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明細書 :技能体験システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5382712号 (P5382712)
登録日 平成25年10月11日(2013.10.11)
発行日 平成26年1月8日(2014.1.8)
発明の名称または考案の名称 技能体験システム
国際特許分類 G09B  19/24        (2006.01)
G09B   9/00        (2006.01)
FI G09B 19/24 Z
G09B 9/00 Z
請求項の数または発明の数 2
全頁数 11
出願番号 特願2009-206669 (P2009-206669)
出願日 平成21年9月8日(2009.9.8)
審査請求日 平成24年9月3日(2012.9.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
発明者または考案者 【氏名】坂口 正道
【氏名】藤本 英雄
【氏名】武居 直行
特許請求の範囲 【請求項1】
生徒に教師の技能を体験させる技能体験システムにおいて、
前記教師の身体運動情報を実時間で計測する身体の運動計測手段と、
前記教師が道具を用いて作業を行う際の操作力情報を実時間で計測する操作力計測手段と、
前記運動計測手段の身体運動情報に基づき時間ごとの運動目標値を生成する手段と、
前記操作力計測手段の操作力情報に基づき時間ごとの力目標値を生成する手段と、
前記運動目標値に基づき運動の制御が行われ、
前記生徒の身体の一部に対し運動を提示する運動提示手段と、
前記力目標値に基づき提示力の制御が行われ、
前記生徒が用いる道具を、前記運動提示手段と同期して操作し、
力を提示する力提示手段と、
を備えることを特徴とする技能体験システム。
【請求項2】
前記力提示手段は、一方は、前記生徒の身体の一部に接続し、他方は、前記生徒が把持する道具に接続することを特徴とする請求項1に記載の技能体験システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は,教師である高度技能保持者の技能を生徒に体験させる技能体験システムに関するものである。伝統工芸,書画,スポーツ,医療手技,微細作業など,知識だけでなく動きと力加減が重要な技能の訓練において,熟練者である教師の技能を被験者である生徒に体験させる。
【背景技術】
【0002】
伝統号芸やスポーツ,医療手技などにおいて,自分の手あるいは道具を使って作業を行うためには,技能が必要である。技能は,知識とは異なり,座学で勉強しただけで習得できるものではなく,訓練が必要である。
【0003】
従来から行われている技能伝承の手法に,徒弟制度がある。弟子は,師匠の下に弟子入りし,師匠の作業における技能を目にしながら自分でも作業に従事し,技能を習得していく。このとき,師匠は手取り足取り教えたりはせず,現場での真剣勝負の技能をやって見せるだけである。弟子は現場において師匠の熟練技能を直接目にし,その後実作業において試行錯誤を繰り返しながら訓練していく。この手法により技能を習得するには,多くの時間を必要とする。
【0004】
教師の熟練技能を目で見るとき,作業の手順やタイミング,道具の使い方や手の動かし方は直接見ることができる。しかし,その後自分で訓練を行う時に,教師の動作と自分の動作の差を知ることは難しい。また,力の掛け具合,手先や道具越しの感覚は,目で見ていても直接知ることはできない。
【0005】
これに対し,近年計測技術やロボット,バーチャルリアリティ技術を活用したさまざまな技能訓練システムが研究開発されている。
【0006】
例えば,手本となる教師の手や教師の書いた手本となる文字のコンピュータグラフィックスによる映像をハーフミラーを使って重畳して提示するシステムが開発されている(非特許文献1参照)。
【0007】
1台のハプティックデバイスを用いて,習字において教師が手本の文字を書くときの位置と力の情報を計測し,その後ハプティックデバイスと映像を用いて生徒に提示するバーチャルレッスンシステムが開発されている(非特許文献2参照)。
【0008】
2台のハプティックデバイスを用いて,1台を教師が操作し,もう1台を生徒が把持し,教師の動作をネットワークを介して伝送し,生徒に体験させるシステムが開発されている(非特許文献3参照)。
【0009】
指先の位置を提示するデバイスに圧迫機構を追加することで,指先の位置と圧迫力を同時に提示するシステムが開発されている(非特許文献4参照)。
【0010】
教師の書画時の位置と力を計測し,内力提示とVirtual Fixturesを用いて位置と力を同時に提示する教示手法が開発されている(非特許文献5参照)。
【0011】
また,筋電位等により訓練者の運動パターンを計測し,目標の運動パターンと比較し,その差を振動を用いて提示する運動技能訓練装置が発明されている(特許文献1参照)。
【0012】
教師の動作を記録し,生徒の動作と合わせてディスプレイに提示し,生徒が教師の動作をまねる人間軌道学習システムが発明されている(特許文献2参照)。
【0013】
乗員の頭部に頭部拘束部を,腰に座部を接触させ,足台に対し運動させることでロボットの体感を再現する人間型ロボット体感提示装置およびマスタスレーブ制御装置が発明されている(特許文献3参照)。
【0014】
協調メディアによりある人間の体験を記録し,ネットワークを介して知育メディアに伝送し,知育メディアにおいて別の人間が他人の体験を追体験するインタラクション・メディア装置及び同装置を用いた体験伝達システムが発明されている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【0015】

