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明細書 :植物ウイルスの移行タンパク質と結合する植物タンパク質を利用したウイルス抵抗性の付与

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3914993号 (P3914993)
登録日 平成19年2月16日(2007.2.16)
発行日 平成19年5月16日(2007.5.16)
発明の名称または考案の名称 植物ウイルスの移行タンパク質と結合する植物タンパク質を利用したウイルス抵抗性の付与
国際特許分類 A01H   5/00        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
FI A01H 5/00 ZNAA
C12N 15/00 A
請求項の数または発明の数 7
全頁数 48
出願番号 特願2003-526183 (P2003-526183)
出願日 平成13年9月10日(2001.9.10)
国際出願番号 PCT/JP2001/007858
国際公開番号 WO2003/022039
国際公開日 平成15年3月20日(2003.3.20)
審査請求日 平成15年6月11日(2003.6.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501167644
【氏名又は名称】独立行政法人農業生物資源研究所
発明者または考案者 【氏名】西口 正通
【氏名】丹生谷 博
【氏名】松下 保彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100078282、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 秀策
【識別番号】100062409、【弁理士】、【氏名又は名称】安村 高明
【識別番号】100113413、【弁理士】、【氏名又は名称】森下 夏樹
審査官 【審査官】田村 明照
参考文献・文献 平成13年度日本植物病理学会大会講演要旨予稿集(2001.Mar.10)p.74
Mol.Cells,Vol.12,No.1(2001.Aug.31)p.57-66
調査した分野 C12N 15/00
BIOSIS/WPI(DIALOG)
CA(STN)
REGISTRY(STN)
JSTPlus(JOIS)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
SwissProt/PIR/GeneSeq
特許請求の範囲 【請求項1】
植物ウイルスに対する抵抗性を植物に付与する方法であって、該方法は、該植物ウイルスにおいて発現されて該植物ウイルスの移行タンパク質と相互作用するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを、該植物の細胞に導入する工程を包含する、方法であって、
ここで、該ポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質が、配列番号2の1位~86位に示される配列を含む、または該配列において1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、および/もしくは付加された配列を含み、かつ該植物ウイルスの移行タンパク質に結合するか、あるいは、
ここで、該ポリヌクレオチドが、配列番号1の14位~271位に示されるヌクレオチド配列または該ヌクレオチド配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、
方法。
【請求項2】
前記植物ウイルスがTobamovirusである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記植物ウイルスがトマトモザイクウイルス(ToMV)である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリヌクレオチドが、Brassica campestrisまたはArabidopsisthalianaに由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法により作製された植物。
【請求項6】
前記植物が単子葉植物あるいは双子葉植物である、請求項5に記載の植物。
【請求項7】
前記植物がタバコである、請求項6に記載の植物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
(技術分野)
本発明は、植物ウイルスに対する抵抗性を植物に付与する方法に関する。より詳細には、植物ウイルスの移行タンパク質に結合するタンパク質を植物において発現させることにより、植物にウイルス抵抗性を付与する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(背景技術)
植物を侵す糸状菌および細菌は、細胞壁を壊す分解酵素などを分泌しながら植物に侵入する。これに対して植物RNAウイルスに属するタバコモザイクウイルス(TMV)およびトマトモザイクウイルス(ToMV)のような植物ウイルスは、細胞壁の分解酵素などの遺伝子をコードしておらず、物理的な傷からの侵入、昆虫または菌類の媒介によって初めて、細胞壁を乗り越えることができる。
【0003】
いったん侵入したウイルスは、例えば、タバコモザイクウイルスでは、1日で10もの子孫をつくりだすような凄まじい増殖力を示す。これだけ増えれば植物が病気になるかという、そうではない。最初に感染を受ける細胞は、全体からするとごく一部であり、大半の細胞はまだ侵略を受けていない。多くの場合、葉の表面細胞が最初に感染を受け、葉肉細胞へと広がり、そこで次の複製を行う。そして周囲の葉肉細胞へと広がるという具合に、植物組織全体に広がっていく。このような植物ウイルスが隣り合った細胞へと広がる過程は、細胞間移行と呼ばれる。維管束鞘細胞、師部柔組織、伴細胞へと移行すると、次に師要素を通じて組織間の移行が開始される。この移行は、長距離移行と呼ばれる(細胞工学別冊、植物細胞工学シリーズ第8巻、秀潤社、146~155頁、第3章「ウイルス抵抗性のための戦略」第2項、渡辺雄一郎著、「植物ウイルスの細胞間移行」)。
【0004】
ウイルスの感染に対する宿主植物の抵抗性反応としては、以下が挙げられる:(1)ウイルスの増殖量を抑える、あるいはウイルスが増殖してもほとんど病徴が現れない(トレランス);(2)ウイルスが初めに侵入した細胞でのみ増殖し得、周辺細胞へのウイルスの移行が妨げられているため、植物体の全身に広がらない(サブリミナル感染);(3)ウイルスは感染葉で増殖するが、感染葉から上位葉への長距離移行が抑制され、全身感染しない;および(4)ウイルスの感染初期に感染部位の組織が急速に壊死を起こし、局部壊死病斑が形成される。ウイルスが壊死組織内またはその周辺部に局在化し、従って全身感染が免れる(過敏感反応)。このような知見に基いて抵抗性機構をさらに解明するために、感染ウイルスと宿主植物の両方の観点から、生理生化学的分析および遺伝学的解析によって、ウイルス抵抗性の分子的研究がなされてきている(細胞工学別冊、植物細胞工学シリーズ第8巻、秀潤社、166~176頁、第3章「ウイルス抵抗性のための戦略」第3項、高橋英樹著、「ウイルスに対する宿主抵抗性」)。
【0005】
植物ウイルスは、個々の細胞におけるゲノム複製、原形質連絡を介する細胞間移行、および師管部を介する長距離移行のような連続的な感染段階を介して増幅する(Carringtonら、(1996)Plant Cell 8,1669-1681;Bakerら,(1997)Science 276,726-733)。これらの段階において、ウイルス移行は、移行タンパク質(MP)と呼ばれる1つ以上のウイルスコードタンパク質によって促進される(Deomら(1992)Cell 69,221-224)。この移行タンパク質は、種々の宿主因子と相互作用すると考えられている(Carringtonら、前出;Bakerら、前出)。機能的ドメインは、タバコモザイクウイルス(TMV)およびキュウリモザイクウイルス(CMV)を含む多数の植物ウイルスのMPにおいて特徴付けられている。TMVにおいて、2つのRNA結合ドメインは、MPのC末端側半分において同定されている(Citovskyら,(1990)Cell 60,637-647)が、このようなドメインの1つのみが、CMV MP(3aタンパク質;Vaqueroら,(1997)J.Gen.Virol.78,2095-2099)のC末端から3分の1の部位において同定されている。このようなRNA結合能を利用して、ウイルスは、核タンパク質複合体として細胞間を移行する(LazarowitzおよびBeachy,(1999)Plant Cell 11,535-548)。異なるウイルスファミリー由来のMPが、管状構造を形成すること(van Lentら,(1991)J.Gen.Virol.72,2615-2623;Stormsら、(1995)Virology 214,485-493;Huangら、(2000)Virology 271,58-64)および原形質連絡を通過する物質のサイズ排除限界を増大させること(Wolfら、(1989)Science 246,377-379)が示されている。MPは、小胞体、細胞骨格、および原形質連絡を含む種々の小細胞構造と関連して見出されている(Tomeniusら、(1987)Virology 160,363-371;Atkinsら,(1991)J.Gen.Virol.72,209-211;Heinleinら(1995)Science 270,1983-1985;McLeanら,(1995)Plant Cell 7,2101-2114;Reichelら,(1999)Trends Plant Sci.4,458-463)。
【0006】
ウイルスMPと相互作用する宿主因子が、近年関心を持たれている。トマトにおいて、Tm-2およびTm-2は、トマトモザイクウイルス(ToMV)に対する抵抗性遺伝子として報告されている(Hall,(1980).Euphytica 29,189-197;Fraser(1990)Annu.Rev.Phytopathol.28,179-200.25)。Tm-2またはTm-2表現型を克服する変異ウイルス株は、MPにおいてアミノ酸置換を有する。これは、MPと抵抗性遺伝子産物との間の相互作用を示唆する(Meshiら、(1989)Plant Cell 1,515-522;Weberら、(1993)J.Virol.67,6432-6438)。Nicotiana tabacumおよびArabidopsis thaliana DnaJファミリーにおける2つの相同タンパク質が、酵母ツーハイブリッドスクリーンにおいて、トマト黄化えそウイルス(TSWV)のMPと相互作用することが同定された(Soellickら、(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97,2373-2378)。原形質連絡に局在するペクチンメチルエステラーゼは、TMV MPと相互作用することが見出された。このことは、この酵素がMPおよび/またはMP/RNA複合体を原形質連絡に導くことを示唆する(Dorokhovら、(1999)FEBS Lett.461,223-228;Chenら、(2000)EMBO J.19,913-920)。長距離ウイルス移行に必要なCMV 2bタンパク質(Dingら、(1995)EMBO J.14,5762-5772)が、細菌におけるペニシリン耐性に関与する原核タンパク質LytBと非常に類似するタバコタンパク質と相互作用することが報告された(Hamら、(1999)Mol.Cells 9,548-555)。Brignetiら(1998)EMBO J 17 6739 6746は、CMV 2bが、宿主植物において転写後遺伝子サイレンシングのサプレッサーとして機能することを提唱した。より近年では、Voinnetら、(2000)Cell 103,157-167は、ジャガイモXウイルスのMPが、N.benthamianaにおいて遺伝子サイレンシングシグナルの蔓延を防ぐことを報告した。
【0007】
このように、植物ウイルスのMPに関する知見は多数存在するが、ウイルスに対する植物感染の防除および植物へのウイルスに対する抵抗性の付与に関連した報告は未だ存在しない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(発明の開示)
本発明者らは、本発明者らにより同定した、植物ウイルスの移行タンパク質に結合するタンパク質を植物体で発現させることにより、植物ウイルスの移行タンパク質が、ウイルス感染植物宿主のタンパク質と相互作用することを妨げ、それによりこの植物ウイルスの細胞間移行を妨げ、当該植物ウイルスに対する抵抗性を宿主植物に与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
1つの局面では、本発明は、植物ウイルスに対する抵抗性を植物に付与する方法に関する。この方法は、植物ウイルスの移行タンパク質に結合するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを、植物の細胞に導入する工程を包含する。
【0010】
1つの実施形態では、上記タンパク質が、配列番号2の1位~86位に示される配列を含むタンパク質、または該配列において1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、もしくは付加された配列を含み、かつ該植物ウイルスの移行タンパク質に結合するタンパク質である。
【0011】
別の実施形態では、上記ポリヌクレオチドは、配列番号1の14位~271位に示されるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドまたは該ヌクレオチド配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである。
【0012】
