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明細書 :シラフルオレン誘導体の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5594762号 (P5594762)
公開番号 特開2011-184410 (P2011-184410A)
登録日 平成26年8月15日(2014.8.15)
発行日 平成26年9月24日(2014.9.24)
公開日 平成23年9月22日(2011.9.22)
発明の名称または考案の名称 シラフルオレン誘導体の製造方法
国際特許分類 C07F   7/08        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07F 7/08 R
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 7
全頁数 27
出願番号 特願2010-053857 (P2010-053857)
出願日 平成22年3月10日(2010.3.10)
審査請求日 平成25年2月28日(2013.2.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
発明者または考案者 【氏名】國信 洋一郎
【氏名】嬉野 智也
【氏名】高井 和彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100113181、【弁理士】、【氏名又は名称】中務 茂樹
【識別番号】100180600、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 俊一郎
審査官 【審査官】井上 千弥子
参考文献・文献 特開平05-310752(JP,A)
特開平07-233176(JP,A)
特開平06-247986(JP,A)
特開平06-128275(JP,A)
特開平10-212293(JP,A)
特表2003-507482(JP,A)
特開平02-115139(JP,A)
特開平09-295986(JP,A)
特開2010-064976(JP,A)
J. Am. Chem. Soc.,2009年,131(40),pp. 14192-14193
調査した分野 C07F 7/02-7/21
CAplus/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
周期表7族、8族、9族および10族の第5周期~第6周期の遷移金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の化合物からなる触媒の存在下に、下記構造式(1)で示される2-ヒドロシリルビフェニルまたはその置換体を脱水素反応させることを特徴とする下記構造式(2)で示されるシラフルオレン誘導体の製造方法。
構造式(1)
【化1】
JP0005594762B2_000029t.gif
[式中、R1、R2、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R1とR2とが相互に結合して環を形成してもよく、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24の2つが相互に結合して環を形成してもよい。]
構造式(2)
【化2】
JP0005594762B2_000030t.gif
[式中、R1、R2、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R1とR2とが相互に結合して環を形成してもよく、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24の2つが相互に結合して環を形成してもよい。]
【請求項2】
触媒が、ロジウム、レニウム、ルテニウム、イリジウムおよび白金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の化合物からなる触媒である請求項に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
【請求項3】
触媒が、1価のロジウムの化合物からなる触媒である請求項1または2に記載のシラフルオレンの製造方法。
【請求項4】
触媒が、錯体である請求項1~のいずれか1項に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
【請求項5】
錯体が、カルボニル錯体、トリメチルホスフィン錯体、トリエチルホスフィン錯体、トリブチルホスフィン錯体、トリ-sec-ブチルホスフィン錯体、トリ-tert-ブチルホスフィン錯体、トリシクロへキシルホスフィン錯体、トリフェニルホスフィン錯体、メチルジフェニルホスフィン錯体、ジメチルフェニルホスフィン錯体、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン錯体、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン錯体、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン錯体、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1-ビナフチル錯体、トリフルオロメタンスルホネート錯体、アセテート錯体、プロピオネート錯体、ブチレート錯体、アセチルアセトナート錯体、エチレン錯体、シクロオクテン錯体、シクロオクタジエン錯体、ノルボルナジエン錯体からなる群から選ばれた錯体である請求項4に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
【請求項6】
反応を、有機溶媒中で行う請求項1~のいずれか1項に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
【請求項7】
反応を、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、ケトン、アルコールからなる群から選ばれた少なくとも1種の溶媒中で行う請求項に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、シラフルオレン誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ、携帯電話等における表示装置として、低消費電力かつ軽量な表示装置が求められている。有機エレクトロルミネッセンス(以下、エレクトロルミネッセンスをELと略記することにする)素子は、電極の間に有機EL素材を挟むだけという非常に単純な構造を持つ自発光素子であり、こうした要求を満たす素材として幅広い分野での利用が期待されている。
【0003】
有機EL材料の構成要素として、芳香環同士がケイ素で架橋された分子(ケイ素架橋体)が利用されており、そのひとつとして、ケイ素架橋シラフルオレンの利用が期待されている。
【0004】
以下に、従来行われてきたシラフルオレンの合成方法を示す。非特許文献1では、従来、多く用いられてきた有機リチウム反応剤を用いたハロゲン化ビフェニルのリチオ化による合成法の例として、2つの炭素-ケイ素(C‐Si)結合を形成することでシラフルオレンを合成している例を示している。
