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明細書 :酸化物超伝導薄膜の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5236542号 (P5236542)
公開番号 特開2010-215467 (P2010-215467A)
登録日 平成25年4月5日(2013.4.5)
発行日 平成25年7月17日(2013.7.17)
公開日 平成22年9月30日(2010.9.30)
発明の名称または考案の名称 酸化物超伝導薄膜の製造方法
国際特許分類 C30B  29/22        (2006.01)
C23C  14/08        (2006.01)
C23C  14/28        (2006.01)
H01L  39/24        (2006.01)
FI C30B 29/22 501K
C23C 14/08 ZAAL
C23C 14/28
H01L 39/24 B
請求項の数または発明の数 5
全頁数 16
出願番号 特願2009-065969 (P2009-065969)
出願日 平成21年3月18日(2009.3.18)
審査請求日 平成22年3月1日(2010.3.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504237050
【氏名又は名称】独立行政法人国立高等専門学校機構
発明者または考案者 【氏名】木場 信一郎
個別代理人の代理人 【識別番号】100142701、【弁理士】、【氏名又は名称】吉永 純一
審査官 【審査官】田中 則充
参考文献・文献 特開平08-048520(JP,A)
特表平10-502326(JP,A)
特表2001-505178(JP,A)
特開平11-043313(JP,A)
特開平07-309700(JP,A)
特開2004-362785(JP,A)
特開2008-140789(JP,A)
調査した分野 C23C 14/08
C23C 14/28
C30B 29/22
H01L 39/24
特許請求の範囲 【請求項1】
単結晶基板上に、バッファー薄膜を介してBaCaCun+1(n≧0及びZ≦2n+2)で構成される酸化物超伝導薄膜を、所定の基板温度及び所定の酸素圧中で形成する酸化物超伝導薄膜の製造方法であって、
前記単結晶基板上にYBaCu(6.5≦X<8)で構成される前記バッファー薄膜を形成する第1の工程と、
前記バッファー薄膜上に連続して前記酸化物超伝導薄膜を形成する第2の工程とを備え、
前記第1の工程は、前記バッファー薄膜をパルスレーザーデポジション法によりエピタキシャル成長させるバッファー薄膜成長工程を含み、
前記第2の工程は、前記酸化物超伝導薄膜をパルスレーザーデポジション法によりエピタキシャル成長させる超伝導薄膜成長工程と、
前記超伝導薄膜成長工程に連続し、前記基板温度を2℃/分以下で徐冷させる徐冷工程と、
前記徐冷工程に連続し、前記基板温度を15℃/分~20℃/分で急冷させる急冷工程とを含む酸化物超伝導薄膜の製造方法。
【請求項2】
前記バッファー薄膜成長工程における基板温度は800℃~830℃、酸素圧は13.3Pa~26Paであることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超伝導薄膜の製造方法。
【請求項3】
前記超伝導薄膜成長工程における基板温度は770℃~830℃、酸素圧は13.3Pa~26Paであることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化物超伝導薄膜の製造方法。
【請求項4】
前記第1の工程は、基板温度が400℃~500℃及び酸素圧が400Pa以上で、前記バッファー薄膜を30分~120分間保持することにより前記バッファー薄膜を超伝導体とするバッファー薄膜超伝導化工程を含むことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の酸化物超伝導薄膜の製造方法。
【請求項5】
前記徐冷工程及び前記急冷工程における酸素圧は400Pa以上であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の酸化物超伝導薄膜の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物超伝導薄膜の製造方法に関し、特にBa-Ca-Cu-O系酸化物超伝導薄膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば80K以上の高い超伝導転移温度(以下「Tc」という。)を持つ高温超伝導体として、例えばY—Ba-Cu-0系酸化物超伝導体(以下「YBCO」という。)が知られている。さらに近年の研究により、このYBCOのTcより高いTcを持つ酸化物超伝導体も見出されており、これらの高温超電導体からなる薄膜を利用した機能素子に関する研究も盛んに行われている。
【0003】
