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明細書 :光学活性プロリン類縁体の製造方法、及び触媒

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5363383号 (P5363383)
公開番号 特開2011-184394 (P2011-184394A)
登録日 平成25年9月13日(2013.9.13)
発行日 平成25年12月11日(2013.12.11)
公開日 平成23年9月22日(2011.9.22)
発明の名称または考案の名称 光学活性プロリン類縁体の製造方法、及び触媒
国際特許分類 C07D 207/16        (2006.01)
B01J  31/24        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07D 207/16
B01J 31/24 X
B01J 31/24 Z
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 8
全頁数 13
出願番号 特願2010-053301 (P2010-053301)
出願日 平成22年3月10日(2010.3.10)
審査請求日 平成23年4月14日(2011.4.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】小林 修
【氏名】山下 恭弘
個別代理人の代理人 【識別番号】100079005、【弁理士】、【氏名又は名称】宇高 克己
審査官 【審査官】小川 由美
参考文献・文献 Angewandte Chemie International Edition,2009年,48(2),340-343
Chemical Communications,2010年 2月 5日,46,1727-1729
Journal of the American Chemical Society,2002年,124(45),13400-13401
Organic Letters,2003年,5(26),5043-5046
Organic Letters,2006年,8(9),1795-1798
Organic Letters,2007年,9(20),4025-4028
Tetrahedron: Asymmetry,2008年,19,2913-2923
Journal of Organic Chemistry,2010年,75(1),233-236,掲載日2009年12月3日
Synlett,2010年 2月23日,(6),962-966
調査した分野 C07D
B01J31/24
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式[IV]で表されるα-アミノ酸類縁体と下記一般式[V]で表されるα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を製造する方法であって、
前記反応は、下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物とで構成される物質の存在下で行われる
ことを特徴とする光学活性プロリン類縁体の製造方法。
一般式[I]
JP0005363383B2_000012t.gif [一般式[I]中、R,Rは、RとRとによって-O-(CH)n-O-(n=1,2)が構成される基である。Rは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。全てのR,R,Rは、同一の場合と、異なる場合とが有る。]
一般式[II]
MX
[一般式[II]中、MはAgである。Xは陰イオンである。]
一般式[IV]
JP0005363383B2_000013t.gif [一般式[IV]中、Rは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアラルキル基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。Rは、H、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基(アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。Rは、H、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基(アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。Rは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアラルキル基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。]
一般式[V]
JP0005363383B2_000014t.gif [一般式[V]中、R,R,Rは、H、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。Rは、炭化水素基(置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)、置換基を有するO,置換基を有するN、又は置換基を有するSである。RまたはRがRCOの構造を有していてもよい。]
【請求項2】
前記反応は、前記一般式[I]で表される化合物と前記一般式[II]で表される化合物と下記一般式[III]で表される化合物とで構成される物質の存在下で行われる
ことを特徴とする請求項1の光学活性プロリン類縁体の製造方法。
一般式[III]
NY
[一般式[III]中、Nは、Li,Na,K,Cs,Mg,Ca,Sr又はBaである。YはH,OR,NR又はN(SiR(R=炭化水素基)である。]
【請求項3】
一般式[II]のXがClO,BF,PF,NO,F,Cl,Br,I,SOR,OCOR,OR,NR又はN(SiR(R=炭化水素基)である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2の光学活性プロリン類縁体の製造方法。