【0005】
非特許文献2では、ビフェニル骨格を有するジシランあるいはトリシラン化合物の光分解によるSi-X-Si鎖(XはO、S、NH,Fe(CO)4)形成反応が報告され、その中の例として、精製した鉄錯体を低圧水銀灯を用いて光分解することにより、低収率ながらシラフルオレンが得られることを報告している。
【0006】
非特許文献3では、臭素化されたシリル-1,3-ブタジエン誘導体からリチオ化を経由した分子内反応により、シロール誘導体が合成され、その中の一例として、シラフルオレンも合成できることが示されている。
【0007】
非特許文献4では、イリジウム触媒の存在下、アルキンとケイ素を含むジインを用いて[2+2+2]付加環化反応を経由したシラフルオレン合成法が報告されている。
【0008】
非特許文献5では、パラジウム触媒存在下、2-(アリールシリル)アリールトリフラートの分子内カップリングによるシラフルオレン合成法が報告されている。
【0009】
非特許文献6では、ロジウム触媒による2-シリルフェニルボロン酸およびアルキンを用いたシロールの合成法が報告されており、その一例として、ビフェニルシランを基質として用いた分子内反応により、高収率でシラフルオレンが合成されている。
【0010】
非特許文献7では、Sira-Friedel-Crafts反応によるシラフルオレンの合成法も報告されている。
一般に、従来のシラフルオレンの合成には、原料となる化合物内に、余分な置換基を必要としていたため、煩雑で高コストな製造プロセスとなっており、また、製造の段階で生じる副生成物の処理と環境への負荷が問題となっている。
【先行技術文献】
【0011】

【非特許文献1】Gilman, H.; Gorsich, R. D. J. Am. Chem. Soc. 1958, 80, 1883.
【非特許文献2】Sakurai, H.; Sakamoto, K.; Kira, M. Chem. Lett. 1987, 1975.
【非特許文献3】Wang, Z.; Fang, H.; Xi, Z. Tetrahedron Lett. 2005, 46, 499.
【非特許文献4】Matsuda, T.; Kadowaki, S.; Goya, T.; Murakami, M. Org. Lett. 2007, 9, 133.
【非特許文献5】Shimizu, M.; Mochida, K.; Hiyama, T. Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 9760.
【非特許文献6】Tobisu, M.; Onoe, M.; Kita, Y.; Chatani, N. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 7506.
【非特許文献7】Furukawa, S.; Kobayashi, J.; Kawashima, T. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 14192.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記問題に鑑み、本発明は、従来法に比べ、より安価で簡便かつ、副生成物による環境への負荷が少ない製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、下記構造式(1)で示される2-ヒドロシリルビフェニルまたはその置換体を用いて、下記構造式(2)で示されるシラフルオレン誘導体の製造方法を提供する。
【0014】
構造式(1)
【0015】
【化1】
JP0005594762B2_000002t.gif
[式中、R1、R2、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R1とR2とが相互に結合して環を形成してもよく、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24の2つが相互に結合して環を形成してもよく、好ましくは隣接する2つが相互に結合して環を形成してもよい。]
【0016】
構造式(2)
【0017】
【化2】
JP0005594762B2_000003t.gif
[式中、R1、R2、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R1とR2とが相互に結合して環を形成してもよく、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24の2つが相互に結合して環を形成してもよく、好ましくは隣接する2つが相互に結合して環を形成してもよい。]
【0018】
本発明の概略は次のとおりである。
[1] 周期表7族、8族、9族および10族の第5周期~第6周期の遷移金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の化合物からなる触媒の存在下に、下記構造式(1)で示される2-ヒドロシリルビフェニルまたはその置換体を脱水素反応させることを特徴とする下記構造式(2)で示されるシラフルオレン誘導体の製造方法。
構造式(1)
【化1】
JP0005594762B2_000004t.gif
[式中、R1、R2、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R1とR2とが相互に結合して環を形成してもよく、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24の2つが相互に結合して環を形成してもよい。]
構造式(2)
【化2】
JP0005594762B2_000005t.gif
[式中、R1、R2、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R1とR2とが相互に結合して環を形成してもよく、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24の2つが相互に結合して環を形成してもよい。]
[2] 触媒が、ロジウム、レニウム、ルテニウム、イリジウムおよび白金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の化合物からなる触媒である[1]に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
[3] 触媒が、1価のロジウムの化合物からなる触媒である[1]または[2]に記載のシラフルオレンの製造方法。
[4] 触媒が、錯体である[1]~[3]のいずれか1項に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
