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明細書 :ポリマー組成物及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5521220号 (P5521220)
公開番号 特開2012-012494 (P2012-012494A)
登録日 平成26年4月18日(2014.4.18)
発行日 平成26年6月11日(2014.6.11)
公開日 平成24年1月19日(2012.1.19)
発明の名称または考案の名称 ポリマー組成物及びその製造方法
国際特許分類 C08L  83/07        (2006.01)
FI C08L 83/07
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願2010-150465 (P2010-150465)
出願日 平成22年6月30日(2010.6.30)
審査請求日 平成24年9月5日(2012.9.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】592216384
【氏名又は名称】兵庫県
発明者または考案者 【氏名】濱田 浩幸
【氏名】蒋 永剛
【氏名】樋口 行平
【氏名】前中 一介
個別代理人の代理人 【識別番号】100127203、【弁理士】、【氏名又は名称】奈良 泰宏
審査官 【審査官】中村 英司
参考文献・文献 特表2005-516702(JP,A)
特開2004-307691(JP,A)
特表2001-500306(JP,A)
特開平09-165515(JP,A)
特開平08-048885(JP,A)
特開平04-227760(JP,A)
特開昭54-135865(JP,A)
特開昭61-068430(JP,A)
特開平09-207275(JP,A)
特開2011-246581(JP,A)
調査した分野 C08C 19/00- 19/44
C08F 6/00-246/00
C08F290/06
C08F299/08
C08K 3/00- 13/08
C08L 1/00-101/14
特許請求の範囲 【請求項1】
ジメチルビニル末端ジメチルシロキサンとテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンとを、100:2~73:1の体積比で重合させてなるものであることを特徴とするポリマー組成物。
【請求項2】
ジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンとを、100:2~73:1の体積比で混合する混合工程と、
前記混合工程後、ジメチルビニル末端ジメチルシロキサンと、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンとの混合物を、60℃~80℃の温度下において、5時間~6時間放置する工程と、を有していることを特徴とするポリマー組成物の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、被貼付物に貼付することが可能なポリマー組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に開示されているように、被貼付物に接触することが意図されたポリマー組成物が公知となっている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2010-47764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、例えば、皮膚などの被貼付物に貼付可能な生体適合性を有したポリマー組成物が望まれる場合があるが、上記特許文献1のポリマー組成物は、生体適合性を有しているものの、被貼付物に貼付して使用することができるものではない(上記特許文献1の段落0048、0049参照)。
【0005】
そこで、本発明の目的は、皮膚など様々な被貼付物に貼付することが可能なポリマー組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明のポリマー組成物は、ジメチルビニル末端ジメチルシロキサン(以下、DSDT(Dimethyl siloxane,Dimethylvinyl-terminated)と表現することがある。)とテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン(以下、TTC(Tetrametyhyl tetravinyl cyclotetrasiloxane)と表現することがある。)とを、100:2~73:1の体積比で重合させてなるものである。

【0007】
上記(1)の構成によれば、皮膚など様々な被貼付物に貼付することが可能なポリマー組成物を提供できる。特に、DSDTとTTCとを100:2の体積比で含む場合には、本発明のポリマー組成物は、被貼付物への貼付と剥離とを何回も繰り返すことができる。すなわち、本発明のポリマー組成物を何回も使用することができることから、本発明のポリマー組成物は、被貼付物への貼付と剥離とが1回でできなくなってしまうものに比べて経済的である。また、本発明のポリマー組成物は、生体適合性を有したものであるので、直接、皮膚などに長時間貼り付けることも可能である。

【0008】
(2) 本発明のポリマー組成物の製造方法は、DSDTとTTCとを100:2~73:1の体積比で混合する混合工程と、前記混合工程後、DSDTとTTCとの混合物を、60℃~80℃の温度下において、5時間~6時間放置する工程と、を有しているものである。

【0009】
上記(2)の構成によれば、例えば、上記(1)のポリマー組成物を容易に製造することができる。また、例えば、DSDTとTTCとの混合条件を100:2の体積比とした場合には、混合条件を70:1~73:1の体積比とした場合に比べて硬いポリマー組成物とすることができる。

【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1及び比較例9に係るポリマー組成物のスチロールへの貼り付き性の実験結果を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例1及び比較例9に係るポリマー組成物の人の皮膚への貼り付き性の実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係るポリマー組成物について説明する。

