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明細書 :樹木本数算定方法及び樹木本数算定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4858793号 (P4858793)
公開番号 特開2011-103098 (P2011-103098A)
登録日 平成23年11月11日(2011.11.11)
発行日 平成24年1月18日(2012.1.18)
公開日 平成23年5月26日(2011.5.26)
発明の名称または考案の名称 樹木本数算定方法及び樹木本数算定装置
国際特許分類 G06T   7/60        (2006.01)
G06Q  50/02        (2012.01)
G06Q  10/00        (2012.01)
G06T   1/00        (2006.01)
A01G   7/00        (2006.01)
FI G06T 7/60 110
G06F 17/60 102
G06F 17/60 150
G06T 1/00 285
A01G 7/00 603
請求項の数または発明の数 16
全頁数 20
出願番号 特願2009-258507 (P2009-258507)
出願日 平成21年11月12日(2009.11.12)
審査請求日 平成23年5月17日(2011.5.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
発明者または考案者 【氏名】加藤 正人
審査官 【審査官】松永 稔
参考文献・文献 特開2010-86276(JP,A)
特開2001-357380(JP,A)
特開2006-285310(JP,A)
特開2003-344048(JP,A)
特開2009-22278(JP,A)
特開2008-111725(JP,A)
特開2008-111724(JP,A)
小阪 尚子 NAOKO KOSAKA,商用高分解能衛星画像による森林域の状況把握,NTT技術ジャーナル 第17巻 第3号,社団法人電気通信協会,2005年 3月 1日,第17巻 第3号,93~96ページ
調査した分野 G06T 7/60
A01G 7/00
G06Q 50/00
G06T 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
調査対象となる森林を含む地域を上空から撮影して得られた撮影画像データと前記森林の地理的情報とに基づいて抽出された森林域に関する森林域画像データを用いて、前記森林域に含まれる樹木の本数を樹種別に算定する樹木本数算定方法であって、
前記森林域画像データに基づいて各樹頂点を抽出し、前記各樹頂点に関する樹頂点画像データを作成する樹頂点画像データ作成ステップと、
前記森林域画像データに基づいて各樹冠を抽出し、前記各樹冠に関する樹冠画像データを作成する樹冠画像データ作成ステップと、
前記樹冠画像データに基づいて前記各樹冠の日向部を含む情報を樹冠情報として抽出し、前記樹冠情報に関する樹冠情報画像データを作成する樹冠情報画像データ作成ステップと、
前記樹冠情報画像データに基づいて前記各樹冠の日向部とされた領域における分光反射特性を作成し、前記分光反射特性に基づいて当該樹冠の樹種を特定して樹種分類画像データを作成する樹種分類画像データ作成ステップと、
前記樹種分類画像データと前記樹頂点画像データとに基づいて、樹頂点毎に、対応する樹種を特定して樹頂点別樹種分類画像データを作成する樹頂点別樹種分類画像データ作成ステップと、
前記樹頂点別樹種分類画像データに基づいて、前記森林域の全領域又は任意の領域において、当該領域に含まれる樹木の本数を樹種別に算定する樹木本数算定ステップと、を有すること特徴とする樹木本数算定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の樹木本数算定方法において、
前記調査対象となる森林を、樹冠の面積に基づいて定義される複数のグループにグループ分けする森林グループ分けステップを実施した後、
前記グループ毎に、前記樹頂点画像データ作成ステップと、前記樹冠画像データ作成ステップと、前記樹冠情報画像データ作成ステップと、前記樹種分類画像データ作成ステップと、前記樹頂点別樹種分類画像データ作成ステップと、前記樹木本数算定ステップとを実施すること特徴とする樹木本数算定方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の樹木本数算定方法において、
前記森林グループ分けステップは、樹冠の面積に基づいて作成した複数の均質性フィルターを用いて実施することを特徴とする樹木本数算定方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の樹木本数算定方法において、
前記樹頂点画像データ作成ステップにおいては、輝度値が極大値を持つ点を自動抽出する局所最大値フィルターを用いて樹頂点を抽出することを特徴とする樹木本数算定方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の樹木本数算定方法において、
前記樹冠情報画像データ作成ステップにおいては、前記樹冠情報画像データにおける輝度値が当該樹冠において所定値以上である箇所を前記各樹冠の日向部として抽出することを特徴とする樹木本数算定方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の樹木本数算定方法において、
前記樹種分類画像データ作成ステップにおいては、前記各樹冠から複数の樹種が抽出された場合、前記各樹冠から抽出された複数の樹種のそれぞれの占有面積を各樹種毎に算出し、占有面積の多い樹種を当該樹冠の樹種とみなすことを特徴とする樹木本数算定方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の樹木本数算定方法において、
前記樹頂点別樹種分類画像データ作成ステップにおいては、地理的情報に基づいて前記各樹頂点画像を前記樹冠の樹種分類画像に重ねることによって、樹頂点毎に、対応する樹種を特定することを特徴とする樹木本数算定方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の樹木本数算定方法において、
樹木本数算定ステップにおいては、前記樹頂点別樹種分類画像データに基づいて、樹種毎に、樹木の本数を算定することを特徴とする樹木本数算定方法。
【請求項9】
調査対象となる森林を含む地域を上空から撮影して得られた撮影画像データと前記森林の地理的情報とに基づいて抽出された森林域に関する森林域画像データを用いて、前記森林域に含まれる樹木の本数を樹種別に算定する樹木本数算定装置であって、
