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明細書 :光触媒、光触媒製造方法およびトリクロロエチレンの分解処理方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5403543号 (P5403543)
公開番号 特開2011-050863 (P2011-050863A)
登録日 平成25年11月8日(2013.11.8)
発行日 平成26年1月29日(2014.1.29)
公開日 平成23年3月17日(2011.3.17)
発明の名称または考案の名称 光触媒、光触媒製造方法およびトリクロロエチレンの分解処理方法
国際特許分類 B01J  35/02        (2006.01)
B01J  21/16        (2006.01)
B01J  37/04        (2006.01)
B01J  37/08        (2006.01)
B01D  53/86        (2006.01)
A62D   3/176       (2007.01)
A62D   3/34        (2007.01)
A62D 101/22        (2007.01)
FI B01J 35/02 ZABJ
B01J 21/16 A
B01J 37/04 102
B01J 37/08
B01D 53/36 J
B01D 53/36 G
A62D 3/176
A62D 3/34
A62D 101:22
請求項の数または発明の数 4
全頁数 10
出願番号 特願2009-202498 (P2009-202498)
出願日 平成21年9月2日(2009.9.2)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成21年3月13日 社団法人日本化学会発行の「日本化学会第89春季年会(2009)講演予稿集 DVD-ROM」に発表
審査請求日 平成24年8月24日(2012.8.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
発明者または考案者 【氏名】錦織 広昌
【氏名】藤井 恒男
【氏名】田中 伸明
個別代理人の代理人 【識別番号】110000121、【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
審査官 【審査官】岡田 隆介
参考文献・文献 特開2010-150434(JP,A)
特開2010-058994(JP,A)
調査した分野 B01J 21/00-38/74
Thomson Innovation
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
アロフェンと酸化チタンとを含み、
上記アロフェンと上記酸化チタンとの配合比が、Ti/Al比(モル比)20~50の範囲内であることを特徴とする光触媒。
【請求項2】
請求項1に記載の光触媒であって、
チタンアルコキシドを含むゾルゲル溶液にアロフェン粒子を分散させた原料溶液をゲル化させて得られたゲル状物質を、乾燥・固化した後、さらに焼成することにより作製されたことを特徴とする光触媒。
【請求項3】
チタンアルコキシドを含むゾルゲル溶液にアロフェン粒子を分散させた原料溶液をゲル化させてゲル状物質を作製するゲル化工程と、
上記ゲル状物質を乾燥・固化して固化物を作製する乾燥・固化工程と、
上記固化物を焼成して焼結体を作製する焼成工程と、
を少なくとも経て、請求項1または2に記載の光触媒を製造することを特徴とする光触媒製造方法。
【請求項4】
酸素および水の存在下において、請求項1または2に記載の光触媒を、トリクロロエチレンに接触させた状態で、上記光触媒に、少なくとも紫外光を照射することにより、上記トリクロロエチレンを分解することを特徴とするトリクロロエチレンの分解処理方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒、光触媒製造方法およびトリクロロエチレンの分解処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な光触媒としては、従来より酸化チタンが知られている。また、光触媒を用いる場合には、シリカや、アルミナ、ゼオライト、活性炭などの触媒担体が併用されることが多い。たとえば、ゼオライトなどは、アロフェンを一軸加圧後、水酸化ナトリウム中で熟成処理した後、水熱処理することで作製することができる(特許文献1参照)。また、最近では、層状粘土鉱物の層間に、光触媒を担持させたものも知られている(非特許文献1、2等)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2006-256876号公報
【0004】

