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明細書 :見守りロボット、見守り方法、及び見守りプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5504529号 (P5504529)
公開番号 特開2011-045460 (P2011-045460A)
登録日 平成26年3月28日(2014.3.28)
発行日 平成26年5月28日(2014.5.28)
公開日 平成23年3月10日(2011.3.10)
発明の名称または考案の名称 見守りロボット、見守り方法、及び見守りプログラム
国際特許分類 A61B   5/00        (2006.01)
FI A61B 5/00 102C
請求項の数または発明の数 12
全頁数 12
出願番号 特願2009-195044 (P2009-195044)
出願日 平成21年8月26日(2009.8.26)
審査請求日 平成24年7月24日(2012.7.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305027401
【氏名又は名称】公立大学法人首都大学東京
発明者または考案者 【氏名】山口 亨
【氏名】高間 康史
【氏名】中村 耕太
個別代理人の代理人 【識別番号】100150876、【弁理士】、【氏名又は名称】松山 裕一郎
審査官 【審査官】石井 哲
参考文献・文献 特開2005-284535(JP,A)
特開2001-246580(JP,A)
特開2006-092356(JP,A)
特開昭64-072287(JP,A)
特開2003-340757(JP,A)
特開2006-260561(JP,A)
調査した分野 A61B 5/00
G06Q 50/22
G08B 21/00 -21/06
G08B 25/00 -25/14
特許請求の範囲 【請求項1】
ユーザーの身体情報を取得するユーザー情報入力部から取得した前記身体情報とユーザーの意思又は状態とを対応付けて、ユーザーの属性に応じた一の基準を作成する基準作成部
および
該基準作成部により生成された前記一の基準に基づいてユーザーの意志を把握し、ユーザーの意志が反映され且つ当該ユーザーの属性を反映した、当該ユーザーに最適な生活支援を行う動作処理部を備え、
該基準作成部が、取得した前記身体情報から前記意思又は状態を分析するユーザー認識部と、
該ユーザー認識部による分析結果について蓄積されたデフォルト基準を参照し、その結果分析結果とデフォルト基準とが同一又は類似であった場合に、該分析結果をユーザーの行動と仮判断し、その判断をユーザーに確認し、ユーザーによって確認された判断を基に前記意思又は状態を形式化して前記一の基準を作成するルール生成部を具備し、
前記一の基準に基づいて上記生活支援を行うことを特徴とする見守りロボット。
【請求項2】
前記基準作成部が、
前記一の基準を蓄積するとともに、ユーザーと同一又は類似する属性を有する他のユーザーの前記意思又は状態を表す他の基準を収集するルール収集部と、
前記一の基準と前記の他の基準とを用いて、基準の共通化、最適化を行い、前記一の基準を修正するデータマイニング部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の見守りロボット。
【請求項3】
前記基準作成部が、前記ユーザーの属性と同一又は類似する属性を有する他のユーザーの前記基準を含む生活パターンから前記属性に最適な生活パターンを抽出するパターンマイニング部を備え、
抽出された前記生活パターンをユーザーに提示する動作処理部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の見守りロボット。
【請求項4】
前記パターンマイニング部が、前記生活パターンを構成する複数の行動パターン毎に前記属性に最適な行動パターンを抽出し、
前記動作処理部が、前記最適な行動パターンをユーザーに提示することを特徴とする請求項に記載の見守りロボット。
【請求項5】
ロボットによるユーザーの見守り方法であって、
ユーザーの身体情報を取得する取得ステップと、
取得した前記身体情報とユーザーの意思又は状態とを対応付けて、ユーザーの属性に応じた一の基準を作成する基準作成ステップと、
前記一の基準に基づいてユーザーの意志を把握し、ユーザーの意志が反映され且つ当該ユーザーの属性を反映した、当該ユーザーに最適な生活支援を行う動作処理ステップ
を備え、
該基準作成ステップが、
取得した前記身体情報から前記意思又は状態を分析するユーザー認識ステップと、
分析結果について蓄積されたデフォルト基準を参照し、その結果分析結果とデフォルト基準とが同一又は類似であった場合に、該分析結果をユーザーの行動と仮判断し、その判断をユーザーに確認し、ユーザーによって確認された判断を基に前記意思又は状態を形式化して前記一の基準を作成するルール生成ステップと、
前記一の基準を蓄積するとともに、ユーザーと同一又は類似する属性を有する他のユーザーの前記意思又は状態を表す他の基準を収集するルール収集ステップと、
前記一の基準と前記の他の基準とを用いて、基準の共通化、最適化を行い、前記一の基準を修正するデータマイニングステップと、