1つの実施形態では、上記植物ウイルスは、Tobamovirus、好ましくは、トマトモザイクウイルス(ToMV)である。
【0013】
1つの実施形態では、上記ポリヌクレオチドは、Brassica campestrisまたはArabidopsis thalianaに由来する。
本発明の別の局面では、本発明の方法により作製された植物もまた提供される。
【0014】
1つの実施形態では、上記植物は、単子葉植物または双子葉植物である。1つの実施形態では、上記植物は、タバコである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明によれば、植物ウイルスに対する抵抗性を植物に付与する方法が提供される。「植物ウイルスに対する抵抗性を植物に付与する」とは、植物にウイルスが感染しても、ウイルスによる病害を生じさせない、またはそのような病害を最小限にとどめることをいう。本発明の方法は、植物ウイルスの移行タンパク質に結合するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを、植物の細胞に導入する工程を包含する。
【0016】
本発明の方法に用いられるポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質は、感染される植物ウイルスの移行タンパク質(MP)に結合する。この相互作用により、感染ウイルスの移行タンパク質が、ウイルス移行に関与し得る、宿主植物中に存在する因子との相互作用が妨げられ、従って原形質連絡を介する細胞間のウイルスの移行を阻害し得る。上記タンパク質が植物で発現されると、植物ウイルスの細胞間移行、および従って組織間の移行(長距離移行)が阻害され得、結果、ウイルスによる病害が生じないか、またはそのような病害は最小限にとどめられる。従って、本発明の方法で用いられるポリヌクレオチドは、植物ウイルスの移行タンパク質に結合し得るタンパク質を植物において発現して、植物ウイルスに対する抵抗性をこの植物に付与し得る。
【0017】
本発明の方法で用いられるポリヌクレオチドは、植物ウイルスのRNAゲノムにコードされる移行タンパク質(MP)に結合するタンパク質をコードするポリヌクレオチドとして、植物のcDNAライブラリーから選抜され得る。以下、本明細書中では、この移行タンパク質に結合するタンパク質を、移行タンパク質相互作用タンパク質(MIP)と称する。移行タンパク質相互作用タンパク質(MIP)は、既知のタンパク質と結合する未知のタンパク質を検索できるウェストウェスタン法を用いることによって同定され得る。例えば、トマトモザイクウイルス(ToMV)のRNAゲノムにコードされる移行タンパク質(MP)に結合するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、Nicotiana tabacum、Arabidopsis thaliana、およびBrassica campestrisのような植物のcDNAライブラリーから選抜され得る。このようなMIPとしては、例えば、N.tabacumライブラリー由来のMIP204、B.campestrisライブラリー由来のMIP102、MIP105、およびMIP106が挙げられるが、これらに制限されない。これらのMIPの中では、MIP102がトマトモザイクウイルス移行タンパク質と最も強い結合を示し得る。MIP102のアミノ酸配列およびそれをコードするヌクレオチド配列のそれぞれは、配列番号2および配列番号1に示される。
【0018】
例示の移行タンパク質相互作用タンパク質MIP102は、その全長およびN末端側に存在する部分が移行タンパク質に結合する。従って、1つの実施形態では、本発明の方法に使用されるポリヌクレオチドは、配列表の配列番号2の1位のメチオニン(Met)から86位のグリシン(Gly)までのアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする。別の実施形態では、本発明の方法において使用されるポリヌクレオチドは、配列表の配列番号2の1位のメチオニン(Met)から165位のバリン(Val)までのアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする。本発明の方法において使用されるポリヌクレオチドはまた、当該ポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質がウイルス移行タンパク質に結合する機能を有する限り、上述の配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/もしくは付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする。
【0019】
1つの実施形態では、本発明におけるポリヌクレオチドは、配列表の配列番号1の14位~271位に示されたヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。1つの実施形態では、本発明におけるポリヌクレオチドは、配列表の配列番号1の14位~508位に示されたヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。
【0020】
開示されたヌクレオチド配列およびそれによりコードされたタンパク質のフラグメントおよび改変体もまた、本発明により包含される。「フラグメント」によって、ヌクレオチド配列の一部またはアミノ酸配列の一部、従って、それによってコードされるタンパク質もまた意図される。ヌクレオチド配列のフラグメントは、ネイティブタンパク質の機能的な生物学的活性の1つ以上を保持するタンパク質フラグメントをコードし得る。本発明の方法においては、ウイルス移行タンパク質に結合する限り、開示されたヌクレオチド配列およびそれによりコードされたタンパク質のフラグメントもまた、使用され得る。
【0021】
本発明におけるポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質の改変体とは、このタンパク質のN末端および/またはC末端に対する1つ以上のアミノ酸の欠失(いわゆる短縮化)または付加;このタンパク質中の1つ以上の部位のアミノ酸の欠失または付加;あるいはこのタンパク質中の1つ以上の部位のアミノ酸の置換によりネイティブタンパク質から誘導されたタンパク質を意図する。このような改変体は、例えば、遺伝的多型または人為操作から生じ得る。
【0022】
本発明におけるポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質は、種々の方法(アミノ酸置換、欠失、短縮化、および挿入を包含する)で変化され得る。このような操作のための方法は、一般に、当該分野で公知である。例えば、本発明のストレス耐性を制御し得る植物遺伝子によりコードされるタンパク質のアミノ酸配列改変体は、DNAにおける変異生成によって調製され得る。変異誘発およびヌクレオチド配列改変のための方法は、当該分野で周知である。例えば、Kunkel(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488-492;Kunkelら(1987)Methods in Enzymol.154:367-382;米国特許第4,873,192号;WalkerおよびGaastra編(1983)Techniques in Molecular Biology(MacMillian Publishing Company、New York)およびその中で引用されている参考文献を参照のこと。目的のタンパク質の生物学的活性に影響しない適当なアミノ酸置換に関する指針は、Dayhoffら(1987)Atlas of Protein Sequence and Structure(Natl.Biomed.Res.Found.Washington、D.C.、これは、参考として本明細書中に援用される)のモデルに見出され得る。保存的置換(例えば、1つのアミノ酸を同様の特性を有する別のものと交換する置換)が好ましいとされ得る。このような置換としては、疎水性アミノ酸(Ala、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Tyr、Val);親水性アミノ酸(Arg、Asp、Asn、Cys、Glu、Gln、Gly、His、Lys、Ser、Thr);脂肪族側鎖を有するアミノ酸(Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro);水酸基含有側鎖を有するアミノ酸(Ser、Thr、Tyr);硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(Cys、Met);カルボン酸およびアミド含有側鎖を有するアミノ酸(Asp、Asn、Glu、Gln);塩基含有側鎖を有するアミノ酸(Arg、Lys、His);芳香族含有側鎖を有するアミノ酸(His、Phe、Tyr、Trp)同士の置換が挙げられる。
【0023】
従って、「1もしくは数個が欠失、置換および/もしくは付加された」とは、遺伝的多型または人為操作(上述したような周知の方法を含む)によって置換、欠失および/もしくは付加され得る程度の数のアミノ酸が置換、欠失および/もしくは付加され得ることを意味する
【0024】
本発明の方法において使用されるポリヌクレオチドは、このポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質がウイルス移行タンパク質に結合し得る、配列表の配列番号2の1位のMetから86位のGlyまでのアミノ酸配列と、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを包含する。本発明の方法において使用されるポリヌクレオチドは、このポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質がウイルス移行タンパク質に結合し得る、配列表の配列番号2の1位のMetから165位のValまでのアミノ酸配列と、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを包含する。本発明の方法において使用されるポリヌクレオチドは、このポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質がウイルス移行タンパク質に結合し得るタンパク質であって、配列表の配列番号2の1位のMetから86位のGlyまでのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列(好ましくは、配列番号1の14位のAから271位のAまでに示されるヌクレオチド配列)と、なおより好ましくは少なくとも90%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを包含する。本発明の方法において使用されるポリヌクレオチドはまた、このポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質がウイルス移行タンパク質に結合し得る、配列表の配列番号2の1位のMetから165位のValまでのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列(好ましくは、配列番号1の14位のAから508位のCまでに示されるヌクレオチド配列)と、なおより好ましくは少なくとも90%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを包含する。
【0025】
本発明におけるポリヌクレオチドはまた、上述した領域のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列の外側、すなわち、5’末端側または3’末端側に、さらなるヌクレオチド配列(例えば、非翻訳領域)を含み得る。好ましくは、本発明の方法で使用されるポリヌクレオチドは、配列番号1の1位~913位に示された全長配列からなる。ここで、本願発明のポリヌクレオチドは、配列番号1における縮重異性体をすべて含むものである。ここで、「縮重異性体」とは、縮重コドンにおいてのみ異なっていて、同一のポリペプチドをコードすることのできるDNAを意味する。例えば、配列番号1の塩基配列を有するDNAに対して、そのアミノ酸のどれかに対応するコドン、例えばAsnに対応するコドン(AAC)が、これと縮重関係にあるコドン例えばAATに変わったものを、縮重異性体と呼ぶこととする。
【0026】
本明細書中で使用される場合、「参照配列」とは、配列比較の基準として使用される規定の配列である。参照配列は、記載された配列のサブセットまたは全体であり得る;例えば、全長cDNAもしくは遺伝子配列のセグメント、または完全DNAもしくは遺伝子配列としてである。
【0027】
本明細書中で使用される場合、「比較ウィンドウ」は、ポリヌクレオチド配列の連続しかつ特定化されたセグメントについて言及し、ここで比較ウィンドウにおけるポリヌクレオチド配列は、2つの配列の最適なアラインメントのために、参照配列(これは、付加または欠失を含まない)と比較して、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。一般的に、比較ウィンドウは、少なくとも20の連続するヌクレオチド長であり、そして必要に応じて、30、40、50、100以上の長さであり得る。当業者は、ポリヌクレオチド配列中にギャップを含むことにより、参照配列に対して高い類似性となることを避けるために、典型的には、ギャップペナルティーを導入し、そしてこれを、一致の数から差し引くことを理解する。
【0028】
比較のための配列のアラインメントの方法は、当該分野において周知である。参照配列(本発明の配列)と対象配列との間の最適な全体の整合を決定するための好ましい方法として、例えば、BLAST(Altshulら、1997、Nucleic Acids Res.、25、3389-3402)を利用した相同性解析が用いられる。配列整列において、参照配列および対象配列は、両方ともDNA配列である。RNA配列は、UをTに変換することによって比較され得る。上記の全体的配列整列の結果が、同一性%である。同一性%を算定するためにDNA配列のアラインメントは、BLASTのデフォルトのパラメーターを使用して行われ得る。
