TOP > 国内特許検索 > プラズマエッチング方法及びフォトニック結晶製造方法 > 明細書

明細書 :プラズマエッチング方法及びフォトニック結晶製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5135574号 (P5135574)
公開番号 特開2008-004711 (P2008-004711A)
登録日 平成24年11月22日(2012.11.22)
発行日 平成25年2月6日(2013.2.6)
公開日 平成20年1月10日(2008.1.10)
発明の名称または考案の名称 プラズマエッチング方法及びフォトニック結晶製造方法
国際特許分類 H01L  21/3065      (2006.01)
G02B   1/02        (2006.01)
FI H01L 21/302 105A
G02B 1/02
請求項の数または発明の数 5
全頁数 17
出願番号 特願2006-171977 (P2006-171977)
出願日 平成18年6月21日(2006.6.21)
審査請求日 平成21年4月9日(2009.4.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】野田 進
【氏名】今田 昌宏
【氏名】高橋 重樹
【氏名】岡野 誠
個別代理人の代理人 【識別番号】110001069、【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
【識別番号】100095670、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 良平
審査官 【審査官】宮崎 園子
参考文献・文献 特開2006-049462(JP,A)
調査した分野 G02B 1/02
H01L 21/3065
特許請求の範囲 【請求項1】
基材の表面のエッチング対象領域を、該基材表面に対して斜め方向にエッチングするプラズマエッチング方法であって、
所定の厚さを有し上面が下面よりも外側に突出するように傾斜した縁を有する電界制御板を、該縁の、該基材表面の法線方向の該基材表面への投影面が前記エッチング対象領域を覆うように、該基材表面に略平行に配置し、
該基材の上方にプラズマを生成し、該プラズマ中のイオン該基材に入射するような電位差を該プラズマと該基材表面の間に形成することを特徴とするプラズマエッチング方法。
【請求項2】
前記エッチング対象領域に、所定のパターンで多数の孔を設けたマスクを配置することを特徴とする請求項1に記載のプラズマエッチング方法。
【請求項3】
誘電体から成る基材の表面の孔形成領域に、所定のパターンで多数の孔を設けたマスクを配置し
定の厚さを有し上面が下面よりも外側に突出するように傾斜した縁を有する電界制御板を、該縁の、該基材表面の法線方向の該基材表面への投影面が前記孔形成領域を覆うように、該基材表面に略平行に配置し、
該基材の上方にプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンが該基材に入射するような電位差を該プラズマと該基材表面の間に形成する
工程を有することを特徴とするフォトニック結晶製造方法。
【請求項4】
前記異方性エッチングを複数回、各回毎に前記電界制御板の縁の方向を変えて行うことを特徴とする請求項3に記載のフォトニック結晶製造方法。
【請求項5】
a) 誘電体から成る基材の表面の孔形成領域に、所定のパターンで多数の孔を設けたマスクを該基材表面に形成する工程であって、該孔形成領域を複数の帯状の領域に分けた帯状領域のうち4n番目(nは整数)の帯状領域に多数の孔が周期a1で配置されていると共に、(4n+2)番目の帯状領域に多数の孔が4n番目の帯状領域の孔とはa1/2だけ帯の長手方向にずれて周期a1で配置されている第1マスクを形成する第1マスク形成工程と、
b) 定の厚さを有し上面が下面よりも外側に突出するように傾斜した縁を有する電界制御板を、該縁の、該基材表面の法線方向の該基材表面への投影面が前記孔形成領域を覆うように、該基材表面に略平行に配置し、該基材の上方にプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンが該基材に入射するような電位差を該プラズマと該基材表面の間に形成することにより、前記帯状領域に平行な第1の方向に指向する異方性エッチングを行う第1エッチング工程と、
c) 前記第1マスクを除去する第1マスク除去工程と、
d) 前記孔形成領域内の(4n+1)番目の帯状領域に多数の孔が周期a1で配置されていると共に、(4n+3)番目の帯状領域に(4n+1)番目の帯状領域の孔とはa1/2だけ帯の長手方向にずれて周期a1で配置されている第2マスクを形成する第2マスク形成工程と、
e) 前記第1マスク形成工程において第1電界制御板を配置した位置から前記孔形成領域を挟んで対向する位置に、所定の厚さを有し上面が下面よりも外側に突出するように該基材表面の法線に対して縁が傾斜して形成されている第2の電界制御板を、該縁の、該基材表面の法線方向の該基材表面への投影面が前記孔形成領域を覆うように、該基材表面に略平行に配置し、該基材の上方にプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンが該基材に入射するような電位差を該プラズマと該基材表面の間に形成することにより、前記帯状領域に平行であって前記第1の方向とは異なる第2の方向に指向する異方性エッチングを行う第2エッチング工程と、
