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明細書 :識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3355366号 (P3355366)
公開番号 特開平10-302105 (P1998-302105A)
登録日 平成14年10月4日(2002.10.4)
発行日 平成14年12月9日(2002.12.9)
公開日 平成10年11月13日(1998.11.13)
発明の名称または考案の名称 識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システム
国際特許分類 G07C 11/00      
G06F 17/60      
FI G07C 11/00
G06F 17/60
請求項の数または発明の数 5
全頁数 6
出願番号 特願平09-108626 (P1997-108626)
出願日 平成9年4月25日(1997.4.25)
審判番号 不服 2000-010106(P2000-010106/J1)
審査請求日 平成9年4月25日(1997.4.25)
審判請求日 平成12年7月5日(2000.7.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人 農業技術研究機構
発明者または考案者 【氏名】杉山 純一
個別代理人の代理人 【識別番号】100063565、【弁理士】、【氏名又は名称】小橋 信淳
参考文献・文献 特開 平6-166408(JP,A)
特開 平9-642(JP,A)
特開 平7-214941(JP,A)
実開 平9-102944(JP,U)
登録実用新案3029839(JP,U)
調査した分野 G07C 11/00
B65G 1/00 - 1/137
G06F 17/60 102
特許請求の範囲 【請求項1】
生産に係る者側のコンピュータと、消費者側のコンピュータと、前記生産に係る者側のコンピュータと前記消費者側のコンピュータとに通信回線で接続されたコンピュータシステムとからなり、農産物に識別子を付与することにより、該農産物の生産に係る者以外の者が前記識別子に基づいて当該農産物に係る個体情報を入手自在とする農産物流通における農産物の個体情報入手システムであって、
農産物に付与される前記識別子は、農産物の個体毎に異なるID番号と前記個体情報を入手するためのアクセス先とからなり、
前記生産に係る者側のコンピュータは、生産地,生産者名,品種,栽培方法,収穫日,品質情報等の農産物の個体毎に異なる個体情報とともに、当該農産物に付与される前記ID番号を前記コンピュータシステムに送信する手段を有し、
前記消費者側のコンピュータは、前記識別子におけるアクセス先とID番号を入力する手段と、当該識別子におけるアクセス先とID番号を前記コンピュータシステムに送信する手段と、前記コンピュータシステムから前記アクセス先に従った当該農産物の個体情報が記載されたホームページの情報を受信する手段と、前記ホームページの情報から前記ID番号に対応した当該農産物の個体情報を表示する手段とを有し、
前記コンピュータシステムは、前記生産に係る者側のコンピュータから送信された前記識別子と当該農産物の個体情報とを受信して、前記ID番号と当該ID番号に対応する個体情報を対応させて記憶してデータベースを構築する手段と、前記消費者側のコンピュータから送信された前記アクセス先とID番号を受信して、前記データベースから前記ID番号に対応する個体情報を検索して、前記アクセス先に対応し且つ前記個体情報を記載したホームページを作成する手段と、当該ホームページの情報を前記消費者側のコンピュータに送信する手段とを有することを特徴とする識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システム。

【請求項2】
前記コンピュータシステムは中間業者のコンピュータに通信回線で接続され、前記中間業者のコンピュータは、前記識別子におけるアクセス先とID番号を入力する手段と、当該識別子におけるアクセス先とID番号を前記コンピュータシステムに送信する手段と、前記コンピュータシステムから前記アクセス先に従った当該農産物の個体情報が記載されたホームページの情報を受信する手段と、前記ホームページの情報から前記ID番号に対応した当該農産物の個体情報を表示する手段とを有し、
前記コンピュータシステムは、前記中間業者のコンピュータから送信された前記アクセス先とID番号を受信して、前記データベースから前記ID番号に対応する個体情報を検索して、前記アクセス先に対応し且つ前記個体情報を記載したホームページを作成する手段と、当該ホームページの情報を前記中間業者のコンピュータに送信する手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システム。