【非特許文献1】吉田知史,村中徳明,今西茂:バーチャル・リアリティを用いた書道習得のための教育的応用システムの構築,電気学会論文誌C,117-C巻,11号,pp.1629-1634,1997年.
【非特許文献2】逸見和之,吉川恒夫:バーチャルレッスンの概念とそのバーチャル習字システムへの応用,日本バーチャルリアリティ学会論文誌,3巻,1号,pp.13-19,1998年.
【非特許文献3】佐久間正泰,正守晋,原田哲也,平田幸広,佐藤誠:SPIDARによる遠隔書道教示システム,電子情報通信学会技術研究報告,MVE99,52,pp.27-32,1999年.
【非特許文献4】吉川恒夫,菊植亮:人間から人間への技能伝達のための指先圧迫機能を付加した力覚提示装置,日本バーチャルリアリティ学会論文誌,5巻,1号,pp.803-809,2000年.
【非特許文献5】嵯峨智,川上直樹,舘▲章▼:力覚の主体性を活用した教示手法に関する研究,日本バーチャルリアリティ学会論文誌,10巻,3号,pp.363-369,2005年.
【0016】

【特許文献1】特許第2562786号公報
【特許文献2】特表平10-502465号公報
【特許文献3】特許第3190026号公報
【特許文献4】特許第3733075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
まず,従来の徒弟制度の様に,教師である名人の実作業における技能を見学することは,技能訓練においてとても重要である。しかしながら,技能を目で見ていると,その動作を頭でイメージすることはできても,弟子は手の動きを実際に体験はしていない。また,教師の力や手の感覚については,いくら目で見ていても直接見ることはできない。この様に,技能を修得する上で教師の実際の作業をその場で見ることが重要であるが,見ているだけでは直接感じられない情報が存在する点が課題であった。
【0018】
例えば非特許文献1や特許文献2の様に,教師の動きと生徒の動きを映像として記録したり,その動作を計測してコンピュータグラフィックス等を用いて画面に提示したりする方法がある。この方法では,生徒の動きと教師の動きの差を視覚的に確認することができる。
【0019】
教師と生徒の動きの差を減らすように動作することで,生徒は教師の動作を模倣することができる。しかしこの方法では,生徒の技能レベルや練習量に関係なく,誰でも教師の動作を体験することはできない他,力や手の感覚を直接感じることもできない。
【0020】
特許文献1の様に,筋電位などの生体信号のパターンを計測し,その信号と目標となる信号パターンを比較し,その差を振動刺激等を用いて身体に提示する方法がある。この場合,計測されている筋電位等の生体信号は,身体の一部の運動情報である。また,振動刺激の提示も,身体の一部に対する情報提示である。このため,教師と生徒の差を減少させる訓練に用いることはできるが,映像を用いた提示と同様に,教師の運動や力の感覚を容易に体験することはできない。
【0021】
非特許文献2や非特許文献3の様に,被験者に位置や力を提示可能なハプティックデバイスを用いた技能訓練システムや技能教示システムがある。また,SensAble Technologies社のPHANToMやForce Dimension社のOmega Feedback Deviceも,バーチャルリアリティにおける力提示や技能訓練システムに良く用いられている。これらの方法では,被験者や生徒は1台のハプティックデバイスの一部を把持する。ハプティックデバイスは一種のロボットシステムであるが,その先端部など生徒が把持している部分の位置と力を同時に制御することはできない。
【0022】
非特許文献4の様に,ハプティックデバイスに圧迫力提示機構を追加した力提示装置が開発されている。この装置では,圧力の提示により把持力など内力の感覚を擬似的に提示可能であるが,操作力という外力の提示はできない。同様に,Immersion社のCyberForceは,手の位置提示と指への力提示が可能であるが,道具を用いた操作力の提示はできない。
【0023】
非特許文献5では,内力提示とViertual Fixtureを用いた位置と力の同時制御が行われている。訓練の結果として,生徒が自ら手を動かして計測した教師の軌跡と操作力を再現することが可能である。しかし,教師から計測した軌跡や操作力を体験できてはいない。
【0024】
特許文献3では,搭乗者の足を載せている台部に対し,頭部や腰部の位置を制御することでロボットの体感を提示している。しかし,この装置により道具を用いた技能の提示はできない。
【0025】