【0029】
本明細書中で使用される場合、2つの核酸配列またはポリペプチド配列の文脈において「配列同一性」または「同一性」は、特定化された比較ウインドウにわたって最大に一致するように整列された場合に同一である2つの配列中の残基に対して言及される。タンパク質に関して配列同一性%が使用される場合、しばしば、保存的アミノ酸置換によって、同一ではない残基位置は異なることが理解される。上述したように、保存的アミノ酸置換では、アミノ酸残基が、類似の化学的特性(例えば、電荷または疎水性)を有する他のアミノ酸残基で置換されるため、分子の機能的特性を変化させない。配列が保存的置換において異なる場合、配列同一性パーセントは、置換の保存的性質について矯正するように上方に調整され得る。このような保存的置換によって異なる配列は、「配列類似性」または「類似性」を有するといわれる。この調整をするための手段は、当業者には周知である。代表的には、これは、完全なミスマッチではなく、部分的なものとして保存性置換を点数付けすることを含み、それによって配列同一性パーセントを増加させる。従って、例えば、同一のアミノ酸が1のスコアを与えられ、そして非保存的置換が0のスコアを与えられる場合、保存的置換は、0と1との間のスコアを与えられる。保存的置換の点数付けは、例えば、プログラムPC/GENE(Intelligenetics,Mountain View,California)において実行されるように計算される。
【0030】
本明細書中で使用される場合、「配列同一性%」は、比較ウィンドウにわたって最適にアラインされた2つの配列を比較することによって決定された値を意味し、ここで比較ウィンドウにおけるポリヌクレオチド配列の一部は、2つの配列の最適なアラインメントのために、参照配列(これは、付加または欠失を含まない)と比較して、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。この割合(%)は、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列に存在して一致した位置の数を生じる、位置の数を決定すること、一致した位置の数を比較ウィンドウ中の位置の総数で除算すること、およびその結果に100をかけて配列同一性のパーセンテージを得ることによって計算される。
【0031】
用語、ポリヌクレオチドの「実質的な同一性」は、ポリヌクレオチドが、標準的なパラメーターを使用して、記載されるアラインメントプログラムの1つを用いて参照配列と比較して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、および最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むことを意味する。当業者は、コドンの縮重、アミノ酸の類似性、リーディングフレームの位置などを考慮に入れることによって、2つのヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質の対応する同一性を決定するために、これらの値が適切に調整され得ることを理解する。これらのために、アミノ酸配列の実質的な同一性は、通常、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、80%、90%、および最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を意味する。
【0032】
ペプチドの文脈における用語「実質的同一性」は、ペプチドが、特定化された比較ウィンドウにわたって、参照配列に対して、少なくとも70%の配列同一性、好ましくは80%、より好ましくは85%、最も好ましくは少なくとも90%または95%の配列同一性を有する配列を含むことである。好ましくは、最適なアラインメントは、Needlemanら(1970)J.Mol.Biol.48:443の相同性アラインメントアルゴリズムを使用して行われる。例えば、2つのペプチドが保存的置換によってのみ異なる場合に、ペプチドは、第2のペプチドと実質的に同一である。「実質的に類似の」ペプチドは、同一ではない残基の位置が保存的アミノ酸変化によって異なり得るということ以外は、上記に示したような配列を共有する。ペプチドの同一性比較のためにGENETYXプログラムが使用され得る。このとき、デフォルトのパラメーターが使用され得る。
【0033】
本発明の方法で使用されるポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質の生物学的に活性な部分をコードする、ポリヌクレオチドのフラグメントは、少なくとも15、25、30、50、100、125、150、175、200、225の連続するアミノ酸、または本発明の方法で用いられる全長タンパク質に存在するアミノ酸の総数まで(例えば、配列番号2の243アミノ酸)をコードする。PCRプライマーについてハイブリダイゼーションプローブとして用いるための、植物ウイルスに対する抵抗性を付与するヌクレオチド配列のフラグメントは、一般に、植物ウイルスに対する抵抗性を付与するポリヌクレオチドにより発現されるタンパク質の生物学的に活性な部分をコードする必要はない。
【0034】
例示の移行タンパク質相互作用タンパク質MIP102はB.campestrisに由来するが、本発明の方法において使用されるポリヌクレオチドは、B.campestris以外の他の植物に由来する、移行タンパク質相互作用タンパク質をコードするポリヌクレオチドもまた含み得る。そのようなポリヌクレオチドは、例えば、開示された全長または一部のヌクレオチド配列に基づいて設計したプライマーを用いて、選択した植物のゲノミックDNAを鋳型としてPCRを行い、その後、得られた増幅DNA断片をプローブとして用いて同じ植物のゲノミックDNAまたはcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより単離され得る。このようにして、PCR、ハイブリダイゼーションなどのような方法が、本明細書中に記載の配列に対するそれらの配列同一性に基づいてこのような配列を同定するために使用され得る。本明細書中に記載の配列全体に対する、またはそれらのフラグメントに対する、それらの配列同一性に基づいて単離された配列は、本発明によって包含される。
【0035】
ハイブリダイゼーション技術において、公知のヌクレオチド配列の全てまたは部分が、選択された生物由来のクローン化されたゲノムDNAフラグメントまたはcDNAフラグメントの集団(すなわち、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリー)中に存在する他の対応するヌクレオチド配列に選択的にハイブリダイズするプローブとして使用される。このハイブリダイゼーションプローブは、ゲノムDNAフラグメント、cDNAフラグメント、RNAフラグメント、または他のオリゴヌクレオチドであり得、そして検出可能な基(例えば、32P)または任意の他の検出可能なマーカーで標識化され得る。従って、例えば、ハイブリダイゼーションのためのプローブは、本明細書で開示されたヌクレオチド配列に基づいて合成オリゴヌクレオチドを標識することによって作製され得る。ハイブリダイゼーションおよびcDNAライブラリーおよびゲノムライブラリーの構築のためのプローブの調製のための方法は、一般に、当該分野で公知であり、そしてSambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Plainview、New York、(これは、本明細書中に参考として援用される))において開示される。
【0036】
例えば、本明細書中に開示された植物ウイルスに対する抵抗性を付与する植物遺伝子のヌクレオチド配列全体、またはそれらの1つ以上の部分が、対応する植物ウイルスに対する抵抗性を付与する植物遺伝子配列およびメッセンジャーRNAに特異的にハイブリダイズし得るプローブとして使用され得る。種々の条件下で特異的なハイブリダイゼーションを達成するために、このようなプローブは、植物ウイルスに対する抵抗性を付与する植物遺伝子配列間で独特であり、そして好ましくは少なくとも約10ヌクレオチド長、最も好ましくは少なくとも約20ヌクレオチド長である配列を包含する。このようなプローブは、選択された生物から対応する植物ウイルスに対する抵抗性を付与する植物遺伝子配列をPCRによって増幅するために使用され得る。PCR増幅の方法は、当該分野で周知である(PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification、HA Erlich編、Freeman Press、New York、NY(1992);PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications、Innis、Gelfland、Snisky、およびWhite編、Academic Press、San Diego、CA(1990);Mattilaら(1991)Nucleic Acids Res.19:4967;Eckert、K.A.およびKunkel、T.A.(1991)PCR Methods and Applications 1:17;PCR、McPherson、Quirkes、およびTaylor、IRL Press、Oxford、これらは、本明細書中で参考として援用する)。この技術は、所望の生物からさらなるコード配列を単離するために、または生物中のコード配列の存在を決定するための診断アッセイとして使用され得る。ハイブリダイゼーション技術は、プレート化したDNAライブラリーのハイブリダイゼーションスクリーニングを包含する(プラークまたはコロニーのいずれか;例えば、Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Plainview、New York)を参照のこと)。
【0037】
このような配列のハイブリダイゼーションは、ストリンジェントな条件下で実施され得る。「ストリンジェントな条件」または「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、プローブが、他の配列に対するよりも、検出可能により大きな程度(例えば、バックグラウンドよりも少なくとも2倍)で、その標的配列に対してハイブリダイズする条件を意図する。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、そして異なる環境下で異なる。ハイブリダイゼーションおよび/または洗浄条件のストリンジェンシーを制御することにより、プローブに対して100%相補的である標的配列が同定され得る。あるいは、ストリンジェンシー条件は、より低い程度の類似性が検出され得るように、配列中にいくらかミスマッチとなることが可能になるように調整され得る。一般に、プローブは、約1000ヌクレオチド長未満であり、好ましくは500ヌクレオチド長未満である。
【0038】
代表的には、ストリンジェントな条件は、塩濃度が約1.5M Naイオン未満であり、代表的には約0.01~1.0M Naイオン濃度(または他の塩)(pH7.0から8.3)であり、そして温度が、短いプローブ(例えば、10~50ヌクレオチド)については少なくとも約30℃であり、そして長いプローブ(例えば、50ヌクレオチドより大きい)については少なくとも約60℃である条件である。ストリンジェントな条件はまた、脱安定剤(例えば、ホルムアミド)の添加によって達成され得る。ストリンジェントな条件として、例えば、50%ホルムアミド、4.4×SSC、20mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.8)、1×デンハート溶液、0.2%SDSおよび変性サケ精子DNA(0.1mg/ml)を含有する溶液中での、42℃でのハイブリダイゼーション、および0.1%SDSを含有する2×SSC中で室温での洗浄、最後の0.1%SDSを含有する0.2×SSC中での42℃での洗浄が挙げられる。
【0039】
特異性は、代表的には、ハイブリダイゼーション後の洗浄の関数であり、決定的な要因は、最終洗浄溶液のイオン強度および温度である。DNA-DNAハイブリッドについては、Tは、MeinkothおよびWahl(1984)Anal.Biochem.138:267-284の式:T=81.5℃+16.6(logM)+0.41(%GC)-0.61(%form)-500/Lから概算され得;ここでMは、1価カチオンのモル濃度であり、%GCは、DNA中のグアノシンヌクレオチドおよびシトシンヌクレオチドのパーセンテージであり、%formは、ハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミドのパーセンテージであり、そしてLは、塩基対中のハイブリッドの長さである。Tは、相補的な標的配列の50%が完全に一致するプローブにハイブリダイズする温度(規定されたイオン強度およびpHで)である。Tは、1%のミスマッチにつき約1℃低下する;従って、T、ハイブリダイゼーション、および/または洗浄条件は、所望の同一性の配列にハイブリダイズするために調整され得る。例えば、90%以上の同一性を有する配列が求められる場合、Tは、10低下し得る。一般的に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHでの特定の配列およびその相補物に対する熱融点(T)よりも約5℃低く選択される。しかし、厳しいストリンジェントな条件は、熱融点(T)よりも1、2、3、または4℃低いハイブリダイゼーションおよび/または洗浄を利用し得;中程度のストリンジェントな条件は、熱融点(T)よりも6、7、8、9、または10℃低いハイブリダイゼーションおよび/または洗浄を利用し得;低いストリンジェントな条件は、熱融点(T)よりも11、12、13、14、15、または20℃低いハイブリダイゼーションおよび/または洗浄を利用し得る。この式、ハイブリダイゼーションおよび洗浄組成物、ならびに所望されるTを使用して、当業者は、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーおよび/または洗浄溶液におけるバリエーションが固有に記載されることを理解する。所望されるミスマッチの程度が45℃(水溶液)または32℃(ホルムアミド溶液)よりも低いTを生じる場合、より高い温度が使用され得るようにSSC濃度を増加させることが好ましい。核酸のハイブリダイゼーションについての広範なガイドは、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology-Hybridization with Nucleic Acid Probes、第1部、第2章(Elsevier,New York);およびAusubelら編(1995)Current Protocols in Molecular Biology、第2章(Greene Publishing and Wiley-Interscience,New York)に見出される。Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Plainview,New York)を参照のこと(これらは本明細書中に参考として援用される)。
