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明細書 :物理量センサ及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5463510号 (P5463510)
公開番号 特開2012-007911 (P2012-007911A)
登録日 平成26年1月31日(2014.1.31)
発行日 平成26年4月9日(2014.4.9)
公開日 平成24年1月12日(2012.1.12)
発明の名称または考案の名称 物理量センサ及びその製造方法
国際特許分類 G01L   1/16        (2006.01)
FI G01L 1/16 C
請求項の数または発明の数 6
全頁数 16
出願番号 特願2010-141923 (P2010-141923)
出願日 平成22年6月22日(2010.6.22)
審査請求日 平成24年11月26日(2012.11.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】592216384
【氏名又は名称】兵庫県
発明者または考案者 【氏名】蒋 永剛
【氏名】樋口 行平
【氏名】濱田 浩幸
【氏名】前中 一介
個別代理人の代理人 【識別番号】100127203、【弁理士】、【氏名又は名称】奈良 泰宏
審査官 【審査官】公文代 康祐
参考文献・文献 米国特許出願公開第2006/0211217(US,A1)
米国特許第05054323(US,A)
特表平02-501252(JP,A)
特開昭60-034293(JP,A)
特開昭63-142227(JP,A)
特開平10-332512(JP,A)
特開2005-249785(JP,A)
特表2010-501849(JP,A)
特表2008-516202(JP,A)
実開昭63-084540(JP,U)
調査した分野 G01L 1/16
G01L 5/00
G01L 9/08
G01B 7/00
G01P 15/09
H01L 41/08
特許請求の範囲 【請求項1】
第1の電極層と、前記第1の電極層上に設けられた第1の圧電素子と、前記第1の圧電素子上に設けられた第2の電極層と、を有した第1の物理量検出部と、
第3の電極層と、前記第3の電極層上に設けられた第2の圧電素子と、前記第2の圧電素子上に設けられた第4の電極層と、を有した第2の物理量検出部と、を備えた物理量センサであり、
前記第1の圧電素子の厚さ方向中心線が、前記物理量センサの中立軸と略一致又は一致するように、前記第1の圧電素子が配設され、
前記第2の圧電素子の厚さ方向中心線が、前記物理量センサの中立軸に対して偏在するように、前記第2の圧電素子が配設されていることを特徴とする物理量センサ。
【請求項2】
前記第1の物理量検出部と前記第2の物理量検出部とが並設されており、前記第1の電極層の一部と前記第3の電極層の一部とが、一層の電極層を形成するように接続されていることを特徴とする請求項1に記載の物理量センサ。
【請求項3】
前記第1の物理量検出部の少なくとも一方側に、可撓性絶縁層を介して前記第2の物理量検出部が積層形成されていることを特徴とする請求項1に記載の物理量センサ。
【請求項4】
前記第1の圧電素子側の第1の電極が基板に固定され、前記第2の圧電素子が外部からの振動によって所定方向に揺動可能な片持ち梁型のものであることを特徴とする請求項2に記載の物理量センサ。
【請求項5】
表面の少なくとも一部に、ポリジメチルシロキサン基板が設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の物理量センサ。
【請求項6】
請求項2に記載の物理量センサの製造方法であって、
前記一層の電極層上に圧電素子層を積層した後、エッチングして前記第1の圧電素子と前記第2の圧電素子とを形成する圧電素子形成工程と、
前記第1の圧電素子及び前記第2の圧電素子上に導電層を積層した後、エッチングして前記第3の電極層を前記第1の圧電素子上に形成するとともに、前記第4の電極層を前記第2の圧電素子上に形成する電極層形成工程と、を有していることを特徴とする物理量センサの製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物理量を計測するための物理量センサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に開示されているように、圧力を検出して、圧覚およびすべり覚の両方を同時に検出することができるとともに、表面状態の凹凸も検出することができるセンサが公知となっている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2002-31574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年では、圧力検出機能だけでなく、被対象物から他の物理量を検出して、被対象物の状態を検出するようなセンサが求められている。例えば、被対象物からの圧力を検出するとともに、被対象物の曲げ動作変位検出などを一つのセンサで同時に行うことが望まれている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、複数の物理量を同時に検出することができる物理量センサ及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明の物理量センサは、第1の電極層と、前記第1の電極層上に設けられた第1の圧電素子と、前記第1の圧電素子上に設けられた第2の電極層と、を有した第1の物理量検出部と、第3の電極層と、前記第3の電極層上に設けられた第2の圧電素子と、前記第2の圧電素子上に設けられた第4の電極層と、を有した第2の物理量検出部と、を備えた物理量センサであり、前記第1の圧電素子の厚さ方向中心線が、前記物理量センサの中立軸と略一致又は一致するように、前記第1の圧電素子が配設され、前記第2の圧電素子の厚さ方向中心線が、前記物理量センサの中立軸に対して偏在するように、前記第2の圧電素子が配設されているものである。