特許文献4では,協調メディアにより体験情報を記録し,ネットワークを介して通信して知育メディアにより体験情報の体験を可能としている。しかし,この方法は記録と体験が実時間では行われていない。
【0026】
本発明は、上記問題に鑑みたもので、生徒の手を運動目標値に従い動作させ,生徒が把持する道具に対し力目標値に従い力を提示することで,生徒に対する位置と力の同時提示を実現し,教師の動作と操作力の同時体験を可能とする技能体験システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
請求項1に記載の発明は,生徒に教師の技能を体験させる技能体験システムにおいて,教師の身体運動情報を実時間で計測する手段と,教師が道具を用いて作業を行う際の操作力情報を実時間で計測する手段と,運動計測手段の身体運動情報に基づき運動目標値を生成する手段と,力計測手段の操作力情報に基づき力目標値を生成する手段と,運動目標値に基づき運動の制御が行われ,生徒の身体の一部に対し運動を提示する運動提示手段と,力目標値に基づき提示力の制御が行われ,生徒が把持する道具に力を提示する力提示手段とを備える。
【0028】
教師の作業時の身体運動情報と操作力情報を実時間で生徒にそれぞれ独立に提示することにより,生徒の手を運動目標値に従い動作させ,生徒が把持する道具に対し力目標値に従い力を提示することで,生徒に対する位置と力の同時提示を実現し,教師の動作と操作力の同時体験を可能とする。
【0029】
請求項2に記載の発明は,請求項1に記載の技能体験システムにおいて,力提示手段は,運動提示手段の上に設置され,力提示手段と運動提示手段とが同期して動作し,教師の身体運動情報は生徒の手に対し提示され,教師の操作力情報は生徒が把持する道具に対し提示され,教師の操作力情報が,生徒の手と道具の間の内力として提示されることを特徴とする。このことにより、力提示手段と運動提示手段とを一体的に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の技能体験システムの実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明の技能体験システムにおいて,教師の動作及び操作力を計測する技能計測システムの実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明の技能体験システムにおいて,教師の動作及び操作力を生徒に提示する技能提示システムの実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明の技能体験システムにおいて,教師の操作力を提示する力提示部を運動提示装置の上に設置した技能提示システムの実施形態を示す構成図である。
【図5】本発明の技能体験システムにおいて,リニアガイドアクチュエータを用いて技能提示システムを構成した実施形態を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下,本発明について実施形態に基づき図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の請求項1に記載の技能体験システムの実施形態を示す構成図,図2は本発明の請求項1に記載の技能体験システムにおいて,教師の動作及び操作力を計測する技能計測システムの実施形態を示す構成図,図3は本発明の請求項1に記載の技能体験システムにおいて,教師の動作及び操作力を生徒に提示する技能提示システムの実施形態を示す構成図,図4は本発明の請求項2に記載の技能体験システムにおいて,教師の操作力を提示する力提示部を運動提示装置の上に設置した技能提示システムの実施形態を示す構成図,図5は本発明の請求項2に記載の技能体験システムにおいて,リニアガイドアクチュエータを用いて技能提示システムを構成した実施形態を示す構成図である。

【0032】
本実施形態の技能体験システムの構成図を図1に示す。図1に示す技能体験システムは,教師1と教師が用いる道具2,教師の手や指の動きなどの身体運動を実時間で計測する身体運動計測装置3と教師の操作力を実時間で計測する操作力計測装置4で構成される技能計測システム5,教師の身体運動情報に基づき時間ごとの運動目標値を生成する運動目標値生成装置6と教師の操作力情報に基づき時間ごとの力目標値を生成する力目標値生成装置7を含む計測制御用計算機8,運動目標値に基づき実時間で運動の制御が行われ生徒12の身体の一部に対し手の位置などの運動を提示する運動提示装置9と力目標値に基づき実時間で提示力の制御が行われ生徒が把持する道具13に対し力を提示する力提示装置10から構成される技能提示システム11で構成される。