【請求項4】
前記一般式で表される化合物により構成される錯体の存在下で反応が行われる
ことを特徴とする請求項1~請求項3いずれかの光学活性プロリン類縁体の製造方法。
【請求項5】
下記一般式[IV]で表されるα-アミノ酸類縁体と下記一般式[V]で表されるα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を製造するに際して用いられる触媒であって、
下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物とで構成される
ことを特徴とする触媒。
一般式[I]
JP0005363383B2_000015t.gif [一般式[I]中、R,Rは、RとRとによって-O-(CH)n-O-(n=1,2)が構成される基である。Rは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。全てのR,R,Rは、同一の場合と、異なる場合とが有る。]
一般式[II]
MX
[一般式[II]中、MはAgである。Xは陰イオンである。]
一般式[IV]
JP0005363383B2_000016t.gif [一般式[IV]中、Rは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアラルキル基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。Rは、H、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基(アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。Rは、H、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基(アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。Rは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアラルキル基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。]
一般式[V]
JP0005363383B2_000017t.gif [一般式[V]中、R,R,Rは、H、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。Rは、炭化水素基(置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)、置換基を有するO,置換基を有するN、又は置換基を有するSである。RまたはRがRCOの構造を有していてもよい。]
【請求項6】
前記一般式[I]で表される化合物と前記一般式[II]で表される化合物と下記一般式[III]で表される化合物とで構成される
ことを特徴とする請求項5の触媒。
一般式[III]
NY
[一般式[III]中、Nは、Li,Na,K,Cs,Mg,Ca,Sr又はBaである。YはH,OR,NR又はN(SiR(R=炭化水素基)である。]
【請求項7】
前記一般式[II]のXがClO,BF,PF,NO,F,Cl,Br,I,SOR,OCOR,OR,NR又はN(SiR(R=炭化水素基)である
ことを特徴とする請求項5又は請求項6の触媒。
【請求項8】
錯体である
ことを特徴とする請求項5~請求項7いずれかの触媒。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば光学活性なプロリン類縁体に関する。
【背景技術】
【0002】
α-アミノ酸エステルから誘導されるSchiff塩基と、α,β-不飽和カルボニル化合物との不斉[3+2]付加環化反応は、光学活性なプロリン類縁体の合成に、有益である。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】Organic Letters 2005,7,4569-4572
【非特許文献2】Organic Letters 2005,7,5055-5058
【非特許文献3】J.Am.Chem.Soc.2002,124,13400-13401
【非特許文献4】J.Am.Chem.Soc.2008, 30,17250-17251
【非特許文献5】Organic Letters 2008,10,1747-1750
【非特許文献6】Organic Letters 2009,11,393-396
【非特許文献7】Organic Letters 2003,5,5043-5046
【非特許文献8】Organic Letters 2005,7,4241-4244
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光学活性なα-アミノ酸誘導体が様々な生理活性を示すことを鑑みると、不斉[3+2]付加環化反応は、創薬の観点から、興味深い。
しかしながら、これまで、汎用性が有るexo(エキソ:ジアステレオ:エナンチオ)選択的不斉反応の報告例は無かった。
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、光学活性なプロリン類縁体を提供することである。特に、α-アミノ酸類縁体とα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決する為の検討が、本発明者によって、鋭意、推し進められて行った。その結果、リン原子上の置換基が嵩高い(R)-DTBM-SEGPHOSと一価の銀塩とからなる錯体が不斉触媒として有効に機能することが判った。すなわち、下記に示される如く、高収率・高ジアステレオ選択的・高エナンチオ選択的に[3+2]付加環化反応が進行し、プロリンの触媒的不斉合成が効率良く行われることを見出すに至った。
JP0005363383B2_000002t.gif
【0007】
上記知見に基づいて本発明が達成されたものである。
【0008】