【請求項3】
前記通信回線は、インターネットを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システム。

【請求項4】
前記識別子は、農産物に直接貼着又は装着したラベルに記載されていることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システム。

【請求項5】
前記識別子は、農産物を包装する包装容器に貼着又は装着したラベルに記載されていることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システム。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【01】

【発明の属する技術分野】本発明は、農産物に識別子を付与することにより、消費者等、農産物の生産に係る者以外の者が、上記識別子に基づいて当該農産物に係る個体情報を入手自在とし、これにより、上記個体情報を最終消費者にまで確実に伝えることを可能にする農産物の個体情報入手システムを提供するものである。

【02】

【従来の技術とその課題】近年の健康に関する意識の高まりに伴い、消費者に無農薬栽培等により生産された農産物を求める意識が高まっている。しかしながら、小売店の店頭におかれた農産物が、無農薬栽培されたものであるか否かを消費者が知ることは困難であった。これは、農産物の流通システムに起因すると考えられる。

【03】
すなわち、従来の農産物の流通システムにおいては、生産者と消費者との間に多数の中間業者(数次の卸売り店等)が介在している。このように生産者と消費者との間に多数の中間業者が介在していることに起因して、農産物が消費者の手に渡る際には、当該農産物の個体情報(当該農産物の生産地、生産者名、品種、栽培方法、収穫日、品質情報等)が正確に伝えられることが困難になる。勿論、上記消費者以外の、例えば小売業者等においても、このような個体情報を知ることは困難である。換言すれば、消費者が農産物に関する個体情報を知ることができるのは、例えば生産者が特定の流通経路により直販しない限り不可能に近いものであった。

【04】
この結果、消費者が無農薬栽培等により生産された農産物を購入したくても、上記直販システムをとる直販店以外では、その判別が困難であるために購入しづらいと言う不都合が存在する。しかも、農産物の多くを海外諸国からの輸入に頼っている我国の現状を鑑みれば、なおさらである。又、近時、特定の病害に強い品種を遺伝子組み換え技術により作り出した農産物が販売されるようになっているが、このような農産物に対して、その安全性を疑問視する消費者も存在する。このような消費者にとっては、やはり店頭に並べられた農産物の個体情報を知りたいという要求が強い。更に、生産者にとっても、消費者のニーズに応じて栽培したにも拘らず、最終小売業者の店頭に並べられた際には、その栽培方法等の個体情報が消費者等に知られないのは、その生産意欲等を削ぐ結果となってしまう虞もある。

【05】
更に、近年、種々の品質測定器が開発されており、個々の農産物に対して精度良くその品質が検査されているが、このような高度な品質測定器を用いて測定された品質情報は、上述したように、流通システムを含む要因により、消費者等には伝わってこない。このため、上記品質測定器開発の意義が薄くなってしまう。

【06】
本発明は、上述したような事情に鑑みて創案されたもので、消費者等が農産物の個体情報を容易に知ることができる農産物の個体情報入手システムを得ることを主目的とする。