【0007】
上記(1)の構成によれば、複数の物理量を同時に検出することができる。例えば、第1の圧電素子によって被対象物からの圧力を検出するとともに、第2の圧電素子によって被対象物の曲げ動作変位検出などを同時に行うことができる。したがって、本発明の物理量センサは、例えば、接触センサとして用いることが可能である。
【0008】
(2) 上記(1)の物理量センサにおいては、前記第1の物理量検出部と前記第2の物理量検出部とが並設されており、前記第1の電極層の一部と前記第3の電極層の一部とが、一層の電極層を形成するように接続されているものであってもよい。
【0009】
上記(2)の構成によれば、センサの厚みを薄くすることができるとともに、第1の物理量検出部と第2の物理量検出部とに共通する電極を一つのプロセスで形成することが可能であることから、容易に製造することが可能である。
【0010】
(3) 上記(1)の物理量センサにおいては、前記第1の物理量検出部の少なくとも一方側に、可撓性絶縁層を介して前記第2の物理量検出部が積層形成されているものであってもよい。
【0011】
上記(3)の構成によれば、第1の物理量検出部及び第2の物理量検出部を集積化できるので、より小型の物理量センサとすることができる。また、第1の物理量検出部の圧電素子の両面側に配設するように第2の物理量検出部の圧電素子を積層形成することとすれば、第2の物理量検出部におけるセンサ感度を倍にすることができる。
【0012】
(4) 上記(2)の物理量センサにおいては、前記第1の圧電素子側の第1の電極が基板に固定され、前記第2の圧電素子が外部からの振動によって所定方向に揺動可能な片持ち梁であってもよい。
【0013】
上記(4)の構成によれば、例えば、第1の圧電素子によって被対象物からの圧力を検出するとともに、第2の圧電素子によって被対象物の振動検出を行うこともできる。
【0014】
(5) 上記(1)~(4)の物理量センサにおいては、表面の少なくとも一部に、ポリジメチルシロキサン(以下、PDMSと表す。)基板が設けられていることが好ましい。
【0015】
上記(5)の構成によれば、PDMS基板に生体適合性があるので、該PDMS基板を介して、本物理量センサを動物の肌などに長時間貼り付けることができるとともに、脈拍、心拍、呼吸などの生体情報を得ることができる。
【0016】
(6) 本発明の物理量センサの製造方法は、上記(2)に記載の物理量センサの製造方法であって、前記一層の電極層上に圧電素子層を積層した後、エッチングして前記第1の圧電素子と前記第2の圧電素子とを形成する圧電素子形成工程と、前記第1の圧電素子及び前記第2の圧電素子上に導電層を積層した後、エッチングして前記第3の電極層を前記第1の圧電素子上に形成するとともに、前記第4の電極層を前記第2の圧電素子上に形成する電極層形成工程と、を有しているものである。
【0017】
上記(6)の構成によれば、容易に上記(2)に記載の物理量センサを製造することができる。特に、第1の物理量検出部と第2の物理量検出部とに共通する電極を一つのプロセスで形成することが可能であることから、容易に上記(2)に記載の物理量センサを製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る物理量センサの平面図である。
【図2】図1のI-I矢視断面図である。
【図3】図1に示した物理量センサにおける製造工程を順に示した図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る物理量センサの断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る物理量センサの断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る物理量センサの断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例に係る物理量センサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る物理量センサについて説明する。

【0020】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る物理量センサ100は、基板1と、基板1上に形成されている電極層2と、電極層2上に並設されている圧電素子3a及び圧電素子3bと、圧電素子3a、3b上にそれぞれ形成されている電極層4a、4bと、電極層2、圧電素子3a、3b及び電極層4a、4bを保護している保護層5a、5b、5c、5d、5eと、を備えているものである。また、基板1、電極層2、圧電素子3a(第1の圧電素子)、電極層4a(第3の電極層)、保護層5a、5b、5c、5d、5eで、第1の物理量検出部6を構成しており、基板1、電極層2、圧電素子3b(第2の圧電素子)、電極層4b(第4の電極層)で、第2の物理量検出部7を構成している。

【0021】
基板1は、可撓性又は柔軟性を有した絶縁材料からなるものである。なお、基板1は、柔軟性又は可撓性を有したものであれば、目的によってどのような材質のものを用いてもよい。例えば、物理量センサ100を生体に貼り付けて使用するような場合には、生体適合性を考慮して、PDMSを用いてもよい。

【0022】
電極層2、4a、4bは、可撓性又は柔軟性を有した電導性材料からからなり、例えば、銅、銀、金、ニッケル-銅合金、導電性ポリマーなどを用いることができる。

【0023】
圧電素子3a、3bは、可撓性又は柔軟性を有した圧電材料からなるものである。例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)などの圧電ポリマーが挙げられる。なお、図2に示したように、圧電素子3aの厚さ方向中心線と、物理量センサ100の下面位置A1と上面位置A2との中央位置(第1の物理量検出部6の厚さ方向中心線)A3とは、一致している。圧電素子3bの厚さ方向中心線は、第2の物理量検出部の下面位置A1と上面位置A4との中央位置(第2の物理量検出部7の厚さ方向中心線)A5に対して偏在している。

【0024】
保護層5a、5b、5c、5d、5eは、可撓性又は柔軟性を有した絶縁材料からなるものである。なお、保護層5a、5b、5c、5d、5eは、基板1と同様、柔軟性又は可撓性を有したものであれば、目的によってどのような材質のものを用いてもよい。例えば、物理量センサ100を生体に貼り付けて使用するような場合には、生体適合性を考慮して、PDMSを用いてもよい。