前記森林域画像データに基づいて前各樹頂点を抽出し、前記各樹頂点に関する樹頂点画像データを作成する樹頂点画像データ作成部と、
前記森林域画像データに基づいて各樹冠を抽出し、前記各樹冠に関する樹冠画像データを作成する樹冠画像データ作成部と、
前記樹冠画像データに基づいて前記各樹冠の日向部を含む情報を樹冠情報として抽出し、前記樹冠情報に関する樹冠情報画像データを作成する樹冠情報画像データ作成部43と、
前記樹冠情報画像データに基づいて前記各樹冠の日向部とされた領域における分光反射特性を作成し、前記分光反射特性に基づいて当該樹冠の樹種を特定して樹種分類画像データを作成する樹種分類画像データ作成部と、
前記樹種分類画像データと前記樹頂点画像データとに基づいて、樹頂点毎に、対応する樹種を特定して樹頂点別樹種分類画像データを作成する樹頂点別樹種分類画データ像作成部と、
前記樹頂点別樹種分類画像データに基づいて、前記森林域の全領域又は任意の領域において、当該領域に含まれる樹木の本数を樹種別に算定する樹木本数算定部と、を有すること特徴とする樹木本数算定装置。
【請求項10】
請求項9に記載の樹木本数算定装置において、
前記調査対象となる森林を、樹冠の面積に基づいて定義される複数のグループにグループ分けする森林グループ分け部をさらに有し、
前記樹頂点画像データ作成部と、前記樹冠画像データ作成部と、前記樹冠情報画像データ作成部と、前記樹種分類画像データ作成部と、前記樹頂点別樹種分類画像データ作成部と、前記樹木本数算定部とは、森林グループ分け部でグループ分けされたグループ毎に、当該領域に含まれる樹木の本数を樹種別に算定すること特徴とする樹木本数算定装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の樹木本数算定装置において、
前記森林グループ分け部は、樹冠の面積に基づいて作成した複数の均質性フィルターを用いて前記調査対象となる森林を前記複数のグループにグループ分けする実施することを特徴とする樹木本数算定装置。
【請求項12】
請求項9~11のいずれかに記載の樹木本数算定装置において、
前記樹頂点画像データ作成部は、輝度値が極大値を持つ点を自動抽出する局所最大値フィルターを用いて樹頂点を抽出することを特徴とする樹木本数算定装置。
【請求項13】
請求項9~12のいずれかに記載の樹木本数算定装置において、
前記樹冠情報画像データ作成部は、前記樹冠情報画像データにおける輝度値が当該樹冠において所定値以上である箇所を前記各樹冠の日向部として抽出することを特徴とする樹木本数算定装置。
【請求項14】
請求項9~13のいずれかに記載の樹木本数算定装置において、
前記樹種分類画像データ作成部は、前記各樹冠から複数の樹種が抽出された場合、前記各樹冠から抽出された複数の樹種のそれぞれの占有面積を各樹種毎に算出し、占有面積の多い樹種を当該樹冠の樹種とみなすことを特徴とする樹木本数算定装置。
【請求項15】
請求項9~14のいずれかに記載の樹木本数算定装置において、
前記樹頂点別樹種分類画像データ作成部は、地理的情報に基づいて前記各樹頂点画像を前記樹冠の樹種分類画像に重ねることによって、樹頂点毎に、対応する樹種を特定することを特徴とする樹木本数算定装置。
【請求項16】
請求項9~15のいずれかに記載の樹木本数算定装置において、
樹木本数算定部は、前記樹頂点別樹種分類画像データに基づいて、樹種毎に、樹木の本数を算定することを特徴とする樹木本数算定装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木本数算定方法及び樹木本数算定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
森林の現況を正確に捉えるため、樹木本数算定は森林管理において極めて重要な課題である。従来方法は地上調査で、調査員が森林の様子を見て標準的な森林と思われる箇所に、小面積の調査地を設定して、その中の樹木の本数を数え、その結果に管理面積を乗ずることで、全体の樹木本数を推定することによる算定方法が広く行われている。
【0003】
このような樹木算定方法は、森林が一様でないため、小面積の測定結果に管理面積を乗ずる方法では精度の点で問題がある。また、樹木本数算定の精度を上げるために、現地調査箇所の数を増やそうとすると、多大な労力と費用を要する。
【0004】
森林現況情報を取得して、樹木本数を算定する技術は従来から提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
特許文献1に記載の樹木本数算定方法は、森林地域を上空から取得した森林画像情報と、上空から距離計測手段により計測した樹高情報から森林地域の樹木材積を自動計測する森林情報処理システムである。樹木本数算定は、森林画像情報と樹高情報を重ね合わせ、森林画像情報から求めた樹冠形状の重心点を求めて、当該重心点を計数することで算定する方法である。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2003-344048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1は2つの異なる画像データを使用すること、樹高情報は航空機から撮影した計測した距離計測手段を用いるため、狭い範囲で安価な撮影費用で算定することはできない。また、この従来技術による樹木本数算定は、樹冠の重心点を計数する方法であり、樹冠数を計数することができるが、樹冠数が樹木本数と対応していないため正確ではない。画像に撮影された樹冠は普通林や混んだ森林では、いくつもの樹木が重なり、ひとつの樹冠となるため、樹冠数は樹木本数より少なくなり、正確な樹木本数を算定できないという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、広域の森林を対象に安価な費用で、全域又は任意の範囲において樹種別の樹木本数算定方法及び樹木本数算定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の樹木本数算定方法は、調査対象となる森林を含む地域を上空から撮影して得られた撮影画像データと前記森林の地理的情報とに基づいて抽出された森林域に関する森林域画像データを用いて、樹木の本数を樹種別に算定する樹木本数算定方法であって、前記森林域画像データに基づいて各樹頂点を抽出し、前記各樹頂点に関する樹頂点画像データを作成する樹頂点画像データ作成ステップと、前記森林域画像データに基づいて各樹冠を抽出し、前記各樹冠に関する樹冠画像データを作成する樹冠画像データ作成ステップと、前記樹冠画像データに基づいて前記各樹冠の日向部を含む情報を樹冠情報として抽出し、前記樹冠情報に関する樹冠情報画像データを作成する樹冠情報画像データ作成ステップと、前記樹冠情報画像データに基づいて前記各樹冠の日向部とされた領域における分光反射特性を作成し、前記分光反射特性に基づいて当該樹冠の樹種を特定して樹種分類画像データを作成する樹種分類画像データ作成ステップと、前記樹種分類画像データと前記樹頂点画像データとに基づいて、樹頂点毎に、対応する樹種を特定して樹頂点別樹種分類画像データを作成する樹頂点別樹種分類画像データ作成ステップと、前記樹頂点別樹種分類画像データに基づいて、前記森林域の全領域又は任意の領域において、当該領域に含まれる樹木の本数を樹種別に算定する樹木本数算定ステップと、を有すること特徴とする。