【0033】
図1における技能計測システム5の一実施形態の構成図を図2に示す。図2に示す実施形態は,書道を対象とした技能計測システムの実施形態の一つである。教師21は教師の手22により筆の柄23を把持し,筆先24を用いて紙25に文字を描くことができる。この時,教師の手22の位置及び姿勢情報は,磁場を発生させるトランスミッタ26と磁場の変化を計測するレシーバ27で構成される三次元位置計測システムを用いて計測され,計測制御用計算機8にその情報が伝送される。また,筆の柄23と筆先24の間には,力覚センサ28が設置されており,教師が文字を描く際の操作力を計測し,計測制御用計算機8にその情報を伝送する。

【0034】
なお,本実施形態は書道を対象としているが,本発明は書道の技能に限定されるものではなく,伝統工芸の技能,スポーツにおける技能,手術手技の技能,ものづくりにおける微細作業の技能など,様々な技能が対象となる。また,教師の手の位置を計測する三次元位置計測システムは,図2に示す磁気式三次元計測システムに限定されず,赤外線反射マーカーを用いたパッシブ型光学式三次元位置計測システム,赤外線LEDを用いたアクティブ型光学式三次元計測システム,ビデオカメラを用いて映像マーカーの位置や対象物の特徴点等を利用し画像処理により位置を計測する三次元位置計測システムなど,一般的な三次元位置計測システムを利用することができる。また,計測する位置及び姿勢情報は,位置の3自由度と姿勢の3自由度の合計6自由度を全て計測することも可能であり,必要に応じてその一部の情報を計測して利用することも可能である。また,道具に装着して操作力を計測する力覚センサは,必要に応じて並進の1自由度,並進の3自由度,あるいは回転トルクも含む6自由度など,様々な自由度の一般的な力覚センサが使用可能である。

【0035】
図1における計測制御用計算機8は,技能計測システム5において計測された教師の身体運動情報及び操作力情報を入力とし,運動目標値生成装置6及び力目標値生成装置7を用いて,運動目標値及び力目標値を生成する。教師の身体運動情報や操作力情報は,デジタル信号で計測される場合は,シリアル通信又はパラレル通信などの通信手段を用いて計測制御用計算機8に入力する。身体運動情報や操作力情報がアナログ信号として計測される場合は,A/D変換器を介して計測制御用計算機8に入力する。

【0036】
図1における運動目標値生成装置6及び力目標値生成装置7では,入力された教師の身体運動情報及び操作力情報をもちいて,運動目標値及び力目標値を生成する。運動目標値及び力目標値は,計測された教師の身体運動情報及び操作力情報をそのまま利用することができる。つまり,教師の身体運動と教師の操作力がそのまま生徒に提示されるように運動目標値及び力目標値を生成することができる。なお,運動目標値の生成においては,教師の身体運動情報を計測する側の3次元位置の基準点と運動提示装置側の3次元位置の基準点とを考慮して運動目標値を生成する。また,生成する運動目標値や力目標値を,計測した教師の身体運動情報や操作力情報に対し拡大したり縮小したりするなど,必要に応じてそのスケールを可変にすることができる。

【0037】
図3に,計測制御用計算機内で生成された運動目標値及び力目標値に基づき,生徒に運動及び力を提示する技能提示システムの実施形態を示す。生徒31は生徒の手32を介して筆の柄に対応する把持部33を把持する。運動提示装置34は,1台または複数のアクチュエータ,センサ,機構等で構成されたロボットシステムであり,生徒の手32において生徒と接触している。運動提示装置34が運動目標値に基づきその運動が制御されることによって,運動提示装置34と接触している生徒の手32が動かされ,生徒に教師の運動が提示される。また,力提示装置35もまた,1台または複数のアクチュエータ,センサ,機構等で構成されるロボットシステムであり,生徒31が生徒の手32を介して把持している把持部33に接続されている。力提示装置35が力目標値に基づきその力あるいは運動を制御されることによって,把持部33の先端が操作され,生徒31には生徒の手32,把持部33を介して力が提示される。例えば,図2に示す実施形態において、教師21が筆の柄23を下側に操作し筆先24を紙25に押し付けながら文字を描いた場合に,図3に示す実施形態における力提示装置35が把持部33の先端を運動提示装置34に対し相対的に上側に操作すれば,生徒の手32が運動提示装置34と接触していることにより,生徒31には教師21の手の位置と共に把持部33を下側に押し付けているのと同等の力が提示されることになる。