【0025】
次に、物理量センサ100の動作について説明する。ここで、例えば、図2に示した物理量センサ100が保護層5c表面中央を頂点として塑性変形しない程度に凸型に反るように曲がったと仮定する。このとき、第1の物理量検出部6における圧電素子3aにおいては、曲げ動作についての応力が付加されるが、圧電素子3aの厚さ方向中心線と、下面位置A1と上面位置A2との中央位置(第1の物理量検出部6の厚さ方向中心線)A3とが一致しているため、圧電素子3aの応力変形は上面位置A2側と下面位置A1側とで対称となり、上下面で発生する表面電荷について打ち消し合いが起こる。つまり、第1の物理量検出部6は、曲げの力を検出しないことになる。これに対して、第2の物理量検出部7においては、圧電素子3bの厚さ方向中心線が、第2の物理量検出部7の下面位置A1と上面位置A4との中央位置(第2の物理量検出部7の厚さ方向中心線)A5に対して偏在しているため、圧電素子3bの応力変形が上面位置A4側と下面位置A1側とで非対称となり、圧電素子3b上下面で発生する表面電荷は打ち消し合わない。したがって、第2の物理量検出部7において発生した電圧値を測定することで、曲げの力の程度を値として検出することが可能である。なお、図2に示した物理量センサ100が基板1表面中央を頂点として塑性変形しない程度に凹型に反るように曲がった場合も同様に、曲げの力の程度を値として検出することが可能である。

【0026】
続いて、例えば、図2に示した物理量センサ100について、基板1の両端が固定されており、保護層5a、5b、5c、5d、5e表面を図2の上から下方向に向けて均等に加圧したと仮定する。このとき、圧電素子3aは、保護層5b、5cから加圧されて変形するので、圧電素子3a上下面で発生する表面電荷は打ち消し合わない。したがって、第1の物理量検出部6において発生した電圧値を測定することで、物理量センサ100に負荷された圧力の程度を値として検出することが可能である。なお、図2に示した物理量センサ100について、保護層5a、5eが固定されており、基板1表面を図2の下から上方向に向けて均等に加圧した場合も同様に、物理量センサ100に負荷された圧力の程度を値として検出することが可能である。ここで、当然、圧電素子3bも保護層5c、5dから加圧され、いくらかの影響を受けることになるが、該加圧によって保護層5c、5dからどの程度の影響を受けるかを予め測定しておき、曲げ動作の力についての検出値から該加圧についての検出値を差し引くような補正をしておけば、保護層5c、5dからの影響を受けないように設定することができる。

【0027】
次に、図3を用いて、物理量センサ100の製造方法について説明する。まず、基板1上に形成された電極層2の上に、スパッタリングなどにより圧電素子層3を積層する(図3(a)、(b)参照)。次に、圧電素子層3を積層した後、エッチングして圧電素子3aと圧電素子3bとをパターニング形成する(圧電素子形成工程:図3(c)参照)。続いて、圧電素子3a及び圧電素子3b上にスパッタリングなどにより導電層4を積層し(図3(d)参照)、その後、エッチングして電極層4aを圧電素子3a上に形成するとともに、電極層4bを圧電素子3b上に形成する(電極層形成工程:図3(e)参照)。そして、電極層4a、4b側からスパッタリングなどにより絶縁材料層を積層し(図3(f)参照)、その後、エッチングして保護層5a、5b、5c、5d、5eをパターニング形成する(図3(g)参照)ことによって、物理量センサ100が完成する。

【0028】
本実施形態の物理量センサ100によれば、複数の物理量を同時に検出することができる。すなわち、圧電素子3aによって被対象物からの圧力を検出するとともに、圧電素子3bによって被対象物の曲げ動作変位の検出を同時に行うことができる。したがって、物理量センサ100は、例えば、接触センサとして用いることが可能である。

【0029】
また、電極層2を第1の物理量検出部6と第2の物理量検出部7とで共用しているので、物理量センサ100の厚みを薄くすることができる。さらに、第1の物理量検出部6と第2の物理量検出部7とに共通する電極層2を一つのプロセスで形成することが可能であることから、物理量センサ100は容易に製造することが可能である。

【0030】
また、基板1をPDMS基板とした場合、PDMS基板には生体適合性があるので、該PDMS基板を有した物理量センサ100を動物の肌などに長時間貼り付けることができるとともに、脈拍、心拍、呼吸などの生体情報を得ることが可能である。以下の実施形態及び変形例において、PDMSを基板などに用いた場合も同様である。

【0031】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る物理量センサについて説明する。なお、本実施形態における符合11、12、13a、14aの部位は、順に、第1実施形態における符合1、2、3a、4aの部位と同様であるので、説明を省略することがある。

