック図である。
【図2】医療用漢方製剤データベース21に格納されている情報の構成例を概略的に示す図である。
【図3】医療用漢方製剤のリンク関係の一例を概略的に示す図である。
【図4】医療用漢方製剤選択支援システム100を立ち上げて待機状態としたときに表示部40に表示される画面の一例を概略的に示す図である。
【図5】医療用漢方製剤選択支援システム100における医療用漢方製剤検索処理を概略的に示すフローチャートである。
【図6】医療用漢方製剤選択支援システム100における医療用漢方製剤検索処理を概略的に示すフローチャートである。
【図7】検索方法設定欄42の一例を概略的に示す図である。
【図8】検索方法設定欄42の一例を概略的に示す図である。
【図9】検索方法設定欄42の一例を概略的に示す図である。
【図10】医療用漢方製剤選択支援システム100による検索結果の一例を概略的に示す図である。
【図11】医療用漢方製剤選択支援システム100による検索結果の一例を概略的に示す図である。
【図12】医療用漢方製剤選択支援システム100における医療用漢方製剤検索処理を概略的に示すフローチャートである。
【図13】ナビゲーション使用時の表示の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について詳細に説明する。

【0021】
<医療用漢方製剤選択支援システムの構成>
本発明の医療用漢方製剤選択支援システム100は、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理端末によって実現される。図1は、医療用漢方製剤選択支援システム100の機能構成を概略的に示すブロック図である。

【0022】
図1に示すように、医療用漢方製剤選択支援システム100は、該システム全体を制御する制御部10と、医療用漢方製剤選択支援プログラム22や制御データ等の各種情報を記憶する記憶部20と、医療用漢方製剤の検索条件等の各種情報の入力操作を行う入力部30と、検索結果等の各種情報を表示する表示部40とを備えている。具体例としては、制御部10はCPUであり、記憶部20はディスクドライブであり、入力部30はキーボードやマウスであり、表示部40はディスプレイである。なお、図1では1つの端末内に記憶部20が備えられる形態を例示しているが、記憶部20がLAN等を介してサーバに設置・共有されている形態とすることも可能である。

【0023】
制御部10には検索処理部11が備えられており、検索処理部11は、操作者(例えば、医師や薬剤師)が入力部30を用いて入力した検索条件に基づき、記憶部20に備えられる医療用漢方製剤データベース21から医療用漢方製剤の検索などを行う。

【0024】
医療用漢方製剤選択支援プログラム22は、検索処理を検索処理部11に実行させ、該検索処理によって検索された医療用漢方製剤を表示手段40に表示させるプログラムである。ここで検索処理とは、医療用漢方製剤情報の一部に基づいて医療用漢方製剤データベース21から適当な医療用漢方製剤を検索して、該検索された医療用漢方製剤とリンク情報により繋がっている医療用漢方製剤を検索する処理である。

【0025】
また、記憶部20に備えられる医療用漢方製剤データベース21は、医療用漢方製剤情報及び鑑別を要する医療用漢方製剤同士をリンクさせるリンク情報を格納している。医療用漢方製剤データベース21に格納されている情報の構成例を図2に示す。

【0026】
図2に示すように、医療用漢方製剤データベース21には、例えば、各医療用漢方製剤の漢方番号、品名、証、及び適応からなる医療用漢方製剤情報、及び、ある医療用漢方製剤を当該医療用漢方製剤と鑑別を要する医療用漢方製剤に結びつけるリンク情報が格納されている。漢方番号、品名、証、及び適応の各項目の医療用漢方製剤情報はそれぞれ該当情報領域に格納されている。リンク情報によるリンク関係の一例を図3に概略的に示す。

【0027】
図3では、葛根湯(品名)を中心としたリンク関係を例示している。図3に示すように、葛根湯の鑑別の情報欄に格納されたリンク情報によって、葛根湯から、葛根湯加川キュウ辛夷、麻黄湯、桂枝湯、香蘇酸、升麻葛根湯、及び、麻黄附子細辛湯(全て品名)の医療用漢方製剤情報にリンクが張られている(矢印参照)。この設定は、葛根湯の鑑別を要する医療用漢方製剤が葛根湯加川キュウ辛夷、麻黄湯、桂枝湯、香蘇酸、升麻葛根湯、及び、麻黄附子細辛湯であるという前提に基づくものである。