【0038】
図3に示す技能提示システムにおいて,具体的には,計測制御用計算機内の運動目標値生成装置及び力目標値生成装置により生成した運動目標値及び力目標値を,D/A変換器でアナログ信号に変換して出力しモータドライバに入力し,運動提示装置及び力提示装置の動作を制御する。アクチュエータには位置センサと減速機,機構が接続されており,各目標値に基づき位置制御,速度制御または力制御を実施することができる。なお,図3に示すのは技能提示システムの実施形態の一つであり,運動提示装置34や力提示装置35に用いられるアクチュエータ,センサ,減速機,機構には特に制限は存在しない。

【0039】
図4に,教師の操作力を提示する力提示部を運動提示装置の上に設置した,つまり両者を一体的に構成した技能提示システムの実施形態を示す。生徒41は,生徒の手42を介して筆の柄に相当する把持部43を把持している。また,運動提示装置44は,1台または複数のアクチュエータ,センサ,機構等で構成されたロボットシステムであり,生徒の手42において生徒と接触している。運動提示装置44が運動目標値に基づきその運動が制御されることによって,運動提示装置44と接触している生徒の手42が動かされ,生徒に教師の運動が提示される。また,力提示装置45もまた,1台または複数のアクチュエータ,センサ,機構等で構成されるロボットシステムであり,運動提示装置44の上に設置されており,生徒41が生徒の手42を介して把持している把持部43に接続されている。力提示装置45が力目標値に基づきその力あるいは運動を制御されることによって,把持部43の先端が操作され,生徒41には生徒の手42,把持部43を介して力が提示される。

【0040】
図5に,本発明の技能体験システムにおいて,リニアガイドアクチュエータを用いて技能提示システムを構成した実施形態を示す。生徒51は,生徒の手52を介して把持部53を把持している。また,生徒の手52は,リンク54を介して運動提示装置のz軸リニアガイドアクチュエータ55に接続されている。z軸リニアガイドアクチュエータ55は,y軸リニアガイドアクチュエータ56に接続されており,y軸リニアガイドアクチュエータ56はx軸リニアガイドアクチュエータ57に接続されている。この運動提示装置をもちいることで,生徒の手52の3次元的な位置を制御し,生徒に運動情報を提示することができる。また,z軸リニアガイドアクチュエータ55の上には,力提示装置の力提示軸リニアガイドアクチュエータ58が設置され,力提示軸リニアガイドアクチュエータ58の先が把持部53の先端に接続されている。力提示軸リニアガイドアクチュエータ58を力目標値に基づきその力または運動を制御することで,運動提示装置による生徒の手52に対する運動提示とは独立して,把持部53の先端に力を提示することができる。なお,把持部53の途中に力覚センサ59を設置することで,生徒に提示されている力を計測したり,提示力の制御に用いたりすることができる。

【0041】
図5に示す実施形態は,運動提示の自由度が3自由度,力提示の自由度が1自由度となっているが,これは一つの実施形態に過ぎないため,技能提示システムにおいて生徒に提示する運動又は力の自由度は特に制限は存在しない。
【符号の説明】
【0042】
1 教師
2 教師が使用する道具
3 身体運動計測装置
4 操作力計測装置
5 技能計測システム
6 運動目標値生成装置
7 力目標値生成装置
8 計測制御用計算機
9 運動提示装置
10 力提示装置
11 技能提示システム
12 生徒
13 生徒が把持する道具
21 教師
22 教師の手
23 筆の柄
24 筆先
25 紙
26 三次元位置計測システムトランスミッタ
27 三次元位置計測システムレシーバ
28 力覚センサ
31 生徒
32 生徒の手
33 把持部
34 運動提示装置
35 力提示装置
41 生徒
42 生徒の手
43 把持部
44 運動提示装置
45 力提示装置
51 生徒
52 生徒の手
53 把持部
54 z軸リンク
55 z軸リニアガイドアクチュエータ
56 y軸リニアガイドアクチュエータ
57 x軸リニアガイドアクチュエータ
58 力提示軸リニアガイドアクチュエータ
59 力覚センサ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4