【0032】
図4に示すように、本実施形態に係る物理量センサ200は、基板11と、基板11上に形成されている電極層12と、電極層12上に形成されている圧電素子13aと、圧電素子13a上に形成されている電極層14aと、圧電素子13a及び電極層14aの上に形成されている絶縁層15と、絶縁層15上に形成されている電極層16と、電極層16上に形成されている圧電素子13bと、圧電素子13b上に形成されている電極層14bと、を備えているものである。なお、第1の物理量検出部は、電極層12(第1の電極層)、圧電素子13a(第1の圧電素子)、電極層14a(第3の電極層)を主要部として有しているとともに、物理量センサ200における圧電素子13a以外の部位を、圧電素子13aの配設位置を調整する層として有したものである。また、第2の物理量検出部は、電極層16(第2の電極層)、圧電素子13b(第2の圧電素子)、電極層14b(第4の電極層)を主要部として有しているとともに、物理量センサ200における圧電素子13b以外の部位を、圧電素子13bの配設位置を調整する層として有したものである。

【0033】
絶縁層15は、可撓性又は柔軟性を有した絶縁材料からなるものである。なお、絶縁層15は、基板11と同様、柔軟性又は可撓性を有したものであれば、目的によってどのような材質のものを用いてもよい。

【0034】
電極層14b、電極層16は、電極層14aと同様、可撓性又は柔軟性を有した電導性材料からなり、例えば、銅、銀、金、ニッケル-銅合金、導電性ポリマーなどを用いることができる。

【0035】
圧電素子13bは、圧電素子13aと同様、可撓性又は柔軟性を有した圧電材料からなるものである。例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)などの圧電ポリマーが挙げられる。なお、図4に示したように、圧電素子13aの厚さ方向中心線と、第1の物理量検出部の下面位置B1と上面位置B2との中央位置(第1の物理量検出部の厚さ方向中心線)B3とは、一致している。圧電素子13bの厚さ方向中心線B4は、第2の物理量検出部の下面位置B1と上面位置B2との中央位置(第2の物理量検出部の厚さ方向中心線)B3に対して偏在している。

【0036】
次に、物理量センサ200の動作について説明する。ここで、例えば、図4に示した物理量センサ200が電極層14b表面中央を頂点として塑性変形しない程度に凸型に反るように曲がったと仮定する。このとき、第1の物理量検出部における圧電素子13aにおいては、曲げ動作についての応力が付加されるが、圧電素子13aの厚さ方向中心線と、下面位置B1と上面位置B2との中央位置(第1の物理量検出部の厚さ方向中心線)B3とが一致しているため、圧電素子13aの応力変形は上面位置B2側と下面位置B1側とで対称となり、圧電素子13a上下面で発生する表面電荷について打ち消し合いが起こる。つまり、第1の物理量検出部は、曲げの力を検出しないことになる。これに対して、第2の物理量検出部においては、圧電素子13bの厚さ方向中心線が、第2の物理量検出部の下面位置B1と上面位置B2との中央位置(第2の物理量検出部の厚さ方向中心線)B3に対して偏在しているため、圧電素子13bの応力変形が上面位置B2側と下面位置B1側とで非対称となり、圧電素子13b上下面で発生する表面電荷は打ち消し合わない。したがって、第2の物理量検出部において発生した電圧値を測定することで、曲げの力の程度を値として検出することが可能である。なお、図4に示した物理量センサ200が基板11表面中央を頂点として塑性変形しない程度に凹型に反るように曲がった場合も同様に、曲げの力の程度を値として検出することが可能である。

【0037】
続いて、例えば、図4に示した物理量センサ200について、基板11の両端が固定されており、電極層14b表面を図4の上から下方向に向けて均等に加圧したと仮定する。このとき、圧電素子13aは、電極層14b側から加圧されて変形するので、圧電素子13a上下面で発生する表面電荷は打ち消し合わない。したがって、第1の物理量検出部において発生した電圧値を測定することで、物理量センサ200に負荷された圧力の程度を値として検出することが可能である。なお、図4に示した物理量センサ200について、電極層14bの両端が固定されており、基板11表面を図4の下から上方向に向けて均等に加圧した場合も同様に、物理量センサ200に負荷された圧力の程度を値として検出することが可能である。ここで、当然、圧電素子13bも加圧され、いくらかの影響を受けることになるが、該加圧によってどの程度の影響を受けるかを予め測定しておき、曲げ動作での力についての検出値から該加圧についての検出値を差し引くような補正をしておけば、該加圧の影響を受けないように設定することができる。

【0038】
次に、物理量センサ200の製造方法について説明する。上記第1実施形態の物理量センサ100の製造方法と同様に、スパッタリング、エッチングなどを用いて、各部位を基板11上に積層及びパターニング形成する。具体的には、まず、基板11上に形成された電極層12の上に、スパッタリングなどにより圧電素子層を積層した後、エッチングして圧電素子13aをパターニング形成する。続いて、圧電素子13a側からスパッタリングなどにより導電層を積層した後、エッチングして電極層14aを圧電素子13a上に形成する。続いて、電極層14a側からスパッタリングなどにより絶縁材料層を積層した後、エッチングして絶縁層15を形成する。続いて、絶縁層15側からスパッタリングなどにより導電層を積層した後、エッチングして電極層16を絶縁層15上に形成する。続いて、電極層16側からスパッタリングなどにより圧電材料層を積層した後、エッチングして圧電素子13bを形成する。そして、圧電素子13b側からスパッタリングなどにより導電層を積層した後、エッチングして電極層14bを圧電素子13b上に形成することによって、物理量センサ200が完成する。

