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明細書 :検出装置および燃料電池システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5464516号 (P5464516)
公開番号 特開2011-086476 (P2011-086476A)
登録日 平成26年1月31日(2014.1.31)
発行日 平成26年4月9日(2014.4.9)
公開日 平成23年4月28日(2011.4.28)
発明の名称または考案の名称 検出装置および燃料電池システム
国際特許分類 H01M   8/04        (2006.01)
H01M   8/10        (2006.01)
FI H01M 8/04 Z
H01M 8/10
請求項の数または発明の数 9
全頁数 10
出願番号 特願2009-237886 (P2009-237886)
出願日 平成21年10月15日(2009.10.15)
審査請求日 平成24年9月12日(2012.9.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
発明者または考案者 【氏名】岡島 敬一
【氏名】松下 義男
【氏名】山田 隆夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100087480、【弁理士】、【氏名又は名称】片山 修平
【識別番号】100137615、【弁理士】、【氏名又は名称】横山 照夫
審査官 【審査官】関口 哲生
参考文献・文献 特開2007-115489(JP,A)
特開2007-179901(JP,A)
特開2006-228434(JP,A)
特開2006-216390(JP,A)
特開平08-222260(JP,A)
特開2006-318784(JP,A)
特開2005-183039(JP,A)
特開2005-345249(JP,A)
特開2005-302498(JP,A)
調査した分野 H01M 8/00- 8/24
特許請求の範囲 【請求項1】
電解質膜と前記電解質膜を挟むアノード電極およびカソード電極と、前記アノード電極に燃料ガスを供給する燃料孔と、前記カソード電極に酸素を供給する空気孔とを有する複数のセルが積層された燃料電池に起因した磁界分布を検出する検出装置であって、
前記複数のセルに平行な方向の磁界分布を検出する磁界検出部を具備し、
前記燃料電池は、前記複数のセル間のうち隣接するセルの前記アノード電極と前記カソード電極とを電気的に接続する接続部を備え、前記接続部の間に前記平行な方向に延伸する前記空気孔および前記燃料孔以外の孔が設けられ、
磁界検出部は、前記孔内に設けられ前記孔内の磁界を検出する磁気センサを有し、前記磁気センサを用い、前記磁界分布を検出することを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記磁界検出部は、前記磁気センサを、前記孔内を移動させることにより、前記孔の延伸方向の磁界分布を検出することを特徴とする請求項1記載の検出装置。
【請求項3】
前記磁気センサが前記平行な方向であって前記孔の前記延伸方向に交差する方向に配列された複数の前記孔内の磁界を検出することにより、前記磁界検出部は前記平行な方向の磁界分布を検出することを特徴とする請求項2記載の検出装置。
【請求項4】
前記磁気センサが前記複数のセルの積層方向に配列された複数の前記孔内の磁気を検出することにより、前記磁界検出部は前記積層方向の磁界分布を検出することを特徴とする請求項3記載の検出装置。
【請求項5】
前記孔は前記複数のセルを冷却する空冷用孔であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の検出装置。
【請求項6】
前記磁気センサは、前記平行な方向であって互いに交差する2つの方向の磁界を検出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の検出装置。
【請求項7】
前記磁気センサは、前記複数のセルの積層方向と、前記2つの方向と、の3つの方向の磁界を検出することを特徴とする請求項6記載の検出装置。
【請求項8】
前記複数のセルの前記磁界分布に基づき、前記燃料電池のセルの異常を検出する異常検出部を具備することを特徴とする請求項1から7いずれか一項記載の検出装置。
【請求項9】
電解質膜と前記電解質膜を挟むアノード電極およびカソード電極とを有する複数のセルが積層された燃料電池と、
請求項1から8いずれか一項記載の検出装置と、
