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明細書 :抗真菌性化合物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5594755号 (P5594755)
公開番号 特開2010-070547 (P2010-070547A)
登録日 平成26年8月15日(2014.8.15)
発行日 平成26年9月24日(2014.9.24)
公開日 平成22年4月2日(2010.4.2)
発明の名称または考案の名称 抗真菌性化合物
国際特許分類 C07K   5/087       (2006.01)
C07K   5/113       (2006.01)
C07K   7/06        (2006.01)
A61K  38/00        (2006.01)
A61P  31/10        (2006.01)
A61K   8/64        (2006.01)
A61Q  17/00        (2006.01)
A23L   3/3526      (2006.01)
FI C07K 5/087 ZNA
C07K 5/113
C07K 7/06
A61K 37/02
A61P 31/10
A61K 8/64
A61Q 17/00
A23L 3/3526 501
請求項の数または発明の数 6
全頁数 71
出願番号 特願2009-189557 (P2009-189557)
出願日 平成21年8月18日(2009.8.18)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成20年2月19日 国立大学法人佐賀大学主催の「平成19年度卒業論文発表会」において文書をもって発表 平成20年7月5日 日本分析化学会九州支部発行の「第45回化学関連支部合同九州大会外国人研究者交流国際シンポジウム 講演予稿集(第328頁)」に発表
優先権出願番号 2008209933
優先日 平成20年8月18日(2008.8.18)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成24年7月25日(2012.7.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504209655
【氏名又は名称】国立大学法人佐賀大学
発明者または考案者 【氏名】光富 勝
【氏名】上田 敏久
【氏名】関 清彦
【氏名】安藤 祥司
個別代理人の代理人 【識別番号】100092783、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 浩
【識別番号】100095360、【弁理士】、【氏名又は名称】片山 英二
【識別番号】100120134、【弁理士】、【氏名又は名称】大森 規雄
【識別番号】100149010、【弁理士】、【氏名又は名称】星川 亮
【識別番号】100104282、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 康仁
審査官 【審査官】馬場 亮人
参考文献・文献 中国特許出願公開第101153053(CN,A)
米国特許出願公開第2004/0110228(US,A1)
Zeitschrift fuer Anorganische und Allgemeine Chemie,2005年,vol.631,p.2333-2338
第45回 化学関連支部合同九州大会外国人研究者交流国際シンポジウム,2008年 7月 5日,vol.45,p.328
第42回 化学関連支部合同九州大会外国人研究者交流国際シンポジウム,2005年,vol.42,p.245
調査した分野 C07K 5/087
A23L 3/3526
A61K 8/64
A61K 38/00
A61P 31/10
A61Q 17/00
C07K 5/113
C07K 7/06
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
Phe-Gly-Tyr、Gln-Phe-Gly-TyrおよびSer-Gln-Phe-Gly-Tyrからなる群から選択されるいずれか1つのアミノ酸配列からなるペプチド、もしくは下記式(1)~(3)からなる群から選択されるいずれか1つの式で示される誘導体またはそれらの塩
【化37】
JP0005594755B2_000058t.gif
(上記式(1)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R6は、水素原子またはフェナシル基を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表す。);
【化38】
JP0005594755B2_000059t.gif
(上記式(2)中、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R8は、アルキル基を表し、Xは、
【化39】
JP0005594755B2_000060t.gif
で示されるいずれかの基(式中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表す。)を表す。);
【化40】
JP0005594755B2_000061t.gif
(上記式(3)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R8は、アルキル基または芳香族基を表す。)
【請求項2】
Rが、メチル基である、請求項に記載の誘導体またはその塩。
【請求項3】
請求項1または2に記載のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩を含有する抗真菌剤。
【請求項4】
請求項1または2に記載のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩を含有する飲食品。
【請求項5】
請求項1または2に記載のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩を含有する化粧品。
【請求項6】
請求項1または2に記載のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩を含有する医薬組成物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、抗真菌性化合物、抗真菌性化合物を含有する抗真菌剤、ならびに抗真菌性化合物を含む食品、化粧品および医薬組成物などに関する。
【背景技術】
【0002】
抗真菌性化合物として、イミダゾール系化合物やジフェニール系化合物の他、抗真菌性ペプチド、および抗真菌性タンパク質・酵素が知られている。このうち、イミダゾール系化合物やジフェニール系化合物は、食品衛生法で防カビ剤として承認されているものや、薬事法で水虫治療薬として承認されているものなどが多数あり、抗真菌剤として現在一般的に使用されている化合物である。抗真菌性ペプチドには、例えばAmaranthus caudatus(ヒモゲイトウ)の種子から単離されたAc-AMP1(配列番号1)がある。また、Ac-AMP1のC末端にアルギニン残基が付加したペプチドであるAc-AMP2(配列番号2)も知られている。Amaranthus caudatusの種子は、トウモロコシやジャガイモなどと共に古くから南米で食用として利用されてきた。Amaranthus caudatusの種子は栄養豊富な優れた機能性食材として評価されている。Ac-AMP1やAc-AMP2はキチンに対して可逆的に結合するペプチドである。キチンは、糸状菌細胞壁や昆虫表皮の主要構成成分の一つであるが植物や高等動物に存在しないため、キチンに結合するAc-AMP1は植物や高等動物に及ぼす影響が少ないとされている。この他の抗真菌性ペプチドとして、L-アルギニン-X-L-フェニルアラニン(Xは、置換されたフェニル基を持つ不特定のアミノ酸である)や、L-アルギニル-DL-t-ブチルグリシニル -L-フェニルアラニンなどのトリペプチドも知れられている(特許文献1および2)。
ここで、特許文献3には、所定のアミノ酸配列を有する抗菌性ペプチドの抗菌活性を増加させるために、C末端メチルエステル等のC末端誘導体を製造することが記載されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】ヨーロッパ特許EP0081122号公報
【特許文献2】ドイツ特許DE3500823号公報
【特許文献3】特表平11-506326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの従来の抗真菌性化合物には、合成が比較的困難なものがあったり、抗真菌活性が弱いものがあったり、あるいは、植物や高等動物に及ぼす影響が比較的大きいものがあるなど、改善すべき点があった。
【0005】
このような状況の下、例えば、合成が比較的容易であること、抗真菌活性が比較的強いこと、および植物や高等動物に及ぼす影響が比較的少ないことなどのうち少なくとも一つの特性を有する抗真菌性化合物が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、Phe-Gly-Tyrおよび/またはSer-Gln-Pheで示されるアミノ酸配列を含む3~5個のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなるペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩が、合成が比較的容易であること、強い抗真菌活性を有すること、および動物や高等植物に及ぼす影響が比較的少ないことなどのうち少なくとも一つの特性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は次のものである。
(1) Phe-Gly-Tyrおよび/またはSer-Gln-Pheで示されるアミノ酸配列を含む3~5個のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなるペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩。
(2) 3個のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなり、アミノ酸配列がPhe-Gly-Tyrで示されるものである、上記(1)に記載のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩。
(3) 誘導体が下記式(1)で示されるものである、上記(2)に記載の誘導体またはその塩。
【化1】
JP0005594755B2_000002t.gif
(上記式(1)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R6は、水素原子またはフェナシル基を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表す。)
(4) 誘導体が下記式(2)で示されるものである、上記(1)に記載の誘導体またはその塩。
【化2】
JP0005594755B2_000003t.gif
(上記式(2)中、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R8は、アルキル基または芳香族基を表し、Xは、
【化3】
JP0005594755B2_000004t.gif
で示されるいずれかの基(式中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表す。)を表す。)
(5) 誘導体が、下記式(3)で示されるものである、上記(1)に記載の誘導体またはその塩。
【化4】
JP0005594755B2_000005t.gif
(上記式(3)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R8は、アルキル基または芳香族基を表す。)
(6) 誘導体が、下記式(4)で示されるものである、上記(1)に記載の誘導体またはその塩。
【化5】
JP0005594755B2_000006t.gif
(上記式(4)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R8は、アルキル基または芳香族基を表す。)
(7) 誘導体が、下記式(5)で示されるものである、上記(1)に記載の誘導体またはその塩。
【化6】
JP0005594755B2_000007t.gif
(上記式(5)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R9は、水素原子、アルキル基または芳香族基を表し、但し、R1~R5の全てが水素原子であり、かつR9が水素原子である場合を除く。)
(8) 誘導体が、下記式(6)で示されるものである、上記(1)に記載の誘導体またはその塩。
【化7】
JP0005594755B2_000008t.gif
(上記式(6)中、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表す。)
(9) 誘導体が、下記式(7)で示されるものである、上記(1)に記載の誘導体またはその塩。
【化8】
JP0005594755B2_000009t.gif
(上記式(7)中、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表す。)
(10) 誘導体が、下記式(8)で示されるものである、上記(1)に記載の誘導体またはその塩。
【化9】
JP0005594755B2_000010t.gif
(上記式(8)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R9は、水素原子、アルキル基または芳香族基を表し、R10は、水素原子または-C(=O)CFを表し、但し、R1~R5の全てが水素原子であり、かつR10が水素原子である場合を除く。)
(11) 誘導体が、下記式(9)で示されるものである、上記(1)に記載の誘導体またはその塩。
【化10】
JP0005594755B2_000011t.gif
(上記式(9)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R9は、水素原子、アルキル基または芳香族基を表し、Xは、
【化11】
JP0005594755B2_000012t.gif
からなる群から選択されるいずれかの基を表す。)
(12) Rが、メチル基である、上記(4)~(6)、(10)のいずれかに記載の誘導体またはその塩。
(13) 4個のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなり、アミノ酸配列がGln-Phe-Gly-Tyrで示されるものである、上記(1)に記載のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩。
(14) 5個のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなり、アミノ酸配列がSer-Gln-Phe-Gly-Tyrで示されるものである、上記(1)に記載のペプチドまたはその塩。
(15) 3個のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなり、アミノ酸配列がSer-Gln-Pheで示されるものである、上記(1)に記載のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩。
(16) 誘導体が、前記ペプチドのC末端カルボキシル基の水素原子を、アルキル基または芳香族基で置換したものである、上記(1)、(2)、(13)および(15)のいずれか1項に記載の誘導体またはその塩。
(17) 誘導体が、前記ペプチドのC末端カルボキシル基の水素原子を、メチル基で置換したものである、上記(16)に記載の誘導体またはその塩。
(18) 誘導体が、Ser(Bzl)-Gln-Phe(式中、Bzlはベンジル基を表す。)で示されるものである、上記(15)に記載の誘導体またはその塩。
(19) C末端カルボキシル基の水素原子を、アルキル基または芳香族基で置換したものである、上記(18)に記載の誘導体またはその塩。
(20) C末端カルボキシル基の水素原子を、メチル基で置換したものである、上記(19)に記載の誘導体またはその塩。
(21) 上記(1)~(20)のいずれか1項に記載のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩を含有する抗真菌剤。
(22) 上記(1)~(20)のいずれか1項に記載のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩を含有する飲食品。
(23) 上記(1)~(20)のいずれか1項に記載のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩を含有する化粧品。
(24) 上記(1)~(20)のいずれか1項に記載のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩を含有する医薬組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、新たな抗真菌性化合物が提供される。本発明の好ましい態様のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩は、イミダゾール系化合物やジフェニール系化合物と比較して、植物や高等動物へ及ぼす影響が少ないものである。本発明の別の好ましい態様のペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩は、化学合成が比較的容易である。本発明のさらに別の好ましい態様におけるペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩は、抗真菌活性が比較的強い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド1~4)。
【図2】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド3)。
【図3】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド5~8)。
【図4】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド9~12)。
【図5】HPLCチャートである(ペプチド1~4)。
【図6】HPLCチャートである(ペプチド5~8)。
【図7】HPLCチャートである(ペプチド9~12)。
【図8】溶液法による抗真菌活性測定時のプレートの様子を示す写真である(参照化合物、ペプチド3およびペプチド13)。
【図9】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド14および19)。
【図10】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド21)。
【図11】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド22)。
【図12】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド23)。
【図13】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド24)。
【図14】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド25)。
【図15】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド26および27)。
【図16】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド28)。
【図17】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド29)。
【図18】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド30)。
【図19】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド31および32)。
【図20】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である。
【図21】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド33および34)。
【図22】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド35および36)。
【図23】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド37および38)。
【図24】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド39および40)。
【図25】抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真である(ペプチド41)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において引用された全ての刊行物、例えば先行技術文献、及び公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込まれる。本願の優先権主張の基礎となる日本国特許出願である特願2008-209933号(出願日:2008年8月18日)の特許請求の範囲、明細書、および図面の開示内容を包含する。