を備えていることを特徴とする見守り方法。
【請求項6】
前記基準が、ユーザーの生活パターン毎に作成され、
前記基準作成ステップが、前記ユーザーの属性と同一又は類似する属性を有する他のユーザーの前記基準を含む生活パターンから前記属性に最適な生活パターンを抽出するパターンマイニングステップと、
抽出された前記生活パターンをユーザーに提示する動作処理ステップと、
を備えていることを特徴とする請求項5に記載の見守り方法。
【請求項7】
前記パターンマイニングステップが、前記生活パターンを構成する複数の行動パターン毎に前記属性に最適な行動パターンを抽出し、
前記動作処理部が、前記最適な行動パターンをユーザーに提示することを特徴とする請求項6に記載の見守り方法。
【請求項8】
前記ルール収集ステップが、インターネットを介して接続された蓄積サーバに蓄積された前記他の基準を収集することを特徴とする請求項5から7の何れか一つに記載の見守り方法。
【請求項9】
コンピュータを介してユーザーを見守るための見守りプログラムであって、
コンピュータを、
ユーザーの身体情報を取得するユーザー情報入力部から取得した前記身体情報とユーザーの意思又は状態とを対応付けて、ユーザーの属性に応じた一の基準を作成する基準作成部として機能させると共に前記一の基準に基づいてユーザーの意志を把握し、ユーザーの意志が反映され且つ当該ユーザーの属性を反映した、当該ユーザーに最適な生活支援を行う動作処理部として機能させ
該基準作成部が、
取得した前記身体情報から前記意思又は状態を分析するユーザー認識部と、
該ユーザー認識部による分析結果について蓄積されたデフォルト基準を参照し、その結果分析結果とデフォルト基準とが同一又は類似であった場合に、該分析結果をユーザーの行動と仮判断し、その判断をユーザーに確認し、ユーザーによって確認された判断を基に前記意思又は状態を形式化して前記一の基準を作成するルール生成部と、
前記一の基準を蓄積するとともに、ユーザーと同一又は類似する属性を有する他のユーザーの前記意思又は状態を表す他の基準を収集するルール収集部と、
前記一の基準と前記の他の基準とを用いて、基準の共通化、最適化を行い、前記一の基準を修正するデータマイニング部と、
として機能させることを特徴とする見守りプログラム。
【請求項10】
前記基準が、ユーザーの生活パターン毎に作成され、
前記基準作成部が、前記ユーザーの属性と同一又は類似する属性を有する他のユーザーの前記基準を含む生活パターンから前記属性に最適な生活パターンを抽出するパターンマイニング部と、
抽出された前記生活パターンをユーザーに提示する動作処理部と、
を備えていることを特徴とする請求項9に記載の見守りプログラム。
【請求項11】
前記パターンマイニング部が、前記生活パターンを構成する複数の行動パターン毎に前記属性に最適な行動パターンを抽出し、
前記動作処理部が、前記最適な行動パターンをユーザーに提示することを特徴とする請求項10に記載の見守りプログラム。
【請求項12】
前記ルール収集部が、インターネットを介して接続された蓄積サーバに蓄積された前記他の基準を収集することを特徴とする請求項9から11の何れか一つに記載の見守りプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーを支援する見守りロボット、見守り方法、及び見守りプログラムに関する。
【0002】
近年、高齢者の急増に伴い、一人暮らし世帯や高齢者のみの世帯が急増しており地域(在宅)における介護の必要性が高まっている。そこで、従来から行政機関や民間のボランティアによるヘルパー派遣などが行われているが、全国的な人手不足から十分な労働力を確保することが容易ではない状況にある。また、家庭においての在宅介護も家族構成や扶養意識の変化や女性の職場進出や地域社会の変容などにより十分な支援を行うことが難しく、介護者・非介護者双方に大きな負担となっている。さらに、高齢者の家庭内における不慮の事故である、例えば、転倒・転落、溺死・溺水、窒息等が発生した場合には、独居高齢者には致命傷となる。
【0003】
このような高齢者を中心とした要介護者の増大に伴い、様々な施策が提案されている。そのような状況下、介護を要する状態を引き起こさないために、また,介護を要する状態の進展を防ぎその軽減を図るために自助努力を基軸としつつ、保険・医療・福祉等の視点からなされる多面的なアプローチである介護予防という考え方が広がりつつある。
【0004】
介護予防の流れとして、(1)健康増進・生活習慣改善、(2)生活習慣病予防・健康診断(検診)、(3)疾病の早期発見・早期医療、(4)早期リハビリ・自助自立、そして、(5)廃用症候予防・寝たきり予防、という順に行われるという見方がある。これによれば、介護予防のためには、正しい生活リズムの維持、自分自身の健康状態に対する自覚、運動機能を維持するリハビリテーションとその持続が必要になる。そして、転倒などの事故を生じたときには、迅速な対応が図られるような見守りが必要になる。
【0005】