【0040】
得られた遺伝子の塩基配列は、当該分野で公知のヌクレオチド配列解析法または市販されている自動シーケンサーにより決定し得る。
【0041】
本発明におけるポリヌクレオチドは、代表的には、本明細書に記載の方法に従って得られるが、本発明に開示された配列を基に、化学合成によっても得られ得る。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、Applied BioSystems(現Perkin Elmer社)のポリヌクレオチド合成機を用いて製造業者によって提供される仕様書に従って合成され得る。
【0042】
上述のようにして遺伝子工学的手法または化学合成手法のような手順に従って生成されたポリヌクレオチドが、所望の活性、すなわちウイルス抵抗性を付与することを、以下のようにして確認し得る。当該ポリヌクレオチドを含む発現ベクターを生成し、これを適切な細胞で発現させたタンパク質が、目的とする植物ウイルスの移行タンパク質(MP)に結合することを、下記の実施例1に記載の手順と実質的に同様の手順を用いて決定し得る。次いで、当該ポリヌクレオチドを含む発現ベクターを作製し、下記の実施例4に記載の手順と実質的に同等の手順を使用して、ウイルスと同時に植物細胞中に導入されたときウイルスの細胞間移行の抑制を示すことを、例えば、緑色蛍光遺伝子のようなレポーター遺伝子を指標にして確認し得る。
【0043】
本発明の方法に用いられるポリヌクレオチドは、植物ウイルスに対する抵抗性をその植物に付与するが、この植物ウイルスは必ずしも特異的ではない。あるウイルスの移行タンパク質に結合する移行タンパク質相互作用タンパク質は、別のウイルスの移行タンパク質にも結合し得る。例えば、トマトモザイクウイルス移行タンパク質に結合する代表的なタンパク質のMIP102およびAtKELP(MIP102全長とアミノ酸配列が約75%同一であるタンパク質)はまた、アブラナ科モザイクウイルス(crucifier tobamovirus)およびキュウリモザイクウイルスに結合し得る。
【0044】
本実施例では、例示のため、トマトモザイクウイルス(ToMV)に対するウイルス抵抗性を示しているが、本発明の方法によって、植物は、他の植物ウイルスに対する抵抗性もまた付与され得る。抵抗性が付与され得る植物ウイルスとしては、例えば、Tobamovirus、Tobravirus、Dianthovirus、Alfamovirus、Bromovirus、Cucumovirus、Comovirus、Nepovirus、Caulimovirus、Geminivirus、Potivirus、Tospovirus属のウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方法において使用されるポリヌクレオチドは、抵抗性が付与されるべき植物ウイルスの移行タンパク質を同定し、実施例1に記載したようなウェストウェスタンスクリーニング法によって、この同定された移行タンパク質に結合するタンパク質を選択することによって入手され得る。
【0045】
本発明におけるポリヌクレオチドは、当業者に周知の方法を用いて、適切な植物発現ベクターに連結され、公知の遺伝子組換え技術により、植物細胞に導入され得る。導入された遺伝子は、植物細胞中のDNAに組み込まれて存在する。なお、植物細胞中のDNAとは、染色体のみならず、植物細胞中に含まれる各種オルガネラ(例えば、ミトコンドリア、葉緑体など)に含まれるDNAを含む。
【0046】
「植物発現ベクター」は、本発明の遺伝子の発現を調節するプロモーターなどの種々の調節エレメントが宿主植物の細胞中で作動可能に連結されている核酸配列をいう。本願明細書で用いる用語「制御配列」は、機能的プロモーターおよび、任意の関連する転写要素(例えば、エンハンサー、CCAATボックス、TATAボックス、SPI部位など)を有するDNA配列をいう。本願明細書で用いる用語「作動可能に連結」は、遺伝子が発現し得るように、ポリヌクレオチドが、その発現を調節するプロモーター、エンハンサー等の種々の調節エレメントとが宿主細胞中で作動し得る状態で連結されることをいう。植物発現ベクターは、好適には、植物遺伝子プロモーター、ターミネーター、薬剤耐性遣伝子、およびエンハンサーを含み得る。発現ベクターのタイプおよび使用される調節エレメントの種類が、宿主細胞に応じて変わり得ることは、当業者に周知の事項である。本発明に用いる植物発現ベクターは、さらにT-DNA領域を有し得る。T-DNA領域は、特にアグロバクテリウムを用いて植物を形質転換する場合に遺伝子の導入の効率を高める。
【0047】
「植物遺伝子プロモーター」は、植物で発現するプロモーターを意味する。再生植物のすべての組織において、本発明のポリヌクレオチドの発現を指向させる植物プロモーターフラグメントを採用し得る。構成的に発現させるためのプロモーターとしては、例えば、ノパリン合成酵素遺伝子のプロモーター(Langridge,1985,Plant Cell Rep.4,355)、カリフラワーモザイクウイルス19S-RNAを生じるプロモーター(Guilley,1982,Cell 30,763)、カリフラワーモザイクウイルス35S-RNAを生じるプロモーター(Odell,1985,Nature 313,810)、イネのアクチンプロモーター(Zhang,1991,Plant Cell 3,1155)、トウモロコシユビキチンプロモーター(Cornejo 1993,Plant Mol.Biol.23,567)、REXφプロモーター(Mitsuhara,1996,Plant Cell Physiol.37,49)などを用いることができる。
【0048】
あるいは、植物プロモーターは、特定組織において本発明のポリヌクレオチドの発現を指向させ得るか、またはそうでなければ、より詳細な環境または発生制御下にあり得る。このようなプロモーターは、本明細書では、「誘導可能な」プロモーターと称する。誘導可能なプロモーターとしては、例えば、病原菌の感染や侵入、植物の傷害、光、低温、高温、乾燥、紫外線の照射、特定の化合物の散布などの外因によって発現することが知られているプロモーターなどが挙げられる。この様なプロモーターとしては、例えば、光照射によって発現するリブロース-1,5-2リン酸カルボキシラーゼ小サブユニットをコードする遺伝子のプロモーター(Fluhr,1986,Pro.Natl.Acad.Sci.USA 83,2358)、糸状菌・細菌・ウイルスの感染や侵入によって発現するイネキチナーゼ遺伝子のプロモーター(Xu,1996,Plant Mol.Biol.30,387)やタバコのPRタンパク質遺伝子のプロモーター(Ohshima,1990,Plant Cell 2,95)、低温によって誘導されるイネのlip19遺伝子のプロモーター(Aguan,1993,Mol.Gen.Genet.240,1)、高温によって誘導されるイネのhsp72、hsp80遺伝子のプロモーター(Van Breusegem,1994,Planta 193,57)、乾燥によって誘導されるシロイヌナズナのrab16遺伝子のプロモーター(Nundy,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87,1406)、紫外線の照射によって誘導されるトウモロコシのアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモーター(Schulze-Lefert,1989,EMBO J.8,651)などが挙げられる。また、rab16遺伝子のプロモーターは植物ホルモンのアブシジン酸の散布によっても誘導される。
【0049】
「ターミネーター」は、遺伝子のタンパク質をコードする領域の下流に位置し、DNAがmRNAに転写される際の転写の終結、およびポリA配列の付加に関与する配列である。ターミネーターは、mRNAの安定性に寄与し、そして遺伝子の発現量に影響を及ぼすことが知られている。ターミネーターの例としては、CaMV35Sターミネーター、およびノパリン合成酵素遺伝子のターミネーター(Tnos)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
「薬剤耐性遺伝子」は、形質転換植物の選抜を容易にするものであることが望ましい。カナマイシン耐性を付与するためのネオマイシンフォスフォトランスフェラーゼII(NPTII)遺伝子、およびハイグロマイシン耐性を付与するためのハイグロマイシンフォスフォトランスフェラーゼ遺伝子などが好適に用いられ得るが、これらに限定されない。
【0051】
「エンハンサー」は、目的遺伝子の発現効率を高めるために用いられ得る。エンハンサーとしては、CaMV35Sプロモーター内の上流側の配列を含むエンハンサー領域が好適である。エンハンサーは、1つの植物発現ベクターあたり複数個用いられ得る。
【0052】
ポリペプチド発現が所望される場合、一般に、ポリヌクレオチドコード領域の3’末端にポリアデニル化領域を含めることが望ましい。このポリアデニル化領域は、天然遺伝子、種々の他の植物遺伝子、またはT-DNAに由来し得る。付加されるべき3’末端配列は、例えば、ノパリンシンターゼ遺伝子もしくはオクトピンシンターゼ遺伝子、または別の植物遺伝子に由来し得る。あるいは、より好ましくはないが、任意の他の真核生物遺伝子に由来し得る。
【0053】
上記のような植物発現ベクターは、当業者に周知の遺伝子組換え技術を用いて作製され得る。植物発現ベクターの構築には、例えば、pBI系のベクター、pUC系のベクター、pART系のベクターなどが好適に用いられるが、これらに限定されない。
【0054】
DNA導入のための植物材料としては、導入法などに応じて、葉、茎、根、塊茎、プロトプラスト、カルス、花粉、種子胚、苗条原基などから適当なものを選択することができる。「植物の細胞」とは、任意の植物細胞であり得る。植物細胞には、葉および根などの植物器官の細胞、カルスならびに懸濁培養細胞が含まれる。植物細胞は、培養細胞、培養組織、培養器官、または植物体のいずれの形態であってもよい。好ましくは、培養細胞、培養組織、または培養器官であり、より好ましくは培養細胞である。
【0055】
また一般に、植物培養細胞へDNAを導入する場合、材料としてプロトプラストが用いられ、エレクトロポーレーション法、ポリエチレングリコール法などの物理・化学的方法によってDNAの導入が行われるのに対して、植物組織へDNAを導入する場合、材料としては葉、茎、根、塊茎、カルス、花粉、種子胚、苗条原基など、好ましくは葉、茎、カルスが用いられ、ウイルスもしくはアグロバクテリウムを用いた生物学的方法、またはパーティクルガン法などの物理・化学的方法によってDNAの導入が行われる。アグロバクテリウムを介する方法としては、例えば、Nagelらの方法(Microbiol.Lett.,67,325(1990))が用いられ得る。この方法は、まず、植物発現ベクターで(例えば、エレクトロポレーションによって)アグロバクテリウムを形質転換し、次いで、形質転換されたアグロバクテリウムをリーフディスク法などの周知の方法により植物組織に導入する方法である。パーティクルガン法は、例えば、Kleinら(1987)、Nature 327:70-73;Christon,P.Plant J.(1992)2,275-281に記載されている。形質転換プロトコルおよび植物内へヌクレオチド配列を導入するためのプロトコルは、形質転換について標的化される植物または植物細胞の型(すなわち、単子葉または双子葉)に依存して変化し得る。植物細胞内へのヌクレオチド配列の導入および引き続くその植物ゲノム内への挿入の適切な方法としては、マイクロインジェクション(Crosswayら(1986)Biotcchniques 4:320-334)、エレクトロポレーション(Riggsら(1986)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:5602-5606)、Agrobacterium媒介形質転換(Townsendら、米国特許第5,563,055号)、直接遺伝子移入(Paszkowskiら(1984)EMBO J.3:2717-2722)、および銃式(ballistic)粒子加速(例えば、Sanfordら、米国特許第4,945,050号;Tomesra,米国特許第5,879,918号;Tomesら、米国特許第5,886,244号;Bidneyら、米国特許第5,932,782号;Tomesら(1995)「Direct DNA Transfer into Intact Plant Cells via Microprojectile Bombardment」Plant Cell,Tissue,and Organ Culture:Fundamental Methods、GamborgおよびPhillips編(Springer-Verlag,Berlin);およびMcCabeら(1988)Biotechnology 6:923-926)が挙げられる。