[5] 錯体が、カルボニル錯体、トリメチルホスフィン錯体、トリエチルホスフィン錯体、トリブチルホスフィン錯体、トリ-sec-ブチルホスフィン錯体、トリ-tert-ブチルホスフィン錯体、トリシクロへキシルホスフィン錯体、トリフェニルホスフィン錯体、メチルジフェニルホスフィン錯体、ジメチルフェニルホスフィン錯体、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン錯体、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン錯体、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン錯体、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1-ビナフチル錯体、トリフルオロメタンスルホネート錯体、アセテート錯体、プロピオネート錯体、ブチレート錯体、アセチルアセトナート錯体、エチレン錯体、シクロオクテン錯体、シクロオクタジエン錯体、ノルボルナジエン錯体からなる群から選ばれた錯体である[4]に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
[6] 反応を、有機溶媒中で行う[1]~[5]のいずれか1項に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
[7] 反応を、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、ケトン、アルコールからなる群から選ばれた少なくとも1種の溶媒中で行う[6]に記載のシラフルオレン誘導体の製造方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明に従うシラフルオレン誘導体の製造方法にあっては、2-ヒドロシリルビフェニルの脱水素反応を行うことによって、シラフルオレンを合成するものであり、水素以外の不可避的不純物を除く副生成物の発生を生じせしめないため、従来手法に比べ、シラフルオレン誘導体の合成を有利にかつ高収率で製造し得るもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の製造方法において使用される構造式(1)で示される2-ヒドロシリルビフェニルまたはその置換体として具体的には、2-ジメチルヒドロシリルビフェニル、2-ジエチルヒドロシリルビフェニル、2-ジn-プロピルヒドロシリルビフェニル、2-ジイソプロピルヒドロシリルビフェニル、2-メチルフェニルヒドロシリルビフェニル、2-ジメチルヒドロシリル-3-メチルビフェニル、2-ジメチルヒドロシリル-4-メチルビフェニル、2-ジメチルヒドロシリル-5-メチルビフェニル、2-ジメチルヒドロシリル-6-メチルビフェニル、2-ジメチルヒドロシリル-2’-メチルビフェニル、2-ジメチルヒドロシリル-3’-メチルビフェニル、2-ジメチルヒドロシリル-4’-メチルビフェニル、2-ジメチルヒドロシリル-4’-トリフルオロメチルビフェニル、2-ジメチルヒドロシリル-4’-フルオロビフェニル、2-ジメチルヒドロシリル-4’-メトキシビフェニル、2-ジメチルヒドロシリル-4’-tert-ブチルビフェニル、2-(2-ジメチルシリルフェニル)ナフタレンなどを例示することができる。
【0021】
前記構造式(1)で示される2-ヒドロシリルビフェニルまたはその置換体ならびに前記構造式(1)で示されるシラフルオレン誘導体において、式中、R1、R2、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R1とR2とが相互に結合して環を形成してもよく、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24の2つが相互に結合して環を形成してもよく、好ましくは隣接する2つが相互に結合して環を形成してもよい。
【0022】
さらに、具体的に好適には、式中、R1、R2、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立して、
水素原子;
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;
置換基を有してもよいアルキル基としては、低級アルキル基、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基などの置換基を有してもよい炭素原子数1~20のアルキル基;置換基を有してもよいアルケニル基としては、低級アルキル基、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基などの置換基を有してもよい総炭素原子数1~20の置換基を有してもよいアルケニル基;
置換基を有してもよいアルキニル基としては、低級アルキル基、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基などの置換基を有してもよい総炭素原子数1~20のアルキニル基;
置換基を有してもよいアリール基としては、低級アルキル基、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基などの置換基を有してもよい総炭素原子数6~20のフェニル基またはナフチル基;
置換基を有してもよいアリールアルキル基としては、低級アルキル基、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基などの置換基を有してもよい総炭素原子数7~20のフェニルアルキル基またはナフチルアルキル基;
置換基を有してもよいアリールアルケニル基としては、低級アルキル基、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基などの置換基を有してもよい総炭素原子数7~20のフェニルアルケニル基またはナフチルアルケニル基;
置換基を有してもよいアリールアルキニル基としては、低級アルキル基、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基などの置換基を有してもよい総炭素原子数7~20のフェニルアルキニル基またはナフチルアルキニル基;
置換基を有してもよいシクロアルキル基としては、低級アルキル基、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基などの置換基を有してもよい総炭素原子数6~20のシクロアルキル基;
置換基を有してもよい複素環基としては、低級アルキル基、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基などの置換基を有してもよいフラニル基、チオフェニル基、ピロリル基、2H-ピロリル基、2-ピロリニル基、ピロリジニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリジル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、4H-1,4-オキサジニル基、モルホルニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基などの総炭素原子数4~20の置換基を有してもよい複素環基;
保護されていてもよい水酸基としては、低級アルキル基、前記ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基などの置換基を有してもよい保護されていてもよい水酸基:
アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。