【0010】
本発明の樹木本数算定方法によれば、各樹冠の日向部における分光反射特性を用いて樹木を樹種別に分類することにより、誤分類が生じにくく、樹頂点毎に樹種を特定するので高い精度で樹木本数算定ができる。
【0011】
(2)本発明の樹木本数算定方法は、前記調査対象となる森林を、樹冠の面積に基づいて定義される複数のグループにグループ分けする森林グループ分けステップを実施した後、前記グループ毎に、前記樹頂点画像データ作成ステップと、前記樹冠画像データ作成ステップと、前記樹冠情報画像データ作成ステップと、前記樹種分類画像データ作成ステップと、前記樹頂点別樹種分類画像データ作成ステップと、前記樹木本数算定ステップとを実施することが好ましい。
【0012】
これにより、前記森林グループ分けで樹冠の大きさが近似している森林をグループ分けすることができ、大きな樹冠と小さな樹冠の両方から樹冠と樹頂点が自動抽出でき、樹木算定結果も精度が高くなる。
【0013】
(3)本発明の樹木本数算定方法は、前記森林グループ分けステップは、樹冠の面積に基づいて作成した複数の均質性フィルターを用いて実施することが好ましい。
【0014】
これにより、前記森林グループ分けは、森林域に含まれる樹種や林齢、混み具合から樹冠の大きさが異なる樹木から構成されている森林に対して、樹冠の大きさが近似している森林をグループ分けすることで、普通林や混んだ森林の小さな樹冠や大きな樹冠の両方から高い精度で樹頂点が自動抽出できる前処理画像が作成できる。
【0015】
(4)本発明の樹木本数算定方法は、前記樹頂点画像データ作成ステップにおいては、輝度値が極大値を持つ点を自動抽出する局所最大値フィルターを用いて樹頂点を抽出することを特徴とする。
【0016】
前記前処理画像から各樹頂点の抽出を局所最大値フィルター処理で自動的に抽出することで、全森林域から様々な樹冠の樹頂点を精度良く抽出できる。
【0017】
(5)本発明の樹木本数算定方法は、前記樹冠情報画像データ作成ステップにおいては、前記樹冠情報画像データにおける輝度値が当該樹冠において所定値以上である箇所を前記各樹冠の日向部とすることが好ましい。
【0018】
これにより、各樹冠における日向部を適切に抽出することができる。なお、前記樹冠画像データにおける輝度値により、日向部だけでなく、日陰部をも抽出することが好ましい。これら日向部、日陰部及び樹頂部の抽出は、輝度値が当該樹冠において所定値以上(例えば、当該樹冠における輝度値の平均値以上)である箇所を日向部とし、輝度値が当該樹冠において所定値未満(例えば、当該樹冠における輝度値の平均値未満)である箇所を日陰部することができる。
【0019】
(6)本発明の樹木本数算定方法は、前記樹種分類画像データ作成ステップにおいては、前記各樹冠から複数の樹種が抽出された場合、前記各樹冠から抽出された複数の樹種のそれぞれの占有面積を各樹種毎に算出し、占有面積の多い樹種を当該樹冠の樹種とみなすことが好ましい。
【0020】
これにより、1つの樹冠を1つ樹種として分類することができる。1つの樹冠が1つ樹種として分類されることにより、森林の植生の調査・評価など容易かつ適切に行うことができる。
【0021】
(7)本発明の樹木本数算定方法は、前記樹頂点別樹種分類画像データ作成ステップにおいては、地理的情報に基づいて前記各樹頂点画像を前記樹冠の樹種分類画像に重ねることによって、樹頂点毎に、対応する樹種を特定することを特徴とする。
【0022】
各樹頂点の樹種を特定することで、前記森林域画像に樹種をカラーで色分けした樹木位置の分布画像を作成できるので、森林の様子をビジュアルに把握できる。
【0023】
(8)本発明の樹木本数算定方法は、樹木本数算定ステップにおいては、前記樹頂点別樹種分類画像データに基づいて、樹種毎に、樹木の本数を算定することを特徴とする。
【0024】
これにより、1つの樹頂点を1つの樹木として樹木本数の算定ができる。前記森林域の全領域又は任意の領域における樹種別の樹木本数、ha当たり樹木本数を把握できるので、森林管理計画を適切に行うことができる。
【0025】
(9)本発明の樹木本数算定方装置は、調査対象となる森林を含む地域を上空から撮影して得られた撮影画像データと前記森林の地理的情報とに基づいて抽出された森林域に関する森林域画像データを用いて、前記森林域に含まれる樹木の本数を樹種別に算定する樹木本数算定装置であって、前記森林域画像データに基づいて前各樹頂点を抽出し、前記各樹頂点に関する樹頂点画像データを作成する樹頂点画像データ作成部と、前記森林域画像データに基づいて各樹冠を抽出し、前記各樹冠に関する樹冠画像データを作成する樹冠画像データ作成部と、前記樹冠画像データに基づいて前記各樹冠の日向部を含む情報を樹冠情報として抽出し、前記樹冠情報に関する樹冠情報画像データを作成する樹冠情報画像データ作成部と、前記樹冠情報画像データに基づいて前記各樹冠の日向部とされた領域における分光反射特性を作成し、前記分光反射特性に基づいて当該樹冠の樹種を特定して樹種分類画像データを作成する樹種分類画像データ作成部と、前記樹種分類画像データと前記樹頂点画像データとに基づいて、樹頂点毎に、対応する樹種を特定して樹頂点別樹種分類画像データを作成する樹頂点別樹種分類画データ像作成部と、 前記樹頂点別樹種分類画像データに基づいて、前記森林域の全領域又は任意の領域において、当該領域に含まれる樹木の本数を樹種別に算定する樹木本数算定部と、を有すること特徴とする。
【0026】
本発明の樹木本数算定装置においても前記樹木本数算定方法と同様の効果を得ることができる。なお、なお、本発明の樹木本数算定装置は、当該樹木本数算定装置に含まれる上記各構成要素が有する機能がコンピュータのプログラムとしてインストールされており、上記各構成要素に所定のデータを与えることによって、それぞれの構成要素が持つ機能がコンピュータのソフトウエア上で実行されるものである。また、本発明の樹木本数算定装置においても、前記(2)及び(3)に記載の特徴を有することが望ましい。