f) 前記第2マスクを除去する第2マスク除去工程と、
をこの順で行うことを特徴とする3次元フォトニック結晶製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス等の微細加工に適したプラズマエッチング方法及びその方法を用いたフォトニック結晶の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(1) フォトニック結晶について
近年、新しい光デバイスとして、フォトニック結晶が注目されている。フォトニック結晶とは周期屈折率分布をもった光機能材料であり、この周期屈折率分布の構造が光や電磁波のエネルギーに対してバンド構造を形成する。特に、光や電磁波の伝播が不可能となるエネルギー領域(フォトニックバンドギャップ、略称:PBG)が形成されることが特徴である。また、この屈折率分布の中に乱れ(欠陥)を導入することにより、PBG中にこの欠陥によるエネルギー準位(欠陥準位)が形成され、欠陥準位に対応する波長の光のみが、この欠陥位置において存在可能になる。これにより、点状の欠陥から成る光共振器や線状の欠陥から成る光導波路等をフォトニック結晶内に設けることができる。また、光導波路の近傍に、その光導波路を伝播する光の波長帯に含まれる大きさの共振波長を持つ光共振器を配置することにより、そのフォトニック結晶は光導波路を伝播する光のうちこの共振波長と同じ波長の光を光共振器に取り出すこと(分波)ができると共に、その波長の光を光共振器から光導波路に合流させること(合波)ができる光合分波器となる。
【0003】
フォトニック結晶には主に2次元フォトニック結晶(例えば特許文献1参照)と3次元フォトニック結晶(特許文献2)がある。特許文献1に記載の2次元フォトニック結晶は、板状の誘電体から成る本体に空孔を周期的に形成したものである。特許文献2に記載の3次元フォトニック結晶は、誘電体から成るロッドが平行に周期的に配列されたストライプ層を、最隣接のストライプ層のロッド同士が直交し次隣接のストライプ層のロッド同士が平行且つ半周期ずれるように積層したものである。3次元フォトニック結晶は欠陥位置に存在する光が外部に漏出し難く、光共振器や光導波路の損失を極めて低く抑えることができるという利点を有する。
【0004】
従来、3次元フォトニック結晶は、ストライプ層同士の位置を正確に合わせなければならないという点で製造が難しいとされていた。それに対して、最近、非特許文献1において、誘電体から成る基材の表面に対して傾斜した第1の方向を指向する第1の異方性エッチングを行ってこの第1方向に延びる孔を形成した後に、第1方向と所定の角度で交差する第2の方向を指向する第2の異方性エッチングを行ってこの第2方向に延びる孔を形成することにより3次元フォトニック結晶を製造することが提案された。この方法では、4n番目(nは整数)のストライプ層及びそれに次隣接の(4n+2)番目のストライプ層は第1の異方性エッチングにより、(4n+1)番目及び(4n+3)のストライプ層は第2の異方性エッチングにより、それぞれ製造される。この方法によれば、ストライプ層同士の位置合わせを行う必要がないため、製造が容易である。
【0005】
ここで、第1方向と第2方向の成す角度は80°~100°であることが望ましい。
図1(a)に、基材の材料にSiを用いた場合を例に、異方性エッチングのエッチング角と、そのエッチングにより得られる3次元フォトニック結晶のPBGの大きさ(PBG幅)の関係を計算で求めた結果をグラフで示す。この計算において、第1方向と第2方向は、基材11の表面に対する垂線を含む同一面内にあり、その垂線との成す角度(エッチング角)は共に同じ大きさαである。従って、第1方向と第2方向の成す角度は2αである。図1(a)より、PBG幅はエッチング角αが40°~50°の範囲内ではほぼ同じ大きさになり、その範囲から離れるに従って小さくなることがわかる。PBGの幅が大きいほど、所望の波長帯の光が伝播する光導波路や所望の共振波長の光に共振する光共振器が得易く、光合分波器として使用することができる波長帯域を大きくすることができる、等の利点がある。そのため、エッチング角αは40°~50°、即ち第1方向と第2方向の成す角度は80°~100°とすることが望ましい。
【0006】
一方、2次元フォトニック結晶は3次元フォトニック結晶よりも製造が容易であるという利点を有する。最近、TE偏波及びTM偏波の双方に共通のPBG(完全PBG)を、従来よりも広いエネルギー領域に亘って形成することができる2次元フォトニック結晶が提案された。非特許文献2には、板状の基材の表面における三角格子の各格子点から、互いに異なる方向に延びる3個の空孔が形成された2次元フォトニック結晶が記載されている。それら3個の空孔は、本体に平行な方向には互いに120°ずつ異なり、本体に垂直な方向にはいずれも本体の法線に対して約36°傾斜した方向に形成されている。従来の2次元フォトニック結晶では完全PBGの幅は最大でも数%(完全PBGの中心値に対する幅の大きさで定義)であったのに対して、この2次元フォトニック結晶では約15%(基材にSiを用いた場合)の幅を持つ完全PBGを形成することができる。
【0007】
(2) 斜方向エッチングについて
ここまでに述べたように、非特許文献1に記載の3次元フォトニック結晶、及び非特許文献2に記載の傾斜空孔を有する2次元フォトニック結晶はいずれも、基材に対して所定の角度だけ傾斜した方向に基材をエッチング(斜方向エッチング)することにより製造される。このような斜方向エッチングはフォトニック結晶の製造の場合に限られず、半導体デバイスの微細加工や微小電気機械システム(microelectromechanical system、略称:MEMS)の製造等にも用いることができる。