こうした介護予防や見守りをできるだけ人手を介さずに実現するため、様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1に示すように、音声認識ならびに音声合成可能なロボットを介してユーザーの在宅健康管理を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2004-337556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のロボットでは人の状況、動作の認識を受動的なセンサから得られる情報のみから行っている。そのため正確な人の状況や動作の意図を認識するのが難しく、適切な介護予防を行うことが困難である。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、受動的なセンサからのみならず、積極的にユーザーに働きかけることによって、ユーザーの状況や動作を把握することができるとともに、把握した状況や動作の認識の精度を高めることができる見守りロボット、見守り方法、及び見守りプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る見守りロボットは、ユーザーの身体情報を取得するユーザー情報入力部から取得した前記身体情報とユーザーの意思又は状態とを対応付ける一の基準を作成する基準作成部を備え、該基準作成部が、取得した前記身体情報から前記意思又は状態を分析するユーザー認識部と、該ユーザー認識部による分析結果をユーザーに確認して前記意思又は状態を形式化するルール生成部と、ユーザーと同一又は類似する属性を有する他のユーザーの前記意思又は状態を表す他の基準を収集するルール収集部と、前記他の基準の特徴を抽出して前記一の基準を修正するデータマイニング部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る見守り方法は、ロボットによるユーザーの見守り方法であって、ユーザーの身体情報を取得する取得ステップと、取得した前記身体情報とユーザーの意思又は状態とを対応付ける一の基準を作成する基準作成ステップと、を備え、該基準作成ステップが、取得した前記身体情報から前記意思又は状態を分析するユーザー認識ステップと、分析結果をユーザーに確認して前記意思又は状態を形式化するルール生成ステップと、ユーザーと同一又は類似する属性を有する他のユーザーの前記意思又は状態を表す他の基準を収集するルール収集ステップと、前記他の基準の特徴を抽出して一の基準を修正するデータマイニングステップと、を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る見守りプログラムは、コンピュータを介してユーザーを見守るための見守りプログラムであって、コンピュータを、ユーザーの身体情報を取得するユーザー情報入力部から取得した前記身体情報とユーザーの意思又は状態とを対応付ける一の基準を作成する基準作成部として機能させ、該基準作成部が、取得した前記身体情報から前記意思又は状態を分析するユーザー認識部と、該ユーザー認識部による分析結果をユーザーに確認して前記意思又は状態を形式化するルール生成部と、ユーザーと同一又は類似する属性を有する他のユーザーの前記意思又は状態を表す他の基準を収集するルール収集部と、前記他の基準の特徴を抽出して前記一の基準を修正するデータマイニング部と、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、受動的なセンサからのみならず、積極的にユーザーに働きかけることによって、ユーザーの状況や動作を把握することができるとともに、把握した状況や動作の認識の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る見守りロボットが配される部屋の内部を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る見守りロボットを示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る見守り方法を示すフロー図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る見守りロボットにおける基準の作成内容を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る見守りロボットにおける基準の作成要領を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る見守りロボットにおける生活パターンの基準の作成内容を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る見守りロボットによるユーザー支援要領を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る見守りロボットによる他のユーザー支援要領を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る一実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
本実施形態に係る見守りロボット10は、図1に示すように、扉D及び冷蔵庫Rや、ベッドB、体重計Mを備えるインテリジェントルームIR内にて、ユーザーUの見守りを行う。