【0011】
1.本発明の概要
本発明者らはAc-AMP1の様々な部分ペプチドを作製し、各ペプチドの抗真菌活性を調査した。その結果、Ac-AMP1の18~20番目のアミノ酸からなるトリペプチド(フェニルアラニン-グリシン-チロシン)に抗真菌活性があること、さらに、このトリペプチドのチロシンの側鎖をジクロロベンジル基で保護したペプチドには比較的強い抗真菌活性があること、などを見出し、本発明を完成させた。

【0012】
本発明の抗真菌性化合物は、Phe-Gly-Tyrおよび/またはSer-Gln-Pheで示されるアミノ酸配列を含む3~5のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなるペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩である。

【0013】
本発明により、新たな抗真菌性化合物が提供される。本発明の好ましい態様によれば、ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩は、イミダゾール系化合物やジフェニール系化合物と比較して植物や高等動物へ及ぼす影響が少ないものである。本発明の別の好ましい態様におけるペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩は、アルギニン含有ペプチドと比較して合成が容易である。本発明のさらに別の好ましい態様におけるペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩は、抗真菌活性が比較的強い。

【0014】
2.ペプチド
本発明のペプチドは、Phe-Gly-Tyrおよび/またはSer-Gln-Pheで示されるアミノ酸配列を含む3~5個のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなるペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩である。

【0015】
本発明の1つの態様では、ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩は、Phe-Gly-Tyrで示される3個のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなるペプチド(トリペプチド)もしくはその誘導体またはそれらの塩である。Phe-Gly-Tyrで示されるアミノ酸配列からなるペプチドの誘導体は、例えば式(1)で示されるものである。

【0016】
【化12】
JP0005594755B2_000013t.gif
(上記式(1)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R6は、水素原子またはフェナシル基を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表す。)

【0017】
1~R5のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子などが挙げられる。本発明の1つの態様では、ハロゲン原子は、塩素原子である。式(1)で示される誘導体としては、例えば下記式で示される誘導体のうち少なくとも1つのものを挙げることができるが、これらに限定されない。

【0018】
【化13】
JP0005594755B2_000014t.gif

【0019】
本発明の好ましい態様によれば、式(1)で示されるペプチドの誘導体は、H-Phe-Gly-Tyr(BzlCl2)-OHまたはBoc-Phe-Gly-Tyr(BzlCl2)-OPac である。本発明のさらに好ましい態様によれば、式(1)で示されるペプチドの誘導体は、H-Phe-Gly-Tyr(BzlCl2)-OHである。

【0020】
本発明の別の態様によれば、本発明のペプチドの誘導体は、式(2)で示されるものである。

【0021】
【化14】
JP0005594755B2_000015t.gif
(上記式(2)中、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R8は、アルキル基または芳香族基を表し、Xは、
【化15】
JP0005594755B2_000016t.gif
で示されるいずれかの基(式中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表す。)を表す。)

【0022】
1~R5のハロゲン原子としては、前記と同様のものを挙げることができる。本発明の1つの態様では、ハロゲン原子は、塩素原子である。
R8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などを挙げることができる。Rの芳香族基は、例えば、ベンジル基である。R8は、好ましくは、メチル基である。
また、R7は、好ましくは、水素原子である。
式(2)で示される誘導体としては、例えば、下記式で示される誘導体を挙げることができる。

【0023】
【化16】
JP0005594755B2_000017t.gif

【0024】
本発明の好ましい態様によれば、式(2)で示されるペプチドの誘導体は、H-Phe-Gly-Tyr (BzlCl2)-OMeまたはH-Phe-Gly-Tyr (Bzl)-OMeである。

【0025】
本発明のさらに別の態様によれば、ペプチドの誘導体は、式(3)で示されるものである。
【化17】
JP0005594755B2_000018t.gif
(上記式(3)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R8は、アルキル基または芳香族基を表す。)

【0026】
1~R5のハロゲン原子としては、前記と同様のものを挙げることができる。本発明の1つの態様では、ハロゲン原子は、塩素原子である。
R8のアルキル基および芳香族基としては、前記と同様のものを挙げることができる。R8は、好ましくは、メチル基である。
また、R7は、好ましくは、水素原子である。
式(3)で示される誘導体としては、例えば、下記式で示される誘導体を挙げることができる。

【0027】
【化18】
JP0005594755B2_000019t.gif

【0028】
本発明のさらに別の態様によれば、ペプチドの誘導体は、式(4)で示されるものである。
【化19】
JP0005594755B2_000020t.gif
(上記式(4)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R8は、アルキル基または芳香族基を表す。)

【0029】
1~R5のハロゲン原子としては、前記と同様のものを挙げることができる。本発明の1つの態様では、ハロゲン原子は、塩素原子である。
R8のアルキル基および芳香族基としては、前記と同様のものを挙げることができる。R8は、好ましくは、メチル基である。
また、R7は、好ましくは、水素原子である。
式(4)で示される誘導体としては、例えば、下記式で示される誘導体を挙げることができる。

【0030】
【化20】
JP0005594755B2_000021t.gif

【0031】
本発明のさらに別の態様によれば、ペプチドの誘導体は、式(5)で示されるものである。
【化21】
JP0005594755B2_000022t.gif
(上記式(5)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R9は、水素原子、アルキル基または芳香族基を表し、但し、R1~R5の全てが水素原子であり、かつR9が水素原子である場合を除く。)

【0032】
1~R5のハロゲン原子としては、前記と同様のものを挙げることができる。本発明の1つの態様では、ハロゲン原子は、塩素原子である。
R9のアルキル基および芳香族基としては、前記R8と同様のものを挙げることができる。R9は、好ましくは、メチル基である。
また、R7は、好ましくは、水素原子である。
式(5)で示される誘導体としては、例えば、下記式で示される誘導体を挙げることができる。

【0033】
【化22】
JP0005594755B2_000023t.gif

【0034】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明のペプチドの誘導体は、式(6)で示されるものである。
【化23】
JP0005594755B2_000024t.gif
(上記式(6)中、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表す。)

【0035】
R7は、好ましくは、水素原子である。
式(6)で示される誘導体としては、例えば、下記式で示される誘導体を挙げることができる。

【0036】
【化24】
JP0005594755B2_000025t.gif

【0037】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明のペプチドの誘導体は、式(7)で示されるものである。
【化25】
JP0005594755B2_000026t.gif
(上記式(7)中、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表す。)

【0038】
R7は、好ましくは、水素原子である。
式(7)で示される誘導体としては、例えば、下記式で示される誘導体を挙げることができる。

【0039】
【化26】
JP0005594755B2_000027t.gif

【0040】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明のペプチドの誘導体は、式(8)で示されるものである。
【化27】
JP0005594755B2_000028t.gif
(上記式(8)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R9は、水素原子、アルキル基または芳香族基を表し、R10は、水素原子または-C(=O)CFを表し、但し、R1~R5の全てが水素原子であり、かつR10が水素原子である場合を除く。)

【0041】
1~R5のハロゲン原子としては、前記と同様のものを挙げることができる。本発明の1つの態様では、ハロゲン原子は、塩素原子である。
R9のアルキル基および芳香族基としては、前記R8と同様のものを挙げることができる。R9は、好ましくは、メチル基である。
また、R7は、好ましくは、水素原子である。
式(8)で示される誘導体としては、例えば、下記式で示される誘導体を挙げることができる。