【0039】
本実施形態の物理量センサ200によれば、複数の物理量を同時に検出することができる。すなわち、圧電素子13aによって被対象物からの圧力を検出するとともに、圧電素子13bによって被対象物の曲げ動作変位の検出を同時に行うことができる。したがって、物理量センサ200は、例えば、接触センサとして用いることが可能である。

【0040】
また、第1の物理量検出部及び第2の物理量検出部を集積化できるので、より小型の物理量センサ200とすることができる。

【0041】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る物理量センサについて説明する。なお、本実施形態における符合22、23a、24aの部位は、順に、第1実施形態における符合2、3a、4aの部位と同様であるので、説明を省略することがある。

【0042】
図5に示すように、本実施形態に係る物理量センサ300は、基板21と、基板21上に形成されている電極層22と、電極層22上に形成されている圧電素子23aと、圧電素子23a上に形成されている電極層24aと、圧電素子23a及び電極層24aの上に形成されている保護層25と、電極層22下部に形成され、基板21に埋設されている圧電素子23bと、圧電素子23b下部に形成され、基板21に埋設されている電極層24bと、を備えているものである。なお、第1の物理量検出部は、電極層22、圧電素子23a(第1の圧電素子)、電極層24a(第3の電極層)を主要部として有しているとともに、物理量センサ300における圧電素子23a以外の部位(基板21を除く)を、圧電素子23aの配設位置を調整する層として有したものである。また、第2の物理量検出部は、電極層22、圧電素子23b(第2の圧電素子)、電極層24b(第4の電極層)を主要部として有しているとともに、物理量センサ300における圧電素子23b以外の部位(基板21を除く)を、圧電素子23bの配設位置を調整する層として有したものである。

【0043】
基板21は、可撓性又は柔軟性を有した絶縁材料からなるものである。なお、基板21は、柔軟性又は可撓性を有したものであれば、目的によってどのような材質のものを用いてもよい。例えば、物理量センサ300を生体に貼り付けて使用するような場合には、生体適合性を考慮して、PDMSを用いてもよい。

【0044】
圧電素子23bは、圧電素子23aと同様の材料を用いて形成されており、電極層22を中心として、圧電素子23aと対照位置に配設されているものである。なお、図5に示したように、圧電素子23aの厚さ方向中心線と、第1の物理量検出部の下面位置C1と上面位置C2との中央位置(第1の物理量検出部の厚さ方向中心線)C3とは、一致している。圧電素子23bの厚さ方向中心線C4は、第2の物理量検出部の下面位置C1と上面位置C2との中央位置(第2の物理量検出部の厚さ方向中心線)C3に対して偏在している。

【0045】
電極層24bは、電極層24aと同様の材料を用いて形成されており、電極層22を中心として、電極層24aと対照位置に配設されているものである。

【0046】
保護層25は、可撓性又は柔軟性を有した絶縁材料からなるものである。なお、保護層25は、基板21と同様、柔軟性又は可撓性を有したものであれば、目的によってどのような材質のものを用いてもよい。

【0047】
次に、物理量センサ300の動作について説明する。ここで、例えば、図5に示した物理量センサ300が保護層25表面中央を頂点として塑性変形しない程度に凸型に反るように曲がったと仮定する。このとき、第1の物理量検出部における圧電素子23aにおいては、曲げ動作についての応力が付加されるが、圧電素子23aの厚さ方向中心線と、下面位置C1と上面位置C2との中央位置(第1の物理量検出部の厚さ方向中心線)C3とが一致しているため、圧電素子23aの応力変形は上面位置C2側と下面位置C1側とで対称となり、圧電素子23a上下面で発生する表面電荷について打ち消し合いが起こる。つまり、第1の物理量検出部は、曲げの力を検出しないことになる。これに対して、第2の物理量検出部においては、圧電素子23bの厚さ方向中心線が、第2の物理量検出部の下面位置C1と上面位置C2との中央位置(第2の物理量検出部の厚さ方向中心線)C3に対して偏在しているため、圧電素子23bの応力変形が上面位置C2側と下面位置C1側とで非対称となり、圧電素子23b上下面で発生する表面電荷は打ち消し合わない。したがって、第2の物理量検出部において発生した電圧値を測定することで、曲げの力の程度を値として検出することが可能である。なお、図5に示した物理量センサ300が電極層24b表面中央を頂点として塑性変形しない程度に凹型に反るように曲がった場合も同様に、曲げの力の程度を値として検出することが可能である。

【0048】
続いて、例えば、図5に示した物理量センサ300について、基板21両端が固定されており、保護層25表面を図5の上から下方向に向けて均等に加圧したと仮定する。このとき、圧電素子23aは、保護層25側から加圧されて変形するので、圧電素子23a上下面で発生する表面電荷は打ち消し合わない。したがって、第1の物理量検出部において発生した電圧値を測定することで、物理量センサ300に負荷された圧力の程度を値として検出することが可能である。なお、保護層25両端が固定されており、基板21及び電極層24bの表面を図5の下から上方向に向けて均等に加圧した場合も同様に、物理量センサ300に負荷された圧力の程度を値として検出することが可能である。ここで、当然、圧電素子23bも加圧され、いくらかの影響を受けることになるが、該加圧によってどの程度の影響を受けるかを予め測定しておき、曲げ動作での力についての検出値から該加圧についての検出値を差し引くような補正をしておけば、該加圧の影響を受けないように設定することができる。