【非特許文献1】H.Yoneyama et al,J.Phys.Chem.93,4833(1989)
【非特許文献2】Y.Kitayama et al,J.Porous Mater.5,121(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、酸化チタンを用いてトリクロロエチレンなどの分解対象となるガスを、最終的に二酸化炭素等に光分解する場合、分解対象ガスから、一旦、中間生成物が生じた後、最終生成物へと光分解される場合がある。このような光分解反応の過程において生じる中間生成物が、有害なものである場合や、この他にも、最終生成物のみを選択的・効率的に回収したい場合においては、反応系の外部へと中間生成物が漏れないようにすることが望ましい。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、光分解において生じる中間生成物の外部への放散を抑制しつつ、分解対象ガスを効率的に分解する光触媒、その製造方法、および、当該光触媒を用いたトリクロロエチレンの分解処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
本発明の光触媒は、アロフェンと酸化チタンとを含み、アロフェンと酸化チタンとの配合比が、Ti/Al比(モル比)20~50の範囲内であることを特徴とする。
【0009】
本発明の光触媒の他の実施態様は、チタンアルコキシドを含むゾルゲル溶液にアロフェン粒子を分散させた原料溶液をゲル化させて得られたゲル状物質を、乾燥・固化した後、さらに焼成することにより作製されることが好ましい。
【0010】
本実施形態の光触媒製造方法は、チタンアルコキシドを含むゾルゲル溶液にアロフェン粒子を分散させた原料溶液をゲル化させてゲル状物質を作製するゲル化工程と、ゲル状物質を乾燥・固化して固化物を作製する乾燥・固化工程と、固化物を焼成して焼結体を作製する焼成工程と、を少なくとも経て、本発明の光触媒を製造することを特徴とする。
【0011】
本発明のトリクロロエチレンの分解処理方法は、酸素および水の存在下において、本発明の光触媒を、トリクロロエチレンに接触させた状態で、光触媒に、少なくとも紫外光を照射することにより、トリクロロエチレンを分解することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光分解において生じる中間生成物の外部への放散を抑制しつつ、分解対象ガスを効率的に分解する光触媒、その製造方法、および、当該光触媒を用いたトリクロロエチレンの分解処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(光触媒)
本実施形態の光触媒は、アロフェンと酸化チタンとを含み、アロフェンと酸化チタンとの配合比(以下、「酸化チタン/アロフェン比」と略す場合がある)が、Ti/Al比(モル比)で20~50の範囲内であることを特徴とする。なお、アロフェンは、組成式:nSiO・Al・mHOで表され、nは1~2、mは5~6程度の天然の粘土鉱物である。しかしながら、本明細書において、Ti/Al比を求める場合は、n=1.5、m=5.5と近似して計算した。

【0014】
本実施形態の光触媒は、光触媒機能を有する酸化チタンと、分解対象ガスを吸着保持する機能を有するアロフェンとの複合体である。なお、アロフェンは、ガス等の化学物質の吸着機能を有する粘土鉱物の一種である。また、アロフェンの形態は中空球状である。また、本明細書において、「分解対象ガス」とは、当該分解対象ガスが酸化チタンにより何がしかの最終生成物へと分解されるものであり、かつ、最終生成物へと光分解される反応過程において、中間生成物を生じるものであれば特に限定されない。ここで、中間生成物は、最終生成物と分子構造が何がしか異なるものであればよく、有害か無害かや、生成量の多寡、最終生成物の全てが必ず中間生成物を経て生成されるものか否か等は特に限定されるものではない。

【0015】
ここで、本実施形態の光触媒による光触媒反応は、原理的には以下のプロセスで進行するものと推定される。
・STEP1
分解対象ガスがアロフェンによりトラップされる。
・STEP2
次に、酸化チタンによる分解対象ガスの分解が起こる。この酸化チタンにより分解される分解対象ガスは、分解対象ガスを分解する酸化チタン近傍のアロフェンによってトラップされたもの、および/または、酸化チタンに直接接触するものが挙げられる。
・STEP3
分解対象ガスが分解された際に、中間生成物が生じる。この中間生成物は、自発的分解や、反応雰囲気下に存在する他の成分(たとえば大気中の水や酸素など)との反応による分解などによって、最終生成物に変換されるまでの間は、酸化チタン近傍のアロフェンにトラップされ続ける。
・STEP4
最後に、中間生成物を経て生成されたものも含めて、これ以上分解できないところまで分解された最終生成物が、光触媒の外部に放出される。