【0042】
【化28】
JP0005594755B2_000029t.gif

【0043】
本発明の好ましい態様によれば、式(8)で示されるペプチドの誘導体は、H-Phe-Lys(Tfa)-Tyr(Bzl)-OMeである。

【0044】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明のペプチドの誘導体は、式(9)で示されるものである。
【化29】
JP0005594755B2_000030t.gif
(上記式(9)中、R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表し、R7は、水素原子またはt-ブチルオキシカルボニル基を表し、R9は、水素原子、アルキル基または芳香族基を表し、Xは、
【化30】
JP0005594755B2_000031t.gif
からなる群から選択されるいずれかの基を表す。)

【0045】
1~R5のハロゲン原子としては、前記と同様のものを挙げることができる。本発明の1つの態様では、ハロゲン原子は、塩素原子である。
R9のアルキル基および芳香族基としては、前記と同様のものを挙げることができる。R9は、好ましくは、メチル基である。
また、R7は、好ましくは、水素原子である。
式(9)で示される誘導体としては、例えば、下記式で示される誘導体を挙げることができる。

【0046】
【化31】
JP0005594755B2_000032t.gif

【0047】
本発明の好ましい態様によれば、式(9)で示されるペプチドの誘導体は、H-Trp-Gly-Tyr(Bzl)-OMe、H-Trp-Gly-Tyr(Bzl)-OH、H-His(Tos)-Gly-Tyr(Bzl)-OMe、H-Trp-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMe、H-Trp-Gly-Tyr(BzlCl2)-OH、H-His(Tos)-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMeまたはH-His-Gly-Tyr(BzlCl2)-OHである。

【0048】
本発明のさらに別の態様によれば、Gln-Phe-Gly-Tyrで示されるアミノ酸配列を含む4個のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなるペプチド(テトラペプチド)もしくはその誘導体またはそれらの塩が提供される。当該テトラペプチドの誘導体は、例えば、前記ペプチドのC末端カルボキシル基の水素原子を、アルキル基または芳香族基で置換したものである。アルキル基および芳香族基としては、前記と同様のものを例示することができる。好ましくは、テトラペプチドの誘導体は、例えば、前記ペプチドのC末端カルボキシル基の水素原子を、メチル基で置換したものである。

【0049】
本発明のさらに別の態様によれば、Phe-Gly-Tyrおよび/またはSer-Gln-Pheで示されるアミノ酸配列を含む5個のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなるペプチド(ペンタペプチド)もしくはその誘導体またはそれらの塩が提供される。ペンタペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩は、好ましくは、Ser-Gln-Phe-Gly-Tyrで示されるアミノ酸配列からなるペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩であり、さらに好ましくは、Ser-Gln-Phe-Gly-Tyrで示されるアミノ酸配列からなるペプチドまたはその塩である。当該ペンタペプチドの誘導体は、例えば、前記ペプチドのC末端カルボキシル基の水素原子を、アルキル基および芳香族基で置換したものである。アルキル基および芳香族基としては、前記と同様のものを例示することができる。好ましくは、ペンタペプチドの誘導体は、例えば、前記ペプチドのC末端カルボキシル基の水素原子を、メチル基で置換したものである。

【0050】
本発明のさらに別の態様によれば、ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩は、Ser-Gln-Pheで示される3個のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなるペプチド(トリペプチド)もしくはその誘導体またはそれらの塩である。Ser-Gln-Pheで示されるアミノ酸配列からなるペプチドの誘導体は、例えば、Ser(Bzl)-Gln-Phe(式中、Bzlはベンジル基を表す。)である。あるいは、当該トリペプチドの誘導体は、例えば、前記ペプチドのC末端カルボキシル基の水素原子を、アルキル基または芳香族基で置換したものである。アルキル基および芳香族基としては、前記と同様のものを例示することができる。好ましくは、トリペプチドの誘導体は、例えば、前記ペプチドのC末端カルボキシル基の水素原子を、メチル基で置換したものである。

【0051】
本発明のPhe-Gly-Tyrおよび/またはSer-Gln-Pheで示されるアミノ酸配列を含む3~5個のアミノ酸残基のアミノ酸配列からなるペプチドまたはその誘導体の塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、もしくはリン酸塩などの無機酸付加塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、もしくは蓚酸塩などの有機酸塩、またはナトリウム塩、カリウム塩、もしくはカルシウム塩などの塩が挙げられる。本発明のある態様によれば、塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩などの無機酸付加塩であり、例えば、塩酸塩である。塩酸塩としては、例えば、H-Phe-Gly-Tyr-OH・HCl、H-Phe-Gly-Tyr(BzlCl2)-OH・HCl、またはH-Ser-Gln-Phe-Gly-Tyr-OH・HClなどが挙げられる。

【0052】
本発明のペプチドの合成方法は、特に限定されず、公知の方法を用いて合成することができる(例えば、ペプチド合成の基礎と実験、泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典著、丸善1985年等参照)。公知の方法としては、例えば、化学合成法が挙げられる。化学合成法によるペプチドの合成では、好ましくは、C末端からN末端へとペプチド鎖を伸長させて合成する。

【0053】
本発明の1つの態様では、先ず、α-アミノ基保護グリシンとα-カルボキシル基および側鎖保護チロシンとを縮合する。次いで、Gly-Tyrジペプチドのα-アミノ保護基を脱保護する。その後、α-アミノ基保護フェニルアラニンとGly-Tyrジペプチドとを縮合し、N末端、C末端および側鎖保護Phe-Gly-Tyrトリペプチドを合成する。

【0054】
さらに、合成したトリペプチドのC末端保護基(α-カルボキシル保護基)を脱保護することで、N末端および側鎖保護Phe-Gly-Tyrトリペプチドを得ることができる。あるいは、N末端保護基(α-アミノ保護基)を脱保護することで、C末端および側鎖保護Phe-Gly-Tyrトリペプチドを得ることができる。あるいは、N末端保護基とC末端保護基の両方を脱保護することで、側鎖保護Phe-Gly-Tyrトリペプチドを得ることができる。あるいは、N末端保護基とC末端保護基とTyrの側鎖保護基の全てを脱保護することで、Phe-Gly-Tyrトリペプチドを得ることができる。

【0055】
本発明の別の態様では、上記のようにN末端、C末端および側鎖保護Phe-Gly-Tyrトリペプチドを合成した後、Phe-Gly-Tyrトリペプチドのα-アミノ保護基を脱保護する。次いで、α-アミノ基保護グルタミンとPhe-Gly-Tyrトリペプチドとを縮合し、Gln-Phe-Gly-Tyrテトラペプチドを得る。その後、α-アミノ基および側鎖保護セリンとGln-Phe-Gly-Tyrテトラペプチドとを縮合し、N末端、C末端および側鎖保護Ser-Gln-Phe-Gly-Tyrペンタペプチドを得る。さらに、合成したペンタペプチドのN末端保護基とC末端保護基とSerおよびTyrの側鎖保護基の全てを脱保護することで、Ser-Gln-Phe-Gly-Tyrペンタペプチドを得ることができる。

【0056】
α-アミノ保護基としては、例えば、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)基、または9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基などを挙げることができるが、これらに限定されない。好ましくは、Boc基である。ここで、α-アミノ保護基としてBoc基を用いる方法がBoc法であり、Fmoc基を用いる方法がFmoc法である。アミノ酸のα-アミノ基に保護基を結合する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いて結合することができる。例えば、Boc基は、二炭酸ジ-t-ブチルを用いたショッテン・バウマン反応によりアミノ酸のα-アミノ基に結合することができる。Boc基は、例えば、4N-HCl/DOX処理、またはトリフルオロ酢酸(TFA)処理などにより脱保護できる。また、Fmoc基は、例えば、ピぺリジン処理などにより脱保護できる。

【0057】
チロシンおよびセリンの側鎖保護基は、水素原子の全部または一部がハロゲン原子で置換されていても良いベンジル基である。そのようなベンジル基としては、ベンジル基、2,6-ジクロロベンジル基、または4-クロロベンジル基などを挙げることができる。好ましくは、チロシンの側鎖保護基は、2,6-ジクロロベンジル基であり、セリンの側鎖保護基は、ベンジル基である。チロシンおよびセリンの側鎖にベンジル基を結合する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いて結合することができる。

【0058】
α-カルボキシル保護基は、特に限定されず、例えば、芳香族基(例えば、ベンジルエステル基、フェナシルエステル(-OPac )基など、好ましくはフェナシルエステル(-OPac )基など)、またはアルキルエステル基(例えば、メチルエステル基、エチルエステル基、プロピルエステル基、ブチルエステル基など、好ましくはメチルエステル基、エチルエステル基など)などが挙げられる。芳香族基、例えばフェナシルエステルは亜鉛/酢酸還元条件などで、アルキルエステル基、例えばメチルエステルまたはエチルエステルはアルカリケン化により選択的に脱保護できる。

【0059】
本発明のペプチドの合成は、液相法で行っても、固相法で行っても良い。好ましくは、液相法である。液相法では、縮合反応を均一溶液中で行い、縮合反応物を各段階で単離しながらペプチドを合成する。固相法では、チロシンのα-カルボキシル保護基を固相担体に結合し、固相担体上で、保護アミノ酸の縮合反応、α-アミノ保護基の脱保護反応などを繰り返し、ペプチドを合成する。