を具備することを特徴とする燃料電池システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は検出装置および燃料電池システムに関し、特に、燃料電池内の磁界分布を検知する検出装置および燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、電解質膜と前記電解質膜を挟むアノード電極およびカソード電極とを有する複数のセルが積層された構造を有している。燃料電地の検査または診断方法として様々な方法が知られている。例えば、燃料電池の陰極と陽極間に交流電流を印加した状態で負荷インピーダンスを測定し、負荷インピーダンスから燃料電池システムを検査する装置が知られている(例えば、特許文献1)。また、等価回路モデルから燃料電池の定電流印加時の出力電圧式を模擬して行う燃料電池診断方法が知られている(例えば、特許文献2)。
【0003】
さらに、外部から電圧を印加した状態で燃料電池周辺部分の磁界を測定する方法が知られている(例えば、特許文献3)。また、センサユニットのセンサ面に燃料電池の陰極を平行に設置することが知られている。これにより、燃料電池に電流が流れている状態でセルに欠陥があるか否かを判定する(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2005-44715号公報
【特許文献2】特開2009-117110号公報
【特許文献3】特開2008-10367号公報
【特許文献4】特開2006-329642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、特許文献3および4においては、例えば燃料電池の検査または診断のため、磁界を検出することが知られている。特許文献3の方法では、外部から電圧を印加した状態で磁界を測定しており、燃料電池の運転状態での燃料電池の検査または診断ができない。また、磁力線センサがセルの一端にのみ設けられている。特許文献4の方法では、1つのセルの欠陥を診断できるが、積層された複数のセルの診断はできない。このように、特許文献3および4の技術においては、積層された複数のセルの磁界分布をより詳細に検出することはできない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、積層された複数のセルの磁界分布をより詳細に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電解質膜と前記電解質膜を挟むアノード電極およびカソード電極と、前記アノード電極に燃料ガスを供給する燃料孔と、前記カソード電極に酸素を供給する空気孔とを有する複数のセルが積層された燃料電池に起因した磁界分布を検出する検出装置であって、前記複数のセルに平行な方向の磁界分布を検出する磁界検出部を具備し、前記燃料電池は、前記複数のセル間のうち隣接するセルの前記アノード電極と前記カソード電極とを電気的に接続する接続部を備え、前記接続部の間に前記平行な方向に延伸する前記空気孔および前記燃料孔以外の孔が設けられ、磁界検出部は、前記孔内に設けられ前記孔内の磁界を検出する磁気センサを有し、前記磁気センサを用い、前記磁界分布を検出することを特徴とする検出装置である。本発明によれば、積層された複数のセルに平行な方向の磁界分布を検出することができる。よって、積層された複数のセルの磁界分布をより詳細に検出することができる。
【0008】
また、積層された複数のセル間のセルに平行な方向の磁界分布を簡単に検出することができる。
【0009】
上記構成において、前記磁界検出部は、前記磁気センサを、前記孔内を移動させることにより、前記孔の延伸方向の磁界分布を検出する構成とすることができる。この構成によれば、簡単にセルに平行な方向の磁界分布を検出することができる。
【0010】
上記構成において、前記磁気センサが前記平行な方向であって前記孔の前記延伸方向に交差する方向に配列された複数の前記孔内の磁界を検出することにより、前記磁界検出部は前記平行な方向の磁界分布を検出する構成とすることができる。この構成によれば、セルに平行な平面の磁界分布を検出することができる。
【0011】
上記構成において、前記磁気センサが前記複数のセルの積層方向に配列された複数の前記孔内の磁気を検出することにより、前記磁界検出部は前記積層方向の磁界分布を検出する構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記孔は前記複数のセルを冷却する空冷用孔である構成とすることができる。この構成によれば、燃料電池の小型化が可能となる。
【0013】
上記構成において、前記磁気センサは、前記平行な方向であって互いに交差する2つの方向の磁界を検出する構成とすることができる。この構成によれば、接続部を流れる電流の分布を検出することができる。
【0014】
上記構成において、前記磁気センサは、前記複数のセルの前記積層方向と、前記2つの方向と、の3つの方向の磁界を検出することができる。この構成によれば、セルに平行な方向に流れる電流の影響も検出することができる。
【0016】
上記構成において、前記複数のセルの前記磁界分布に基づき、前記燃料電池のセルの異常を検出する異常検出部を具備する構成とすることができる。