【0049】
次に、物理量センサ300の製造方法について説明する。上記第1実施形態の物理量センサ100の製造方法と同様に、スパッタリング、エッチングなどを用いて、各部位を積層及びパターニング形成する。具体的には、まず、電極層24bを形成しておき、電極層24bの片面側を覆うように基板21を積層した後、基板21をエッチングして圧電素子23a用の窪みを形成する。次に、上記窪みに圧電材料をスパッタリングで埋設し、圧電素子23aを形成する。続いて、基板21及び圧電素子23a上にスパッタリングなどにより、順次、電極層22、圧電素子層を積層した後、エッチングして圧電素子23aをパターニング形成する。続いて、圧電素子23a側からスパッタリングなどにより導電層を積層した後、エッチングして電極層24aを圧電素子23a上にパターニング形成する。続いて、圧電素子23a及び電極層24a上にスパッタリングなどにより保護層25を積層することによって、物理量センサ300が完成する。

【0050】
本実施形態の物理量センサ300によれば、複数の物理量を同時に検出することができる。すなわち、圧電素子23aによって被対象物からの圧力を検出するとともに、圧電素子23bによって被対象物の曲げ動作変位の検出を同時に行うことができる。したがって、物理量センサ300は、例えば、接触センサとして用いることが可能である。

【0051】
また、第1の物理量検出部及び第2の物理量検出部を集積化できるので、より小型の物理量センサ300とすることができる。また、電極層22を第1の物理量検出部と第2の物理量検出部とで共用しているので、物理量センサ300の厚みを薄くすることができる。さらに、第1の物理量検出部と第2の物理量検出部とに共通する電極層22を一つのプロセスで形成することが可能であることから、物理量センサ300は容易に製造することが可能である。

【0052】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る物理量センサについて説明する。なお、本実施形態における符合32、33a、34aの部位は、順に、第1実施形態における符合2、3a、4aの部位と同様であるので、説明を省略することがある。また、本実施形態における符合33b、34bの部位は、順に、第3実施形態における符合23a、24bの部位と同様であるので、説明を省略することがある。

【0053】
図6に示すように、本実施形態に係る物理量センサ400は、基板31と、基板31上に形成されている電極層32と、電極層32上に形成されている圧電素子33aと、圧電素子33a上に形成されている電極層34aと、圧電素子33a及び電極層34aの上に形成されている絶縁層35と、絶縁層35上に形成されている電極層36と、電極層36上に形成されている圧電素子37と、圧電素子37上に形成されている電極層38と、電極層32下部に形成され、基板31に埋設されている圧電素子33bと、圧電素子33b下部に形成され、基板31に埋設されている電極層34bと、を備えているものである。なお、第1の物理量検出部は、電極層32、圧電素子33a(第1の圧電素子)、電極層34a(第3の電極層)を主要部として有しているとともに、物理量センサ400における圧電素子33a以外の部位(基板21を除く)を、圧電素子33aの配設位置を調整する層として有したものである。また、第2の物理量検出部は、電極層32、圧電素子33b、電極層34bを第1の主要部、電極層36、圧電素子37(第2の圧電素子)、電極層38(第4の電極層)を第2の主要部として有したものである。また、上記第1の主要部における圧電素子33bは、物理量センサ400における圧電素子33b以外の部位を、圧電素子33bの配設位置を調整する層として利用している。さらに、上記第2の主要部における圧電素子37は、物理量センサ400における圧電素子37以外の部位を、圧電素子37の配設位置を調整する層として利用している。

【0054】
基板31は、可撓性又は柔軟性を有した絶縁材料からなるものである。なお、基板31は、柔軟性又は可撓性を有したものであれば、目的によってどのような材質のものを用いてもよい。例えば、物理量センサ400を生体に貼り付けて使用するような場合には、生体適合性を考慮して、PDMSを用いてもよい。

【0055】
圧電素子33bは、圧電素子33aと同様の材料を用いて形成されており、電極層32を中心として、圧電素子33aと対照位置に配設されているものである。なお、図6に示したように、圧電素子33aの厚さ方向中心線と、第1の物理量検出部の下面位置D1と上面位置D2との中央位置(第1の物理量検出部の厚さ方向中心線)D3とは、一致している。圧電素子37の厚さ方向中心線D4は、第2の物理量検出部の下面位置D1と上面位置D2との中央位置(第2の物理量検出部の厚さ方向中心線)D3に対して偏在している。また、圧電素子33bの厚さ方向中心線D5は、第2の物理量検出部の下面位置D1と上面位置D2との中央位置(第2の物理量検出部の厚さ方向中心線)D3に対して偏在している。

【0056】
絶縁層35は、可撓性又は柔軟性を有した絶縁材料からなるものである。なお、絶縁層35は、基板31と同様、柔軟性又は可撓性を有したものであれば、目的によってどのような材質のものを用いてもよい。