このYBCOのTcより高いTcを持つ酸化物超伝導体として、例えばTl-Ca-Cu-O系酸化物超伝導体(以下「Tl系超伝導体」という。)、Hg-Ba-Ca-Cu-O系酸化物超伝導体(以下「Hg系超伝導体」という。)及び例えばBaCaCun+1等のBa-Ca-Cu-O系酸化物超伝導体(以下「Ba-Ca-Cu-O系超伝導体」という。)がある。
【0004】
しかしながら、Tl系超伝導体及びHg系超伝導体は有毒元素であるTlやHgを含んでいる。したがって、例えばTl系超伝導体或いはHg系超伝導体からなる薄膜を製造する過程において、TlやHgの取扱い管理が煩雑になるおそれがある等、Tl系超伝導体或いはHg系超伝導体の量産化が困難になるおそれがあるという問題があった。
【0005】
これに対して、上述したBa-Ca-Cu-O系超伝導体はその構成中に有毒元素を含まないため、その製造工程における管理もやりやすく、したがって量産化もしやすい。また、地球環境に与える悪影響も少ない。
【0006】
しかしながら、Ba-Ca-Cu-O系超伝導体からなる結晶薄膜は、例えば大気中での吸湿性が高いため一旦形成された所定の結晶構造が不安定となる等、その製造は困難が伴うという問題や、エピタキシャル成長させた場合にその薄膜が多結晶化しやすい等、配向性に優れた結晶薄膜を得ることが困難という問題があった。
【0007】
一方で、このような酸化物超伝導薄膜の作製方法に関してさまざま提案がされている。(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】特許第2747173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1によれば、NdGaOからなる酸化物単結晶基板上に、PrGaOからなるバッファー層を設け、その上に酸化物超伝導薄膜を形成する方法が開示されている。
【0010】
しかしながら、特許文献1によれば、YBaCu7-γからなる酸化物超伝導薄膜形成を目的としているが、Ba-Ca-Cu-O系超伝導体からなる結晶薄膜を形成できるか否かについては定かではない。また、特許文献1によれば、NdGaO基板上にエピタキシャル成長したバファー層(PrGaO)のXRDパターンは開示されているものの、このバッファー層上に形成された酸化物高温超電導体単結晶薄膜のXRDパターン等の結晶性を現すデータが開示されておらず、結晶性に優れた酸化物高温超電導体単結晶薄膜を得られるか否かは不詳である。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、結晶性に優れた酸化物超伝導薄膜を形成可能とするとともに、当該酸化物超伝導薄膜を含んで高い超伝導転移温度を有する超伝導薄膜積層体を形成可能な酸化物超伝導薄膜の製造方法を提供することにある。また第2の目的は、酸化物超伝導薄膜の量産化に好適で工業価値の高い酸化物超伝導薄膜の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、単結晶基板上に、バッファー薄膜を介してBaCaCun+1(n≧0及びZ≦2n+2)で構成される酸化物超伝導薄膜を、所定の基板温度及び所定の酸素圧中で形成する酸化物超伝導薄膜の製造方法であって、前記単結晶基板上にYBaCu(6.5≦X<8)で構成される前記バッファー薄膜を形成する第1の工程と、前記バッファー薄膜上に連続して前記酸化物超伝導薄膜を形成する第2の工程とを備え、前記第1の工程は、前記バッファー薄膜をパルスレーザーデポジション法によりエピタキシャル成長させるバッファー薄膜成長工程を含み、前記第2の工程は、前記酸化物超伝導薄膜をパルスレーザーデポジション法によりエピタキシャル成長させる超伝導薄膜成長工程と、前記超伝導薄膜成長工程に連続し、前記基板温度を2℃/分以下で徐冷させる徐冷工程と、前記徐冷工程に連続し、前記基板温度を15℃/分~20℃/分で急冷させる急冷工程とを含む酸化物超伝導薄膜の製造方法である。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載の酸化物超伝導薄膜の製造方法において、前記バッファー薄膜成長工程における基板温度は800℃~830℃、酸素圧は13.3Pa~26Paであることを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の酸化物超伝導薄膜の製造方法において、前記超伝導薄膜成長工程における基板温度は770℃~830℃、酸素圧は13.3Pa~26Paであることを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1~のいずれかに記載の酸化物超伝導薄膜の製造方法において、前記第1の工程は、基板温度が400℃~500℃及び酸素圧が400Pa以上で、前記バッファー薄膜を30分~120分間保持することにより前記バッファー薄膜を超伝導体とするバッファー薄膜超伝導化工程を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1~のいずれかに記載の酸化物超伝導薄膜の製造方法において、前記徐冷工程及び前記急冷工程における酸素圧は400Pa以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、単結晶基板上に、