【0008】
斜方向エッチングの方法の1つとして、プラズマエッチングの一種である反応性イオンエッチング法が挙げられる。図2に示すように、反応性イオンエッチング法はプラズマ12中のイオンをバイアス電圧により加速して被加工物に入射させることにより、被加工物をエッチングするものである。この反応性イオンエッチング法を用いる場合、イオンを加速する方向に対して基材11を傾斜して配置(図2(a))すれば、斜方向エッチングを行うことができるようにも思われる。しかし、実際には、このように基材11を配置すると、バイアス電圧により形成される等電位面13は基材11の表面に平行に形成され(図2(b))、イオンはその軌道14がこの等電位面13に対して垂直な方向となるように曲げられ、基材11の表面に対して垂直に入射する。そのため、この方法では基材に対して斜方向にエッチングをすることができない。
【0009】
非特許文献3には、図2(c)に示すように、プラズマ12にバイアス電圧を印加するための電極141及び142の間に、上面にステンレス鋼製の格子から成る窓151を設けたシールド(ファラデー箱)15を設け、シールド15の中に、イオンの加速方向に対して基材11を傾斜して配置した状態で基材11をプラズマエッチングすることが記載されている。この方法によれば、プラズマ中のイオンはシールド15の外側においてバイアス電圧により加速され、窓151からシールド15内に進入する。この時、シールド15内には電界が形成されていないため、イオンは軌道を曲げられることなく、基材11の表面に対して斜め方向に入射する。これにより基材11は斜方向にエッチングされる。
【0010】
特許文献3には、図2(d)に示すように、基材11をその表面がイオンの入射方向に対して垂直になるように配置し、基材11の表面に対して傾斜した上面を持つテーパブロック16をその表面に配置し、テーパブロック16の上に電界制御板(特許文献3では「プラズマ制御板」と表記)17を載置したうえで、基材11を反応性イオンエッチング法によりエッチングすることが記載されている。この方法によれば、基材11と電界制御板17が接する点の付近においてイオンは軌道を曲げられ、基材11の表面に対して斜め方向に入射する。これにより基材11はその箇所において斜め方向にエッチングされる。
【0011】

【特許文献1】特開2001-272555号公報
【特許文献2】特開2001-074955号公報
【特許文献3】特開2006-000945号公報
【非特許文献1】高橋 重樹 他、"New Fabrication Method of Woodpile 3D Photonic Crystals"(「ウッドパイル型3次元フォトニック結晶の新しい作製方法」)、PECS-VI: International Symposium on Photonic and Electromagnetic Crystal Structures(第6回フォトニック結晶に関する国際シンポジウム)講演要旨(ポスターセッションD)、[online]、2005年5月26日発行、[2006年5月22日検索]、インターネット<URL: http://www.cmpgroup.ameslab.gov/PECSVI/ProgramBook/14PosterSessionD.pdf>、第14頁
【非特許文献2】北川 均 他、2006年春季第53回応用物理学関係連合講演会講演予稿集、第3分冊、講演番号22a-L-11
【非特許文献3】G. D. Boyd他、アプライド・フィジックス・レターズ、(米国)、アメリカ応用物理学会発行、1980年4月1日、第36巻、第7号、第583-586頁(G. D. Boyd et al. "Directional reactive ion etching at oblique angles", Applied Phisics Letters, American Institute of Physics, vol. 36, No. 7, pp. 583-586)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献3の方法では、電界制御板17の角度β(電界制御板17と基材11の表面との成す角度)を大きくするほどエッチング角αが大きくなる。しかし、電界制御板17はテーパブロック16に載置されていることから電界制御板角度βは90°以上にすることはできないため、この方法によればエッチング角αは電界制御板角度βが90°の時の値よりも大きくすることができない。そのため、この方法では、3次元フォトニック結晶の作製の際に求められる40°~50°や、非特許文献2に記載の2次元フォトニック結晶の作製に必要な36°といった大きさのエッチング角αでの斜方向エッチングを、フォトニック結晶を作製するのに十分な面積に亘って行うことはできない。
【0013】
また、非特許文献3に記載の方法では基材を傾斜して配置し、また、特許文献3に記載の方法においても同様に電界制御板を基材上で傾斜して配置しているが、この場合、基材の上部に大きな空間が必要である。
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、大きなエッチング角で、且つフォトニック結晶を作製するのに十分な大面積に亘って、従来よりも小さい空間内で斜方向エッチングを行うことができるプラズマエッチング方法、及びそのプラズマエッチング方法を用いたフォトニック結晶の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために成された本発明に係るプラズマエッチング方法は、基材の表面のエッチング対象領域を、該基材表面に対して斜め方向にエッチングするプラズマエッチング方法であって、