【0057】
次に、物理量センサ400の動作について説明する。ここで、例えば、図6に示した物理量センサ400が電極層38表面中央を頂点として塑性変形しない程度に凸型に反るように曲がったと仮定する。このとき、第1の物理量検出部における圧電素子33aにおいては、曲げ動作についての応力が付加されるが、圧電素子33aの厚さ方向中心線と、下面位置D1と上面位置D2との中央位置(第1の物理量検出部の厚さ方向中心線)D3とが一致しているため、圧電素子33aの応力変形は上面位置D2側と下面位置D1側とで対称となり、圧電素子33a上下面で発生する表面電荷について打ち消し合いが起こる。つまり、第1の物理量検出部は、曲げの力を検出しないことになる。これに対して、第2の物理量検出部においては、圧電素子33bの厚さ方向中心線が、第2の物理量検出部の下面位置D1と上面位置D2との中央位置(第2の物理量検出部の厚さ方向中心線)D3に対して偏在しているため、圧電素子33bの応力変形が上面位置D2側と下面位置D1側とで非対称となり、圧電素子33b上下面で発生する表面電荷は打ち消し合わない。したがって、第2の物理量検出部において発生した電圧値を測定することで、曲げの力の程度を値として検出することが可能である。なお、図6に示した物理量センサ400が電極層34b表面中央を頂点として塑性変形しない程度に凹型に反るように曲がった場合も同様に、曲げの力の程度を値として検出することが可能である。

【0058】
続いて、例えば、図6に示した物理量センサ400について、基板31両端が固定されており、電極層38表面を図6の上から下方向に向けて均等に加圧したと仮定する。このとき、圧電素子33aは、電極層38側から加圧されて変形するので、圧電素子33a上下面で発生する表面電荷は打ち消し合わない。したがって、第1の物理量検出部において発生した電圧値を測定することで、物理量センサ400に負荷された圧力の程度を値として検出することが可能である。なお、電極層38両端が固定されており、基板31表面を図6の下から上方向に向けて均等に加圧した場合も同様に、物理量センサ400に負荷された圧力の程度を値として検出することが可能である。ここで、当然、圧電素子33b、37も加圧され、いくらかの影響を受けることになるが、該加圧によってどの程度の影響を受けるかを予め測定しておき、曲げ動作での力についての検出値から該加圧についての検出値を差し引くような補正をしておけば、該加圧の影響を受けないように設定することができる。

【0059】
次に、物理量センサ400の製造方法について説明する。上記第1実施形態の物理量センサ100の製造方法と同様に、スパッタリング、エッチングなどを用いて、各部位を積層及びパターニング形成する。具体的には、まず、基板31をエッチングして、電極層34b用及び圧電素子33a用の窪みを形成する。次に、上記窪みの所定箇所に順次、導電材料、圧電材料をスパッタリングで埋設し、電極層34b、圧電素子23aを順に形成する。続いて、基板31及び圧電素子33a上にスパッタリングなどにより、順次、電極層32、圧電素子層を積層した後、エッチングして圧電素子33aをパターニング形成する。続いて、圧電素子33a側からスパッタリングなどにより導電層を積層した後、エッチングして電極層34aを圧電素子33a上にパターニング形成する。続いて、圧電素子33a及び電極層34a上にスパッタリングなどにより絶縁層35を積層した後、絶縁層35上に電極層36を積層する。続いて、電極層36上にスパッタリングなどにより圧電素子37を積層した後、圧電素子33a側からスパッタリングなどにより導電層を積層する。その後、該導電層をエッチングして電極層38を圧電素子37上にパターニング形成することによって、物理量センサ400が完成する。

【0060】
本実施形態の物理量センサ400によれば、複数の物理量を同時に検出することができる。すなわち、圧電素子33aによって被対象物からの圧力を検出するとともに、圧電素子33b、37によって被対象物の曲げ動作変位の検出を同時に行うことができる。したがって、物理量センサ400は、例えば、接触センサとして用いることが可能である。

【0061】
また、第1の物理量検出部及び第2の物理量検出部を集積化できるので、より小型の物理量センサ400とすることができる。特に、第1の物理量検出部の圧電素子33a両面側に配設するように第2の物理量検出部の圧電素子33b、37を積層形成しているので、小型でありながら、第2の物理量検出部における曲げの力に対するセンサ感度を倍にすることができる。

【0062】
また、電極層32を第1の物理量検出部と第2の物理量検出部とで共用しているので、物理量センサ400の厚みを薄くすることができる。さらに、第1の物理量検出部と第2の物理量検出部とに共通する電極層32を一つのプロセスで形成することが可能であることから、物理量センサ400は容易に製造することが可能である。

【0063】
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。例えば、第1実施形態における第1の物理量検出部6と第2の物理量検出部7とは、電極層2を共用しているものであるが、電極層2の代わりに、第1の物理量検出部及び第2の物理量検出部のそれぞれについて独立形成した第1の電極層と第2の電極層とを用いてもよい。