【0027】
(10)本発明の樹木本数算定装置は、前記調査対象となる森林を、樹冠の面積に基づいて定義される複数のグループにグループ分けする森林グループ分け部をさらに有し、前記樹頂点画像データ作成部と、前記樹冠画像データ作成部と、前記樹冠情報画像データ作成部と、前記樹種分類画像データ作成部と、前記樹頂点別樹種分類画像データ作成部と、前記樹木本数算定部とは、森林グループ分け部でグループ分けされたグループ毎に、当該領域に含まれる樹木の本数を樹種別に算定すること特徴とする。
【0028】
本発明の樹木本数算定装置においても前記樹木本数算定方法と同様の効果を得ることができる。なお、なお、本発明の樹木本数算定装置は、当該樹木本数算定装置に含まれる上記各構成要素が有する機能がコンピュータのプログラムとしてインストールされており、上記各構成要素に所定のデータを与えることによって、それぞれの構成要素が持つ機能がコンピュータのソフトウエア上で実行されるものである。
【0029】
(11)本発明の樹木本数算定装置は、前記森林グループ分け部は、樹冠の面積に基づいて作成した複数の均質性フィルターを用いて前記調査対象となる森林を前記複数のグループにグループ分けする実施することを特徴とする。
【0030】
本発明の樹木本数算定装置においても前記樹木本数算定方法と同様の効果を得ることができる。なお、なお、本発明の樹木本数算定装置は、当該樹木本数算定装置に含まれる上記各構成要素が有する機能がコンピュータのプログラムとしてインストールされており、上記各構成要素に所定のデータを与えることによって、それぞれの構成要素が持つ機能がコンピュータのソフトウエア上で実行されるものである。
【0031】
(12)本発明の樹木本数算定装置は、前記樹頂点画像データ作成部は、輝度値が極大値を持つ点を自動抽出する局所最大値フィルターを用いて樹頂点を抽出することを特徴とする。
【0032】
本発明の樹木本数算定装置においても前記樹木本数算定方法と同様の効果を得ることができる。なお、なお、本発明の樹木本数算定装置は、当該樹木本数算定装置に含まれる上記各構成要素が有する機能がコンピュータのプログラムとしてインストールされており、上記各構成要素に所定のデータを与えることによって、それぞれの構成要素が持つ機能がコンピュータのソフトウエア上で実行されるものである。
【0033】
(13)本発明の樹木本数算定装置は、前記樹冠情報画像データ作成部は、前記樹冠情報画像データにおける輝度値が当該樹冠において所定値以上である箇所を前記各樹冠の日向部として抽出することを特徴とする。
【0034】
本発明の樹木本数算定装置においても前記樹木本数算定方法と同様の効果を得ることができる。なお、なお、本発明の樹木本数算定装置は、当該樹木本数算定装置に含まれる上記各構成要素が有する機能がコンピュータのプログラムとしてインストールされており、上記各構成要素に所定のデータを与えることによって、それぞれの構成要素が持つ機能がコンピュータのソフトウエア上で実行されるものである。
【0035】
(14)本発明の樹木本数算定装置は、前記樹種分類画像データ作成部は、前記各樹冠から複数の樹種が抽出された場合、前記各樹冠から抽出された複数の樹種のそれぞれの占有面積を各樹種毎に算出し、占有面積の多い樹種を当該樹冠の樹種とみなすことを特徴とする。
【0036】
本発明の樹木本数算定装置においても前記樹木本数算定方法と同様の効果を得ることができる。なお、なお、本発明の樹木本数算定装置は、当該樹木本数算定装置に含まれる上記各構成要素が有する機能がコンピュータのプログラムとしてインストールされており、上記各構成要素に所定のデータを与えることによって、それぞれの構成要素が持つ機能がコンピュータのソフトウエア上で実行されるものである。
【0037】
(15)本発明の樹木本数算定装置は、前記樹頂点別樹種分類画像データ作成部は、地理的情報に基づいて前記各樹頂点画像を前記樹冠の樹種分類画像に重ねることによって、樹頂点毎に、対応する樹種を特定することを特徴とする。
【0038】
本発明の樹木本数算定装置においても前記樹木本数算定方法と同様の効果を得ることができる。なお、なお、本発明の樹木本数算定装置は、当該樹木本数算定装置に含まれる上記各構成要素が有する機能がコンピュータのプログラムとしてインストールされており、上記各構成要素に所定のデータを与えることによって、それぞれの構成要素が持つ機能がコンピュータのソフトウエア上で実行されるものである。
【0039】
(16)本発明の樹木本数算定装置は、樹木本数算定部は、前記樹頂点別樹種分類画像データに基づいて、樹種毎に、樹木の本数を算定することを特徴とする。
【0040】
本発明の樹木本数算定装置においても前記樹木本数算定方法と同様の効果を得ることができる。なお、なお、本発明の樹木本数算定装置は、当該樹木本数算定装置に含まれる上記各構成要素が有する機能がコンピュータのプログラムとしてインストールされており、上記各構成要素に所定のデータを与えることによって、それぞれの構成要素が持つ機能がコンピュータのソフトウエア上で実行されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施形態に係る樹木本数算定装置の構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る樹木本数算定方法を説明するために示すフローチャート図である。
【図3】樹木の樹頂点と樹冠を説明する図である。
【図4】ディスプレイ上に表示された森林域画像を示す図である。
【図5】ディスプレイ上に表示された森林グループ分け画像を示す図である。
【図6】ディスプレイ上に表示された樹冠に、反射輝度値を高さ(Z値)に代入して3D表示した画像を示す図である。
【図7】ディスプレイ上に表示された森林域画像から抽出した樹頂点画像データを赤十字で示す図である。
【図8】ディスプレイ上に表示された樹冠画像を示す図である。
【図9】ディスプレイ上に表示され樹冠情報画像を部分的に拡大して示す図である。
【図10】ディスプレイ上に表示された樹頂点データを部分的に拡大して樹種分類画像に重ねた画像を示す図である。
【図11】ディスプレイ上に表示された樹頂点画像を、樹冠の樹種分類画像に重ねた画像を示す図である。
【図12】ディスプレイ上に表示された樹頂点別樹種分類画像を示す図である。
【図13】ディスプレイ上に表示された樹木本数算定画像と樹種別の樹木算定表を示す図である。
【図14】ディスプレイ上に表示された樹頂点のデータベース登録を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき記述する。