【0028】
漢方番号を用いてリンク情報を概念的に説明すると、例えば、漢方番号が1の葛根湯のリンク情報は、「1-2」、「1-27」、「1-45」、「1-70」、「1-101」、及び「1-127」のように、葛根湯(基の医療用漢方製剤)と葛根湯加川キュウ辛夷、麻黄湯、桂枝湯、香蘇酸、升麻葛根湯、及び、麻黄附子細辛湯(リンク先の医療用漢方製剤)とを結びつける情報である。この説明では、基の医療用漢方製剤の漢方番号を「-」の左側に記し、リンク先の医療用漢方製剤を「-」の右側に記している。同様に、漢方番号が2の葛根湯加川キュウ辛夷のリンク情報は、「2-1」、「2-50」、「2-104」、及び「2-19」となる。

【0029】
かかる情報内容を格納した医療用漢方製剤データベース21を有する医療用漢方製剤選択支援システム100の検索処理部11は、後に詳述するように、検索方法として適応を選択し、適当な適応を検索条件として入力した場合、医療用漢方製剤データベース21から該適応に属する医療用漢方製剤を検索する。かかる過程を経て葛根湯が検索された場合、葛根湯についての情報登録エリアを対象に、葛根湯の漢方番号、品名、証、及び適応の各情報を各々の該当情報欄から検索できる。また、該情報登録エリア中の鑑別の情報欄にリンク情報が格納されていることにより、検索処理部11は、該各リンク情報に基づき葛根湯と鑑別を要する医療用漢方製剤である葛根湯加川キュウ辛夷、麻黄湯、桂枝湯、香蘇酸、升麻葛根湯、及び、麻黄附子細辛湯についての情報登録エリアに各々アクセスすることで、それらの医療用漢方製剤の漢方番号、品名、証、及び適応からなる医療用漢方製剤情報と、リンク情報とを検索することができる。

【0030】
更に、医療用漢方製剤選択支援システム100は、検索処理部11での検索処理により検索された各項目の医療用漢方製剤情報とリンク情報とを所定の形態で含む検索結果を表示部40に表示する機能を有する。

【0031】
上述したように、検索処理部11での処理によって検索される医療用漢方製剤の情報としては、操作者が入力した適応に属する医療用漢方製剤の情報の他、該医療用漢方製剤と鑑別を要する医療用漢方製剤(リンク情報によって繋げられた医療用漢方製剤)の情報も含まれる。

【0032】
これにより、検索処理部11が検索した上記各項目の医療用漢方製剤情報を、入力された適応に属する医療用漢方製剤と鑑別を要する医療用漢方製剤との対応関係が明確に分かる適宜な態様で表示部40に表示するようにすれば、検索を行った操作者は、該表示された検索結果を見ることで、自分が入力した適応に属する医療用漢方製剤、及び該医療用漢方製剤と鑑別を要する医療用漢方製剤を簡単に知ることができるようになる。すなわち、操作者が入力した適応に属する医療用漢方製剤及び該医療用漢方製剤の適応に類似する適応に属する医療用漢方製剤の中から、より患者に適した医療用漢方製剤を容易に選択することが可能になる。なお、最初に操作者が入力した適応に属する医療用漢方製剤をA群、A群の中のいずれかの医療用漢方製剤と鑑別を要する医療用漢方製剤をB群、B群の中のいずれかの医療用漢方製剤と鑑別を要する医療用漢方製剤をC群とした場合、A群、B群、及びC群の中から、より患者に適した医療用漢方製剤を選択することも可能である。

【0033】
このように、鑑別を要する医療用漢方製剤同士を繋げたリンク情報を用いた検索を行うことで、必ず患者に適した医療用漢方製剤を見つけることができる。その根拠を以下に説明する。