所定の厚さを有し上面が下面よりも外側に突出するように傾斜した縁を有する電界制御板を、該縁の、該基材表面の法線方向の該基材表面への投影面が前記エッチング対象領域を覆うように、該基材表面に略平行に配置し、
該基材の上方にプラズマを生成し、該プラズマ中のイオン該基材に入射するような電位差を該プラズマと該基材表面の間に形成することを特徴とする。

【0016】
本発明に係るフォトニック結晶製造方法は、誘電体から成る基材の表面の孔形成領域に、所定のパターンで多数の孔を設けたマスクを配置し
定の厚さを有し上面が下面よりも外側に突出するように傾斜した縁を有する電界制御板を、該縁の、該基材表面の法線方向の該基材表面への投影面が前記孔形成領域を覆うように、該基材表面に略平行に配置し、
該基材の上方にプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンが該基材に入射するような電位差を該プラズマと該基材表面の間に形成する
工程を有することを特徴とする。

【0017】
また、
a) 誘電体から成る基材の表面の孔形成領域に、所定のパターンで多数の孔を設けたマスクを該基材表面に形成する工程であって、該孔形成領域を複数の帯状の領域に分けた帯状領域のうち4n番目(nは整数)の帯状領域に多数の孔が周期a1で配置されていると共に、(4n+2)番目の帯状領域に多数の孔が4n番目の帯状領域の孔とはa1/2だけ帯の長手方向にずれて周期a1で配置されている第1マスクを形成する第1マスク形成工程と、
b) 定の厚さを有し上面が下面よりも外側に突出するように傾斜した縁を有する電界制御板を、該縁の、該基材表面の法線方向の該基材表面への投影面が前記孔形成領域を覆うように、該基材表面に略平行に配置し、該基材の上方にプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンが該基材に入射するような電位差を該プラズマと該基材表面の間に形成することにより、前記帯状領域に平行な第1の方向に指向する異方性エッチングを行う第1エッチング工程と、
c) 前記第1マスクを除去する第1マスク除去工程と、
d) 前記孔形成領域内の(4n+1)番目の帯状領域に多数の孔が周期a1で配置されていると共に、(4n+3)番目の帯状領域に(4n+1)番目の帯状領域の孔とはa1/2だけ帯の長手方向にずれて周期a1で配置されている第2マスクを形成する第2マスク形成工程と、
e) 前記第1マスク形成工程において第1電界制御板を配置した位置から前記孔形成領域を挟んで対向する位置に、所定の厚さを有し上面が下面よりも外側に突出するように該基材表面の法線に対して縁が傾斜して形成されている第2の電界制御板を、該縁の、該基材表面の法線方向の該基材表面への投影面が前記孔形成領域を覆うように、該基材表面に略平行に配置し、該基材の上方にプラズマを生成し、該プラズマ中のイオンが該基材に入射するような電位差を該プラズマと該基材表面の間に形成することにより、前記帯状領域に平行であって前記第1の方向とは異なる第2の方向に指向する異方性エッチングを行う第2エッチング工程と、
f) 前記第2マスクを除去する第2マスク除去工程と、
をこの順で行うことにより、3次元フォトニック結晶を製造することができる。
前記第1電界制御板と第2電界制御板には、第1エッチング工程と第2エッチング工程におけるエッチング角αを同じ大きさにする場合には、同一の電界制御板を用いることができる。
【0018】
本願では「基材の上方」、「(電界制御板の)上(下)面」等のように「上」及び「下」という語を用いるが、これらの語は基材、電界制御板及びプラズマの相対的な位置関係を表すために便宜的に用いたものであり、それら位置関係を鉛直方向に関する上下に限定するものではない。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るプラズマエッチング方法によれば、電界制御板の縁が、電界制御板の上面が下面よりも外側に突出(オーバーハング)するように傾斜しており、一見すると、縁の直下では電界制御板自体がマスクとなりエッチングがなされないようにも思われる。しかし、プラズマと基材表面の間に電位差(バイアス電圧)を形成すると、縁付近の等電位面は縁の下側に引き込まれるように形状が歪む。そのため、イオンは縁の直下の領域に回り込み、基材表面に対して斜め方向に入射する。これにより、基材を、その表面の法線に対して傾斜した方向にエッチングすることができる。
【0020】
前述の特許文献3に記載の方法においても、電界制御板を用いて等電位面を歪ませることにより斜方向にエッチングがなされると考えられる。しかし、特許文献3に記載の方法では電界制御板角度βは最大でも90°でありオーバーハングさせることができない。それに対して、本発明では電界制御板の縁をオーバーハングさせることにより、特許文献3に記載の方法よりも等電位面の形状を大きく歪ませることができ、その結果、エッチング角αをより大きくすることができると共に、より大きな領域に亘ってこのような斜め方向エッチングを行うことができる。
【0021】