【0043】
図1は、実施形態における樹木本数算定装置の構成を示す図である。実施形態に係る樹木本数算定システムは、図1に示すように、撮影画像データ入力部10と、森林域画像データ作成部20と、森林グループ分け部30と、樹頂点画像データ作成部41と、樹冠画像データ作成部42と、樹冠情報画像データ作成部43と、樹種分類画像データ作成部44と、樹頂点別樹種分類画像データ作成部45と、樹木本数算定部50とを有している。

【0044】
撮影画像データ入力部10は、調査対象となる森林を含む地域(調査対象地域という。)を上空から撮影して得られた撮影画像データを入力する機能を有している。

【0045】
森林域画像データ作成部は20は、撮影画像データと地理情報システム(GISという。)100に格納れている地理的情報(この場合、都道府県などで整備されている森林の管理台帳などに登録されている森林域の境界データ)とに基づいて森林域を抽出し、抽出された森林域に関する森林域画像データを作成する機能である。

【0046】
樹頂点画像データ作成部41は、森林域画像データに基づいて森林域に含まれる各樹頂点を抽出し、抽出された各樹頂点に関する樹頂点画像データを作成する機能を有している。
樹冠画像データ作成部42は、森林域画像データに基づいて森林域に含まれる各樹冠を抽出し、抽出された各樹冠に関する樹冠画像データを作成する機能を有している。
樹冠情報画像データ作成部43は、樹冠画像データに基づいて各樹冠の日向部及び日陰部の情報を樹冠情報として抽出し、抽出された樹冠情報に関する樹冠情報画像データを作成する機能を有している。
樹種分類画像データ作成部44は、樹冠情報画像データに基づいて各樹冠の日向部とされた領域における分光反射特性を作成し、作成された分光反射特性に基づいて当該樹冠の樹種を特定して樹種分類画像データを作成する機能を有している
樹頂点別樹種分類画像データ作成部45は、地理的情報に基づいて樹頂点画像データを樹冠の樹種分類画像デ-タに重ねることによって、樹頂点毎に、対応する樹種を特定して樹頂点別樹種分類画像データを作成する機能を有している。