【0034】
上記したように、1つの医療用漢方製剤から該医療用漢方製剤と鑑別を要する医療用漢方製剤へリンクさせるということを全ての医療用漢方製剤について行うことで、全ての医療用漢方製剤が繋がった大きなネットワーク構造を構築できる。すなわち、検索対象はこの1つの大きなネットワーク構造となるため、最初に何らかの方法で医療用漢方製剤を検索すると、該医療用漢方製剤とその他の医療用漢方製剤はリンク情報によって直接的又は間接的に繋がっており、そのリンクを辿っていくことでどの医療用漢方製剤にでも辿りつくことができる。したがって、リンクを辿りながらより患者に適した医療用漢方製剤を探していくことで、最も患者に適した医療用漢方製剤を見つけることができる。ただし、一部例外として、リンクが一方通行になる医療用漢方製剤も存在する。すなわち、一方の医療用漢方製剤にとって他方の医療用漢方製剤は鑑別を要する医療用漢方製剤であるが、その逆は成り立たないものが存在するため、リンクの起点とはなるが、終点とはなり得ない医療用漢方製剤が存在する。このような例外的特徴を持った医療用漢方製剤の存在を把握できることも上記ネットワーク構造の構築がもたらす利益の1つである。

【0035】
従来、本発明のように鑑別に基づいて医療用漢方製剤の情報をリンクさせたデータベースが存在しなかったのは、上記したような網羅的なネットワーク構造を実際に構築した例が知られていなかったことによる。また、鑑別の全データをリンク情報として用いて構築したネットワーク構造の持つ特性について詳細が知られておらず、上記したような、検索に利用可能なネットワーク構造を構築できることが知られていなかった。ここで、鑑別の全データをリンク情報として用いて構築したネットワーク構造の持つ特性とは、例えば、リンク情報によって構築されたネットワークの終端(行き止まり)の有無や、前述の一方通行となる構造をどの部分に有しているか、などといった、網羅的に構築したネットワーク全体を調べて初めて証明できる事項を意味する。本発明は、本発明者らがこのような網羅的ネットワーク構造を初めて構築したことによって完成された。

【0036】
また、従来のデータベースを用いた場合、上記したように、適応に基づいて医療用漢方製剤を検索し、検討すべき候補を全て挙げるためには、微妙に異なる表現の適応全てについて検索しなければならなかった。そのため、データベースから検討すべき候補を拾い漏れする虞があった。一方、本発明によれば、最初に適応に基づいて検索した際に患者に適した医療用漢方製剤を見つけることができなかったとしても、リンク情報に基づいてその医療用漢方製剤からリンクを辿っていくことで、上記ネットワーク構造から拾い漏れすることなく検討すべき候補を挙げることができる。

【0037】
また、上記したようなネットワーク構造を構築したことによって、任意の2つの医療用漢方製剤の関係を探り、より患者に適した医療用漢方製剤を見つけることもできる。例えば、同じ又は類似した適応に属する2つの医療用漢方製剤について両者のどちらを処方すべきか選択する際に、一方から他方へとリンクを辿っていくことで両者の使い方の違いを見極めて、リンクを辿っていく過程のどの地点の医療用漢方製剤を使用すべきか判断することができる。したがって、操作者が既知の複数の医療用漢方製剤の関係を見ることで、操作者が知らなかった、より患者に適した医療用漢方製剤を見つけることも可能である。

【0038】
これまでの本発明の説明では、まず適応に基づいて医療用漢方製剤を検索した後にリンクを辿る形態について説明したが、本発明はかかる形態に限定されない。例えば、漢方番号や品名などのその他の医療用漢方製剤情報に基づいて医療用漢方製剤を検索した後にリンクを辿っても良い。すなわち、何らかの方法によって医療用漢方製剤を特定した後、リンクを辿っていけば良い。

【0039】
<医療用漢方製剤選択支援システムの操作手順>
次に、操作者が医療用漢方製剤選択支援システム100を用いて医療用漢方製剤を検索する際の操作手順について順次説明する。