また、以下も参照のこと:Weissingerら(1988)Ann.Rev.Genet.22:421-477;Sanfordら(1987)Particulate Science and Technology 5:27-37(タマネギ);Christouら(1988)Plant Physiol.87:671-674(ダイズ);McCabeら(1988)Bio/Technology 6:923-926(ダイズ);FinerおよびMcMullen(1991)In Vitro Cell Dev.Biol.27P:175-182(ダイズ);Singhら(1998)Theor.Appl.Genet.96:319-324(ダイズ);Dattaら(1990)Biotechnology 8:736-740(イネ);Kleinら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:4305-4309(トウモロコシ);Kleinら(1988)Biotechnology 6:559-563(トウモロコシ);Tomes、米国特許第5,240,855号;Buisingら、米国特許第5,322,783号および同第5,324,646号;Tomesら(1995)「Direct DNA Transfer into Intact Plant Cells via Microprojectile Bombardment」Plant Cell,Tissue,and Organ Culture:Fundamental Methods、Gamborg編(Springer-Verlag,Berlin)(トウモロコシ);Kleinら(1988)Pllant Physiol.91:440-444(トウモロコシ);Frommら(1990)Biotechnology 8:833-839(トウモロコシ);Hooykaas-Van Slogterenら(1984)Nature(London)311:763-764;Bowenら、米国特許第5,736,369号(穀類);Bytebierら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:5345-5349(ユリ科);De Wetら(1985)The Experimental Manipulation of Ovule Tissues、Chapmannら編(Longman,New York)197-209頁(花粉);Kaepplerら(1990)Plant Cell Reports 9:415-418およびKaepplerら(1992)Theor.Appl.Genet.84:560-566(ウィスカー(whisker)媒介形質転換);D’Halluinら(1992)Plant Cell 4:1495-1505(エレクトロポレーション);Liら(1993)Plant Cell Reports 12:250-255ならびにChristouおよびFord(1995)Annals of Botany 75:407-413(イネ);Osjodaら(1996)Nature Biotechnology 14:745-750(トウモロコシ(Agrobacterium tumefaciensを介する))(これら全ては、本明細書中で参考として援用される)。これらの方法は、当該分野において周知であり、形質転換する植物に適した方法が、当業者により適宜選択され得る。
【0056】
植物発現ベクターを導入された細胞は、例えば、カナマイシン耐性などの薬剤耐性を基準として選択される。形質転換された細胞は、従来の方法に従って、植物に成長させ得る。例えば、McCormickら(1986)Plant Cell Reports 5:81-84を参照のこと。
【0057】
本発明におけるポリヌクレオチドが導入された植物細胞から植物を再生させるには、このような植物細胞を、再分化培地、ホルモンフリーのMS培地などに培養すればよい。発根した幼植物体は、土壌に移植して栽培することにより植物体とすることができる。再生(再分化)の方法は植物細胞の種類により異なる。様々な文献にイネ(Fujimura,1995,Plant Tissue Culture Lett.2,74)、トウモロコシ(Shillito,1989,Bio/Technol.7,581、Gorden-Kamm,1990,Plant Cell 2,603)、ジャガイモ(Visser,1989,Theor.Appl.Genet.78,594)、タバコ(Nagata,1971,Planta 99,12)など各種の植物に対しての再分化の方法が記載されている。
【0058】
再生した植物体においては、当業者に周知の手法を用いて、導入された本発明の遺伝子の発現を確認し得る。この確認は、例えば、ノーザンブロット解析を用いて行い得る。具体的には、植物の葉から全RNAを抽出し、変性アガロースでの電気泳動の後、適切なメンブランにブロットする。このブロットに、導入遺伝子の一部分と相補的な標識したRNAプローブをハイブリダイズさせることにより、本発明の遺伝子のmRNAを検出し得る。また、次いで、これらの植物を増殖させ得、そして同じ形質転換株または異なる株のいずれかで受粉させ得、そして所望の表現型特性を有する生じたハイブリッドを同定し得る。2以上の世代を成長させて、その表現型特性が安定に維持および遺伝されることを確認し得、種子を回収して、所望の表現型特性または他の特性が達成されていることを確認し得る。
【0059】
本発明の方法により作製され得る植物は、遺伝子導入の可能ないずれの植物をも包含する。本明細書中で使用される場合、用語「植物」は、植物全体、植物の器官(例えば、葉、茎、根など)、種子、植物の伝播体(花粉など)、および植物細胞、ならびにそれらの子孫への言及を含む。植物細胞は、本明細書中で使用される場合、限定されることなく、種子懸濁培養物、胚、メリステム領域、カルス組織、葉、根、シュート、配偶体、胞子体、花粉、および小胞子を含む。「植物」は、単子葉植物および双子葉植物の両方を包含する。このような植物には、任意の有用植物、特に作物植物、蔬菜植物、および花卉植物が含まれる。本発明の方法が適用される最も好ましい植物は、タバコである。
【0060】
本発明に使用され得る植物種の例としては、ナス科、イネ科、アブラナ科、バラ科、マメ科、ウリ科、シソ科、ユリ科、アカザ科、セリ科などの植物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
ナス科の植物の例としては、Nicotiana、Solanum、Datura、Lycopersion、またはPetuniaに属する植物が挙げられ、例えば、タバコ、ナス、ジャガイモ、トマト、トウガラシ、ペチュニアなどを含む。
【0062】
イネ科の植物の例としては、Oryza、Hordenum、Secale、Scccharum、Echinochloa、またはZeaに属する植物が挙げられ、例えば、イネ、オオムギ、ライムギ、ヒエ、モロコシ、トウモロコシなどを含む。
【0063】
アブラナ科の植物の例としては、Raphanus、Brassica、Arabidopsis、Wasabia、またはCapsellaに属する植物が挙げられ、例えば、大根、アブラナ、シロイヌナズナ、ワサビ、ナズナなどを含む。
【0064】
バラ科の植物の例としては、Orunus、Malus、Pynus、Fragaria、またはRosaに属する植物が挙げられ、例えば、ウメ、モモ、リンゴ、ナシ、オランダイチゴ、バラなどを含む。
【0065】
マメ科の植物の例としては、Glycine、Vigna、Phaseolus、Pisum、Vicia、Arachis、Trifolium、Alphalfa、またはMedicagoに属する植物が挙げられ、例えば、ダイズ、アズキ、インゲンマメ、エンドウ、ソラマメ、ラッカセイ、クローバ、ウマゴヤシなどを含む。
【0066】
ウリ科の植物の例としては、Luffa、Cucurbita、またはCucumisに属する植物が挙げられ、例えば、ヘチマ、カボチャ、キュウリ、メロンなどを含む。
【0067】
シソ科の植物の例としては、Lavandula、Mentha、またはPerillaに属する植物が挙げられ、例えば、ラベンダー、ハッカ、シソなどを含む。
【0068】
ユリ科に属する植物の例としては、Allium、Lilium、またはTulipaに属する植物が挙げられ、例えば、ネギ、ニンニク、ユリ、チューリップなどを含む。
【0069】
アカザ科の植物の例としては、Spinaciaに属する植物が挙げられ、例えば、ホウレンソウを含む。
【0070】
セリ科の植物の例としては、Angelica、Daucus、Cryptotaenia、またはApitumに属する植物が挙げられ、例えば、シシウド、ニンジン、ミツバ、セロリなどを含む。
【0071】
本発明の方法によって付与されるウイルス抵抗性は、形質転換植物当代に加え、その後代植物にも遺伝し得る。形質転換当代植物および次世代植物、その伝播体(例えば、花粉)、およびその伝播体から生成された種子においても、本発明の方法によって付与されるウイルス抵抗性は発揮し得る。本発明の方法において用いられるポリヌクレオチドの後代への遺伝は、例えば、本明細書中に開示されたポリヌクレオチドの配列をプローブとしたサザン分析またはPCR法によって確認され得る。
【0072】
本明細書中、以下で使用される名称、および以下で記載される実験室手順は、当該分野で周知で一般的に用いられる手順を使用する。標準的な技術は、組換え法、ポリヌクレオチド合成、細胞培養、形質転換および植物再生について使用される。この技術および手順は、一般的に、当該分野で知られる、およびこの書類を通じて提供される、種々の一般的な参考文献(一般的には、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照。これらは、本明細書中で参考として援用される)において記載されている。
【0073】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されない。実施例で使用した材料、試薬などは、他に特定のない限り、商業的な供給源から入手可能である。
【0074】
【実施例】
(実施例1:移行タンパク質に結合するタンパク質(MIP)のファーウェスタン(「ウェストウェスタン」)スクリーニング)
ToMV MPに結合する植物タンパク質を同定するために、λGEX5においてN.tabacumおよびB.campestris発現cDNAライブラリーを作製した。cDNAライブラリーの構築は以下のように行った。N.tabacum cv.Samsun NNの葉、B.campestris(S9/S9)の柱頭、A thaliana生態型Columbiaの花芽を、QuickPrep Micro mRNA Purification Kit(Amersham Pharmacia Biotech)を用いるRNA単離、続いてTime Saver cDNA Synthesis Kit(Amersham Pharmacia Biotech)を用いるcDNA合成に供した。λファージベクターλGEX5(Fukunagaら、(1997)EMBO J.16,1921-1933;これは、GSTリーディングフレームの下流にIPTG誘導性プロモーターおよびcDNA-クローニング部位を有する)を、発現cDNAライブラリーの構築のために使用した。リン酸化オリゴヌクレオチドアダプター(5’-AGGTGCTGG-3’,5’-CCAGCACCTGCA-3’)をアニールし、cDNAに連結させ、SfiI切断ベクターと適合する末端を作製した。cDNAを、このベクターアームと連結し、そしてインビトロパッケージングに供した。ファージライブラリーをE.coli株BB4中で増幅させた。
【0075】
メンブレン上に固定化した各GST融合cDNAと、プロービングのために[γ32P]ATPでリン酸化したGST融合ToMV MP(GST-PKA-MP)との間でのタンパク質間結合に基づいて、MP相互作用タンパク質(MIP)のファーウェスタンスクリーニングを実施した。
【0076】
[γ32P]ATPでリン酸化したGST融合ToMV MP(GST-PKA-MP)を以下のように作製した。
【0077】
まずToMV MP発現プラスミドを以下のように作製した。グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)融合ToMV MP(GST-MP)の発現のためのプラスミドpGEX-30Kは、以前に記載された(Matsushitaら、(2000)J.Gen.Virol.81,2095-2102)。GSTとMPとの間にプロテインキナーゼAのコンセンサスリン酸化配列を付加するために、5アミノ酸RRASVをコードする合成オリゴヌクレオチド30K-PKA1(5’-AATTCGTCGTGCATCTGTTGC-3’)および30K-PKA2(5’-AATTGCAACAGATGCACGACG-3’)をアニールし、そしてpGEX-30KのEcoRI部に適切な方向で挿入し、pGEX-PKA-30Kを生成した。このプラスミドを、組換えタンパク質GST-PKA-MPの産生のために使用した。pGEX-PKA-30Kの1.1kbのEcoRI-NotI挿入片を、pGEX-6P-2ベクターのEcoRI部位とNotI部位との間に配置し、pGEX-6P2-PKA-30Kを構築した。このプラスミドを、GST-P-PKA-MPの産生のために使用した。これは、GSTを除去し、そして組換えタンパク質PKA-MPを調製するために、PreScission Protease(Amersham Pharmacia Biotech)によって切断することができる。
【0078】