【0016】
このように、本実施形態の光触媒では、アロフェンと酸化チタンとを組み合わせて用いている。このため、光分解反応の過程において生じた中間生成物を、アロフェンがトラップして、外部に放出されるのを抑制する。これに加えて、中間生成物は、アロフェンから脱離する前に、最終生成物へと分解される。このため、光分解において生じる中間生成物の外部への放散が抑制されるものと考えられる。なお、一連の反応過程において、中間生成物の濃度は、分解対象ガスの光分解による中間生成物の生成により増加する一方で、最終生成物への分解による中間生成物の消費により減少する。すなわち、中間生成物の濃度は経時的にみて一律に増加し続けることは無いため、アロフェンの吸着能力を超えた中間生成物が生成し続けることで、中間生成物が多量に外部に放散されることはない。これに対して、最終生成物は、中間生成物の分解によりその濃度が増大する一方であるため、経時的にはある時点を境にして、アロフェンの吸着能力を超えた最終生成物が生成し続けることになる。このため、最終生成物は外部へと放出されると考えられる。

【0017】
ここで、酸化チタン/アロフェン比を20以上とすることにより、光触媒中に十分な酸化チタンが含まれることになるため、分解対象ガスを効率的に分解することができる。また、酸化チタン/アロフェン比を50以下とすることにより、アロフェンによる中間生成物のトラップ効果が十分に得られるため、光分解において生じる中間生成物の外部への放散が抑制される。

【0018】
なお、分解対象ガスの分解効率を確保する上では、単位質量当たりの表面積が大きいことが好ましい。この意味では、本実施形態の光触媒を構成する酸化チタンおよびアロフェンは粒子状であることが特に好ましい。また、分解対象ガスを分解するためには、光触媒外部の分解対象ガスが、酸化チタン粒子に容易に接近できる必要がある。この点も考慮すれば本実施形態の光触媒は、酸化チタン粒子とアロフェン粒子とが混合した構造を有することが好ましい。

【0019】
ここで、アロフェンは、天然のバルク状粘土鉱物であるため、これを物理的に粉砕して粒子状として用いることができる。なお、粉砕方法としては、ボールミルなどの公知の機械的粉砕方法、メノウ乳鉢を用いた手粉砕などが利用できる。この場合、得られるアロフェン粒子の平均粒径は、微粒化してチタンアルコキシドとの混合性をよくする観点から10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。一方、平均粒径の下限値は特に限定されるものではないが、固体を物理的な粉砕方法により粉砕する場合の実用上の下限値である1μm以上とすることが好ましい。

【0020】
一方、酸化チタンの平均粒径は、バルク状の酸化チタンの機械的粉砕で得られる下限粒径よりも小さいことが好ましく、具体的には50nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましい。なお、平均粒径の下限は特に限定されないが、製造容易性等の実用上の観点からは、5nm以上が好ましい。このような平均粒径を有する酸化チタンの製造方法は特に限定されないが、通常は、これらの点を考慮すれば、本実施形態の光触媒は、チタンアルコキシドを含むゾルゲル溶液にアロフェン粒子を分散させた原料溶液をゲル化させて得られたゲル状物質を、乾燥・固化した後、さらに焼成することにより作製されたものであることが特に好適である。また、このようなプロセスにより作製された本実施形態の光触媒は酸化チタン粒子とアロフェン粒子とが混合した構造を有することになる。なお、本明細書において、アロフェン粒子や酸化チタン粒子等の粒子の粒径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定された粒径を意味する。ここで、粒径は、SEM写真視野内の粒子の最大長さから求めた。また、平均粒径を求める際のサンプリング数は、20個とした。また、SEM測定時の倍率は、観察対象となる粒子のサイズに応じて適宜選択した。