【0040】
医療用漢方製剤選択支援システム100を立ち上げて待機状態としたとき、例えば、図4に示す表示内容から成る漢方一覧ウィンドウ41を表示部40に表示している。図4に示すように、漢方一覧ウィンドウ41は、検索方法設定欄42、医療用漢方製剤情報表示欄43、鑑別表示欄44、及び医療用漢方製剤表示欄45を有している。

【0041】
医療用漢方製剤表示欄45には医療用漢方製剤データベース21に登録されている全ての医療用漢方製剤の品名などが表示(不図示)されており、医療用漢方製剤表示欄45に表示されている医療用漢方製剤の品名などにカーソルを合わせることで、カーソルが合わせられている医療用漢方製剤の医療用漢方製剤情報が医療用漢方製剤情報表示欄43に表示されるとともに、カーソルが合わせられている医療用漢方製剤の鑑別を要する医療用漢方製剤の漢方番号が鑑別表示欄44に表示される。検索方法設定欄42については後に詳述する。

【0042】
そして、操作者による操作に対し、医療用漢方製剤選択支援システム100は、図5、図6、及び図12に示すフローチャートに沿った処理を実行する。この処理は、検索処理部11が、例えば、記憶部20に記憶されている医療用漢方製剤選択支援プログラム22を読出し、該医療用漢方製剤選択支援プログラム22に基づいて実行する。

【0043】
上記したように、医療用漢方製剤選択支援システム100は、待機中、表示部40に漢方一覧ウィンドウ41を表示(S51)しており、ナビゲーションメニューを選択すれば(S52YES)、後に詳述するナビゲーションを使用することができる。以下には、まずナビゲーションメニューを選択せずに(S52NO)医療用漢方製剤を検索する手順について説明する。

【0044】
操作者が調べたい医療用漢方製剤について既に品名や漢方番号などを知っていて(S53YES)、医療用漢方製剤表示欄45からその医療用漢方製剤を選択できる場合には、医療用漢方製剤表示欄45に表示されているその医療用漢方製剤の品名などにカーソルを合わせることで、カーソルが合わせられている医療用漢方製剤の医療用漢方製剤情報が医療用漢方製剤情報表示欄43に表示されるとともに、カーソルが合わせられている医療用漢方製剤の鑑別を要する医療用漢方製剤の漢方番号が鑑別表示欄44に表示される(S58)。

【0045】
一方、操作者が調べたい医療用漢方製剤について品名や漢方番号などを知らない場合は(S53NO)、漢方一覧ウィンドウ41上で操作者が、医療用漢方製剤の検索方法を選択する(S54)。具体的には、検索方法設定欄42の証タブ421、適応タブ422、及び、索引タブ423のいずれかを選択してクリックすることで、検索方法を選択することができる。なお、図4では、証タブ421がクリックされた状態を示している。

【0046】
図4に示すように証タブ421がクリックされた状態では、検索方法設定欄42の下部には「実証」、「やや実証」、「中程度」、「やや虚証」、及び「虚証」の各表示と該表示に対応するチェックボックス425、426、427、428、及び429が表示されている。該チェックボックスのうち1つ又は複数にチェック(クリックする)(S55)ことで、自動的に検索が開始(S56)され、チェックしたチェックボックスに対応する証に該当する医療用漢方製剤の品名などが医療用漢方製剤表示欄45に濃く表示され、その他の医療用漢方製剤については薄く表示される(S57)。例えば、チェックボックス425及び426にチェックを入れれば(S55)、「実証」及び「やや実証」に区分に属する医療用漢方製剤の品名などが医療用漢方製剤表示欄45に濃く表示され、その他の医療用漢方製剤については薄く表示される(S57)。なお、医療用漢方製剤は「実証」、「やや実証」、「中程度」、「やや虚証」、及び「虚証」のいずれか一つの区分に属しているとは限らず、これら5つの区分のうち、複数の区分に属する医療用漢方製剤がある。