【07】

【課題を解決するための手段】本発明の識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システムは、第1には、生産に係る者側のコンピュータと、消費者側のコンピュータと、前記生産に係る者側のコンピュータと前記消費者側のコンピュータとに通信回線で接続されたコンピュータシステムとからなり、農産物に識別子を付与することにより、該農産物の生産に係る者以外の者が前記識別子に基づいて当該農産物に係る個体情報を入手自在とする農産物流通における農産物の個体情報入手システムであって、農産物に付与される前記識別子は、農産物の個体毎に異なるID番号と前記個体情報を入手するためのアクセス先とからなり、前記生産に係る者側のコンピュータは、生産地,生産者名,品種,栽培方法,収穫日,品質情報等の農産物の個体毎に異なる個体情報とともに、当該農産物に付与される前記ID番号を前記コンピュータシステムに送信する手段を有し、前記消費者側のコンピュータは、前記識別子におけるアクセス先とID番号を入力する手段と、当該識別子におけるアクセス先とID番号を前記コンピュータシステムに送信する手段と、前記コンピュータシステムから前記アクセス先に従った当該農産物の個体情報が記載されたホームページの情報を受信する手段と、前記ホームページの情報から前記ID番号に対応した当該農産物の個体情報を表示する手段とを有し、前記コンピュータシステムは、前記生産に係る者側のコンピュータから送信された前記識別子と当該農産物の個体情報とを受信して、前記ID番号と当該ID番号に対応する個体情報を対応させて記憶してデータベースを構築する手段と、前記消費者側のコンピュータから送信された前記アクセス先とID番号を受信して、前記データベースから前記ID番号に対応する個体情報を検索して、前記アクセス先に対応し且つ前記個体情報を記載したホームページを作成する手段と、当該ホームページの情報を前記消費者側のコンピュータに送信する手段とを有することを特徴とする。第2に、前記の識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システムにおいて、前記コンピュータシステムは中間業者のコンピュータに通信回線で接続され、前記中間業者のコンピュータは、前記識別子におけるアクセス先とID番号を入力する手段と、当該識別子におけるアクセス先とID番号を前記コンピュータシステムに送信する手段と、前記コンピュータシステムから前記アクセス先に従った当該農産物の個体情報が記載されたホームページの情報を受信する手段と、前記ホームページの情報から前記ID番号に対応した当該農産物の個体情報を表示する手段とを有し、前記コンピュータシステムは、前記中間業者のコンピュータから送信された前記アクセス先とID番号を受信して、前記データベースから前記ID番号に対応する個体情報を検索して、前記アクセス先に対応し且つ前記個体情報を記載したホームページを作成する手段と、当該ホームページの情報を前記中間業者のコンピュータに送信する手段とを有することを特徴とする。第3に、前記の識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システムにおいて、前記通信回線は、インターネットを含むことを特徴とする。第4に、前記の識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システムにおいて、前記識別子は、農産物に直接貼着又は装着したラベルに記載されていることを特徴とする。第5に、前記の識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システムにおいて、前記識別子は、農産物を包装する包装容器に貼着又は装着したラベルに記載されていることを特徴とする。

【08】

【作用】本発明の識別子付与による農産物の流通システムは、上述のように構成されるため、消費者や小売業者が、更には中間業者が存在する場合にはこの中間業者が個体情報入手システムを用いて前記ホームページにアクセスし、所望の農産物に付与されたID番号を送信することにより、当該農産物に関する個体情報を入手することができる。このため、消費者等は当該消費者の要求する栽培方法等によって生産された農産物を購入することが容易に行えるようになる。

【09】
尚、前記個体情報としては、生産地と、生産者名と、品種と、栽培方法と、収穫日と、品質情報等の農産物の個体毎に異なる個体情報を含むものとすることができる。又、前記コンピュータシステムは、前記生産に係る者でない中立の機関に設けても、或いは、前記生産に係る者側に設けても、いずれであっても良い。中立の機関に設ける場合、現在の流通システムをそのまま踏襲できる。又、生産者側に設ける場合、生産者から直接小売店に農産物を卸す直販方式に適用できる。

【10】
更に、前記個体情報入手システムによって当該農産物の個体情報を入手する際に、この個体情報入手システムを操作する前記生産に係る者以外の者は、前記コンピュータシステムに個体情報入手手段を操作する者に係る情報を送信することにより、又、個体情報を記載したインターネットのホームページから上記個定情報を入手可能とすることもできる。このように構成すれば、生産者等は、当該農産物がいずれの地域で販売されているか等を知ることができ、このようなデータを今後の生産計画に盛り込むことができて、当該農産物の生産に対する効率化等をなし得る。