バッファー薄膜を介してBaCaCun+1(n≧0)又はBaCaCun+1(n≧0)で構成される酸化物超伝導薄膜を、所定の基板温度及び所定の酸素圧中で形成する酸化物超伝導薄膜の製造方法であって、前記単結晶基板上にYBaCuで構成される前記バッファー薄膜を形成する第1の工程と、前記バッファー薄膜上に連続して前記酸化物超伝導薄膜を形成する第2の工程とを備え、前記第1の工程は、前記バッファー薄膜をパルスレーザーデポジション法によりエピタキシャル成長させるバッファー薄膜成長工程を含み、前記第2の工程は、前記酸化物超伝導薄膜をパルスレーザーデポジション法によりエピタキシャル成長させる超伝導薄膜成長工程と、前記超伝導薄膜成長工程に連続し、前記基板温度を徐冷させる徐冷工程と、前記徐冷工程に連続し、前記基板温度を急冷させる急冷工程とを含む構成であるから、バッファー薄膜上の酸化物超伝導薄膜界面の結晶構造を乱すことなく酸化物超伝導薄膜を形成することにより、結晶性に優れた酸化物超伝導薄膜を形成可能とするとともに、その酸化物超伝導薄膜を含んで高い超伝導転移温度を実現可能な超伝導薄膜積層体を形成可能とする酸化物超伝導薄膜の製造方法を提供できる。また、製造工程中に有毒元素を含まないで当該酸化物超伝導薄膜を形成できるので、当該酸化物超伝導薄の量産化に好適で工業価値の高い酸化物超伝導薄膜の製造方法を提供できる。
【0018】
また、前記バッファー薄膜成長工程における基板温度は800℃~830℃、酸素圧は13.3Pa~26Paである構成であるから、結晶性に優れたバッファー薄膜を確実にかつ再現性高く形成することにより、バッファー薄膜上の酸化物超伝導薄膜形成の再現性も向上できる。
【0019】
また、前記超伝導薄膜成長工程における基板温度は770℃~830℃、酸素圧は13.3Pa~26Paである構成であるから、バッファー薄膜上に結晶性に優れた酸化物超伝導薄膜を確実にエピタキシャル成長できる。
【0020】
また、前記徐冷工程における温度降下速度は2℃/分~1℃/分よりなり、前記急冷工程における温度降下速度は15℃/分~20℃/分よりなる構成であるから、バッファー薄膜上の酸化物超伝導薄膜界面の結晶構造をより確実に形成でき、より結晶性に優れた品質の高い酸化物超伝導薄膜を形成できる。
【0021】
また、前記第1の工程は、基板温度が略400℃及び酸素圧が略400Pa以上で、前記バッファー薄膜を30分~120分間保持することにより前記バッファー薄膜を超伝導体とするバッファー薄膜超伝導化工程を含む構成であるから、それぞれの層が超伝導特性を有する超伝導薄膜積層体を形成可能になる等、利便性、実用性の高い酸化物超伝導薄膜の製造方法を提供できる。
【0022】
また、前記徐冷工程及び前記急冷工程における酸素圧は略400Pa以上である構成であるから、結晶性に優れた酸化物超伝導薄膜をより再現性高く形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態の酸化物超伝導薄膜の概略結晶構造を示す図である。
【図2】本実施形態の薄膜製造装置の概略構成図である。
【図3】実施例1による超伝導薄膜積層体を説明する断面模式図である。
【図4】実施例1における酸化物超伝導薄膜の製造方法を説明するタイムチャートである。
【図5】実施例2による超伝導薄膜積層体を説明する断面模式図である。
【図6】実施例3による超伝導薄膜積層体を説明する断面模式図である。
【図7】実施例3における酸化物超伝導薄膜の製造方法を説明するタイムチャートである。
【図8】実施例4による超伝導薄膜積層体を説明する断面模式図である。
【図9】実施例5による超伝導薄膜積層体を説明する断面模式図である。
【図10】実施例6による超伝導薄膜積層体を説明する断面模式図である。
【図11】本実施形態における酸化物超伝導薄膜のXRD回折パターンを示す図である。
【図12】本実施形態における酸化物超伝導薄膜のXRD回折パターンを示す図である。
【図13】本実施形態におけるRHEEDの結果を示す写真及びその説明図である。
【図14】本実施形態における超伝導薄膜積層体の抵抗率の温度依存性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の酸化物超伝導薄膜の製造方法は、BaCaCun+1(n≧0)又はBaCaCun+1(n≧0)で構成される酸化物超伝導薄膜を、単結晶基板上にバッファー薄膜を介して、所定の基板温度及び所定の酸素圧中で形成する酸化物超伝導薄膜の製造方法に関する。そして、本実施形態の酸化物超伝導薄膜の製造方法は、前記単結晶基板上にYBaCuで構成される前記バッファー薄膜を形成する第1の工程と、前記バッファー薄膜上に連続して前記酸化物超伝導薄膜を形成する第2の工程とを備え、前記第1の工程は、前記バッファー薄膜をパルスレーザーデポジション法によりエピタキシャル成長させるバッファー薄膜成長工程を含み、前記第2の工程は、前記バッファー薄膜上に前記酸化物超伝導薄膜をパルスレーザーデポジション法によりエピタキシャル成長させる超伝導薄膜成長工程と、前記超伝導薄膜成長工程の後に、前記基板温度を徐冷させる徐冷工程と、前記徐冷工程の後に、前記基板温度を急冷させる急冷工程とを含む製造方法である。