pGEX-30KdAプラスミドおよびpGEX-30KdSXプラスミドの構築は、以前に記載された(Matsushitaら、前出)。pGEX-30KdAによってコードされた組換えタンパク質GST-MPdAは、このベクターに由来する27の人工残基(QVALFGEMCAEPLFVYFSKYIQICIRS)が置換されたC末端9アミノ酸の欠失を有した。pGEX-30KdSXによりコードされた別の組換えタンパク質GST-MPdSXは、ベクター由来の7残基(LERPHRD)が置換されたC末端の31アミノ酸の欠失を有した。
【0079】
組換えタンパク質の産生および精製は以下のように行った。組換えGST融合タンパク質を、上述のようにして、適当なプラスミドを有するE.coli XL10-Gold株(Stratagene)で産生させ、そして以前に記載されるように(Matsushitaら、前出)、グルタチオンセファロースビーズ(Amersham Pharmacia Biotech)を使用することにより精製した。Amersham Pharmacia Biotechから購入した抗GST抗体(ヤギ)を、ウェスタンブロッティング分析によって融合タンパク質を同定するために使用した。精製タンパク質を、NETN-Dバッファー(50mM Tris-HCl,pH8.0,1mM EDTA,150mM NaCl,0.5%Nonidet P-40,1mM DTT)中に保存した。
【0080】
32P標識タンパク質プローブを以下のように調製した。約1μgの組換えGST融合タンパク質と結合体化させたグルタチオンセファロースビーズを、3.7MBqの[λ-32P]ATP(168TBq/mmol)および10単位のプロテインキナーゼA触媒サブユニット(New England BioLabs)を含む200μlのキナーゼバッファー(50mM Tris-HCl、10mM MgCl,pH8.5)中に懸濁した。この反応を、ローテーターで30℃で30分間続け、そして1mlの50mM Tris-HCl(pH8.0)で4回ビーズを洗浄することにより終結させた。リン酸化されたタンパク質を、10mMグルタチオンを含有する50mM Tris-HCl(pH8.0)バッファーを用いてビーズから溶出した。示しているところで、リン酸化GST融合タンパク質を、結合実験のためのプローブとして使用する前に、GSTドメインを除去するために、PreScission Proteaseで消化した。プローブの比放射能は、約1×10cpm/μgタンパク質であった。
【0081】
cDNAライブラリーのファーウェスタンスクリーニングを以下のようにして行った。E.coli株BBをファージライブラリーでの感染のために使用した。細菌を42℃で3時間インキュベートし、100~200/cmの密度のプラークを得た。細菌プレートの上に、10mM IPTGで湿らせたニトロセルロースフィルターを重ね、そして37℃で3.5時間さらにインキュベートした。フィルターを洗浄し、そしてブロッキング溶液Block Ace(大日本製薬)中で4℃で1時間インキュベートし、その後4℃で16時間32P-標識GST-PKA-MP(2×10cpm/ml)とインキュベートした。次いで、このフィルターを、0.2%Triton X-100を添加したPBS(137mM NaCl、2.68mM KCl、10.14mM NaHPO,1.76mM KHPO,pH7.4)で4回、各々5分間、洗浄し、そしてBAS1500system(富士写真フィルム)でオートラジオグラフィーにかけた。
【0082】
いくつかの陽性クローンが単離された。N.tabacumライブラリーからはMIP204が、B.campestrisライブラリーからはMIP102、MIP105、MIP106が単離された。これらの陽性クローンのうち、MIP102が、最も高い結合活性を示し、そしてこの結果、これをさらなる分析のために選択した。
【0083】
MIP102クローンから単離したファージDNAを用いてGST融合MIP102を産生する発現プラスミドpGEX-Bc2を再構築し、これをタンパク質結合アッセイに使用した(図1)。
【0084】
タンパク質間相互作用を、32P標識タンパク質プローブと、メンブレン上に固定化した標的タンパク質との間の結合アッセイによって試験した。標的タンパク質を、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離し、そしてPVDFメンブレン(Millipore)上に転写した。バッファーA(50mM Tris-HCl,20% 2-プロパノール,pH8.0)およびバッファーB(50mM Tris-HCl,5mM β-メルカプトエタノール,pH8.0)で各々室温で1時間洗浄した後、メンブレンを、6Mグアニジン-HClを含むバッファーB中で室温で1時間インキュベートし、タンパク質を変性させた。再生のために、メンブレンを、5分間リンスし、そして0.04%Tween40を含有するバッファーB中に4℃で一晩インキュベートした。非変性系のために、タンパク質を、スロットブロッターを用いて、直接、ニトロセルロースメンブレン上に固定化した。メンブレンを、Block Aceで4℃で30分間処理し、そしてDNase I(18μg/ml)およびRNase A(60μg/ml)を添加したBlock Ace中で32P標識タンパク質プローブと4℃で4時間インキュベートした。フィルターメンブレンを0.2%Triton X-100を含有するPBSで各々5分間4回洗浄し、そしてオートラジオグラフィー分析に供した。これらの結果を図1に示す。
【0085】
クーマシーブリリアントブルー(CBB)染色ゲルにおいて、IPTGで誘導されたとき48kDaタンパク質が観察された(図1A,レーン2)。抗GST抗体を使用するウェスタンブロット分析は、このタンパク質がGST融合MIP102であることを示した(データ示さず)。32P標識ToMV-MPプローブを使用することにより、特異的バンドが、誘導されたタンパク質に対応する位置で検出された(図1B、レーン2)が、このようなシグナルは、未誘導レーンでは観察されなかった(図1B、レーン1)。
【0086】
続いて、GST-MIP102およびGSTを、グルタチオンセファロースビーズを用いることにより精製し(図1C)、そして同じプローブを用いてタンパク質結合アッセイのためにそれらを使用した(図1D)。精製GST-MIP102は、陽性結合シグナルを与えたが(図1D、レーン1)、精製GSTは、与えなかった(図1D、レーン2)。この結果は、MIP102クローンが、MPとの特異的相互作用によって単離されたのであり、GST-GST相互作用によってプロービングされたわけではなかったことを示した。
【0087】
(実施例2:MIP102のcDNAおよびゲノミックDNA分析)
MIP102 cDNAのヌクレオチド配列およびその推定アミノ酸配列を以下のようにして決定した。
【0088】
ファージDNAを、QIAGEN λキットを用いることにより、各クローンのプレート溶解物から調製した。cDNAのさらなる分析のために、ファージDNAをNotIで消化し、cDNA挿入片を有するpGEX-PUC-3Tベクターに対応するDNAフラグメントを得た。このDNAフラグメントを自己連結し、E.coliを形質転換し、それからプラスミドクローンを回収した。ファージクローンMIP102から回収したプラスミドpGEX-Bc2を、GST融合タンパク質GST-MIP102を産生するために使用した。
【0089】
ヌクレオチド配列を、以下のプライマーを使用することにより決定した:pGEX1プライマー(5’-GCAAGCCACGTTTGGTGGTG-3’)、pGEX5プライマー(5’-ATTTCCCCGAAAAGTGCCAC-3’)、Bc2F03(5’-GAGCTTCCTTCTTCTAAAGG-3’)、およびBc2R02(5’-GCTTCGATAGCTGGAATATT-3’)。
【0090】
MIP102 cDNAのヌクレオチド配列(898bp(ポリAを除く))を図2に示す。BLASTを用いる相同性検索は、この推定タンパク質が、A.thalianaの転写コアクチベーターKELP(AtKELP;Cormackら、(1998)Plant J.14,685-692)と類似していた(75%同一)ことを示した(図3)。ペプチド同士の同一性パーセントの評価のために、GENETYXプログラムを使用した。また、MIP102は、A.thalianaのKIWI(Cormackら、(1998)Plant J.14,685-692)とは、36%同一であった(図3)。関連タンパク質もまた、いくつかの他の分類学的に異なる生物(例えば、ヒト(PC4/p15,36%同一)(GeおよびRoeder,(1994)Cell 78,513-523;Kretzschmarら、前出)およびS.pombe(GenBank遺伝子番号Z97185中のCAB10003.1というProtein IDのタンパク質;19%同一)において見出された。AtKELPとのN末端相同性に基いて(図3)、最初のATGコドンをMIP102の開始コドンとした。オープンリーディングフレーム(ORF)は、算定分子量19,227DaおよびpIが4.8の165アミノ酸ポリペプチドをコードした。PC4/p15の一本鎖DNA結合活性において示された高度に保存された領域が同定された(Kretzschmarら、前出)(図3)。MIP102の中央の領域は、グルタミンおよびグルタミン酸に富んでいた(アミノ酸位置66位~81位)。ホモポリマーグルタミンストレッチが、転写因子効力を増大することが報告されている(Gerberら、(1994)Science 263,808-811;Schwechheimerら、(1998)Plant Mol.Biol.36,195-204)。
【0091】
MIP102の遺伝子構成を分析するために、PCRによってゲノミックDNAフラグメントを増幅し、そしてそのヌクレオチド配列を決定した。ゲノミックDNAを、フェノール/SDS法(Kingston,(1997)Phenol/SDS method for plant RNA preparation.In”Current Protocols In Molecular Blology”(V B Chanda Eds)Vol 1,pp.4.3.1-4.3.3.John Wiley & Sons,Inc.,New York)によってB.campestrisの葉から単離した。ゲノミックサザンハイブリダイゼーションは、本質的に、Sambrookら、(1989)”Molecular Clonlng A Laboratory Manual.”Cold Spring Harbour Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New Yorkに記載されるとおりに行った。DNAサンプル(10μg)を適当な制限酵素で消化し、1.0%アガロースゲルによって分画し、そして正に荷電したナイロンメンブレン(Millipore)上に転写した。ブロットを、50%ホルムアミド、4.4×SSC、20mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.8)、1×デンハート溶液、0.2%SDSおよび変性サケ精子DNA(0.1mg/ml)を含有する溶液中で32P-標識プローブと、42℃で16時間ハイブリダイズさせた。メンブレンを、0.1%SDSを含有する2×SSC中で室温で数回洗浄し、最後に0.1%SDSを含有する0.2×SSC中で42℃で30分間洗浄した。
【0092】
MIP102のcDNAに対応するゲノミックDNAフラグメントを、以下の2つのプライマーセットを用いてPCRによって増幅した:Bc2F04(5’-GAAAACCCTAAAGATGGAG-3’)およびBc2R02(上述);Bc2F05(5’-AATAAGCTTAACAGACGAAC-3’)およびBc2R07(5’-GATTTTAAAAGATCATTTTTGTCAT-3’)。PCR産物を、TAクローニングベクターpCR2.1(Invitrogen)中にクローニングし、そしてヌクレオチド配列を、上述のインターナルプライマーBc2F02およびBc2R02に加えて、以下のベクタープライマーを用いて、3つの独立したクローンについて決定した:Forward-ABI(5’-TGTAAAACGACGGCCAGT-3’)およびReverse-1(5’-GGAAACAGCTATGACCATG-3’)。
【0093】
ゲノミックDNAのヌクレオチド配列とcDNAのヌクレオチド配列との比較は、MIP102遺伝子が2つのイントロン(図2)(73bp(イントロン1)および278bp(イントロン2))を含むことを示した。これらのイントロンの位置は、AtKELP(Cormackら、前出)のイントロンの位置と同じであった。B.campestrisにおけるMIP102ホモログをコードする遺伝子の数を推定するために、MIP102 cDNAの440bpフラグメントを用いるサザンブロットハイブリダイゼーションを行った(図4)。DNAプローブは、各レーンにおいて1つのバンドとハイブリダイズした。このことは、MIP102がB.campestrisにおいて1コピーの遺伝子によってコードされることを示す。
【0094】
(実施例3:MIP102の欠失変異体を用いる結合アッセイ)
N末端またはC末端欠失を有するGST融合MIP102を生成し、そしてMP結合を担うMIP102ドメインを決定するために、実施例1に記載のようなタンパク質結合アッセイにおいて使用した。
【0095】
プラスミドpGEX-P-Bc2は、ファージクローンMIP102(上述)に由来した。pGEX-Bc2のBamHI-EcoRIフラグメント(842bp)を、pGEX-6P-2(Amersham Pharmacia Biotech)のBamHI部位とEcoRI部位との間に挿入し、pGEX-P-Bc2を作製した。
【0096】
pGEX-P-Bc2dNを構築するために、MIP102のC末端半分のDNAフラグメントをpGEX-Bc2から、PCRによって、Bc2F02プライマー(5’-AAYAARGARTTYGAYGAYGA-3’)およびpGEX5プライマー(上述)を用いて増幅し、T4 DNAポリメラーゼで処理し、そしてNotIで消化した。得られた679bpフラグメントを、pGEX-6P-2のSmaI部位とNotI部位との間に挿入した。