【11】

【発明の実施の形態】次に、本発明をメロンの流通に適用した形態例について説明する。本例の識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システムは、図1に示すように、農産物であるメロン1に識別子であるID番号を付与することにより、これらメロン1の生産に係る者(生産農家或は農業協同組合)以外の者(例えば、消費者4)が上記ID番号に基づいて当該メロン1に係る個体情報を入手自在とするものである。このために、上記メロン1には、ID番号を記載したラベル2(シール或はステッカー)を添付する。このラベル2は、生産者3が収穫時や受粉時等適宜の時期に貼着或は装着しても、或は選果場で貼着或は装着しても、いずれであっても良い。

【12】
更に、本例のシステムにおいては、別途設けた中立の機関(例えば、データベース法人)5に備えられたコンピュータシステム6に、上記メロン1に関する個体情報を、上記ID番号とともに記憶させ、データベースを構築している。生産者3は、このコンピュータシステム6に、上記ID番号を送信するとともに、当該メロン1の個体情報である、生産地と、生産者名と、品種と、栽培方法と、収穫日と、品質情報(糖度等)とを送信する。

【13】
このような情報の送信は、上記ラベル2を生産者3が貼着する場合には当該貼着作業時に圃場から直接携帯端末9を用いて送信する。この携帯端末9は、いわゆるノート型パーソナルコンピュータ等、従来知られている小型コンピュータ及びこれに類するものを指す。このような携帯端末9を使用するにあったては、携帯電話やPHS(パーソナル・ハンディホン・システム)、或いはアマチュア無線等を利用できる。尚、生産者3の持つ携帯端末9と上記中立の機関5が備えるコンピュータシステム6とは、無線によるLAN(ローカルエリアネットワーク)で接続しておけば、送信、更には後のデータ処理が容易になる。但し、上記アマチュア無線を利用するにあたっては、上記生産者3は無線に関する有資格者であることを要する。或いは、ラベル2貼着作業後に、別途設けた(例えば、生産者3の自宅に設置した)コンピュータにより一般公衆回線を介して送信しても良い。この場合には、何ら資格を要しない。選果場等、圃場以外の場所でラベル2の貼着作業を行う場合は、当該場所における担当作業者等がコンピュータ等を用いて行う。尚、品質情報等、別途検査が必要な項目については、農業協同組合(JA)等の機関で検査した後、この検査に関わる者或いは担当の作業者が、上記コンピュータシステム6に送信し、当該データベースに入力する。

【14】
又、小売業者の店舗や消費者4の自宅等には少なくとも1台のコンピュータ7を設置するとともに、例えば一般公衆回線を介して上記コンピュータシステム6と通信自在に接続している。実際の場合、上記コンピュータシステム6を備える中立の機関5は、上記メロン1に関する個体情報を記載したホームページを作成し、上記コンピュータ7からインターネットにより該ホームページにアクセスする。そして、アクセス後に、メロン1に付与されているID番号を入力することにより、当該メロン1に関する個体情報を調べることができるようにする。このために、上記ID番号を記載したラベル2には、上記ホームページのアドレス(URL)を併せて記載しておく。

【15】
本例のシステムは上述のように構成されるため、消費者4や小売業者が、更には中間業者が存在する場合にはこの中間業者8が上記コンピュータ7を用いて前記中立の機関5に備えたコンピュータシステム6にアクセスし、所望のメロン1に付与されたID番号を送信することにより、当該メロン1に関する個体情報を入手することができる。すなわち、生産者3側から配送されたメロン1は、どのような流通経路を経ても、上記ID番号に基づいて当該メロン1の個体情報を入手することができる。このため、消費者4等は当該消費者4等の要求する栽培方法等によって生産された農産物を購入することが容易に行えるようになる。メロン1等の農産物は、生産地、栽培方法等によって、個々に品質が異なるものであるため、個々の個体情報を消費者等に容易に伝達可能となる意義は大きい。勿論、上記品質情報に、遺伝子組み換え技術を利用して生産されたか否かの情報を盛り込むことにより、消費者4等が容易に判別可能になる。