【0023】
1とR2とが相互に結合して環を形成してもよく、R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およびR24の2つが相互に結合して環を形成してもよく、好ましくは隣接する2つが相互に結合して環を形成してもよい。
【0024】
本発明の製造方法において、脱水素反応は水素捕捉剤の不存在下でも実施できるが、水素捕捉剤の存在下でも実施できる。
特に、本発明の製造方法において使用される水素捕捉剤としては通常オレフィンであり、通常1-オレフィンまたは2-オレフィンのいずれも使用することができるが、1-オレフィンが好ましい。1-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、3,3-ジメチル-1-ブテン、1-ヘキセン、スチレン、α-メチルスチレンなどを例示することができる。2-オレフィンとしては、2-ブテン、2-ペンテン、3-メチル-2-ブテンなどを例示することができる。これらのオレフィンの使用量は、前記2-ヒドロシリルビフェニルまたはその置換体1モルに対して通常1~10モル、好ましくは4~6モルの範囲である。
【0025】
本発明の製造方法は触媒の存在下に実施される。本発明の製造方法において使用される触媒は、IUPACで規定されている周期表7族、8族、9族および10族の遷移金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の化合物からなる触媒であり、さらに具体的には、周期表7族、8族、9族および10族の第4周期~第7周期の遷移金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の化合物からなる触媒であり、さらに好ましくは、周期表7族、8族、9族および10族の第5周期~第6周期の遷移金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の化合物からなる触媒である。
【0026】
そして、さらに具体的には、周期表7族の金属化合物としては、マンガン、テクネチウム、レニウムなどの金属の化合物を例示することができ、周期表8族の金属化合物としては、鉄、ルテニウム、オスミウムなどの金属の化合物を例示することができ、周期表9族の金属化合物としては、コバルト、ロジウム、イリジウムなどの金属の化合物を例示することができ、周期表10族の金属化合物としては、ニッケル、パラジウム、白金などの金属の化合物を例示することができる。
【0027】
さらには、これらの金属の化合物の中では、ロジウム、レニウム、ルテニウム、イリジウムおよび白金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の化合物からなる触媒を使用することが好ましく、これらの金属化合物の中では、とくにロジウム化合物が好ましく、とりわけ一価のロジウム化合物が好ましい。
【0028】
これらの金属化合物は錯体であることが好ましく、錯体としては、カルボニル錯体、トリメチルホスフィン錯体、トリエチルホスフィン錯体、トリブチルホスフィン錯体、トリ-sec-ブチルホスフィン錯体、トリ-tert-ブチルホスフィン錯体、トリシクロへキシルホスフィン錯体、トリフェニルホスフィン錯体、メチルジフェニルホスフィン錯体、ジメチルフェニルホスフィン錯体、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン錯体、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン錯体、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン錯体、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1‘-ビナフチル錯体、トリフルオロメタンスルホネート錯体、アセテート錯体、プロピオネート錯体、ブチレート錯体、アセチルアセトナート錯体、エチレン錯体、シクロオクテン錯体、シクロオクタジエン錯体、ノルボルナジエン錯体などを例示することができる。
【0029】
これらの金属化合物のなかで、錯体以外の金属化合物としては、ハロゲン化物、酸化物などを例示することができる。
【0030】
マンガン化合物からなる触媒として具体的には、Mn2(CO)10などを例示することができる。
【0031】
レニウム化合物として具体的には、Re2(CO)10, ReCl(CO)5, ReBr(CO)5, [ReBr(CO)3(thf)]2, ReCl3, ReCl3(PMe2Ph)3, ReOCl3(PPh3)2などを例示することができる。
【0032】
鉄化合物として具体的には、Fe3(CO)12などを例示することができる。
【0033】
ルテニウム化合物として具体的には、Ru3(CO)12, RuCl2(PPh3)3, RuClH(CO)(PPh3)3, RuCl3
などを例示することができる。オスミウム化合物として具体的には、Os3(CO)12などを例示することができる。
【0034】
ロジウム化合物として具体的には、RhCl(PPh3)3、Rh4(CO)12, [RhCl(CO)2]2,RhCl(CO)(PPh3)2, [Rh(OAc)2]2, [RhCl(cod)]2, RhCl3・3H2Oなどを例示することができる。
【0035】
イリジウム化合物として具体的には、Ir4(CO)12などを例示することができる。
【0036】
白金化合物として具体的には、PtO2などを例示することができる。
【0037】
前記触媒の使用量は、前記2-ヒドロシリルビフェニルまたはその置換体1モルに対する金属原子の量として通常1~20ミリモル、好ましくは3~10ミリモルの範囲である。
【0038】
本発明の製造方法において、反応は通常有機溶媒の存在下に行われる。反応溶媒としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、ケトン、アルコールからなる群から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒が例示される。炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、へブタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素が例示され、ハロゲン化炭化水素としては、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどが例示され、エーテルとしては、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルなどを例示され、エステルとしては酢酸エチル、酢酸プロピル、エチレンジアセテートなどが例示され、ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが例示され、アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコールなどが例示される。溶媒の使用量は、通常前記2-ヒドロシリルビフェニルまたはその置換体100gに対して20~1000g、好ましくは300~700gの範囲である。