【0060】
C末端からN末端へとペプチド鎖を伸長させる場合に二つの方法がある。一つは脱水剤(例えばDCC)を用いて、α-アミノ基保護グリシンとα-カルボキシル基保護フェニルアラニンを縮合する方法である。もう一つは、縮合前に、α-アミノ基保護グリシンおよびα-アミノ基保護フェニルアラニンなどのα-アミノ基保護アミノ酸のカルボキシル基を活性化する方法である。活性化の方法は、特に限定されず、例えば、対称型無水物法、混合酸無水物法、活性エステル法、またはアジド法など公知の方法でアミノ酸のカルボキシル基を活性化させる。対称型無水物法は、保護アミノ酸に脱水剤(例えばDCC)を作用させ、保護アミノ酸無水物をつくり、これを縮合反応に用いる方法である。混合酸無水物法は、保護アミノ酸にアルキルクロロホルメートを第三級アミンの存在下で作用させ、混合酸無水物をつくり、これを縮合反応に用いる方法である。活性エステル法は、保護アミノ酸とフェノール類またはN-ヒドロキシアミン類を脱水剤(例えばDCC)により縮合して活性エステルをつくり、これを縮合反応に用いる方法である。アジド法は、保護アミノ酸ヒドラジドに亜硝酸イソアミルなどを作用させてアジドをつくり、これを縮合反応に用いる方法である。活性化の方法は、好ましくは、活性エステル法である。活性エステル法で用いるフェノール類としては、例えば、p-ニトロフェノール、またはペンタフルオロフェノールなどを挙げることができる。N-ヒドロキシアミン類としては、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、またはN-ヒドロキシベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。

【0061】
また、本発明のペプチドの合成は、自動合成装置により行ってもよい。自動合成装置は、公知の装置を利用することができる。公知の自動合成装置としては、例えば、モデル433A(Applied Biosystems社製)、PSSM-8(島津製作所製)、またはApogee(aaptec社製)などを挙げることができる。

【0062】
本発明のペプチドまたは誘導体の塩は、塩酸などの適切な酸、あるいは水酸化ナトリウムなどの適切な塩基を用いて調製することができる。例えば、水中、又はメタノール、エタノール若しくはジオキサンなどの不活性な水混和性有機溶媒を含む液体中で、標準的なプロトコルを用いて処理することにより調製し得る。

【0063】
3.抗真菌剤
本発明の抗真菌剤は、上記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩(本明細書中で単に本発明のペプチドという場合がある。)を含有するものである。本発明の抗真菌剤は、これらに限定されないが、例えば、リンゴ腐爛病菌(ValsAceratosperma)、白紋羽病(Rosellinia necatrix Prill.)、灰色カビ病(Botrytis cinerea)、イネ立枯病(Fusarium solani、Rhizopus oryzae、Trichoderma viride)、アオカビ(Penicillium sp.)、アカパンカビ(NeurosporAcrassa)、ベニコウジカビ(Monascus purpureus)、およびアスペルギルス フミガタス(Aspergillus fumigatus)などからなる群から選ばれる少なくとも1つの真菌に対して抗真菌作用を示す。

【0064】
本発明の1つの態様における抗真菌剤は、リンゴ腐爛病菌(ValsAceratosperma)、白紋羽病(Rosellinia necatrix Prill.)、灰色カビ病(Botrytis cinerea)、イネ立枯病(Fusarium solani、Rhizopus oryzae、Trichoderma viride)、アオカビ(Penicillium sp.)、アカパンカビ(NeurosporAcrassa)、ベニコウジカビ(Monascus purpureus)、またはアスペルギルス フミガタス(Aspergillus fumigatus)に対して抗真菌作用を示す。

【0065】
本発明の好ましい態様の抗真菌剤は、イミダゾール系化合物やジフェニール系化合物と比較して、植物や高等動物へ及ぼす影響が少ないものである。

【0066】
本発明の別の好ましい態様の抗真菌剤に含まれるペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩は、化学合成の際に特段の注意を必要とするアミノ酸を含んでおらず、そのようなアミノ酸を含有するペプチドなどと比較して合成が容易である。化学合成の際に特段の注意を必要とするアミノ酸としては、アルギニン、リジン、システイン、メチオニンなどがある。ここで、アルギニンは、側鎖グアニジノ基が強い塩基性であり、この基がプロトン化した状態でペプチド合成に使用できる。しかし、反応中に強い塩基条件にさらされるとアルギニンが分解する可能性がある。また、保護基を用いた場合でも完全に塩基性をマスクすることは難しく、それに起因する副反応の可能性があるため、化学合成の際に注意を必要とする。リジンは、その側鎖アミノ基がα-アミノ基と同じ反応性をもつため、必ず保護が必要である。システインは、側鎖SH基の反応性が高い。特に、空気酸化を受けてジスルフィド結合を生成するために、保護が必須である。メチオニンは、無保護のままペプチド合成に用いられるが、反応中に側鎖が酸化され、メチオニンスルホキシドとなることがあるため、注意を必要とする。

【0067】
本発明のさらに別の好ましい態様の抗真菌剤に含まれるペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩は、抗真菌活性が比較的強い。

【0068】
本発明の抗真菌剤は、真菌の増殖を抑制するために用いることができる。本発明のある態様では、植物(例えば、小麦、大麦、またはバラなど)の真菌由来の疾病を予防・治療するために、植物の種子、花、葉、茎もしくは根などに本発明の抗真菌剤を適用する。本発明の別の態様では、高等動物(例えば、ヒト、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)の真菌由来の疾病を予防・治療するために、経口または非経口で本発明の抗真菌剤を動物に適用する。本発明の1つの態様では、高等動物はヒトを除く高等動物である。本発明のさらに別の態様では、基材(例えば、塗料、紙、木材、革、コンクリート、プラスチック、または金属など)での真菌の増殖を抑制するために、基材の表面または内部に本発明の抗真菌剤を適用する。本発明のさらに別の態様では、細胞培養系での真菌の増殖を抑制するために、細胞培養系に本発明の抗真菌剤を適用する。

【0069】
また、本発明の抗真菌剤は、使用目的に応じ、本発明のペプチドに加えて、担体や添加物を含むものであってもよい。このような担体及び添加物として、水、酢酸、有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、寒天、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、グリセリン、プロピレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、界面活性剤等が挙げられる。

【0070】
本発明の抗真菌剤における本発明のペプチドの使用量は、使用目的によって異なる。当業者であれば、使用目的に応じて、本発明のペプチドの使用量を適宜選択することができる。

【0071】
例えば、植物の真菌由来の疾病を予防・治療するために本発明の抗真菌剤を用いる場合には、本発明のペプチドの使用量は、100gの植物の場合、1日あたり、例えば、0.001mg~1000mgである。

【0072】
動物の真菌由来の疾病を予防・治療するために本発明の抗真菌剤を用いる場合には、本発明のペプチドの使用量は、60kgの動物の場合、1日あたり、例えば、0.01~1000mg、あるいは0.05~500mgである。

【0073】
基材での真菌の増殖を抑制するために本発明の抗真菌剤を用いる場合には、本発明のペプチドの使用量は、50gの基材の場合、例えば、0.001μg~1000mgである。

【0074】
細胞培養系での真菌の増殖を抑制するために、本発明の抗真菌剤を用いる場合には、本発明のペプチドの使用量は、50gの培地(例えば培養細胞を除く重量)の場合、例えば、0.001μg~1000mgである。

【0075】
また、本発明は、真菌増殖阻害用の前記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩(本発明のペプチド)を提供する。本発明のペプチドにより増殖を阻害できる真菌、ならびに本発明のペプチドの用法および用量は、前記抗真菌剤で説明したのと同様である。

【0076】
また、本発明は、前記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩(本発明のペプチド)を用いる真菌増殖阻害方法を提供する。ここで、「本発明のペプチドを用いる」ことには、例えば、植物の真菌由来の疾病を予防・治療するために、植物の種子、花、葉、茎もしくは根などに本発明のペプチドを適用すること、動物(例えば、ヒトを除く)の真菌由来の疾病を予防・治療するために、経口または非経口で本発明のペプチドを動物に適用すること、基材での真菌の増殖を抑制するために、基材の表面または内部に本発明のペプチドを適用すること、または、細胞培養系での真菌の増殖を抑制するために、細胞培養系に本発明のペプチドを適用すること、などが含まれるが、これらに限定されない。本発明の方法により増殖を阻害できる真菌、ならびに本発明のペプチドの用法および用量は、前記抗真菌剤で説明したのと同様である。

【0077】
さらに、本発明は、抗真菌剤製造のための前記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩(本発明のペプチド)の使用を提供する。本発明のペプチドの使用により、増殖を阻害できる真菌、ならびに本発明のペプチドの用法および用量は、前記抗真菌剤で説明したのと同様である。

【0078】
3.飲食品
本発明は、前記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩(本発明のペプチド)を含有する飲食品を提供する。本発明のペプチドを添加することで、飲食品中での真菌の増殖を抑制することができる。本発明の飲食品は、例えば、飲料(コーヒー、ココア、ウーロン茶、紅茶、緑茶、果実飲料、野菜ジュース、もしくは牛乳など)、アルコール飲料(ビール、日本酒、焼酎、ウイスキー、ウォッカ、ジン、ブランデー、ラム、リキュール、ワイン、ラオチュー、もしくは梅酒など)、調味料(みそ、ソース、砂糖、塩、醤油、酢もしくは香辛料など)、菓子(あめ、アイスクリーム、キャラメル、クッキー、ケーキ、パイ、ゼリー、チョコレートもしくはワッフルなど)、米飯、餅、蕎麦、うどん、パン、ピザ、クリーム、チーズ、バター、ジャム、食用油脂(オリーブ油、またはコーン油など)またはその他の加工飲食品であり、これらの飲食品に本発明のペプチドを添加する。

【0079】
本発明の飲食品に対する本発明のペプチドの添加量は、本発明の飲食品の全重量に対して、例えば、約0.001重量%~99重量%である。

【0080】
また、本発明の飲食品には、必要に応じて、ゲル化剤、または乳化剤などの他の添加剤を加えることもできる。

【0081】
本発明は、前記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩(本発明のペプチド)を用いる、飲食品での真菌増殖阻害方法を提供する。ここで、「本発明のペプチドを用いる」とは、飲食品に本発明のペプチドを添加すること意味し、例えば、飲食品に本発明のペプチドを混合すること、または飲食品の表面に本発明のペプチドを適用すること、などが含まれる。本発明のペプチドを添加する飲食品および添加量などは、上記飲食品で説明したのと同様である。