また、本発明のプラズマエッチング方法では、斜方向エッチングは電界制御板の縁の直下の領域においてなされる。そのため、この領域に向かって基材表面に対して垂直方向に進行するイオンは電界制御板の上面において遮断され、この領域には到達せず、垂直方向のエッチングが生じることを防いで所望の斜方向エッチングのみを行うことができる。
【0022】
本発明では、電界制御板の縁と基材表面の成す角度や電界制御板の厚さを調整することにより、電界制御板の縁付近における等電位面の形状及びそれにより定まるエッチング角を制御することができる。
また、エッチングガスの流量や圧力、あるいはエッチングガスをプラズマ化する際に投入される電力等を調整することによっても、プラズマシースの厚さやバイアス電圧の大きさを変化させることができ、その結果、電界制御板の縁付近における等電位面の形状及びそれにより定まるエッチング角を制御することができる。
これらの各条件は予備実験により定めることができる。
【0023】
更に、本発明では電界制御板を基材表面に略平行に配置するため、電界制御板を支えるジグ(例えば特許文献3に記載のテーパブロック)を用いる必要がなく、また、基材の上部に大きな空間が必要になることもない。
【0024】
本発明のプラズマエッチング方法を、非特許文献1に記載の3次元フォトニック結晶や非特許文献2に記載の傾斜空孔を有する2次元フォトニック結晶を製造する際に必要な斜方向エッチングに用いることにより、3次元フォトニック結晶の作製の際に求められる40°~50°や、非特許文献2に記載の2次元フォトニック結晶の作製に必要な36°といった大きなエッチング角を実現することができる。また、エッチング角を容易に調整することができるため、これらのフォトニック結晶の製造が容易になる。
【0025】
本願発明者が行った後述の実験によれば、所定の条件において、電界制御板の縁からの距離が数百μmの範囲内において、ほぼ同じエッチング角で斜方向エッチングを行うことができる。そのため、数百μm角程度の大きさのフォトニック結晶を製造する場合には、1方向に対するエッチングは1回行うだけでよく、フォトニック結晶の製造工程を簡素化することができる。
【0026】
また、本発明のプラズマエッチング方法は、フォトニック結晶の製造のみならず、半導体デバイスやMEMS等、斜方向エッチングによる微細加工が必要な物の製造にも好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(1)プラズマエッチング方法
本発明のプラズマエッチング方法の一実施形態を、図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態における処理対象の基材21及び電界制御板22の配置を示したものである。電界制御板22は基材21の表面に略平行に配置され、その電界制御板22の縁23は、基材21表面に対して斜め方向に切断された形状、具体的には、縁23において電界制御板22の上面が下面よりも外側(図3の左側)にオーバーハングした形状を有している。このように電界制御板22を配置した状態で、従来の反応性イオンエッチング法と同様の方法によりプラズマを生成し、そのプラズマ中のイオンにバイアス電圧を印加することによりイオンを加速して基材21及び電界制御板22の表面に照射する。
【0028】
このように電界制御板22の縁23がオーバーハングしていることにより、一見すると、縁23の直下の領域26にはイオンが到達せず、その領域では基材21がエッチングされないようにも思われる。しかし、実際には以下の理由により、その領域26にもイオンが到達し、まさにその領域26において斜方向エッチングが実現する。
イオンが基材21及び電界制御板22の表面に照射される間、バイアス電圧による等電位面24は、基材21及び電界制御板22の中央付近ではそれらに対してほぼ平行に形成される。それに対して、基材21と電界制御板22の境界付近では、縁23に沿って電界制御板22の下面側に等電位面が引き込まれるように変形する。即ち、等電位面24は縁23付近において基材21及び電界制御板22に平行な平面から歪んだ形状になる。この境界付近では、照射されるイオンの軌道は、このように歪んだ等電位面24に対して垂直方向に、即ち基材21の表面の法線に対して傾斜した方向に曲げられる。そして、領域26にイオンが回り込んで入射する。これにより、領域26では、縁23の影になることなく、イオンは基材21の表面に対してこの傾斜した方向に入射するため、基材21はこの方向に指向したエッチングがなされる。
【0029】
特許文献3に記載の電界制御板を傾斜させて用いた場合、あるいは縁が基材の表面に対して略垂直に形成された電界制御板を基材21に平行に配置した場合と比較すると、本実施形態の方法は、上述のようにイオンが縁23の直下に回り込むようにして基材21に入射することにより、エッチング角をより大きくすることができる。これにより、3次元フォトニック結晶の作製に必要な40°~50°、あるいは非特許文献2に記載の2次元フォトニック結晶の作製に必要な36°という大きなエッチング角での斜方向エッチングを、それらフォトニック結晶を作製するのに十分な数百μm角以上の大きな領域に亘って実現することができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、領域26に、基材21の表面に対して垂直方向に進行するイオンが進入しようとした場合には、そのイオンは電界制御板22の上面において遮断され、領域26には到達しない。そのため、領域26において基材21がその表面に対して垂直方向にエッチングされることがない。
【0031】