【0039】
本発明の製造方法において、反応は、通常加熱下に実施され、通常は30~200℃、好ましくは50~150℃で行われる。反応時間は適宜であるが、通常は1分~10時間、好ましくは10分~3時間である。
【0040】
本発明の製造方法において、反応終了後の反応混合液を常法、たとえば蒸留、再結晶などの方法で処理することにより、目的物の構造式(2)で示されるシラフルオレン誘導体を単離することができる。
【0041】
本発明の製造方法において、反応終了後の混合物から回収された触媒は回収した後に適宜な処理を施し、再利用することができる。また、本発明によれば、前記のシラフルオレン誘導体の製造方法において、極少量の不可避的不純物を除いては、副生成物として水素のみを生じるシラフルオレン誘導体の製造方法を提供する。
【実施例】
【0042】
以下、本発明によるシラフルオレン誘導体の製造方法の実施例によって説明する。
【0043】
以下に示す反応は全てアルゴン雰囲気下で行った。
【0044】
化学シフトの値はすべてppm(parts per million)であり、内部標準としてテトラメチルシランを用いた。
【0045】
実施例36
(1) ブロモビフェニルの合成
シュレンクを加熱乾燥し、アルゴン置換した。酢酸パラジウム(20.2 mg、0.0900 mmol)、トリフェニルホスフィン(73.4 mg、0.280 mmol)、炭酸カリウム(0.553 g、4.00 mmol)、4-メトキシフェニルボロン酸(0.334 g、2.20 mmol)、DME溶媒(6.1 mL)およびH2O溶媒(2.0 mL)を加え、撹拌した。10分後、2-ブロモヨードベンゼン(0.566 g、2.00 mmol)を加え、90度で加熱還流させた。24時間後、室温まで冷却し塩化アンモニウム飽和水溶液(10 mL)を加え、ジエチルエーテル(10 mL×3)で有機相を抽出し、その有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、有機相をろ過し、ろ液を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=50/1)により単離し、2-ブロモ-4´-メトキシビフェニルを81%(0.429 g、1.62 mmol)の収率で得た。その製造例を下記式(3)に示す。
【化3】
JP0005594762B2_000006t.gif

【0046】
(2) ビフェニルヒドロシランの合成
次に、反応器を加熱乾燥し、アルゴン置換した。2-ブロモビフェニル誘導体(1.17 g、5.00 mmol)およびTHF溶媒(10 mL)を加え、-78度まで冷却撹拌した。その後、n-ブチルリチウム/ヘキサン(4.8 mL、7.5 mmol)をゆっくり加えた。15分後、ジメチルクロロシラン(0.710 g、7.50 mmol)をゆっくり加え、温度を室温までゆっくり上げた。24時間後、塩化アンモニウム飽和水溶液(10 mL)を加え、ジエチルエーテル(10 mL×3)で有機相を抽出し、その有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、有機相をろ過し、ろ液を減圧留去した。残留物をクーゲルで蒸留し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により単離し、2-ヒドロシリルビフェニル誘導体を92%(0.974 g、4.6 mmol)の収率で得た。その製造例を下記式(4)に示す。
【化4】
JP0005594762B2_000007t.gif

【0047】
(3) シラフルオレン誘導体の合成
7mLねじ蓋式試験管を加熱乾燥し、アルゴン置換した。2-ヒドロシリルビフェニル(26.5mg,0.125mmol)、RhCl(PPh33(0.6mg,0.63μmol)および1,4‐ジオキサン(0.125mL)を加え、135度で15分加熱撹拌した。その後、室温に冷却したのち、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離し、シラフルオレン(24.4mg,0.116mmol,収率93%)を得た。その製造例を下記式(5)に示す
【化5】
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【0048】
実施例~35、37~45
実施例36の(2)シラフルオレン誘導体の合成において、2-ヒドロシリルビフェニルまたはその置換体、触媒、水素捕捉剤、溶媒、温度を表1から表6に記載したように、変更した他は、実施例36と同様に実験を行った。その結果を表1から表6に示した。
【0049】
なお、表1から表6において、2-ヒドロシリルビフェニルまたはその置換体、触媒、水素捕捉剤、溶媒の略号は下記の化合物を示す。
化合物1a: 2-(ジメチルシリル)ビフェニル
化合物1b: 2-(ジメチルシリル)-4'-トリフルオロメチルビフェニル
化合物1c: 2-(ジメチルシリル)-4'-フルオロメチルビフェニル
化合物1d: 2-(ジメチルシリル)-4'-メトキシビフェニル
化合物1e: 2-(ジメチルシリル)-4'-tert-ブチルビフェニル
化合物1f: 2-(2-ジメチルシリルフェニル)ナフタレン
化合物1g: 2,2”-ビス(ジメチルシリル)-p-テルフェニル
化合物2a: 9,9-ジメチル-9-シラフルオレン
化合物2b: 9,9-ジメチル-2-トリフルオロメチル-9-シラフルオレン
化合物2c: 9,9-ジメチル-2-フルオロ-9-シラフルオレン
化合物2d: 9,9-ジメチル-2-メトキシ-9-シラフルオレン
化合物2e: 9,9-ジメチル-2-tert-ブチル-9-シラフルオレン
化合物2f: 11,11-ジメチル-11H-ベンゾ[b]シラフルオレン
化合物2g: 6,6,12,12-テトラメチル-6,12-ジシラインデノ[1,2
-b]フルオレン
PMe3: トリメチルホスフィン
PCy3: トリシクロヘキシルホスフィン
PPh3: トリフェニルホスフィン
DIPHOS: 1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン
DPPP: 1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン
DPPB: 1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン
BINAP: 2,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル
AD1:3,3-ジメチル-1-ブテン
溶媒SL1: 1,4‐ジオキサン
溶媒SL2: トルエン
溶媒SL3: 1,2-ジクロルエタン
溶媒SL4: テトラヒドロフラン
溶媒SL5: 1,2-ジメトキシエタン
溶媒SL6: シクロペンチルメチルエーテル
【0050】
化合物データ
化合物1a: 2-(ジメチルシリル)ビフェニル
2-(Dimethylsilyl)biphenyl