【0082】
4.化粧品
本発明は、前記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩(本発明のペプチド)を含有する化粧品を提供する。本発明のペプチドを添加することで、化粧品中での真菌の増殖を抑制することができる。本発明の化粧品は、例えば、化粧石鹸、シャンプー、洗顔料、リンス、アイクリーム、アイシャドウ、クリーム、乳液、化粧水、香水、おしろい、化粧油、頭髪用化粧品、染毛料、練香水、パウダー、パック、ひげそり用クリーム、びげそり用ローション、日焼けオイル、日焼け止めオイル、日焼けローション、日焼け止めローション、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、ファンデーション、粉末香水、ほお紅、マスカラ、眉墨、爪クリーム、美爪エナメル、美爪エナメル除去液、洗毛料、浴用化粧品、口紅、リップクリーム、アイライナー、歯磨き、デオドラント剤、オーデコロン、養毛剤、または育毛剤などであり、これらの化粧品に本発明のペプチドを添加する。

【0083】
本発明の化粧品に対する本発明のペプチドの添加量は、本発明の化粧品の全重量に対して、例えば、約0.001重量%~99重量%である。

【0084】
本発明の化粧品には、使用目的に応じて本発明のペプチド以外のさまざまな成分をさらに添加させておくことができる。例えば、エモリエント効果改善、使用感改善、使用後のかさつき軽減、可溶性改善、乳化性改善、乳化安定性改善、油剤成分との相溶性改善、使用後のつっぱり感軽減、肌への馴染み改善、皮膚上におけるのびの改善、べたつきの軽減、肌荒れ防止、美肌効果改善、皮膚保護効果改善、角質改善、表皮角化正常化(皮膚のターンオーバー亢進による不全角化予防、表皮肥厚化予防、表皮脂質代謝異常抑制)、老人性乾皮症などの乾皮症軽減、ひび割れや落屑などの皮膚乾燥状態改善、しわ発生抑制、しわ消滅、創傷治療、色素沈着予防および改善、老化防止、ふけやかゆみの軽減、脱毛軽減、頭皮疾患予防および治療、保存性改善、柔軟性改善、弾力性改善、艶付与、メラニン色素産生抑制、または日焼け防止などを目的として適当な成分を添加させることができる。

【0085】
本発明の化粧品に添加しうる成分として、例えば、油脂成分、リン脂質、UV吸収剤、IR吸収剤、乳化剤、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、美白剤、ビタミン、アミノ酸、ホルモン、ペプチド、生理活性植物抽出物、蛍光材料、顔料、色素、香料、スクラブ剤、金属イオン封鎖剤、バインダー、増量剤、増粘剤、糖類、栄養成分、pH調節剤、キレート剤、殺菌剤、角質改善剤、角質溶解剤、抗生物質、皮膚透過促進剤、血行促進剤、消炎剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、鎮痛剤、皮膚軟化剤、皮膚緩和剤、創傷治療剤、または新陳代謝促進剤などを使用目的に応じて適宜配合することができる。

【0086】
本発明は、前記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩(本発明のペプチド)を用いる、化粧品での真菌増殖阻害方法を提供する。ここで、「本発明のペプチドを用いる」とは、化粧品に本発明のペプチドを添加すること意味し、例えば、化粧品に本発明のペプチドを混合すること、または化粧品の表面に本発明のペプチドを適用すること、などが含まれる。本発明のペプチドを添加する化粧品および添加量などは、上記化粧品で説明したのと同様である。

【0087】
5.医薬組成物
本発明は、前記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩(本発明のペプチド)を含有する医薬組成物を提供する。本発明のペプチドにおける塩は、医薬的に許容される塩である。医薬的に許容される塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、もしくはリン酸塩などの無機酸付加塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、もしくは蓚酸塩などの有機酸塩、またはナトリウム塩、カリウム塩、もしくはカルシウム塩などの塩が挙げられる。本発明の医薬組成物は、抗真菌作用があるため、本発明の医薬組成物を投与することにより、患者の体表または体内の真菌により引き起こされた疾患(真菌症)を治療することができる。真菌症としては、表在性真菌症、または深在性真菌症がある。より具体的には、水虫、またはカンジダ症(口腔カンジダ症、食道カンジダ症、または消化管カンジダ症など)などがある。

【0088】
本発明の医薬組成物は、経口投与及び非経口投与のいずれの剤形をも採用することができる。

【0089】
前記剤形は常法にしたがって製剤化することができ、本発明のペプチドの他、医薬的に許容される担体や添加物を含むものであってもよい。このような担体及び添加物として、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、寒天、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、グリセリン、プロピレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、医薬添加物として許容される界面活性剤等が挙げられる。

【0090】
上記添加物は、本発明の医薬組成物の剤型に応じて上記の中から単独で又は適宜組み合わせて選ばれる。剤形としては、経口投与の場合は、錠剤、カプセル剤、細粒剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、シロップ剤等として、または適当な剤型により投与が可能である。非経口投与の場合は、注射剤型等が挙げられる。注射剤型の場合は、例えば点滴等の静脈内注射等により全身又は局部的に投与することができる。

【0091】
例えば、注射用製剤として使用する場合、本発明の医薬組成物を溶剤(例えば生理食塩水、緩衝液、ブドウ糖溶液等)に溶解し、これに適当な添加剤(ヒト血清アルブミン等)を加えたものを使用することができる。あるいは、使用前に溶解する剤形とするために凍結乾燥したものであってもよい。凍結乾燥用賦形剤としては、例えば、マンニトール、ブドウ糖等の糖アルコールや糖類を使用することができる。

【0092】
本発明の医薬組成物または本発明のペプチドの投与量は、年齢、性別、症状、投与経路、投与回数、剤型によって異なる。投与方法は、患者の年齢、症状により適宜選択する。投与量は、例えば成人(60kg)の場合、1日当たり0.01~1000mg、あるいは0.05~500mgである。投与方法は、患者の年齢、症状により適宜選択する。投与は、例えば1日当たり、1回または2~4回に分けてもよい。

【0093】
また、本発明は、前記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩(本発明のペプチド)を患者に投与することを含む、真菌症の治療方法を提供する。さらに、本発明は、本発明の真菌症治療用医薬組成物を製造するための、前記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩(本発明のペプチド)の使用を提供する。真菌症の治療方法における、本発明のペプチドの投与方法などは、上記医薬組成物で説明したのと同様である。また、本発明のペプチドの使用における、医薬組成物の製造方法なども、上記医薬組成物で説明したのと同様である。

【0094】
さらに、本発明は、前記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩(本発明のペプチド)を用いる、医薬組成物での真菌増殖阻害方法を提供する。ここで、「本発明のペプチドを用いる」とは、医薬組成物に本発明のペプチドを添加すること意味し、例えば、医薬組成物に本発明のペプチドを混合すること、または医薬組成物の表面に本発明のペプチドを適用すること、などが含まれる。本発明のペプチドの添加量は、本発明の医薬組成物の全重量に対して、例えば、約0.01重量%~99重量%である。

【0095】
ここで、本明細書中で用いた略号は次の通りある。
AcOH: Acetic acid、
Boc: t-Butyloxycarbonyl、
Bzl: Benzyl、
BzlCl2 2,6-Dichlorobenzyl、
DCC: N,N'-Dicyclohexylcarbodiimide、
DCHA: Dicyclohexylamine、
DCM: Dichloromethane、
DCUrea: N,N'-Dicyclohexylurea、
DMSO: Dimethylsulfoxide、
DMF: N,N-Dimethylformamide、
DOX: 1,4-Dioxane、
IBCF: Isobutyl chloroforomate、
OMe: Methyl ester、
MeOH: Methanol、
NMM: N-Methylmorpholine、
OSu: N-Hydroxysuccinimide ester、
OPac : Phenacyl ester、
Pd(C): Palladium-Activated carbon、
TFA: Trifluoroacetic acid、
Tfa: Trifluoroacetyl。