【0047】
適応によって検索する場合には、適応タブ422をクリックする(S54)ことで検索方法設定欄42の下部には、図7(a)に示すように検索キー入力欄60が表示される。該検索キー入力欄60にキーワードを入力すると(例えば、「かぜ」)、図7(b)に示すように、該キーワードを含む適応が該検索キー入力欄60の下部に候補表示欄61に表示される。候補表示欄61に表示された適応のいずれかを選ぶ(S55)ことで、自動的に検索が開始(S56)され、該適応に属する医療用漢方製剤の品名などが医療用漢方製剤表示欄45に濃く表示され、その他の医療用漢方製剤については薄く表示される(S57)。例えば、「鼻かぜ」で検索すれば、葛根湯が医療用漢方製剤表示欄45に濃く表示され、その他の医療用漢方製剤については薄く表示される。

【0048】
品名索引によって検索する場合には、索引タブ423をクリックする(S54)ことで、検索方法設定欄42には図8に示すようにキーワード入力欄70が表示される。該キーワード入力欄70に適当なキーワードを入力する(S55)ことで、該キーワードを品名に含む医療用漢方製剤の検索が自動的に開始され(S56)、該当する医療用漢方製剤の品名などが医療用漢方製剤表示欄45に濃く表示され、その他の医療用漢方製剤については薄く表示される(S57)。例えば、キーワード入力欄70に「葛根湯」と入力すれば、葛根湯、葛根湯加川キュウ辛夷、及び升麻葛根湯が医療用漢方製剤表示欄45に濃く表示され、その他の医療用漢方製剤については薄く表示される。

【0049】
次に、上記したいずれかの方法で検索された医療用漢方製剤のうち、医療用漢方製剤表示欄45上で調べたい医療用漢方製剤にカーソルを合わせると、カーソルが合わせられている医療用漢方製剤の医療用漢方製剤情報が表示されるとともに、カーソルが合わせられている医療用漢方製剤の鑑別を要する医療用漢方製剤の漢方番号が鑑別表示欄44に表示される(S58)。

【0050】
そして、リンク情報を用いてさらに検討すると判断した場合(S61YES)には、まず、鑑別タブ424をクリックする(S62)。すると、図9に示しように“右クリックで鑑別のリンクを表示する”と表示される。医療用漢方製剤表示欄45に表示されている適当な医療用漢方製剤にカーソルを合わせて右クリックする(S63)ことで、該医療用漢方製剤と鑑別を要する医療用漢方製剤が医療用漢方製剤表示欄45に濃く表示されるとともに、カーソルが合わせられていた医療用漢方製剤、及び該医療用漢方製剤と鑑別を要する医療用漢方製剤を結ぶ線が医療用漢方製剤表示欄45に表示される(S64)。

【0051】
具体的には、「風邪」に適応のある医療用漢方製剤を検索して、漏れなく調べ、他に類似した医療用漢方製剤や、より患者に適した医療用漢方製剤を吟味したい場合、まず、上記したように適応タブ422をクリックして、「風邪」で検索を行う。すると、図10(a)に示すように4つの医療用漢方製剤が医療用漢方製剤表示欄45に濃く表示される。この中では桂枝湯(漢方番号:45)が適当であると考え、桂枝湯で本当に良いのか吟味するため、「鑑別」による検索を開始する。すなわち、鑑別タブ424をクリックし、医療用漢方製剤表示欄45上の桂枝湯にカーソルを合わせて右クリックすることで、図10(b)に示すように、医療用漢方製剤表示欄45には桂枝湯と鑑別を要する医療用漢方製剤である葛根湯(漢方番号:1)、麻黄湯(同27)、香蘇散(同70)、及び、麻黄附子細辛湯(同127)が濃く表示されるとともに、これらと桂枝湯を結ぶ線が表示される。これらは吟味すべき医療用漢方製剤であり、患者の状態からこれら5つについて検討し、例えば、全身倦怠感がある場合には麻黄附子細辛湯を選択することができる。また、さらに吟味したい場合は、同様に他の医療用漢方製剤について鑑別を要する医療用漢方製剤を同時に表示させることもできる(S66YES)。