【16】
又、生産者3側にとっても、当該生産者3が生産した農作物をPRし、ブランド化することもできるため、生産意欲の向上、生産者3自らのビジネスチャンスの拡大等に寄与できる。更に、小売り業者等においても、店頭に上記コンピュータ7を設置し、店頭の農産物に関する個体情報を消費者4に知らせることにより、販売促進を図れる。

【17】
更に、本例の場合、上記コンピュータ7によってメロン1の個体情報を入手する際に、このコンピュータ7を操作する消費者4等は、前記データベースを構築したコンピュータシステム6に当該消費者4等の情報を送信することにより初めて上記個体情報を入手可能としている。上記消費者4等の情報としては、当該消費者4等の居住地、その日時等を含む。このように構成することにより、生産者3等は、当該メロン1がいずれの地域で販売されているか等を知ることができる。更に、食味評価や意見等を書き込めるようにしておけば、生産者3に消費者4の意見等を容易にフィードバックさせられる。そして、このように消費者4等から得られたなデータを今後の生産計画に盛り込むことができて、当該農産物の生産に対する効率化等をなし得る。

【18】
上記消費者4等の情報は、当該ホームページにアクセスした場合に、先ず消費者4等の居住地等を入力する画面が表示されるようにしておくことで、容易に入力可能にしておく。更には、上記居住地は単に郵便番号を入力すれば、上記中立の機関5側で正確な住所を認識できるようにしておけば、消費者4等がコンピュータの画面で漢字等を入力する知識がなくても容易に消費者等の情報を送信できる。

【19】
尚、上述した形態例においては、農産物がメロン1である場合について説明したが、上記データベース(コンピュータシステム6)には、多数の各種農産物に関する個体情報を記憶自在とし、小売店の店舗に並べられる農産物の全ての個体情報を検索できるようにしておく。又、農作物に付与する識別子として、本例においてはID番号を付与した例について説明したが、これに代えて記号等を採用しても良い。要は、その農産物を特定できれば、識別子としてはID番号に限らず、従来知られた記号や数字及びこれらの組み合わせ等、いずれのものをも採用できる。更に、このような識別子は、記号や数字等をそのまま記載したものに限らず、例えばバーコードのように、人間には直接読みとることはできないが別途装置により容易に読み取れるものであれば良い。但し、このようにバーコードを採用した場合には、このバーコードを読み取るための装置が必要である。尚、大規模小売店等においては、POSシステムが普及しているが、このPOSシステムに、上記ラベル2に記載したID番号を読み取らせるとともに、上記個体情報を記憶しているコンピュータシステム6に接続して所望の個体情報を入手自在とすることもできる。

【20】
本例の構造の場合、従来の流通システムをそのまま維持した状態で、農産物の個体情報を知ることが可能である。すなわち、多数の中間業者8及び小売業者並びに消費者4がコンピュータ7を備えるとともに、中立の機関5としてのデータベース会社(勿論、農業協同組合等にその機能を持たせても良い)を設け、このデータベース(コンピュータシステム6)にアクセスし、農産物に付与されているID番号を送信することにより、当該農産物の個体情報を容易に知ることができる。このため、従来の流通システムを変革することなく、容易に農産物の個体情報を知り得、消費者の要求を満たすことが可能になる。尚、図1で実線の矢印はメロン1の流通を示し、破線の矢印は情報の流れを示している。このことは、次述する第2、第3の各形態例を示す図2、図3においても同様である。

【21】
次に、図2は本発明の実施の第2形態例を示している。この例は、中間業者を省略し、生産者3から直接消費者4に販売する流通システムに本発明を適用したものである。生産者3と消費者4との間には、配送業者が介在している。この結果、中間業者を省略した分、流通コストが低減され、消費者4に農産物を安価に提供できるようになる。その他の構成並びに作用は、上述した第1形態例の場合と同様である。