【0017】
本発明は、電解質膜と前記電解質膜を挟むアノード電極およびカソード電極とを有する複数のセルが積層された燃料電池と、上記検出装置と、を具備することを特徴とする燃料電池システムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、積層された複数のセルの磁界分布を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、実施例1に係る燃料電池システムのブロック図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、積層されたセルを示す図である。
【図3】図3は、セルの断面模式図である。
【図4】図4(a)から図4(d)は、実施例1の検出装置で検出された磁束密度分布を示す図である。
【図5】図5(a)および図5(b)は、実施例2に係る燃料電池システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照に本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、実施例1に係る燃料電池システムのブロック図である。図1を参照し、燃料電池システムは、燃料電池20と検出装置50を備えている。燃料電池20においては複数の発電セル10がZ方向(積層方向)に積層されている。X方向およびY方向は複数のセル10に平行な方向となる。複数のセル10のうち左端(Zの正方向)のセル10aの外側の電極が正極端子22に接続されている。複数のセル10のうち右端(Zの負方向)のセル10bの外側の電極が負極端子24に接続されている。正極端子22と負極端子24との間に負荷48が接続されている。燃料電池20の発電時には、正極端子22から負荷を介し負極端子24に電流が流れる。
【実施例1】
【0022】
検出装置50は、燃料電池20に起因した磁界分布を検出する。検出装置50は、磁界検出部30、インターフェース42、コンピュータ44および表示部46を有している。磁界検出部30は、磁気センサ32および移動部34を有している。磁気センサ32は、磁界の強さをアナログの電気信号に変化するセンサである。磁気センサ32は、例えば、3軸電子コンパス素子であり、3軸方向(例えばX、YおよびZ方向)の磁界を検出することができる。移動部34は磁気センサ32を移動させる。例えば、移動部34は磁気センサ32をX方向、Y方向およびZ方向に自在に移動させることができる。また、移動部34は、磁気センサ32の位置を電気信号としてインターフェース42に出力する。以上により、磁界検出部30は、複数のセル10の積層方向(Z方向)および水平方向(X、Y方向)の磁界分布を検出することができる。
【実施例1】
【0023】
インターフェース42は、磁気センサ32からの信号を増幅し、デジタル信号に変換しコンピュータ44に出力する。また、インターフェース42は、移動部34が出力した磁気センサ32の位置情報をデジタル信号に変換し、コンピュータ44に出力する。コンピュータ44は、磁気センサ32が検出した磁界の強さを示す磁界情報と、移動部34が出力した磁気センサ32の位置を示す位置情報と、から、積層されたセル10内の磁界の積層方向(Z方向)およびセル10に平行な方向(X、Y方向)の分布を可視化するための画像を生成する。例えば、任意のXY平面の磁界の強さを示す画像を生成する。また、表示部36は、例えば液晶画面であり、コンピュータ44が生成した画像を表示する。
【実施例1】
【0024】
図2(a)および図2(b)は、積層されたセル10を示す図である。図2(a)は、Y方向から見た上面図、図2(b)は、図2(a)のA-A断面図である。図2(a)および図2(b)を参照し、隣接するセル10の間には空冷用孔28が設けられている。図2(b)のように、空冷用孔28には空気が送り込まれる。これにより、セル10を冷却することができる。また、隣接するセル10のアノード電極とカソード電極とは接続部26を用い電気的に接続されている。これにより、複数のセル10は直列に接続される。接続部26は、Y方向に連続的に形成されていてもよいし、Y方向に断片的に形成されていてもよい。空冷用孔28には、磁気センサ32が挿入される。磁気センサ32は移動部34により移動可能である。
【実施例1】
【0025】
図3は、セル10の断面模式図である。図3を参照し、セル10は、電解質膜11、カソード電極12、アノード電極13およびセパレータ15を備えている。電解質膜11は、固体高分子膜である。カソード電極12には、空気孔16より空気(例えば酸素)が供給される。アノード電極13には燃料孔17より燃料ガス(例えば水素)が供給される。これにより、アノード電極13において、水素ガスが電子と水素イオンに分離する。分離した水素イオンが電解質膜11内をカソード電極12に移動する。カソード電極12において、水素イオンと酸素と電子により水が生成される。このようにして、アノード電極13とカソード電極12との間に電流が流れる。実施例1では、図2(a)に示された接続部26を介し、積層されたセル10を電流が流れる。複数のセル10が接続部26を介し直列に接続されているため、図1の正極端子22と負極端子24との間には大きな電圧が供給できる。