【0025】
以下、本発明の好適な実施形態の例について、図を用いて説明する。
まず、後述する実施例によって形成される酸化物超伝導薄膜及びバッファー薄膜について説明する。
まず、酸化物超伝導薄膜は、組成式がBaCaCun+1(n≧0)で表される超伝導体薄膜(以下「Ba1膜」という。)または組成式がBaCaCun+1(n≧0)で表される超伝導体薄膜(以下「Ba2膜」という。)からなる。なお、前記「(n≧0)」は組成式中でnが0以上であることを示している。また、前記組成式中でzとnとは、z≦2n+2の関係にある。
そして、図1(a)は、BaCaCun+1(n≧0)で表される超伝導体のうちBaCaCuの概略結晶構造を示す図である。また図1(b)は、BaCaCun+1(n≧0)で表される超伝導体のうちBaCaCuの概略結晶構造を示す図である。なお、図1において、●はBa原子、ハッチングが施された○はCu原子、◎はCa原子、○はO原子を示す。
図1に示すように、BaCaCun+1(n≧0)或いはBaCaCun+1(n≧0)で表される超伝導体は層状ペロブスカイト構造型とよばれる結晶構造を呈することが知られている。

【0026】
次に、バッファー薄膜は組成式がYBaCuで表され、層状ペロブスカイト構造型の銅酸化物薄膜で構成される。なお、組成式中でxは6.5≦x<8の範囲にある。このxが変化することにより、その特性が超伝導体、金属酸化物、半導体等に変化する。例えば、xが略6.5の場合は、半導体特性を示し、xが略7.9の場合は80K程度のTcを有する超伝導特性を示し、xが略8になると金属特性を示すことが知られている。