78%, colorless oil, purification: silica gel column chromatography (hexane), TLC (hexane): Rf = 0.50, 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ0.09 (d, J = 3.9 Hz, 6H), 4.37 (m, 1H), 7.31-7.48 (m, 8H), 7.66 (dd, J = 1.8, 1.2 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ-3.0, 126.4, 127.1, 127.8, 128.7, 129.1, 129.2, 135.1, 135.9, 143.7, 149.3; IR (neat / cm-1) 3053, 2956, 2929, 2117, 1463, 1443, 1425, 1250, 1125, 885, 837, 777, 748, 702
【化6】
JP0005594762B2_000009t.gif

【0051】
化合物1b: 2-(ジメチルシリル)-4'-トリフルオロメチルビフェニル
2-(Dimethylsilyl)-4′-trifluoromethylbiphenyl
50%, colorless oil, purification: silica gel column chromatography (hexane), TLC (hexane): Rf = 0.63, 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 0.11 (d, J = 3.9 Hz, 6H), 4.34 (m, 1H), 7.29 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.40-7.50 (m, 4H), 7.63-7.70 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ-3.1, 122.9, 124.8 (m), 125.6, 127.0, 129.1, 129.2, 129.5, 135.2, 135.9, 147.2, 147.7; IR (nujol / cm-1) 3021, 2961, 2374, 2126, 1618, 1402, 1323, 1252, 1167, 1126, 1107, 1069, 1023, 885, 845, 772, 745, 710
【化7】
JP0005594762B2_000010t.gif

【0052】
化合物1c: 2-(ジメチルシリル)-4'-フルオロメチルビフェニル
2-(Dimethylsilyl)-4′-fluorobiphenyl
78%, colorless oil, purification: silica gel column chromatography (hexane), TLC (hexane): Rf = 0.62, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.08 (d, J = 3.9 Hz, 6H), 4.33 (m, 1H), 7.08 (t, J = 8.7 Hz, 2H), 725-7.44 (m, 5H), 7.62 (dd, J = 7.2, 1.2 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ -3.1, 114.6, 114.8, 126.6, 129.2, 129.3, 130.7, 130.8, 135.1, 136.1, 139.7, 148.2, 163.5; IR (neat / cm-1) 3051, 2959, 2367, 2124, 1607, 1512, 1466, 1431, 1250, 1223, 1157, 1118, 885, 837, 766, 710
【化8】
JP0005594762B2_000011t.gif

【0053】
化合物1d: 2-(ジメチルシリル)-4'-メトキシビフェニル
2-(Dimethylsilyl)-4′-methoxybiphenyl
33%, colorless oil, purification: silica gel column chromatography (hexane/AcOEt : 10/1), TLC (hexane/AcOEt : 10/1): Rf = 0.74, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.09 (d, J = 0.9 Hz, 6H), 3.85 (s, 3H), 4.38 (m, 1H), 6.94 (dd, J = 6.6, 2.1 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 8.7 Hz, 3H), 7.33 (td, J = 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.41 (td, J = 7.5, 1.5 Hz, 1H), 7.62 (dd, J = 7.2, 0.9 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ -3.0, 55.2, 113.2, 126.1, 129.1, 129.4, 130.2, 135.1, 136.2, 148.9, 158.8; IR (neat / cm-1) 3049, 3001, 2957, 2835, 2367, 2118, 2117, 1611, 1514, 1464, 1437, 1296, 1244, 1177, 1125, 1038, 883, 833, 772
【化9】
JP0005594762B2_000012t.gif

【0054】
化合物1e: 2-(ジメチルシリル)-4'-tert-ブチルビフェニル
2-(Dimethylsilyl)-4′-tert-butylbiphenyl
87%, colorless oil, purification: silica gel column chromatography (hexane), TLC (hexane): Rf = 0.38, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ0.10 (d, J = 3.9 Hz, 6H), 1.41 (s, 9H), 4.41 (m, 1H), 7.32-7.48 (m, 7H), 7.67 (d, J = 7.2 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ -3.0, 31.4, 34.6, 124.7, 126.2, 128.7, 128.8, 129.1, 129.2, 135.1, 136.1, 149.3, 150.1; IR (neat / cm-1) 2963, 2905, 2868, 2118, 1466, 1398, 1364, 1250, 1125, 883, 835, 773
【化10】
JP0005594762B2_000013t.gif

【0055】
化合物1f: 2-(2-ジメチルシリルフェニル)ナフタレン
2-(2-Dimethylsilylphenyl)naphthalene