【0052】
これまでに説明したように、単にキーワードなどで検索しただけでは検索結果が孤立しているが、上記したネットワーク構造を構築したことによって、情報の組織化と充実化を行うことができる。他の具体例を挙げて説明すると、例えば、適応が「腹痛」である医療用漢方製剤を検索すると、図11(a)に示すように、当帰芍薬散(漢方番号:23)、大建中湯(同100)、桂枝加芍薬湯(同60)、当帰湯(同102)、及び胃苓湯(同115)が得られるが、この検索結果は孤立している。しかし、これにリンク情報に基づいた検索結果を重ね合わせることで、図11(b)に示すように、医療用漢方製剤同士の関係をより明確に把握できる。また、最初に検索して得られた医療用漢方製剤に加えて、関連性のある医療用漢方製剤が存在することも把握できる。なお、図11では、説明の便宜上、医療用漢方製剤の表示方法や位置を実際とは異なる形態で示している。

【0053】
次に、ナビゲーションを使用する際の手順について説明する。医療用漢方製剤選択支援システム100は、上記したネットワーク構造を利用することで、任意の2つの医療用漢方製剤の関係を探り、より患者に適した医療用漢方製剤を見つけることができる機能を備えている。医療用漢方製剤選択支援システム100は、待機中、表示部40に漢方一覧ウィンドウ41を表示(S51)しており、漢方一覧ウィンドウ41の表示ボタン46をクリックすることで表示されるメニューの一覧からナビゲーションメニューを選択することができる。

【0054】
ナビゲーションメニューを選択すると、図13(a)に示すようなナビゲーションメニュー画面130が表示される。ナビゲーションメニュー画面130には始点となる医療用漢方製剤を入力する漢方1入力欄131、終点となる医療用漢方製剤を入力する漢方2入力欄132、及び検索開始ボタン133が備えられている。始点となる医療用漢方製剤、及び終点となる医療用漢方製剤を入力し(S71)、検索開始ボタンをクリックすると(S72)、図13(b)に示すようにルート表示欄134が現れ、始点となる医療用漢方製剤、及び終点となる医療用漢方製剤を結ぶルートが表示される(S73)。図13(b)は、始点として葛根湯加湯川キュウ辛夷(漢方番号:2)、終点として八味地黄丸(同7)を入力して検索した結果を例示している。ルート表示欄134には漢方番号でルートが表示されており、漢方番号が2の葛根湯加湯川キュウ辛夷から漢方番号が50、57、22、及び34である医療用漢方製剤をその順に経て、漢方番号が7である八味地黄丸に至ることが示されている。また、ルート表示欄134が現れると同時にリスト作成ボタン135も現れ、該リスト作成ボタン135をクリックする(S74YES)ことで、ルート表示欄134に表示されている漢方番号の医療用漢方製剤について、医療用漢方製剤情報の一覧を表示させることができる(S75)。

【0055】
さらにこのナビゲーションを応用して、1つの医療用漢方製剤からその他の全ての医療用漢方製剤へのルートを一括検索することもできる。

【0056】
このように、任意の2つの医療用漢方製剤を結ぶルートを明確にすることによって、該ルート上にある漢方を調べながら辿っていくことができ、その2つの医療用漢方製剤の間で適応がどのように変遷していくのかを知ることができるとともに、どの医療用漢方製剤が患者に適しているかを検討して最も患者に適した医療用漢方製剤を見定めることができる。すなわち、ある程度の医療用漢方製剤の知識を持つ者が、ある適応について知っている医療用漢方製剤を2つ入力し、その2つの医療用漢方製剤の間のルートを調べることで、これまで気付かなかった、より患者に適した医療用漢方製剤を見つけられる可能性がある。

【0057】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う医療用漢方製剤選択支援システム、該システムに備えられる医療用漢方製剤データベース、及び該システムに実装される医療用漢方製剤選択支援プログラムもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【符号の説明】
【0058】
10 制御部
11 検索処理部
20 記憶部
21 医療用漢方製剤データベース
22 医療用漢方製剤選択支援プログラム
30 入力部
40 表示部
100 医療用漢方製剤選択支援システム
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12