【0027】
また、以下の説明において、超伝導薄膜積層体とは、上述したバッファー薄膜とBa1膜又はBa2膜とが交互に積層された構造体をいう。

【0028】
次に、本実施形態で用いられる薄膜製造装置10について図2を用いて説明する。図2は、薄膜製造装置10の概略構成図である。
薄膜製造装置10は、図2に示すように、真空容器12と、パルスレーザー照射部14と、基板ホルダ18と、酸素圧調整手段15と、結晶解析手段20と、シャター19等を備える。
真空容器12は、密閉状の容器からなり、その中に後述する単結晶基板17及びターゲット16を収納する。そして、真空容器12は、例えば公知のターボポンプ、ロータリーポンプや圧力調節弁等に連結され、真空容器12内の圧力が調整可能に構成される。

【0029】
次に、酸素圧調整手段15は、例えば酸素導入管やマスフローコントローラ等で構成され、真空容器12の酸素圧を調整可能な構成となっている。
次に、基板ホルダ18は、図2に示すように単結晶基板17を保持するとともに、例えばランプ加熱装置等を備え、単結晶基板17(後述)の温度、すなわち基板温度を制御可能な構成となっている。
次に、パルスレーザー照射部14は、例えばKrF(フッ化クリプトン)エキシマレーザーを発するレーザー光源を備え、図2に示すように、パルスレーザーLをターゲット16に照射する。
また、本実施形態の結晶解析手段20はRHEED(Reflection High Energy Erectron Diffractio)よりなり、図2に示すように、電子線Eを試料表面に浅い角度で入射させ、表面原子によって回折された電子線に基づいて結晶の状態を解析できる。図2において、符号23はミラーを示し、符号22はCCDカメラを示す。
また、シャター19は、後述する分子線Pの遮蔽手段であり、シャター19を開くことによりエピタキシャル成長を開始できる。

【0030】
本実施形態のターゲット16は、バッファー薄膜用の第1のターゲットと、Ba1膜用の第2のターゲットと、Ba2膜用の第3のターゲットの3種類よりなる。

【0031】
まず、第1のターゲットは、例えばY、BaCO及びCuOの粉末を、Y:Ba:Cu=1:2:(3~2.4)のモル比となるように混合し、酸素雰囲気で仮焼きし(900℃、12~20時間程度)、その仮焼きしたものを粉砕してプレス成型する。そして、そのプレス成型したものを焼結(略910℃で5時間程度保持し、その後略680℃で5~10時間程度保持し、その後約13時間以下で徐冷)することにより形成できる。
次に、第2のターゲットは、例えばBaO、CaO、CuOの粉末を、Ba:Ca:Cu=1:n:n+1のモル比となるように所定の真空雰囲気内で混合し、仮焼(酸素雰囲気で略850℃25時間程度)と粉砕を2回繰り返し、その後プレス成型を行う。そして、そのプレス成型したものを焼結(900℃で15時間程度保持し、その後7.5時間以上かけて常温まで徐冷)することにより形成できる。なお、本実施形態における第2のターゲットはそのモル比におけるnを2とした。
また、第3のターゲットは、例えばBaO、CaO、CuOの粉末を、Ba:Ca:Cu=2:n:n+1のモル比となるように所定の真空雰囲気内で混合し、その後第2のターゲットと同様な工程を経て形成できる。なお、本実施形態における第3のターゲットはそのモル比におけるnを2とした。