エッチング角は縁23の傾斜角の他に、電界制御板22の厚さ、エッチングガスの流量、圧力、投入電力を調整することによって制御することもできる。従って、縁23の傾斜角を含むこれらのパラメータとエッチング角の関係を予備実験により求めておくことにより、所望のエッチング角でエッチングを行うことができる。
【0032】
本実施形態においては、電界制御板22を基材21に略平行に配置するため、電界制御板を支持するためのジグが不要であり、また、電界制御板22の上部の空間を最小限に抑えることができる。
【0033】
なお、図3には縁が直線状に形成される例を示したが、この縁の形状は曲線状であってもよい。また、図3には1つの断面のみにおける制御板の縁の形状のみを示したが、図の奥行き方向の縁の形状をこれらの図に表された断面に平行な各断面において全て同じ形状にすることにより、加工される基材の形状を奥行き方向に一様にすることができる。それに対して、各断面において縁の形状を異なる形状にすれば、奥行き方向に変化のある形状を基材に形成することができる。
【0034】
(2)フォトニック結晶の製造方法
ここでは、前述の実施形態に係るプラズマエッチング方法を用いたフォトニック結晶の製造方法の一実施形態について説明する。
【0035】
(2-1)3次元フォトニック結晶の製造方法
図4(a)に、本実施形態の方法により製造される3次元フォトニック結晶を示す。この3次元フォトニック結晶30はSiやGaAs等の誘電体から成るロッド31が周期aで略平行に並んだストライプ層32が積層した構造を有する。ストライプ層32は4層周期で同じ構造になるように積層しており、互いに次隣接である4n番目(nは整数、以下同様)のストライプ層321のロッド31と(4n+2)番目のストライプ層323のロッド31は略平行且つ1/2周期ずつずれるように並んでいる。(4n+1)番目のストライプ層322のロッド31と(4n+3)番目のストライプ層324のロッド31の関係も同様である。そして、最隣接のストライプ層32同士では、ロッド31は略直交するように配置されている。なお、その交差角が90°から多少ずれたとしても、その積層体は、フォトニックバンドギャップが形成されフォトニック結晶として機能する。
図4(b)に、(a)とは異なる方向から見た斜視図を示す。この図では、ストライプ層32に垂直であってロッド31に角度45°で交差する断面33を上面として表した。ストライプ層321及びストライプ層323においては、ロッド31は図の左上から右下に延びるように形成されていると共に、ロッド31の間にある空隙34も図の左上から右下に延びるように形成されている。一方、ストライプ層322及びストライプ層324においては、ロッド31及び空隙34は図の右上から左下に延びるように形成されている。
【0036】
本実施形態のフォトニック結晶製造方法では、本発明のプラズマエッチング法を用いて断面33から斜方向に延びる空隙34を形成することにより、3次元フォトニック結晶30を製造する。その方法を、図5及び図6を用いて説明する。図5に示した断面は、この方法により製造される3次元フォトニック結晶30のストライプ層32に平行な面であり、図5(a), (b)はストライプ層321又は323を通る断面を、(c)~(e)はストライプ層322又は324を通る断面を、それぞれ表している。
【0037】
まず、ロッド31と同じ材料から成る基材41を用意し、基材41の表面にマスク421を形成する(図5(a))。このマスク421は、図6(a)に示すように、断面33においてストライプ層321及び323内の空隙34に対応する位置に孔431を設けたものである。孔431は、ストライプ層に平行な方向に周期a1(例えばエッチング角が基材41の表面に対して45°である場合にはa1=20.5a)で並んでおり、ストライプ層321に対応する帯状の領域とストライプ層323に対応する帯状領域の間ではa1/2だけずれて配置されている。
【0038】
次に、基材41の上のマスク421の近傍に電界制御板22を載置し、本発明のプラズマエッチング法により基材41をエッチングする(図5(b))。ここで、電界制御板22はこの図におけるマスク421の右側に載置する。また、縁23はストライプ層32に平行な断面において図の左上から右下に向かって切断された形状を有する。縁23の表面と基材41の表面の成す角度、電界制御板22の厚さ、プラズマエッチングの条件等は、空隙34の延びる方向に基材がエッチングされるように、予備実験により求めておく。このように電界制御板22を配置することにより、基材41には、マスクの孔431を通して左上から右下に指向したイオンが入射し、このイオンの入射方向と同じ方向に延びる空隙34を有するストライプ層321及び323が形成される。
【0039】
次に、マスク421を除去し、基材41の表面にマスク422を形成する(図5(c))。マスク422は、ストライプ層322及び324内の空隙34に対応する位置に孔432を設けたものである(図6(b))。次に、基材41の上のマスク422の近傍に電界制御板22を載置し、本発明のプラズマエッチング法により基材41をエッチングする(図5(d))。ここで、電界制御板22はマスク422の左側に載置され、縁23はストライプ層32に平行な断面において図5(d)の右上から左下に向かって切断された形状を有する。なお、電界制御板22は図5(b)に示したものを、向きを変えるだけでそのまま用いることができる。これにより、基材41には、マスクの孔432を通して右上から左下に指向したイオンが入射し、このイオンの入射方向と同じ方向に延びる空隙34を有するストライプ層322及び324が形成される。その後、マスク422を除去することにより、3次元フォトニック結晶30が完成する(図5(e))。