【0047】
樹木本数算定部50は、樹頂点別樹種分類画像データに基づいて、樹種毎に樹木の本数を算定する機能を有している。

【0048】
森林グループ分け部30は、森林域画像データに含まれる樹種や林齢、混み具合から樹冠の大きさが異なる樹木から構成されている森林に対して、樹冠の大きさが近似している森林をグループ分けする機能を有している。

【0049】
この明細書において、「樹冠」とは森林を構成する各樹木を上部から見たときに個々の樹木の枝と葉で構成された部分である。また「樹頂点」は樹冠内で尖った先端部分である。

【0050】
図3は、森林を地上の横から見た時と上空から見た時の樹冠と樹頂点のイラスト図である。混んだ森林の場合、上空からの樹冠が3つの樹木が1つの樹冠として撮像される。

【0051】
また、図1に示した樹木本数算定装置は、当該樹木本数算定装置に含まれる上記各構成容姿が有する機能がコンピュータのプログラムとしてインスト-ルされており、上記各構成要素に所定のデータを与えることによって、それぞれの格子要素が持つ機能がコンピュータのソフトウエア上で実行されるものである。

【0052】
図2は、実施形態に係る樹木本数算定方法における樹木本数算定処理を説明するフローチャートである。樹木本数算定処理は、図2に示すように、まずは、調査対象地域Aを撮影して得られた撮影画像データから得られる調査対象地域Aに地理情報システム100に記憶されている森林域の境界データを重ね合わせた森林域境界画像データを作成する(ステップS10)、続いて、当該森林域境界画像データに基づいて森林域と非森林域とを区別するための森林域画像データを作成する(ステップS20)。

【0053】
ステップS20の処理は森林域画像データ作成部20によって行われ、森林域画像データが作成されることによりディスプレイ上に表示させることができる。

【0054】
図4は、ディスプレイ上に表示された森林域画像を示す図である。なお、図4においてなお、図4において、調査対象地域A内において灰色で示される領域が森林域Bであり、当該調査対象地域A内において白抜きで示されている領域が非森林域Cである。なお、図4はモノクロ画像であるため、図4からは、森林域Bと非森林域Cとが色別として読み取ることは困難であるが、実際には図4の元となるカラー画像上では森林域Bと非森林域Cとを色別で読み取ることができる。この場合、図4の元となるカラー画像上では森林域Bが赤色及び紫色で示され、非森林域Cが緑色で示されているため、ディスプレイ上において表示されるカラー画像上では抽出された森林域を容易に読み取ることができる。

【0055】
ステップS30の処理は森林グループ分け部30によって行われ、樹冠の大きさや画像のきめの同一性(Homogeneity)を基準に、近似している森林をグループ分けすることできる。

【0056】
図5は、ディスプレイ上に表示された、森林グループ分け画像の拡大画像を示す図である。森林域に含まれる樹冠の大きさが異なる樹木から構成されている森林に対して、樹冠の大きさが近似している森林をグループ分けすることで、普通林や混んだ森林の小さな樹冠や大きな樹冠の両方から高い精度で樹頂点が自動抽出できる前処理画像が作成できる。この例では、樹冠の大きさで2つにグループ分けしたもので、樹冠の小さなカラマツのみを表示した結果である。

【0057】
実施形態に係る樹頂点樹種分類システム40において、ステップS41の処理は樹頂点画像データ作成部41によって行われ、樹頂点画像データが作成されることによりディスプレイ上に表示させることができる。