【0097】
pGEX-P-Bc2dCの構築のために、MIP102のN末端側半分のDNAフラグメントを、pGEX-Bc2から、PCRによって、pGEX1プライマー(上述)およびBc2R05プライマー(5’-GAGACTCGAGTCATCCCTCCTTAGCTCTTT-3’)を用いて増幅し、そしてBamHI+XhoIで消化した。得られた331bpフラグメントを、pGEX-6P-2のBamHI部位とXhoI部位との間に挿入した。
【0098】
pGEX-P-Bc2を、GST融合MIP102(GST-MIP102)の発現のために使用した。pGEX-P-Bc2dNを、N末端の86アミノ酸残基が欠失したGST融合MIP102(GST-MIP102dN)のために使用し、pGEX-P-Bc2dCを、C末端の79アミノ酸残基が欠失したGST融合MIP102(GST-MIP102dC)のために使用した。PCRフラグメント由来のコード配列は、エラーがないことを確認した。
【0099】
図5Aにおいて示されるように、32P標識PKA-MPは、MIP102のN末端側半分(アミノ酸1~86)を含むGST-MIP102dC(レーン3)ならびに全長GST-MIP102(アミノ酸1~165)(レーン1)に結合した。GST-MIP102dCのレーンにおいて観察された二重バンド(図5B,レーン3)は、C末端近傍のタンパク質分解に起因し得る。さらなる欠失を伴う低い方のバンドはなお結合能を示した。対照的に、GST(レーン4)およびMIP102のC末端側半分(アミノ酸位置87位~165位)を含有するGST-MIP102dN(レーン2)においては、MP結合活性は見られなかった。この結果は、MIP102のN末端側半分がMP結合ドメインを含むことを示唆する。
【0100】
(実施例4:MIP102のN末端領域の細胞間移行阻害)
ToMVの移行を視覚的に観察できるようにウイルスゲノムの外被タンパク質(CP)遺伝子を欠失させ、その代わりに緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を挿入したプラスミドpiL.G3を用いた。このプラスミドを京都大学の飯 哲夫先生より戴いた(TamaiおよびMeshi、Mol.Plant-Microbe Interact.(2001)14,126-134)。実施例3で得たC末欠失型MIP102(MIP102dC)を発現させるプラスミドpART7-Bc2dC-HAもまた作製した。これらの作製方法を以下に示す。
【0101】
MIP102dCを発現させるために植物発現用バイナリーベクターpART7を使用した(Andrew P.Gleave、Plant Molecular Biology(1992)20,1203-1207より入手)。MIP102のN末端側半分のDNAフラグメントを、pGEX-Bc2から、PCRによって、pGEX1プライマー(前出)およびBc2R06HAプライマー(5’-TTGCTCTAGACTAAGCATAATCAGGAACATCATAAGGATATCCCTCCTTAGCTCTTTC-3’;このBc2R06HAプライマーは、HAタグ配列を含む)を用いて増幅し、そしてSmaI+XbaIで消化した。得られた約350bpフラグメントはC末端にヘマグルチニンエピトープ(HA)断片配列をコードするタグが挿入されている。この断片を、pART7のCaMV35Sプロモーターの下流にあるSmaI部位とXbaI部位との間に挿入し、pART7-Bc2dC-HAを生成した。また、コントロールのプラスミドとして、GUSを発現するプラスミドpART7-GUSもまた作製した。
【0102】
プラスミドpiL.G3のみ、あるいはpiL.G3およびpART7-Bc2dC-HAの両方をプラスミドを、タバコ(N.benthamiana)の本葉の葉片とパーティクルガン法に供し、これらプラスミドをタバコ細胞に導入した。このパーティクルガン法による細胞への遺伝子の導入は、BioRad遺伝子導入装置PDS-1000/Heシステムを用いて、製造者の説明書に従って行った。緑色蛍光を蛍光顕微鏡下で観察した。ウイルスゲノムが隣接細胞に移行すると、移行された細胞で緑色蛍光タンパク質が生産されて、この細胞は緑色に光る(図6の「複数細胞」)。対して、ウイルスが細胞間を移行しない場合、蛍光は1細胞のみで生じる(図6の「1細胞」)。従って、蛍光の差異によって、ウイルス移行の様子を知ることができる。
【0103】
次に、CP遺伝子の代わりにGFPが挿入されているプラスミドpiL.G3と、GUS(pART-GUS)またはMIP102のMP結合領域(pART7-Bc2dC-HA)を発現するプラスミドを、量比を変えて、タバコの本葉の葉片をパーティクルガン法に供し、これらプラスミドをタバコ細胞に導入した。この結果を表1に示す。
【0104】
【表1】
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【0105】
表1に示される結果より、ウイルスゲノム移行を示す緑色蛍光の拡大は、pART7-Bc2dC-HAを導入することにより阻害されることが判明した。従って、MIP102のN末端側のタンパク質が細胞内に発現するとウイルスのMPの機能が抑制され、ウイルス移行が阻害されると考えられた。
【0106】
また、pART7-Bc2dC-HAとpiL.G3との混合モル比を変えて細胞間移行の割合を観察した。この結果を図7に示す。図7の縦軸に細胞間移行の割合を蛍光スポットの比(複数細胞/総数)を示し、横軸にプラスミド混合モル比(pART7-Bc2dC-HA/piL.G3)とを示す。pART7-Bc2dC-HAが相対的に増加すると複数細胞への緑色蛍光の拡大が減少し、移行の阻害が認められた。
【0107】
(実施例5:ER局在型GFP発現プラスミドを用いた場合のMIP102発現プラスミド共導入の効果)
また、pART7-Bc2dC-HAとpiL.erG3(ER局在型GFP発現プラスミド)との混合モル比を変えて細胞間移行の割合を観察した。piL.erG3(ER局在型GFP発現プラスミド)は、京都大学の飯 哲夫先生より入手した(玉井 淳、飯 哲夫、平成12年度・日本植物病理学会大会講演要旨予稿集、岡山大学)。
【0108】
この結果を図8に示す。図8の縦軸に細胞間移行の割合を蛍光スポットの比(複数細胞/総数)を示し、横軸にプラスミド混合モル比(pART7-Bc2dC-HA/piL.erG3)とを示す。pART7-Bc2dC-HAが相対的に増加すると複数細胞への緑色蛍光の拡大が減少し、移行の阻害が認められた。この図8と図7とを比較したところ、piL.erG3(ER局在型GFP発現プラスミド)を用いた場合、ER非局在型GFP発現プラスミド(piL.G3)を用いた場合よりも阻害の程度が大きいことが判明した。
【0109】
(実施例6:MIP遺伝子導入による形質転換植物作製用プラスミドの構築およびこのプラスミドによる形質転換植物の作製)
形質転換植物を作製するために、MIP102クローンから単離したファージDNAを用いて、MIP102のN末端の結合領域を産生する発現プラスミドpART27-Bc2dC-HA.aを構築した。pART7-Bc2dC-HA(前出)由来の2.45kbのNotI断片を、pART27(Andrew P.Gleave、Plant Molecular Biology(1992)20,1203-1207より入手)のNotI部位に挿入し、pART27-Bc2dC-HA.aを生成した。このベクター構築図を図9に示す。
【0110】
pART27-Bc2dC-HA.aを、アグロバクテリウム法により、タバコ葉片に導入した。アグロバクテリウム法は、Nagelらの方法(Microbiol.Lett.,67,325(1990))に従った。まず、上記発現ベクターで、エレクトロポレーションによって、アグロバクテリウムを形質転換した。次いで、形質転換されたアグロバクテリウムをリーフディスク法(ラボマニュアル、植物遺伝子の機能解析 岩淵雅樹、志村令郎編、1992年、丸善、31~56頁)により植物組織に導入した。2週間ごとに上記葉片を継代し、上記のポリヌクレオチドと同時にタバコ細胞に導入されたpART27由来のカナマイシン耐性遺伝子の発現によるカナマイシン抵抗性の有無で形質転換したタバコ細胞を選抜した。選抜された形質転換タバコ細胞は、常法により、植物体に再分化させた。
【0111】
MIP102が導入された形質転換タバコの葉を液体窒素中で粉砕し、SDS-PAGE用サンプルバッファーで100℃で4分間抽出した。この抽出物を、SDS-ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE,ポリアクリルアミドゲル濃度10~20%)に供した後、抗KELP抗体(pGEX-P-KELP(作製については実施例9に下述)由来精製KELPをウサギに免疫して作製した)および抗HA抗体(MBLより入手)をプローブに用いて、常法によりウェスタンブロッティング解析を行った。
【0112】
図10に結果を示す。(A)クーマシーブリリアントブルー(CBB)染色ゲル、(B)HAタグ抗体を用いた結果、(C)KELP抗体を用いた結果。各結果におけるレーンは、左端のレーンが分子量マーカーであり、残りは左から順に形質転換タバコの株101、102、105、および118を示し、右端は、非形質転換タバコ(コントロール)を示す。これらの結果において、形質転換タバコの株のうち101、103、118において、MIP102と考えられる14kDaの特異的なバンドが検出された。105および非形質転換タバコ(コントロール)では検出されなかった。
【0113】
(実施例7:ToMV-ΔCP/GFP転写産物感染によるウイルス細胞間移行の検定)
MIP102が導入された形質転換タバコにおいてウイルス移行を観察するために、MIP102が導入された形質転換タバコ101、103、105、および118ならびにこれらの再生個体である101r、103r、105r、および118r、ならびに非形質転換植物(SR1)の葉に、ToMV-ΔCP/GFP転写産物(RNA)を葉に塗布した。なお、再生個体は、葉片より常法に従って作製した。転写産物の塗布は、pTL.G3(京都大学の飯 哲夫先生より戴いた;このプラスミドは、piL.G3のCaMV 35Sプロモーターの代わりに、T7プロモーターがウイルス遺伝子の上流に転写されている)をT7 RNAポリメラーゼで処理して転写RNA産物を得、このRNA転写産物1μgをタバコの幅3~5cmぐらいの葉に接種した。2日後、感染させた葉を切り取り、蛍光顕微鏡下でGFPの蛍光を観察した。この結果を表2に示す。
【0114】
【表2】
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【0115】
表2に示されるように、実施例6においてMIP102が高発現されていることが明らかとなった形質転換個体101、103、および118ならびにこれらの再生個体101r、103r、および118rでは緑色蛍光の拡大が抑制され、高発現していない個体105、その再生個体105r、および非形質転換植物(コントロール)では緑色蛍光の拡大が観察された。このことから、MIP102を発現した植物では、ウイルス移行の阻害がもたらされることが判明した。
【0116】
(実施例8:ToMV粒子感染によるウイルス感染の検定)
MIP102が導入された形質転換タバコにおいて、ToMV感染に対する抵抗性を獲得したか否かを調べるために、ウイルス粒子感染を行い、感染葉および上位葉におけるウイルス外被タンパク質(CP)の蓄積を調べた。MIP102が導入された形質転換タバコ101、103、105、および118の再生個体である101r、103r、105r、および118r、ならびに非形質転換植物(コントロール)の葉に、ToMVウイルス粒子0.06μgを感染させた。10日後、感染させた葉(感染葉)およびその上位に存在する葉(上位葉)を切り取り、液体窒素中で粉砕し、SDS-PAGE用サンプルバッファーで100℃で4分間抽出した。この抽出物を、SDS-ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE,ポリアクリルアミドゲル濃度10~20%)に供した後、ゲルをクーマシーブルーで染色した。
【0117】
この結果を、図11に示す。各レーンは、両端のレーンが分子量マーカーであり、残りは左から順に形質転換タバコの株101r、102r、105r、および118r(これらは、形質転換タバコ株101、102、105、および118の再生個体である)、非形質転換タバコ(SR1)を示す。各株において、左側が上位葉(U)であり右側が感染葉(I)を示す。矢印で示したバンドが外被タンパク質に相当し、このバンドは、非形質転換体SR1の感染葉および上位葉、ならびに実施例6においてMIP102の高発現を示さなかった形質転換体105rにおいて顕著に観察された。MIP102が高発現してウイルス移行の阻害が認められた個体である形質転換株101r、103r、および118rにおいては、外被タンパク質の蓄積が減少しており、ウイルス抵抗性となることが期待された。
【0118】
(実施例9:AtKELPを用いる結合アッセイ)
ToMV MPが、MIP102と相同性の高い(75%)AtKELPにもまた結合するか否かを調べるために、AtKELPのcDNAをA.thaliana cDNAライブラリーから単離した。GST融合AtKELP(GST-AtKELP)をコードするプラスミドを構築し、そして精製融合タンパク質を、プローブとしてToMV MPを用いるタンパク質結合アッセイのために使用した。タンパク質結合アッセイは、実施例3と同様にして行った。
【0119】