62%, colorless oil, purification: silica gel column chromatography (hexane), TLC (hexane): Rf = 0.30, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.16 (d, J = 3.9 Hz, 6H), 4.48 (m, 1H), 7.45-7.61 (m, 6H), 7.75-7.78 (m, 1H), 7.91-7.98 (m, 4H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ -2.9, 125.9, 126.2, 126.5, 127.5, 127.7, 127.9, 128.0, 129.1, 129.5, 132.4, 132.9, 135.2, 136.2, 141.2, 149.1; IR (neat / cm-1) 3051, 2957, 2118, 1431, 1250, 1084, 885, 858, 837, 822, 775, 760, 745, 729, 700
【化11】
JP0005594762B2_000014t.gif

【0056】
化合物1g: 2,2“-ビス(ジメチルシリル)-p-テルフェニル
2,2′′-Bis(dimethylsilyl)-p-terphenyl
32%, white solid, purification: silica gel column chromatography (hexane), TLC (hexane): Rf = 0.25, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.15 (d, J = 3.9 Hz, 12H), 4.42 (m, 2H), 7.35-7.48 (m, 10H), 7.66 (d, J = 6.6 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ-2.8, 126.4, 128.7, 129.1, 129.4, 135.1, 136.0, 142.5, 149.0; IR (nujol / cm-1) 2955, 2920, 2854, 2361, 2345, 2135, 1458, 1377, 1248, 1006, 893, 885, 839, 760, 712
【化12】
JP0005594762B2_000015t.gif

【0057】
化合物2a: 9,9-ジメチル-9-シラフルオレン
9,9-Dimethyl-9-silafluorene
93%, white solid, purification: silica gel column chromatography (hexane), TLC (hexane): Rf = 0.64, 1H NMR(CDCl3, 400 MHz) δ 043 (s, 6H), 7.28 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.43 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 7.83 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 13C NMR (CDCl3, 100 MHz)δ -3.3, 120.8, 127.3, 130.1, 132.7, 138.9, 147.8; IR (nujol / cm-1) 2952, 2920, 1598, 1452, 1125, 870, 835, 771, 742, 718
【化13】
JP0005594762B2_000016t.gif

【0058】
化合物2b: 9,9-ジメチル-2-トリフルオロメチル-9-シラフルオレン
9,9-Dimethyl-2-trifluoromethyl-9-silafluorene
95%, white solid, purification: silica gel column chromatography (hexane), TLC (hexane): Rf = 0.58, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.46 (s, 6H), 7.35 (td, J = 7.5, 0.9 Hz, 1H), 7.48 (td, J = 7.5, 1.5 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.86-7.91 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ-3.5, 120.7, 121.6, 127.2 (m), 128.4, 129.3 (m), 130.4, 132.9, 139.8, 146.3; IR (nujol / cm-1) 3067, 2962, 2375, 1607, 1329, 1281, 1256, 1171, 1159, 1121, 1078, 1063, 853, 799, 779, 750
【化14】
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【0059】
化合物2c: 9,9-ジメチル-2-フルオロ-9-シラフルオレン
9,9-Dimethyl-2-fluoro-9-silafluorene
95%, white solid, purification: silica gel column chromatography (hexane), TLC (hexane): Rf = 0.38, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ0.41 (s, 6H), 7.08 (td, J = 9.0, 2.7 Hz, 1H), 7.22-7.29 (m, 2H), 7.41 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.72-7.78 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ -3.4, 116.8, 117.0, 119.0, 119.2, 120.6, 122.2, 122.3, 127.0, 130.4, 132.8, 138.4, 141.8, 143.6, 163.9; IR (nujol / cm-1) 2924, 2853, 1460, 1435, 1256, 1194, 1128, 1053, 839, 800, 773, 748, 712
【化15】
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【0060】
化合物2d: 9,9-ジメチル-2-メトキシ-9-シラフルオレン
9,9-Dimethyl-2-methoxy-9-silafluorene