【0096】
F, Phe: Phenylalanine、
G, Gly: Glycine、
Y, Tyr: Tyrosine、
Q, Gln: Glutamine、
S, Ser: Serine。
【実施例】
【0097】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
1.ペプチドの合成および分析
(1)合成
(a)ペプチド1~4
下記スキームに従って、ペプチド1(Boc-FGY(BzlCl2)-OPac )を合成した。
【実施例】
【0098】
【化32】
JP0005594755B2_000033t.gif
【実施例】
【0099】
Boc-F-OH、Boc-G-OH、およびBoc-Y(BzlCl2)-OHの調製は、次のような一般的なものによった。アミノ酸(10mmol)を水と1,4-dioxaneの混合溶媒(1:2,30ml)に溶かし、氷冷下で1M NaOH水溶液(10ml)と二炭酸ジ-t-ブチル(2.4g,11mmol)を加えた。氷冷下で30分、室温で数時間攪拌した後に、反応液を10%クエン酸水溶液で酸性とし、酢酸エチルで生成物を抽出した。有機層を、水洗いし、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。
【実施例】
【0100】
H-Y(BzlCl2)-OPac・HClは次のように調製した。1)Boc-Y(BzlCl2)-OPac :上記の方法で得られたBoc-Y(BzlCl2)-OH(1.32g、3mmol)をメタノール(6ml)に溶かし、水(2.0ml)と炭酸セシウム(493mg)を加えた。溶媒を減圧濃縮した後、残渣を真空ポンプでさらに乾燥した。残渣をDMF(9ml)に溶かし、臭化フェナシル(601mg)を加えた。室温で15分間攪拌したのち、沈殿した臭化セシウムを濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(18ml)に溶かし、水と4%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った後に、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。2)H-Y(BzlCl2)-OPac・HCl:得られたBoc-Y(BzlCl2)-OPac (2.79g)を4N-HCl/DOX(20ml)に溶かし、室温で数時間放置した。反応液に窒素ガスを吹き込み塩化水素ガスを十分に飛ばした後、減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。
【実施例】
【0101】
Boc-G-OSuを次のようにして調製した。Boc-G-OH(879mg,5mmol)とHOSu(588mg)を塩化メチレン(20ml)に溶かし、氷冷下DCC(1.04g)を加えた。氷冷下一晩攪拌し、生じたDCUreaを濾去した。濾液を減圧濃縮した後、残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。
【実施例】
【0102】
Boc-G-OSuとH-Y(BzlCl2)-OPac・HClから、次のようにしてBoc-GY(BzlCl2)-OPac を調製した。H-Y(BzlCl2)-OPac・HCl(2.48g、5mmol)をDCMに溶かし、NMMで中和した。反応液にBoc-G-OSu(1.36g)を加え、室温で1日攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣を酢酸エチル(18ml)に溶かした。有機層を、水、4%炭酸水素ナトリウム水溶液と10%クエン酸水溶液で洗った後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。
【実施例】
【0103】
Boc-F-OHとH-GY(BzlCl2)-OPac から、次のようにしてペプチド1(Boc-FGY(BzlCl2)-OPac )を調製した。上記の方法でBoc-GY(BzlCl2)-OPac からBoc基を除去し、H-GY(BzlCl2)-OPac・HClを得た。また、Boc-F-OSuも上記の方法で、Boc-F-OHから合成した。Boc-F-OSuとH-GY(BzlCl2)-OPac・HClとからペプチド1を、Boc-GY(BzlCl2)-OPac の場合と同様の方法で調製した。
ペプチド1の収率は83%であった。
【実施例】
【0104】
以下のZn/AcOH処理(酢酸中亜鉛末処理)によりペプチド1からPac エステルを除去し、ペプチド2(Boc-FGY(BzlCl2)-OH)を合成した。すなわち、1.53gのペプチド1を90%Zn/AcOHに溶かし、0℃で2時間、室温で1時間攪拌後、Znを濾去し、濾液を減圧濃縮した。残液を10%クエン酸水溶液で酸性とした後、酢酸エチルで目的物を抽出した。有機層を水洗いし、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。
ペプチド2の収率は93%であった。
【実施例】
【0105】
以下の4N-HCl/DOX処理によりペプチド2からBoc基を除去し、ペプチド3(H-FGY(BzlCl2)-OH・HCl)を合成した。すなわち、125mgのペプチド2を1,4-dioxaneに溶かし、4N-HCl/DOXを適当量加えた。反応終了後、反応液に窒素ガスを吹き込み塩化水素ガスを十分に飛ばした後、減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。
ペプチド3の収率は87%であった。
【実施例】
【0106】
以下のH2/Pd(C)(接触還元)処理によりペプチド3からBzlCl2基を除去し、ペプチド4(H-FGY-OH・HCl)を合成した。すなわち、175mgのペプチド3をMeOHに溶かした。Pd(C)を少量加え、水素ガスを導入しながら攪拌した。反応終了後、Pd(C)を濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。
ペプチド4の収率は55%であった。
【実施例】
【0107】
(b)ペプチド5~8
下記スキームに従って、ペプチド5(Boc-S(Bzl)QFGY(BzlCl2)-OPac )を合成した。
【実施例】
【0108】
【化33】
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【実施例】
【0109】
Boc-FGY(BzlCl2)-OPac (ペプチド1)を、上記(1)(a)と同様に調製した。
Boc-Q-OH、およびBoc-S(Bzl)-OHを、上記(1)(a)で述べた方法と同様の方法で調製した。
【実施例】
【0110】
Boc-Q-OHとH-FGY(BzlCl2)-OPac・HClから、次のようにしてBoc-QFGY(BzlCl2)-OPac を調製した。Boc-Q-OH(492mg、2mmol)をDMFに溶かし、-15℃でNMM(0.22ml)とIBCF(0.27ml)を加え、10~15分攪拌して混合酸無水物を調製した。別途調製した、H-FGY(BzlCl2)-OPac・HCl(1.40g、2mmol)のDMF溶液をNMMで中和したものを、混合酸無水物溶液に加えた。-15℃で30分、室温で2時間ほど攪拌した後に、反応液に酢酸エチルと水を加えた。有機層を、水、4%炭酸水素ナトリウム水溶液と10%クエン酸水溶液で洗った後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。
【実施例】
【0111】
Boc-S(Bzl)-OHとH-QFGY(BzlCl2)-OPac・HClから、Boc-QFGY(BzlCl2)-OPac と同様の方法でBoc-S(Bzl)QFGY(BzlCl2)-OPac (ペプチド5)を調製した。
ペプチド5の収率は、74%であった。
【実施例】
【0112】
以下のZn/AcOH処理(酢酸中亜鉛末処理)によりペプチド5からPac エステルを除去し、ペプチド6(Boc-S(Bzl)QFGY(BzlCl2)-OH)を合成した。すなわち、641mgのペプチド5を90%Zn/AcOHに溶かし、0℃で2時間、室温で1時間攪拌後、Znを濾去し、濾液を減圧濃縮した。残液を10%クエン酸水溶液で酸性とした後、酢酸エチルで目的物を抽出した。有機層を水洗いし、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。
ペプチド6の収率は、95%であった。
【実施例】
【0113】
以下の4N-HCl/DOX処理によりペプチド6からBoc基を除去し、ペプチド7(H-S(Bzl)QFGY(BzlCl2)-OH・HCl)を合成した。すなわち、190mgのペプチド6を1,4-dioxaneに溶かし、4N-HCL/DOXを適当量加えた。反応終了後、反応液に窒素ガスを吹き込み塩化水素ガスを十分に飛ばした後、減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。
ペプチド7の収率は、99%であった。
【実施例】
【0114】
以下のH2/Pd(C)(接触還元)処理によりペプチド7から側鎖保護基(BzlおよびBzlCl2)を除去し、ペプチド8(H-SQFGY-OH・HCl)を合成した。すなわち、116mgのペプチド7をMeOHに溶かした。Pd(C)を少量加え、水素ガスを導入しながら攪拌した。反応終了後、Pd(C)を濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。
ペプチド8の収率は、84%であった。
【実施例】
【0115】
(c)ペプチド9~12
下記スキームに従って、ペプチド9(Boc-S(Bzl)QF-OPac )を合成した。
【実施例】
【0116】
【化34】
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【実施例】
【0117】
H-F-OPac・HClを、H-Y(BzlCl2)-OPac・HClと同様の方法で調製した。
Boc-QF-OPac を、Boc-QFGY(BzlCl2)-OPac と同様に、Boc-Q-OHとH-F-OPac・HClから混合酸無水物法を用いて調製した。
Boc-S(Bzl)QF-OPac (ペプチド9)を、Boc-QF-OPac と同様に、Boc-S(Bzl)-OH(591mg)とH-QF-OPac・HClから混合酸無水物法を用いて調製した。
ペプチド9の収率は67%であった。
【実施例】
【0118】
Boc-S(Bzl)QF-OH(ペプチド10)を、Boc-FGY(BzlCl2)-OHと同様に、Boc-S(Bzl)QF-OPac (827mg)のZn/AcOH処理(酢酸中亜鉛末処理)により合成した。
ペプチド10の収率は79%であった。
【実施例】
【0119】
H-S(Bzl)QF-OH・HCl(ペプチド11)を、H-FGY(BzlCl2)-OH・HClと同様に、Boc-S(Bzl)QF-OH(124mg)の4N-HCl/DOX処理により合成した。
ペプチド11の収率は61%であった。
【実施例】
【0120】
以下の処理によりペプチド10からBoc基およびBzl基を同時に除去し、H-SQF-OH・HCl(ペプチド12)を合成した。すなわち、209mgのペプチド10をMeOHに溶かし、少量の4N-HCl/DOXとPd(C)を加え、水素ガスを導入しながら攪拌した。反応終了後、Pd(C)を濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、濾取・乾燥した。
ペプチド12の収率は84%であった。
【実施例】
【0121】
(d)ペプチド13および14
下記スキームに従って、ペプチド13(H-Phe-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMe)およびペプチド14(H-Phe-Gly-Tyr(Bzl)-OMe)を合成した。
【実施例】
【0122】
【化35】
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【実施例】
【0123】
【化36】
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【実施例】
【0124】
H-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(化合物15)またはH-Tyr(Bzl)-OMe・HCl(化合物16)の合成
Boc-Tyr(Bzl)-OMeおよびBoc-Tyr(BzlCl2)-OMeを、上記(1)(a)で述べた方法と同様の方法で調製した。
Boc-Tyr(Bzl)-OMeまたはBoc-Tyr(BzlCl2)-OMe(5mmol)をDMF(25ml)に溶かし、炭酸水素ナトリウム(10mmol)とヨードメタン(25mmol)を加えた。遮光した状態で、室温で約24時間反応させた。反応液を分液漏斗に移し、水とAcOEtを加えて洗い、AcOEt層を残した。その後、Na2S2O3水溶液、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで一晩脱水した。硫酸ナトリウムを濾去し、AcOEtを減圧濃縮して、それぞれのBocアミノ酸メチルエステルを得た。それぞれのBocアミノ酸メチルエステルを4N HCl/DOXに溶かし、室温で約4時間反応させた。反応終了後、Nガスで過剰のHClガスをとばした後に減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、ろ取した。
【実施例】
【0125】
Boc-Phe-Gly-OMe(ペプチド17)の合成(混合酸無水物法(MA法))
Boc-Phe-OHを、上記(1)(a)で述べた方法と同様の方法で調製した。
Boc-Phe-OHをDMFに溶かし、攪拌しながら-15℃に冷却し、NMM及びIBCFを加えた。10分攪拌したのち、H-Gly-OMe・HClとNMMをDMFに溶かした混合溶液を加え、-15℃で30分攪拌した。その後、室温で60分攪拌し、反応の終了をTLCで確認した。反応液にAcOEtと多量の水を加え、AcOEt層を集めた。このAcOEt層を10%クエン酸水溶液酸と4%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去した後、残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、ろ取した。
【実施例】
【0126】
Boc-Phe-Gly-OH(ペプチド18)の合成(メチルエステルの除去)
Boc-Phe-Gly-OMe(ペプチド17)をMeOHに溶かし、1N NaOH水溶液を加えた。室温で約3時間反応させ、減圧濃縮後、水を加え、分液漏斗に移し、ジエチルエーテルを加えて未反応物を除去した。水層にクエン酸を加えて目的物を沈澱させ、AcOEtで抽出し、硫酸ナトリウムで一晩脱水した。硫酸ナトリウムを濾去し、AcOEtを減圧濃縮した後、残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、ろ取した。
【実施例】
【0127】
H-Phe-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド13)またはH-Phe-Gly-Tyr(Bzl)-OMe・HCl(ペプチド14)の合成
H-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(化合物15)またはH-Tyr(Bzl)-OMe・HCl(化合物16)(2mmol)をDMF(10ml)に溶かし、氷冷下でNMM(224μl)を加えた。その後、Boc-Phe-Gly-OH(ペプチド18)(2mmol)、HOBt・H2O(3mmol)を加え、最後にWSCI・HCl(2.4mmol)を加えた。氷冷下で約24時間反応させ、分液漏斗に移し、水とAcOEtを加えて洗い、AcOEt層を残した。次に、4%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、10%クエン酸水溶液、水の順に、各2回ずつ洗い、硫酸ナトリウムで一晩脱水した。硫酸ナトリウムを濾去し、AcOEtを減圧濃縮した。得られて残渣を4N HCl/DOXに溶かし、室温で約4時間反応させた。反応終了後、Nガスで過剰のHClガスをとばした後に減圧濃縮した。残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、ろ取した。ペプチド13の収率は100%、ペプチド14の収率は81%であった。
【実施例】
【0128】
(e)ペプチド19(H-Phe-Gly-Trp-OMe・HCl)
ペプチド19(H-Phe-Gly-Trp-OMe・HCl)をペプチド13と同様に合成した。具体的には、Boc-Phe-Gly-OH(ペプチド18)と化合物15と同様に合成したH-Trp-OMe・HCl(化合物20)とを、WSC・HClとHOBtを用いて結合した。収率は35%であった。
【実施例】
【0129】
(f)ペプチド21(H-Tyr(BzlCl2)-Gly-Phe-OMe・HCl)