【0015】
この見守りロボット10は、図2に示すように、インテリジェントルームIR内に設置されたルームサーバ11と、ユーザーUとのコミュニケーションのインタフェースとなるロボット本体12と、インテリジェントルームIR内にてユーザーUの身体情報を取得するユーザー情報入力部13と、を備えている。

【0016】
ルームサーバ11には、必要な処理を行うためのプログラム及びデータ等が記憶された不図示のROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に保存するための不図示のRAM(ランダムアクセスメモリー)、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行う不図示のCPU(中央演算処理装置)、が内蔵されている。

【0017】
このルームサーバ11は、機能手段(プログラムモジュール)として、基準作成部14と、サーバ側動作処理部(動作処理部)15と、基準蓄積部16と、を備えている。そして、インターネットWを介して外部の蓄積サーバSSと接続されている。

【0018】
基準作成部14は、後述するユーザー情報入力部13から取得した身体情報とユーザーUの意思又は状態とを対応付ける一の基準R1を作成するため、ユーザー認識部17と、ルール生成部18と、ルール収集部20と、データマイニング部21と、パターンマイニング部22と、を備えている。

【0019】
ユーザー認識部17は、ジェスチャ認識部23と、健康評価部25と、個人特定部26と、を備えて、取得した身体情報から意思又は状態を分析する。ジェスチャ認識部23は、例えば、特願2007-201447に記載のように、後述するカメラ32によって撮像されたユーザーUの顔及び手先の画像を解析から、ユーザーUの顔の向き、指差し方向を算出する。健康評価部25は、後述する生体情報測定部35によって検出されたユーザーUの生体情報から、例えば、特開2004-073520号公報又は特願2007-234725に記載のように、病態診断又はストレス評価を行う。個人特定部26は、後述する個人データ取得部36から得られた個人情報に基づき、公知の技術によってユーザーUの個人認証を行うとともに、予め格納されたユーザーUの個人属性を特定する。

【0020】
ルール生成部18は、ロボット本体12を介してユーザーUに現在の意思又は状況を確認して、ユーザー認識部17による分析結果をその意思又は状態を表す一の基準R1として形式化する。ルール収集部20は、インターネットWを介して蓄積サーバSSに蓄積されたユーザーUと同一又は類似する属性を有する他のユーザーの意思又は状態を表す他の基準や、これらを含む他のユーザーの生活パターン、行動パターンを収集する。

【0021】
データマイニング部21は、解析アルゴリズムによるマイニング処理を行い、収集した他の基準の特徴を抽出して一の基準R1を修正する。パターンマイニング部22は、データマイニング部21と同様の構成とされ、収集した生活パターンや行動パターンからユーザーUの属性にとって最適な生活パターンを抽出する。

【0022】
サーバ側動作処理部15は、提示されたユーザーUの意思や動きに対し、作成した一の基準R1健康状態、個人属性情報、ユーザーUの生活時間に基づいて、ユーザーUに提示すべき情報をロボット本体12の動作を介して伝達させる動作パターンを決定する。基準蓄積部16は、作成された基準R1を保存する。

【0023】
ロボット本体12は、サーバ側動作処理部15にて決定された動作処理が伝達されるロボット側動作処理部28と、音声を出力する音声出力部30と、ユーザーUに対して直感的な動きを通してジェスチャ動作を行う動作部31と、を備えている。ロボット本体12は、ルームサーバ11と無線LAN等によって接続されている。