すなわち、前記の課題は、
下記一般式[IV]で表されるα-アミノ酸類縁体と下記一般式[V]で表されるα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を製造する方法であって、
前記反応は、下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物とで構成される物質の存在下で行われる
ことを特徴とする光学活性プロリン類縁体の製造方法によって解決される。
【0009】
特に、前記の課題は、
下記一般式[IV]で表されるα-アミノ酸類縁体と下記一般式[V]で表されるα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を製造する方法であって、
前記反応は、下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物とで構成される錯体の存在下で行われる
ことを特徴とする光学活性プロリン類縁体の製造方法によって解決される。
【0010】
又、前記の課題は、
下記一般式[IV]で表されるα-アミノ酸類縁体と下記一般式[V]で表されるα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を製造する方法であって、
前記反応は、下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物と下記一般式[III]で表される化合物とで構成される物質の存在下で行われる
ことを特徴とする光学活性プロリン類縁体の製造方法によって解決される。
【0011】
特に、前記の課題は、
下記一般式[IV]で表されるα-アミノ酸類縁体と下記一般式[V]で表されるα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を製造する方法であって、
前記反応は、下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物と下記一般式[III]で表される化合物とで構成される錯体の存在下で行われる
ことを特徴とする光学活性プロリン類縁体の製造方法によって解決される。
【0012】
又、前記の課題は、
下記一般式[IV]で表されるα-アミノ酸類縁体と下記一般式[V]で表されるα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を製造するに際して用いられる触媒であって、
下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物とで構成される
ことを特徴とする触媒によって解決される。
【0013】
特に、前記の課題は、
下記一般式[IV]で表されるα-アミノ酸類縁体と下記一般式[V]で表されるα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を製造するに際して用いられる触媒であって、
下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物とで構成される錯体である
ことを特徴とする触媒によって解決される。
【0014】
又、前記の課題は、
下記一般式[IV]で表されるα-アミノ酸類縁体と下記一般式[V]で表されるα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を製造するに際して用いられる触媒であって、
下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物と下記一般式[III]で表される化合物とで構成される
ことを特徴とする触媒によって解決される。
【0015】
特に、前記の課題は、
下記一般式[IV]で表されるα-アミノ酸類縁体と下記一般式[V]で表されるα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を製造するに際して用いられる触媒であって、
下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物と下記一般式[III]で表される化合物とで構成される錯体である
ことを特徴とする触媒によって解決される。
【0017】
一般式[I]
JP0005363383B2_000003t.gif [一般式[I]中、R,Rは、とRとによって-O-(CH2)n-O-(n=1,2)が構成される基である。Rは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。全てのR,R,Rは、同一の場合と、異なる場合とが有る。]
【0018】
一般式[II]
MX
[一般式[II]中、MはAgである。Xは陰イオンである。]
【0019】
一般式[III]
NY
[一般式[III]中、Nは、Li,Na,K,Cs,Mg,Ca,Sr又はBaである。YはH,OR,NR又はN(SiR(R=炭化水素基)である。]
【0020】
一般式[IV]
JP0005363383B2_000004t.gif [一般式[IV]中、Rは、アルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。Rは、H、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基(アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。Rは、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基(アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。Rは、アルキル基、アリール基、アルケニル基またはアラルキル基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。]
【0021】
一般式[V]