【0058】
図6は、ディスプレイ上に表示された樹木の樹頂点と樹冠の3D画像を示す図である。反射輝度値を高さ(Z値)に代入して3D表示することで、凸は樹木の樹冠T1を示し、樹木毎に尖った樹頂点Peがあることを示す画像である。

【0059】
図7は、ディスプレイ上に表示された樹頂点画像を示す図である。図5で処理した画像から太陽光を強く反射し、当該樹冠内で最大値の各樹頂点を局所最大値フィルター処理で自動的に抽出した。樹種や樹冠の大きさが異なる全森林域から、肉眼判読では困難な樹頂点を、精度良く抽出し、赤十字で示す図である。

【0060】
上記ステップS30によって森林グループ分け画像データが作成されると、森林グループ分け画像データに基づいて森林域に含まれる各樹冠を抽出し、抽出された各樹冠に関する樹冠画像データを作成する(ステップS42)。続いて、樹冠画像データに基づいて各樹冠ごとの日向部、日陰部などの情報を樹冠情報として抽出し、樹冠情報画像データを作成する(ステップS43)。

【0061】
樹冠は太陽光の影響を受け、樹冠の日向部、日陰部においてそれぞれ色調が異なる。したがって、樹冠画像データの輝度値によって樹冠の日向部及び日陰に区分することができる。ここでは、輝度値が平均値以上である箇所を日向部とし、樹冠画像データにおける輝度値が平均値未満である箇所を日陰部として各樹冠を細区分した樹冠情報画像データを作成する。

【0062】
ステップS42の処理は樹冠画像データ作成部42によって行われ、樹冠画像データ作成部42によって樹冠画像データが作成されることにより、当該樹冠画像データに対応する樹冠画像(図8参照。) をディスプレイ上に表示させることができる。また、ステップS43の処理は樹冠情報画像データ作成部43によって行われ、樹冠情報画像データ作成部43によって樹冠情報画像データが作成されることにより、当該樹冠情報両像データに対応する樹冠情報両像(図9参照。) をディスプレイ上に表示させることができる。

【0063】
図8は、ディスプレイ上に表示された樹冠画像を示す図である。図8において、全体的に白で表示されている領域が図4に示す森林域Bに対応しており、白で表示されている領域をよく見ると、多数の白い粒が寄せ集まっているかのように見える。図8における1つ1つの白い粒が各樹冠を表している。図8ではモノクロ画像で示されているが、実際にはカラー画像としてディスプレイ上に表示される。図8によれぱ、樹冠域と非樹冠域とを区分することができる。なお、非樹冠域は上空から見た場合、上層樹冠の樹木がない箇所であり、陰部や高木の樹木がない下層植生に覆われている箇所(ギャップ)である。各樹冠域の画素数を積算することで、樹冠面積を求めることができる。

【0064】
ところで、樹冠の抽出は、樹冠の縁部(樹冠縁という)が樹冠部分よりも暗いことを利用して行うものであり、これは、公知のブァレイフォローイング・アルゴリズム(Va11ey fo11owing a1gorithm)と自動マスク処理によって可能となる。また、各樹冠が抽出されることにより、抽出された各樹冠に対応する画素を積算することによって、各樹冠の面積を求めることができる。

【0065】
図9は、ディスプレイ上に表示された樹冠情報画像を部分的に拡大して示す図である。樹冠情報画像は、図9に示すように、各樹冠において日向部、日陰部及び樹頂部によって色調が異なる。すなわち、図9において、ある1つの樹冠T1を例にとって説明すると、当該樹冠T1においては、日向部Su、日陰部Sh及ぴ樹頂点Peが存在する。

【0066】
次に、樹種分類両像データ作成部44により、樹冠の日向部の分光反射特性(スペクトル特性)を用いて各樹冠ごとに樹種を抽出し、抽出された樹種に基づいて樹種分類画像データを作成する(ステップS45)。

【0067】
なお、上空から調査対象地域Aを撮影して得られた撮影画像データの分光反射特性に関しては、以下の公知文献1に記載されている。ただし、公知文献1は、日向部と日陰部を一緒にした樹冠全体の輝度値を用いて分光反射特性を求めるものである。

【0068】
公知文献1:Masato Katoh、“C1assifying tree species in a northern mixed forest using high-reso1ution IKONOS data“、Jour. Forestry Research9、2004年、P、7~14

【0069】
このように、日向部における分光反射特性を用いることにより、誤分類が生じにくく高い精度で樹種を特定することができる。ちなみに、樹冠全体の輝度値を用いて分光反射特性を求めると、輝度値の標準偏差が大きく、誤分類が生じやすいことが知られている。これは、太陽光の日陰部分である樹冠縁は高さが低く、隣接する樹木の枝葉や陰の影響を受けやすいので、純粋な樹種の輝度値を反映していないことが起因するものと考えられる。

【0070】
ステッブ44の処理は、樹種分類画像データ作成部44によって行われ、樹種分類画像データ作成部44によって樹種分類画像データが作成されることにより、当該樹種分類画像データに対応する樹種分類画像(図10参照)をディスプレイ上に表示させることができる。