【実施例1】
【0026】
図4(a)から図4(d)は、実施例1の検出装置で検出された磁束密度分布を示す図である。磁束密度の検出には、磁気センサ32として、アイチマイクロインテリジェント社製の3軸電子コンパスAMI302をフレキシブル基板上に実装したものを用いた。燃料電池20としては、Ballard Power Systems社製の空冷式1.2kW固体高分子型燃料電池を用いた。この燃料電池は、47個のセルで構成されている。また、Y方向に14個の空冷用孔28が配列されている。図4(a)から図4(d)は、それぞれ図2(a)のNo.33~36に対応するXY平面の磁束密度を示している。ここで、No.33~36は、図1の正極端子22側から、それぞれ33~36番目の空冷用孔28であることを示している。図4(a)から図4(d)において、濃淡の変化は磁束密度の変化を示している。外側の磁束密度が最も小さく、濃淡が変化するにつれ磁束密度が高くなっていることを示している。矢印は磁界密度の向きを示している。このように、コンピュータ44は、磁界検出部30が検出した磁界分布を可視化した画像を生成し、表示部36に磁界分布の画像を表示することができる。
【実施例1】
【0027】
図4(a)および図4(b)のように、表示部46が各セル10間の磁束密度分布を表示することにより、セル10間を流れる電流の分布を視覚的に認識することができる。例えば、磁束密度の大きい箇所は電流が多く流れている箇所である。
【実施例1】
【0028】
実施例1によれば、磁束密度分布から燃料電池20の異常を判定することができる。例えば、セル10間の接触不良、セル10自体の不良が生じると、磁界分布に不均一が生じる。そこで、例えば、コンピュータ44は、磁界(または磁束密度分布)がある範囲外となった場合(例えばある値より大きくなった場合または小さくなった場合)、燃料電池20内(例えばある接続部26)に異常な電流が流れているとして、燃料電池20の異常を検出してもよい。また、正常な磁界分布のパターンを記憶しており、磁界検出部30が検出した磁界分布が、正常な磁界分布のパターンでない場合、コンピュータ44は、燃料電池20の異常を検出してもよい。このように、コンピュータ44は、複数のセル10内の磁界分布に基づき、燃料電池20の異常を検出する異常検出部として機能することもできる。
【実施例1】
【0029】
このように、実施例1によれば、磁界検出部30により、複数のセル10のセル10に平行な向の磁界分布を検出することができる。よって、積層された複数のセルの磁界分布をより詳細に検出することができる。
【実施例1】
【0030】
図2(a)および図2(b)のように、燃料電池20は、接続部26の間に複数のセル10に平行な方向(例えばY方向)に延伸する空冷用孔28が設けられている。磁気センサ32は、空冷用孔28内に設けられ、空冷用孔28内の磁界を検出する。このように、空冷用孔28を用いることにより、セル10間の磁界分布を検出することができる。よって、積層された複数のセル10間のセル10に平行な方向の磁界分布を簡単に検出することができる。特に、接続部26にはセル10間を流れる電流が流れており、接続部26間の空冷用孔28に磁気センサ32を設けることにより、燃料電池20内の電流の分布をより正確に検出することができる。また、燃料電池20が運転している状態(電源を供給している状態)における燃料電池20内の磁界分布(すなわち電流分布)を検出することができる。
【実施例1】
【0031】
図2(b)のように、前記磁界検出部30は、磁気センサ32を、空冷用孔28内をY方向に移動させることにより、空冷用孔28の延伸方向(Y方向)の磁界分布を検出することができる。これにより、少ない磁気センサ32を用い、簡単にセル10に平行な方向の磁界分布を検出することができる。
【実施例1】
【0032】
例えば、磁気センサ32はY方向に複数設けられていてもよい。これにより、移動部34は磁気センサ32をY方向に動かす距離を短くできる。よって、磁界検出部30が磁界分布を検出する時間を短縮することができる。例えば、磁気センサ32を、空冷用孔28内のY方向のうち磁界を検出する全ての位置に設けてもよい。これにより、移動部34は、磁気センサ32をY方向に移動しなくてもよくなる。
【実施例1】
【0033】