【0040】
(2-2)傾斜空孔2次元フォトニック結晶の製造方法
図7に、本実施形態のフォトニック結晶製造方法により作製される、非特許文献2に記載の傾斜空孔2次元フォトニック結晶50の一例を示す。傾斜空孔2次元フォトニック結晶50は、誘電体から成る板状の基材51に、この基材51に平行な断面において円形である空孔52が周期的に形成されたものである(a)。空孔52は、基材51の表面531においては三角格子541の格子点521上に配置されており、基材51の裏面532においては、三角格子541の格子点により形成される三角形の重心の直下にある、三角格子542の格子点522上に配置されている(b)。全ての格子点521から同様に、それに最隣接の3個の格子点522に向かってそれぞれ1個ずつ、基材51に対して傾斜して延びる斜円柱状の空孔柱52A、52B及び52Cが形成されている。図7(b)及び(c)に、それら3個の空孔柱52A~52Cが延びる方向を矢印で示した。これら矢印の表面531への射影は、3個の空孔柱52A~52Cの間で120°ずつ異なる方向を向いている。
【0041】
この傾斜空孔2次元フォトニック結晶50の製造方法を、図8を用いて説明する。まず、板状の基材51の表面に、三角格子状に配置された孔56を有するマスク55を形成する(a)。次に、基材51の上のマスク55の近傍に電界制御板22を載置する(断面図:(b-1)、上面図:(b-2))。電界制御板22の縁23は基材51に垂直な断面において下面が上面よりもマスク55側に突出した構造を有する。縁23の表面と基材51の成す角度は、プラズマエッチングにより基材51が空孔柱52Aの延びる方向にエッチングされるように、予備実験により求めておく。ここで、縁23は(b-1)では奥行き方向に延び、(b-2)では左右方向に延びている。電界制御板22の向きは、この縁23の方向が三角格子541のうちの1本の格子に平行になるようにする(b-2)。なお、(b-1)中の点及び(b-2)中の破線231は、縁23が基材51の表面に接する部分を示している。このように電界制御板22を配置して本発明のプラズマエッチング法を実行することにより、マスク55の各孔56から同じ方向に延びる空孔柱52A(図8には図示せず)が形成される。
【0042】
次に、マスク55はそのままで、縁23の向きを基材51の法線を軸として120°回転させた方向に変えて、電界制御板22をマスク55の近傍に配置する(c)。この状態で(b-2)の場合と同様にエッチングを行うことにより、空孔柱52Bが形成される。更に縁23の向きを同様に120°回転させて電界制御板22をマスク55の近傍に配置し(d)、同様にエッチングを行うことにより、空孔柱52Cが形成される。その後、マスク55を除去することにより、傾斜空孔2次元フォトニック結晶50が得られる。
【実施例】
【0043】
(1) 第1実施例(プラズマエッチング方法の実施例)
本発明のプラズマエッチング方法の一実施例を、図9~図11を用いて説明する。Siから成る基材61の上に、周期的に孔が形成されたマスク62を載置し、基材61上にマスク62に接するように電界制御板22を載置した状態で、第1実施形態のプラズマエッチング方法を実施した(図9)。電界制御板22には、厚さが600μmであって、上面が下面よりもマスク62側に突出するように縁23が基材61の表面に対して約55°の方向に切断された形状を有するものを用いた。なお、本実施例では電界制御板22の材料には基材61と同じSiを用いたが、SiO2やAl等の他の材料から成る電界制御板を用いることはもちろん可能である。
【0044】
本実施例により、基材61の表面に対して斜め方向に伸びる斜空孔63が形成された。その斜空孔63が形成された基材61の上面(a)及び基材61を縦方向に切断した縦断面(b)の電子顕微鏡写真を図10に示す。これらの写真は、原点O(電界制御板22の下面における縁23の位置)から約200μm離れた位置を中心に、図9の横方向に約2μmの幅を持つ領域を撮影したものである。この写真より、基材61の上面の法線に対する角度θが約40°であって約1.3μmの深さまで延びる斜空孔63が形成されていることがわかる。
【0045】
本実施例において、原点Oからの距離xだけ離れた位置から延びる斜空孔の角度θを測定した結果を図11に示す。距離xが10~200μmの範囲内において、3次元フォトニック結晶を作製するにあたって十分大きなPGB幅を得るために求められる40°~50°のエッチング角が得られた。
【0046】
比較のために、基材の表面に対して垂直に形成された縁23aを持つ電界制御板22a(図12)を用いて、同様の実験を行った。その結果を図13及び図14に示す。図13に示した写真は前述の図10と同様に原点Oから200μm離れた位置を中心に約2μmの幅を持つ領域を撮影したものである。この例においても、基材61にはその表面に対して斜め方向に伸びる斜空孔63aが形成されている。これは、縁23a付近において、電界制御板22aと基材61の表面の段差が存在することにより、等電位面24a(図12)の形状が歪むためであると考えられる。しかし、そのエッチング角は26°であり、図10(第1実施例)の場合よりも小さい。そして、原点Oのごく近傍(原点から約1μmまで)を除いて、3次元フォトニック結晶の作製に求められる40°~50°のエッチング角を得ることはできなかった。
以上の実験結果から、3次元フォトニック結晶を作製するためには、比較例に記載の方法ではなく、第1実施例のようにオーバーハングを持つ縁を有する電界制御板を用いることが望ましいことが明らかになった。