AtKELP発現プラスミドは以下のように構築した。AtKELP(Cormackら、前出)のコード配列を、A.thalianaの5’-ストレッチcDNAライブラリー(Clontech)から、PCRによって、KELP-F01プライマー(5’-ACAGGAATTCCTAAAAATGGAGAAAGAGA-3’)およびKELP-R01プライマー(5’-TTGCCTCGAGTCAGACACGCGATTCCATTT-3’)を用いて増幅した。増幅された0.52kbフラグメントを、EcoRI+XhoIで消化、そしてpGEX-6P-1のEcoRI部位とXhoI部位との間に挿入し、pGEX-P-KELPを作製した。KELPのコード配列を、塩基変更のないことを確認した。プロテインキナーゼAのリン酸化配列を付加するために、合成オリゴヌクレオチドKD-PKA1(5’-GATCACGTCGTGCATCTGTTG-3’)およびKD-PKA2(5’-GATCCAACAGATGCACGACGT-3’)をアニールし、そしてpGEX-6P-1のBamHI部位に挿入し、pGEX-6P1-3xPKAを構築した。これは、3セットのオリゴヌクレオチドを、GST ORFの下流に適切な方向で挿入した。pGEX-P-3xPKA-KELPの構築のために、pGEX-P-KELPの0.52kb EcoRI-XhoIフラグメントをpGEX-6P1-3xPKAのEcoRI部位とXhoI部位との間でクローニングした。pGEX-P-KELPおよびpGEX-P-3xPKA-KELPを、それぞれ、GST-AtKELPおよびGST-PKA-AtKELPの発現のために使用した。
【0120】
図12に示されるように、GST-AtKELP(レーン1)および陽性コントロールのGST-MIP102(レーン2)の両方がMP結合活性を示したが、陰性コントロールのGSTは、この活性を示さなかった。
【0121】
(実施例10:CTMV-WおよびCMVのMPを用いる結合アッセイ)
他の植物ウイルスのMPに対するMIP102およびAtKELPの結合能力もまた調べた。ここで、CTMV-WおよびCMVのMPを使用した。タンパク質結合アッセイは、実施例3と同様にして行った。
【0122】
CTMV-W MP発現プラスミドは、以下のようにして構築した。crucifer tobamovirusのwasabi株(CTMV-W)由来のcDNAを含有するプラスミドpTW62(Shimamotoら、(1998)Arch.Virol.143,1801-1813)をSalIで消化した。MPのコード配列を含む得られた1.4kbフラグメントを、pAS2-1(Clontech)のSalI部位にGal4遺伝子と同じ方向で挿入した。得られたプラスミドをNcoI+BamHIで消化し、クレノウフラグメントで処理し、そして自己連結し、pAS-W30Kを作製した。これは、MPのORFがGal4のORFに連続していた。このプラスミドの1.4kbのBamHI-NotIフラグメントを、pGEX-5X-3(Amersham Pharmacia Biotech)のBamHI部位とNotI部位との間に挿入し、pGEX-W30Kを作製した。CTMV-W MPリーディングフレームをGSTのリーディングフレームと調整するために、pGEX-W30KをさらにBamHIで消化し、クレノウフラグメントで処理し、そして自己連結して、pGEX-W30KfBを生成した。これを、GST融合CTMV-W MP(GST-CTMVMP)の発現のために使用した。
【0123】
CMV MP発現プラスミドは、以下のようにして構築した。CMVの○株(CMV-0)由来のRNA3 cDNAを含むプラスミドpUCMV03(Hayakawaら、(1989)J.Gen.Virol.70,499-504)をAvaIで消化し、クレノウフラグメントで処理し、次いでSalIで消化し、1.2kbのAvaI(平滑)-SalIフラグメントを単離した。3aORF(MP)を含むこのフラグメントを、pGEX-6P-1のSmaI部位とXhoI部位との間に挿入し、pGEX-P-CMVOMPを構築した。これは、GST融合CMV MP(GST-CMVMP)をコードする。
【0124】
図13に示されるように、32P標識PKA AtKELPは、ToMV、CTMV-WおよびCMV-OのMPに結合した。32P-標識MIP102をプローブとして使用した場合、同様の結合能力が観察された(データは示さず)。
【0125】
上記の実施例は、本発明の種々の局面、および本発明の特定のオリゴヌクレオドがどのように作成され、および利用されるのかを例示して記載している。本発明の範囲を制限するものではない。
【0126】
【産業上の利用可能性】
植物育種に利用可能なウイルス抵抗性を付与し得るポリヌクレオチドおよびこのポリヌクレオチドを用いて植物にウイルス抵抗性を付与する方法が提供される。当該ポリヌクレオチドが植物に導入された、植物ウイルスに対して抵抗性が付与された植物もまた提供される。
【0127】
【配列表】
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【0128】
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【0129】
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【0130】
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【0131】
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【0132】
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【0133】
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【0134】
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【0135】
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【0136】
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【0137】
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【0138】
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【0139】
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【0140】
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【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ToMV MPのMIP102に対する結合を示す電気泳動写真である。(A)pGEX-Bc2プラスミドを有するE.coliを、IPTGなしで(レーン1)またはIPTGと共に増殖させた。細菌から抽出した総タンパク質を、10% SDS-ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、CBBで染色した。(B)MP結合を再生タンパク質ブロットでアッセイした。(A)のように分離したタンパク質をPVDFメンブレンでアッセイし、そして32P標識GST-PKA-MPでプローブした。(C)アフィニティー精製GST-MIP102(レーン1)およびGST(レーン2)を10%ゲル中で電気泳動し、そして染色した。(D)(C)のよう分離したタンパク質をPVDFメンブレン上にブロットし、そして(B)と同様にして32P標識GST-PKA-MPでアッセイした。矢印は、GST-MIP102およびGSTの位置を示す。分子量(kDa)マーカーの位置を左側に示す。
【図2】図2は、MIP102 cDNAのヌクレオチド配列およびその推定アミノ酸配列を示す図である。下線のアミノ酸配列は、推定の一本鎖DNA結合ドメインを示し、これは、図3における整列のために使用される。サザンブロッティング分析のために使用した独自のHindIII部位およびEcoRI部位を、二重下線によって示す。矢印1および2は、ゲノムDNAの解析から明らかになったイントロンの位置を示す。
【図3】図3は、MIP102およびAtKELPおよびGenBankデータベース上の類似配列の多配列整列を示す図である。上方の整列は、MIP102の推定アミノ酸配列とA.thalianaのKELP(AtKELP)との比較を示す。MIP102およびAtKELPの一致したアミノ酸残基を★で示す。下方の整列は、推定一本鎖結合ドメインでの種々のタンパク質の比較を示す。MIP102、AtKELP、およびKIWIを、ヒト(PC4/p15)(GeおよびRoeder、1994;Kretzschmarら、(1994)Cell 78,525-534)、C.elegans(T13F2.2タンパク質、GenBank遺伝子番号Z81122)、およびS.pombe(CAB10003.1タンパク質、GenBank遺伝子番号Z97185-2)のような他の生物で同定された相同配列と整列した。
【図4】図4は、MIP102のゲノミックサザンハイブリダイゼーションを示す電気泳動写真である。B.campestrisゲノミックDNAをHindIII(レーン1)、EcoRI(レーン2)またはEcoRV(レーン3)で消化し、そして1.0%アガロースゲルを通して分画し、そしてナイロンメンブレン上に転写した。このブロットを、pGEX-Bc2の32P標識した440bpのPstI-HindIIIフラグメント(図2に示したcDNA挿入片のヌクレオチド1~428位を含む)とハイブリダイズさせた。サイズ(kb)マーカーの位置を左側に示す。
【図5】図5は、MIP102のN末端へのToMV MPの結合を示す電気泳動写真である。(A)アフィニティー精製GST-MIP102(レーン1)、GST-MIP102dN(レーン2)、GST-MIP102dC(レーン3)およびGST(レーン4)を10%SDS-ポリアクリルアミドゲル中に分離し、そしてPVDFメンブレン上にブロットした。タンパク質の再生後、ブロットを、32P標識したPKA-MPでプローブした。(B)(A)で使用したゲルにおけるタンパク質プロフィールをCBB染色によって明らかにした。矢印は、組換えタンパク質の位置を示す。破線矢印は、タンパク質分解の発生を示す。分子量(kDa)マーカーの位置を左側に示す。
【図6】図6は、ウイルスの細胞間移行についてのレポータータンパク質による植物細胞の緑色蛍光を示す写真である。(A)ウイルスゲノムが隣接細胞に移行すると、移行された細胞で緑色蛍光タンパク質が生産されて、この細胞は緑色に光る(「複数細胞」と標記した写真)。(B)対して、ウイルスが細胞間を移行しない場合、蛍光は1細胞のみで生じる(「1細胞」と標記した写真)。
【図7】図7は、pART7-Bc2dC-HAとpiL.G3との共導入による細胞間移行の影響を示すグラフである。図7の縦軸に細胞間移行の割合を蛍光スポットの比(複数細胞/総数)を示し、横軸にプラスミド混合モル比(pART7-Bc2dC-HA/piL.G3)を示す。
【図8】図8は、pART7-Bc2dC-HAとpiL.erG3(ER局在型GFP発現プラスミド)との共導入による細胞間移行の影響を示すグラフである。図8の縦軸に細胞間移行の割合を蛍光スポットの比(複数細胞/総数)を示し、横軸にプラスミド混合モル比(pART7-Bc2dC-HA/piL.erG3)を示す。
【図9】図9は、MIP102のN末端の結合領域を産生する発現プラスミドpART27-Bc2-HA.aの構築図を示す。
【図10】図10は、形質転換タバコにおける目的タンパク質の発現を示す電気泳動写真である。右から順に、(A)クーマシーブリリアントブルー(CBB)染色ゲル、(B)HAタグ抗体を用いた結果(中央)、および(C)KELP抗体を用いた結果である。各結果におけるレーンは、左端のレーンが分子量マーカーであり、残りは左から順に形質転換タバコの株101、102、105、および118を示し、右端は、非形質転換タバコ(コントロール)を示す。
【図11】図11は、ToMV粒子感染によるウイルス抵抗性の検定の結果を示す電気泳動写真である。各レーンは、両端のレーンが分子量マーカーであり、残りは左から順に形質転換タバコの株101r、102r、105r、および118r(これらは、形質転換タバコ株101、102、105、および118の再生個体である)、非形質転換タバコ(SR1)を示す。各株において、左側が上位葉(U)であり右側が感染葉(I)を示す。矢印で示したバンドがウイルス外被タンパク質に相当する。
【図12】図12は、ToMV MPのAtKELPとの結合を示す電気泳動写真である。(A)アフィニティー精製GST-AtKELP(レーン1)、GST-MIP102(レーン2)、およびGST(レーン3)を10%SDS-ポリアクリルアミドゲル中に分離し、そしてPVDFメンブレン上にブロットした。タンパク質の再生後、ブロットを、32P標識したPKA-MPでプローブした。(B)(A)で使用したゲルにおけるタンパク質プロフィールをCBB染色によって明らかにした。矢印は、組換えタンパク質の位置を示す。GST-MIP102の大きさは、GSTとMIP102との間に15アミノ酸余分にあることに起因して、GST-AtKELPよりも大きかった。分子量(kDa)マーカーの位置を左側に示す。
【図13】図13は、種々のウイルスのMPへのAtKELPの結合を示す電気泳動写真である。等量(1μg)のアフィニティー精製GST-MP(ToMV)、GST-CTMVMP(CTMV-W)、GST-CMVMP(CMV)、GST、およびウシ血清アルブミンを、ニトロセルロースメンブレン上に固定化し、そして32P標識したPKA-AtKELPでプローブした。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
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【図12】
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【図13】
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