【0064】
また、上記第3実施形態における第1の物理量検出部と第2の物理量検出部とは、電極層22を共用しているものであるが、電極層22と圧電素子23bとの間に、上側から順に絶縁層と電極層とを形成し、電極層22を共用しない構成としてもよい。同様に、第4実施形態の物理量センサにおける電極層32と圧電素子33bとの間に、上側から順に絶縁層と電極層とを形成し、第1の物理量検出部と第2の物理量検出部とで電極層32を共用しない構成としてもよい。

【0065】
また、第1実施形態において、電極層2が十分な強度を有したものであるならば、基板1を有しない構成としてもよい。ただし、基板1がない構成の物理量センサとする場合においても、各部位の厚みを調整して、第1の圧電素子の厚さ方向中心線と第1の物理量検出部の厚さ方向中心線とが一致するように構成されるとともに、第2の圧電素子の厚さ方向中心線と第2の物理量検出部の厚さ方向中心線とが一致しないように構成されることは言うまでもない。

【0066】
また、第2実施形態における電極層14b、第3実施形態における電極層24b、又は第4実施形態における電極層38の表面に、PDMSなどからなる保護層を設けてもよい。ただし、上記保護層を設けた構成の物理量センサとする場合においても、各部位の厚みを調整して、第1の圧電素子の厚さ方向中心線と第1の物理量検出部の厚さ方向中心線とが一致するように構成されるとともに、第2の圧電素子の厚さ方向中心線と第2の物理量検出部の厚さ方向中心線とが一致しないように構成されることは言うまでもない。

【0067】
また、図7に示したように、第1実施形態と同構成の物理量センサ500の一端を基台48に取り付けて片持ち梁とするとともに、被対象物49が第1の物理量検出部46の保護層45a、45b、45cに接触するように配設しておくことで、被対象物49に図7中の白矢印方向の力が付加された場合、圧電素子43aによって被対象物49からの圧力を検出することができる。また、被対象物49が図7の上下方向に振動するようなものであった場合には、圧電素子43aによって被対象物49からの圧力を検出できるだけでなく、第2の物理量検出部47(圧電素子43b)が揺動するので被対象物49の振動検出を行うこともできる。ここで、符号41~47の部位は、順に第1実施形態における符号1~7の部位と同様のものであるので、説明を省略する。また、位置E1~E5は、順に第1実施形態における位置A1~A5と同様であるので、説明を省略する。なお、本変形例において、電極層42に十分な強度がある場合には、基板41を用いずに電極層42を基板代わりに用いて、電極層42を基台48に直接取り付けて物理量センサを支持してもよい。ただし、電極層42がない構成の物理量センサとする場合においても、各部位の厚みを調整して、第1の圧電素子の厚さ方向中心線と第1の物理量検出部の厚さ方向中心線とが一致するように構成されるとともに、第2の圧電素子の厚さ方向中心線と第2の物理量検出部の厚さ方向中心線とが一致しないように構成されることは言うまでもない。

【0068】
また、上記実施形態及び変形例に係る物理量センサにおいては、第1の圧電素子の厚さ方向中心線と第1の物理量検出部の厚さ方向中心線との一致程度は、完全に一致するものを示したが、各物理量の検出精度をそれほど高く望まなくてもよいのであれば、第1の圧電素子の厚さ方向中心線と第1の物理量検出部の厚さ方向中心線との一致程度は、ほぼ一致(略一致)する程度でもよい。

【0069】
また、上記実施形態及び変形例に係る物理量センサにおいては、保護層を設けている場合があるが、外部からの力に耐えうる材料からなる電極層、圧電素子であれば、特に保護層を設ける必要はない。ただし、保護層がない構成の物理量センサとする場合においても、各部位の厚みを調整して、第1の圧電素子の厚さ方向中心線と第1の物理量検出部の厚さ方向中心線とが一致するように構成されるとともに、第2の圧電素子の厚さ方向中心線と第2の物理量検出部の厚さ方向中心線とが一致しないように構成されることは言うまでもない。

【0070】
また、第4実施形態の第2の物理量検出部においては、圧電素子33b、37の2つを用いて、曲げのセンサ感度を圧電素子が一つの場合の倍となるように構成したが、圧電素子を3つ以上用いて、曲げのセンサ感度を圧電素子が一つの場合の3倍以上となるように構成してもよい。ただし、圧電素子を3つ以上用いる構成の物理量センサとする場合においても、各部位の厚みを調整して、第1の圧電素子の厚さ方向中心線と第1の物理量検出部の厚さ方向中心線とが一致するように構成されるとともに、第2の圧電素子の厚さ方向中心線と第2の物理量検出部の厚さ方向中心線とが一致しないように構成されることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0071】
1、11、21、31、41 基板
2、4a、4b、12、14a、14b、16、22、24a、24b、32、34a、34b、36、38、42、44a、44b 電極層
3 圧電素子層
4 導電層
3a、3b、13a、13b、23a、23b、33a、33b、33a、37、43a、43b 圧電素子
5a、5b、5c、5d、5e、25、45a、45b、45c、45d、45e 保護層
6、46 第1の物理量検出部
7、47 第2の物理量検出部
15、35 絶縁層
48 基台
49 被対象物
100、200、300、400、500 物理量センサ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6