【0047】
(2) 第2実施例(3次元フォトニック結晶の製造方法の実施例)
図5に示した本発明の3次元フォトニック結晶の製造方法により作製された3次元フォトニック結晶の上面の顕微鏡写真を図15に示す。
本実施例では、結晶中のロッドが占める割合を示す充填率が異なる2種類の3次元フォトニック結晶を作製した。図15(a)には充填率が0.36である3次元フォトニック結晶30Aを、(b)には充填率が0.27である3次元フォトニック結晶30Bを、それぞれ示した。また、本実施例では、最隣接のストライプ層のロッドが交差する位置を通る断面33B(図4(b))が上面になるように、その断面33Bにおける空隙64の位置に合わせて孔を設けたマスクを用いた。空隙64は結晶上面から下に向かうに従い、ストライプ層321及び323では図15の左側から右側に延びるように、ストライプ層322及び324では図15の右側から左側に延びるように、それぞれ形成されている。結晶上面の法線と各空隙64の延びる方向の成す角度θは40°である。また、結晶上面における、ストライプ層に平行な方向の空隙64の周期は0.75μmであり、空隙64の深さは1.3μmである。基材には第1及び第2実施例と同様にSiから成るものを用いた。
【0048】
図16に、本実施例により得られた3次元フォトニック結晶30A及び30Bに赤外線を入射した時の透過率及び反射率の測定結果を示す。ここで透過率は、3次元フォトニック結晶30A及び30Bにおいて得られた値を、エッチングを行っていないSi基材の透過率で除すことにより規格化した値で示した。また、図17に、3次元フォトニック結晶30A及び30Bのエッチング角、ロッド誘電率、周期、充填率及び空隙の深さを用いて、時間領域差分法により透過率を計算した結果を示す。3次元フォトニック結晶30A及び30Bのいずれも、計算によりPBGが形成されることが示された波長帯域65A及び65B及びその近傍において透過率の実験値と計算値がよく一致している。この結果から、本実施例において作製された3次元フォトニック結晶30A及び30Bにおいて確かにPBGが形成されていることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】非特許文献1に記載の方法により作製される3次元フォトニック結晶における、異方性エッチングのエッチング角とPBG幅の関係を計算で求めた結果を示すグラフ。
【図2】従来の斜方向エッチングの方法の例及びその問題点を示す図。
【図3】本発明に係るプラズマエッチング方法の一実施形態を示す断面図。
【図4】本発明に係るフォトニック結晶の製造方法により作製される3次元フォトニック結晶の一例を示す斜視図。
【図5】本発明に係る3次元フォトニック結晶の製造方法の一実施形態を示す断面図。
【図6】本発明に係る3次元フォトニック結晶の製造方法の一実施形態に用いるマスクの上面図。
【図7】本発明に係るフォトニック結晶の製造方法により作製される傾斜空孔2次元フォトニック結晶の一例を示す斜視図(a)及び平面図(b)、並びに傾斜空孔の斜視図(c)。
【図8】本発明に係る傾斜空孔2次元フォトニック結晶の製造方法の一実施形態を示す断面図及び上面図。
【図9】第1実施例における基材61と電界制御板22の配置を示す断面図。
【図10】第1実施例により斜空孔63が形成された基材61の顕微鏡写真。
【図11】第1実施例により作製された斜空孔63の、位置xと基材61の上面の法線に対する角度θの関係を示すグラフ。
【図12】比較例における基材61と電界制御板22aの配置を示す断面図。
【図13】比較例により斜空孔63aが形成された基材61の顕微鏡写真。
【図14】比較例により作製された斜空孔63aの、位置xと基材61の上面の法線に対する角度θの関係を示すグラフ。
【図15】第2実施例により製造された3次元フォトニック結晶の例を示す上面の顕微鏡写真。
【図16】第2実施例により得られた3次元フォトニック結晶における赤外線の透過率及び反射率の測定結果を示すグラフ。
【図17】第2実施例により得られた3次元フォトニック結晶のエッチング角、ロッドの誘電率、周期、充填率及び空隙の深さを用いて、時間領域差分法により透過率を計算した結果を示すグラフ。
【符号の説明】
【0050】
11、21、41、51、61…基材
12…プラズマ
13、24…等電位面
14…イオンの軌道
141、142…電極
15…シールド
151…シールドの窓
16…テーパブロック
17、22、22a…電界制御板
23、23a…電界制御板の縁
231…基材と電界制御板が接する部分
26…縁23の直下の領域
30、30A、30B…3次元フォトニック結晶
31…ロッド
32、321~324…ストライプ層
33、33B…3次元フォトニック結晶の断面
34…空隙
421、422、55、62…マスク
431、432、56…マスクの孔
52…空孔
521、522…三角格子の格子点
52A、52B、52C…空孔柱
531…2次元フォトニック結晶の表面
532…2次元フォトニック結晶の裏面
541、542…三角格子
63、63a…斜空孔
64…空隙
65A、65B…PBGが形成される波長帯域
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図5】
3
【図6】
4
【図7】
5
【図8】
6
【図9】
7
【図11】
8
【図12】
9
【図14】
10
【図16】
11
【図17】
12
【図4】
13
【図10】
14
【図13】
15
【図15】
16