91%, colorless oil, purification: silica gel column chromatography (hexane/AcOEt : 50/1), TLC (hexane/AcOEt : 50/1): Rf = 0.60, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ0.41 (s, 6H), 3.45 (s, 3H), 6.94 (dd, J = 8.4, 2.7 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.20 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.39 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.72 (t, J = 8.4 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ-3.2, 55.3, 115.5, 117.8, 120.1, 121.9, 126.3, 130.2, 132.7, 138.1, 140.6, 140.9, 147.8, 159.2; IR (neat / cm-1) 2999, 2955, 2367, 1589, 1431, 1269, 1250, 1217, 1130, 1057, 1043, 867, 837, 800, 773, 750, 719
【化16】
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【0061】
化合物2e: 9,9-ジメチル-2-tert-ブチル-9-シラフルオレン
9,9-Dimethyl-2-tert-butyl-9-silafluorene
83%, white solid, purification: silica gel column chromatography (hexane), TLC (hexane): Rf = 0.25, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.46 (s, 6H), 1.41 (s, 9H), 7.27 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.43 (td, J = 7.5, 1.2 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 8.1, 2.1 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.80 (dd, J = 7.8, 8.1 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ -3.1, 31.5, 34.7, 120.4, 120.6, 126.9, 127.4, 129.3, 130.0, 132.6, 138.7, 139.9, 145.2, 147.8, 150.1; IR (nujol / cm-1) 2962, 2855, 2363, 2345, 1458, 1377, 1250, 1128, 872, 843, 777, 748, 721
【化17】
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【0062】
化合物2h: 11,11-ジメチル-11H-ベンゾ[b]シラフルオレン
11,11-Dimethyl-11H-benzo[b]silafluorene
79%, white solid, purification: silica gel column chromatography (hexane), TLC (hexane): Rf = 0.15, 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.53 (s, 6H), 7.36 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.46-7.54 (m, 3H), 7.72 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.28 (s, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ -2.7, 118.8, 121.4, 125.7, 126.6, 127.6, 128.0, 128.3, 130.3, 132.8, 133.2, 133.4, 134.8, 137.3, 139.6, 144.4, 147.6; IR (nujol / cm-1) 2925, 2842, 2361, 2344, 1460, 1377, 881, 841, 777, 719
【化18】
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【0063】
化合物2g: 6,6,12,12-テトラメチル-6,12-ジシラインデノ[1,2-b]フルオレン
6,6,12,12-Tetramethyl-6,12-disilaindeno[1,2-b]fluorene
87%, white solid, purification: silica gel column chromatography (hexane), TLC (hexane): Rf = 0.12, 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 0.48 (s, 12H), 7.29 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 7.46 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.65 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 7.91 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 8.12 (s, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ-3.3, -3.1, 120.7, 124.8, 124.9, 127.1, 130.2, 132.8, 139.0, 141.4, 146.8, 147.8; IR (nujol / cm-1) 2924, 2852, 1463, 1377, 1246, 1128, 1085, 839, 721
【化19】
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【0064】
【表1】
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【0065】
【表2】
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【0066】
【表3】
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【0067】
【表4】
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【0068】
【表5】
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【0069】
【表6】
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