JP0005363383B2_000005t.gif [一般式[V]中、R,R,Rは、H、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。Rは、炭化水素基(置換基を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)、置換基を有するO,置換基を有するN、又は置換基を有するSである。RまたはRがRCOの構造を有していてもよい。]
【発明の効果】
【0022】
光学活性なプロリン類縁体が効率良く得られる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は光学活性なプロリン類縁体の製造方法である。特に、α-アミノ酸類縁体とα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を製造する方法である。前記反応は、光学活性な下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物とが用いられて構成される物質(例えば、錯体)の存在下で行われる。或いは、下記一般式[I]で表される化合物と下記一般式[II]で表される化合物と下記一般式[III]で表される化合物とが用いられて構成される物質(例えば、錯体)の存在下で行われる。前記反応は、好ましくは、溶媒中で行なわれる。溶媒としては各種のものが用いられる。好ましい溶媒としては、例えばエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、トルエン、メチルtertブチルエーテル等が挙げられる。光学活性なプロリン類縁体の製造に用いられるα-アミノ酸類縁体(基質)は、好ましくは、下記一般式[IV]で表される化合物である。光学活性なプロリン類縁体の製造に用いられるα,β-不飽和カルボニル化合物(基質)は、好ましくは、下記一般式[V]で表される化合物である。

【0024】
一般式[I]
JP0005363383B2_000006t.gif 一般式[I]中、R,Rは、ハロゲン(F,Cl,Br,I等)、アルキル基、アルケニル基、又はアラルキル基である。好ましいハロゲンはClである。好ましいアルキル基は、炭素数が1~10のものである。更に好ましいアルキル基は、炭素数が1~5のものである。好ましいアルケニル基は炭素数が2~10のものである。更に好ましいアルケニル基は炭素数が2~5のものである。アラルキル基(アリールアルキル基)は、好ましくは、アリール基の部分の炭素数が4~14(例えば、フェニル基やナフチル基)であって、アルキル基の部分の炭素数が1~10(特に、1~5)のものである。前記アルキル基やアラルキル基は、ヘテロ原子(例えば、O,N,S)を有する場合と、ヘテロ原子を有さない場合とが有る。RとRとは、O,N又はSを介して、繋がる場合が有る。この場合、RとRとによって環が構成される。RとRとが繋がっている場合(環を構成する場合)は、好ましい。例えば、RとRとによって、-W-(CHm)n-W-(但し、WはCHm,O,S、又は置換基を有するN。m,nは1又は2。)が構成された場合は好ましい。RとRとによって、-O-(CH)n-O-(n=1,2)が構成された場合は特に好ましい。尚、RとRとは繋がらない場合も有る。RとRとは、同一の場合と、異なる場合とが有る。全てのR,Rは、同一の場合と、異なる場合とが有る。
一般式[I]中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基である。前記アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基は、置換基(好ましい置換基は、炭素数が1~10のアルキル基などの炭化水素基)を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。好ましいアルキル基は炭素数が1~10のものである。更に好ましいアルキル基は炭素数が1~5のものである。好ましいアルケニル基は炭素数が2~10のものである。更に好ましいアルケニル基は炭素数が2~5のものである。好ましいアリール基は、骨格部分の炭素数が4~14のアリール基である。骨格部分がフェニル基やナフチル基は更に好ましいアリール基である。骨格部分がフェニル基は特に好ましいアリール基である。アラルキル基(アリールアルキル基)は、好ましくは、アリール基の部分の炭素数が4~14(例えば、フェニル基やナフチル基)であって、アルキル基の部分の炭素数が1~10(特に、1~5)のものである。特に好ましいRは、パラ位と2箇所のメタ位に置換基を有するフェニル基である。中でも、パラ位にメトキシ基、2箇所のメタ位にtert-ブチル基を有するフェニル基は好ましい。全てのRは、同一の場合と、異なる場合とが有る。
一般式[I]中、全てのR,R,Rは、同一の場合と、異なる場合とが有る。

【0025】
一般式[II]
MX
一般式[II]中、Mは、Cu又はAgである。特に好ましくはAgである。
一般式[II]中、Xは陰イオンである。好ましくは、例えばClO,BF,PF,NO,F,Cl,Br,I,SOR,OCOR,OR,NR又はN(SiRである。前記Rは炭化水素基である。好ましい炭化水素基はアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基である。好ましいアルキル基は炭素数が1~10のものである。更に好ましいアルキル基は炭素数が1~5のものである。好ましいアルケニル基は炭素数が2~10のものである。更に好ましいアルケニル基は炭素数が2~5のものである。好ましいアリール基は、骨格部分の炭素数が4~14のアリール基である。骨格部分がフェニル基やナフチル基は更に好ましいアリール基である。骨格部分がフェニル基は特に好ましいアリール基である。アラルキル基(アリールアルキル基)は、好ましくは、アリール基の部分の炭素数が4~14(例えば、フェニル基やナフチル基)であって、アルキル基の部分の炭素数が1~10(特に、1~5)のものである。前記アルキル基、アリール基またはアラルキル基は、F原子を有する場合と、F原子を有さない場合とが有る。特に好ましいXはOR,NR又はN(SiRである。中でもN(SiMeは好ましい。