【0024】
ユーザー情報入力部13は、ユーザーUの顔を含む画像を取得するカメラ32と、ユーザーUの音声が入力されるマイクロフォン33と、血圧や体温、脈波等の情報を検出する生体情報測定部35と、個人を特定するICタグ等に埋め込まれた属性情報を検出する個人データ取得部36と、インテリジェントルームIR内の扉D及び冷蔵庫Rに配された開閉センサ37と、を備えている。カメラ32、マイクロフォン33、生体情報測定部35、及び個人データ取得部36は、ロボット本体12に配されている。なお、これらはインテリジェントルームIRに配されていても構わない。開閉センサ37は、扉D及び冷蔵庫Rの開閉情報を入手するように、ネットワークを構成してユーザー認識部17と接続されている。

【0025】
次に、本実施形態に係る見守りロボット10による見守り方法について説明する。
例えば、ユーザーUが転倒した場合、本実施形態に係る見守り方法は、図3に示すように、取得ステップ(S11)と、基準作成ステップ(S12)と、を備えている。そして、基準作成ステップ(S12)は、ユーザー認識ステップ(S121)と、ルール生成ステップ(S122)と、ルール収集ステップ(S123)と、データマイニングステップ(S124)と、パターンマイニングステップ(S125)と、を備えている。

【0026】
取得ステップ(S11)は、ユーザー情報入力部13を介してインテリジェントルームIR内におけるユーザーUの動作を検知する。ロボット本体12は、図4及び図5に示すように、ユーザーUの転倒の様子をカメラ32にて撮像する。

【0027】
そして、基準作成ステップ(S12)に移行する。ユーザー認識ステップ(S121)では、ジェスチャ認識部23にて、例えば、特願2007-201447に記載のように、ユーザーUの顔及び手先の画像を解析する。そして、例えば、起立時の高さ方向をZ方向として、頭の位置を1、手を広げたときの方向をX方向又はY方向として手先の位置を1とし、起立の状態から転倒の状態までの動線に沿ったそれぞれの相対位置を公知の方法にてXYZ空間で座標化する。

【0028】
次に、ルール生成ステップ(S122)では、座標化した動線の、例えば、変曲点及びその時間と、あらかじめルール収集部20に蓄積された同様に転倒を示すデフォルト基準とをルール生成部18にて参照し、同一又は類似する場合にはユーザーUの状態が転倒状態であると仮判断する。そして、サーバ側動作処理部15及びロボット側動作処理部28を介して、ロボット本体12からユーザーUに大丈夫かどうかを確認する。この際、ユーザーUからの返答が“No”であったり、返答がなかったりした場合には、ユーザーUが実際に転倒したものと判断し、転倒を示す一の基準R1を作成する。

【0029】
ルール収集ステップ(S123)では、この一の基準R1を蓄積するとともに、ルール収集部20にて、蓄積サーバSSからユーザーUと同一又は類似する属性を有する他のユーザーの転倒に係る基準を収集する。そして、データマイニングステップ(S124)にて、公知のデータ処理技術に基づき、基準の共通化、最適化を図り、基準R1を修正する。こうして得られた基準R1を転倒判断の新たな基準R1とするとともに、蓄積サーバSSと共有する。

【0030】
そして、図6に示すように、例えば、起床、テレビを見る、入浴、ふらつき、転倒、生体情報測定部35で健康状態を測定、といったユーザーUの1日の生活パターンにわたって、それぞれの意思又は状態を認識するための基準を作成していく。この際、さらに、パターンマイニングステップ(S125)にて、同一又は類似する属性を有する他のユーザーの生活パターンを蓄積サーバSSから収集し、公知の技術に基づくクラスタリングにて煩雑に発生する相関ルールを発見する。

【0031】
基準が作成された後は、ユーザーUの生活パターンに対して様々な支援を行う。例えば、ユーザーUと同一又は類似する属性の他のユーザーは、1日のうち、ある時間帯に運動することによって健康が維持されていることが相関ルールとして認識できた場合について、図7に示すように、その生活パターンをユーザーUに推奨する場合について説明する。

【0032】
この場合、上記方法に基づき、健康な人の起床時間や運動時間、就寝時間についての基準を作成する。そして、起床時間になったとき、基準に基づきロボット本体12が起床を促す。同様に、運動時間になったときには、ロボット本体12が運動を促し、就寝時間になったときには就寝を促す。