【0032】
このように、形成されるターゲット16は、図2に示すように、真空容器12内の所定位置に配置され、上述したパルスレーザーLの照射を受ける。なお、本実施形態の薄膜製造装置10は、例えば複数のターゲットをセットした状態で回転可能なロータリ機構(図示しない)等のターゲット交換手段を備えている。したがって、真空容器12内を大気開放することなく薄膜の種類に応じてターゲット16を交換しつつパルスレーザーLによって照射可能な構成となっている。

【0033】
本実施形態の単結晶基板17は、SrTiO製で形成され、表面が(100)面のものを用いている。単結晶基板17は、SrTiO製に限るものではなくMgO製であってもよい。そして、単結晶基板17は、図2に示すように、上述したターゲット16の対向位置に配置される。

【0034】
ここで、パルスレーザーデポジション(Pulsed Laser Deposition)法(以下「PLD法」という。)について説明する。
PLD法とは、図2に示すように、パルスレーザーLをターゲット16に照射することにより、ターゲット16成分の分子線Pを発生させ、その分子線が存在する空間(プルーム)内にある基板上(本実施形態の場合は単結晶基板17)に薄膜をエピタキシャル成長させる方法をいう。PLD法は、パルレーザーアブレーション法ともいわれる方法である。
【実施例1】
【0035】
次に、図3及び図4を用い、本実施形態の実施例1について説明する。図3は、本実施例による超伝導薄膜積層体29を説明する断面模式図である。図4は、本実施例における酸化物超伝導薄膜の製造方法を説明するタイムチャートである。より詳しくは、図4の下段部分が基板温度の推移を示し、上段部分が真空容器12内の酸素圧の推移を示す。また、図4において横軸は時間の推移を示し、縦軸の酸素圧の単位はPa(パスカル)、温度の単位は℃となっている。
【実施例1】
【0036】
まず、図4に示すように、ステップaで、基板温度を例えば常温等の所定の温度から略830℃まで上昇させつつ酸素圧調整手段15等によって酸素圧を例えば略13.3Paに調整する。
【実施例1】
【0037】
次に、図4に示すように、ステップbで、基板温度が略830℃で酸素圧が略13.3Paの状態で略30分保持し、基板温度と酸素圧を安定させる。
【実施例1】
【0038】
次に、ステップcで、第1のターゲットを用いてPLD法によりバッファー薄膜31をエピタキシャル成長させる。
その際、基板温度は800℃~830℃の範囲が好適である。この範囲を逸脱すると例えばY酸化物やBa酸化物或いはこれらの複合物等の不純物が生成されやすくなり、上述した層状ペロブスカイト構造型の薄膜を得ることが困難となるためである。
次に、酸素圧は13.3Pa~26Paの範囲が好適である。酸素圧が略26Paより高いと上述した分子線Pの発生が抑えられるためPLD法が実施できなくなり、一方、酸素圧が略13.3Paより低いと後述する処理(ステップe)を行っても所望の超伝導特性を得ることが出来ないからである。
本実施例のステップcの時間は略60分であり略1000Åの薄膜を成長させた。このステップcの時間は、エピタキシャル成長させる膜厚に応じた任意の時間とすることができる。
【実施例1】
【0039】
次に、図4に示すように、ステップdで、基板温度を略400℃まで降下させるとともに、酸素圧を略400Paまで上昇させる。
その際、基板温度の降下速度は5℃/分~10℃/分が好適である。この範囲を逸脱した降下速度によると、後述するステップeによっても所定の超伝導特性を実現することが困難になる。これは、ステップcでエピタキシャル成長させたバッファー薄膜31の結晶構造が乱れるためと考えられる。
【実施例1】
【0040】
次に、図4に示すように、ステップeで、基板温度が略400℃で酸素圧が略400Paの条件で30分~120分間保持する。このステップeによりステップcでエピタキシャル成長させたバッファー薄膜31が超伝導を発現する、すなわち超伝導体となる。
より詳しくは、上述したステップcが完了した時点では、バッファー薄膜31の結晶構造は正方晶からなるが、この正方晶のままでは超伝導が発現しない。このステップeの間に酸素がバッファー薄膜31に拡散して組成式(YBaCu)中のxが変化することにより、バッファー薄膜31の結晶構造が正方晶から斜方晶へと変化するとともに超伝導を発現すると考えられる。
その際、基板温度は略400℃~500℃の範囲が好適である。これは、ペロブスカイト構造を維持しつつ斜方晶へと変化するために好適な熱エネルギを得るためと考られる。また、酸素圧は略400Pa以上が好適であった。これは、斜方晶へと変化するための酸素を拡散させるために、ある程度の酸素圧が求められるためと考えられる。
【実施例1】
【0041】
次に、図4に示すように、ステップfで、酸素圧を400Paに維持しつつ基板温度を略100℃まで降下させる。このステップfの間に上述した斜方晶の構造を安定させるのである。
【実施例1】
【0042】
ここで、本実施例において、ステップa~ステップfが単結晶基板17上にYBaCuで構成されるバッファー薄膜31を形成する第1の工程を構成する。
そして、第1の工程は、バッファー薄膜31をパルスレーザーデポジション法によりエピタキシャル成長させるバッファー薄膜成長工程としてのステップcを含む構成となっている。
また、第1の工程は、基板温度が略400℃及び酸素圧が略400Pa以上で、バッファー薄膜31を30分~120分間保持することによりバッファー薄膜31を超伝導体とするバッファー薄膜超伝導化工程としてのステップeを含む構成となっている。
【実施例1】
【0043】
第1の工程は、本実施例のようにステップa~ステップfからなる工程に限るものではなく、例えばステップa~ステップcから構成されていてもよい。このような構成とすることにより、バッファー薄膜31を超伝導体として利用する必要がない場合等に製造時間の短時間化を図ることができる。
【実施例1】
【0044】
次に、図4に示すように、ステップgで、基板温度を例えば略800℃まで上昇させるとともに酸素圧を例えば略13.3Paまで低下させる。
【実施例1】
【0045】
次に、図4に示すように、ステップhで、ステップbで基板温度が略800℃で酸素圧が略13.3Paの状態で略30分保持し、基板温度と酸素圧を安定させる。
【実施例1】
【0046】
次に、ステップiで、第2のターゲットを用いてPLD法によりBa1膜32をエピタキシャル成長させる。