【22】
次に、図3は本発明の実施の第3形態例を示している。この例は、上述した第2形態例と同様、中間業者を省略し、生産者3から直接消費者4に販売する流通システムに本発明を適用したものである。更に、本例の構造の場合、農産物の個体情報に関するデータベースを生産者3側に備えたコンピュータシステム6aにより構築している。この例の場合、データベースに記載する情報は、上記生産者3が生産する農作物に関するもののみで良い。従って、さほど高性能のコンピュータシステム6aを導入する必要はなく、いわゆるパーソナルコンピュータを利用して行える。その他の構成並びに作用は、上述した第2形態例と同様である。

【23】
尚、上述した第1~第3の各形態例においては、インターネットを利用した例について説明したが、店舗等に備えられたコンピュータ7と、データベースを構築したコンピュータシステム6、6aとを専用回線で結んで使用することもできる。又、商用ネットワーク会社を利用することもできる。但し、通信を広範囲(世界規模)に亙って容易に行える観点からは、インターネットを利用することが好ましい。インターネットを利用する場合、生産者3が作成したコンピュータシステム6a上の店舗(バーチャルショップ)から直接消費者4に販売することも可能になり、生産者3と消費者4とがより密接にそのニーズ等を交換できて、低コストで消費者4のニーズにあった農産物の生産及び流通が可能になる。

【24】
更に、上述した第1~第3の各形態例においては、データベース(コンピュータシステム6、6a)にアクセスするためにコンピュータ7を利用しているが、消費者4によっては、コンピュータの知識が乏しく、敬遠するものも存在する。これに対して、ファクシミリの利用者はコンピュータの利用者よりもきわめて多い。そこで、ファクシミリを利用して農産物の個体情報を入手自在とすることも考えられる。すなわち、ファクシミリを用いた各種情報の入手は現在広く利用されており、これを農産物の個体情報入手に適用することができる。この場合、前記中立の機関5或は生産者3側に設置したコンピュータシステム6、6aが音声案内を流し、利用者(消費者4等)は、この音声案内に従って、農産物に付与されたID番号を入力することにより、ファクシミリによって当該個体情報が送られてくるようにする。

【25】
又、上述した各例においては、農産物がメロン1である場合について説明したため、ID番号を記載したラベル2を個々のメロン1に貼着していた。このように、個々の農産物に直接ラベル2を貼着するのは、農産物がメロン1や西瓜等の比較的大型のもので個々に販売されるものに限る。米、豆類等、或る程度の量をまとめて販売されるものについては、商品として袋詰め或は包装された段階でこの袋或は包装容器に上記ラベル2を貼着する。従って、農産物がこれら米や豆類等の袋詰め(包装)されて出荷されるものの場合、該袋(包装容器)にラベル2を貼着する作業は、袋詰め(包装)される機関において、袋詰め(包装)された後に行われる。又、これら米や豆類の場合、これら農産物とともに送られてきた書類に記載されている個体情報を適宜の手段により前記データベース(コンピュータシステム6、6a)に送信或いは入力する。

【26】

【発明の効果】本発明の識別子付与による農産物流通における農産物の個体情報入手システムは、上述のように構成されるため、消費者や小売業者等が個体情報入手システムを用いて前記ホームページにアクセスし、所望の農産物に付与されたID番号を送信することにより、当該農産物に関する個体情報を入手することができる。このため、消費者等は当該消費者の要求する栽培方法等によって生産された農産物を購入することが容易に行えるようになる。更に、個体情報を、当該個体情報を知りたい消費者等の住所等を送信することにより入手可能とすることにより、生産者3側が消費者情報を得られ、その後の生産計画に反映させることができる。これらの結果、実用上の効果が大きい流通システムの確立を図ることができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2