【0021】
(光触媒製造方法)
以下に、上述したゾルゲル法を利用した本実施形態の光触媒の製造方法についてより詳細に説明する。すなわち、上記態様の本実施形態の光触媒は、(1)チタンアルコキシドを含むゾルゲル溶液にアロフェン粒子を分散させた原料溶液をゲル化させてゲル状物質を作製するゲル化工程と、(2)ゲル状物質を乾燥・固化して固化物を作製する乾燥・固化工程と、(3)固化物を焼成して焼結体を作製する焼成工程と、を少なくとも経て製造される。なお、これらの工程以外にも、必要に応じて他の工程を組み合わせて実施できるが、通常は、焼成工程を得た後に焼結体を粉砕する粉砕工程が実施されることが特に好ましい。以下、各工程の詳細について説明する。

【0022】
(1)ゲル化工程
ゲル化工程で用いるゾルゲル溶液の原料としては、チタンアルコキシドの他に、通常は溶媒や、触媒が用いられ、必要に応じてその他の成分を適宜添加できる。チタンアルコキシドとしては、公知のチタンアルコキシドやその誘導体が利用できる。ここで、チタンアルコキシドを構成するアルコキシル基の炭素数としては、1~9の範囲が好ましく、3~4の範囲がより好ましい。なお、アルコキシル基のアルキル基部分は、分岐構造であってもよく直鎖構造であってもよい。また、チタンアルコキシドは、この分子を構成する4つのアルコキシル基の1つまたは2つを、たとえば、炭素数1~6程度のアルキル基や、塩素などのハロゲン、β-ジケトンなどに置換した変性タイプのものでもよい。

【0023】
溶媒としては、アルコール類などの有機溶媒や、水を用いることができる。アルコール類としては、炭素数1~4程度のアルコールを用いることが好ましい。また、触媒としては、一般的な酸触媒や塩基触媒を用いることができる。酸触媒としては、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸等を挙げることができ、塩基触媒としては、水酸化ナトリウム等を挙げることができる。なお、チタンアルコキシド、溶媒および触媒の組み合わせや配合割合は、作製する酸化チタンの粒径などに応じて適宜選択することができる。

【0024】
原料溶液は、上述したチタンアルコキシド等を含むゾルゲル溶液に、予め粉砕して得られたアロフェン粒子を分散させて調合する。アロフェン粒子は、ゾルゲル溶液の調合時に添加してもよいが、ゾルゲル溶液を撹拌してある程度ゲル化が進行した時点で添加してもよい。原料溶液に対しては、アロフェンの分散性を向上させると共にゲル化を進行させるために、超音波を印加することが好ましい。機械的に粉砕されたアロフェン粒子は、ゾルゲル溶液中に添加された触媒成分の作用によって、更に微粒化された状態で分散される。なお、原料溶液中でのアロフェンの分散性をより向上させるには、塩基触媒よりも酸触媒を用いることがより好ましい。また、原料溶液中のチタンアルコキシドとアロフェンとの配合比率は、最終的に得られる光触媒の酸化チタン/アロフェン比が10~60の範囲内となる範囲で選択される。

【0025】
(2)乾燥・固化工程
乾燥・固化工程では、ゲル化工程において、原料溶液をゲル化して得られたゲル状物質を乾燥・固化することで固化物を作製する。乾燥は、常温環境下にて自然乾燥することで実施してもよいが、通常は、60℃~100℃の温度で実施することが好ましい。なお、乾燥時間は、ゲル状物質のサイズや溶媒含有率、乾燥処理時の温度や湿度に応じて適宜選択される。

【0026】
(3)焼成工程
焼成工程では、乾燥・固化工程において得られた固化物を焼成して、焼結体を作製する。焼結温度としては、固化物中に残留している溶媒成分や有機成分を効率的に蒸発・熱分解させると共に、酸化チタン粒子同士や、アロフェン粒子同士、あるいは、酸化チタン粒子とアロフェン粒子との融着を防ぐ等の観点から200℃~500℃の範囲が好ましい。焼成時間は、焼成処理する固化物のサイズ等を考慮して適宜選択される。このようにしてバルク状の本実施形態の光触媒を得ることができる。