その際、基板温度は770℃~830℃の範囲が好適である。この範囲を逸脱すると例えばBa酸化物、Ca酸化物或いはこれらの複合物等の不純物が生成されやすくなり、上述した層状ペロブスカイト構造型(図1(a)参照)のBa1膜32を得ることが困難となるためである。
次に、酸素圧は13.3Pa~26Paの範囲が好適である。酸素圧が略26Paより高いと上述した分子線Pの発生が抑えられてPLD法が実施できなくなり、一方、酸素圧が略13.3Paより低いと所望の超伝導特性を得ることが出来ないからである。
本実施例のステップiの時間は略60分であり略900Åの薄膜を成長させた。このステップiの時間は、エピタキシャル成長させる膜厚に応じた任意の時間とすることができる。
【実施例1】
【0047】
次に、ステップjで、酸素圧を略400Paに上昇させるとともに、基板温度を例えば略700℃まで徐冷させる。その際、温度降下速度は2℃/分以下が好適である。温度降下速度は2℃/分を超える場合は、結晶性に優れるとともに高いTcを有するBa1膜32を形成できない。その理由は、温度降下速度が2℃/分を超えると、バッファー薄膜31とBa1膜32の界面の整合を維持することが困難となり良質なBa1膜32を得ることができないためと考えられる。
また、酸素圧は略400Pa以上が好適である。所定の結晶構造や高い超伝導特性を有するBa1膜を形成するのに必要な酸素を供給するための好適な酸素圧と考えられる。
【実施例1】
【0048】
次に、ステップkで、酸素圧を略400Paに維持しつつ、基板温度を急冷させる。その際、温度降下速度は15℃~20℃が好適である。この温度降下速度が15℃~20℃を逸脱すると、ステップjで一旦形成された結晶構造が不安定になるためである。また、酸素圧は略400Pa以上が好適である。
【実施例1】
【0049】
本実施例によれば、図3に示すように、単結晶基板17上に、バッファー薄膜31を介して酸化物超伝導薄膜(Ba1膜32)、具体的にはBaCaCuからなる薄膜が形成された。本実施例による超伝導薄膜積層体29は、図3に示すように、バッファー薄膜31上にBa1膜32を積層してなる。
【実施例1】
【0050】
ここで、本実施例において、ステップg~ステップkが真空容器12を大気開放することなくバッファー薄膜31上に連続して酸化物超伝導薄膜(Ba1膜32)を形成する第2の工程を構成する。
そして、第2の工程は、酸化物超伝導薄膜(Ba1膜32)をバッファー薄膜31上にパルスレーザーデポジション法によりエピタキシャル成長させる超伝導薄膜成長工程としてのステップiと、超伝導薄膜成長工程としてのステップiに連続し、基板温度を徐冷させる徐冷工程としてのステップjと、徐冷工程としてのステップjに連続し、基板温度を急冷させる急冷工程とを含む構成となっているのである。
【実施例2】
【0051】
次に、図5を用い、実施例2について説明する。図5は、本実施例による超伝導薄膜積層体30を説明する断面模式図である。
本実施例と実施例1の相違点は、実施例1のステップi(図4参照)において第2のターゲットに変えて第3のターゲットを用いてバッファー薄膜31上にBa2膜33をエピタキシャル成長させた点である。
本実施例によれば、図5に示すように、単結晶基板17上に、バッファー薄膜31を介して酸化物超伝導薄膜(Ba2膜33)、具体的にはBaCaCuからなる薄膜が形成された。本実施例による超伝導薄膜積層体30は、図5に示すように、バッファー薄膜31上にBa2膜33を積層してなる。
【実施例3】
【0052】
次に、図6及び図7を用い、実施例3について説明する。図6は、本実施例による超伝導薄膜積層体38を説明する断面模式図である。図7は、本実施例における酸化物超伝導薄膜の製造方法を説明するタイムチャートの例を示す図である。
本実施例と実施例1との相違点は、図7に示すように、実施例1のステップkに連続して真空容器12内を大気開放させることなくステップa~ステップf(第1の工程)を実施した点である。なお、図7において実施例1と同じステップについては実施例1と同じ符号を付してその説明を省略する。
【実施例3】
【0053】
本実施例の超伝導薄膜積層体38は、図6に示すように、バッファー薄膜31上にBa1膜32を形成させ、そのBa1膜32上にバッファー薄膜31を形成させてなる。このように、Ba1膜32がバッファー薄膜31によってサンドイッチ状に挟さまれるため、吸湿等のために大気中で結晶が不安定となりやすいBa1膜32を安定化させることができる。以下の説明では、図6で示すように、Ba1膜32の上下をバッファー薄膜31によってサンドイッチ状に挟さんだ構造の超伝導薄膜積層体を「Y/Ba1/Y膜」という。
【実施例4】
【0054】
次に、図8を用い、実施例4について説明する。図8は、本実施例による超伝導薄膜積層体39を説明する断面模式図である。
本実施例と実施例3との相違点は、実施例3のステップi(図7参照)で第2のターゲットに変えて第3のターゲットを用いてBa2膜33をエピタキシャル成長させた点である。
【実施例4】
【0055】
本実施例の超伝導薄膜積層体39は、図8に示すように、バッファー薄膜31上にBa2膜33を形成させ、そのBa2膜33上にバッファー薄膜31を形成させてなる。このように、Ba2膜33がバッファー薄膜31によってサンドイッチ状に挟さまれるため、Ba1膜32よりさらに大気中で結晶が不安定となりやすいBa2膜33を安定化させることができる。以下の説明では、図8で示すように、Ba2膜33の上下をバッファー薄膜31によってサンドイッチ状に挟さんだ構造の超伝導薄膜積層体を「Y/Ba2/Y膜」という。
【実施例5】
【0056】
次に、図9を用い、実施例5について説明する。図9は、本実施例による超伝導薄膜積層体36を説明する断面模式図である。上述した実施例3を実施した後、真空容器12内を開放することなくさらに第2の工程(第2のターゲット)及び第1の工程を複数回繰り返すことにより図9に示すような多層構造からなる超伝導薄膜積層体36を形成できた。なお、図9の酸化物層状超伝導体36は、最上層がBa1膜32からなる。
【実施例6】
【0057】
次に、図10を用い、実施例6について説明する。図10は、本実施例による超伝導薄膜積層体37を説明する断面模式図である。上述した実施例4を実施した後、真空容器12内を開放することなくさらに第2の工程(第3のターゲット)及び第1の工程を複数回繰り返すことにより図10に示すような多層構造からなる超伝導薄膜積層体37を形成できた。なお、図10の超伝導薄膜積層体37は、最上層がバッファー薄膜31からなる。このような、多層構造とすることにより、ダメージ等によっていずれかの層が超伝導を失っても超伝導薄膜積層体37全体として超伝導を維持できる。