H-Tyr(BzlCl2)-Gly-Phe-OMe・HCl(ペプチド21)は、H-Phe-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド13)と同様の方法で合成した。収率は89%であった。
【実施例】
【0130】
(g)ペプチド22(H-Tyr(Bzl)-Gly-Phe-OMe・HCl)
H-Tyr(Bzl)-Gly-Phe-OMe・HCl(ペプチド22)は、H-Phe-Gly-Tyr(Bzl)-OMe・HCl(ペプチド14)と同様の方法で合成した。収率は96%であった。
【実施例】
【0131】
(h)ペプチド23(H-Phe-Ala-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl)
Boc-Ala-OHは、Boc-Phe-OHと同様の方法で、合成した。
H- Phe-Ala-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド23)は、次の方法によって合成した。
H-Y(BzlCl2)-OMe・HCl(化合物15)をDMFに溶かし、氷冷下NMMで中和した。次に、Boc-Ala-OHとWSC・HCl(それぞれ1当量)を加え、氷冷下一晩攪拌した。反応液にAcOEtと多量の水を加え、AcOEt層を集めた。このAcOEt層を10%クエン酸水溶液酸と4%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去した後、残渣を4N HCl/DOXに溶かし、室温で約4時間反応させた。反応終了後、Nガスで過剰のHClガスをとばした後に減圧濃縮し、 H- Ala-Tyr(BzlCl2)-OMe・HClを得た。
H- Ala-Tyr(BzlCl2)-OMe・HClをDMFに溶かし、氷冷下NMMで中和した。次に、Boc-Phe-OHとWSC・HCl(それぞれ1当量)を加え、氷冷下一晩攪拌した。反応液にAcOEtと多量の水を加え、AcOEt層を集めた。このAcOEt層を10%クエン酸水溶液酸と4%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。硫酸ナトリウムを濾去した後、残渣をエーテル-石油エーテルで固化し、ろ取した。ペプチド23の収率は17%であった。
【実施例】
【0132】
(i)ペプチド24(H-Phe-Ala-Tyr(Bzl)-OMe・HCl)
H- Phe-Ala-Tyr(Bzl)-OMe・HCl(ペプチド24)は、H- Phe-Ala-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド23)と同様の方法によって合成した。収率は19%であった。
【実施例】
【0133】
(j)ペプチド25(H-Phe-βAla-Tyr(Bzl)-OMe・HCl)
Boc-βAla-OHは、Boc-Phe-OHと同様の方法で、合成した。
H- Phe-βAla-Tyr(Bzl)-OMe・HCl(ペプチド25)は、H- Phe-Ala-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド23)と同様の方法によって合成した。収率は6%であった。
【実施例】
【0134】
(k)ペプチド26(H-Phe-βAla-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl)
H- Phe-βAla-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド26)は、H- Phe-Ala-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド23)と同様の方法によって合成した。収率は23%であった。
【実施例】
【0135】
(l)ペプチド27(H-Phe-βAla-Tyr(BzlCl2)-OH・HCl)
H- Phe-βAla-Tyr(BzlCl2)-OH・HCl(ペプチド27)は、NaOH水溶液によるメチルエステルの除去と HClによるBoc基の除去によって得た。具体的には、Boc-Phe-βAla-Tyr(BzlCl2)-OMeのメチルエステルをBoc-Phe-Gly-OH(ペプチド18)と同様の方法で除去し、Boc-Phe-βAla-Tyr(BzlCl2)-OHを得た。つぎに、H-Phe-Ala-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド23)と同様の方法によってBoc基を除去し、ペプチド27(H- Phe-βAla-Tyr(BzlCl2)-OH・HCl)を得た。収率は22%であった。
【実施例】
【0136】
(m)ペプチド28(H-Phe-Leu-Tyr(BzlCl2)-OH・HCl)
Boc-Leu-OH・DCHAは、Boc-Phe-OHと同様の方法で、合成した。得られたBoc-Leu-OHは油状のため、DCHA塩として固化し、保存した。
H- Phe-Leu-Tyr(BzlCl2)-OH・HCl(ペプチド28)は、H- Phe-βAla-Tyr(BzlCl2)-OH・HCl(ペプチド27)と同様の方法で合成した。収率は15%であった。
【実施例】
【0137】
(n)ペプチド29(H-Phe-Asp(OBzl)-Tyr(Bzl)-OMe・HCl)
Boc-Asp(OBzl)-OHは、H-Asp(OBzl)-OH を原料にして、Boc-Phe-OHと同様の方法で合成した。
H- Phe-Asp(OBzl)-Tyr(Bzl)-OMe・HCl(ペプチド29)は、H- Phe-Ala-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド23)と同様の方法によって合成した。収率は14%であった。
【実施例】
【0138】
(o)ペプチド30(H-Phe-Lys(Tfa)-Tyr(Bzl)-OMe・HCl)
Boc-Lys(Tfa)-OHは、H-Lys(Tfa)-OH を原料にして、Boc-Phe-OHと同様の方法で合成した。
H- Phe-Lys(Tfa)-Tyr(Bzl)-OMe・HCl(ペプチド30)は、H- Phe-Ala-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド23)と同様の方法によって合成した。収率は38%であった。
【実施例】
【0139】
(p)ペプチド31(H-Phe-Lys(Tfa)- Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl)
Boc-Lys(Tfa)-OHは、H-Lys(Tfa)-OH を原料にして、Boc-Phe-OHと同様の方法で合成した。
H- Phe-Lys(Tfa)-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド31)は、H- Phe-Ala-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド23)と同様の方法によって合成した。収率は38%であった。
【実施例】
【0140】
(q)ペプチド32(H-Phe-Lys-Tyr(BzlCl2)-OH・2HCl)
H- Phe-Lys-Tyr(BzlCl2)-OH ・2HCl(ペプチド32)は、H- Phe-βAla-Tyr(BzlCl2)-OH・HCl(ペプチド27)と同様の方法で合成した。NaOH 水溶液処理によりTfa 基とメチルエステルを除去した。次に、塩酸処理でBoc 基を除去した。収率は58%であった。
【実施例】
【0141】
(r)ペプチド33(H-Trp-Gly-Tyr(Bzl)-OMe・HCl) または -OH・HCl
Boc-Trp-OHは、Boc-Phe-OHと同様の方法で合成した。
H-Trp-Gly-Tyr(Bzl)-OMe・HCl (ペプチド33)は、ペプチド9(Boc-Ser(Bzl)-Gln0Phe-OPac) と同様の方法で合成したBoc -Trp-Gly-Tyr(Bzl)-OMeから塩酸処理によりBoc 基を除去して得た。収率は55%であった。。
【実施例】
【0142】
(s)ペプチド34(H-Trp-Gly-Tyr(Bzl)-OH・HCl)
H-Trp-Gly-Tyr(Bzl)-OH・HCl(ペプチド34)は、Boc -Trp-Gly-Tyr(Bzl)-OMe からのNaOH 水溶液によるメチルエステル除去と塩酸処理によるBoc 基除去で得た。収率は78%であった。
【実施例】
【0143】
(t)ペプチド35(H-His(Tos)-Gly-Tyr(Bzl)-OMe・HCl)
Boc-His(Tos)-OHは、H-His(Tos)-OH を原料にして、Boc-Phe-OHと同様の方法で合成した。
H-His(Tos)-Gly-Tyr(Bzl)-OMe・HCl (ペプチド35)は、ペプチド9(Boc-Ser(Bzl)-Gln0Phe-OPac)と同様の方法で合成したBoc -His(Tos)-Gly-Tyr(Bzl)-OMeを塩酸処理によりBoc 基を除去して得た。収率は74%であった。
【実施例】
【0144】
(u)ペプチド36(H-His-Gly-Tyr(Bzl)-OH・HCl)
H-His-Gly-Tyr(Bzl)-OH・HCl(ペプチド36)は、Boc -His(Tos)-Gly-Tyr(Bzl)-OMe からのNaOH 水溶液によるメチルエステルとTos基の除去、続く塩酸処理によるBoc 基除去で得た。収率は59%であった。
【実施例】
【0145】
(v)ペプチド37(H-Trp-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl)
H-Trp-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl (ペプチド37)は、ペプチド9(Boc-Ser(Bzl)-Gln0Phe-OPac)と同様の方法で合成したBoc -Trp-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMeから塩酸処理によりBoc 基を除去して得た。収率は72%であった。
【実施例】
【0146】
(w)ペプチド38(H-Trp-Gly-Tyr(BzlCl2) -OH・HCl
H-Trp-Gly-Tyr(BzlCl2)-OH・HCl(ペプチド38)は、Boc -Trp-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMe からのNaOH 水溶液によるメチルエステル除去と塩酸処理によるBoc 基除去で得た。収率は99%であった。
【実施例】
【0147】
(x)ペプチド39(H-His(Tos)-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl)
H-His-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMe・HCl(ペプチド39)は、Boc -His(Tos)-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMe からのNaOH 水溶液によるメチルエステルとTos基の除去、続く塩酸処理によるBoc 基除去で得た。収率は77%であった。
【実施例】
【0148】
(y)ペプチド40(H-His-Gly-Tyr(BzlCl2)- OH・HCl)
H-His-Gly-Tyr(BzlCl2)-OH・HCl(ペプチド40)は、Boc -His(Tos)-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMe からのNaOH 水溶液によるメチルエステルとTos基の除去、続く塩酸処理によるBoc 基除去で得た。収率は82%であった。
【実施例】
【0149】
(z)ペプチド41(H-Phe-Gly-Phe-OMe・HCl)
ペプチド41(H-Phe-Gly-Phe-OMe・HCl)は、ペプチド13(H-Phe-Gly-Tyr(BzlCl2)-OMe)と同様の方法で合成した。収率は79%であった。
【実施例】
【0150】
(2)高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
以下の条件で、ペプチド1~12のHPLC測定を行った。
カラムはDAISO製SP-120-5-ODS-BPカラム(150×4.6φmm)を用いた。溶出は水-アセトニトリル-0.05%TFA系で、アセトニトリル含量を10~90%に直線的に30~40分で変化させた。流速を2.0ml/minとし、検出は215nmにおける吸光度を測定することにより行った。
【実施例】
【0151】
ペプチド1~4の溶出時間を下記表1に示す。また、HPLCチャートを図5に示す。
【実施例】
【0152】
【表1】
JP0005594755B2_000038t.gif
【実施例】
【0153】
ペプチド5~8の溶出時間を下記表2に示す。また、HPLCチャートを図6に示す。
【実施例】
【0154】
【表2】
JP0005594755B2_000039t.gif
【実施例】
【0155】
さらに、ペプチド9~12の溶出時間を下記表3に示す。また、HPLCチャートを図7に示す。
【実施例】
【0156】
【表3】
JP0005594755B2_000040t.gif
【実施例】
【0157】
2.抗真菌活性の測定
(1)ペプチド1~4の抗真菌活性の測定
ポテトデキロース寒天(PDA)培地(栄研器材(株)製)39gを水1リットルに加熱溶解し、60℃に冷却後、培地10mlあたりリンゴ腐爛病菌ValsAceratosperma Maireの胞子5×106個を懸濁した。10mlの胞子懸濁液をシャーレにまき、室温にて凝固させた。ペプチド1~4の濃度がそれぞれ25mg/mlとなるようにDimethyl sulfoxide (DMSO)で調製してから、調製した各サンプル50μlを凝固した培地においたペーパーディスク(PAPERDISK Thick. 直径8mm,ADVANTEC TOYO社製)にスポットした。その後、25℃で4日間培養してから、シャーレを観察した。
測定結果を下記表4に示す。
【実施例】
【0158】
【表4】
JP0005594755B2_000041t.gif
【実施例】
【0159】
また、抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真を図1に示す。
ペプチド1~4では阻止円が形成されたことから、ペプチド1~4に抗真菌活性があることがわかる。ペプチド3のUnitsが最も大きいことから、ペプチド3は、ペプチド1,2,4と比べて強い抗真菌活性を示すことが分かる。また、ペプチド3については、日数が過ぎても、ほぼ同程度の大きさの阻止円を維持した。
【実施例】
【0160】
(2)ペプチド3の濃度依存的抗真菌活性の測定
ペプチド3の濃度が、25mg/ml、20mg/ml、15mg/ml、10mg/ml、5mg/ml、および1mg/ml(それぞれ、番号(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、および(6))となるようにDimethyl sulfoxide (DMSO)に溶解してから、各サンプル50μlを凝固した培地においたフィルターにスポットしたことを除いて、上記(1)と同様の方法で、ペプチド3の抗真菌活性を測定した。
測定結果を下記表5に示す。
【実施例】
【0161】
【表5】
JP0005594755B2_000042t.gif
【実施例】
【0162】
また、抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真を図2に示す。
測定の結果、ペプチド3の濃度が高くなるにつれてUnitsが大きくなることから、ペプチド3は、濃度依存的に抗真菌活性が強くなっていくことが分かる。
【実施例】
【0163】
(3)ペプチド5~8の抗真菌活性の測定
ペプチド1~4の代わりにペプチド5~8を用いたことを除いて、上記(1)と同様の方法で、ペプチド5~8の抗真菌活性を測定した。
測定結果を下記表6に示す。
【実施例】
【0164】
【表6】
JP0005594755B2_000043t.gif
【実施例】
【0165】
また、抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真を図3に示す。
ペプチド8では阻止円が形成されたことから、ペプチド8に抗真菌活性があることがわかる。
【実施例】
【0166】
(4)ペプチド9~12の抗真菌活性の測定
ペプチド1~4の代わりにペプチド9~12を用いたことを除いて、上記(1)と同様の方法で、ペプチド9~12の抗真菌活性を測定した。
測定結果を下記表7に示す。
【実施例】
【0167】
【表7】
JP0005594755B2_000044t.gif
【実施例】
【0168】
また、抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真を図4に示す。
ペプチド11では阻止円が形成されたことから、ペプチド11に抗真菌活性があることがわかる。また、ペプチド9では、真菌の発育遅延が見られたころから、ペプチド9に弱い抗真菌活性があることがわかる。