【0026】
一般式[III]
NY
一般式[III]中、Nは、Li,Na,K,Cs,Mg,Ca,Sr又はBaである。好ましくはKである。
一般式[III]中、Yは、H,OR,NR又はN(SiRである。好ましくはN(SiRである。前記Rは炭化水素基である。好ましい炭化水素基はアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基である。好ましいアルキル基は炭素数が1~10のものである。更に好ましいアルキル基は炭素数が1~5のものである。好ましいアルケニル基は炭素数が2~10のものである。更に好ましいアルケニル基は炭素数が2~5のものである。好ましいアリール基は、骨格部分の炭素数が4~14のアリール基である。骨格部分がフェニル基やナフチル基は更に好ましいアリール基である。骨格部分がフェニル基は特に好ましいアリール基である。アラルキル基(アリールアルキル基)は、好ましくは、アリール基の部分の炭素数が4~14(例えば、フェニル基やナフチル基)であって、アルキル基の部分の炭素数が1~10(特に、1~5)のものである。尚、特に好ましいYはN(SiMeである。尚、Nがアルカリ金属の場合、Yの個数は一つであるが、Nがアルカリ土類金属の場合、Yの個数は二つである。

【0027】
一般式[IV]
JP0005363383B2_000007t.gif 一般式[IV]中、Rは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアラルキル基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基は、置換基(好ましい置換基は、炭素数が1~10のアルキル基などの炭化水素基)を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。好ましいアルキル基は、炭素数が1~10のものである。更に好ましいアルキル基は、炭素数が1~5のものである。好ましいアルケニル基は炭素数が2~10のものである。更に好ましいアルケニル基は炭素数が2~5のものである。好ましいアリール基は、骨格部分の炭素数が4~14のアリール基である。骨格部分がフェニル基やナフチル基は更に好ましいアリール基である。骨格部分がフェニル基は特に好ましいアリール基である。アラルキル基(アリールアルキル基)は、好ましくは、アリール基の部分の炭素数が4~14(例えば、フェニル基やナフチル基)であって、アルキル基の部分の炭素数が1~10(特に、1~5)のものである。特に好ましいRはアルキル基である。
一般式[IV]中、Rは、H、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基(アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は、置換基(好ましい置換基は、炭素数が1~10のアルキル基などの炭化水素基)を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。好ましいアルキル基は炭素数が1~10のものである。更に好ましいアルキル基は炭素数が1~5のものである。好ましいアルケニル基は炭素数が2~10のものである。更に好ましいアルケニル基は炭素数が2~5のものである。好ましいアリール基は、骨格部分の炭素数が4~14のアリール基である。骨格部分がフェニル基やナフチル基は更に好ましいアリール基である。骨格部分がフェニル基は特に好ましいアリール基である。アラルキル基(アリールアルキル基)は、好ましくは、アリール基の部分の炭素数が4~14(例えば、フェニル基やナフチル基)であって、アルキル基の部分の炭素数が1~10(特に、1~5)のものである。特に好ましいRはH又はアルキル基である。中でもHが最も好ましい。
一般式[IV]中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基(アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は、置換基(好ましい置換基は、炭素数が1~10のアルキル基などの炭化水素基)を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。好ましいアルキル基は炭素数が1~10のものである。更に好ましいアルキル基は炭素数が1~5のものである。好ましいアルケニル基は炭素数が2~10のものである。更に好ましいアルケニル基は炭素数が2~5のものである。好ましいアリール基は、骨格部分の炭素数が4~14のアリール基である。骨格部分がフェニル基やナフチル基は更に好ましいアリール基である。骨格部分がフェニル基は特に好ましいアリール基である。アラルキル基(アリールアルキル基)は、好ましくは、アリール基の部分の炭素数が4~14(例えば、フェニル基やナフチル基)であって、アルキル基の部分の炭素数が1~10(特に、1~5)のものである。特に好ましいRはアルキル基である。
一般式[IV]中、Rは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアラルキル基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基は、置換基(好ましい置換基は、炭素数が1~10のアルキル基などの炭化水素基)を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)である。好ましいアルキル基は炭素数が1~10のものである。更に好ましいアルキル基は炭素数が1~5のものである。好ましいアルケニル基は炭素数が2~10のものである。更に好ましいアルケニル基は炭素数が2~5のものである。好ましいアリール基は、骨格部分の炭素数が4~14のアリール基である。骨格部分がフェニル基やナフチル基は更に好ましいアリール基である。骨格部分がフェニル基は特に好ましいアリール基である。アラルキル基(アリールアルキル基)は、好ましくは、アリール基の部分の炭素数が4~14(例えば、フェニル基やナフチル基)であって、アルキル基の部分の炭素数が1~10(特に、1~5)のものである。特に好ましいRはアルキル基である。