【0058】
次に、結晶性等評価の際の比較例として、以下のサンプルを準備した。
上述した第2の工程(第2のターゲット)によって単結晶基板17上にBa1膜32を形成させたサンプル1を得た。
次に、上述した第2の工程(第3のターゲット)によって単結晶基板17上にBa2膜33を形成させたサンプル2を得た。
次に、上述した第1の工程(ステップa~ステップf)によって単結晶基板17上にバッファー薄膜31を形成させたサンプル3を得た。
〔評価結果〕

【0059】
以上のように形成された酸化物超伝導薄膜の結晶性評価結果について図11~図13を用いて説明する。
図11及び図12は、本実施形態における酸化物超伝導薄膜のXRD回折パターンを示す図である。図13は、本実施形態におけるRHEEDの結果を示す写真である。

【0060】
図11(a)は、サンプル1のXRD測定の結果を示すグラフであり、図11(b)は、上述した実施例1による超伝導薄膜積層体29のXRD測定の結果を示すグラフである。図11中で「Ba-Ca-Cu-O」はBa1膜からの回折ピーク、「SrTiO」は単結晶基板17からの回折ピーク、「Ba-Ca-Cu-O+Y123」はBa1膜32からの回折ピークとバッファー薄膜31からの回折ピークとが重なったピークをそれぞれ示している。
図11(b)のXRDパターンは、回折ピークが略一定の間隔で現れており、実施例1によるBa1膜が良好な配向性をもった結晶構造を呈していることを示している。これに対し、図11(a)のXRDパターンは、回折ピーク数が図11(b)の回折ピークの数よりも多く、その間隔も不規則である。このことからサンプル1のBa1膜は多結晶状態になっていると考えられる。このように実施例1によれば、結晶性に優れたBa1膜32を得ることができた。

【0061】
次に、図12(a)は、サンプル2のXRD測定の結果を示すグラフであり、図12(b)は、上述した実施例2による超伝導薄膜積層体30のXRD測定の結果を示すグラフである。図12中で、「Ba-Ca-Cu-O」はBa2膜33からの回折ピーク、また、「Ba-Ca-Cu-O+Y123」は、Ba2膜33からの回折ピークとバッファー薄膜31からの回折ピークとが重なったピークを示している。
図12(a)と図12(b)とを比較すると、図12(b)のXRDパターンにおける回折ピークの方が、図12(a)の回折ピークより高く、また半値幅も狭いことがわかる。このことから、超伝導薄膜積層体30のBa2膜の方が、サンプル2のBa2膜に比べて結晶軸が揃った配向性の高い結晶構造を形成していることがわかる。このように実施例2によれば、結晶性に優れたBa2膜33を得ることができた。

【0062】
次に、図13(a)は、単結晶基板17のRHEEDの写真である。図13(a)に示すように、スポットが半球状に並んでおり単結晶構造であることを示している。
次に、図13(b)は、上述したサンプル3(単結晶基板17上のバッファー薄膜31)のRHEEDの写真であり、図13(c)は、図13(b)の説明図である。図13(c)及び図13(b)からわかるように、円状の写真画像中に複数のストリーク40を観察できる。このように、本バッファー薄膜31は、単結晶基板17表面と平行な面内において結晶軸が配向していることを確認できた。
次に、図13(d)は、上述した実施例1によるBa1膜32(図3参照)のRHEEDの写真であり、図13(e)は、図13(d)の説明図である。図13(d)及び図13(e)からわかるように、円状の写真画像中に複数のストリーク42を観察できる。このように、実施例1によるBa1膜32は、単結晶基板17表面と平行な面内において結晶軸が配向していることを確認できた。

【0063】
次に、図14を用いて、電気特性評価結果について説明する。図14は、4探針法によって抵抗率(Resistivity)の温度(K)依存性を測定した結果を示すグラフである。図14の中で、(a)はサンプル3を示し、(b)はY/Ba1/Y膜を示し、(c)はY/Ba2/Y膜を示している。

【0064】
図14によれば、Y/Ba1/Y膜とY/Ba2/Y膜の双方ともサンプル3より高いTcを実現できている。特に、Y/Ba1/Y膜は略92Kという高いTcを達成できている。
このように、上述した実施例によれば、Ba1膜32或いはBa2膜33を含んで高い超伝導転移温度(Tc)を有する超伝導薄膜積層体38,39を形成可能である。

【0065】
これまで説明してきたように、本実施形態の酸化物超伝導薄膜の製造方法によれば、結晶性に優れた酸化物超伝導薄膜を形成可能とするとともに、その酸化物超伝導薄膜を含んで高い超伝導転移温度(Tc)を有する超伝導薄膜積層体を形成可能な酸化物超伝導薄膜の製造方法を提供できる。また、製造工程中に有毒元素を含まないで当該酸化物超伝導薄膜を形成できるので、当該酸化物超伝導薄膜及び前記超伝導薄膜積層体の量産化に好適で工業価値の高い酸化物超伝導薄膜の製造方法を提供できる。

【0066】
以上、本発明の実施形態のうちいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらはあくまでも例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
12 真空容器
17 単結晶基板
31 バッファー薄膜
32 酸化物超伝導薄膜(Ba1膜)
33 酸化物超伝導薄膜(Ba2膜)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図14】
12
【図13】
13