【実施例】
【0169】
(5)ペプチド13の抗真菌活性の測定
溶液法により、ペプチド13の抗真菌活を測定した。具体的には、ブドウ糖8.0 gとペプトン2.0 gを水80 mLに溶解し、pH 5.6±0.2に調整した。全量を100 mLとした後に、オートクレーブ処理したものを、原液培地とした。測定用培地は、原液培地5 mL 、滅菌水3.5 mL、リンゴ腐爛病菌Valsaceratosperma Maireの菌液500 μL を混合したものを用いた。プレートの各穴に、測定用培地90 μLと濃度が5 mg/mL、1 mg/mL、500 μg/mLになるようにペプチド3と13のDMSO溶液を、また参照として硝酸ミコナゾールのDMSO溶液を、入れた。その後、25 ℃で4日間培養してから、プレートを観察した。

その結果を図8に示す。図8に示されているように、ペプチド13は、硝酸ミコナゾールの約10倍の濃度(500μg/l)でリンゴ腐乱病菌に対して抗真菌作用を示した。
尚、図8に示されているように、ペプチド3(H-Phe-Gly-Tyr(BzlCl2)-OH)は、今回の溶液法では効果を示さなかった。
【実施例】
【0170】
(4)ペプチド14, 19, 21~40の抗真菌活性の測定
ペプチド1~4の代わりにペプチド14, 19, 21~41を用いたことを除いて、上記(1)と同様の方法で、ペプチド14, 19, 21~41の抗真菌活性を測定した。
測定結果を下記表8~20に示す。尚、表8~20中の各ペプチドは、図12~24中の各ペプチドに対応する。
【実施例】
【0171】
【表8】
JP0005594755B2_000045t.gif
【実施例】
【0172】
【表9】
JP0005594755B2_000046t.gif
【実施例】
【0173】
【表10】
JP0005594755B2_000047t.gif
【実施例】
【0174】
【表11】
JP0005594755B2_000048t.gif
【実施例】
【0175】
【表12】
JP0005594755B2_000049t.gif
【実施例】
【0176】
【表13】
JP0005594755B2_000050t.gif
【実施例】
【0177】
【表14】
JP0005594755B2_000051t.gif
【実施例】
【0178】
【表15】
JP0005594755B2_000052t.gif
【実施例】
【0179】
【表16】
JP0005594755B2_000053t.gif
【実施例】
【0180】
【表17】
JP0005594755B2_000054t.gif
【実施例】
【0181】
【表18】
JP0005594755B2_000055t.gif
【実施例】
【0182】
【表19】
JP0005594755B2_000056t.gif
【実施例】
【0183】
【表20】
JP0005594755B2_000057t.gif
【実施例】
【0184】
また、抗真菌活性測定時のシャーレの様子を示す写真を図9~25に示す。
ペプチド14, 19, 21~30, 33~41では阻止円が形成されたことから、ペプチド14, 19, 21~30, 33~41に抗真菌活性があることがわかる。阻止円の大きさから、ペプチド14, 21~27, 29, 30, 33~35, 37~40に強い抗真菌活性があることがわかる。また、ペプチド31および32では、真菌の発育遅延が見られたころから、ペプチド31および32に弱い抗真菌活性があることがわかる。
【実施例】
【0185】
以上のように、本発明のいくつかの態様のペプチド(ペプチド1~4、8、9、11、13、14、19、21~41)は抗真菌活性を有することが分かる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21
【図23】
22
【図24】
23
【図25】
24