【0028】
一般式[V]
JP0005363383B2_000008t.gif 一般式[V]中、R,R,Rは、H、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基である。前記アルキル基、アリール基、アラルキル基は、置換基(好ましい置換基は、炭素数が1~10のアルキル基などの炭化水素基)を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。好ましいアルキル基は炭素数が1~10のものである。更に好ましいアルキル基は炭素数が1~5のものである。好ましいアルケニル基は炭素数が2~10のものである。更に好ましいアルケニル基は炭素数が2~5のものである。好ましいアリール基は、骨格部分の炭素数が4~14のアリール基である。骨格部分がフェニル基やナフチル基は更に好ましいアリール基である。骨格部分がフェニル基は特に好ましいアリール基である。アラルキル基(アリールアルキル基)は、好ましくは、アリール基の部分の炭素数が4~14(例えば、フェニル基やナフチル基)であって、アルキル基の部分の炭素数が1~10(特に、1~5)のものである。R,R,Rは、置換基を有するO,置換基を有するN、又は置換基を有するSであっても良い。RとRとRとは、同一の場合と、異なる場合とが有る。特に好ましいRはH、アルキル基、エステル基、又はアミド基である。中でもHは特に好ましい。特に好ましいRはH又はアルキル基である。中でもHは特に好ましい。特に好ましいRはH又はアルキル基である。中でもHは特に好ましい。
一般式[V]中、Rは、炭化水素基(置換基(好ましい置換基は、炭素数が1~10のアルキル基などの炭化水素基)を有する場合と、置換基を有さない場合とが有る。)、置換基(好ましい置換基は、炭素数が1~10のアルキル基などの炭化水素基)を有するO,置換基(好ましい置換基は、炭素数が1~10のアルキル基などの炭化水素基)を有するN、又は置換基(好ましい置換基は、炭素数が1~10のアルキル基などの炭化水素基)を有するSである。好ましいRは、炭素数が1~10のアルキル基を有するO、又は炭素数が1~10のアルキル基を有するNである。中でも炭素数が1~10のアルコキシ基は好ましい。特に、炭素数が1~5のアルコキシ基は好ましい。例えば、tert-ブトキシ基は好ましい。
一般式[V]中、RまたはRがRCOの構造を有していてもよい。RCOの代わりにシアノ基やスルホニル基(炭化水素基を有するスルホニル基)でもよい。

【0029】
本発明は触媒である。特に、光学活性なプロリン類縁体を製造するに際して用いられる触媒(不斉触媒)である。中でも、α-アミノ酸類縁体とα,β-不飽和カルボニル化合物とを反応させて光学活性なプロリン類縁体を製造するに際して用いられる触媒(不斉触媒)である。この触媒は、上記一般式[I]と上記一般式[II]とが用いられて構成される。特に、上記一般式[I]と上記一般式[II]とによる錯体である。好ましくは上記一般式[III]で表される化合物が更に用いられて構成される。

【0030】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を説明する。但し、本発明は上記した技術思想を逸脱しない範囲において如何なるものであっても良い。すなわち、以下の実施例によって何ら制約を受けるものでは無い。

【0031】
[(2R,4S,5S)-2,4-ジメチル-5-フェニルピロリジン-2,4-ジカルボキシレートの合成]
メチルアクリレート 銀トリフラート;東京化成社製
カリウムヘキサメチルジシラザン;Aldrich社製
(R)-DTBM-SEGPHOS;特開2000-16997号公報に準拠して合成
N-ベンジリデングリシンメチルエステル;Chun-Jiang Wang,Zhi-Yong Xue,Gang Liang and Zhou Lu.Chem Comm,2009,2905に準拠して合成
銀トリフラート(AgOTf:0.015 mmol, 3.9 mg)、カリウムヘキサメチルジシラザン(KHMDS:0.015mmol,3.0mg)、(R)-DTBM-SEGPHOS(0.015 mmol, 18 mg)を、アルゴングローブボックス内において、アルミ箔により遮光した良く乾燥した試験管に取り、セプタムで栓をした。0.3mLの無水ジエチルエーテルがシリンジを用いて反応容器に加えられた。得られた混合物は30分間室温で撹拌された。その後、N-ベンジリデングリシンメチルエステル(0.30 mmol, 53.2 mg)を0.2mLの無水ジエチルエーテルに溶かしてシリンジで加えられた。そして、30分間室温で撹拌された。更に、メチルアクリレート(0.036 mmol, 32.4μL)がシリンジで加えられ、氷浴中で24時間撹拌された。撹拌後、1mLの含水テトラヒドロフラン溶液(テトラヒドロフラン:水=20:1)が加えられて反応は終了した。この後、反応混合物は中性シリカゲル・硫酸ナトリウム・セライトの混合物が載せられたグラスフィルタにより濾過が行われた。そして、残渣は、クロロホルム-メタノール混合液(メタノール:クロロホルム=1:1)により、洗浄・抽出された。得られた溶液は集められて減圧留去された。残渣がシリカゲル薄層クロマトグラフィ(溶出液ヘキサン:酢酸エチル=3:1混合溶液)にて精製された。そして、目的化合物(71.8mg,収率91%)が得られた。ジアステレオ比は粗生成物のHNMR分析で、光学純度はキラルカラムを装備した高速液体クロマトグラフィを用いて決定された。
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【0032】
上記実施例に準じて行われた。その結果が下記に示される。
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【0033】
上記実施例に準じて行われた。その結果が下記に示される。
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