【0027】
なお、通常は、焼成工程の後に、バルク状の光触媒を粉砕する粉砕工程を実施することが好ましい。これにより単位質量当たりの表面積のより大きい粉末状の本実施形態の光触媒を得ることができる。なお、粉砕方法としては、ボールミルなどの公知の機械的粉砕方法、メノウ乳鉢を用いた手粉砕などが利用できる。粉砕された光触媒の平均粒径は、特に限定されないが、たとえば、数μmオーダーとすることが好ましい。

【0028】
(トリクロロエチレンの分解処理方法)
本実施形態の光触媒を用いた分解対象ガスの分解処理方法は、分解対象ガスが光触媒により分解される過程で、中間生成物が生じるものであれば、如何様な種類の分解対象ガスにも適用できる。たとえば、発癌性や、温室効果、オゾン層破壊効果を有するトリクロロエチレンは、酸素ガスの存在下で、波長200nm~400nm程度の範囲の紫外光を照射することで酸化チタンの光触媒作用により、中間生成物として、一旦、ジクロロアセチルクロライドや、ホスゲンを生じる。また、ジクロロアセチルクロライドが分解するとホスゲンや、一酸化炭素、塩化水素を生じる。また、ホスゲンは、水の存在下にて塩化水素や、一酸化炭素、二酸化炭素を生じる。このため、通常の大気環境下などのような酸素および水の存在下において、本実施形態の光触媒を、トリクロロエチレンに接触させた状態で、本実施形態の光触媒に、少なくとも紫外光を照射することにより、トリクロロエチレンを分解することができる。この場合、中間生成物であるジクロロアセチルクロライドや、ホスゲンの光触媒外への放散を抑制できる。
【実施例】
【0029】
以下に、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例】
【0030】
(実施例1)
アロフェン-酸化チタン複合体からなる光触媒を以下の手順で作製した。まず、アロフェンを除く下記組成を混合し、マグネティックスターラーで10分間攪拌してゾルゲル溶液を調整した。続いて、このゾルゲル溶液に超音波を照射しながらアロフェンを分散させ、ゲル化させた。
・チタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業株式会社製、試薬1級):6.8 mL
・エタノール(和光純薬工業株式会社製、試薬特級):40 mL
・塩酸(和光純薬工業株式会社製、精密分析用、35%):1.0 mL
・アロフェン(天然鹿沼土より水簸により分離した固体をメノウ乳鉢で粉砕した粉末):0.27 g
続いて、得られたゲルを乾燥・固化させた後、400℃で3時間焼成し、最後にメノウ乳鉢で十分に粉砕して微粉化し、平均粒径5μmのアロフェン-酸化チタン複合体(光触媒)の粉末を得た。
【実施例】
【0031】
(実施例2)
アロフェン-酸化チタン複合体からなる光触媒を以下の手順で作製した。まず、アロフェンを除く下記組成を混合し、マグネティックスターラーで10分間攪拌してゾルゲル溶液を調整した。続いて、このゾルゲル溶液に超音波を照射しながらアロフェンを分散させ、ゲル化させた。
・チタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業株式会社製、試薬1級):6.8 mL
・エタノール(和光純薬工業株式会社製、試薬特級):40 mL
・塩酸(和光純薬工業株式会社製、精密分析用、35%):1.0 mL
・アロフェン(天然鹿沼土より水簸により分離した固体をメノウ乳鉢で粉砕した粉末):0.67 g
続いて、得られたゲルを乾燥・固化させた後、400℃で3時間焼成し、最後にメノウ乳鉢で十分に粉砕して微粉化し、平均粒径5μmのアロフェン-酸化チタン複合体(光触媒)の粉末を得た。
【実施例】
【0032】
(実施例3)
アロフェン-酸化チタン複合体からなる光触媒を以下の手順で作製した。まず、アロフェンを除く下記組成を混合し、マグネティックスターラーで10分間攪拌してゾルゲル溶液を調整した。続いて、このゾルゲル溶液に超音波を照射しながらアロフェンを分散させ、ゲル化させた。
・チタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業株式会社製、試薬1級):6.8 mL
・エタノール(和光純薬工業株式会社製、試薬特級):40.0 mL
・塩酸(和光純薬工業株式会社製、精密分析用、35%):5.0 mL
・アロフェン(天然鹿沼土より水簸により分離した固体をメノウ乳鉢で粉砕した粉末):0.67 g
続いて、得られたゲルを乾燥・固化させた後、400℃で3時間焼成し、最後にメノウ乳鉢で十分に粉砕して微粉化し、平均粒径5μmのアロフェン-酸化チタン複合体(光触媒)の粉末を得た。
【実施例】
【0033】
(実施例4)
アロフェン-酸化チタン複合体からなる光触媒を以下の手順で作製した。まず、アロフェンを除く下記組成を混合し、マグネティックスターラーで10分間攪拌してゾルゲル溶液を調整した。続いて、このゾルゲル溶液に超音波を照射しながらアロフェンを分散させ、ゲル化させた。
・チタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業株式会社製、試薬1級):6.8 mL
・エタノール(和光純薬工業株式会社製、試薬特級):40.0 mL
・塩酸(和光純薬工業株式会社製、精密分析用、35%):10.0 mL
・アロフェン(天然鹿沼土より水簸により分離した固体をメノウ乳鉢で粉砕した粉末):0.67 g
続いて、得られたゲルを乾燥・固化させた後、400℃で3時間焼成し、最後にメノウ乳鉢で十分に粉砕して微粉化し、平均粒径5μmのアロフェン-酸化チタン複合体(光触媒)の粉末を得た。
【実施例】
【0034】
(比較例1)
酸化チタンからなる光触媒を以下の手順で作製した。まず、下記組成を混合し、マグネティックスターラーで10分間攪拌した後、超音波を照射し、ゾルゲル溶液をゲル化させた。
・チタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業株式会社製、試薬1級):6.8 mL
・エタノール(和光純薬工業株式会社製、試薬特級):40.0 mL
・塩酸(和光純薬工業株式会社製、精密分析用、35%):1.0 mL
続いて、得られたゲルを乾燥・固化させた後、400℃で3時間焼成し、最後にメノウ乳鉢で十分に粉砕して微粉化し、平均粒径5μmの酸化チタン(光触媒)の粉末を得た。
【実施例】
【0035】
(比較例2)
アロフェン-酸化チタン複合体からなる光触媒を以下の手順で作製した。まず、アロフェンを除く下記組成を混合し、マグネティックスターラーで10分間攪拌してゾルゲル溶液を調整した。続いて、このゾルゲル溶液に超音波を照射しながらアロフェンを分散させ、ゲル化させた。
・チタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業株式会社製、試薬1級):6.8 mL
・エタノール(和光純薬工業株式会社製、試薬特級):40 mL
・塩酸(和光純薬工業株式会社製、精密分析用、35%):1.0 mL
・アロフェン(天然鹿沼土より水簸により分離した固体をメノウ乳鉢で粉砕した粉末):0.14 g
続いて、得られたゲルを乾燥・固化させた後、400℃で3時間焼成し、最後にメノウ乳鉢で十分に粉砕して微粉化し、平均粒径5μmのアロフェン-酸化チタン複合体(光触媒)の粉末を得た。
【実施例】
【0036】
(比較例3)
アロフェン(天然鹿沼土より水簸により分離した固体をメノウ乳鉢で粉砕した粉末)を400℃で3時間焼成し、さらにメノウ乳鉢で十分に粉砕して微粉化し、平均粒径5μmのアロフェンの粉末を得た。
【実施例】
【0037】
-評価結果-
得られた各実施例および各比較例のサンプルの酸化チタン/アロフェン比(Ti/Al比)や、酸化チタンの粒径、アロフェン/酸化チタン粒径比を表1に示す。なお、Ti/Al比は、サンプル作製時に使用した原料の使用量および組成式に基づいて求めた。