磁界センサ32が、X方向(セル10に平行な方向であって空冷用孔28の延伸方向に交差する方向:図2(a)を参照)に配列された複数の空冷用孔28内の磁界を検出することにより、磁界検出部30はセル10に平行な方向の磁界分布を検出してもよい。これにより、セル10に平行なX-Y平面の磁界分布を検出することができる。例えば、図2(a)において、移動部34は、X方向配列された空冷用孔28の任意の空冷用孔28に磁気センサ32を移動可能であり、任意の空冷用孔28に挿入することができる。これにより、磁界検出部30は、簡単にセル10に平行な方向の磁界分布を検出することができる。また、磁気センサ32を、X方向に複数設けてもよい。例えば、全てのX方向の空冷用孔28に対応し設けてもよい。これにより、移動部34が磁気センサ32を移動する時間を短縮させることができる。
【実施例1】
【0034】
磁気センサ32がZ方向(複数のセル10の積層方向:図2(a)参照)に配列された複数の空冷用孔28内の磁界を検出することにより、磁界検出部30はセル10の積層方向の磁界分布を検出してもよい。これにより、セル10の積層方向の磁界分布を検出することができる。例えば、図2(a)において、移動部34は、X方向に配列された空冷用孔28の任意の空冷用孔28に磁気センサ32を移動可能であり、任意の空冷用孔28に挿入することができる。これにより、磁界検出部30は、簡単にセル10の積層方向の磁界分布を検出することができる。また、磁気センサ32を、Z方向に複数設けてもよい。例えば、全てのZ方向の空冷用孔28に対応し設けてもよい。これにより、移動部34が磁気センサ32を移動する時間を短縮させることができる。
【実施例1】
【0035】
当然のことながら、磁気センサ32がX方向およびZ方向に配列された複数の空冷用孔28内の磁気を検出することにより、磁界検出部30はセルの積層方向およびセルに平行な方向の磁界分布を検出することもできる。
【実施例1】
【0036】
実施例1では、接続部26間に設けられる孔として空冷用孔28を例に説明したが、磁気センサ32専用の孔を設けてもよい。また、水冷用孔内に磁気センサ32を設けてもよい。既存の空冷用孔または水冷用孔内に磁気センサ32を設けることにより、磁気センサ32用の孔を別に設けなくてもよく、燃料電池の小型化が可能となる。
【実施例1】
【0037】
磁気センサ32は、セル10に平行な方向であって互いに交差する2つの方向(例えばX方向およびY方向)の磁界を検出することが好ましい。これにより、接続部26をZ方向に流れる電流の分布を検出することができる。
【実施例1】
【0038】
さらに、磁気センサ32は、複数のセル10の積層方向(例えばZ方向)と、セル10に平行な方向であって互いに交差する2つの方向(例えばX方向およびY方向)と、の3つの磁界を検出することが好ましい。これにより、接続部26をZ方向に流れる電流だけでなく、セル10内のカソード電極12およびアノード電極13内をセル10に平行な方向に流れる電流の影響も検出することができる。
【実施例2】
【0039】
実施例2は、燃料電池の周辺の磁界を検出する例である。図5(a)および図5(b)は、実施例2に係る燃料電池システムの図である。図5(a)はセル10を正面からみた図であり図5(b)はセル10を側面から見た図である。燃料電池20のセルの周辺に磁気センサ32が配置され、X方向、Y方向およびZ方向に移動自在である。磁気センサ32は、例えば実施例1と同様に3軸電子コンパス素子である。
【実施例2】
【0040】
実施例2のように、例えば、図5(a)において、移動部34が磁気センサ32をセル10に沿ってX方向およびY方向に移動させることにより、磁気検出部30は、セル10に平行なX-Y平面の磁界分布を検出することができる。実施例2によれば、セル10間に孔を設けなくとも、燃料電池20内の磁界分布を検出することができる。図5(a)では、4つの磁気センサ32を用いる例を示したが、移動部34が1つの磁気センサ32をセル10の4辺に沿って移動させてもよい。
【実施例2】
【0041】
また、例えば、図5(b)において、移動部34が磁気センサ32をZ方向に移動させることにより、磁気検出部30は、セル10の積層方向(Z方向)の磁界分布を検出することができる。
【実施例2】
【0042】
さらに、移動部34は磁気センサ32を積層されたセル10に沿ってX、Y、Z方向に移動させることにより、磁気検出部30は、セル10の積層方向およびセル10に平行な方向の磁界分布を検出することができる。
【実施例2】
【0043】
実施例1および2においては、燃料電池として、固体高分子膜型燃料電池を例に説明したが、本発明は、固体酸化物型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、リン酸型燃料電池等のその他の燃料電池に用いることができる。
【実施例2】
【0044】
以上、発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 セル
11 電解質膜
12 カソード電極
13 アノード電極
20 燃料電池
26 接続部
28 空冷用孔
30 磁界検出部
32 磁気センサ
34 移動部
44 コンピュータ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4