【0012】
本実施形態に係るポリマー組成物は、DSDTとTTCとを重合させてなるPDMSである。このPDMSは、生体適合性を有しているものでもある。具体的には、以下に説明する混合工程と放置工程とによって製造することができる。

【0013】
すなわち、まず、DSDTとTTCと100:2~73:1の体積比で混合する(混合工程)。なお、DSDTとTTCとの混合体積比を100:2より小さくすると、硬すぎて皮膚などに貼り付けておく時間が短時間となるか、又は、貼り付けること自体が困難となる。また、DSDTとTTCとの混合体積比が、73:1を超えると液状のまま固まらず、ポリマー組成物を生成しない。なお、DSDTとTTCとの混合体積比を変化させることで、生成されるポリマー組成物の硬さを変化させることができる。例えば、DSDTとTTCとの混合条件を100:2の体積比に近い値とすればするほど、DSDTとTTCとの混合条件を73:1の体積比に近い値とした場合に比べて硬めのポリマー組成物とすることができる。

【0014】
次に、上記混合工程後、DSDTとTTCとの混合物を、60℃程度~80℃程度の温度下において所定時間放置する(放置工程)。なお、5時間~6時間放置することが好ましい。

【0015】
本実施形態によれば、皮膚など様々な被貼付物に貼付することが可能なポリマー組成物を提供できる。
【実施例】
【0016】
次に、実施例を用いて、本発明に係るポリマー組成物について説明する。
【実施例】
【0017】
下記表1の実施例1~4及び比較例1~8に示した体積比で、DSDTとTTCとを混合した後、80℃の環境下で放置し、ポリマー組成物を生成することを試みた。その結果、比較例6~8についてはポリマー組成物を生成することができなかったが、実施例1~4及び比較例1~4については、ポリマー組成物を生成することができた。なお、実施例1~4及び比較例1~4の条件で生成されたポリマー組成物を、各条件につき数個ずつ作成し、該ポリマー組成物それぞれについて人の皮膚への貼り付き耐久性を調査した。該調査の結果を表1に示す。
【実施例】
【0018】
【表1】
JP0005521220B2_000002t.gif
【実施例】
【0019】
表1から、生体適合性を有した実施例1~4に係るポリマー組成物は、直接、人の皮膚などに長期間貼り付けることが可能であることがわかった。実施例2~4に係るポリマー組成物に関しては、実施例1に係るポリマー組成物よりも粘着性は強いが、柔らかいために貼り付けた場所から移動してしまうことがあった。
【実施例】
【0020】
また、実施例1に係るポリマー組成物と比較例9に係る市販商品(ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)製のBAND-AID(登録商標))とについて、スチロールの表面と人の皮膚とに貼ったり剥がしたりすることを繰り返して、貼り付き性の変化を調査した。スチロールの表面について行った調査の結果を図1のグラフに示し、人の皮膚について行った調査の結果を図2のグラフに示す。なお、実施例1に係るポリマー組成物又は比較例9に係る市販商品を被対象物に貼って剥がしてという2つの作業を1サイクルと定義し、図1及び図2のx軸にサイクル数を示す。また、図1及び図2のy軸は、実施例1に係るポリマー組成物と比較例9に係る市販商品を剥がす際に必要な張力の値を示すものである。
【実施例】
【0021】
図1及び図2のグラフから、実施例1に係るポリマー組成物の貼り付き性は、スチロールの表面について行った調査では、80回未満では異なるものの80回以上で比較例9に係る市販商品と同様のものとなった。また、実施例1に係るポリマー組成物の貼り付き性は、人の皮膚について行った調査では、40回未満では異なるものの40回以上で比較例9に係る市販商品と同様のものとなった。なお、実施例1に係るポリマー組成物の貼り付き性は、最初から200回まで上記サイクルを繰り返しても変化せず、安定したものであることがわかった。したがって、実施例1のポリマー組成物は、被貼付物への貼付と剥離とを何回も繰り返すことができることがわかった。すなわち、実施例1のポリマー組成物を何回も使用することができることから、実施例1のポリマー組成物は、被貼付物への貼付と剥離とが1回でできなくなってしまうものに比べて経済的である。
【実施例】
【0022】
なお、実施例2~4に係るポリマー組成物については、スチロールの表面又は人の皮膚に貼り付くものの、剥がすと、該ポリマー組成物がスチロールの表面又は人の皮膚にいくらか残留するという状況になった。
【実施例】
【0023】
なお、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
図面
【図1】
0
【図2】
1