【実施例】
【0038】
(粒径評価)
各実施例および各比較例で得られた粉末サンプルについては、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、アロフェンおよび酸化チタンの粒径(平均粒径)を求めた。粒径は倍率10万倍で観察した際の視野内に観察されるアロフェンおよび酸化チタンの粒子について、ランダムに各々20個の最大長さを測長し、この平均値を粒径とした。結果を表1に示す。
【実施例】
【0039】
(トリクロロエチレンガス分解テスト)
各実施例および各比較例で得られた粉末サンプルを、両端に円形のKBr窓、側面にガス導入口およびガス排出口を備えた円柱状のガラス容器からなる赤外分光分析用セル(直径40mm、長さ100mm、内容積100mL)内に0.3g配置した。次に、10分間の間、ガス導入口からセル内へと乾燥空気を導入しつつ、ガス排気口からセル内部の空気を排気させることで、セル内を乾燥空気で置換した。続いて、ガス導入口からトリクロロエチレンガス(3.14×10-5mol/L)を導入し、セルを密閉した。この状態で、ガラス容器越しに粉末サンプルにブラックライト(4W、波長300nm~350nm)を用いて30分間光照射を行った。その後、セル内の乾燥空気置換、トリクロロエチレンガス(TCEガス)の導入および光照射を繰り返し、3回目にセル内のガス濃度の変化を観測した。
【実施例】
【0040】
光照射開始直前(0分)、および、光照射開始後から所定時間毎(5分、10分、15分、20分、25分、30分)にこのセルを赤外分光光度計(島津製作所製、FTIR-8300)にセットして、赤外吸収スペクトルの測定よりセル内のガス濃度の変化を経時的にモニターした。結果を表1に示す。なお、TCEや、TCEが分解する過程で生じる中間生成物(ジクロロアセチルクロライド(DCAC)、ホスゲン)および最終生成物であるCOのガス濃度は、下記の吸収ピークの吸光度変化に着目してモニターした。
・TCE:波数944cm-1のC-Cl伸縮振動に起因する吸収ピーク
・DCAC:波数741cm-1のC-Cl伸縮振動に起因する吸収ピーク
・ホスゲン:波数1832cm-1のC=O伸縮振動に起因する吸収ピーク
・CO:波数2358cm-1のC=O伸縮振動に起因する吸収ピーク
【実施例】
【0041】
【表1】
JP0005403543B2_000002t.gif
【実施例】
【0042】
なお、表1中のTCE除去速度、中間生成物検出および最終生成物の検出量の評価基準は以下の通りである。
-TCE除去速度-
◎:TiOのみから構成される光触媒を用いた場合(比較例1)と比べて、TCEが検出されなくなるまでの時間が早い。
○:TiOのみから構成される光触媒を用いた場合(比較例1)と比べて、TCEが検出されなくなるまでの時間が同程度(比較例1においてTCEが検出されなくなった時点を基準に±5分以内)。
△:TiOのみから構成される光触媒を用いた場合(比較例1)と比べて、TCEが検出されなくなるまでの時間が遅い。
【実施例】
【0043】
-中間生成物検出-
◎:TCEガス分解テスト中、中間生成物は全く検出されない。
○:TCEガス分解テスト中、中間生成物は、テスト開始から20分が経過するまでの間に一旦検出されるが、その後は全く検出されなくなる。
×:TCEガス分解テスト中、中間生成物が終始検出される。
【実施例】
【0044】
-最終生成物の検出量-
◎:20分光照射後においてCOが検出され、かつ、20分光照射後のCOの相対濃度が、酸化チタンのみから構成される光触媒を用いた場合(比較例1)と比較して、同等またはそれ以上。
○:20分光照射後においてCOが検出され、かつ、20分光照射後のCOの相対濃度が、酸化チタンのみから構成される光触媒を用いた場合(比較例1)と比較して、下回る。
×:TCEガス分解テスト中、COは全く検出されない。