【0071】
図10は、ディスプレイ上に表示された森林域全体の樹種分類画像を示す図である。なお、図10はモノクロ画像であるため、図10からは、各樹種を色別として読み取ることは困難であるが、実際には図10の元となるカラー画像上ではヒノキCo、アカマツPd、カラマツLk、スギCj、メタセコイアMd、広葉樹Blが色別で示されているので、これら各樹種を容易に読み取ることができる。この場合、図10の元となるカラー両像上では、ヒノキCoが赤色、アカマツPdが橙色、カラマツLkが黄緑色、スギCjが濃緑色、メタセコイアMgが黄色、広葉樹Blが灰色で示されている。

【0072】
なお、実施形態に係る樹種分類画像データ作成部44においては、実際には画素ごとに樹種分類処理を実行し、各樹冠において、各画素ごとの樹種分類を行い、分類された樹種の面積を計算し、面積の多い樹種を当該樹冠における樹種とする。これにより、1つの樹冠を1つ樹種として分類することができる。1つの樹冠が1つ樹種として分類されることにより、森林の植生の調査・評価など容易かつ適切に行うことができる。

【0073】
ステッブ45の処理は、樹頂点別樹種分類画像データ作成部45によって行われ、樹頂点別樹種分類画像データ作成部45によって樹頂点別樹種分類画像データが作成されることにより、当該樹頂点別樹種分類画像データに対応する樹頂点別樹種分類画像をディスプレイ上に表示させることができる。

【0074】
図11は、ディスプレイ上に表示された樹頂点画像を樹種分類画像に重ねた画像を示す図である。図11は、地理的情報に基づいて前記樹頂点画像データを前記樹冠の樹種分類画像デ-タに重ねることによって、樹頂点毎に、対応する樹種を特定することができる。

【0075】
図12は、ディスプレイ上に表示された樹頂点別樹種分類画像を示す図である。なお図12はモノクロ画像であるため、図12からは各樹頂点の樹種を色別に読み取ることは困難であるが、実施には図12の元になる画像上ではヒノキ+、アカマツ+、カラマツ*、広葉樹・が色別で示されているので、これらの樹種を容易に読み取ることができる。図12の元になる画像上では、ヒノキ+が薄茶色、アカマツ+が青、カラマツ*が緑、広葉樹・が黄色で示されている。各樹頂点の樹種を特定することで、前記森林域画像に樹種をカラーで色分けした樹木位置の分布画像を作成できるので、森林の様子を容易に読み取ることができる。

【0076】
以上説明したように実施形態に係る樹頂点樹種分類システム40によれば、各樹冠の日向部における分光反射特性を用いて樹種分類を行うことにより、誤分類が生じにくく高い精度で樹種を分類することができる。さらに、地理的情報に基づいて前記樹頂点画像データを前記樹種分類画像デ-タに重ねることによって、樹頂点毎に、対応する樹種を特定するので高い精度で分類され、森林の植生調査及び評価を行う場合、調査結果及び評価結果の信頼性を高めることができる。

【0077】
ステッブ50の処理は、樹木本数算定部50によって行われ、樹木本数算定部50によって樹樹木本数算定データが作成されることにより、樹木本数算定データに対応する樹木本数算定画像と樹木本数算定表をディスプレイ上に表示させることができる。

【0078】
図13は、ディスプレイ上に表示された樹木本数算定画像と樹木本数算定表を示す図である。樹木本数算定は、1つの樹頂点を1つの樹木としてみなし、前記樹頂点別樹種分類画像データに基づいて、前記森林域の全領域又は任意の領域において含まれる当該樹頂点の数を樹種別に算定することを特徴としている。図13は、ディスプレイ上に表示された樹頂点と任意の領域(ここでは小班)が表示され、その領域内の樹種別本数が集計された樹木本数算定表を示している。これにより、前記森林域の全領域又は任意の領域における樹種別の樹木本数、ha当たり樹木本数を把握できるので、森林現況の診断に有効である。

【0079】
ステッブ60の処理は、樹頂点のデータベース登録であり、前記樹木本数算定結果を、森林調査簿データベース(この場合、都道府県などで整備されている森林の管理台帳などのデータベース)又は地理情報システム(GISという。)に登録することを特徴としている。

【0080】
図14は、ディスプレイ上に表示された樹頂点のデータベース登録画像を示す図である。GISなどのデータベース管理ソフトを利用して樹種や樹木位置などの任意の条件で検索し、既存の森林調査簿データベースと組み合わせることができるので、森林所有者や技術者が良い森づくりを進める上での計画立案や森林管理に有効である。
【符号の説明】
【0081】
10・・・撮影画像データ入力部、20・・・森林域画像データ作成部、30・・・森林グループ分け部、40・・・樹頂点樹種分類システム、41・・・樹頂点画像データ作成部、42・・・樹冠画像データ作成部、42・・・樹冠情報画像データ作成部、44・・・樹種分類画像データ作成部、45・・・樹頂点別樹種分類画像データ作成部、50・・・樹木本数算定部、100・・・地理情報システム(GIS)、A・・・調査対象地域、B・・・森林域、C・・・非森林域、Pe・・・樹頂点、Su・・・日向部、Sh・・・日陰部、T1・・・樹冠
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
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【図13】
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【図14】
13