【0033】
すなわち、作成された各種基準に基づき、サーバ側動作処理部15にて起床や運動、就寝についての呼びかけに関する処理がなされ、ロボット側動作処理部28に伝達される。ロボット本体12側では、音声出力部30及び動作部31から起床や運動を呼びかける音声や動作が出力される。ユーザーUが運動することに承服した場合には、その意思をマイクロフォン33等にて把握した後、ユーザーUの健康評価のため、例えば、生体情報測定部35による測定を促し、運動前の健康状態を把握する。その後、ユーザーUが運動する状態をカメラ32で撮像し、ユーザー認識部17を介して運動量を測定する。

【0034】
また、ユーザーUの属性として個人データ取得部36にて趣味や嗜好まで含めた個人情報を取得して個人属性を特定した後、同様にこれに関する基準を作成し、その後、ユーザーUの趣味や嗜好にあうテレビ番組や、競技場、コンサート会場等をWEBから検索し、これをユーザーUに知らせてもよい。

【0035】
例えば、1日の生活パターンが同一であっても、趣味や嗜好等の属性によって生活パターンを構成する各行動パターンが異なる場合がある。このような場合について、例えば、片付けロボット40に食器を片付けさせる場合について、図8を用いて説明する。

【0036】
この場合、上述した基準作成ステップ(S12)にて食器の片付け動作の順番について基準を作成する。この際、まずは、デフォルト基準に基づき、食器を片付けていく。ここで、ユーザーUが例えばお茶が好きという属性を有しており、食後もゆっくりお茶を楽しむために、茶器は最後に片付けてほしい場合には、片付けを進める途中でユーザーUが片付けの中断の指示又は意思を表明する。これをユーザー認識部17にて認識した場合、ルール収集ステップ(S123)では、ユーザーUと同一又は類似する属性を有する他のユーザーの片付けに関する基準を収集する。そして、パターンマイニングステップ(S125)にて相関ルールを発見した場合には、片付け順番に関する基準を新たなものに修正する。

【0037】
この見守りロボット10、見守り方法、及び見守りプログラムによれば、ユーザーUの意思又は状態の認識の正誤を判断する基準の作成に際し、ユーザーUの意思又は状態と関連した身体情報を取得した際、ユーザーUに意思又は状態を確認して一の基準R1として形式化することができ、より正確な判断基準を作成することができる。この際、他人の同一又は類似の意思又は状態を示す基準を収集して共通する特徴を抽出してフィードバックするので、作成基準の精度を高めることができる。

【0038】
また、作成した意思又は状態に関する基準に基づき、ユーザーUの1日の正確な生活パターンを認識することができ、さらに、同一又は類似する他人から取得した生活パターンと比較することによって、ユーザーUの属性に最適な生活パターンをユーザーUに提示して、生活支援を行うことができる。

【0039】
この際、生活パターンに限らず、生活パターンにおける各行動パターンに対しても、ユーザーUの属性に最適なものを提示することができる。

【0040】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、ユーザーUが転倒した場合、図1に示すように、ルームサーバ11から所定の条件下で異常と判定して予め許可された第三者にその旨を電子メールEM等で連絡するようにしてもよい。また、見守りロボット10が、ルームサーバ11とロボット本体12とを個別に備えているとしているが、それに限定されることはなく、両者が一体となっていても構わない。

【0041】
また、開閉センサ37は、扉D及び冷蔵庫Rに配されているとしているが、それ以外のものに配されていてもよく、例えば、仕切りで区切られて日々の摂取すべき薬が分類され、インテリジェントルームIR内に配された不図示の薬箱に配されていてもよい。これにより、ユーザーUが薬を薬箱から取り出して飲む、という情報をユーザー情報入力部13を介して入手し、このような動作に対しても上述したような見守り方法を適用することによって同様の基準を作成することができ、さらにはユーザーUの生活支援を行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
10 見守りロボット
13 ユーザー情報入力部
14 基準作成部
15 サーバ側動作処理部(動作処理部)
17 ユーザー認識部
18 ルール生成部
20 ルール収集部
21 データマイニング部
22 パターンマイニング部
R1 基準
U ユーザー
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7